JP2020001557A - パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転舵コントローラに対する配線レイアウトを簡素化する。【解決手段】パワーステアリング装置100は、第1転舵モータ140Aの回転力をラック軸8に伝達する第1減速機構180Aと、第2転舵モータ140Bの回転力をラック軸8に伝達する第2減速機構180Bと、転舵モータ140の駆動を制御する転舵コントローラ131と、第1減速機構180Aを収容する第1ギヤケース183Aと、第2減速機構180Bを収容する第2ギヤケース183Bと、一端部が第1ギヤケース183Aに固定され、他端部が第2ギヤケース183Bに固定されるハウジング110と、を備え、ハウジング110は、第1転舵モータ140Aを収容する第1モータ収容室123A、第2転舵モータ140Bを収容する第2モータ収容室123B、及び、転舵コントローラ131を収容するコントローラ収容室132を有する。【選択図】図3
Description
本発明は、パワーステアリング装置に関する。
第1転舵モータ、第2転舵モータ、第1転舵モータを制御する第1転舵コントローラ及び第2転舵モータを制御する第2転舵コントローラを備え、2つのモータによって車輪を転舵するパワーステアリング装置が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、第1転舵コントローラを第1転舵モータに実装して第1ハウジングに収容し、第2転舵コントローラを第2転舵モータに実装して第2ハウジングに収容する場合、第1転舵コントローラと第2転舵コントローラとが分離して配置されることになる。このため、各コントローラに接続される配線レイアウトが煩雑になるおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、コントローラに対する配線レイアウトを簡素化することを目的とする。
本発明は、パワーステアリング装置であって、第1モータと、第1モータの回転力をラック軸に伝達する第1動力伝達機構と、第2モータと、第2モータの回転力をラック軸に伝達する第2動力伝達機構と、第1モータ及び第2モータの駆動を制御するコントローラと、第1動力伝達機構を収容する第1ケースと、第2動力伝達機構を収容する第2ケースと、一端部が第1ケースに固定され、他端部が第2ケースに固定されるハウジングと、を備え、ハウジングは、第1モータを収容する第1モータ収容室、第2モータを収容する第2モータ収容室、及び、コントローラを収容するコントローラ収容室を有することを特徴とする。
この発明では、第1モータ及び第2モータを制御するコントローラを、第1モータ及び第2モータとともにハウジングに収容するようにしたので、コントローラに対する配線をコントローラ収容室に集約することができる。
本発明は、第1動力伝達機構に連結される第1モータの出力軸と、第2動力伝達機構に連結される第2モータの出力軸と、が一体的に回転可能であることを特徴とする。
この発明では、第1モータ及び第2モータの一方に異常が生じた場合に、異常が生じていない他方のモータの回転力を第1動力伝達機構及び第2動力伝達機構の双方を介して、ラック軸に伝達することができる。
本発明は、第1モータの出力軸と第2モータの出力軸との連結を解除可能なクラッチをさらに備えることを特徴とする。
この発明では、クラッチによって、第1モータの出力軸と第2モータの出力軸とを連結して、第1モータの出力軸と第2モータの出力軸とを一体的に回転させることができる。また、第1モータの出力軸と第2モータの出力軸との連結を解除して、第1モータの出力軸及び第2モータの出力軸のそれぞれに対して異なるトルクを付与することができる。
本発明は、第1モータ及び第2モータの異常を検出する異常検出部と、異常検出部によって第1モータまたは第2モータの異常が検出されたとき、第1モータの出力軸と第2モータの出力軸とを連結するようにクラッチを制御するクラッチ制御部と、をさらに備えることを特徴とする。
この発明では、第1モータ及び第2モータのうちの一方に異常が生じた場合に、クラッチによって第1モータの出力軸と第2モータの出力軸とが連結されるので、異常が生じていない他方のモータの回転力を第1動力伝達機構及び第2動力伝達機構の双方を介して、ラック軸に伝達することができる。
本発明は、第1モータの出力軸及び第2モータの出力軸が、単一の軸状部材によって構成され、軸状部材が、第1モータ、コントローラ及び第2モータを貫通し、第1モータを貫通する軸状部材の一端部が、第1モータの出力軸として第1動力伝達機構に連結され、第2モータを貫通する軸状部材の他端部が、第2モータの出力軸として第2動力伝達機構に連結されることを特徴とする。
