JP2018140661A - ステアリング装置及びステアリングセンサシステム - Google Patents

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正彦 酒巻
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Abstract

【課題】操舵力伝達経路を断続するクラッチからの漏れ磁束のセンサへの影響を効率よく抑制する。【解決手段】ステアリング装置は、ステアリングホイール10と転舵輪16との間の操舵力伝達経路に設けられ、通電時に操舵力伝達経路を機械的に切断し、通電していない時に操舵力伝達経路を機械的に接続するクラッチ50と、操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する上流センサ21及び下流センサ22を備える。上流センサ21及び下流センサ22の少なくともいずれか一方において、クラッチ50の通電状態を検出し、クラッチ50が通電している時に、第1の補正値により操舵トルク及び舵角の少なくとも一方の検出値を補正し、クラッチが通電をしていない時に、第1の補正値とは異なる第2の補正値により操舵トルク及び舵角の少なくとも一方の検出値を補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、操舵機構と転舵機構を断続するクラッチを有するステアリング装置、及びそのようなステアリング装置に用いられるステアリングセンサシステムに関する。
車両のステアリング装置では、ステアリングホイールと転舵輪との間の操舵力伝達経路を接続及び切断するクラッチが設けられる場合がある。例えば、ステアバイワイヤでは、ステアリングホイールから転舵輪への機械的な動力伝達をクラッチで切断した状態で、ステアリングホイールに入力された操舵トルクに応じてモータが転舵輪に転舵力を付与する。モータによる駆動系に異常が発生した場合には、クラッチでステアリングホイールと転舵輪との間の操舵力伝達経路を接続する。これにより、ステアリングホイールに入力された操舵トルクが、機械的に、転舵輪へ伝達される。このように、ステアリング装置に設けられるクラッチは、電磁コイルを用いて、機械的に操舵力伝達経路を断続する構成を有することがある。この場合、クラッチからの漏れ磁束が他の部品に影響を与える場合がある。
特開平3−118435号公報(特許文献1)には、トルクセンサの信号に応じてハンドル操舵力をアシストする永久磁石界磁電動機および減速機を備えるパワーステアリング装置が開示されている。このパワーステアリング装置は、永久磁石界磁電動機と減速機の間のトルク伝達を開閉する電磁クラッチが設けられる。トルクセンサと電磁クラッチとの間に磁気遮蔽板が配置される。磁気遮蔽板により、電磁クラッチからの漏洩磁束が、トルクセンサの磁気抵抗効果素子側の空中へ漏洩しなくなる。
特開2008−216129(特許文献2)は、トルク検出装置において、磁界ノイズの影響を低減するための構成を開示している。このトルク検出装置では、多極磁石と軟磁性体それぞれに磁気的に結合される一対の集時リングの間にエアギャップが形成される。エアギャップの磁束密度を検出するホールICと、エアギャップを避けた位置に配置された補正用磁気センサが設けられる。ホールICの出力は、補正用磁気センサの出力に基づいて補正される。
特開平3−118435号公報 特開2008−216129号公報
上記従来技術のように、磁気遮蔽板による漏れ磁束の遮蔽、又は、補正用磁気センサを用いたセンサ出力の補正により、トルクセンサの磁気ノイズによる影響を低減している。しかしながら、動力伝達経路を断続するクラッチを備えるステアリング装置においては、上記従来の構成では、クラッチからの漏れ磁束のセンサへの影響を十分に抑制することが難しい場合がある。さらに、上記従来技術では、磁気遮蔽板や、補正用磁気センサ等の構成を追加する必要がある。
そこで、本願は、ステアリングホイールと転舵輪との間の操舵力伝達経路を断続するクラッチからの漏れ磁束のセンサへの影響を効率よく抑制できるステアリング装置及びステアリングセンサシステムを開示する。
本開示に係るステアリング装置は、ステアリングホイールと転舵輪との間の操舵力伝達経路に設けられ、通電時に前記操舵力伝達経路を機械的に切断し、通電していない時に前記操舵力伝達経路を機械的に接続するクラッチと、前記ステアリングホイールと前記クラッチとの間の前記操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する上流センサと、前記クラッチと前記転舵輪との間の前記操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する下流センサとを備える。前記上流センサ及び前記下流センサの少なくともいずれか一方において、前記クラッチの通電状態を検出し、前記クラッチが前記操舵力伝達経路を機械的に切断するように通電している時に、第1の補正値により前記操舵トルク及び前記舵角の少なくとも一方の検出値を補正し、前記クラッチが前記操舵力伝達経路を機械的に接続するように通電をしていない時に、第1の補正値とは異なる第2の補正値により前記操舵トルク及び前記舵角の少なくとも一方の検出値を補正する。
本開示によれば、ステアリングホイールと転舵輪との間の操舵力伝達経路を断続するクラッチを備えるステアイング装置において、クラッチからの漏れ磁束のセンサへの影響を効率よく抑制できる。
図1は、本実施形態におけるステアリング装置の構成例を示す図である。 図2は、クラッチ50の構成例を示す断面図である。 図3は、本実施形態におけるステアリングセンサシステムの構成例を示すブロック図である。 図4は、第1の補正値及び第2の補正値の初期設定処理例を示すフローチャートである。 図5は、クラッチ50の通電状態によって補正値を切り替えて補正する処理の例を示すフローチャートである。
