JP2018141192A - タービンホイールの製造方法、タービンホイール、およびタービンホイールの焼結治具 - Google Patents

タービンホイールの製造方法、タービンホイール、およびタービンホイールの焼結治具 Download PDF

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Abstract

【課題】射出成形されたタービンホイール成形品の焼結時における材料の自重によるブレード部の変形を防止し、二次加工を不要にする。【解決手段】中心部をなすボス部11とブレード部12と、を有するタービンホイール10の製造方法であって、タービンホイール10となる成形品10’を成形する射出成形工程と、この成形品10’を仮焼結させる仮焼結工程と、仮焼結させた成形品10’を、複数のブレード部12’の外角頂点13’が焼結治具20の上に接触するように焼結治具20上に倒立状態で載置する倒立載置工程と、成形品10’を焼結治具20の上に倒立載置した状態で本焼結させる本焼結工程とを備えている。焼結治具20は、本焼結工程において径方向および高さ方向に収縮する成形品10’における、ブレード部12’の外角頂点13’の動きに沿う円錐面状の円錐載置面23と、ボス部11’が嵌合される内径の嵌合部22と、を備えたものを用いる。【選択図】図8

Description

本発明は、金属粉末射出成形法によるタービンホイールの製造方法に係り、詳しくは、射出成形された成形品を高温で焼結させる際に、材料の自重によるブレード部の変形を防止し、後加工することなく最終製品形状に焼結できるようにしたタービンホイールの製造方法、タービンホイール、およびタービンホイールの焼結治具に関するものである。
自動車エンジン等に適用されるターボチャージャーに組み込まれているタービンローターは、排ガスに回転駆動されるタービンホイールと、外気を吸気して圧縮するコンプレッサーホイールと、これら両ホイールを同軸状に連結するロータ軸の3つの部品から構成されている。タービンホイールは、ロータ軸の先端に固定されるボス部と、このボス部から放射方向に延びる複数のブレード部とが耐熱性の高い金属材料により一体に成形された部品であり、各ブレード部は先端に行くほど薄肉になるとともに、その先端が回転方向に湾曲した形状をなしている。
このタービンホイールは、これまで鋳造によって製造されるのが一般的であったが、昨今では、例えば特許文献1,2に開示されているように、鋳造よりも寸法精度を高めることができる金属粉末射出成形法(MIM(Metal Injection Molding)法とも呼ばれる)によって製造されるようになってきた。これは、金属粉末と樹脂等の有機バインダーとを混練して粉末状にした成形材料を型に射出成形し、まず800〜1200℃程度で仮焼結させた後に、型から取り出してさらに1200〜1500℃程度で本焼結させるものである。これらの処理温度は材質や狙いとする組織に依存する。
特許文献1の製造方法は、金属粉末射出成形法により、所望する最終製品と近似した形状を有する成形品を製造する射出成形工程と、前記成形品を所定の温度で焼結させる焼結工程と、焼結後の成形品にロータ軸の先端を挿入するための軸連結部を機械加工する切削工程と、成形品を固定して放射状に配置された複数の矯正ピンを同時に同期させながら、成形品の中心軸部に向かってスライドさせていき、前記各矯正ピンを、各ブレード面に沿って、且つ各ブレード部を両側から挟み込むように中心軸部方向に挿入プレスするプレス工程とを含むことを特徴とする。このタービンホイールの製造方法によれば、薄肉のブレード部を有するタービンホイールであっても寸法精度良く製造することができる。
特許文献2の製造方法は、特許文献1の製造方法における焼結後の切削工程およびプレス工程といった二次加工が必要であることによる製造工数(製造コスト)の上昇を抑制するべく発明されたものであり、成形材料をタービンホイールの形状に射出成形して成形品を作製した後、この成形品を平板形状のセッターに載置し、その状態で焼結雰囲気下において焼結するものである。平板形状のセッターは、見掛け気孔率が15%〜18%であるとともに、その主成分が耐火性のあるアルミナおよびシリカであって、シリカの重量比率が3%〜10%とされている。また、セッターの平面度は0.02mm〜0.1mmとされている。
このような平板状で気孔率の高いセッターの上に、タービンホイールの形状に射出成形された成形品を載置して焼結することにより、焼結時に焼結金属に含まれる有機バインダーの成分がガスとして外部に放出されやすくなり、シリカは処理体と反応しないことも相俟って、焼結後の成形品の寸法精度を少なからず向上させることができる。