この発明では、第1モータの出力軸と第2モータの出力軸とを連結するための構造が不要であるので、パワーステアリング装置の構成を簡素化することができる。
本発明は、コントローラが、第1モータと第2モータとの間に配置されることを特徴とする。
この発明では、第1モータ及び第2モータのそれぞれからコントローラまでの配線レイアウトを略対称のレイアウトとすることができ、配線レイアウトの簡素化を図ることができる。
本発明は、コントローラが、第1モータに駆動制御信号を出力するとともに第2モータに上記駆動制御信号を出力することを特徴とする。
この発明では、第1モータの駆動を制御する第1コントローラと第2モータの駆動を制御する第2コントローラとを備える場合に比べて、コントローラに対する配線数の低減を図ることができる。
本発明によれば、コントローラに対する配線レイアウトを簡素化することができる。
図面を参照して、本発明の実施形態に係るパワーステアリング装置について説明する。
<第1実施形態>
図1に示すように、パワーステアリング装置100は、運転者によるステアリングホイール1の操作状態に応じて車輪2を転舵するステアバイワイヤ制御と、運転者によるステアリングホイール1の操作(以下、「ステアリング操作」と称する。)を補助するアシスト制御と、の双方が可能である。
図1に示すように、パワーステアリング装置100は、運転者によるステアリングホイール1の操作状態に応じて車輪2を転舵するステアバイワイヤ制御と、運転者によるステアリングホイール1の操作(以下、「ステアリング操作」と称する。)を補助するアシスト制御と、の双方が可能である。
パワーステアリング装置100は、運転者によるステアリング操作に伴って回転する第1ステアリングシャフト3と、車輪2を転舵するラック軸8に連結された第2ステアリングシャフト4と、第1ステアリングシャフト3と第2ステアリングシャフト4との接続と切断を切り換える接続切換部としてのクラッチ7と、を備える。
クラッチ7は電磁クラッチであり、電磁コイルが励磁状態で第1ステアリングシャフト3と第2ステアリングシャフト4を切断し、電磁コイルが非励磁状態で第1ステアリングシャフト3と第2ステアリングシャフト4を機械的に接続する。クラッチ7が切断された状態ではステアバイワイヤ制御が行われ、クラッチ7が接続された状態ではアシスト制御が行われる。
第2ステアリングシャフト4は、クラッチ7に接続された入力シャフト5と、ラック軸8に形成されたラックギヤ8aと噛み合う第1ピニオンギヤ11aが形成された出力シャフトとしての第1ピニオンシャフト11と、入力シャフト5と第1ピニオンシャフト11を連結するトーションバー6と、を有する。
クラッチ7が接続された状態で、ステアリングホイール1が操作されると、第1ステアリングシャフト3及び第2ステアリングシャフト4が回転し、その回転が第1ピニオンギヤ11a及びラックギヤ8aによって直線運動に変換され、ナックルアーム9を介して車輪2が転舵される。
パワーステアリング装置100は、第1ピニオンシャフト11に加えて、第2ピニオンシャフト12も備える。第2ピニオンシャフト12は、ラック軸8に形成されたラックギヤ8aと噛み合う第2ピニオンギヤ12aを有する。このように、パワーステアリング装置100は、ピニオンシャフトを2つ有するデュアルピニオン式である。
第1ステアリングシャフト3には、ステアリングホイール1の回転角度である操舵角度を検出する舵角センサ21が設けられる。舵角センサ21は、図示しないが、第1ステアリングシャフト3と一体に回転するセンターギアと、センターギアに噛み合う2つのアウターギアと、を備え、2つのアウターギアの回転に伴う磁束の変化に基づいて、センターギアの回転角度、すなわち第1ステアリングシャフト3の回転角度を演算する。
第2ステアリングシャフト4には、クラッチ7が接続された際に、運転者によるステアリング操作によって入力される操舵トルクを検出するトルクセンサ22が設けられる。トルクセンサ22は、入力シャフト5と第1ピニオンシャフト11との相対回転に伴うトーションバー6のねじれ変形に基づいて操舵トルクを検出する。
パワーステアリング装置100は、クラッチ7が切断された状態でラック軸8に転舵力を付与する第1モータである第1転舵モータ140A及び第2モータである第2転舵モータ140Bと、クラッチ7が切断された状態で第1ステアリングシャフト3に操舵反力を付与する反力モータ13と、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの駆動を制御するコントローラである転舵コントローラ131と、反力モータ13の駆動を制御するコントローラである反力コントローラ13cと、をさらに備える。
