JP2018141029A - ポリオレフィン微多孔膜 - Google Patents

ポリオレフィン微多孔膜 Download PDF

Info

Publication number
JP2018141029A
JP2018141029A JP2017034491A JP2017034491A JP2018141029A JP 2018141029 A JP2018141029 A JP 2018141029A JP 2017034491 A JP2017034491 A JP 2017034491A JP 2017034491 A JP2017034491 A JP 2017034491A JP 2018141029 A JP2018141029 A JP 2018141029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
polyolefin
microporous membrane
melting point
average molecular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017034491A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6886839B2 (ja
Inventor
まな 梶原
Mana Kajiwara
まな 梶原
将人 村上
Masahito Murakami
将人 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2017034491A priority Critical patent/JP6886839B2/ja
Publication of JP2018141029A publication Critical patent/JP2018141029A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6886839B2 publication Critical patent/JP6886839B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Cell Separators (AREA)

Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、低温フューズ機能、充分な機械強度、及び良好な耐熱性を併せ持つポリオレフィン微多孔膜、又は二次電池の安全性に優れた二次電池用セパレータを提供することである。【解決手段】ポリオレフィン微多孔膜において、粘度平均分子量50万〜250万の高分子量ポリエチレンと、メルトインデックスが2g/10分〜50g/10分であって融点が120℃〜137℃であるポリオレフィンとを併用する。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン微多孔膜、二次電池用セパレータ等に関する。
ポリオレフィン微多孔膜は、電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ、燃料電池用材料、精密濾過膜等に使用されており、特にリチウムイオン二次電池用セパレータとして使用されている。セパレータは、正負極間の直接的な接触を防ぐとともに、その微多孔中に保持した電解液を通じてイオンも透過させる。
近年、リチウムイオン二次電池は、携帯電話、ノート型パソコン等の小型電子機器だけでなく、電気自動車、小型電動バイク等の電動車両への応用も図られている。車載用リチウムイオン二次電池は、単セル当たりの容量が大きくなる傾向にあるため、電池の異常発熱時の発熱量も増加する。したがって、セパレータには、比較的低温でフューズ(Fuse)して速やかに電池反応を停止させ、電池の安全性を維持する特性(フューズ特性)も求められている。
セパレータの要求特性と関連して、ポリオレフィン微多孔膜の原料又は材質が検討されている(特許文献1〜3)。
特許文献1には、特定のシャットダウン温度及び透気抵抗度上昇率を有する膜厚20μm以下の多層型(積層型)ポリオレフィン多孔膜において、基材と改質多孔層の剥離強度を高め、かつ高速加工性を改良するために、そのうちの1層として、メルトフローレートMFR(メルトインデックスMIともいう)25〜150g/10分、融点120℃以上130℃未満の樹脂を含有させることが記述されている。この樹脂の具体例は、エチレン−ヘキセン共重合体(融点124℃、MFR135g/10分)、エチレン−ブテン共重合体(融点121℃、MFR55g/10分)、エチレン−オクテン共重合体(融点125℃、MFR50〜136g/10分)等であり、かつポリオレフィン多孔膜積層体の剥離強度及び耐すれ性が検討されている。
特許文献2には、二次電池の安全性の観点から、(A)重量平均分子量(Mw)50万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)とMw1万〜50万のポリエチレン(PE)から成る樹脂組成物、(B)メタロセン触媒を用いて製造された融点95〜125℃の直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体、及び(C)ポリプロピレン(PP)から成るポリオレフィン微多孔膜が記述されている。成分(B)の具体例は、エチレン−オクテン共重合体(融点100℃又は108℃、オクテン含有量7.5モル%又は12.0モル%)であり、かつポリオレフィン微多孔膜の熱収縮率、シャットダウン温度及びメルトダウン温度が検討されている。なお、メタロセン触媒は、シングルサイト触媒である。
特許文献3には、イオン透過性、機械強度及び安全性の観点から、(1)Mw50万以上のPE又はそれを含む組成物20〜98重量%と、(2)メタロセン触媒を用いて製造された融点95〜125℃の直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体2〜80重量%とを含むPE組成物から成るポリエチレン微多孔膜が記述されている。成分(2)の具体例は、エチレン−オクテン共重合体(融点121℃及び密度0.915、融点108℃及び密度0.915、又は融点100℃及び密度0.902)であり、かつポリエチレン微多孔膜のシャットダウン温度及びメルトダウン温度が検討されている。
国際公開第2015/146579号 特開2001−72788号公報 特開平11−269289号公報
車載用リチウムイオン二次電池に使用されるセパレータのフューズ特性について、単純に、融点が比較的低い樹脂をセパレータとして使用すると、相対的に高温時にはセパレータが収縮し易くなり、二次電池の安全性が損なわれる恐れがある。
そのため、特許文献1〜3に記述されるような従来のポリオレフィン微多孔膜は、セパレータの低温フューズ特性と熱収縮特性の関係について未だに検討の余地があり、二次電池の安全性の更なる改良も望まれる。
上記の事情に鑑み、発明が解決しようとする課題は、低温フューズ機能、充分な機械強度、及び良好な耐熱性を併せ持つポリオレフィン微多孔膜、及び二次電池の安全性に優れた二次電池用セパレータを提供することである。
本発明者らは、特定のポリエチレンと特定のポリオレフィンを併用するポリオレフィン微多孔膜によって上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
粘度平均分子量(Mv)が500,000〜2,500,000である高分子量ポリエチレン(HMWPE)と、メルトインデックス(MI)が2g/10分以上50g/10分未満であって、融点が120℃以上137℃以下であり、かつ前記高分子量ポリエチレンとは異なるポリオレフィンと、を含有するポリオレフィン微多孔膜。
[2]
