JP2018141116A - 二酸化バナジウム粒子含有組成物 - Google Patents

二酸化バナジウム粒子含有組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘイズが低く透明性に優れ、かつ蓄熱性とサーモクロミック性に優れた塗膜形成を可能とする、微細で安定な二酸化バナジウム粒子含有組成物。【解決手段】二酸化バナジウム粒子、分散媒、ポリエーテル系分散剤及びシランカップリング剤を含有する二酸化バナジウム粒子含有組成物。100nm以上の粒子の含有量を抑えることにより、ヘイズを低くする二酸化バナジウム粒子含有組成物。ポリエーテル系分散剤がアミン系分散剤であることが、好ましい、二酸化バナジウム粒子含有組成物。シランカップリング剤が二重結合を有し、最低空軌導エネルギーが0〜2.5eVであり、最高被占軌道と、最低空軌導との間のエネルギー差が11.5eV以下であることことが好ましい、二酸化バナジウム粒子含有組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、新規且つ有用な二酸化バナジウム粒子含有組成物に関するものである。
従来より、熱線カット用途でのフィルムやガラスが開発され、また近年ではサーモクロミック機能を付与した調光フィルムや調光ガラスの開発が行われている。これらの用途には、特に最近では、サーモクロミック機能に基づく熱線カット機能を有する材料として、二酸化バナジウム又は二酸化バナジウムのバナジウム原子の一部を他の原子で置換した置換二酸化バナジウムが有望視されている (特許文献1、特許文献2等)。
従来のウインドウ用の熱線カット材として使用されているITOやATO等は常にIRをカットしている為、室内は、夏は涼しいが、冬は寒くなってしまう。これに対し、二酸化バナジウムでは、温度によってIRカット率が変化するというサーモクロミック性により、夏(高温時)はIRカットして涼くなる、冬(低温時)はIR透過して暖かくなるという特徴を持つため、有望視されているのである。
これらの二酸化バナジウム材料を用いたフィルムやガラスの製造は、大別して乾式方法と湿式方法が知られている。乾式方法は、二酸化バナジウム系材料をスパッタリング等の手段により基板上に蒸着させて薄膜形成する方法である(特許文献3、特許文献4等)。
湿式方法は、五酸化バナジウムや三酸化バナジウム等のバナジウム含有材料を原料として、固相での反応や水熱下での反応で二酸化バナジウム微粒子を作り、これを必要に応じてバインダー等の成分を添加して塗布液とし、基板上に塗布して塗膜化する方法である。塗膜の透明性やフォトクロミック性の観点からは、二酸化バナジウム粒子は微細であることが好ましい。微細な二酸化バナジウム粒子の製造方法としては、固相反応で生成した粗大な粒子を粉砕する方法(特許文献2、特許文献5、特許文献6、特許文献7, 特許文献8、特許文献9, 特許文献10, 特許文献11特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15, 特許文献16, 特許文献17, 特許文献18, 特許文献19, 特許文献20)や、水熱合成により微細な粒子を析出させて取り出し、超音波等により液中に再分散する方法(特許文献21, 特許文献22,特許文献23、特許文献24、特許文献25)がある。
特開2000-233929号公報 特開2012-025629号公報 特開1995-331430号公報 特開2016-088827号公報 特開2012-025630号公報 特開2012-072309号公報 特開2012-206878号公報 特開2012-250879号公報 特開2013-075806号公報 特開2014-094881号公報 特開2015-063453号公報 特開2015-063454号公報 特開2015-164892号公報 特開2001-136873号公報 特開2012-141353号公報 特開2012-140754号公報 特開2012-140753号公報 特開2014-505651号公報 特開2015-513508号公報 特開2000-233929号公報 特開2016-188939号公報 特開2016-075729号公報 特開2016-190938号公報 特開2016-191015号公報 特開2016-191016号公報
しかし、これらの方法のうち、乾式方法は、高コストで大面積化が困難である。さらに製造に数百度の加熱が必要なためガラス等の耐熱性を有する基材にしか使えないという問題がある。
また湿式方法では、一般には二酸化バナジウム粒子の微粒子化が困難であり、たとえ微細化しても再凝集しやすく安定な微細粒子の分散液を得ることが困難なため、高い透明性が得られないという問題があることが本発明者らの検討により判明した。他の酸化物微粒子に用いられる一般的な分散剤を使っても、安定な分散液を得ることができず、再凝集してしまうことが本発明者らの検討によりわかった。
これは、二酸化バナジウムの粗大粒子は一次粒子が凝集しているものではなく、それ自体が大きな一次粒子であるため、微分散するには大きなシェアをかけなければならず、大きなシェアをかけて粉砕してできた破砕面は活性であり容易に再凝集しやすいためと考えられる。また、酸化チタンや酸化ジルコニウム等に比べて二酸化バナジウムは金属原子と酸素原子との電気陰性度の差が小さいため、電荷の分極が小さいと考えられる。そのため分散剤との親和性が低いのではないかとも推測される。したがって、水熱合成により得られた粒子であっても、安定性が低いことは同様であると推測される。
さらに、水熱合成法は一般に高温高圧に耐える装置が必要であり、製造コストが大きいというデメリット、樹脂等の他の成分と配合するためには溶媒置換等の工程も必要となるというデメリットもある。
さらに、粉砕法による場合も水熱合成法による場合も、二酸化バナジウムの濃度はせいぜい10重量%以下と極めて低いため、ガラスやフィルムに高いサーモクロミック性や遮熱性を付与することが難しく、実用化の壁となる。これは、水熱合成であれば反応の条件からの制約を受けることためでもあるが、水熱合成法と破砕法とを問わず、粒子表面が活性で凝集しやすいことによるとも推測される。