(構成1)
本発明の実施形態の構成1に係るステアリング装置は、ステアリングホイールと転舵輪との間の操舵力伝達経路に設けられ、通電時に前記操舵力伝達経路を機械的に切断し、通電していない時に前記操舵力伝達経路を機械的に接続するクラッチと、前記ステアリングホイールと前記クラッチとの間の前記操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する上流センサと、前記クラッチと前記転舵輪との間の前記操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する下流センサとを備える。前記上流センサ及び前記下流センサの少なくともいずれか一方において、前記クラッチの通電状態を検出し、前記クラッチが前記操舵力伝達経路を機械的に切断するように通電している時に、第1の補正値により前記操舵トルク及び前記舵角の少なくとも一方の検出値を補正し、前記クラッチが前記操舵力伝達経路を機械的に接続するように通電をしていない時に、第1の補正値とは異なる第2の補正値により前記操舵トルク及び前記舵角の少なくとも一方の検出値を補正する。
クラッチ、上流センサ及び下流センサは、いずれも、ステアリングホイールと転舵輪との間の操舵力伝達経路上に設けられる。そのため、クラッチ、上流センサ及び下流センサとの距離が近くなる。その結果、上流センサ及び下流センサは、クラッチの漏れ磁束の影響を受けやすくなる。上記構成1によれば、クラッチが操舵力伝達経路を機械的に切断するよう通電している時と、クラッチが操舵力伝達経路を機械的に接続するよう通電していない時とで、下流センサ又は上流センサの検出値の補正に用いられる補正値が異なる。そのため、クラッチが通電か非通電かによって異なる漏れ磁束のセンサの検出値への影響を、効率良く低減することができる。また、例えば、磁気遮蔽板や、補正用磁気センサ等の構成を追加しなくても、クラッチの漏れ磁束のセンサへの影響を低減することができる。
(構成2)
上記構成1において、前記第1の補正値は、温度に応じて変化し、前記第2の補正値は、温度に応じて変化してもよい。これにより、温度によるセンサの検出値の変化を第1の補正値及び第2の補正値で吸収することができる。
(構成3)
上記構成1又は構成2において、前記第1の補正値及び前記第2の補正値は、前記上流センサで用いられる場合に、前記クラッチに対する前記上流センサの相対位置に応じて変化し、前記第1の補正値及び前記第2の補正値は、前記下流センサで用いられる場合に、前記クラッチに対する前記下流センサの相対位置に応じて変化してもよい。これにより、クラッチとセンサとの相対位置に応じたより適切な補正が可能になる。
(構成4)
本発明の実施形態の構成4に係るステアリングセンサシステムは、クラッチ通電検出部と、センサと、補正部とを備える。前記クラッチ通電検出部は、クラッチの通電の有無を検出する。クラッチは、ステアリングホイールと転舵輪との間の操舵力伝達経路に設けられ、通電時に前記操舵力伝達経路を機械的に切断し、通電していない時に前記操舵力伝達経路を機械的に接続する。前記センサは、前記ステアリングホイールと前記クラッチとの間の前記操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方、又は、前記クラッチと前記転舵輪との間の前記操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する。前記補正部は、前記クラッチが前記操舵力伝達経路を機械的に切断するように通電していることが前記クラッチ通電検出部で検出されている時に、第1の補正値により前記操舵トルク及び前記舵角の少なくとも一方の検出値を補正し、前記クラッチが前記操舵力伝達経路を機械的に接続するように通電をしていないことが前記クラッチ通電検出部で検出されている時に、第1の補正値とは異なる第2の補正値により前記操舵トルク及び前記舵角の少なくとも一方の検出値を補正する補正部とを備える。
上記構成4によれば、クラッチが操舵力伝達経路を機械的に切断するよう通電して時と、クラッチが操舵力伝達経路を機械的に接続するよう通電していない時とで、センサの検出値の補正に用いられる補正値が異なる。そのため、クラッチが通電か非通電かによって異なる漏れ磁束のセンサの検出値への影響を、効率良く低減することができる。
上記構成1〜4におけるセンサ、又は、上流センサ及び下流センサは、例えば、操舵力伝達経路において、操舵力を伝達する軸の軸方向まわりの回転又は軸方向の直線運動によって変化する磁界を検出することで、操舵トルク又は舵角を検出する構成とすることができる。上記のセンサ、又は、上流センサ及び下流センサは、例えば、ホールIC、MR素子等のような磁気的な検出機構を有するものとすることができる。
上記構成1〜3におけるステアリング装置は、例えば、ステアリングホイールとクラッチの間の操舵力伝達経路において操舵力を伝達する第1操舵機構と、クラッチと転舵輪の間の操舵力伝達経路において操舵力を伝達する第2操舵機構とを有することができる。第1操舵機構は、例えば、ステアリングホイールの回転に伴って回転する操舵シャフトを含んでもよい。第2操舵機構は、例えば、操舵シャフトにクラッチを介して接続される連結シャフトと、連結シャフトの回転に伴って軸方向に直線運動することで転舵輪に操舵力を伝達する転舵バーとを含んでもよい。この場合、クラッチは、操舵シャフトと連結シャフトとの機械的な接続と切断とを切り替える。すなわち、クラッチは、第1操舵機構と第2操舵機構を機械的に断続(すなわち、接続及び切断)する。
クラッチが通電している状態は、クラッチに電力が供給されている状態である。クラッチが通電していない状態は、クラッチに電力が供給されていない状態である。