国際公開第2010/050248号 特開2016−211043号公報
しかしながら、特許文献2の製造方法では、タービンホイールの成形品を作製した後、同文献の図3に示されるように、この成形品を平板形状のセッターに正立状態で載置して焼結させているため、焼結時の高温によって成形品が軟化した際に、湾曲形状を有するブレード部の先端が、その自重によって下方に垂下変形してしまう場合がある(本願図3中の線12a参照)。このような場合には変形を修正するために特許文献1のような二次加工を行うことを余儀無くされ、結果的に工数増大と製造コストの上昇を招くことになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、射出成形されたタービンホイールの成形品を高温で焼結させる際に、材料の自重によるブレード部の変形を防止し、二次加工を必要とせずに最終製品形状にして製造コストを低減させることができるタービンホイールの製造方法、タービンホイール、およびタービンホイールの焼結治具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するべく、本発明の第1態様に係るタービンホイールの製造方法は、中心部をなすボス部と、前記ボス部から放射状に延びて先端が回転方向に湾曲している複数のブレード部と、を有するタービンホイールの製造方法であって、金属粉体とバインダーとを混合した成形材料を型に射出成形して前記タービンホイールとなる成形品を成形する射出成形工程と、前記バインダーが溶融する温度で前記成形品を仮焼結させる仮焼結工程と、前記仮焼結工程で仮焼結させた前記成形品を、複数の前記ブレード部の外角頂点が焼結治具の上に接触するように前記焼結治具の上に倒立状態で載置する倒立載置工程と、前記成形品を、前記焼結治具の上に倒立載置した状態で、前記バインダーの成分が前記成形品の外部に放出されるとともに前記金属粉体同士が溶着する温度で前記成形品を本焼結させる本焼結工程と、を備えたものである。
上記の製造方法によれば、仮焼結を終えた成形品が、その複数のブレード部の外角頂点を焼結治具の上に接触させた倒立状態で焼結治具の上に載置されながら本焼結される。換言すれば、ブレード部の外角頂点が焼結治具によって下方から支持された状態で本焼結が行われる。
このため、従来のように成形品を焼結治具の上に正立状態で載置して本焼結する場合に比べて、本焼結時の高温により成形品が軟化してもブレード部の先端が自重により垂下変形することがない。したがって、本焼結時におけるブレード部の変形を防止し、切削やプレス成形等の二次加工を必要とせずにタービンホイールの最終製品形状に完成させて製造コストを低減させることができる。
上記のタービンホイールの製造方法において、前記焼結治具は、前記本焼結工程において径方向および高さ方向に収縮する前記成形品における、前記ブレード部の前記外角頂点の動きに沿う円錐面状の円錐載置面を備えたものとしてもよい。
このような円錐載置面を備えた焼結治具を用いれば、焼結治具の上に倒立載置されたタービンホイールの成形品が本焼結時の高温により径方向および高さ方向に収縮する際に、各ブレード部の外角頂点が円錐載置面の円錐面に沿って均等に中心方向にスライドする。つまり、各ブレード部の外角頂点が常に円錐面に接触して下方から支持された状態に保たれる。したがって、成形品が収縮する際に、各ブレード部の外角頂点が焼結治具から浮き上がったり押し付けられたりせず、これによって本焼結時におけるブレード部の変形が確実に防止される。
上記の焼結治具は、前記ボス部が嵌合される内径の嵌合部をさらに備えたものとしてもよい。このような嵌合部を焼結治具に設ければ、タービンホイールの成形品を焼結治具の上に倒立状態で載置する際に、成形品のボス部を嵌合部に嵌合させるだけで成形品の各ブレード部の外角頂点を焼結治具の円錐載置面に対して同心状に配置することができる。
これにより、本焼結時に成形品が径方向および高さ方向に収縮する際に、各ブレード部の外角頂点が焼結治具から浮き上がったり押し付けられたりすることが抑制され、本焼結時におけるブレード部の変形がより確実に防止される。しかも、成形品を焼結治具の上に載置する際の作業効率が良くなる。
本発明の第2態様に係るタービンホイールは、上記のいずれかに記載の製造方法によって製造されるものである。したがって、その射出成形された成形品が高温で本焼結される際に、材料の自重によるブレード部の垂下変形がなく、切削やプレス成形といった二次加工を必要とせずに最終製品形状に完成できるため、製造コストが安い。