前記ポリオレフィンの融点が、123℃以上137℃以下である、[1]に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[3]
前記ポリオレフィンの融点が、126℃以上137℃以下である、[1]又は[2]に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[4]
前記ポリオレフィンのMIが、2g/10分以上25g/10分未満である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[5]
前記高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量(Mv)が、500,000〜1,500,000である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[6]
[1]〜[5]のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜を含む二次電池用セパレータ。
本発明によれば、ポリオレフィン微多孔膜の低温フューズ特性と耐熱性と機械強度を確保することができる。
また、本発明によれば、従来のUHMWPE(メルトインデックスMI:0.01g/10分未満)と比較してセパレータのフューズ温度を低下させることができ、かつ従来の超高MIのPE(MI:50g/10分以上)と比較してセパレータの熱収縮量を抑えて強度を上げることができ、ひいては二次電池の安全性を向上させることができる。
図1(A)は、フューズ温度の測定装置の概略図であり、図1(B)は、フューズ温度の測定において、ニッケル箔上に固定された微多孔膜を説明するための概略図であり、かつ図1(C)は、フューズ温度の測定において、ニッケル箔のマスキングを説明するための概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<微多孔膜>
本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜は、
粘度平均分子量(Mv)が500,000〜2,500,000である第一の高分子量ポリエチレン(HMWPE)と、
メルトインデックス(MI)が2g/10分以上50g/10分未満であり、融点が120℃以上137℃以下であり、かつ第一のHMWPEとは異なる第二のポリオレフィン(PO)と、
を含む。
理論に拘束されることを望まないが、ポリオレフィン微多孔膜のMvは、ポリオレフィン微多孔膜のMI及び流動性と相反するものであり、かつポリオレフィン微多孔膜のMIと流動性は相関するものであると考えられる。したがって、ポリオレフィン微多孔膜の含有物として、第一のHMWPEのMvと、第二のPOのMI及び流動性とのバランスを取ることによって、フューズ特性と熱収縮特性を両立させ、かつ二次電池用セパレータのフューズ温度と熱収縮率を低下させ、かつ高強度を維持し、ひいては二次電池の安全性を向上させることができると考えられる。
また、ポリオレフィン微多孔膜は、電子伝導性が小さく、イオン伝導性を有し、有機溶媒に対する耐性が高く、かつ孔径の微細なものが好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン系繊維を織物(織布)、ポリオレフィン系繊維の不織布などのポリオレフィン原料を含む。所望により、ポリオレフィン微多孔膜は、第一のHMWPEと第二のPOに加えて、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂、紙、絶縁性物質粒子の集合体等をさらに含んでよい。
ポリオレフィン微多孔膜は、第一のHMWPE、第二のPO、その他の原料などを含むポリオレフィン樹脂組成物から形成されることができる。
[第一の高分子量ポリエチレン(HMWPE)]
本明細書の高分子量ポリエチレン(HMWPE)とは、粘度平均分子量(Mv)が10万以上のPEである。Mvは、ASTM−D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η](dl/g)を測定することで、次式にて算出することができる。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
一般的に、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のMvは、100万以上であるため、本明細書に係るHMWPEは、定義上、UHMWPEを内包している。
本実施形態に係る第一のHMWPEとしては、粘度平均分子量(Mv)が500,000〜2,500,000である既知のHMWPEを使用してよい。HMWPEのMvは、二次電池用セパレータのフューズ特性、熱収縮特性及び強度の観点から、500,000〜2,500,000であり、好ましくは500,000〜2,000,000、より好ましくは500,000〜1,500,000である。
第一のHMWPEは、500,000〜2,500,000の粘度平均分子量(Mv)を有する限り、一段重合若しくは多段重合による得られるものでよく、又は2種以上のポリエチレンを含む樹脂組成物でよい。
[第二のポリオレフィン(PO)]
第二のポリオレフィンは、第一のHMWPE以外のポリオレフィン(PO)である。本実施形態に係る第二のPOとしては、メルトインデックス(MI)2g/10分以上50g/10分未満かつ融点120℃以上137℃以下の既知のPOを使用してよい。
本明細書では、メルトインデックス(MI)は、メルトフローレート(MFR)とも呼ばれ、溶融樹脂の指標になり、その単位はマスフローとしてg/10分で表される。
二次電池用セパレータのフューズ特性、熱収縮特性及び強度の観点から、第二のPOのMIの下限値は、2g/10分以上であり、好ましくは2.5g/10分以上、3g/10分以上、4g/10分以上、4.9g/10分以上、5g/10分以上、7g/10分以上、9g/10分以上、10g/10分以上、又は12g/10分以上であり、また上限値は、50g/10分未満であり、好ましくは49g/10分以下、49g/10分未満、48g/10分以下、47g/10分以下、45g/10分以下、40g/10分以下、35g/10分以下、30g/10分以下、28g/10分以下、28g/10分未満、又は25g/10分以下であり、より好ましくは25g/10分未満である。
一般に、ポリマーの融点とは、ポリマーの示差走査熱量測定(DSC)で得られるDSC曲線において、結晶性ポリマーの融解に伴う吸熱ピークと対応する温度(℃)をいう。
二次電池用セパレータのフューズ特性、熱収縮特性及び強度の観点から、第二のPOの融点の下限値は、120℃以上であり、好ましくは120℃超、121℃以上、121℃超、122℃以上、又は122℃超、より好ましくは123℃以上であり、さらに好ましくは126℃以上である。上限値は、137℃以下であり、好ましくは137℃未満、136℃以下、136℃未満、135℃以下、135℃未満、134℃以下、134℃未満、133℃以下、133℃未満、132.5℃以下、又は132.5℃未満である。
二次電池用セパレータのフューズ特性、熱収縮特性及び強度を個別に改良するか、又はそれらのバランスを取るという観点から、第二のPOの密度が、好ましくは0.93g/cm〜0.95g/cm、より好ましくは0.935g/cm〜0.949g/cm、さらに好ましくは0.936g/cm〜0.948g/cmである。
第二のPOとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテン等をモノマーとして用いて得られるホモ重合体、それらのモノマーの共重合体、又はそれらのモノマーの多段重合体等が挙げられる。また、第二のPOとしては、それらの重合体を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