転舵コントローラ131及び反力コントローラ13cは、通信線50によって相互通信可能に接続される。転舵コントローラ131には、舵角センサ21及びトルクセンサ22の検出信号の他、車両コントローラ10から車速等の車両の状態情報が入力される。反力コントローラ13cには、舵角センサ21の検出信号の他、車両コントローラ10から車速等の車両の状態情報が入力される。
第1転舵モータ140Aには、第1転舵モータ140Aの回転角度を検出する角度検出器としてのレゾルバ141aが設けられる。第2転舵モータ140Bには、第2転舵モータ140Bの回転角度を検出する角度検出器としてのレゾルバ141bが設けられる。レゾルバ141a,141bの検出結果は、転舵コントローラ131に出力される。転舵コントローラ131は、レゾルバ141aの検出結果に基づいて第1転舵モータ140Aの回転速度を演算し、レゾルバ141bの検出結果に基づいて第2転舵モータ140Bの回転速度を演算する。なお、角度検出器は、レゾルバ141a,141bに限らず、ホールセンサなどであってもよい。
パワーステアリング装置100は、第1転舵モータ140Aの回転力をラック軸8に伝達する第1動力伝達機構としての第1減速機構180Aと、第2転舵モータ140Bの回転力をラック軸8に伝達する第2動力伝達機構としての第2減速機構180Bと、を備える。
第1転舵モータ140Aの回転力は、第1減速機構180Aによって回転速度が減じられて第1ピニオンシャフト11に出力される。したがって、クラッチ7が切断された状態で第1転舵モータ140Aが駆動すると、車輪2を転舵する転舵力が第1ピニオンシャフト11を介してラック軸8に付与される。また、クラッチ7が接続された状態で第1転舵モータ140Aが駆動すると、運転者によるステアリング操作を補助するアシスト力が第1ピニオンシャフト11を介してラック軸8に付与される。
第2転舵モータ140Bの回転力は、第2減速機構180Bによって回転速度が減じられて第2ピニオンシャフト12に出力される。したがって、クラッチ7が切断された状態で第2転舵モータ140Bが駆動すると、車輪2を転舵する転舵力が第2ピニオンシャフト12を介してラック軸8に付与される。また、クラッチ7が接続された状態で第2転舵モータ140Bが駆動すると、運転者によるステアリング操作を補助するアシスト力が第2ピニオンシャフト12を介してラック軸8に付与される。
反力モータ13は、ロータが第1ステアリングシャフト3とともに回転するように設けられる。したがって、クラッチ7が切断された状態で反力モータ13が駆動すると、運転者のステアリング操作に対して第1ステアリングシャフト3に操舵反力が付与される。これにより、運転者のステアリング操作に対して擬似的なハンドルの重さを与えることができる。また、クラッチ7が接続された状態では、反力モータ13は、ステアリング操作の負荷とならないように反力コントローラ13cとは切断されて無負荷状態となる。
図2及び図3を参照して、パワーステアリング装置100の構造について詳しく説明する。図2及び図3に示すように、第1減速機構180Aは第1ケースとしての第1ギヤケース183Aに収容され、第2減速機構180Bは第2ケースとしての第2ギヤケース183Bに収容される。第1減速機構180Aと第2減速機構180Bの構成は同様であるので、以下では両者を総称して減速機構180と記し、その構成について説明する。また、第1ギヤケース183Aと第2ギヤケース183Bの構成も同様であるので、以下では両者を総称してギヤケース183と記す。
図3に示すように、減速機構180は、ウォームシャフト181と、ウォームシャフト181に噛み合うウォームホイール182と、を備える。第1減速機構180Aのウォームシャフト181は、軸連結器118を介して、第1転舵モータ140Aの出力軸である第1出力軸171aに連結され、第1減速機構180Aのウォームホイール182は、第1ピニオンシャフト11に連結される。第2減速機構180Bのウォームシャフト181は、軸連結器118を介して、第2転舵モータ140Bの出力軸である第2出力軸171bに連結され、第2減速機構180Bのウォームホイール182は、第2ピニオンシャフト12に連結される。
ウォームホイール182及びウォームシャフト181は金属製のギヤケース183に収容される。第1ギヤケース183Aには、第1ピニオンシャフト11が貫通した状態で配置され、第2ギヤケース183Bには、第2ピニオンシャフト12が貫通した状態で配置される。ウォームシャフト181の一部には、ウォームホイール182の歯部182aと噛み合う歯部181aが形成される。ギヤケース183の内周面には歯部181aに対応する位置に開口部183cが形成され、その開口部183cを通じてウォームシャフト181の歯部181aとウォームホイール182の歯部182aとが噛み合う。なお、ギヤケース183は樹脂製であってもよい。
