JP2018141116A - 二酸化バナジウム粒子含有組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
従来のウインドウ用の熱線カット材として使用されているITOやATO等は常にIRをカットしている為、室内は、夏は涼しいが、冬は寒くなってしまう。これに対し、二酸化バナジウムでは、温度によってIRカット率が変化するというサーモクロミック性により、夏(高温時)はIRカットして涼くなる、冬(低温時)はIR透過して暖かくなるという特徴を持つため、有望視されているのである。
さらに、粉砕法による場合も水熱合成法による場合も、二酸化バナジウムの濃度はせいぜい10重量%以下と極めて低いため、ガラスやフィルムに高いサーモクロミック性や遮熱性を付与することが難しく、実用化の壁となる。これは、水熱合成であれば反応の条件からの制約を受けることためでもあるが、水熱合成法と破砕法とを問わず、粒子表面が活性で凝集しやすいことによるとも推測される。
(1) 二酸化バナジウム粒子、分散媒、ポリエーテル系分散剤及びシランカップリング剤を含有する二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(2) ポリエーテル系分散剤が、ポリエチレンオキサイド系分散剤又はポリプロピレンオキサイド系分散剤である請求項1記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(3) ポリエーテル系分散剤が、アミン系分散剤である上記(1)又は(2)記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
(4) シランカップリンク剤が、二重結合を有するものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(6) シランカップリンク剤が、最高被占軌道と最低空軌道のエネルギー差が、11.5eV以下のものである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(7) シランカップリンク剤が、アニオンと中性分子のエネルギー差が0.05au以下のものである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、(8) シランカップリング剤が、メタクリル基及びアクリル基のうち1つ以上を有する請求項上記(1)〜(7)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(9) シランカップリング剤の含有量が二酸化バナジウム100重量部に対して5〜100重量部である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(11) 二酸化バナジウム粒子の含有量が5〜50重量%であり、且つ粘度が5mPa・s以下である上記(1)〜(10)記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(12) 上記(1)〜(11)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子組成物を、バインダー樹脂と混合して塗布液とし、透明基材に塗布して硬化することを特徴とする、二酸化バナジウム含有サーモクロミック基板の製造方法、
(13) 上記(1)〜(11)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子組成物を、バインダー樹脂と混合して塗布液とし、透明基材に塗布して硬化することを特徴とする、二酸化バナジウム含有熱線カット材料の製造方法、
(14) 上記(1)〜(11)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子組成物を、熱可塑性ポリマーと混合し、得られたマスターバッチを延伸することを特徴とする遮熱性フィルムの製造方法、にある。
本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物に含まれる二酸化バナジウム粒子は、特に限定なく、二酸化バナジウムの化学組成は純粋なVO2以外に各種のドープ成分を含んでいてもよい。例えば、特許文献特開2004-346260号公報、特開2016-29000号公報等に記載されているような、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、クロム、鉄、ガリウム、アルミニウム、フッ素及びリン等をドープ成分として用いてもよい。
以上各種の方法で得られた粗二酸化バナジウム粒子の粒径は比較的大粒径だが、
後述する方法でスラリー化することにより、以下の好ましい粒径の範囲に調整することができる。
200nm以下の粒子はレイリー散乱領域となるため、幾何学散乱若しくはミー散乱による可視光線領域(400nm〜780nm)の光の散乱が低減される。レイリー散乱領域では、散乱光は粒子径の6乗に反比例して減少するため、粒子径の低下に伴って散乱光が減少し、透明性が向上する。更に、粒子径が150nm以下になると、散乱光は非常に少なくなるため、塗膜にした場合でも、低ヘイズで高い透明性をもった膜を得ることができるためである。