本発明の第3態様に係る焼結治具は、金属粉末射出成形法により成形され、中心部をなすボス部と、前記ボス部から放射状に延びて先端が回転方向に湾曲している複数のブレード部と、を有するタービンホイールの成形品を本焼結させる際に、該成形品を、複数の前記ブレード部の外角頂点が接触するように倒立状態で載置するためのものであって、前記本焼結時において径方向および高さ方向に収縮する前記成形品における、前記ブレード部の前記外角頂点の動きに沿う円錐面状の円錐載置面と、前記円錐載置面の中心部に位置し、前記ボス部が嵌合される内径の嵌合部と、を備えたものである。
上記のタービンホイールの焼結治具によれば、仮焼結を終えて焼結治具の上に倒立載置されたタービンホイールの成形品が本焼結時の高温により径方向および高さ方向に収縮する際に、その複数のブレード部の外角頂点が焼結治具によって下方から支持される。この時には、各ブレード部の外角頂点が円錐載置面の円錐面に沿って均等にスライドし、各外角頂点が常に円錐面に接触して下方から支持された状態に保たれる。
したがって、本焼結時の高温により成形品が軟化しても、成形品を焼結治具の上に正立状態で載置した従来の場合のようにブレード部の先端が自重により変形することがない。しかも、各ブレード部の外角頂点が焼結治具から浮き上がったり押し付けられたりすることがなく、本焼結時におけるブレード部の変形が確実に防止される。
また、タービンホイールの成形品を焼結治具の上に倒立状態で載置する際に、成形品のボス部を焼結治具の嵌合部に嵌合させるだけで、成形品の各ブレード部の外角頂点を焼結治具の円錐載置面に対し同心状に配置することができる。このため、各ブレード部の外角頂点が焼結治具から浮き上がったり押し付けられたりすることをより効果的に抑制でき、成形品を焼結治具の上に載置する際の作業効率を良くすることができる。
こうして、本焼結時におけるブレード部の変形を防止し、切削やプレス成形等の二次加工を必要とせずに最終製品形状に完成させてタービンホイールの製造コストを低減させることができる。
以上のように、本発明に係るタービンホイールの製造方法、タービンホイール、およびタービンホイールの焼結治具によれば、射出成形されたタービンホイールの成形品を高温で焼結させる際に、材料の自重によるブレード部の変形を防止し、二次加工を必要とせずに最終製品形状にして製造コストを低減させることができる。
本発明に係る製造方法によって製造されるタービンホイールの一例を示す斜視図である。 同じくタービンホイールの平面図である。 同じくタービンホイールの側面図である。 同じくタービンホイールの縦断面図である。 本発明に係るタービンホイールの製造方法の流れをフローチャートで示す図である。 本発明に係る焼結治具の縦断面図である。 仮焼結された成形品が焼結治具上に倒立状態で載置された状態を示す縦断面図である。 本焼結工程において成形品が焼結治具上で収縮する状態を示す縦断面図である。 図8のIX部拡大図である。 本発明の他の実施形態を示す縦断面図である。 図10のXI部拡大図である。
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1から図4は、それぞれ本発明に係る製造方法によって製造されるタービンホイールの一例を示す斜視図、平面図、側面図、および縦断面図である。
このタービンホイール10は、公知のように、中心部をなすボス部11と、このボス部11から放射状に延びて先端が回転方向に湾曲している複数のブレード部12と、を有する羽根車状に形成されている。各ブレード部12は先端に行くほど薄肉になるとともに、その先端が回転方向に湾曲した形状をなしている。ここで、後の説明のためにブレード部12の外周肩部を外角頂点13と定義する。
ボス部11にはその中心軸線に沿って穴状の軸連結部14が形成されており、この軸連結部14に図示しないロータ軸の一端が挿入固定され、ロータ軸の他端に前述のコンプレッサーホイール(非図示)が固定され、タービンホイール10とコンプレッサーホイールとが一体に回転するように組み立てられる。なお、タービンホイール10の直径、高さ、ボス部11およびブレード部12の形状、ブレード部12の枚数等は、ターボチャージャーの容量(エンジン排気量等)や性能等によって適宜選定される。
