JP5634930B2 - 相対角度検出装置、電動パワーステアリング装置 - Google Patents

相対角度検出装置、電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、相対角度検出装置および電動パワーステアリング装置に関する。
近年、トーションバーなどの弾性部材に連結された2つの回転軸の相対回転角度を、磁束密度の変化として検出する相対角度検出装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、以下のように構成されたトルクセンサ(相対角度検出装置)が記載されている。すなわち、特許文献1に記載のトルクセンサは、入力軸と出力軸とを同軸上に連結するトーションバー、入力軸の端部に取り付けられるリング状の磁石、出力軸の端部に取り付けられる一組の磁気ヨーク、及び磁気ヨークに生じる磁束密度を検出する磁気センサ等より構成される。磁気ヨークは、磁石のN極及びS極と同数(12個)の爪が全周に等間隔に設けられている。この磁気ヨークと磁石は、トーションバーに捩れが生じていない状態で、磁気ヨークに設けられた爪の中心と磁石のN極とS極との境界とが一致するように配置されている。磁気センサは、軸方向に対向する磁気ヨークと磁気ヨークとの間に設けられるギャップ内に挿入されて磁束密度を検出する。
特開2003−149062号公報
トーションバーなどの弾性部材の捩れ量に基づいて弾性部材に連結された2つの回転軸の相対回転角度を検出する装置においては、2つの回転軸のいずれか一方に過大なトルクが生じることに起因する弾性部材の破損を防ぐ必要がある。
弾性部材の破損を防ぐために、2つの回転軸の相対回転角度が過大となることを抑制する手段を設けることも考えられる。その際、装置の組立て性を考慮して設けることが望ましい。
本発明は、組立て性を悪化させることなく2つの回転軸を連結する弾性部材の破損を防止することができる装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、弾性部材にて連結された第1の回転軸と第2の回転軸との相対回転角度を、当該第1の回転軸に固定された磁石と、当該第2の回転軸に固定された磁性部材とで検出する相対角度検出装置であって、前記第1の回転軸および前記第2の回転軸のいずれか一方の回転軸に設けられた凸部と他方の回転軸に設けられ当該凸部が嵌め込まれる凹部とから構成され、前記弾性部材が所定の角度を超えて捩れるのを規制する規制部を、当該第1の回転軸および当該第2の回転軸の周方向に等間隔に複数備え、前記磁石のいずれかの磁極の数を前記規制部の数で除算することにより得られる数が自然数である(ただし当該磁石のいずれかの磁極の数が6個かつ当該規制部の数が3つである場合を除く)ことを特徴とする相対角度検出装置である。
他の観点から捉えると、本発明は、弾性部材にて連結された第1の回転軸と第2の回転軸との相対回転角度を、固定前に予め着磁され当該第1の回転軸に固定された磁石と、当該第2の回転軸に固定された磁性部材とで検出する相対角度検出装置であって、前記第1の回転軸および前記第2の回転軸のいずれか一方の回転軸に設けられた凸部と他方の回転軸に設けられ当該凸部が嵌め込まれる凹部とから構成され、前記弾性部材が所定の角度を超えて捩れるのを規制する規制部を、当該第1の回転軸および当該第2の回転軸の周方向に等間隔に複数備え、前記磁石のいずれかの磁極の数を前記規制部の数で除算することにより得られる数が自然数であることを特徴とする相対角度検出装置である。
他の観点から捉えると、本発明は、上記特徴点を有する相対角度検出装置と、前記相対角度検出装置からの出力に基づいてステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータを制御する制御装置と、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
本発明によれば、装置の組立て性を悪化させることなく2つの回転軸を連結する弾性部材の破損を防止することができる。
実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。 ステアリングギアボックス内を示す断面図である。 図2におけるX部の拡大図である。 トルク検出装置の主要部品の概略構成図である。 トルク検出装置を、図2におけるY方向から見た図である。 下部連結シャフトとピニオンシャフトとが相対変位する前のトルク検出装置の状態を示す図である。 図5で見た場合に、磁石がヨークに対して時計回転方向に回転した状態を示す図である。 図5で見た場合に、磁石がヨークに対して反時計回転方向に回転した状態を示す図である。 磁石とヨークとの相対角度と第1の磁気センサおよび第2の磁気センサが検出する磁束密度との関係を示す図である。 操舵トルクと、第1の電圧信号および第2の電圧信号との関係を示す図である。 図3におけるA−A部の断面図である。 図5で時計回転方向に見た場合の磁石のN極とS極との境界線と第1のヨークの第1の突起部の周方向の中心とが一致する初期状態から磁石を時計回転方向に360度回転させたときに第1の磁気センサが検出する磁束密度を示す図である。 比較構成において、磁石の時計回転方向のN極とS極との境界線と第1のヨークの第1の突起部の周方向の中心とが一致する初期状態から磁石を時計回転方向に360度回転させたときに第1の磁気センサが検出する磁束密度を示す図である。 規制部の数が3つである場合の、図3におけるA−A部の断面図である。 図5で時計回転方向に見た場合の磁石のN極とS極との境界線と第1のヨークの第1の突起部の周方向の中心とが一致する初期状態から磁石を時計回転方向に360度回転させたときに第1の磁気センサが検出する磁束密度を示す図に、規制部の異なる3つの組み合わせにおける初期状態の位置を書き入れた図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。図2は、ステアリングギアボックス107内を示す断面図である。なお、図2においては、後述する下部連結シャフト108、ピニオンシャフト106および相対角度検出装置20などを左右非対称に示している。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては自動車に適用した構成を例示している。
ステアリング装置100は、ドライバが操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル)101と、ステアリングホイール101に一体的に設けられたステアリングシャフト102とを備えている。また、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト102と自在継手103aを介して連結された上部連結シャフト103と、この上部連結シャフト103と自在継手103bを介して連結された下部連結シャフト108とを備えている。下部連結シャフト108は、ステアリングホイール101の回転に連動して回転する。