以上の範囲にあることにより、後述する二酸化バナジウム含有塗膜のヘイズを低くでき、透明性を向上できるという優れた効果が得られる。
本発明では、さらに、D10が34nm以下、D50が50nm以下、D90が64nm以下という小粒径のものも得ることができる。もっとも、あまり小さくしても超微細粒子になるため再凝集が生じやすい。このため、D10は好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上とすることができる。
以上の二酸化バナジウム粒子はスラリーの形で好ましく用いられる。
スラリー中には、二酸化バナジウム粒子以外に、以下の成分を含む。
本発明では、二酸化バナジウム粒子含有組成物中に、ポリエーテル系分散剤を含有させることを特徴とする。
ポリエーテル系分散剤とは、エーテル結合(-C-O-C-)を主鎖にもつ鎖状高分子から成る物質で、固体微粒子である二酸化バナジウム粒子を液媒体中で安定化させる機能を有するものをいう。分散剤は、広義の界面活性剤に含まれ、親水性基と疎水性基を有することにより、微粒子を液媒体中で安定化させるものである。
例えば、アルキルアミン、アルケニルアミン、アルキルヒドロキシルアミン、アルケニルヒドロキシルアミン、オキシアルキルアミン、オキシアルケニルアミン等の各種のアミンに、各種のアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド(EO)又はプロピレンオキシド(PO)が開環して付加した物が挙げられる。
〔化学式1〕
二重結合は持たない官能基のほうがよく、好ましくは、水素原子、アルキル基又はアルケニル基、特に好ましくは水素原子又はアルキル基、中でも好ましくは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、その中でも特に好ましくは炭素数1又は2のアルキル基である。
〔化学式2〕
式中、x、y及びzは整数であり、好ましくはxは1〜200、さらに好ましくは40〜80、特に好ましくは50〜90である。好ましくはyは1〜400、さらに好ましくは50〜200、特に好ましくは90〜140である。xとyの比率はx対yが1対0.5〜1対5.0、特に好ましくは1.0対0.8〜1.0対3.0、最も好ましくは1.0対1.5〜1.0対2.5である。
zは好ましくは0〜100、特に好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜10である。
溶媒との親和性の度合いは、logP SP値などの指標を用いることが、簡便かつ有効である。中でもLogPは分子構造から一般的な化学計算で求めることができるので、より簡便である。
混じり合わない2種類の液体を同じ容器に入れ、第3の物質を加えてよく振ると、両方の液体中の濃度の比は最初に加えた量にかかわらず一定となる。このときの濃度比を、対象となる物質の分配係数(LogP)という。
LogPの場合、以上説明したポリエーテル部分のLogPと溶媒のLogPとの差は、2.0以内、好ましくは1.5以内、さらに好ましくは0.5以内である。
〔化学式3〕
ここで言う分子量とはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を指す。分散剤を溶媒に溶かしてGPC分析装置中でカラムを通し、分子量の分かっている標準ポリスチレンと分散剤のカラム通過時間を比較して、分子量を算出する。カラムは,充てん剤の細孔径が異なる(排除限界分子量が異なる)複数のカラム群から、較正曲線を見て分散剤の分子量範囲に適切なカラムを選択する。溶媒は、非水系溶剤(THFなど)、水系溶剤(水、アルコールなど)から分散剤の溶解性から選定する。
市販のものとしては、ルーブリゾール社製ソルスパース20000、ソルスパース27000、ソルスパース46000、日光ケミカル株製TAMNO−5、TAMNO−15、
ハンツマン社製ジェファーミンDシリーズ、ジェファーミンMシリーズ などが挙げられる。
酸価の測定は80mlビーカーに試料0.9から1.3gを精秤し、50mLのアセトン
に溶解させて、0.1NのNaOH水溶液で電位差滴定を行い、滴定に要したNaOHをKOHmg/gに換算したもの酸価とした。電位差滴定は、HIRANUMA 自動
滴定装置 COM−1600を用いて測定したものであるが、同等の値が得られる方
法であれば用いることができる。
本発明では、さらにシランカップリング剤を含有させることを特徴とする。
シランカップリング剤とは、一般には一つの分子中に有機物との反応や相互作用が期待できる有機官能基と、加水分解性基ORとの両者を併せ持つ有機ケイ素化合物を言う。有機官能基は一般にビニル基やハロアルキル基のような電子吸引性の
官能基が好適に使用されている。
〔化学式4〕
一般式 R’nSi(OR)m
(但し、nおよびmは整数でありn+m=4、0<n<4)
R’は、同一又は相異なっていても良い有機官能基であり、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基から選択される官能基を表す。