ウォームシャフト181の転舵モータ140側である基端側は、第1軸受111によって回転自在に支持される。第1軸受111は、環状の内輪と外輪の間にボールが介在されている。第1軸受111の外輪は、ギヤケース183に形成された段部183eとロックナット115との間で挟持される。第1軸受111の内輪は、ウォームシャフト181の段部181bとウォームシャフト181に接続された軸連結器118のウォーム側ジョイント118aとの間で挟持される。これにより、ウォームシャフト181の軸方向への移動が規制される。
ギヤケース183の底部には、断面がL字状の環状の弾性部材としてのL字リング116を介して第2軸受112が収装される。ウォームシャフト181の先端側は第2軸受112によって回転自在に支持される。第2軸受112は、環状の内輪と外輪の間にボールが介在されている。第2軸受112の内輪にはウォームシャフト181の先端部付近に形成された段部181cが係止される。
第2軸受112はL字リング116の付勢力によってウォームシャフト181の段部181cに押し付けられるため、第2軸受112の軸方向のガタつきが低減される。つまり、L字リング116は、ギヤケース183の底部と第2軸受112の底部との間にて圧縮され、第2軸受112を軸方向に与圧している。
ギヤケース183の端部側の外周面には、端面117aが平面状のフランジ部117が突出して形成される。フランジ部117には、第2軸受112の外周面に臨んで開口する貫通孔183dが形成される。フランジ部117の端面117aに開口する貫通孔183dの開口部はプラグ114によって閉塞される。
貫通孔183dには、プラグ114の先端面と第2軸受112の外周面との間で圧縮された付勢部材としてのコイルスプリング113が収装される。コイルスプリング113は、ウォームシャフト181の歯部181aとウォームホイール182の歯部182aとの隙間が小さくなる方向に第2軸受112を付勢する。つまり、コイルスプリング113は、第2軸受112を介してウォームシャフト181をウォームホイール182に向けて付勢する。
ギヤケース183における第2軸受112の外周面を囲う内周面183fは、第2軸受112がコイルスプリング113の付勢力によってウォームホイール182に向けて移動できるように、互いに平行な一対の平面部を有する長穴形状に形成される。なお、内周面183fは、第2軸受112が内周面183fの内側で移動できる限り、どのような形状であってもよい。例えば、内周面183fは、その内径が第2軸受112の外径よりも大きい丸穴形状であってもよく、互いに平行な一対の平面部が形成されている必要はない。
ギヤケース183内へのウォームシャフト181の組み付けが完了した初期時点では、第2軸受112は、コイルスプリング113の付勢力によってウォームホイール182側に付勢され、バックラッシがない状態となる。
パワーステアリング装置100の駆動に伴ってウォームシャフト181の歯部181aとウォームホイール182の歯部182aの摩耗が進むと、コイルスプリング113の付勢力によって第2軸受112がギヤケース183の長穴内を移動し、ウォームシャフト181とウォームホイール182との歯部181a,182aのバックラッシが低減される。
第1転舵モータ140Aは、第1モータハウジング120Aの内部に形成される第1モータ収容室123Aに収容され、第2転舵モータ140Bは、第2モータハウジング120Bの内部に形成される第2モータ収容室123Bに収容される。第1モータハウジング120Aは第1ギヤケース183Aに固定され、第2モータハウジング120Bは第2ギヤケース183Bに固定される。
第1転舵モータ140Aを収容する第1モータハウジング120Aと、第2転舵モータ140Bを収容する第2モータハウジング120Bとの間には、転舵コントローラ131を収容するコントローラハウジング130が配置される。コントローラハウジング130は、内部に転舵コントローラ131を収容するコントローラ収容室132を有する。図示するように、本実施形態では、第1転舵モータ140A、コントローラ収容室132、及び第2転舵モータ140Bが、一直線上に並んで配置される。第1モータハウジング120A、コントローラハウジング130及び第2モータハウジング120Bは、ボルト等の締結部材によって一体化され、ハウジング110を構成する。ハウジング110は、一端部が第1ギヤケース183Aに固定され、他端部が第2ギヤケース183Bに固定される。
第1モータハウジング120Aと第2モータハウジング120Bの構成は同様であるので、以下では両者を総称してモータハウジング120と記す。また、第1転舵モータ140Aと第2転舵モータ140Bの構成は同様であるので、以下では両者を総称して転舵モータ140と記す。