このタービンホイール10は、金属粉末射出成形法によって製造される。本実施形態では、図5に示すフローチャートの流れに沿ってタービンホイール10が製造される。この製造方法は、成形材料準備工程S1と、射出成形工程S2と、仮焼結工程S3と、倒立載置工程S4と、本焼結工程S5と、を備えている。
成形材料準備工程S1では、タービンホイール10の材質として適した耐熱性および耐食性を備えた金属材質(Ni基合金であるインコネルや、Ti−Al合金等)からなる上限粒径100μm程度、より好ましくは上限粒径45μm程度の金属粉体と、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、アクリル樹脂等の有機(樹脂)材料からなる粉末状のバインダーとを混合した成形材料が準備される。
バインダーの材質は、後述する射出成形工程S2において図示しない金型の内部に成形材料を完全に充填できる流動性(粘度)を付与するとともに、後述する本焼結工程S5における成形品10’の収縮量(収縮率)を小さく保ち、且つ本焼結後に炭化物となって残留しにくいものが選定される。なお、金属粉体およびバインダーの材質や粒径等の選定方法は従来技術として公知のものを適用してよいため、本実施形態においては殊更詳しく説明しないものとする。
射出成形工程S2では、図示しない金型の内部に前述の成形材料を射出し、タービンホイール10となる成形品10’(図7参照)を成形する。成形材料は、射出成形機のシリンダー内で予め120〜240℃程度の熱で十分に加熱、混練され、滑らかな流動性を持たせた状態で所定の圧力により金型の内部に射出される。金型の内部形状、即ち成形品10’の形状は、図8に示すように、本焼結工程時における収縮量を見込んで、本焼結後のタービンホイール10よりも9〜12%程度大きなものとされる。
なお、図7から図9に示すように、射出成形後(仮焼結後)の成形品10’において、本焼結されて完成形状となったタービンホイール10におけるボス部11、ブレード部12、外角頂点13、軸連結部14に相当する各部分には、それぞれ符号11’,12’,13’,14’を付し、本焼結後のタービンホイール10の各部と差別化する。
次に、仮焼結工程S3において、射出成形された成形品10’を金型ごと所定の温度で仮焼結させる。この仮焼結の温度は、成形材料のバインダーのみが溶融し、金属粉体同士は溶着しない程度の温度、例えば800〜1200℃程度に設定される。これにより、金属粉体同士がバインダーを介して接着され、成形品10’を金型から取り出し可能になる。この仮焼結工程S3において成形品10’の大きさは殆ど縮小しない。
次に、倒立載置工程S4において、上記の仮焼結工程S3にて仮焼結させた成形品10’を金型から取り出し、上下逆さまの倒立状態で図6に示す焼結治具20の上に載置し、図7に示す状態とする。
焼結治具20は、所定の厚みを有する平板状に形成されており、その材質としては、後述する本焼結工程S5における本焼結温度下において溶解や変形(軟化)を起こすことがなく、且つ焼結材料であるTi−Al合金等との反応を防止するため、アルミナ、イットリアおよびジルコニア等のセラミックス材とするのが好ましい。
焼結治具20の上面には成形品10’を倒立状態で安定的に載置可能な載置凹部21が形成されており、その中心部には成形品10’のボス部11’先端を無理なく嵌合できる内径の嵌合部22が垂直な凹部状に形成されている。この嵌合部22は貫通穴状に形成してもよい。
焼結治具20の載置凹部21は、外周側から内周側に向かって例えば2段階に深くなる皿状の凹部とされており、外周側に円錐載置面23が形成され、その内側に底面24が形成されている。円錐載置面23と底面24は、どちらも円錐面をなしており、円錐載置面23の傾斜角度は底面24の傾斜角度よりも急角度に設定されている。本実施形態においては、例えば円錐載置面23の傾斜角度が水平に対して45度程度、底面24の傾斜角度が15度程度に設定されているが、必ずしもこの角度である必要はない。なお、底面24が円錐面状なのは、図8に示すように成形品10’が収縮した際に底面24に接触しないようにするためである。したがって、ブレード部12’の形状如何によっては底面24を平坦面等としてもよい。
成形品10’は、その複数のブレード部12’の外角頂点13’が全て円錐載置面23に接触するように焼結治具20の載置凹部21上に載置される。焼結治具20の嵌合部22の内径が成形品10’のボス部11’先端を嵌合可能な寸法であるため、ボス部11’の先端を嵌合部22に嵌合させることにより、全ての外角頂点13’を焼結治具20の円錐載置面23に対して同心状に載置することができる。