第二のPOは、二次電池用セパレータのフューズ特性の観点から、ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、これらの共重合体、又はこれらの混合物を含むことが好ましい。
ポリエチレンの具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等、
ポリプロピレンの具体例としては、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、アタクティックポリプロピレン等、
共重合体の具体例としては、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレンプロピレンラバー等、が挙げられる。
また、第二のPOは、メタロセン触媒などのシングルサイト触媒を用いて得られるLLDPE、又はチーグラー系触媒若しくはフィリップス系触媒などのマルチサイト触媒を用いて得られるLDPEでよい。
[ポリオレフィン樹脂組成物]
ポリオレフィン微多孔膜は、二次電池用セパレータとした時のフューズ性能等を向上させる観点から、微多孔膜を構成する樹脂成分の50質量%以上100質量%以下を第一のHMWPE及び/又は第二のPOが占めるポリオレフィン樹脂組成物により形成されることが好ましい。ポリオレフィン樹脂組成物において、第一のHMWPE、第二のPOなどのポリオレフィン樹脂が占める割合は、60質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
また、微多孔膜の耐熱性を向上させる観点から、ポリオレフィン樹脂としてポリエチレン及びポリプロピレンの混合物を用いることが好ましい。この場合、ポリオレフィン樹脂組成物中の、総ポリオレフィン樹脂に対するポリプロピレンの割合は、耐熱性と良好なフューズ機能を両立させる観点から、1〜35質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは4〜10質量%である。
ポリオレフィン樹脂組成物には、任意の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、ポリオレフィン樹脂以外の重合体;無機フィラー;フェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類;紫外線吸収剤;光安定剤;帯電防止剤;防曇剤;着色顔料等が挙げられる。これらの添加剤の総添加量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、20質量部以下であることがフューズ性能等を向上させる観点から好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
[ポリオレフィン微多孔膜の詳細]
ポリオレフィン微多孔膜は、非常に小さな孔が多数集まって緻密な連通孔を形成した多孔構造を有しているため、イオン伝導性に非常に優れると同時に耐電圧特性も良好であり、しかも高強度である。
微多孔膜は、上述した材料から成る単層膜であってもよく、積層膜であってもよい。
微多孔膜の膜厚は、0.1μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上50μm以下、さらに好ましくは3μm以上25μm以下である。機械的強度の観点から0.1μm以上が好ましく、二次電池の高容量化の観点から100μm以下が好ましい。微多孔膜の膜厚は、ダイリップ間隔、延伸工程における延伸倍率等を制御すること等によって調整することができる。
ポリオレフィン微多孔膜の平均孔径は、0.03μm以上0.70μm以下が好ましく、より好ましくは0.04μm以上0.20μm以下、さらに好ましくは0.05μm以上0.10μm以下、特に好ましくは0.06μm以上0.09μm以下である。高いイオン伝導性と耐電圧の観点から、0.03μm以上0.70μm以下が好ましい。
平均孔径は、組成比、押出シートの冷却速度、延伸温度、延伸倍率、熱固定温度、熱固定時の延伸倍率、熱固定時の緩和率を制御することや、これらを組み合わせることにより調整することができる。
ポリオレフィン微多孔膜の気孔率は、好ましくは25%以上95%以下、より好ましく30%以上65%以下、更に好ましくは35%以上55%以下である。イオン伝導性向上の観点から25%以上が好ましく、耐電圧特性の観点から95%以下が好ましい。
微多孔膜の気孔率は、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤の混合比率、延伸温度、延伸倍率、熱固定温度、熱固定時の延伸倍率、熱固定時の緩和率を制御することや、これらを組み合わせることによって調整することができる。
ポリオレフィン微多孔膜の粘度平均分子量は、30,000以上12,000,000以下であることが好ましく、より好ましくは50,000以上2,000,000未満、さらに好ましくは100,000以上1,000,000未満である。粘度平均分子量が30,000以上であると、溶融成形の際のメルトテンションが大きくなり成形性が良好になると共に、重合体同士の絡み合いにより高強度となる傾向にあるため好ましい。粘度平均分子量が1,500,000以下であると、均一に溶融混練をすることが容易となり、シートの成形性、特に厚み安定性に優れる傾向にあるため好ましい。さらに、二次電池用セパレータとした時に、粘度平均分子量が1,000,000未満であると、温度上昇時に孔を閉塞し易く、良好なフューズ機能が得られる傾向にあるため好ましい。
<ポリオレフィン微多孔膜の製造方法>
ポリオレフィン微多孔膜の製造方法としては、特に制限はなく、既知の製造方法を採用することができる。例えば、
(1)ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、必要に応じて延伸した後、孔形成材を抽出することにより多孔化させる方法、
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を溶融混練して高ドロー比で押出した後、熱処理と延伸によってポリオレフィン結晶界面を剥離させることにより多孔化させる方法、
(3)ポリオレフィン樹脂組成物と無機充填材とを溶融混練してシート上に成形した後、延伸によってポリオレフィンと無機充填材との界面を剥離させることにより多孔化させる方法、
(4)ポリオレフィン樹脂組成物を溶解後、ポリオレフィンに対する貧溶媒に浸漬させてポリオレフィンを凝固させると同時に溶剤を除去することにより多孔化させる方法、
等が挙げられる。
以下、多孔膜を製造する方法の一例として、ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、孔形成材を抽出する方法について説明する。
まず、ポリオレフィン樹脂組成物と上記の孔形成材を溶融混練する。溶融混練方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂及び必要によりその他の添加剤を押出機、ニーダー、ラボプラストミル、混練ロール、バンバリーミキサー等の樹脂混練装置に投入することで、樹脂成分を加熱溶融させながら任意の比率で孔形成材を導入して混練する方法が挙げられる。
孔形成材としては、可塑剤、無機材又はそれらの組み合わせを挙げることができる。