クラッチは、例えば、電磁クラッチである。この場合、電磁クラッチは、電磁コイルを有する。電磁クラッチは、電磁コイルの通電によって発生する力によって操舵力伝達経路を切断し、電磁コイルの非通電時は、操舵力伝達経路を接続するよう構成される。すなわち、電磁コイルが励磁状態の時に電磁クラッチにおいて操舵力伝達経路が接続され、電磁コイルが非励磁状態の時に電磁クラッチにおいて操舵力伝達経路が切断される。
一例として、クラッチは、電磁コイルと、電磁コイルの通電によって発生する力によって移動する移動部材とを有する構成とすることができる。この場合、移動部材は、電磁コイルの通電時すなわち励磁状態の時に、第1操舵機構の操舵シャフトと第2操舵機構の連結シャフトとを切断すなわち切り離す位置に配置される。電磁コイルの非通電時すなわち非励磁状態の時は、移動部材は、第1操舵機構の操舵シャフトと第2操舵機構の連結シャフトとを接続すなわち連結する位置に配置される。
上記構成1〜3のステアリング装置は、ステアバイワイヤのステアリング装置であってもよい。この場合、例えば、第1操舵機構は、上流センサで検出された操舵トルクに応じた操舵力を操舵シャフトに付与する第1アクチュエータを含んでもよい。第2操舵機構は、上流センサで検出された操舵トルクに応じて転舵輪を転舵させる第2アクチュエータ(駆動機構)を含んでもよい。
<実施形態>
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図中同一及び相当する構成については同一の符号を付し、同じ説明を繰り返さない。説明の便宜上、各図において、構成を簡略化又は模式化して示したり、一部の構成を省略して示したりする場合がある。
図1は、本実施形態におけるステアリング装置の構成例を示す図である。ステアリング装置は、ステアリングホイール10に接続された操舵シャフト11と、操舵シャフト11と同軸に回転可能な連結シャフト12と、クラッチ50を備える。クラッチ50は、操舵シャフト11と連結シャフト12を機械的に接続及び切断する。また、ステアリング装置は、操舵輪16に転舵力を伝達する転舵バー13を備える。転舵バー13は、連結シャフト12の回転に伴って軸方向に直線運動することで操舵輪16に転舵力を伝達する。転舵バー13は、ラック軸と称することもできる。
ステアリングホイールからクラッチ50までの操舵力伝達経路には、操舵シャフト11が含まれる。クラッチ50から転舵輪16までの操舵力伝達経路には、連結シャフト12及び転舵バー13が含まれる。言い換えれば、ステアリング装置は、クラッチ50よりステアリングホイール10側において操舵力を伝達する第1操舵機構と、クラッチ50より転舵輪16側において操舵力を伝達する第2操舵機構とを備える。第1操舵機構は、操舵シャフト11を有する。第2操舵機構は、連結シャフト12及び転舵バー13を有する。クラッチ50は、第1操舵機構と第2操舵機構とを機械的に接続及び切断する。クラッチ50は、操舵トルクの伝達及び遮断を行なう。なお、第1操舵機構を操舵機構と称し、第2操舵機構を転舵機構と称することもできる。
図1に示す例では、連結シャフト12には、ピニオンギヤ12aが設けられる。転舵バー13には、ラックギヤ14が設けられる。ピニオンギヤ12aは、ラックギヤ14に噛み合わされている。連結シャフト12の回転運動は、ピニオンギヤ12aおよびラックギヤ14を介して転舵バー13の軸方向の往復直線運動に変換される。転舵バー13の両端には、タイロッド15が連結される。転舵バー13の往復直線運動は、タイロッド15を介して左右の転舵輪16にそれぞれ伝達される。これにより、転舵輪16の転舵角が変更される。
図1は、ステアリング装置が、ステアバイワイヤのステアリング装置である場合の例である。操舵シャフト11に操舵力を付与する第1モータ30を備えている。また、ステアリング装置は、運転者の操舵に応じて、転舵輪16を転舵させる駆動機構60を備えている。
第1モータ30の回転軸には、第1プーリ31が固定されている。第1プーリ31の外周には、歯が等間隔に設けられている。操舵シャフト11の中間部には、第2プーリ18が固定されている。第2プーリ18の外周には、歯が等間隔に設けられている。第1プーリ31と第2プーリ18との間には、ベルト32が巻き掛けられている。第1プーリ31と第2プーリ18とベルト32とが減速機として機能する。第1モータ30の駆動力は減速機を介してステアリングシャフト11に付与される。第1モータ30は、クラッチ50よりステアリングホイール10側の操舵力伝達経路において、ステアリングホイール10の回転に対する反力である操舵反力を付与する。すなわち、第1モータ30は、反力モータである。
駆動機構60は、転舵力の発生源である転舵モータ61、転舵モータ61の回転を減速する減速機(例えばウォーム減速機)63と、駆動シャフト65とを備えている。減速機63は、転舵モータ61の回転軸に設けられるウォーム61a、およびウォーム61aが噛み合うウォームホイール63aを有している。ウォームホイール63aには、第2ピニオンシャフト65が固定されている。駆動シャフト65は、ラック軸13に設けられた第2ラックギヤ66に噛み合わせられる第2ピニオンギヤ65aを有している。駆動シャフト65の回転運動は、第2ピニオンギヤ65aおよび第2ラックギヤ66を介して転舵バー13の軸方向の往復直線運動に変換される。なお、駆動機構60は、連結シャフト12、転舵バー13、およびラックギヤ14とともに第2操舵機構(転舵機構)の一部を構成する。ここで、減速機、及び、駆動シャフト65の操舵力伝達経路も、ステアリングホイール10と転舵輪16の間における操舵力伝達経路に含まれるものとみなす。
(センサの構成例)