そこで本発明者らは以上の課題を解決するべく、鋭意検討を重ねた。その結果、以下の二酸化バナジウム粒子含有分散液により、これらの問題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(1) 二酸化バナジウム粒子、分散媒、ポリエーテル系分散剤及びシランカップリング剤を含有する二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(2) ポリエーテル系分散剤が、ポリエチレンオキサイド系分散剤又はポリプロピレンオキサイド系分散剤である請求項1記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(3) ポリエーテル系分散剤が、アミン系分散剤である上記(1)又は(2)記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
(4) シランカップリンク剤が、二重結合を有するものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(5) シランカップリンク剤が、最低空軌道のエネルギーが0〜2.5eVのものである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(6) シランカップリンク剤が、最高被占軌道と最低空軌道のエネルギー差が、11.5eV以下のものである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(7) シランカップリンク剤が、アニオンと中性分子のエネルギー差が0.05au以下のものである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、(8) シランカップリング剤が、メタクリル基及びアクリル基のうち1つ以上を有する請求項上記(1)〜(7)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(9) シランカップリング剤の含有量が二酸化バナジウム100重量部に対して5〜100重量部である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(10) 分散剤の含有量が二酸化バナジウム100重量部に対して5〜100重量部である上記(1)〜(9)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(11) 二酸化バナジウム粒子の含有量が5〜50重量%であり、且つ粘度が5mPa・s以下である上記(1)〜(10)記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物、
(12) 上記(1)〜(11)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子組成物を、バインダー樹脂と混合して塗布液とし、透明基材に塗布して硬化することを特徴とする、二酸化バナジウム含有サーモクロミック基板の製造方法、
(13) 上記(1)〜(11)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子組成物を、バインダー樹脂と混合して塗布液とし、透明基材に塗布して硬化することを特徴とする、二酸化バナジウム含有熱線カット材料の製造方法、
(14) 上記(1)〜(11)のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子組成物を、熱可塑性ポリマーと混合し、得られたマスターバッチを延伸することを特徴とする遮熱性フィルムの製造方法、にある。
本発明により、微細で安定な二酸化バナジウム粒子分散液を得ることができ、ヘイズが低く透明性に優れ、かつサーモクロミック性に優れた塗膜形成を可能にすることができるという利点がある。
1.二酸化バナジウム粒子
本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物に含まれる二酸化バナジウム粒子は、特に限定なく、二酸化バナジウムの化学組成は純粋なVO2以外に各種のドープ成分を含んでいてもよい。例えば、特許文献特開2004-346260号公報、特開2016-29000号公報等に記載されているような、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、クロム、鉄、ガリウム、アルミニウム、フッ素及びリン等をドープ成分として用いてもよい。
二酸化バナジウムの粒子の製造方法も特に限定されない。例えば、新日本電工特許 5902361に記載の方法、水熱合成 による方法でもよい。
以上各種の方法で得られた粗二酸化バナジウム粒子の粒径は比較的大粒径だが、
後述する方法でスラリー化することにより、以下の好ましい粒径の範囲に調整することができる。
本発明により、粒度分布が200nm以下、さらには150nm以下の微細な二酸化バナジウム粒子を得ることができる。このため、ヘイズが低く、高い透明性が得られる。これは、以下の理由によると考えられる。
200nm以下の粒子はレイリー散乱領域となるため、幾何学散乱若しくはミー散乱による可視光線領域(400nm〜780nm)の光の散乱が低減される。レイリー散乱領域では、散乱光は粒子径の6乗に反比例して減少するため、粒子径の低下に伴って散乱光が減少し、透明性が向上する。更に、粒子径が150nm以下になると、散乱光は非常に少なくなるため、塗膜にした場合でも、低ヘイズで高い透明性をもった膜を得ることができるためである。
また本発明者らの検討結果により、100nm以上の粒子の含有量を抑えることにより、ヘイズを低くできることがわかった。