可塑剤としては、特に限定されないが、ポリオレフィンの融点以上において均一溶液を形成しうる不揮発性溶媒を用いることが好ましい。このような不揮発性溶媒の具体例としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス等の炭化水素類;フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のエステル類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。なお、これらの可塑剤は、抽出後、蒸留等の操作により回収して再利用してよい。さらに、好ましくは、樹脂混練装置に投入する前に、ポリオレフィン樹脂、その他の添加剤及び可塑剤を、予めヘンシェルミキサー等を用いて所定の割合で事前混練しておく。より好ましくは、事前混練においては、可塑剤はその一部のみを投入し、残りの可塑剤は、樹脂混練装置に適宜加温しサイドフィードしながら混練する。このような混練方法を用いることにより、可塑剤の分散性が高まり、後の工程で樹脂組成物と可塑剤の溶融混練物のシート状成形体を延伸する際に、破膜することなく高倍率で延伸することができる傾向にある。
可塑剤の中でも、流動パラフィンは、ポリオレフィン樹脂がポリエチレンやポリプロピレンの場合には、これらとの相溶性が高く、溶融混練物を延伸しても樹脂と可塑剤の界面剥離が起こり難く、均一な延伸が実施し易くなる傾向にあるため好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤の比率は、これらを均一に溶融混練して、シート状に成形できる範囲であれば特に限定はない。例えば、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤とからなる組成物中に占める可塑剤の質量分率は、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%である。可塑剤の質量分率が90質量%以下であると、溶融成形時のメルトテンションが成形性向上のために十分なものとなる傾向にある。一方、可塑剤の質量分率が20質量%以上であると、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤との混合物を高倍率で延伸した場合でもポリオレフィン分子鎖の切断が起こらず、均一かつ微細な孔構造を形成し易く、強度も増加し易い。
無機材としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ(珪素酸化物)、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄などの酸化物系セラミックス;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス;シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレー、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂等のセラミックス;ガラス繊維が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、電気化学的安定性の観点から、シリカ、アルミナ、チタニアが好ましく、抽出が容易である点から、シリカが特に好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物と無機材との比率は、良好な隔離性を得る観点から、これらの合計質量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、高い強度を確保する観点から、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。
次に、溶融混練物をシート状に成形する。シート状成形体を製造する方法としては、例えば、溶融混練物を、Tダイ等を介してシート状に押出し、熱伝導体に接触させて樹脂成分の結晶化温度より充分に低い温度まで冷却して固化する方法が挙げられる。冷却固化に用いられる熱伝導体としては、金属、水、空気、或いは可塑剤等が挙げられる。これらの中でも、熱伝導の効率が高いため、金属製のロールを用いることが好ましい。また、押出した混練物を金属製のロールに接触させる際に、ロール間で挟み込むことは、熱伝導の効率がさらに高まると共に、シートが配向して膜強度が増し、シートの表面平滑性も向上する傾向にあるためより好ましい。溶融混練物をTダイからシート状に押出す際のダイリップ間隔は200μm以上3,000μm以下であることが好ましく、500μm以上2,500μm以下であることがより好ましい。ダイリップ間隔が200μm以上であると、メヤニ等が低減され、スジや欠点など膜品位への影響が少なく、その後の延伸工程において膜破断などのリスクを低減することができる。一方、ダイリップ間隔が3,000μm以下であると、冷却速度が速く冷却ムラを防げると共に、シートの厚み安定性を維持できる。
また、シート状成形体を圧延してもよい。圧延は、例えば、ダブルベルトプレス機等を使用したプレス法にて実施することができる。圧延を施すことにより、特に表層部分の配向を増すことができる。圧延面倍率は1倍を超えて3倍以下であることが好ましく、1倍を超えて2倍以下であることがより好ましい。圧延倍率が1倍を超えると、面配向が増加し最終的に得られる多孔膜の膜強度が増加する傾向にある。一方、圧延倍率が3倍以下であると、表層部分と中心内部の配向差が小さく、膜の厚さ方向に均一な多孔構造を形成することができる傾向にある。
次いで、シート状成形体から孔形成材を除去して多孔膜とする。孔形成材を除去する方法としては、例えば、抽出溶剤にシート状成形体を浸漬して孔形成材を抽出し、充分に乾燥させる方法が挙げられる。孔形成材を抽出する方法はバッチ式、連続式のいずれであってもよい。多孔膜の収縮を抑えるために、浸漬、乾燥の一連の工程中にシート状成形体の端部を拘束することが好ましい。また、多孔膜中の孔形成材残存量は多孔膜全体の質量に対して1質量%未満にすることが好ましい。
孔形成材を抽出する際に用いられる抽出溶剤としては、ポリオレフィン樹脂に対して貧溶媒で、かつ孔形成材に対して良溶媒であり、沸点がポリオレフィン樹脂の融点より低いものを用いることが好ましい。このような抽出溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロカーボン等の非塩素系ハロゲン化溶剤;エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。なお、これらの抽出溶剤は、蒸留等の操作により回収して再利用してよい。また、孔形成材として無機材を用いる場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液を抽出溶剤として用いることができる。
また、上記シート状成形体または多孔膜を延伸することが好ましい。延伸は前記シート状成形体から孔形成材を抽出する前に行ってもよい。また、前記シート状成形体から孔形成材を抽出した多孔膜に対して行ってもよい。さらに、前記シート状成形体から孔形成材を抽出する前と後に行ってもよい。
延伸処理としては、一軸延伸又は二軸延伸のいずれも好適に用いることができるが、得られる多孔膜の強度等を向上させる観点から二軸延伸が好ましい。シート状成形体を二軸方向に高倍率延伸すると、分子が面方向に配向し、最終的に得られる多孔膜が裂けにくくなり、高い突刺強度を有するものとなる。延伸方法としては、例えば、同時二軸延伸、逐次二軸延伸、多段延伸、多数回延伸等の方法を挙げることができる。突刺強度の向上、延伸の均一性、フューズ特性の観点からは同時二軸延伸が好ましい。また面配向の制御容易性の観点からは遂次二軸延伸が好ましい。