また最高被占軌道(HOMO(ホモ、英: Highest Occupied Molecular Orbital))とLUMOのエネルギー差(HOMO-LUMO エネルギーギャップ)が、好ましくは11.5eV以下、特に好ましくは11eV以下、中でも特に好ましくは10.5eV以下である。
これは、以下の理由にあると推測される。
LUMOが上記の範囲にありLUMOのエネルギーが小さいこと、及びHOMO-LUMOのエネルギー差が上記の範囲にあり小さいことにより、分散剤との間で電子授受しやすくなると考えられる。このために、二酸化バナジウム粒子の周囲に安定的にシランカップリング剤が存在し、シランカップリング剤を介して分散剤が安定的に存在し、二酸化バナジウム粒子の再凝集を防いでいると考えられる。
一般には、密度汎関数法(Kohn-Sham方程式を基礎方程式として用いる)により、エネルギーの極小点を求めることにより構造最適化を行い、その構造での電子軌道を算出する。これによりHOMOとLUMOのエネルギーを求める。
条件は以下のとおりである。
6-31G*
空気中
(式中、ωB97X-Dは関数、6-31G*は基底関数である。)
実際の計算は、各種の計算ソフト、例えば、GAUSSIAN、SPARTAN等を用いて行うことができる。
また、アクリルシランとして、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
また、ビニルシランとして、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
さらに好ましくは、メタクリル基又はアクリル基のうち1種以上を有するものであり、中でも好ましくはメタクリル基を有するものである。これらが特に二酸化バナジウム粒子表面に対する吸着性の点で優れ、このために二酸化バナジウム粒子分散液の安定性を向上させていると考えられる。
〔化学式5〕
本発明では、二酸化バナジウム粒子含有組成物中に、以上説明したポリエーテル系分散剤とシランカップリンク剤とを含有させることを特徴とする。これらを含有することにより、微細で粒度分布が比較的狭く、かつ安定した分散状態の二酸化バナジウム粒子含有組成物を得ることができる。このため、本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物を用いて、バインダー樹脂を含有させた二酸化バナジウム粒子含有組成物とし、これを各種の基板上に塗布して熱線カット材料とすることもできる。特に、ガラスや樹脂フィルム等の透明な基板上に本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物を塗布し、透明性が高く、低いヘイズ値のサーモクロミック材料を得ることができる。
シランカップリング剤のOH基が、二酸化バナジウム粒子の表面のOH基と相互作用して、二酸化バナジウム粒子の表面にシランカップリング剤が取り囲む。さらに、シランカップリング剤のHOMO−LUMOのエネルギー差が小さいので前述したポリエーテル系分散剤とシランカップリング剤とがシランカップリング剤の電子を介して引き合い、ポリエーテル系分散剤のポリエーテル部分が、溶媒と親和することにより、二酸化バナジウム粒子を溶媒中で安定に分散させると考えられる。
質量(分子量)/電荷比に応じて分離・検出されたイオンをもとに、横軸にm/z 、縦軸にイオンの相対強度をとった棒グラフをマススペクトル(Mass spectrum)と呼ぶ。マスぺクトルにより分子量と元素組成が得られる。分子量と元素組成の情報をもとに、ライブラリーを活用して、モノマーや官能基を特定し、分子構造が決定できる。
モノマー間の結合のフラグメントスペクトルもマススペクトルで得ることができるので、モノマーの結合情報が分かる。したがって複数の有機化合物が含まれているサンプルでも各々の分子構造情報を得ることができる。
特にGCMS分析では、カラムで成分分離するとともに、ライブラリーが整備されており、構造同定がしやすい。
スラリーについては、熱分解装置にて熱分解後にGCMS分析を行うことにより、モノマー構造を分析することができる。モノマー構造情報により、官能基など付加的な情報も得ることができる。
フイルム化したサンプルも、熱分解や直接導入などの後に、適当なイオン化方法を選ぶことにより、同様に質量分析することができる。
また、IR分析でも、CH2CH2O、CH3CHCH2O構造のエーテル結合、アミン構造のアミンの特性吸収波長により、質量分析結果と合わせて、それぞれの存在を確認することができる。
本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物中の二酸化バナジウムの濃度は、5〜50重量%が好ましい。より好ましくは10〜30重量%である。本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物は、以上のように高濃度の二酸化バナジウムを含有することができ、一般にはスラリー状をなしている。
熱線カット性能には、二酸化バナジウムの塗膜中の量が影響するため、高性能のためには、塗布液中の二酸化バナジウムが高い含有量であることが必要である。従来の二酸化バナジウム分散液は、せいぜい数パーセントの濃度だったのに対し、本発明の二酸化バナジウムは以上のような高い濃度範囲にすることができるので、熱線カット性能を得るための十分な濃度を確保することができ、濃縮を行わなくても、直接塗工液に調整することができるため、大幅な効率化ができる。