また、ステアリング装置100は、転動輪としての左右の前輪150のそれぞれに連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105とを備えている。また、ステアリング装置100は、ラック軸105に形成されたラック歯105aとともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン106aを備えている。ピニオン106aは、ピニオンシャフト106の下端部に形成されている。
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギアボックス107を有している。ピニオンシャフト106は、ステアリングギアボックス107にてトーションバー140(図2参照)を介して上述した下部連結シャフト108と連結されている。
図2に示すように、ピニオンシャフト106および下部連結シャフト108は、ハウジング120に回転可能に支持されている。ハウジング120は、例えば自動車などの乗り物の本体フレーム(以下、「車体」と称する場合もある。)に固定される部材であり、第1ハウジング121と第2ハウジング122とが、例えばボルトなどにより結合されて構成される。下部連結シャフト108は、軸受を介して第1ハウジング121に回転可能に支持され、ピニオンシャフト106は、トーションバー140を介して下部連結シャフト108に同軸的に結合されるとともに軸受を介して第2ハウジング122に回転可能に支持されている。
また、ステアリング装置100は、ステアリングギアボックス107に固定された電動モータ110と、ピニオンシャフト106に固定されたウォームホイール130と、を備えている。電動モータ110の出力軸に連結されたウォームギヤ111とウォームホイール130とは噛み合っており、電動モータ110の回転力がウォームホイール130により減速されてピニオンシャフト106に伝達される。電動モータ110は、3相ブラシレスモータであることを例示することができる。
ステアリングギアボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対角度に基づいて、言い換えればトーションバー140の捩れ量を検出する相対角度検出装置20が設けられている。この相対角度検出装置20については後で詳述する。
ステアリング装置100は、また、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10には、上述した相対角度検出装置20の出力値、自動車の移動速度である車速Vを検出する車速センサ170の出力値が入力される。
以上のように構成されたステアリング装置100は、ステアリングホイール101に加えられた操舵トルクTを相対角度検出装置20からの出力値に基づいて検出し、検出した操舵トルクTに応じて制御装置10が電動モータ110を駆動制御し、電動モータ110の発生トルクをピニオンシャフト106に伝達する。これにより、電動モータ110の発生トルクが、ステアリングホイール101に加える運転者の操舵力をアシストする。つまり、ピニオンシャフト106は、ステアリングホイール101の回転によって発生する操舵トルクTと電動モータ110から付与される補助(アシスト)トルクとで回転する。
次に、相対角度検出装置20について詳述する。
図3は、図2におけるX部の拡大図である。図4は、相対角度検出装置20の主要部品の概略構成図である。図5は、相対角度検出装置20を、図2におけるY方向から見た図である。なお、図4においては、後述するブラケット60は省略している。
相対角度検出装置20は、ハウジング120に回転可能に支持された下部連結シャフト108と、同じくハウジング120に回転可能に支持されたピニオンシャフト106との相対回転角度(トーションバー140の捩れ量)を検出する装置である。
相対角度検出装置20は、下部連結シャフト108に取り付けられる磁石21と、磁石21が形成する磁界内に配置されたヨーク30と、ヨーク30に生じる磁束密度を検出する磁気センサ40とを有している。
磁石21は、円筒状であり、図4に示すように、下部連結シャフト108の周方向にN極とS極とが交互に配置されるとともに周方向に着磁されている。この磁石21は、カラー22を介して下部連結シャフト108に取り付けられている。つまり、磁石21がカラー22に固定されており、カラー22が下部連結シャフト108に固定されている。そして、磁石21は下部連結シャフト108とともに回転する。なお、磁石21の下部連結シャフト108の軸方向の長さは、ヨーク30の長さよりも長い。
ヨーク30は、第1のヨーク31と、第2のヨーク32と、下部連結シャフト108の軸方向に第1のヨーク31と第2のヨーク32との間に設けられた、第3のヨーク33とから構成されている。これら第1のヨーク31、第2のヨーク32および第3のヨーク33は、ピニオンシャフト106に取り付けられる。
第1のヨーク31は、磁石21の外径よりも大きな径の孔が内側に形成された円板状の第1の円環部31aと、この第1の円環部31aから下部連結シャフト108の軸方向に伸びるように形成された複数の第1の突起部31bとを有している。
第1の突起部31bは、磁石21のN極およびS極と同数形成されている。つまり、磁石21のN極およびS極がそれぞれ例えば12個である場合には、第1の突起部31bも12個形成されている。そして、この第1の突起部31bは、下部連結シャフト108の回転半径方向においては、図3,図5に示すように、磁石21の外周面と対向するようにこの外周面よりもやや外側に配置されており、その第1の突起部31bの磁石21と対向する面は、下部連結シャフト108の回転軸に直交する方向に見ると長方形である。
第2のヨーク32は、磁石21の外径よりも大きな径の孔が内側に形成された円板状の第2の円環部32aと、この第2の円環部32aから下部連結シャフト108の軸方向に伸びるように形成された複数の第2の突起部32bとを有している。
第2の突起部32bは、磁石21のN極およびS極と同数形成されている。そして、この第2の突起部32bは、下部連結シャフト108の回転半径方向においては、図3,図5に示すように、磁石21の外周面と対向するようにこの外周面よりもやや外側に配置されており、その第2の突起部32bの磁石21と対向する面は、下部連結シャフト108の回転軸に直交する方向に見ると長方形である。
第3のヨーク33は、磁石21の外径よりも大きな径の孔が内側に形成された円板状の第3の円環部33aと、この第3の円環部33aから下部連結シャフト108の軸方向に、第1のヨーク31側へ伸びるように形成された複数の第3の突起部33bと、第2のヨーク32側へ伸びるように形成された複数の第4の突起部34bとを有している。