二酸化バナジウム粒子の粒径及び粒度分布は特に限定されないが、好ましくは、粒度分布が10nm〜500nm、特に好ましくは20nm〜200nm、更に好ましくは30nm〜150nm、最も好ましくは30〜100nmである。
以上の範囲にあることにより、後述する二酸化バナジウム含有塗膜のヘイズを低くでき、透明性を向上できるという優れた効果が得られる。
また、粒子径は、好ましくはD10が38nm以下、D50が55nm以下、D90が80nm以下、100nm以上の粒子割合が7%以下である。この範囲で、得られる塗膜のヘイズが2%以下にすることもできる。更に好ましくは、D10:37nm以下、D50:53nm以下、D90:77nm以下、100nm以上の粒子割合:5%以下である。この範囲で、ヘイズ1%以下とすることもできる。
本発明では、さらに、D10が34nm以下、D50が50nm以下、D90が64nm以下という小粒径のものも得ることができる。もっとも、あまり小さくしても超微細粒子になるため再凝集が生じやすい。このため、D10は好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上とすることができる。
以上の粒度分布及び粒子径の測定方法は、動的光散乱法による。より具体的にはブラウン運動している粒子にレーザー光を照射した時に生じる周波数特性を粒度分布に変換する周波数マトリックス解析法(マイクロトラックUPA−EX150 日機装株式会社)により求めることができる。
以上の二酸化バナジウム粒子はスラリーの形で好ましく用いられる。
スラリー中には、二酸化バナジウム粒子以外に、以下の成分を含む。
2.ポリエーテル系分散剤
本発明では、二酸化バナジウム粒子含有組成物中に、ポリエーテル系分散剤を含有させることを特徴とする。
ポリエーテル系分散剤とは、エーテル結合(-C-O-C-)を主鎖にもつ鎖状高分子から成る物質で、固体微粒子である二酸化バナジウム粒子を液媒体中で安定化させる機能を有するものをいう。分散剤は、広義の界面活性剤に含まれ、親水性基と疎水性基を有することにより、微粒子を液媒体中で安定化させるものである。
特に好ましくは、アミン系のポリエーテル系分散剤である。アミン系のポリエーテル分散剤とは、第一級アミン(RNH2),第二級アミン(R2NH),第三級アミン(R3N)又は第四級アミン(R1)(R2)N(R3)(R4)の置換基Rnの内一つ以上がポリエーテルを含むものをいう。
例えば、アルキルアミン、アルケニルアミン、アルキルヒドロキシルアミン、アルケニルヒドロキシルアミン、オキシアルキルアミン、オキシアルケニルアミン等の各種のアミンに、各種のアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド(EO)又はプロピレンオキシド(PO)が開環して付加した物が挙げられる。
本発明で用いることができる好適な分散剤は、より具体的には、以下の化学式により表される。
〔化学式1〕
Figure 2018141116
式中、R1、R2及びR3は、水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、アクリル基、ビニル基、メタクリル基、スチリル基、複素環から選ばれる1種以上の基であり、同一でも異なっていてもよい。
二重結合は持たない官能基のほうがよく、好ましくは、水素原子、アルキル基又はアルケニル基、特に好ましくは水素原子又はアルキル基、中でも好ましくは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、その中でも特に好ましくは炭素数1又は2のアルキル基である。
Xは、ポリエーテル部分である。本発明におけるポリエーテル部分とは、複数のエーテル結合が連なっている部分である。エーテル結合(R−O−R‘)を構成するRとR’は、アリール基又はアルキル基のうち1種以上から成り、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、その中でも特に好ましくは炭素数1又は2のアルキル基である。R、R’とも1種類に限られない。また、ポリエーテル部分は直鎖又は分岐のどちらでもよく、それらの組み合わせであってもよい。
特に好ましいXは、以下のものである。
〔化学式2〕
Figure 2018141116
式中、R4、R5及びR6は、アリール基又はアルキル基のうち1種以上から成り、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、その中でも特に好ましくは炭素数1又は2のアルキル基である。また、直鎖又は分岐のどちらでもよく、それらの組み合わせであってもよい。
式中、x、y及びzは整数であり、好ましくはxは1〜200、さらに好ましくは40〜80、特に好ましくは50〜90である。好ましくはyは1〜400、さらに好ましくは50〜200、特に好ましくは90〜140である。xとyの比率はx対yが1対0.5〜1対5.0、特に好ましくは1.0対0.8〜1.0対3.0、最も好ましくは1.0対1.5〜1.0対2.5である。
zは好ましくは0〜100、特に好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜10である。
R5及びR6の構造や、xとyの比率により、分散剤の疎水性を調整することができる。分散剤と溶媒の疎水性の度合いの差が小さければ、溶媒との親和性が優れるので、xとyの比率を調整して、溶媒との親和性を高めることができ、分散液の安定性が向上すると考えられる。特に、以上説明したポリエーテル部分が溶媒との親和性に寄与していると考えられるので、この部分の親和性を調整すればよい。
溶媒との親和性の度合いは、logP SP値などの指標を用いることが、簡便かつ有効である。中でもLogPは分子構造から一般的な化学計算で求めることができるので、より簡便である。
混じり合わない2種類の液体を同じ容器に入れ、第3の物質を加えてよく振ると、両方の液体中の濃度の比は最初に加えた量にかかわらず一定となる。このときの濃度比を、対象となる物質の分配係数(LogP)という。