転舵モータ140は、例えば、永久磁石内蔵型の三相同期モータである。転舵モータ140は、出力軸171に圧入固定され出力軸171と一体的に回転するロータ160と、ロータ160の外周に隙間をあけて配置されるステータ150と、を有する。
ステータ150は、円筒形状のステータコア151と、ステータコア151に形成された複数のティースに巻回されたステータコイル152と、を有する。ロータ160は、円筒形状のロータコア161と、ロータコア161に保持されている永久磁石162と、を有する。転舵モータ140は、ステータコア151に巻回されるステータコイル152に三相交流電流が供給されることで、ロータ160を回転させる。
モータハウジング120は有底円筒状に形成されたハウジング本体121と、ハウジング本体121の開口部を閉塞するモータカバー122と、を有する。モータハウジング120は、ハウジング本体121の底部側がギヤケース183の開口部に圧入固定される。転舵モータ140の出力軸171は、モータハウジング120に設けられる軸受173により支承される。
コントローラハウジング130は円筒形状であり、一端側の開口部が第1モータハウジング120Aのモータカバー122によって閉塞され、他端側の開口部が第2モータハウジング120Bのモータカバー122によって閉塞される。
図2に示すように、コントローラハウジング130には、コネクタ139が設けられ、車両コントローラ10からの通信線50(図1参照)及び電力供給線等が接続される。
図3に示すように、転舵コントローラ131は、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの動作を制御する制御回路としてのCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶部及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)、その他の周辺回路を備えたマイクロコンピュータが制御基板133に実装されてなる。なお、制御回路としては、CPUに代えてまたはCPUとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
転舵コントローラ131は、コントローラハウジング130にねじ等により固定される。本実施形態に係る転舵コントローラ131は、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bのそれぞれに同一の駆動制御信号を出力する。つまり、転舵コントローラ131は、第1転舵モータ140Aに対して駆動制御信号を出力するとともに、第2転舵モータ140Bに対して第1転舵モータ140Aに出力する駆動制御信号と同じ駆動制御信号を出力する。
なお、一対の転舵モータ140は、コントローラハウジング130に設けられた単一の転舵コントローラ131によって駆動制御する場合に限定されない。例えば、本実施形態の変形例として、コントローラハウジング130において、第1転舵モータ140Aの駆動を制御する駆動制御信号を生成する第1コントローラと、第2転舵モータ140Bの駆動を制御する駆動制御信号を生成する第2コントローラと、を設けてもよい。この場合、第1転舵コントローラと第2転舵コントローラとを通信によって同期させる。また、第1転舵コントローラ及び第2転舵コントローラに対して、それぞれ電力供給線及び通信線等を接続する。
このように、一対の転舵モータ140のそれぞれを一対の転舵コントローラによって個別に制御することもできる。しかしながら、この場合、一対の転舵モータ140の制御を同期して行う必要が生じる。これに対して、本実施形態では、単一の転舵コントローラ131によって、第1転舵モータ140Aに駆動制御信号を出力するとともに第2転舵モータ140Bに上記駆動制御信号(第1転舵モータ140Aへの駆動制御信号と同じ制御信号)を出力するようにした。したがって、一対の転舵コントローラを設けた場合の同期制御が不要になるとともに、転舵コントローラ131に対する配線数の低減を図ることができる。さらに、転舵コントローラ131の数を一つにできるので、複数のコントローラを設ける場合に比べて部品コストを低減することもできる。
図3に示すように、本実施形態では、第1転舵モータ140Aの第1出力軸171a及び第2転舵モータ140Bの第2出力軸171bは、単一の軸状部材からなる出力軸171によって構成される。軸状部材である出力軸171は、第1転舵モータ140A、転舵コントローラ131及び第2転舵モータ140Bを貫通する。転舵コントローラ131の制御基板133には、出力軸171が貫通する貫通孔134が形成される。