ステアリング装置は、上流センサ21及び下流センサ22を備える。上流センサ21は、ステアリングホイール10とクラッチ50との間の操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する。すなわち、上流センサ21は、第1操舵機構(操舵機構)の操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する。下流センサ22は、クラッチ50と転舵輪16との間の操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する。すなわち、下流センサ22は、第2操舵機構(転舵機構)の操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する。
上流センサ21及び下流センサ22は、例えば、トルクセンサを含んでもよい。上流センサ21のトルクセンサは、操舵シャフト11の回転トルクを検出する。下流センサ22のトルクセンサは、連結シャフト12の回転のトルクを検出する。なお、下流センサ22のトルクセンサは、駆動シャフト65の回転のトルク又は転舵バー13の軸方向の力を検出する構成であってもよい。上流センサ21及び下流センサ22が設けられるシャフト(操舵シャフト11、連結シャフト12、駆動シャフト65、転舵バー13のいずれか)には、磁性体が配置される。磁性体は、シャフトを回転させる力(トルク)又は軸方向に直線運動させる力が発生した場合に磁場が変化するよう配置される。上流センサ21及び下流センサ22のトルクセンサは、この磁場すなわち磁束密度の変化を検出することで、操舵トルクを検出する。磁場の変化は、例えば、検出用コイル、ホールIC、MR素子等を用いて検出することができる。
一例として、上流センサ21及び下流センサ22が設けられるシャフトの一部は、連結軸(トーションバー)を介して同軸上に相対回転可能に連結された第1軸及び第2軸を含む構成とすることができる。第1軸及び第2軸の少なくとも一方には磁性体が配置され、第1軸に対して第2軸が相対回転して連結軸がねじれると磁束が変化するよう構成される。上流センサ21及び下流センサ22のトルクセンサは、第1軸に対する第2軸の相対回転による磁束の変化を検出することで、第1軸及び第2軸を回転させるトルクを検出することができる。
又は、上流センサ21及び下流センサ22が設けられるシャフトの一部は、磁歪効果を持つ磁歪材料で構成されてもよい。この場合、シャフトを回転させる力又はシャフトの軸方向の力が働くと磁場が変化する。上流センサ21及び下流センサ22が、検出コイルで、磁場の変化を検出することでシャフトのトルクを検出することができる。
上流センサ21及び下流センサ22は、例えば、舵角センサを含んでもよい。舵角センサは、例えば、操舵シャフト11、連結シャフト12、駆動シャフト65のいずれかの回転角度、又は転舵バー13の軸方向の移動量を検出するセンサとすることができる。舵角センサは、例えば、シャフトの回転又はシャフトの軸方向の移動によって変化する磁束を検出することで、舵角を検出する構成とすることができる。
一例として、舵角センサが設けられるシャフトの一部は、シャフトと一体に回転するセンターギヤと、センターギヤに噛み合う2つのアウターギヤを備えてもよい。2つのアウターギヤの少なくとも一方には、磁性体が配置され、2つのアウターギヤが回転すると磁束が変化するよう構成される。舵角センサは、2つのアウターギヤの回転に伴う磁束の変化を検出する。この磁束の変化に基づいてセンターギヤの回転角度、すなわちシャフトの回転角度が計算される。
或いは、舵角センサは、トルクセンサで検出されたシャフトのトルクと、シャフトにトルクを付与する駆動源(モータ30、又は転舵モータ61)の出力値から、舵角を検出する構成であってもよい。なお、上流センサ21及び下流センサ22の少なくとも一方は、操舵トルクと舵角の両方を検出する一体型のセンサであってもよい。
(クラッチの構成例)
クラッチ50は、電磁クラッチである。クラッチ50は、電磁コイルを有する。クラッチ50は、電磁コイルの通電によって発生する力によって操舵力伝達経路を接続し、電磁コイルの非通電時は、操舵力伝達経路を切断するよう構成される。すなわち、電磁コイルが励磁状態の時にクラッチ50において操舵力伝達経路が接続され、電磁コイルが非励磁状態の時にクラッチにおいて操舵力伝達経路が切断される。
例えば、クラッチ50は、電磁コイルと、電磁コイルの通電によって発生する力によって移動する移動部材と、移動部材を電磁コイルの通電によって発生する力と反対向きに付勢する付勢部材とを有する構成とすることができる。この場合、移動部材は、電磁コイルが励起状態となると、電磁コイルに発生する力によって操舵シャフト11と連結シャフト12と切断する位置に移動する。電磁コイルが非励磁状態の時は、付勢部材によって押し付けられて移動部材は、操舵シャフト11と連結シャフト12とを接続する位置に配置される。
図2は、クラッチ50の構成例を示す断面図である。図2に示す例では、クラッチ50は、ハウジング51を備える。ハウジング51は、互いに対向する位置に設けられた第1開口51A及び第2開口51Bを有する。第1開口51Aには、入力軸55が挿入される。第2開口51Bには、出力軸52が挿入される。入力軸55と出力軸52は、同軸に配置される。入力軸55のハウジング51内の端部には、第1クラッチ体57が取り付けられる。出力軸52のハウジング51内の端部には、第2クラッチ体53が一体形成される。第1クラッチ体57及び第2クラッチ体53は、入力軸55及び出力軸52の軸方向において、互いに対向する。
入力軸55は、操舵シャフト11に接続されている。すなわち、入力軸55は、操舵シャフト11の回転にともなって回転する。出力軸52は、連結シャフト12に接続されている。すなわち、出力軸52は、連結シャフト12の回転にともなって回転する。
入力軸55の端部の外周面には、軸方向に延びるガイド凸条55Tが形成され、第1クラッチ体57の内周面にはガイド凸条55Tと噛み合うガイド溝(図示せず)が形成される。これにより、第1クラッチ体57は、入力軸55に対して軸周りに回転不能で、且つ、入力軸55に対して軸方向に直線運動可能となっている。第1クラッチ体57は、移動部材の一例である。第1クラッチ体57は、例えば、磁性体で構成されている。