LogPの場合、以上説明したポリエーテル部分のLogPと溶媒のLogPとの差は、2.0以内、好ましくは1.5以内、さらに好ましくは0.5以内である。
最も好ましいR5及びR6は、炭素数2又は3のアルキル基である。すなわち、一般的にポリエチレンオキサイド及びポリプロピレンオキサイドと呼ばれる(Et−O)n及び(Pr−O)n’のうち1つ以上の繰り返し単位を含むものである。
Xとして特に好ましいものは以下の式で表される。
〔化学式3〕
Figure 2018141116
式中、xyzは前述のとおりである。
また、(Et−O)単位と(Pr−O)単位とは、直鎖状に連なっていてもよく、分岐していてもよく、これらの組み合わせであってもよい。
以上説明した分散剤の分子量は、重量平均分子量で500〜50000、特に好ましくは500〜30000、さらに好ましくは15000〜25000である。この範囲において、特に粒子同士の凝集抑制効果が良く、分散性、分散安定性が優れている。分散剤の粒子に対する吸着性と立体障害によるものと考えられる。
ここで言う分子量とはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を指す。分散剤を溶媒に溶かしてGPC分析装置中でカラムを通し、分子量の分かっている標準ポリスチレンと分散剤のカラム通過時間を比較して、分子量を算出する。カラムは,充てん剤の細孔径が異なる(排除限界分子量が異なる)複数のカラム群から、較正曲線を見て分散剤の分子量範囲に適切なカラムを選択する。溶媒は、非水系溶剤(THFなど)、水系溶剤(水、アルコールなど)から分散剤の溶解性から選定する。
分散剤のアミン価は、5mg/KOH〜100mg/KOHが好ましく、よりこのましくは10mg/KOH〜50mg/KOH、更に好ましくは20mg/KOH〜40mg/KOHである。
アミン価の測定は150mlビーカーに試料1.9から2.0gを精秤し、75mLの氷酢酸に溶解させて、0.1Nの過塩素酸で電位差滴定を行い、KOHmg/gに換算したものをアミン価とした。電位差滴定は、HIRANUMA 自動滴定装置 COM−1600を用いて測定したものであるが、同等の値が得られる方法であれば用いることができる。
ポリエーテル分散剤の製造方法としては特に限定されず、例えば特許再表2004/108788に記載されているもの、特許 特表2010-500443号公報、特表2007-537338号公報に記載されているものが挙げられる。
市販のものとしては、ルーブリゾール社製ソルスパース20000、ソルスパース27000、ソルスパース46000、日光ケミカル株製TAMNO−5、TAMNO−15、
ハンツマン社製ジェファーミンDシリーズ、ジェファーミンMシリーズ などが挙げられる。
酸価は100mg/KOH以下、好ましくは10mg/KOH以下、更に好ましくは1mg/KOH以下である。
酸価の測定は80mlビーカーに試料0.9から1.3gを精秤し、50mLのアセトン
に溶解させて、0.1NのNaOH水溶液で電位差滴定を行い、滴定に要したNaOHをKOHmg/gに換算したもの酸価とした。電位差滴定は、HIRANUMA 自動
滴定装置 COM−1600を用いて測定したものであるが、同等の値が得られる方
法であれば用いることができる。
3.シランカップリング剤
本発明では、さらにシランカップリング剤を含有させることを特徴とする。
シランカップリング剤とは、一般には一つの分子中に有機物との反応や相互作用が期待できる有機官能基と、加水分解性基ORとの両者を併せ持つ有機ケイ素化合物を言う。有機官能基は一般にビニル基やハロアルキル基のような電子吸引性の
官能基が好適に使用されている。
一般には、下記一般式であらわされる。
〔化学式4〕
一般式 R’nSi(OR)m
(但し、nおよびmは整数でありn+m=4、0<n<4)
上記一般式において、Rは、ORが加水分解可能であればよく、また同一又は相異なっていてもよく、一般には水素原子または炭素原子数1〜22のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれでもよい。
R’は、同一又は相異なっていても良い有機官能基であり、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基から選択される官能基を表す。
本発明では、好ましいシランカップリング剤は、特に、最低空軌道(LUMO(ルモ、英: Lowest Unoccupied Molecular Orbital))のエネルギーが好ましくは0〜2.5eV、特に好ましくは 0〜2eV、中でも特に好ましくは 0〜1.5eVのものである。
また最高被占軌道(HOMO(ホモ、英: Highest Occupied Molecular Orbital))とLUMOのエネルギー差(HOMO-LUMO エネルギーギャップ)が、好ましくは11.5eV以下、特に好ましくは11eV以下、中でも特に好ましくは10.5eV以下である。
以上の範囲にあるシランカップリング剤を用いることにより、破砕によって不安定化した酸化バナジウムの表面を安定化させ、酸化バナジウムの再凝集を防ぐ効果がある。特に優れた分散性能を得ることができていると考えられる。
これは、以下の理由にあると推測される。
分子の電子軌道のエネルギー準位のうち、HOMO(ホモ、英: Highest Occupied Molecular Orbital)または最高被占軌道は電子に占有されている最もエネルギーの高い分子軌道で、LUMO(ルモ、英: Lowest Unoccupied Molecular Orbital)または最低空軌道は電子に占有されていない最もエネルギーの低い分子軌道である。
LUMOが上記の範囲にありLUMOのエネルギーが小さいこと、及びHOMO-LUMOのエネルギー差が上記の範囲にあり小さいことにより、分散剤との間で電子授受しやすくなると考えられる。このために、二酸化バナジウム粒子の周囲に安定的にシランカップリング剤が存在し、シランカップリング剤を介して分散剤が安定的に存在し、二酸化バナジウム粒子の再凝集を防いでいると考えられる。