円錐載置面23は、後述する本焼結工程S5において径方向および高さ方向に収縮する成形品10’の外角頂点13’のスライド動作(図8参照)に沿う円錐面となっている。図6に示すように、円錐載置面23の最上部の内径d1は、本焼結前の成形品10’の外角頂点13’を結ぶ仮想円の直径よりも大きく(図7参照)、円錐載置面23の最下部の内径d2は、本焼結後の成形品10’の外角頂点13を結ぶ仮想円の直径以下に設定されている(図8参照)。
次に、本焼結工程S5において、成形品10’を焼結治具20の上に倒立載置した状態で、例えば真空炉内で約1200〜1500℃程度まで加熱し、成形品10’を本焼結させる。本焼結させることにより、バインダーの成分がガスとして成形品10’の外部に放出されるとともに、金属粉体同士が溶着し、成形品10’が径方向および高さ方向に9〜12%程度収縮し、タービンホイール10の完成形状となる。
この本焼結工程S5において成形品10’が収縮する際には、図8および図9に示すように、各ブレード部12’の外角頂点13’が焼結治具20の円錐載置面23に沿って下方および中心方向に均等にスライドする。つまり、ブレード部12’の外角頂点13’が焼結治具20の円錐載置面23に当接し、各ブレード部12’の自重が円錐載置面23によって下方から支持された状態で本焼結が行われる。
以上のようなタービンホイールの製造方法によれば、仮焼結を終えた成形品10’が、本焼結工程S5において複数のブレード部12’の外角頂点13’を焼結治具20の上に接触させた倒立状態で焼結治具20の上に載置されながら本焼結される。つまり、ブレード部12’の外角頂点13’が焼結治具20によって下方から支持された状態となる。
したがって、従来のように成形品10’を焼結治具の上に正立状態で載置して本焼結する場合に比べ、本焼結時の高温により成形品10’が軟化しても、図3中に線12aで示すようにブレード部12’の先端が自重により垂下変形することがない。このため、重力によるブレード部12’の変形を防止することができ、本焼結後における切削やプレス成形等の二次加工を必要とせずに成形品10’をタービンホイール10の最終製品形状に焼結させて製造コストを低減させることができる。
また、焼結治具20には円錐面状の円錐載置面23が形成されており、本焼結時にはブレード部12’の外角頂点13’がこの円錐載置面23の傾斜に沿って下方にスライドするため、各ブレード部12’の外角頂点13’が常に焼結治具20の円錐載置面23に接触して下方から支持された状態に保たれる。したがって、成形品が収縮する際に、各ブレード部12’の外角頂点が焼結治具20から浮き上がったり押し付けられたりせず、これによって本焼結時におけるブレード部12’の変形が確実に防止される。
さらに、焼結治具20には、成形品10’のボス部11’が嵌合される内径の嵌合部22が設けられているため、仮焼結後の成形品10’を焼結治具20の上に倒立状態で載置する際に、成形品10’のボス部11’を嵌合部22に嵌合させるだけで成形品10’の各ブレード部12’の外角頂点13’を焼結治具20の円錐載置面23に対し同心状に配置することができる。これにより、本焼結時に成形品10’が径方向および高さ方向に収縮する際に、各ブレード部12’の外角頂点13’が焼結治具20から浮き上がったり押し付けられたりすることが抑制され、本焼結時におけるブレード部12’の変形がより確実に防止される。しかも、成形品10’を焼結治具20の上に載置する際の作業効率が良くなる。
このようにして製造されたタービンホイール10は、その射出成形された成形品10’が高温で焼結される際に、上述のように材料の自重によるブレード部12’の垂下変形がなく、焼結後における切削やプレス成形といった二次加工を必要とせずに最終製品形状に完成できるため、製造コストが安いものとなる。
また、本実施形態における焼結治具20は、仮焼結されたタービンホイール10の成形品10’を、その複数のブレード部12’の外角頂点13’が接触するように倒立状態で載置して本焼結させるものであり、本焼結時に径方向および高さ方向に収縮する成形品10’におけるブレード部12’の外角頂点13’の動きに沿う円錐面状の円錐載置面23と、この円錐載置面23の中心部に位置し、成形品10’のボス部11’が嵌合される内径の嵌合部22と、を備えたものである。
この焼結治具20によれば、前述のように、仮焼結を終えて焼結治具20の上に倒立載置されたタービンホイール10の成形品10’が本焼結時の高温により径方向および高さ方向に収縮する際に、その複数のブレード部12’の外角頂点13’が円錐載置面23によって下方から支持された状態で、円錐載置面23の円錐面に沿って中心方向に均等にスライドする。このため、本焼結時におけるブレード部12’の変形を確実に防止することができる。