第1クラッチ体57は、扁平リング状のプレート57Aを備える。プレート57Aの中心孔57Bを入力軸55が貫通する。プレート57Aの第2クラッチ体53と対向する面は、噛合面57Cを有する。噛合面57Cは、例えば、入力軸55を中心として放射状に延びた複数の突条を有する。
出力軸52の端部の第2クラッチ体53は、出力軸52よりも径が大きい。第2クラッチ体53の端面において噛合面57Cと対向する位置に噛合面53Cが形成される。噛合面53Cは、例えば、出力軸52を中心として放射状に延びた複数の突条を有する。
第2クラッチ体53の外周面は、ベアリング嵌合部53B及びベアリング54Aを介してハウジング51の内周面に支持される。出力軸52の外周面は、ベアリング嵌合部52B及びベアリング54Bを介して、ハウジング51の第2開口51Bに支持される。これにより、出力軸52及び第2クラッチ体53は、ハウジング51に対して相対回転可能となっている。
入力軸55の端部は、第2クラッチ体53の中央部に形成された軸受凹所53Eに突入している。軸受凹所53Eに突入した入力軸55の端部の外周面は、ベアリング嵌合部55B2及びベアリング56Bを介して、軸受凹所53Eの内周面に支持される。また、入力軸55のうち、第1開口51Aの内側部分の外周面にはベアリング嵌合部55B1及びベアリング56Aを介して第1開口51Aの内周面に支持される。これにより、入力軸55がハウジング51に対して相対回転可能となるとともに、入力軸55と出力軸52とが相対回転可能となっている。
第1クラッチ体57のプレート57Aのうち、噛合面57Cとの反対面には、入力軸55の周面を囲むように円筒壁57Dが形成されている。円筒壁57Dは、プレート57Aのから入力軸55の軸方向に突出している。円筒壁57Dは、内径が入力軸55の軸方向で一定であるのに対し、外径がプレート57Aから離れるに従って小さくなっている。
入力軸55には、台座盤58が固定されている。台座盤58は扁平なリング状をなす。台座盤58と、第2クラッチ体53との間に、第1クラッチ体57のプレート57Aが配置されている。台座盤58は、第1クラッチ体57の円筒壁57Dの内側に配置されている。入力軸55、プレート57A、円筒壁57D及び台座盤58で囲まれた環状空間に複数のコイルばね59が収容されている。コイルばね59は、付勢部材の一例である。
コイルばね59は、一端部が台座盤58に固定され、他端部がプレート57Aに固定されている。コイルばね59の付勢力により第1クラッチ体57は、台座盤58から離れる方向、すなわち第2クラッチ体53側に押されている。
ハウジング51の内周面のうち、プレート57Aより第1開口51A側の部分には、円環状のヨーク70が固定されている。ヨーク70のうち、第1クラッチ体57側の端部は、第1クラッチ体57の円筒壁57Dと対向している。ヨーク70の円筒壁57Dと対向する部分の内径は、円筒壁57Dの外周面に対応して、プレート57Aに近づくに従って大きくなっている。
ヨーク70には、第1クラッチ体57のプレート57A側に開放した円環溝71が形成される。円環溝71の内部に、電磁コイル72が収容される。電磁コイル72に電源(図示略)からの電力が供給されることで、電磁コイル72は、通電(励磁)される。電磁コイル72に通電すると、第1クラッチ体57がコイルばね59を押し縮めながらヨーク70側に引き寄せられる。その結果、第1クラッチ体57は、第2クラッチ体53から離間する(図2の状態)。すると、入力軸55と出力軸52とが相対回転可能となる。すなわち、操舵シャフト11から連結シャフト12へ操舵力の伝達が不可能となる。これにより、ステアリングホイール10と転舵輪16との間の操舵力伝達経路がクラッチ50において機械的に切断される。第1操舵機構と、第2操舵機構の間がクラッチ50によって機械的に切り離された状態になる。
電磁コイル72への通電が停止されると、第1クラッチ体57はコイルばね59の弾発力によって第2クラッチ体53側へ押される。その結果、第2クラッチ体53の噛合面53Cと第1クラッチ体57の噛合面57Cとが噛み合う。すると、入力軸55と出力軸52とが一体回転可能となる。つまり、すなわち、操舵シャフト11から連結シャフト12へ操舵力の伝達が可能となる。これにより、ステアリングホイール10と転舵輪16との間の操舵力伝達経路がクラッチ50において機械的に接続される。第1操舵機構と、第2操舵機構の間がクラッチ50によって機械的に接続(連結)された状態になる。
再び、図1を参照し、クラッチ50の通電及び非通電は、ECU40により制御される。上流センサ21及び下流センサ22の検出信号は、ECU40に取り込まれる。ECU40は、上流センサ21及び下流センサ22の検出信号に基づいて、転舵輪16の目標転舵角や反力を演算する。ECU40は、演算結果に応じた電流を転舵モータ61やモータ30に流す。
ステアリング装置がステアバイワイヤとして機能するときには、ECU40がクラッチ50に通電して、ステアリングホイール10と転舵輪16との間の操舵力伝達経路を切断する。ECU40は、運転者の操作による操舵トルク及び舵角変化の少なくとも一方に応じて反力モータ30を駆動させることによって操舵反力をステアリングシャフト11に付与する。また、ECU40は、運転者の操作による操舵トルク及び舵角変化の少なくとも一方に応じて転舵モータ61を駆動させることにより転舵輪16を転舵させる。
ECU40は、例えば、駆動機構60に異常を検出した場合や、ステアリング装置をステアバイワイヤとして機能させない場合等に、クラッチ50の通電を停止し、ステアリングホイール10と転舵輪16との間の操舵力伝達経路を接続する。この場合、運転者は、ステアリングホイール10を操作して転舵輪16を転舵させることができる。