ここで、同時二軸延伸とは、MD(微多孔膜連続成形の機械方向)の延伸とTD(微多孔膜のMDを90°の角度で横切る方向)の延伸が同時に施される延伸方法をいい、各方向の延伸倍率は異なってもよい。逐次二軸延伸とは、MD及びTDの延伸が独立して施される延伸方法をいい、MD又はTDに延伸がなされているときは、他方向は非拘束状態又は定長に固定されている状態とする。
延伸倍率は、面倍率で20倍以上100倍以下の範囲であることが好ましく、25倍以上70倍以下の範囲であることがより好ましい。各軸方向の延伸倍率は、MDに4倍以上10倍以下、TDに4倍以上10倍以下の範囲であることが好ましく、MDに5倍以上8倍以下、TDに5倍以上8倍以下の範囲であることがより好ましい。総面積倍率が20倍以上であると、得られる多孔膜に十分な強度を付与できる傾向にあり、一方、総面積倍率が100倍以下であると、延伸工程における膜破断を防ぎ、高い生産性が得られる傾向にある。
多孔膜の収縮を抑制するために、延伸工程後、又は、多孔膜形成後に熱固定を目的として熱処理を行うこともできる。また、多孔膜に、界面活性剤等による親水化処理、電離性放射線等による架橋処理等の後処理を行ってもよい。
多孔膜には、収縮を抑制する観点から熱固定を目的として熱処理を施すことが好ましい。熱処理の方法としては、物性の調整を目的として、所定の温度雰囲気及び所定の延伸率で行う延伸操作、及び/又は、延伸応力低減を目的として、所定の温度雰囲気及び所定の緩和率で行う緩和操作が挙げられる。延伸操作を行った後に緩和操作を行っても構わない。これらの熱処理は、テンターやロール延伸機を用いて行うことができる。
延伸操作は、膜のMD及び/又はTDに1.1倍以上、より好ましくは1.2倍以上の延伸を施すことが、さらなる高強度かつ高気孔率な多孔膜が得られる観点から好ましい。
緩和操作は、膜のMD及び/又はTDへの縮小操作のことである。緩和率とは、緩和操作後の膜の寸法を緩和操作前の膜の寸法で除した値のことである。なお、MD、TD双方を緩和した場合は、MDの緩和率とTDの緩和率を乗じた値のことである。緩和率は、1.0以下であることが好ましく、0.97以下であることがより好ましく、0.95以下であることがさらに好ましい。緩和率は膜品位の観点から0.5以上であることが好ましい。緩和操作は、MD、TD両方向で行ってもよいが、MD或いはTD片方だけ行ってもよい。
この可塑剤抽出後の延伸及び緩和操作は、好ましくはTDに行う。延伸及び緩和操作における温度は、ポリオレフィン樹脂の融点(以下、「Tm」ともいう。)より低いことが好ましく、Tmより1℃から25℃低い範囲がより好ましい。延伸及び緩和操作における温度が上記範囲であると、熱収縮率低減と気孔率とのバランスの観点から好ましい。
<二次電池用セパレータ>
本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜は、二次電池用セパレータとして利用されることができる。本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜を含むセパレータは、フューズ特性と熱収縮特性を両立させることができるため、二次電池の安全性も改良することができる。
なお、上述した各種物性の測定値は、特に断りの無い限り、後述する実施例における測定法に準じて測定される値である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の物性は以下の方法により測定した。
(1)粘度平均分子量
ASTM−D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η](dl/g)を求めた。
ポリエチレンについては、次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
ポリプロピレンについては、次式によりMvを算出した。
[η]=1.10×10−4Mv0.80
(2)メルトインデックスMI(g/10分)
JIS K7210:1999(プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR))に従って、MIを測定した。具体的には、ポリエチレンの場合は、190℃で2.16kgfの荷重を加えて、10分で流出した樹脂量(g)を測定し、小数点以下第一位を四捨五入した値をMIとした。ポリプロピレンの場合は、230℃で2.16kgfの荷重を加えて、10分で流出した樹脂量(g)を測定し、小数点以下第一位を四捨五入した値をMIとした。
(3)融点(℃)
示差走査熱量(DSC)測定装置「DSC−60」(島津製作所社製)を用いて、融点を測定した。得られた値の小数点以下第一位を四捨五入した値を、融点とした。
(4)膜厚(μm)
微小測厚器(東洋精機製 タイプKBM)を用いて、室温23℃で測定した。
(5)気孔率(%)
10cm×10cm角の試料を微多孔膜から切り取り、その体積(cm)と質量(g)を求め、それらと膜密度(g/cm)より、次式を用いて気孔率を計算した。
気孔率(%)=(体積−質量/膜密度)/体積×100
(6)透気度(sec/100cc)
JIS P−8117準拠のガーレー式透気度計(東洋精機社製)にて透気度を測定した。
(7)突刺強度(gf)
ハンディー圧縮試験器「KES−G5」(カトーテック社製)を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/秒の条件下で突刺試験を行うことで、サンプルの突刺強度を測定した。
(8)フューズ温度(℃)
図1(A)にフューズ温度の測定装置の概略図を示す。1は微多孔膜であり、2A及び2Bは厚さ10μmのニッケル箔であり、3A及び3Bはガラス板である。4は電気抵抗測定装置「AG−4311」(安藤電気社製)でありニッケル箔2A、2Bと接続されている。5は熱電対であり温度計6と接続されている。7はデータコレクターであり、電気抵抗測定装置4及び温度計6と接続されている。8はオーブンであり、微多孔膜を加熱する。
さらに詳細に説明すると、図1(B)に示すようにニッケル箔2A上に微多孔膜1を重ねて、縦方向に「テフロン(登録商標)」テープ(図の斜線部)でニッケル箔2Aに固定する。微多孔膜1には電解液として1mol/Lのホウフッ化リチウム溶液(溶媒:プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート/γ−ブチルラクトン=体積比1/1/2の混合溶媒)が含浸されている。ニッケル箔2B上には図1(C)に示すように「テフロン(登録商標)」テープ(図の斜線部)を貼り合わせ、箔2Bの中央部分に15mm×10mmの窓の部分を残してマスキングした。
ニッケル箔2Aとニッケル箔2Bを、微多孔膜1を挟むような形で重ね合わせ、その両側からガラス板3A、3Bによって2枚のニッケル箔を挟み込んだ。このとき、箔2Bの窓の部分と、微多孔膜1が相対する位置に来るようにした。次いで、2枚のガラス板3A、3Bはクリップで挟むことにより固定した。熱電対5は「テフロン(登録商標)」テープでガラス板に固定した。
このような装置で連続的に微多孔膜1の温度と電気抵抗を測定した。なお、温度は25℃から200℃まで15℃/minの速度にて昇温させ、電気抵抗値は1V、1kHzの交流にて測定した。フューズ温度は、電気抵抗値が10Ωに達したときの温度値の小数点以下第一位を四捨五入した値とした。
(9)熱収縮率(%)
サンプルをMD/TDそれぞれ100mmの正方形に切り出し、予め120℃に熱してある恒温槽にサンプルを入れ、1時間後の寸法収縮率を求めた。サンプルは、恒温槽の内壁等に付着しないように、かつサンプル同士が融着しないように、コピー紙等の上に乗せた。
(10)リチウムイオン二次電池の急速昇温試験
<正極シートの作製>