HOMO、LUMO及びこれらのエネルギー差は計算化学で算出することができる。
一般には、密度汎関数法(Kohn-Sham方程式を基礎方程式として用いる)により、エネルギーの極小点を求めることにより構造最適化を行い、その構造での電子軌道を算出する。これによりHOMOとLUMOのエネルギーを求める。
条件は以下のとおりである。
ωB97X-D
6-31G*
空気中
(式中、ωB97X-Dは関数、6-31G*は基底関数である。)
実際の計算は、各種の計算ソフト、例えば、GAUSSIAN、SPARTAN等を用いて行うことができる。
また、好ましくは、二重結合を有するシランカップリング剤である。HOMO-LUMOの軌道には、2重結合が影響しており、2重結合によってLUMOが小さく、HOMO-LUMOエネルギー差が小さくなる。このため、二重結合を有するシランカップリング剤が優れているものと推測される。
このようなシランカップリング剤の具体例としては、例えば、メタクリルシランとして、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
また、アクリルシランとして、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
また、ビニルシランとして、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
さらに好ましくは、メタクリル基又はアクリル基のうち1種以上を有するものであり、中でも好ましくはメタクリル基を有するものである。これらが特に二酸化バナジウム粒子表面に対する吸着性の点で優れ、このために二酸化バナジウム粒子分散液の安定性を向上させていると考えられる。
最も好ましいシランカップリング剤は、以下の式で表される。
〔化学式5〕
Figure 2018141116
〔化学式6〕
Figure 2018141116

中でも好ましいのは、〔化学式5〕の化合物である。
以上のシランカップリング剤は、OR部分が加水分解してOHとなった状態でもよい。
4.ポリエーテル系分散剤と、シランカップリンク剤の併用による効果
本発明では、二酸化バナジウム粒子含有組成物中に、以上説明したポリエーテル系分散剤とシランカップリンク剤とを含有させることを特徴とする。これらを含有することにより、微細で粒度分布が比較的狭く、かつ安定した分散状態の二酸化バナジウム粒子含有組成物を得ることができる。このため、本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物を用いて、バインダー樹脂を含有させた二酸化バナジウム粒子含有組成物とし、これを各種の基板上に塗布して熱線カット材料とすることもできる。特に、ガラスや樹脂フィルム等の透明な基板上に本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物を塗布し、透明性が高く、低いヘイズ値のサーモクロミック材料を得ることができる。
以上のように、本発明において分散剤とシランカップリング剤を併用することにより優れた効果が得られる反応機構は完全には解明されていないものの、以下のように推測される。
シランカップリング剤のOH基が、二酸化バナジウム粒子の表面のOH基と相互作用して、二酸化バナジウム粒子の表面にシランカップリング剤が取り囲む。さらに、シランカップリング剤のHOMO−LUMOのエネルギー差が小さいので前述したポリエーテル系分散剤とシランカップリング剤とがシランカップリング剤の電子を介して引き合い、ポリエーテル系分散剤のポリエーテル部分が、溶媒と親和することにより、二酸化バナジウム粒子を溶媒中で安定に分散させると考えられる。
以上説明した分散剤とシランカップリング剤のスラリー中での存在は、質量分析(Mass spectrometry)やIR分析により確認することができる。
質量分析(Mass spectrometry)とは、原子、分子、クラスター等の粒子を何等かの方法で気体状のイオンとし、真空中で運動させ電磁気力を用いて、あるいは飛行時間差によりそれらイオンを質量(分子量)/電荷比に応じて分離・検出する分析手法である。
質量(分子量)/電荷比に応じて分離・検出されたイオンをもとに、横軸にm/z 、縦軸にイオンの相対強度をとった棒グラフをマススペクトル(Mass spectrum)と呼ぶ。マスぺクトルにより分子量と元素組成が得られる。分子量と元素組成の情報をもとに、ライブラリーを活用して、モノマーや官能基を特定し、分子構造が決定できる。
モノマー間の結合のフラグメントスペクトルもマススペクトルで得ることができるので、モノマーの結合情報が分かる。したがって複数の有機化合物が含まれているサンプルでも各々の分子構造情報を得ることができる。
特にGCMS分析では、カラムで成分分離するとともに、ライブラリーが整備されており、構造同定がしやすい。
スラリーについては、熱分解装置にて熱分解後にGCMS分析を行うことにより、モノマー構造を分析することができる。モノマー構造情報により、官能基など付加的な情報も得ることができる。
フイルム化したサンプルも、熱分解や直接導入などの後に、適当なイオン化方法を選ぶことにより、同様に質量分析することができる。
IR分析は、官能基により特徴的な波長に吸収があるため、各種官能基の同定に活用できる。スラリー、フイルムとも直接分析ができる。フィルム、塗膜の測定から検出される官能基がバインダー樹脂由来か、又は分散剤、シランカップリング剤のいずれかに由来するかは、MS分析などの他分析と合わせて解析すれば特定できる。
ポリエーテル系分散剤の場合は、IR分析でポリエーテル構造の特徴的な吸収があるかどうかを確認する。より具体的にはMSのスペクトル値、間隔や、NMRの化学シフト、積分比、形状から、分岐構造を含めた分子構造を特定できる。アミン部分についても同様で、MS分析で、アミンであることと、アミン部分に付いている官能基の構造を特定することができる。