使用できる溶媒は、特に限定されない。
溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、ケトン類または(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類が好ましい。
ケトン類としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−オン)、4−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン−2−オン等が挙げられる。
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
分散剤の配合量は、好ましくは、二酸化バナジウム100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部、更に好ましくは20〜30重量部である。
シランカップリング剤の配合量は、二酸化バナジウム100重量部に対して5〜100重量部、 好ましくは10〜50重量部、更に好ましくは20〜30重量部である。以上の範囲で、特に分散性能が優れている。
以上の各成分を混合することにより二酸化バナジウム含有組成物を製造することができる。
以上の成分を、ビーズミル、遊星式攪拌装置、ヘンシェルミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波照射機等の混合・分散装置に投入して湿式粉砕により分散する。
上記の粒度分布にするためには分散時間、温度等の条件を調整する必要があるが、仕込み量や配合比にもより変わってくるので適時液をサンプリングして所望の分散粒径になっているかを確認して適正な条件を決定する。必要に応じ、各成分の混合が均一になるように添加方法を適宜工夫することも好適である。
以上のようにすれば、本発明の二酸化バナジウム粒子を含有する組成物を得ることができる。前述のように、本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物は、ヘイズを低く抑え、高い透明性を得ることができるので、本発明の組成物を用いて以下の方法でサーモクロミック性合わせガラス用中間膜や合わせガラス、サーモクロミック性フィルムなど各種のサーモクロミック性を付与した用途に使用することができる。
必要に応じ、可塑剤、滑剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防曇剤、熱安定剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、分散剤、および/または表面改質剤等を配合することもできる。
二酸化バナジウム粒子(V0.991W0.009O2、新日本電工(株)製「二酸化バナジウムSV−40」(商品名)、一次粒子径(SEM写真による測定)10〜100μm、転移温度(DSCによる測定)、40℃)20.0重量部、表2に示す構造のポリエーテル系分散剤(「分散剤1」) 5.0重量部、表2に示す構造のシランカップリング剤(「シランカップリング剤1」)5.0重量部を、70.0重量部のメチルエチルケトン中に添加し、ビーズミルで混合して二酸化バナジウム粒子分散液を得た。
得られた分散液中の二酸化バナジウム粒子の物性(D10、D50、D90及び粒径100nm以上の粒子の体積%)を表3に示す。なお表中の数値は、得られた分散液を「マイクロトラックUPA−EX−150」に投入し得られた数値の小数点以下を四捨五入した値である。(但し、粒径100nm以上の粒子の体積%は、小数点以下2位を四捨五入した値である。)
〔塗布液の調製〕
以下の配合で混合し、塗布液を調製した。
二酸化バナジウム含有微粒子分散液 25重量部
25重量%の疎水性バインダー樹脂溶液 10重量部
(疎水性バインダー樹脂:ジョンクリル611 分子量:8100、酸価:53BASFジャパン株式会社製をメチルエチルケントンで希釈し、25重量%に調整したもの)
厚さが1.1μmのフロートガラス板(セントラル硝子(株)製)に、バーコーターを用いて、上記調製した塗布液を、乾燥後の層厚が2.0μmとなる条件で湿式塗布を行い、次いで80℃のオーブンで5分間乾燥させた。
分散時間を変更し、表5の粒子径となるまで分散を続けた以外は、実施例1と同様にして分散液を作製し、塗布液を調製、塗布板を作製した。
結果を表5及び表6に示す。
分散時間を変更し、表5の粒子径となるまで分散を続けた以外は、実施例1と同様にして分散液を作製した。塗布液の組成を以下のものとした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製、塗布板を作製した。
二酸化バナジウム含有微粒子分散液 25重量部
25重量%の疎水性バインダー樹脂溶液 20重量部
(疎水性バインダー樹脂:ジョンクリル611 分子量:8100、酸価:53BASFジャパン株式会社製をメチルエチルケントンで希釈し、25重量%に調整したもの)
結果を表5及び表6に示す。