正極活物質としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3(日本化学工業社製)と、導電助剤としてアセチレンブラック粉末(電気化学工業社製)と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン溶液(クレハ社製)とを、90:6:4の固形分質量比で混合し、分散溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを固形分40質量%となるように添加し、更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を、厚さ20μmの集電材料としてのアルミニウム箔の両面に塗布し、溶剤を乾燥除去し、その後、塗布されたアルミニウム箔をロールプレスで圧延して、正極シートを得た。
<負極シートの作製>
負極活物質としてグラファイト粉末(大阪ガスケミカル社製)及びグラファイト粉末(TIMCAL社製)と、結着剤としてスチレンブタジエンゴム及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、90:10:1.5:1.8の固形分質量比で混合し、分散溶媒として水を固形分45質量%となるように添加し、更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を、厚さ18μmの集電材料としての銅箔の両面に塗布し、溶剤を乾燥除去し、その後、塗布された銅箔をロールプレスで圧延して、負極シートを得た。
<非水電解液の調製>
非水溶媒としてのエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した混合溶媒に、リチウム塩としてのLiPFを1mol/L含有させた溶液を調製した。
<シート状リチウムイオン二次電池の作製>
上述のようにして作製した正極シートと負極シートとを、後述の実施例及び比較例で得られた微多孔膜の両側に重ね合わせて積層体を得た。得られた積層体を、アルミニウム箔(厚さ40μm)の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムから成る袋(外装体)内に正負極の端子を突設させながら挿入した。その後、上述のようにして作製した非水電解液を袋内に注入し、袋に真空封止を行うことによって、シート状リチウムイオン二次電池を作製した。
<リチウムイオン二次電池の急速昇温試験>
シート状リチウムイオン二次電池を、25℃に設定した恒温槽「PLM−73S」(二葉科学社製)に収容し、充放電装置「ACD−01」(アスカ電子社製)に接続した。次いで、その二次電池を、0.1Cの定電流で4.2Vの電圧に達するまで充電して、4.2Vの定電圧で1時間充電した、その後、0.1Cの定電流で3.0Vまで放電するという充放電サイクルを、3回繰り返した。その後、0.1Cの定電流で4.2Vの電圧に達するまで充電して、リチウムイオン二次電池を満充電の状態とした。なお、1Cとは、電池の全容量を1時間で放電させる場合の電流値を表し、0.1Cとは、その1/10の電流値を表す。
防爆恒温槽内に、アルミブロックヒーターを設置し、不燃性のフッ素化パラフィンオイルでアルミブロック内を満たした。満充電のリチウムイオン二次電池を恒温槽から取り出して、アルミブロックヒーター内のフッ素化パラフィンオイル中に浸漬した。そして、アルミブロックヒーターを、15℃/分の速度で150℃まで昇温して、リチウムイオン二次電池の挙動を観察した。150℃の状態で1分経過した時点で、リチウムイオン二次電池に異常がない場合は評価結果を○(良好)として、発煙又は破裂した場合は評価結果を×(不良)とした。
[実施例1]
粘度平均分子量70万の高分子量ポリエチレン(融点135℃)35質量部、粘度平均分子量25万の高分子量ポリエチレン(融点137℃)35質量部、粘度平均分子量40万のポリプロピレン(融点163℃)5質量部、粘度平均分子量9万のポリエチレン(融点126℃、MI:3)25質量部、酸化防止剤としてテトラキス−[メチレン−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.2質量部とをタンブラー型ブレンダーでドライブレンドし、混合物原料を得た。
混合物原料を、窒素雰囲気下で二軸押出機へフィーダーにより供給した。また、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。押し出される全混合物中の、流動パラフィンの割合が65質量部、及びポリマーの割合が35質量部となるように、フィーダー及びポンプの運転条件を調整した。次いで、それらを二軸押出機内で200℃に加熱しながら溶融混練し、得られた溶融混練物を、T−ダイを経て、表面温度70℃に制御された冷却ロール上に押し出し、その押出物を冷却ロールに接触させ、成形して冷却固化することにより、シート状成形物を得た。
このシートを同時二軸延伸機にて、温度120℃において倍率7×6.4倍に延伸して、延伸物を塩化メチレンに浸漬して、流動パラフィンを抽出除去後、乾燥させた。次いで、一軸延伸機にて温度130℃において幅方向に2倍延伸した後に、この延伸シートを幅方向に約10%緩和して、ポリオレフィン微多孔膜を得た。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[実施例2]
粘度平均分子量9万のポリエチレン(融点126℃、MI:3)に代えて、粘度平均分子量7万のポリエチレン(融点128℃、MI:5)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[実施例3]
粘度平均分子量9万のポリエチレン(融点126℃、MI:3)に代えて、粘度平均分子量8万のポリエチレン(融点129℃、MI:6)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[実施例4]
粘度平均分子量9万のポリエチレン(融点126℃、MI:3)に代えて、粘度平均分子量6万のポリエチレン(融点131℃、MI:12)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[実施例5]
粘度平均分子量9万のポリエチレン(融点126℃、MI:3)に代えて、粘度平均分子量5万のポリエチレン(融点131℃、MI:21)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[実施例6]
粘度平均分子量9万のポリエチレン(融点126℃、MI:3)に代えて、粘度平均分子量4万のポリエチレン(融点131℃、MI:30)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[実施例7]
粘度平均分子量9万のポリエチレン(融点126℃、MI:3)に代えて、粘度平均分子量8万のポリエチレン(融点123℃、MI:3)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[実施例8]
粘度平均分子量9万のポリエチレン(融点126℃、MI:3)に代えて、粘度平均分子量18万のポリプロピレンコポリマー(融点126℃、MI:6)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[実施例9]
粘度平均分子量70万の高分子量ポリエチレン(融点135℃)に代えて、粘度平均分子量100万の高分子量ポリエチレン(融点135℃)を用いたこと以外、実施例5と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[実施例10]
粘度平均分子量70万の高分子量ポリエチレン(融点135℃)に代えて、粘度平均分子量200万の高分子量ポリエチレン(融点135℃)を用いたこと以外、実施例5と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[実施例11]