例えば、ポリエーテル部分を構成するCH2CH2O、CH3CHCH2O 構造については、質量分析にて、それぞれ分子量44、58の間隔で連続したマススペクトルとして検出される。アミン構造についても、アミンをもつ分子としてライブラリーで同定できる。
また、IR分析でも、CH2CH2O、CH3CHCH2O構造のエーテル結合、アミン構造のアミンの特性吸収波長により、質量分析結果と合わせて、それぞれの存在を確認することができる。
5.二酸化バナジウム粒子含有組成物の物性
本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物中の二酸化バナジウムの濃度は、5〜50重量%が好ましい。より好ましくは10〜30重量%である。本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物は、以上のように高濃度の二酸化バナジウムを含有することができ、一般にはスラリー状をなしている。
熱線カット性能には、二酸化バナジウムの塗膜中の量が影響するため、高性能のためには、塗布液中の二酸化バナジウムが高い含有量であることが必要である。従来の二酸化バナジウム分散液は、せいぜい数パーセントの濃度だったのに対し、本発明の二酸化バナジウムは以上のような高い濃度範囲にすることができるので、熱線カット性能を得るための十分な濃度を確保することができ、濃縮を行わなくても、直接塗工液に調整することができるため、大幅な効率化ができる。
また、本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物の粘度は、10mPa・s以下、特に、5mPa・s以下、さらに2mPa・s以下の低粘度とすることができる。したがって、高濃度且つ低粘度とすることができ、塗工液としての設計自由度が高くなる。
6.溶媒
使用できる溶媒は、特に限定されない。
溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、ケトン類または(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類が好ましい。
ケトン類としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−オン)、4−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン−2−オン等が挙げられる。
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
7.配合比
分散剤の配合量は、好ましくは、二酸化バナジウム100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部、更に好ましくは20〜30重量部である。
シランカップリング剤の配合量は、二酸化バナジウム100重量部に対して5〜100重量部、 好ましくは10〜50重量部、更に好ましくは20〜30重量部である。以上の範囲で、特に分散性能が優れている。
8.製造方法
以上の各成分を混合することにより二酸化バナジウム含有組成物を製造することができる。
以上の成分を、ビーズミル、遊星式攪拌装置、ヘンシェルミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波照射機等の混合・分散装置に投入して湿式粉砕により分散する。
上記の粒度分布にするためには分散時間、温度等の条件を調整する必要があるが、仕込み量や配合比にもより変わってくるので適時液をサンプリングして所望の分散粒径になっているかを確認して適正な条件を決定する。必要に応じ、各成分の混合が均一になるように添加方法を適宜工夫することも好適である。
9.用途
以上のようにすれば、本発明の二酸化バナジウム粒子を含有する組成物を得ることができる。前述のように、本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物は、ヘイズを低く抑え、高い透明性を得ることができるので、本発明の組成物を用いて以下の方法でサーモクロミック性合わせガラス用中間膜や合わせガラス、サーモクロミック性フィルムなど各種のサーモクロミック性を付与した用途に使用することができる。
フィルムの作成方法は、大別して、少なくとも赤外帯域の一部を吸収する微粒子を熱可塑性ポリマーに分散させてマスターバッチ化し、これを延伸してフィルム化する方法(マスターバッチ法)と、少なくとも赤外帯域の一部を吸収する微粒子を含有する塗布液を調製し、これを透明な樹脂製フィルム等の基板上に塗布する方法(塗布法)が挙げられる。塗布法を用いてガラスに塗布すればガラスに遮熱性を付与できるし、いずれかの方法で赤外帯域の一部を吸収する微粒子を含有するサーモクロミック性フィルムを作製し、これをガラスに貼り付けることによりサーモクロミック性を付与したガラスを製造することもできる。サーモクロミック性フィルムを合わせガラス用中間膜として用いてもよい。
例えば以上のような方法でサーモクロミック性を付与した各種の製品を製造できるが、ここでの少なくとも赤外帯域の一部を吸収する微粒子として、本発明の組成物に含まれる二酸化バナジウム粒子を使用できる。そして本発明の組成物は、スラリー状で微細で均一な二酸化バナジウム粒子を高濃度で含有しているため、熱可塑性ポリマーや塗布液の他の成分と均一に混合しやすく、マスターバッチや塗布液中に微細で均一且つ高濃度で二酸化バナジウム粒子を含有させることができる。このため、高いサーモクロミック性能を発揮することが期待できる。
マスターバッチ法による場合、配合する熱可塑性ポリマーとしては、例えば特公表2010−501372号公報や特開2013−224046号公報に記載されているような、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブタレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、又はこれらのいずれかの相互の若しくはその他のポリマーとのブレンド及び子ポリマーが挙げられる。