第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、磁石21のN極およびS極と同数形成されている。そして、この第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、下部連結シャフト108の回転半径方向においては、図3,図5に示すように、磁石21の外周面と対向するようにこの外周面よりもやや外側に配置されており、その第3の突起部33bおよび第4の突起部34bの磁石21と対向する面は、下部連結シャフト108の回転軸に直交する方向に見ると長方形である。
また、第1のヨーク31の第1の突起部31bと第3のヨーク33の第3の突起部33bとは、下部連結シャフト108の周方向に交互に配置されている。第2のヨーク32の第2の突起部32bと第3のヨーク33の第4の突起部34bとは、下部連結シャフト108の周方向に交互に配置されている。
なお、本実施の形態に係る第3のヨーク33においては、第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、下部連結シャフト108の軸方向に一体的に連続して形成されている。
そして、本実施の形態に係る相対角度検出装置20においては、トーションバー140に捩れが生じていない初期状態のときに、図5に示すように、下部連結シャフト108の周方向において、時計回転方向に見た場合に磁石21のN極とS極との境界線と第1のヨーク31の第1の突起部31bの周方向の中心とが一致するように配置されている。
第2のヨーク32の第2の突起部32bは、下部連結シャフト108の周方向には、第1のヨーク31の第1の突起部31bと同じ位置となるように配置されている。つまり、トーションバー140に捩れが生じていない初期状態のときに、第1の突起部31bが対向する磁石21のN極とS極との境界線と、第2の突起部32bの周方向の中心が一致するように配置されている。すなわち、図5に示すように、時計回転方向に見た場合に磁石21のN極とS極との境界線と第2の突起部32bの周方向の中心が一致するように配置されている。そして、トーションバー140に操舵トルクTが加わってトーションバー140に捩れが生じ、第1の突起部31bが磁石21のN極あるいはS極と対向する場合に、第2の突起部32bは、第1の突起部31bが対向する極性と同じ極性の磁極に対向する。
第3のヨーク33の第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、初期状態のときに、下部連結シャフト108の周方向において、図5に示すように、時計回転方向に見た場合に磁石21のS極とN極との境界線と第3の突起部33bおよび第4の突起部34bの周方向の中心が一致するように配置されている。そして、トーションバー140に操舵トルクTが加わってトーションバー140に捩れが生じ、第1の突起部31bが磁石21のN極あるいはS極と対向する場合に、第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、第1の突起部31bが対向する磁極とは異なる極性の磁極に対向する。
また、本実施の形態に係るヨーク30においては、図3に示すように、第1のヨーク31、第2のヨーク32および第3のヨーク33は、インサートモールド成形により一体化されている。そして、インサートモールド成形する際にブラケット60をも一体成形している。ブラケット60は、ピニオンシャフト106の軸方向に伸びる薄肉円筒状の軸方向部位61と、軸方向部位61からピニオンシャフト106の回転半径方向に伸びる円板状の半径方向部位62とを有する。そして、ブラケット60の軸方向部位61がピニオンシャフト106に圧入、溶接あるいはねじ止めされることにより、軸方向部位61がピニオンシャフト106に固定されている。これにより、ヨーク30は、ピニオンシャフト106に固定される。
第1の磁気センサ41は、ハウジング120に固定されており、下部連結シャフト108の軸方向において、第1のヨーク31の第1の円環部31aと第3のヨーク33の第3の円環部33aとの間に配置されている。第1の磁気センサ41は、制御装置10から電源電圧が供給されることにより作動して、第1のヨーク31と第3のヨーク33との間の磁束密度を検出し、検出した磁束密度を電気信号(例えば電圧信号)に変換して出力する。
第2の磁気センサ42は、ハウジング120に固定されており、下部連結シャフト108の軸方向において、第2のヨーク32の第2の円環部32aと第3のヨーク33の第3の円環部33aとの間に配置されている。第2の磁気センサ42は、制御装置10から電源電圧が供給されることにより作動して、第2のヨーク32と第3のヨーク33との間の磁束密度を検出し、検出した磁束密度を電気信号(例えば電圧信号)に変換して出力する。
そして、第1の磁気センサ41と第2の磁気センサ42とは、例えば下部連結シャフト108の軸方向に同じ向きの磁界が生じている場合には、同じ符号の磁束密度を検出するように配置されている。これら第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42としては、磁気抵抗素子、ホールIC、ホール素子などを例示することができる。
以上のように構成された相対角度検出装置20においては、以下に示すように作用する。
図6は、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106とが相対変位する前の相対角度検出装置20の状態を示す図である。図6(a)は、磁石21とヨーク30との関係を、図2におけるY方向に見た図である。図6(b)は、磁石21およびヨーク30を、(a)におけるZ方向に見た図である。
トーションバー140に捩れが生じていない初期状態のときは、図5、図6(a)に示すように、下部連結シャフト108の周方向において、ヨーク30の全ての突起部である第1の突起部31b〜第4の突起部34bの周方向の中心と、磁石21のN極とS極との境界線とが一致する。かかる場合、第1の突起部31b〜第4の突起部34bの各突起部には、磁石21のN極とS極とから同数の磁力線が出入りする。そのため、第1のヨーク31の第1の円環部31aと第3のヨーク33の第3の円環部33aとの間、および第2のヨーク32の第2の円環部32aと第3のヨーク33の第3の円環部33aとの間には磁束密度差が生じないので、第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42の出力は零となる。
ステアリングホイールに操舵トルクTが入力されてトーションバー140に捩れが生じると、磁石21とヨーク30との周方向の相対位置が変化する。