また、例えば、転舵輪16がECU40の制御により転舵不能となった場合には、クラッチ50が、ステアイングホイール10と転舵輪16との動作力伝達経路を機械的に接続する。即ち、ステアバイワイヤシステムは、ECU40に異常が生じた場合でも、ステアリングホイール10から転舵輪16に操舵力を伝達して転舵可能とするフェールセーフ機能を備えている。
(ステアリングセンサシステムの構成例)
図3は、本実施形態におけるステアリングセンサシステムの構成例を示すブロック図である。図3に示す例では、ステアリングセンサシステム100は、上流センサ21、下流センサ22、クラッチ通電検出部3、及び補正部41、42を備える。
クラッチ通電検出部3は、クラッチ50が、操舵力伝達経路を機械的に切断するよう通電しているか、操舵力伝達経路を機械的に接続するよう通電していないかを検出する。クラッチ通電検出部3は、例えば、クラッチ50の電磁コイルの電流又は電圧の少なくとも一方を検出することで、クラッチ50の通電及び非通電を検出することができる。又は、クラッチ通電検出部3は、クラッチ50における操舵力伝達経路の機械的な切断又は接続を検出することで、クラッチ50の通電及び非通電を検出してもよい。
他の例として、クラッチ通電検出部3は、ECU40における、クラッチ50を制御する信号又はデータを監視することで、クラッチ50の通電及び非通電を検出してもよい。又は、クラッチ通電検出部3は、クラッチ50へ電力を共有する電池の状態、若しくは、電池とクラッチ50との間の電力供給線の電流及び電圧の少なくとも一方を検出することで、クラッチ50の通電及び非通電を検出してもよい。
上流センサ21は、上記のように、ステアリングホイール10とクラッチ50との間の操舵力伝達経路を構成する第1操舵機構1における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する。下流センサ22は、クラッチ50と転舵輪16との間の操舵力伝達経路を構成する第2操舵機構2における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する。
補正部41は、クラッチ50が操舵力伝達経路を機械的に切断するように通電していることがクラッチ通電検出部3で検出されている時に、第1の補正値により上流センサ21で検出された操舵トルク及び舵角の少なくとも一方の検出値を補正する。また、補正部41は、クラッチ50が操舵力伝達経路を機械的に接続するように通電をしていないことがクラッチ通電検出部3で検出されている時に、第1の補正値とは異なる第2の補正値により上流センサ21で検出された操舵トルク及び舵角の少なくとも一方の検出値を補正する。
補正部42は、クラッチ50が操舵力伝達経路を機械的に切断するように通電していることがクラッチ通電検出部3で検出されている時に、第1の補正値により下流センサ22で検出された操舵トルク及び舵角の少なくとも一方の検出値を補正する。また、補正部41は、クラッチ50が操舵力伝達経路を機械的に接続するように通電をしていないことがクラッチ通電検出部3で検出されている時に、第1の補正値とは異なる第2の補正値により下流センサ22で検出された操舵トルク及び舵角の少なくとも一方の検出値を補正する。
例えば、ステアリングセンサシステム100が備えるメモリ等の記録装置に、第1の補正値及び第2の補正値が、予め記録される。補正部41、42は、上流センサ21及び下流センサ22の検出値に対して、予め記録された第1の補正値又は第2の補正値を用いた演算処理を施すことで補正を実行する。例えば、予め決められた第1の補正値を用いた数式又は第2の補正値用いた数式に、上流センサ21又は下流センサ22の検出値を代入することにより、補正後の出力値を計算することができる。
一例として、第1の補正値及び第2の補正値は、オフセット補正値とすることができる。この場合、補正部41は、上流センサ21の検出値から第1の補正値又は第2の補正値を引いた値を出力値として算出する。補正部42は、下流センサ22の検出値から第1の補正値又は第2の補正値を引いた値を出力値として算出する。或いは、第1の補正値及び第2の補正値は、ゲイン補正値としてもよい。この場合、補正部41は、上流センサ21の検出値に第1の補正値又は第2の補正値を乗じた値を出力値として算出する。補正部42は、下流センサ22の検出値に第1の補正値又は第2の補正値を乗じた値を出力値として算出する。また、補正部41、42は、検出値に対して第1の補正値を加える又は減じる演算と第1の補正値を検出値に対して乗じる又は除する演算とを組み合わせた演算により、補正することもできる。同様に、補正部41、42は、検出値に対して第2の補正値を加える又は減じる演算と第2の補正値を検出値に対して乗じる又は除する演算とを組み合わせた演算により、補正することもできる。なお、補正部41、42の補正演算において、第1の補正値及び第2の補正値に加えて、他の補正値が用いられてもよい。
なお、第1の補正値及び第2の補正値は、それぞれ複数の値であってもよい。例えば、複数の検出値のそれぞれに対応する第1の補正値及び第2の補正値を示す対応データ(例えば、テーブル又はマップ)を、予め記録しておいてもよい。この場合、補正部41、42は、対応データを参照して、上流センサ21の検出値又は下流センサ22の検出値に応じた第1の補正値及び第2の補正値を決定することができる。
クラッチ通電検出部3及び補正部41、42は、例えば、ECU40の一部として構成されてもよい。すなわち、ECU40は、所定のプログラムを実行することにより、クラッチ通電情報を取得して、クラッチ50の通電及び非通電を判断することで、クラッチ通電検出部3として動作することができる。また、ECU40は、所定のプログラムを実行することにより、上流センサ21及び下流センサ22の検出値を、クラッチ通電検出部3の検出結果に応じて補正することで、補正部41、42として動作することができる。