これらの熱可塑性ポリマーと本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物とを配合し、必要に応じ適宜少量の溶媒や分散剤を添加することもできるが、本発明の組成物を用いれば、予め二酸化バナジウム粒子が十分に微細かつ安定に分散しているので、さらに溶媒や分散剤を添加する必要はほとんどない。
マスターバッチは、例えば特公表2010−501372号公報や特開2013−224046号公報に記載されているような、ポリマー多層光学フィルムの製造方法として従来より知られている各種の方法を採用できる。
塗布法の場合、通常、例えば特許文献22に記載のように、塗布液の組成としてはエステル系樹脂、PVA、エステルウレタン系樹脂、ブチラール系樹脂、アクリル系樹脂等の樹脂成分を含有させる。ここで用いる樹脂としては、フィルムに形成できるものであれば、天然樹脂、半合成樹脂、および合成樹脂のいずれであってもよく、また熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。具体的な樹脂としては、例えばポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、アクリル樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、およびフェノール樹脂等がある。
必要に応じ、可塑剤、滑剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防曇剤、熱安定剤、アンチブロッキング剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、分散剤、および/または表面改質剤等を配合することもできる。
これらの樹脂その他の成分と、本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物とを、必要に応じて有機溶媒又は水等の分散媒や分散剤を適宜選択して均一で塗布に適した性状に調整する。本発明の組成物を用いれば、二酸化バナジウム粒子はすでに均一且つ微細に分散しているので、分散媒は主に塗布性の観点から選択し調整できる。
以上の本発明の二酸化バナジウム粒子含有組成物を用いた塗布液を、ポリエステルフィルム、シクロオレフィンフィルム、トリアセチルセルロースフィルム等の基板に塗布する。塗工方式としては、特に制限されず、例えば、ブレードコーティング、グラビアコーティング、ロッドコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、キスコーティング、スプレーコティング、オフセットグラビアコーティング、ディップコート、バーコート、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、エアナイフコーティング、マイヤーバーコーティング、およびスプレーコーティング等を用いることができる。
以下の方法で、二酸化バナジウム粒子含有スラリーを作成した。
二酸化バナジウム粒子(V0.991W0.009O2、新日本電工(株)製「二酸化バナジウムSV−40」(商品名)、一次粒子径(SEM写真による測定)10〜100μm、転移温度(DSCによる測定)、40℃)20.0重量部、表2に示す構造のポリエーテル系分散剤(「分散剤1」) 5.0重量部、表2に示す構造のシランカップリング剤(「シランカップリング剤1」)5.0重量部を、70.0重量部のメチルエチルケトン中に添加し、ビーズミルで混合して二酸化バナジウム粒子分散液を得た。
得られた分散液中の二酸化バナジウム粒子の物性(D10、D50、D90及び粒径100nm以上の粒子の体積%)を表3に示す。なお表中の数値は、得られた分散液を「マイクロトラックUPA−EX−150」に投入し得られた数値の小数点以下を四捨五入した値である。(但し、粒径100nm以上の粒子の体積%は、小数点以下2位を四捨五入した値である。)
上記の二酸化バナジウムスラリーを使用し、以下の方法により塗布板を作成した。
〔塗布液の調製〕
以下の配合で混合し、塗布液を調製した。
二酸化バナジウム含有微粒子分散液 25重量部
25重量%の疎水性バインダー樹脂溶液 10重量部
(疎水性バインダー樹脂:ジョンクリル611 分子量:8100、酸価:53BASFジャパン株式会社製をメチルエチルケントンで希釈し、25重量%に調整したもの)
〔塗布板の作製〕
厚さが1.1μmのフロートガラス板(セントラル硝子(株)製)に、バーコーターを用いて、上記調製した塗布液を、乾燥後の層厚が2.0μmとなる条件で湿式塗布を行い、次いで80℃のオーブンで5分間乾燥させた。
〔実施例2、3〕
分散時間を変更し、表5の粒子径となるまで分散を続けた以外は、実施例1と同様にして分散液を作製し、塗布液を調製、塗布板を作製した。
結果を表5及び表6に示す。
〔実施例4〕
分散時間を変更し、表5の粒子径となるまで分散を続けた以外は、実施例1と同様にして分散液を作製した。塗布液の組成を以下のものとした以外は実施例1と同様にして塗布液を調製、塗布板を作製した。
二酸化バナジウム含有微粒子分散液 25重量部
25重量%の疎水性バインダー樹脂溶液 20重量部
(疎水性バインダー樹脂:ジョンクリル611 分子量:8100、酸価:53BASFジャパン株式会社製をメチルエチルケントンで希釈し、25重量%に調整したもの)
結果を表5及び表6に示す。
〔実施例5〜9〕
分散時間を変更し、表3の粒子径となるまで分散を続けた以外は、実施例1と同様にして分散液を作製し、塗布液を調製、塗布板を作製した。
結果を表5及び表6に示す。
〔実施例10〕
分散剤1とシランカップリング剤1を各々10重量部とした以外は、実施例1と同様にして分散液の調製、塗布液の調製及び塗布板の作製を行った。
結果を表5及び表6に示す。
〔実施例11〜13〕