図7は、図5で見た場合に、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して時計回転方向に回転した状態を示す図である。図8は、図5で見た場合に、磁石21がヨーク30に対して反時計回転方向に回転した状態を示す図である。それぞれの図において、(a)は磁石21とヨーク30との関係を、図2におけるY方向から見た図である。(b)は磁石21およびヨーク30を、(a)におけるZ方向に見た図である。
また、図9は、磁石21(下部連結シャフト108)とヨーク30(ピニオンシャフト106)との相対角度(トーションバー140の捩れ角θ)と第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42が検出する磁束密度との関係を示す図である。
図7および図8に示すように、トーションバー140が捩れると、下部連結シャフト108の周方向において、ヨーク30の第1の突起部31b〜第4の突起部34bの周方向の中心と、磁石21のN極とS極との境界線とが一致しなくなる。つまり、初期状態に比べて、磁石21のいずれかの磁極がヨーク30の第1の突起部31b〜第4の突起部34bと対向する領域が増加する。
より具体的には、図7の状態においては、第1のヨーク31の第1の突起部31bおよび第2のヨーク32の第2の突起部32bは、磁石21のN極と対向する領域が増加し、第3のヨーク33の第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、磁石21のS極と対向する領域が増加する。そのため、磁石21のN極から第1の突起部31bおよび第2の突起部32bに向かう磁力線が、第1の突起部31bおよび第2の突起部32bから磁石21のS極に向かう磁力線よりも増加する。また、第3の突起部33bおよび第4の突起部34bから磁石21のS極に向かう磁力線が、磁石21のN極から第3の突起部33bおよび第4の突起部34bに向かう磁力線よりも増加する。これにより、第1のヨーク31の第1の円環部31aから第3のヨーク33の第3の円環部33aへ向かう磁束密度が増加するとともに第2のヨーク32の第2の円環部32aから第3のヨーク33の第3の円環部33aへ向かう磁束密度が増加する。
そして、第1のヨーク31の第1の円環部31aから第3のヨーク33の第3の円環部33aへ向かう方向をプラスの方向とすると、初期状態から、図5で見た場合に、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して時計回転方向に回転するにしたがって、第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1がプラスの方向へ大きくなる。他方、第2の磁気センサ42が検出する磁束密度B2がマイナスの方向へ大きくなる。以下、図5で見た場合に、初期状態から、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して時計回転方向に回転するときに、「右方向」の操舵トルクTが発生しているものとする。
また、図8の状態においては、第1のヨーク31の第1の突起部31bおよび第2のヨーク32の第2の突起部32bは、磁石21のS極と対向する領域が増加し、第3のヨーク33の第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、磁石21のN極と対向する領域が増加する。そのため、第1の突起部31bおよび第2の突起部32bから磁石21のS極に向かう磁力線が、磁石21のN極から第1の突起部31bおよび第2の突起部32bに向かう磁力線よりも増加する。また、磁石21のN極から第3の突起部33bおよび第4の突起部34bに向かう磁力線が、第3の突起部33bおよび第4の突起部34bから磁石21のS極に向かう磁力線よりも増加する。これにより、第3のヨーク33の第3の円環部33aから第1のヨーク31の第1の円環部31aへ向かう磁束密度が増加するとともに第3のヨーク33の第3の円環部33aから第2のヨーク32の第2の円環部32aへ向かう磁束密度が増加する。それゆえ、初期状態から、図5で見た場合に、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して反時計回転方向に回転するにしたがって、第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1がマイナスの方向へ大きくなる。他方、第2の磁気センサ42が検出する磁束密度B2がプラスの方向へ大きくなる。以下、図5で見た場合に、初期状態から、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して反時計回転方向に回転するときに、「左方向」の操舵トルクTが発生しているものとする。
図9においては、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106とを、両方向に磁極1個(α度)分相対的に回転させた場合の磁束密度の変化を示している。そして、トーションバー140が両方向に1/3×α度捩れることを許容する仕様にすることで、第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42は、トーションバー140の捩れ量(下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対回転角度)に比例する磁束密度の変化を検出することが可能となる。
第1の磁気センサ41は、検出した磁束密度B1を、この磁束密度B1に応じた電圧値を示す第1の電圧信号V1sに変換して出力し、第2の磁気センサ42は、検出した磁束密度B2を、この磁束密度B2に応じた電圧値を示す第2の電圧信号V2sに変換して出力する。トーションバー140の捩れ量(下部連結シャフト108とピニオンシャフト106の相対回転角度)とステアリングホイール101の操舵トルクTとは比例関係にある。つまり、第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42は、操舵トルクTに応じた電圧値を示す第1の電圧信号V1sおよび第2の電圧信号V2sを出力する。
図10は、操舵トルクTと、第1の電圧信号V1sおよび第2の電圧信号V2sとの関係を示す図である。
図10においては、横軸に操舵トルクT、縦軸に第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1および第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2を示している。横軸は、操舵トルクTが零の状態、言い換えれば、トーションバー140の捩れ量が零の状態を中点にし、右方向の操舵トルクTをプラス、左方向の操舵トルクをマイナスとしている。