また、成形品10’のボス部11’を焼結治具20の嵌合部22に嵌合させるだけで、各ブレード部12’の外角頂点13’を円錐載置面23に対し同心状に配置することができる。このため、各外角頂点13’が焼結治具20から浮き上がったり押し付けられたりすることを抑制して各ブレード部12’の変形をより効果的に抑制するとともに、成形品10’を焼結治具20の上に載置する際の作業効率を高めて、タービンホイール10の総合的な製造コストダウンを実現することができる。
なお、本発明は上記実施形態の内容のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。例えば、タービンホイール10および成形品10’、ならびに焼結治具20の形状や大きさ等は他の態様とすることも考えられる。
また、上記実施形態では、焼結治具20に形成された嵌合部22が内径一定の穴状に形成されているが、例えば図10、図11に示すように、嵌合部22に、下方に向かって縮径するテーパー面22aを形成し、本焼結工程S5において縮径しながら下降するボス部11’の先端外周部11aが常にテーパー面22aの内面に触れながら下方および中心方向に均等にスライドするようにしてもよい。こうすれば、本焼結工程S5において成形品10’の重量をブレード部12’とボス部11’とに分散させて支持することができ、薄肉なブレード部12’の変形をより効果的に抑制することができる。
さらに、図示しないが、嵌合部22の内部に、成形品10’の重量よりも小さい反発力を持つスプリング等の伸縮可能な弾性部材を配置し、本焼結工程S5においてタービンホイール10の重量の少なくとも一部をこの弾性部材で保持するようにしてもよい。この場合も、本焼結工程S5において成形品10’の重量をブレード部12’とボス部11’とに分散させてブレード部12’の変形を抑制することができる。
10 タービンホイール
10’ 成形品
11,11’ ボス部
12,12’ ブレード部
13,13’ 外角頂点
20 焼結治具
22 嵌合部
23 円錐載置面
S2 射出成形工程
S3 仮焼結工程
S4 倒立載置工程
S5 本焼結工程

Claims (5)

  1. 中心部をなすボス部と、前記ボス部から放射状に延びて先端が回転方向に湾曲している複数のブレード部と、を有するタービンホイールの製造方法であって、
    金属粉体とバインダーとを混合した成形材料を型に射出成形して前記タービンホイールとなる成形品を成形する射出成形工程と、
    前記バインダーが溶融する温度で前記成形品を仮焼結させる仮焼結工程と、
    前記仮焼結工程で仮焼結させた前記成形品を、複数の前記ブレード部の外角頂点が焼結治具の上に接触するように前記焼結治具の上に倒立状態で載置する倒立載置工程と、
    前記成形品を、前記焼結治具の上に倒立載置した状態で、前記バインダーの成分が前記成形品の外部に放出されるとともに前記金属粉体同士が溶着する温度で前記成形品を本焼結させる本焼結工程と、
    を備えたタービンホイールの製造方法。
  2. 前記焼結治具は、前記本焼結工程において径方向および高さ方向に収縮する前記成形品における、前記ブレード部の前記外角頂点の動きに沿う円錐面状の円錐載置面を備えたものとする請求項1に記載のタービンホイールの製造方法。
  3. 前記焼結治具は、前記ボス部が嵌合される内径の嵌合部をさらに備えたものとする請求項1に記載のタービンホイールの製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のタービンホイールの製造方法によって製造されたタービンホイール。
  5. 金属粉末射出成形法により成形され、中心部をなすボス部と、前記ボス部から放射状に延びて先端が回転方向に湾曲している複数のブレード部と、を有するタービンホイールの成形品を本焼結させる際に、該成形品を、複数の前記ブレード部の外角頂点が接触するように倒立状態で載置するためのタービンホイールの焼結治具であって、
    前記本焼結時において径方向および高さ方向に収縮する前記成形品における、前記ブレード部の前記外角頂点の動きに沿う円錐面状の円錐載置面と、
    前記円錐載置面の中心部に位置し、前記ボス部が嵌合される内径の嵌合部と、
    を備えたタービンホイールの焼結治具。
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