粘度平均分子量70万の高分子量ポリエチレン(融点135℃)35質量部、粘度平均分子量25万の高分子量ポリエチレン(融点137℃)35質量部、粘度平均分子量40万のポリプロピレン(融点163℃)5質量部、及び粘度平均分子量9万のポリエチレン(融点126℃、MI:3)25質量部に代えて、粘度平均分子量70万の高分子量ポリエチレン(融点135℃)40質量部、粘度平均分子量25万の高分子量ポリエチレン(融点137℃)40質量部、粘度平均分子量40万のポリプロピレン(融点163℃)5質量部、粘度平均分子量5万のポリエチレン(融点131℃、MI:21)15質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[実施例12]
粘度平均分子量70万の高分子量ポリエチレン(融点135℃)35質量部、粘度平均分子量25万の高分子量ポリエチレン(融点137℃)35質量部、粘度平均分子量40万のポリプロピレン(融点163℃)5質量部、及び粘度平均分子量9万のポリエチレン(融点126℃、MI:3)25質量部に代えて、粘度平均分子量70万の高分子量ポリエチレン(融点135℃)25質量部、粘度平均分子量25万の高分子量ポリエチレン(融点137℃)25質量部、粘度平均分子量40万のポリプロピレン(融点163℃)5質量部、粘度平均分子量5万のポリエチレン(融点131℃、MI:21)45質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[比較例1]
粘度平均分子量9万のポリエチレン(融点126℃、MI:3)に代えて、粘度平均分子量15万のポリエチレン(融点131℃、MI:1)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[比較例2]
粘度平均分子量9万のポリエチレン(融点126℃、MI:3)に代えて、粘度平均分子量3万のポリエチレン(融点127℃、MI:50)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[比較例3]
粘度平均分子量70万の高分子量ポリエチレン(融点135℃)35質量部に代えて、粘度平均分子量25万の高分子量ポリエチレン(融点137℃)35質量部(合計70質量部)を用いたこと以外、実施例5と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
[比較例4]
粘度平均分子量70万の高分子量ポリエチレン(融点135℃)に代えて、粘度平均分子量300万の超高分子量ポリエチレン(融点136℃)を用いたこと以外、実施例5と同様にして、ポリオレフィン微多孔膜を作製した。得られたポリオレフィン微多孔膜の物性及び急速昇温試験結果を表1に示す。
Figure 2018141029
表1より、本発明の実施例1〜12は、MIが高いポリオレフィンを使用していない比較例1と比較して、微多孔膜のフューズ温度が低く、急速昇温時に二次電池の安全性を保持できる。フューズ温度が低いことで、迅速に電極間を絶縁し、二次電池の安全性を保ったものと考えられる。
また、実施例1〜12は、MIが高すぎるポリエチレンを用いた比較例2、及び粘度平均分子量50万以上の高分子量ポリエチレンを含有していない比較例3と比べると、微多孔膜の突刺強度が高く、急速昇温時の二次電池の安全性が高い。二次電池の温度が上昇すると、電解液中の有機溶剤の揮発等により二次電池の内圧が上昇し、セパレータの突刺強度が低いと破膜に至る恐れがある。本発明の実施形態に係る微多孔膜は、適切なMIを有するポリオレフィンを使用しており、充分な機械的強度を有しているため、二次電池の温度上昇に耐えたものと推定される。
最後に、実施例1〜12は、Mvが300万の超高分子量ポリエチレンを用いた比較例4と比較して、熱収縮が小さく、急速昇温時の二次電池の安全性に優れる。熱収縮が小さいため、二次電池が高温となった場合でも短絡することなく絶縁を維持した結果として、二次電池の安全性が維持されたものと考えられる。
以上のことから、適切な粘度平均分子量を有する高分子量ポリエチレンと、適切なMIを有するポリオレフィンを併用することで、低フューズ温度、十分な突刺強度、及び低熱収縮性を併せ持ち、かつ二次電池の安全性に優れる微多孔膜が得られることが明らかとなった。
1 微多孔膜
2A,2B ニッケル箔
3A,3B ガラス板
4 電気抵抗測定装置
5 熱電対
6 温度計
7 データコレクター
8 オーブン

Claims (6)

  1. 粘度平均分子量(Mv)が500,000〜2,500,000である高分子量ポリエチレンと、メルトインデックス(MI)が2g/10分以上50g/10分未満であって、融点が120℃以上137℃以下であり、かつ前記高分子量ポリエチレンとは異なるポリオレフィンと、を含有するポリオレフィン微多孔膜。
  2. 前記ポリオレフィンの融点が、123℃以上137℃以下である、請求項1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
  3. 前記ポリオレフィンの融点が、126℃以上137℃以下である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
  4. 前記ポリオレフィンのMIが、2g/10分以上25g/10分未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
  5. 前記高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量(Mv)が、500,000〜1,500,000である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜を含む二次電池用セパレータ。
JP2017034491A 2017-02-27 2017-02-27 ポリオレフィン微多孔膜 Active JP6886839B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017034491A JP6886839B2 (ja) 2017-02-27 2017-02-27 ポリオレフィン微多孔膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017034491A JP6886839B2 (ja) 2017-02-27 2017-02-27 ポリオレフィン微多孔膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018141029A true JP2018141029A (ja) 2018-09-13
JP6886839B2 JP6886839B2 (ja) 2021-06-16

Family

ID=63527612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017034491A Active JP6886839B2 (ja) 2017-02-27 2017-02-27 ポリオレフィン微多孔膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6886839B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6741884B1 (ja) * 2019-03-04 2020-08-19 旭化成株式会社 ポリオレフィン微多孔膜
CN111613756A (zh) * 2020-06-15 2020-09-01 泰州衡川新能源材料科技有限公司 一种高浸润性隔膜加工工艺
WO2020179101A1 (ja) * 2019-03-04 2020-09-10 旭化成株式会社 ポリオレフィン微多孔膜