そして、本実施の形態に係る第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42は、図10に示すように、第1の電圧信号V1sが示す第1の電圧V1および第2の電圧信号V2sが示す第2の電圧V2が、最大電圧VHiと最小電圧VLoとの間で変化するように構成されている。なお、最大電圧VHiは、第1の磁気センサ41,第2の磁気センサ42が第1の電圧信号V1s,第2の電圧信号V2sとして出力可能な出力上限値よりわずかに低く、最小電圧VLoは、出力可能な出力下限値よりわずかに高く設定される。
そして、図10の実線で示すように、第1の磁気センサ41が出力する第1の電圧信号V1sは、操舵トルクTの右方向への大きさが増加(トーションバー140の右方向への回転量が増加)するのに伴って電圧が上昇する特性を有する。すなわち、ステアリングホイール101が右方向に回転すると第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1が上昇する。また、図10の破線で示すように、第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2は、第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1と同じ最大電圧VHiと最小電圧VLoの間で変化するとともに第1の電圧信号V1sと逆の特性(負の相関関係)を有し、操舵トルクTの右方向への大きさが増加するのに伴って第2の電圧信号V2sが低下する特性を有する。すなわち、ステアリングホイール101が右方向に回転すると第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2が低下する。
そして、中点では第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1と第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2とが等しい電圧(以下、「中点電圧Vc」と称する場合がある)となるように構成されている。中点電圧Vcは、例えば、最大電圧VHiと最小電圧VLoの中間の電圧(Vc=(VHi+VLo)/2)となる。
さらに、操舵トルクTの変化に対する第1の電圧信号V1sの変化の割合と第2の電圧信号V2sの変化の割合(絶対値)は等しく、同じ操舵トルクTを示す第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1と第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2を合計した合計電圧Vt(以下、単に「合計電圧Vt」と称する場合がある)が常に予め定められた所定電圧となる特性を有する。本実施の形態において、合計電圧Vtは、一定電圧(VHi+VLo)となるように構成されており、「VHi+VLo」が所定電圧となる。
例えば、第1の磁気センサ41,第2の磁気センサ42が、0〜5〔V〕の間の電圧値を第1の電圧信号V1s,第2の電圧信号V2sとして出力可能な性能を有する場合、すなわち、出力下限値が0〔V〕で出力上限値が5〔V〕の場合に、第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1および第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2の最大電圧VHiを4.5〔V〕、最小電圧VLoを0.5〔V〕に設定すると、中点電圧Vcは2.5〔V〕、所定電圧は5〔V〕になる。
したがって、操舵トルクTが零の中点では、第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1および第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2は共に2.5〔V〕となり、第1の電圧V1と第2の電圧V2との合計電圧Vtは常に5〔V〕となる。そして、操舵トルクTが右方向に増加すると、第1の電圧V1は2.5〔V〕から上昇し、第2の電圧V2は2.5〔V〕から低下する。他方、操舵トルクTが左方向に増加すると、第1の電圧V1は2.5〔V〕から低下し、第2の電圧V2は2.5〔V〕から上昇する。
次に、制御装置10について説明する。
制御装置10は、電動モータ110の制御を行う際の演算処理を行うCPU11と、CPU11にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM12と、CPU11の作業用メモリ等として用いられるRAM13と、EEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory)14と、を備えている。
制御装置10には、上述した相対角度検出装置20からの出力値、車速センサ170にて検出された車速Vが出力信号に変換された車速信号vなどが入力される。
制御装置10は、相対角度検出装置20から入力される信号に基づいて操舵トルクTを検出(算出)するトルク検出部と、トルク検出部にて検出された操舵トルクTに基づいて電動モータ110に供給する目標電流を算出する目標電流算出部と、目標電流算出部が算出した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行うモータ駆動制御部と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部と、を備えている。
トルク検出部は、相対角度検出装置20から入力される信号に基づいて操舵トルクTを算出し、算出した操舵トルクTを電気信号に変換したトルク信号Tdを目標電流算出部へ出力する。より具体的には、トルク検出部は、磁気センサ40の第1の磁気センサ41が正常である場合には、第1の磁気センサ41からの第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1に基づいて操舵トルクTを算出し、算出した操舵トルクTを電気信号に変換したトルク信号Tdを目標電流算出部へ出力する。
第1の電圧V1に基づいて操舵トルクTを算出する手法としては以下を例示することができる。すなわち、先ず、第1の電圧V1と、操舵トルクTとの関係を示すマップをROM12に記憶しておき、トルク検出部は、このマップに、第1の電圧V1を代入することにより操舵トルクTを算出する。又は、第1の電圧V1と操舵トルクTとの関係を示す関数を組み込んでおき、トルク検出部は、この関数に第1の電圧V1を代入して操舵トルクTを算出してもよい。
なお、トルク検出部は、磁気センサ40の第1の磁気センサ41に異常が生じ、第2の磁気センサ42のみが正常である場合には、非常用として、第2の磁気センサ42からの第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2に基づいて操舵トルクTを算出し、算出した操舵トルクTを電気信号に変換したトルク信号Tdを目標電流算出部へ出力する。