分散時間を変更し、表3の粒子径となるまで分散を続けた以外は、実施例1と同様にして分散液を作製し、塗布液を調製、塗布板を作製した。
結果を表5及び表6に示す。
分散剤1とシランカップリング剤1を各々10重量部とした以外は、実施例1と同様にして分散液の調製、塗布液の調製及び塗布板の作製を行った。
結果を表5及び表6に示す。
分散時間を変更し、表5の粒子径となるまで分散を続けた以外は、実施例1と同様にして分散液を作製し、塗布液を調製、塗布板を作製した。
結果を表5及び表6に示す。
分散剤を表4のものに代えた以外は、実施例1と同様にして分散液を作製し、塗布液を調製、塗布板を作製した。
結果を表5及び表6に示す。
シランカップリング剤を表1のものに代えた以外は、実施例1と同様にして分散液を作製し、塗布液を調製、塗布板を作製した。
結果を表5及び表6に示す。
各実施例および比較例で使ったシランカップリング剤を、以下の表1に示す。
各シランカップリング剤の化学構造式を、表2に示す。
各シランカップリング剤のHOMO、LUMO及びHOMOとLUMOの差を表3に示す。
なおHOMOとLUMOは、以下の条件で計算により求めた。
ソフト SPARTAN
計算条件
基底状態
密度汎関数法
関数 ωB97X−D
基底関数 6−31G*
空気中
分散剤を、以下の表4に示すものに代えた以外は、実施例1と同様にして、分散液を作製し、塗布液を調製、塗布板を作製した。
結果を表5及び表6に示す。
また、この分散液により、二酸化バナジウム含有量が高く、かつヘイズと透明性が優れた二酸化バナジウム含有塗膜を得ることができることがわかる。具体的には、実施例1〜3で得られた塗布板のヘイズと全光線透過率からわかるように、膜中の二酸化バナジウム濃度が50重量%以上であり、しかもヘイズが2%以下、全光線透過率が25%以上の塗布板、膜中の二酸化バナジウム濃度が40重量%以上であり、しかもヘイズが1%以下、全光線透過率が30%以上の塗布板を得ることもできることがわかる。
Claims (14)
- 二酸化バナジウム粒子、分散媒、ポリエーテル系分散剤及びシランカップリング剤を含有する二酸化バナジウム粒子含有組成物。
- ポリエーテル系分散剤が、ポリエチレンオキサイド系分散剤又はポリプロピレンオキサイド系分散剤である請求項1記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
- ポリエーテル系分散剤が、アミン系分散剤である請求項1又は2記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
- シランカップリンク剤が、二重結合を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
- シランカップリンク剤が、最低空軌道のエネルギーが0〜2.5eVのものである請求項1〜4のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
- シランカップリンク剤が、最高被占軌道と最低空軌道のエネルギー差が、11.5eV以下のものである請求項1〜5のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
- シランカップリンク剤が、アニオンと中性分子のエネルギー差が0.05au以下のものである請求項1〜6のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
- シランカップリング剤が、メタクリル基及びアクリル基のうち1つ以上を有する請求項1〜7のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
- シランカップリング剤の含有量が二酸化バナジウム100重量部に対して5〜100重量部である請求項1〜8のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
- 分散剤の含有量が二酸化バナジウム100重量部に対して5〜100重量部である請求項1〜9のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
- 二酸化バナジウム粒子の含有量が5〜50重量%であり、且つ粘度が5mPa・s以下である請求項1〜10記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子組成物を、バインダー樹脂と混合して塗布液とし、透明基材に塗布して硬化することを特徴とする、二酸化バナジウム含有サーモクロミック基板の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子組成物を、バインダー樹脂と混合して塗布液とし、透明基材に塗布して硬化することを特徴とする、二酸化バナジウム含有熱線カット材料の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子組成物を、熱可塑性ポリマーと混合し、得られたマスターバッチを延伸することを特徴とする遮熱性フィルムの製造方法。
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