分散時間を変更し、表5の粒子径となるまで分散を続けた以外は、実施例1と同様にして分散液を作製し、塗布液を調製、塗布板を作製した。
結果を表5及び表6に示す。
〔実施例14〕
分散剤を表4のものに代えた以外は、実施例1と同様にして分散液を作製し、塗布液を調製、塗布板を作製した。
結果を表5及び表6に示す。
〔実施例15〜18〕
シランカップリング剤を表1のものに代えた以外は、実施例1と同様にして分散液を作製し、塗布液を調製、塗布板を作製した。
結果を表5及び表6に示す。
各実施例および比較例で使ったシランカップリング剤を、以下の表1に示す。
各シランカップリング剤の化学構造式を、表2に示す。
各シランカップリング剤のHOMO、LUMO及びHOMOとLUMOの差を表3に示す。
なおHOMOとLUMOは、以下の条件で計算により求めた。
ソフト SPARTAN
計算条件
基底状態
密度汎関数法
関数 ωB97X−D
基底関数 6−31G*
空気中
Figure 2018141116
Figure 2018141116
Figure 2018141116
〔比較例1〜6〕
分散剤を、以下の表4に示すものに代えた以外は、実施例1と同様にして、分散液を作製し、塗布液を調製、塗布板を作製した。
結果を表5及び表6に示す。

Figure 2018141116
Figure 2018141116
得られた塗布板について、ヘイズメータ−(日本電色工業(株)製、「NDH−5000」)を用いて、ヘイズ(%)(表中HAZE(%)で示す)、全光線透過率(%)(表中T.T(%)で示す)を測定した。結果は以下の表6の通りである。
Figure 2018141116
以上から、特定の分散剤とシランカップリング剤を併用した本発明の分散液により、極めて微細な二酸化バナジウム粒子を含有した分散液を得ることができ、100nm以上の粒子の割合を低く抑えることができることがわかる。
また、この分散液により、二酸化バナジウム含有量が高く、かつヘイズと透明性が優れた二酸化バナジウム含有塗膜を得ることができることがわかる。具体的には、実施例1〜3で得られた塗布板のヘイズと全光線透過率からわかるように、膜中の二酸化バナジウム濃度が50重量%以上であり、しかもヘイズが2%以下、全光線透過率が25%以上の塗布板、膜中の二酸化バナジウム濃度が40重量%以上であり、しかもヘイズが1%以下、全光線透過率が30%以上の塗布板を得ることもできることがわかる。
微細で安定な二酸化バナジウム粒子分散液を得ることができ、ヘイズが低く透明性に優れ、かつ蓄熱性とサーモクロミック性に優れた塗膜形成を可能にする。

Claims (14)

  1. 二酸化バナジウム粒子、分散媒、ポリエーテル系分散剤及びシランカップリング剤を含有する二酸化バナジウム粒子含有組成物。
  2. ポリエーテル系分散剤が、ポリエチレンオキサイド系分散剤又はポリプロピレンオキサイド系分散剤である請求項1記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
  3. ポリエーテル系分散剤が、アミン系分散剤である請求項1又は2記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
  4. シランカップリンク剤が、二重結合を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
  5. シランカップリンク剤が、最低空軌道のエネルギーが0〜2.5eVのものである請求項1〜4のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
  6. シランカップリンク剤が、最高被占軌道と最低空軌道のエネルギー差が、11.5eV以下のものである請求項1〜5のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
  7. シランカップリンク剤が、アニオンと中性分子のエネルギー差が0.05au以下のものである請求項1〜6のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
  8. シランカップリング剤が、メタクリル基及びアクリル基のうち1つ以上を有する請求項1〜7のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
  9. シランカップリング剤の含有量が二酸化バナジウム100重量部に対して5〜100重量部である請求項1〜8のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
  10. 分散剤の含有量が二酸化バナジウム100重量部に対して5〜100重量部である請求項1〜9のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
  11. 二酸化バナジウム粒子の含有量が5〜50重量%であり、且つ粘度が5mPa・s以下である請求項1〜10記載の二酸化バナジウム粒子含有組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子組成物を、バインダー樹脂と混合して塗布液とし、透明基材に塗布して硬化することを特徴とする、二酸化バナジウム含有サーモクロミック基板の製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子組成物を、バインダー樹脂と混合して塗布液とし、透明基材に塗布して硬化することを特徴とする、二酸化バナジウム含有熱線カット材料の製造方法。
  14. 請求項1〜11のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子組成物を、熱可塑性ポリマーと混合し、得られたマスターバッチを延伸することを特徴とする遮熱性フィルムの製造方法。
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