或いは、クラッチ通電検出部3及び補正部41、42の少なくとも一部の機能は、上流センサ21又は下流センサ22に組み込まれた回路又はプロセッサで実現してもよい。
第1の補正値及び第2の補正値は、温度に応じて変化させてよい。この場合、補正部41、42は、車載の温度センサ(図示略)から温度を取得する。補正部41、42は、温度に応じて第1の補正値及び第2の補正値を決定する。補正部41、42は、例えば、予め記録された、温度と第1の補正値との対応を示すデータ、及び、温度と第2の補正値との対応を示すデータを参照して、温度センサから取得した温度に対応した第1の補正値、及び第2の補正値を決定することができる。又は、補正部41、42は、第2の補正値に加えて温度に基づく補正値を用いて、上流センサ21の検出値又は下流センサ22の検出値を補正してもよい。補正部41、42は、第1の補正値に加えて温度に基づく補正値を用いて、上流センサ21の検出値又は下流センサ22の検出値を補正してもよい。
第1の補正値及び第2の補正値は、上流センサ21で用いられる場合に、クラッチ50に対する上流センサ21の相対位置に応じて変化してもよい。また、第1の補正値及び第2の補正値は、下流センサ22で用いられる場合に、クラッチ50に対する下流センサ22の相対位置に応じて変化してもよい。
例えば、ステアリング装置の生産ライン又は修理工場において、第1の補正値及び第2の補正値の初期設定を行い、第1の補正値及び第2の補正値をステアリングセンサシステム100の記録装置に記録することができる。初期設定において、クラッチ50に対する上流センサ21の相対位置に応じた第1の補正値及び第2の補正値を、上流センサ21の補正値として決定し、記録装置に記録することができる。同様に、生産ライン又は修理工場において、クラッチ50に対する下流センサ21の相対位置に応じた第1の補正値及び第2の補正値を、下流センサ22の補正値として決定し、記録装置に記録することができる。
また、ステアリング装置が、クラッチ50に対する上流センサ21の相対位置、又は、クラッチ50に対する下流センサ21の相対位置が可変な構成の場合は、補正部41、42は、相対位置に応じて、補正処理に用いる第1の補正値及び第2の補正値を決定することができる。なお、相対位置は、例えば、クラッチとセンサとの距離とすることができる。なお、クラッチとセンサを支持する部材(コラム又はハウジング等)との距離を、クラッチとセンサの距離とみなしてもよい。
(ステアリングセンサシステムの動作例)
図4は、第1の補正値及び第2の補正値の初期設定処理例を示すフローチャートである。まず、ステアリング装置を、クラッチ50に通電しておらず、操舵力伝達経路が接続されている状態にする(S1)。この状態で、既知の操舵トルク及び舵角(既知の入力値)を、第1操舵機構及び第2操舵機構のそれぞれに入力し、上流センサ及び下流センサの出力値を取得する。取得した出力値と既知の入力値の比較結果に基づいて、第1の補正値を決定する。決定した第1の補正値を、初期設定値として、ステアリングセンサシステム100の記録装置に記録する(S2)。
ステアリング装置を、クラッチ50に通電して操舵力伝達経路が切断されている状態にする(S3)。この状態で、既知の操舵トルク及び舵角(既知の入力値)を、第1操舵機構及び第2操舵機構のそれぞれに入力し、上流センサ及び下流センサの出力値を取得する。取得した出力値と既知の入力値の比較結果に基づいて、第2の補正値の値を決定する。決定した第2の補正値を、初期設定値として、ステアリングセンサシステム100の記録装置に記録する(S4)。その後、クラッチ50の通電を停止する(S5)。
これにより、第1の補正値及び第2の補正値が初期設定される。この初期設定は、例えば、ステアリング装置の生産ライン又は修理工場で実行することができる。
図5は、クラッチ50の通電状態によって補正値を切り替えて補正する処理の例を示すフローチャートである。図5に示す例では、クラッチ通電検出部3は、クラッチ50が通電か否かを判断する(S11)。クラッチ通電検出部3が通電(S11でYES)と判断した場合、補正部41、42は、通電オン時の各センサ21、22の第1の補正値を、補正値として選択する(S12)。具体的には、上流センサ21及び下流センサ22の操舵トルクの補正値として、通電オン時の第1の補正値Tofs_offが選択される。上流センサ21及び下流センサ22の舵角の補正値として、通電オン時の第1の補正値θofs_offが選択される。
クラッチ通電検出部3が非通電(S11でNO)と判断した場合、補正部41、42は、通電オフ時の各センサ21、22の第2の補正値を、補正値として選択する(S13)。具体的には、上流センサ21及び下流センサ22の操舵トルクの補正値として、通電オフ時の第2の補正値Tofs_onが選択される。上流センサ21及び下流センサ22の舵角の補正値として、通電オフ時の第2の補正値θofs_onが選択される。
補正部41、42は、S12又はS13で選択された補正値を用いて、上流センサ21の操舵トルクの検出値Td及び舵角の検出値θd、及び、下流センサ22の操舵トルクの検出値Td及び舵角の検出値θdを補正する。一例として、補正部41、42は、検出値から補正値を引いた値を出力値として算出する。この場合、通電オンの場合及び通電オフの場合の操舵トルクの出力Td及び舵角の出力値θcは、下記式(1)〜(4)のようになる。
クラッチ通電オフ時の操舵トルク:Tc=Td−Tofs_off ――――(1)
クラッチ通電オン時の操舵トルク:Tc=Td−Tofs_on ――――(2)
クラッチ通電オフ時の舵角:θc=θd−θofs_off ――――(3)
クラッチ通電オン時の舵角:θc=θd−θofs_on ――――(4)
上記例では、一例として、クラッチ通電オフ時の第1の補正値Tofs_off、θofs_offよりも、クラッチ通電オン時の第2の補正値Tofs_on、θofs_onの方が大きくすることができる(Tofs_off<Tofs_on、ofs_off<θofs_on)。