次に、トーションバー140の破損を防ぐ構造について説明する。
下部連結シャフト108における軸方向のピニオンシャフト106側の端部108aは、基本的には円筒状である。ピニオンシャフト106には、軸方向の下部連結シャフト108側の端部に、下部連結シャフト108側の端面から軸方向に基本的には円柱状に凹んだ軸方向凹部106bが設けられている。そして、図3に示すように、下部連結シャフト108の端部108aが、ピニオンシャフト106の軸方向凹部106bに挿入された状態で、下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106はトーションバー140に連結される。
そして、下部連結シャフト108の端部108aと、ピニオンシャフト106の軸方向凹部106bとには、2つの回転軸である下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対回転角度が過大となることを規制する規制部70が設けられている。つまり、下部連結シャフト108の端部108aには、基本形状である円筒の外周面から半径方向に突出した凸部71が設けられている。他方、ピニオンシャフト106の軸方向凹部106bには、内周面から半径方向に凹んだ径方向凹部72が設けられている。そして、下部連結シャフト108の端部108aの凸部71がピニオンシャフト106の径方向凹部72に嵌合された状態で、下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106はトーションバー140に連結される。
図11は、図3におけるA−A部の断面図である。
本実施の形態に係るステアリング装置100においては、図11に示すように、下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106の周方向に等間隔に2つの規制部70aおよび70bを設けている。つまり、周方向に180度間隔で2つの規制部70が設けられており、その内の一方が凸部71aと径方向凹部72aとから構成される規制部70aであり、他方が凸部71bと径方向凹部72bとから構成される規制部70bである。これら凸部71aと凸部71bとは同じ形状であり、径方向凹部72aと径方向凹部72bとは同じ形状である。
この規制部70の凸部71と径方向凹部72とは、下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106の軸方向から見た場合には、図11に示すように、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との両方向の相対回転角度がそれぞれ所定の回転角度以内なら許容するように、すきまばめで嵌合される寸法に形成される。所定の回転角度は、トーションバー140が破損する限界の捩れ角よりも小さい角度に設定されている。また、凸部71と径方向凹部72との間の隙間は、左右両回転を等しく許容するように、トーションバー140に捩れが生じていない初期状態のときに左右両方向が等しくなるように設定される。下部連結シャフト108の軸方向の長さとしては、規制部70の凸部71は、下部連結シャフト108の端部108aの1/3〜2/3であることを例示することができる。ピニオンシャフト106の軸方向の長さとしては、規制部70の径方向凹部72は、下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106がトーションバー140に連結された状態で、図3に示すように、下部連結シャフト108の凸部71と干渉しない長さに設定されている。
図5,図6に示すように、本実施の形態に係る相対角度検出装置20においては、トーションバー140に捩れが生じていない初期状態のときに、下部連結シャフト108の周方向において、時計回転方向に見た場合に磁石21のN極とS極との境界線と第1のヨーク31の第1の突起部31bの周方向の中心とが一致するように配置されている。言い換えれば、規制部70の凸部71を径方向凹部72に嵌合して、下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106をトーションバー140に連結した状態で、図5,図6で時計回転方向に見た場合の磁石21のN極とS極との境界線と第1のヨーク31の第1の突起部31bの周方向の中心とが一致するように、磁石21が下部連結シャフト108に固定され、ヨーク30がピニオンシャフト106に固定される。
図12は、図5で時計回転方向に見た場合の磁石21のN極とS極との境界線と第1のヨーク31の第1の突起部31bの周方向の中心とが一致する初期状態から磁石21を時計回転方向に360度回転させたときに第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1を示す図である。
図12は、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106とに上述した規制部70が設けられておらず、下部連結シャフト108をトーションバー140に連結する前に、下部連結シャフト108をピニオンシャフト106に対して図5の時計回転方向に360度回転させたときに第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1を示す図でもある。
本実施の形態に係る相対角度検出装置20においては、磁石21がN極およびS極がそれぞれ12個ある極数が24の磁石であることから、磁極1個分の角度αは15度(α=360/24=15)であり、磁石21を時計回転方向に360度回転させたときに第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1の波形は、図12に示すような12周期の波形となる。
本実施の形態に係る相対角度検出装置20においては、下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106の周方向には等間隔に2つの規制部70が設けられており、磁石21のいずれかの磁極(N極またはS極)の数を規制部70の数で除算することにより得られる数が自然数(12/2=6)に設定されている。それゆえ、規制部70の凸部71と径方向凹部72との組み合わせが異なるとしても磁気センサ40が検出する磁束密度(B1またはB2)は同じとなる。すなわち、磁気センサ40が検出する磁束密度は、凸部71aが径方向凹部72bに、凸部71bが径方向凹部72aに嵌合された状態で下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106がトーションバー140に連結されたとしても、図11に示すように凸部71aが径方向凹部72aに、凸部71bが径方向凹部72bに嵌合された状態で連結された場合と同じになる。つまり、初期状態から、図5で見た場合に、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して時計回転方向に回転するにしたがって、第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1がプラスの方向へ大きくなり、第2の磁気センサ42が検出する磁束密度B2がマイナスの方向へ大きくなる。また、磁石21がヨーク30に対して反時計回転方向に回転するにしたがって、第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1がマイナスの方向へ大きくなり、第2の磁気センサ42が検出する磁束密度B2がプラスの方向へ大きくなる。