第1転舵モータ140Aを貫通する出力軸171の一端部は、第1転舵モータ140Aの第1出力軸171aとして第1減速機構180Aのウォームシャフト181に連結される。第2転舵モータ140Bを貫通する出力軸171の他端部は、第2転舵モータ140Bの第2出力軸171bとして第2減速機構180Bのウォームシャフト181に連結される。
つまり、本実施形態では、単一の出力軸171が第1転舵モータ140Aのロータ160及び第2転舵モータ140Bのロータ160に固着されている。これにより、第1転舵モータ140Aの第1出力軸171aと第2転舵モータ140Bの第2出力軸171bとが一体的に回転可能である。このため、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bのうちの一方に異常が生じた場合に、他方の回転力を第1減速機構180A及び第2減速機構180Bの双方を介して、ラック軸8に伝達することができる。また、本実施形態によれば、第1転舵モータ140Aの出力軸と第2転舵モータ140Bの出力軸とを連結するための構造が不要であるので、パワーステアリング装置100の構成を簡素化することができる。
図1を参照して、パワーステアリング装置100によるステアリング制御について説明する。
通常時には、クラッチ7が切断されてステアバイワイヤ制御が行われる。ステアバイワイヤ制御では、ステアリングホイール1の操作状態に応じて、転舵コントローラ131が第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bを制御する。これにより、車輪2が転舵される。第1転舵モータ140Aと第2転舵モータ140Bは、必要とされる転舵力を分担して出力する。これにより、単一の転舵モータを設ける場合に比べて、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの小型化を図ることができる。また、単一の転舵モータの回転力を単一の減速機構を介してラック軸8に伝達する場合に比べて、第1減速機構180A及び第2減速機構180Bにかかる負荷を小さくすることができる。反力モータ13は、第1ステアリングシャフト3に操舵反力を付与する。
図4を参照して、パワーステアリング装置100の組立方法の一例について説明する。
まず、第1モータハウジング120A、コントローラハウジング130、第2モータハウジング120Bを接続し、ハウジング110を形成する。ハウジング110の一端部に第1ギヤケース183Aを接続し、ハウジング110の他端部に第2ギヤケース183Bを接続する。これにより、モータ・ギヤ組立体119が形成される。モータ・ギヤ組立体119において、第1ギヤケース183Aの開口端部からは第1ピニオンギヤ11aが突出し、第2ギヤケース183Bの開口端部からは第2ピニオンギヤ12aが突出している。
次にラックハウジング190とモータ・ギヤ組立体119とをボルト等の締結部材によって連結する。ラックハウジング190には、第1ギヤケース183Aの開口端部に接続される第1支持台192Aと、第2ギヤケース183Bの開口端部に接続される第2支持台192Bと、が設けられる。第1支持台192Aには、第1ピニオンギヤ11aが挿通される開口部が設けられ、この開口部はラックハウジング190において第1ピニオンギヤ11aが収容される第1ピニオン収容室191Aに連通する。第2支持台192Bには、第2ピニオンギヤ12aが挿通される開口部が設けられ、この開口部は、ラックハウジング190において第2ピニオンギヤ12aが収容される第2ピニオン収容室191Bに連通する。
本実施形態では、第1ピニオンギヤ11aとラック軸8との交差角(軸交角)と、第2ピニオンギヤ12aとラック軸8との交差角(軸交角)と、が同一である。また、第1ピニオンギヤ11a及び第2ピニオンギヤ12aは、ラック軸8に平行な仮想平面内に、第1ピニオンギヤ11aの中心軸と第2ピニオンギヤ12aの中心軸の双方が含まれるように配置される。このため、第1ピニオンシャフト11及び第2ピニオンシャフト12の軸方向(中心軸方向)にモータ・ギヤ組立体119を移動させることで、第1ピニオンギヤ11a及び第2ピニオンギヤ12aをラック軸8に容易に噛み合わせることができる。
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)ハウジング110は、第1転舵モータ140Aを収容する第1モータ収容室123A、第2転舵モータ140Bを収容する第2モータ収容室123B、及び、転舵コントローラ131を収容するコントローラ収容室132を有する。ハウジング110は、一端部が第1ギヤケース183Aに固定され、他端部が第2ギヤケース183Bに固定される。