図5に示す処理により、クラッチの電磁コイルの通電又は非通電により漏れ磁束が変化して、センサの補正値を適切に設定できる。なお、S12,S13の補正値の決定処理において、補正部41、42は、その時に温度センサで取得した温度(Temp)に応じて第1の補正値Tofs_off、θofs_off又は第2の補正値Tofs_on、θofs_onを決定してもよい。この場合、予め記録された温度と第1の補正値の関数又は温度と第1の補正値の対応を示すデータ(テーブル又はマップ等)を用いて、第1の補正値Tofs_off、θofs_offを決定することができる。同様に、温度と第2の補正値の関数又は温度と第2の補正値の対応を示すデータを用いて、第2の補正値Tofs_on、θofs_onを決定することができる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、操舵シャフト11、連結シャフト12、及び駆動シャフト65の少なくとも1つは、互いに直列に接続された複数のシャフトを含んでもよい。また、ステアリングホイール10と転舵輪16との間の操舵力伝達経路は、上記例以外の部材を含んでもよい。
なお、上流センサ及び下流センサは、上記例のように、磁界の変化を検出する構成のものに限られない。上流センサ及び下流センサは、その他の構成、クラッチの漏れ磁束の影響を受け得る構成とすることができる。
上流センサの検出値のみ第1の補正値及び第2の補正値を用いて補正してもよい。下流センサの検出値のみ第1の補正値及び第2の補正値によって補正してもよい。例えば、上記実施形態のように、上流センサの検出値及び下流センサの検出値の両方を、第1の補正値及び第2の補正値によって補正してもよい。この場合、上流センサの第1の補正値と下流センサの第1の補正値は異なっていてもよいし、同じであってもよい。上流センサの第2の補正値と下流センサの第2の補正値は異なっていてもよいし、同じであってもよい。
上流センサは、トルクセンサ、舵角センサ、又はトルク及び舵角の両方を検出するセンサとすることができる。下流センサは、トルクセンサ、舵角センサ、又はトルク及び舵角の両方を検出するセンサとすることができる。
ステアリング装置は、上記実施形態の構成において、他の部材を有していてもよい。例えば、ステアリング装置は、クラッチの漏れ磁束を遮蔽する磁気遮蔽板や、クラッチの漏れ磁束を検出する補正用磁気センサ等を備えてもよい。
本発明は、上述したステアバイワイヤの電動パワーステアリング装置に限らず、他の操舵力伝達経路にクラッチを設けたステアリング装置に適用できる。
1 第1操舵機構
2 第2操舵機構
3 クラッチ通電検出部
21 上流センサ
22 下流センサ
41、42 補正部
50 クラッチ

Claims (4)

  1. ステアリングホイールと転舵輪との間の操舵力伝達経路に設けられ、通電時に前記操舵力伝達経路を機械的に切断し、通電していない時に前記操舵力伝達経路を機械的に接続するクラッチと、
    前記ステアリングホイールと前記クラッチとの間の前記操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する上流センサと、
    前記クラッチと前記転舵輪との間の前記操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出する下流センサとを備え、
    前記上流センサ及び前記下流センサの少なくともいずれか一方において、前記クラッチの通電状態を検出し、前記クラッチが前記操舵力伝達経路を機械的に切断するように通電している時に、第1の補正値により前記操舵トルク及び前記舵角の少なくとも一方の検出値を補正し、前記クラッチが前記操舵力伝達経路を機械的に接続するように通電をしていない時に、第1の補正値とは異なる第2の補正値により前記操舵トルク及び前記舵角の少なくとも一方の検出値を補正する、ステアリング装置。
  2. 前記第1の補正値は、温度に応じて変化し、
    前記第2の補正値は、温度に応じて変化する、請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記第1の補正値及び前記第2の補正値は、前記上流センサで用いられる場合に、前記クラッチに対する前記上流センサの相対位置に応じて変化し、前記第1の補正値及び前記第2の補正値は、前記下流センサで用いられる場合に、前記クラッチに対する前記下流センサの相対位置に応じて変化する、請求項1又は2に記載の、ステアリング装置。
  4. ステアリングホイールと転舵輪との間の操舵力伝達経路に設けられ、通電時に前記操舵力伝達経路を機械的に切断し、通電していない時に前記操舵力伝達経路を機械的に接続するクラッチの通電の有無を検出するクラッチ通電検出部と、
    前記ステアリングホイールと前記クラッチとの間の前記操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方、又は、前記クラッチと前記転舵輪との間の前記操舵力伝達経路における操舵トルク及び舵角の少なくとも一方を検出するセンサと、
    前記クラッチが前記操舵力伝達経路を機械的に切断するように通電していることが前記クラッチ通電検出部で検出されている時に、第1の補正値により前記操舵トルク及び前記舵角の少なくとも一方の検出値を補正し、前記クラッチが前記操舵力伝達経路を機械的に接続するように通電をしていないことが前記クラッチ通電検出部で検出されている時に、第1の補正値とは異なる第2の補正値により前記操舵トルク及び前記舵角の少なくとも一方の検出値を補正する補正部とを備える、ステアリングセンサシステム。
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