以上のように構成されたステアリング装置100においては、組み立てる際に、ピニオンシャフト106の凸部71aまたは凸部71bと、ピニオンシャフト106の径方向凹部72aまたは72bとの組み合わせを考慮することなく、ピニオンシャフト106の端部108aを下部連結シャフト108の軸方向凹部106bに挿入することができる。したがって、本実施の形態に係るステアリング装置100においては、規制部70を設けていない装置と比べると、組立て性をそれほど悪化させることなくトーションバー140の破損を防止することができる。
次に、本実施の形態に係るステアリング装置100と比較するための構成について考える。
比較構成は、磁石21のN極とS極の数がそれぞれ11個であり、ヨーク30の第1の突起部31b、第2の突起部32b、第3の突起部33bおよび第4の突起部34bを11個とする。その他は、上述した実施の形態と同じであり、下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106の周方向には等間隔に2つの規制部70が設けられているものとする。
図13は、比較構成において、磁石21の時計回転方向のN極とS極との境界線と第1のヨーク31の第1の突起部31bの周方向の中心とが一致する初期状態から磁石21を時計回転方向に360度回転させたときに第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1を示す図である。
この比較構成においては、磁石21のいずれかの磁極(N極またはS極)の数を規制部70の数で除算することにより得られる数は、11/2=5.5となり自然数ではない。それゆえ、規制部70の凸部71と径方向凹部72との組み合わせが異なる場合には、磁気センサ40が検出する磁束密度(B1またはB2)は異なってしまう。すなわち、磁気センサ40が検出する磁束密度は、凸部71aが径方向凹部72bに、凸部71bが径方向凹部72aに嵌合された状態で下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106がトーションバー140に連結されると、図13に示すように凸部71aが径方向凹部72aに、凸部71bが径方向凹部72bに嵌合された状態で連結された場合と異なってしまう。つまり、凸部71aが径方向凹部72aに、凸部71bが径方向凹部72bに嵌合された場合には、初期状態から、図5で見た場合に、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して時計回転方向に回転するにしたがって、第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1がプラスの方向へ大きくなり、反時計回転方向に回転するにしたがって、第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1がマイナスの方向へ大きくなる。これに対して、凸部71aが径方向凹部72bに、凸部71bが径方向凹部72aに嵌合された場合には、初期状態から、図5で見た場合に、磁石21がヨーク30に対して時計回転方向に回転するにしたがって、第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1がマイナスの方向へ大きくなり、反時計回転方向に回転するにしたがって、第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1がプラスの方向へ大きくなる。第2の磁気センサ42が検出する磁束密度B2も同様に逆方向となってしまう。
そのため、この比較構成において規制部70の凸部71aと径方向凹部72aとの組み合わせが正しいとして、制御装置10のトルク検出部が操舵トルクTを算出するように設定されている場合に、誤って凸部71aと径方向凹部72bとが組み合わされて組み立てられた場合には、制御装置10のトルク検出部が算出する操舵トルクTが正常でなくなってしまう。それゆえ、組み立て時に、ピニオンシャフト106の端部108aを下部連結シャフト108の軸方向凹部106bに挿入する際には、ピニオンシャフト106の凸部71aまたは凸部71bと、ピニオンシャフト106の径方向凹部72aまたは72bとの組み合わせを間違わないようにすることが重要となる。
したがって、本実施の形態に係るステアリング装置100においては、ピニオンシャフト106の凸部71aまたは凸部71bと、ピニオンシャフト106の径方向凹部72aまたは72bとの組み合わせを考慮する必要がないので、この比較構成と比べると、容易に組み立てることができると言える。
なお、上述した実施の形態に係るステアリング装置100においては、下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106の周方向に、規制部70を2つ設けているが、この規制部70の数は、磁石21のいずれかの磁極(N極またはS極)の数を規制部70の数で除算することにより得られる数が自然数となるのであれば、いかなる数であってもよい。磁石21のいずれかの磁極(N極またはS極)の数が12個であるならば、規制部70の数は、2つ、3つ、4つ、6つ、12つのいずれであってもよい。
図14は、規制部70の数が3つである場合の、図3におけるA−A部の断面図である。
図14に示した構成では、下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106の周方向に等間隔に3つの規制部70a、70bおよび70cを設けている。つまり、周方向に120度間隔で3つの規制部70が設けられており、その内の一つが凸部71aと径方向凹部72aとから構成される規制部70aであり、他の一つが凸部71bと径方向凹部72bとから構成される規制部70bであり、残りの一つが凸部71cと径方向凹部72cとから構成される規制部70cである。そして、これら凸部71a、凸部71bおよび凸部71cは同じ形状であり、径方向凹部72a、径方向凹部72bおよび径方向凹部72cは同じ形状である。