CN111864161A (zh) * 2020-06-15 2020-10-30 泰州衡川新能源材料科技有限公司 一种SiO2掺杂的隔膜加工工艺
WO2023054642A1 (ja) 2021-09-29 2023-04-06 旭化成株式会社 ポリオレフィン膜及びポリオレフィン膜の製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000020492A1 (en) * 1998-10-01 2000-04-13 Tonen Chemical Corporation Microporous polyolefin film and process for producing the same
JP2000248093A (ja) * 1999-03-03 2000-09-12 Tonen Chem Corp ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
WO2004085525A1 (ja) * 2003-03-24 2004-10-07 Asahi Kasei Chemicals Corporation ポリエチレン微多孔膜
JP2007262203A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリオレフィン製微多孔膜
WO2007116672A1 (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Asahi Kasei Chemicals Corporation ポリオレフィン微多孔膜
WO2009123015A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ポリオレフィン製微多孔膜、及び捲回物
WO2017010528A1 (ja) * 2015-07-14 2017-01-19 旭化成株式会社 微多孔膜、電池用セパレータ及び電池

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000020492A1 (en) * 1998-10-01 2000-04-13 Tonen Chemical Corporation Microporous polyolefin film and process for producing the same
JP2000248093A (ja) * 1999-03-03 2000-09-12 Tonen Chem Corp ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
WO2004085525A1 (ja) * 2003-03-24 2004-10-07 Asahi Kasei Chemicals Corporation ポリエチレン微多孔膜
JP2007262203A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリオレフィン製微多孔膜
WO2007116672A1 (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Asahi Kasei Chemicals Corporation ポリオレフィン微多孔膜
WO2009123015A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ポリオレフィン製微多孔膜、及び捲回物
WO2017010528A1 (ja) * 2015-07-14 2017-01-19 旭化成株式会社 微多孔膜、電池用セパレータ及び電池

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6741884B1 (ja) * 2019-03-04 2020-08-19 旭化成株式会社 ポリオレフィン微多孔膜
WO2020179101A1 (ja) * 2019-03-04 2020-09-10 旭化成株式会社 ポリオレフィン微多孔膜
CN111902470A (zh) * 2019-03-04 2020-11-06 旭化成株式会社 聚烯烃微多孔膜
CN111902470B (zh) * 2019-03-04 2021-09-21 旭化成株式会社 聚烯烃微多孔膜
CN111613756A (zh) * 2020-06-15 2020-09-01 泰州衡川新能源材料科技有限公司 一种高浸润性隔膜加工工艺
CN111864161A (zh) * 2020-06-15 2020-10-30 泰州衡川新能源材料科技有限公司 一种SiO2掺杂的隔膜加工工艺
CN111613756B (zh) * 2020-06-15 2023-07-25 泰州衡川新能源材料科技有限公司 一种高浸润性隔膜加工工艺
WO2023054642A1 (ja) 2021-09-29 2023-04-06 旭化成株式会社 ポリオレフィン膜及びポリオレフィン膜の製造方法
KR20240055784A (ko) 2021-09-29 2024-04-29 아사히 가세이 가부시키가이샤 폴리올레핀막 및 폴리올레핀막의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP6886839B2 (ja) 2021-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10680223B2 (en) Laminated separator, polyolefin microporous membrane, and separator for electricity storage device
JP5586152B2 (ja) ポリオレフィン製微多孔膜
KR100977345B1 (ko) 폴리올레핀제 미다공막
JP6886839B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜
JP2008186721A (ja) 高耐熱性と高透過性を兼ね備えた多孔膜およびその製法
JP2014097656A (ja) 多層多孔膜及びその製造方法
JP6895570B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びポリオレフィン微多孔膜の製造方法
JP6823718B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜、蓄電デバイス用セパレータ、及び蓄電デバイス
JP2008186722A (ja) 高耐熱性と高透過性を兼ね備えた多孔膜およびその製法
JP2017216052A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
JP2011081995A (ja) 耐オーブン特性蓄電デバイス用セパレータ
JP2013144442A (ja) 高耐熱性と高透過性を兼ね備えた多孔膜およびその製法
JP2013256606A (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
JP2009138159A (ja) 微多孔膜
JP2014078515A (ja) 高耐熱性と高透過性を兼ね備えた多孔膜およびその製法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210420

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6886839

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150