図15は、図5で時計回転方向に見た場合の磁石21のN極とS極との境界線と第1のヨーク31の第1の突起部31bの周方向の中心とが一致する初期状態から磁石21を時計回転方向に360度回転させたときに第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1を示す図に、規制部70の異なる3つの組み合わせにおける初期状態の位置を書き入れた図である。
図15に示すように、規制部70の凸部71と径方向凹部72との組み合わせがいずれであっても磁気センサ40が検出する磁束密度(B1またはB2)は同じとなる。すなわち、磁気センサ40が検出する磁束密度は、凸部71aが径方向凹部72bに、凸部71bが径方向凹部72cに、凸部71cが径方向凹部72aに嵌合された状態で下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106がトーションバー140に連結されたとしても、凸部71aが径方向凹部72aに、凸部71bが径方向凹部72bに、凸部71cが径方向凹部72cに嵌合された状態で連結された場合と同じになる。つまり、初期状態から、図5で見た場合に、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して時計回転方向に回転するにしたがって、第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1がプラスの方向へ大きくなり、第2の磁気センサ42が検出する磁束密度B2がマイナスの方向へ大きくなる。また、磁石21がヨーク30に対して反時計回転方向に回転するにしたがって、第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1がマイナスの方向へ大きくなり、第2の磁気センサ42が検出する磁束密度B2がプラスの方向へ大きくなる。同様に、磁気センサ40が検出する磁束密度は、凸部71aが径方向凹部72cに、凸部71bが径方向凹部72aに、凸部71cが径方向凹部72bに嵌合された状態で下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106がトーションバー140に連結されたとしても、凸部71aが径方向凹部72aに、凸部71bが径方向凹部72bに、凸部71cが径方向凹部72cに嵌合された状態で連結された場合と同じになる。
このように、ステアリング装置100を構成するにあたって、下部連結シャフト108およびピニオンシャフト106の周方向に等間隔に規制部70を複数設けるとともに、規制部70の数を、磁石21のいずれかの磁極(N極またはS極)の数を規制部70の数で除算することにより得られる数が自然数となるように設定するとよい。これにより、組立て性を悪化させることなくトーションバー140の破損を防止することができる。
なお、上述した実施の形態においては、規制部70の構成として、下部連結シャフト108の端部108aに凸部71を、ピニオンシャフト106の軸方向凹部106bに径方向凹部72を設けているが、特にかかる態様に限定されない。例えば、下部連結シャフト108の端部108aの大きさが大きくなるように外径を大きくするとともに、その外周面から半径方向に凹んだ径方向凹部72を設け、ピニオンシャフト106の軸方向凹部106bの大きさが大きくなるように凹んだ円柱状の外径を大きくするとともに、その内周面から半径方向に突出する凸部71を設ける。そして、下部連結シャフト108の端部108aに設けた径方向凹部72と、ピニオンシャフト106に設けた凸部71とを嵌合することで規制部70を構成してもよい。
また、上述した実施の形態においては、磁石21として、円筒状で、下部連結シャフト108の周方向に着磁された磁石を用いたが、特にかかる態様に限定されない。例えば、周方向の一部分のみが着磁された磁石を用いてもよいし、軸方向の端面が着磁された磁石を用いてもよい。かかる態様である場合においても、規制部70の数を、磁石21のいずれかの磁極(N極またはS極)の数を規制部70の数で除算することにより得られる数が自然数となるように設定するとよい。
また、ヨーク30の第1の突起部31b、第2の突起部32b、第3の突起部33bおよび第4の突起部34bとして、下部連結シャフト108の回転軸に直交する方向に見た形状が長方形である突起部を例示したが、特にかかる形状に限定されない。例えば、これらの突起部の基端から先端に向かうにしたがって細くなるように形成された台形、三角形であってもよい。
10…制御装置、20…相対角度検出装置、21…磁石、30…ヨーク、40…磁気センサ、70…規制部、100…電動パワーステアリング装置、101…ステアリングホイール(ハンドル)、110…電動モータ

Claims (3)

  1. 弾性部材にて連結された第1の回転軸と第2の回転軸との相対回転角度を、当該第1の回転軸に固定された磁石と、当該第2の回転軸に固定された磁性部材とで検出する相対角度検出装置であって、
    前記第1の回転軸および前記第2の回転軸のいずれか一方の回転軸に設けられた凸部と他方の回転軸に設けられ当該凸部が嵌め込まれる凹部とから構成され、前記弾性部材が所定の角度を超えて捩れるのを規制する規制部を、当該第1の回転軸および当該第2の回転軸の周方向に等間隔に複数備え、
    前記磁石のいずれかの磁極の数を前記規制部の数で除算することにより得られる数が自然数である(ただし当該磁石のいずれかの磁極の数が6個かつ当該規制部の数が3つである場合を除く)ことを特徴とする相対角度検出装置。
  2. 弾性部材にて連結された第1の回転軸と第2の回転軸との相対回転角度を、固定前に予め着磁され当該第1の回転軸に固定された磁石と、当該第2の回転軸に固定された磁性部材とで検出する相対角度検出装置であって、
    前記第1の回転軸および前記第2の回転軸のいずれか一方の回転軸に設けられた凸部と他方の回転軸に設けられ当該凸部が嵌め込まれる凹部とから構成され、前記弾性部材が所定の角度を超えて捩れるのを規制する規制部を、当該第1の回転軸および当該第2の回転軸の周方向に等間隔に複数備え、
    前記磁石のいずれかの磁極の数を前記規制部の数で除算することにより得られる数が自然数であることを特徴とする相対角度検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の相対角度検出装置と、
    前記相対角度検出装置からの出力に基づいてステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータを制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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