このように、本実施形態では、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bを制御する転舵コントローラ131を、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bとともにハウジング110内に並べて収容するようにした。これにより、転舵コントローラ131に対する外部からの配線(通信線、電力供給線等)を、コントローラ収容室132に集約することができる。その結果、転舵コントローラ131に対する配線レイアウトを簡素化することができる。
(2)転舵コントローラ131は、第1転舵モータ140Aと第2転舵モータ140Bとの間に配置される。これにより、第1転舵モータ140Aを収容する第1モータハウジング120Aと、第2転舵モータ140Bを収容する第2モータハウジング120Bと、を同じ形状にすることができる。モータハウジングを第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの共通部品として製造することができるので、パワーステアリング装置100の製造コストを低減することができる。
また、転舵コントローラ131を第1転舵モータ140Aと第2転舵モータ140Bとの間に配置することにより、各転舵モータ140から転舵コントローラ131までの配線レイアウトを略対称のレイアウトとすることができ、配線レイアウトの簡素化を図ることができる。
<第2実施形態>
図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るパワーステアリング装置200について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、図中、上記第1実施形態で説明した構成と同一の構成または相当する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るパワーステアリング装置200について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、図中、上記第1実施形態で説明した構成と同一の構成または相当する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、第1転舵モータ140Aの第1出力軸171aと、第2転舵モータ140Bの第2出力軸171bと、が単一の軸状部材である出力軸171に設けられる例について説明した。これに対して、第2実施形態では、第1転舵モータ140Aの出力軸である第1出力軸271Aと、第2転舵モータ140Bの出力軸である第2出力軸271Bと、が分離して設けられている。
また、第2実施形態では、第1出力軸271Aと第2出力軸271Bとの間には、第1出力軸271Aと第2出力軸271Bとの連結を解除可能なクラッチ275が設けられる。クラッチ275は電磁クラッチであり、電磁コイルが励磁状態で第1出力軸271Aと第2出力軸271Bを切断し、電磁コイルが非励磁状態で第1出力軸271Aと第2出力軸271Bを機械的に接続する。
つまり、第1転舵モータ140Aの第1出力軸271Aと、第2転舵モータ140Bの第2出力軸271Bと、はクラッチ275によって連結され、一体的に回転可能である。また、クラッチ275によって、第1出力軸271Aと第2出力軸271Bとの連結を解除することができる。このため、転舵コントローラ231から第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bに個別に駆動制御信号を出力することで、第1出力軸271A及び第2出力軸271Bのそれぞれに対して異なるトルクを付与することができる。
さらに、第2実施形態では、転舵コントローラ231が、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの異常を検出する異常検出部235と、異常検出部235によって第1転舵モータ140Aまたは第2転舵モータ140Bの異常が検出されたとき、第1転舵モータ140Aの第1出力軸271Aと第2転舵モータ140Bの第2出力軸271Bとを連結するようにクラッチ275を制御するクラッチ制御部236と、を備える。
転舵コントローラ231には、モータ情報センサ245からの検出情報が入力される。モータ情報センサ245としては、転舵モータ140の温度を検出する温度センサ、転舵モータ140への出力電流を検出する電流センサ及び転舵モータ140への出力電圧を検出する電圧センサ等がある。
異常検出部235は、モータ情報センサ245から入力された検出情報(検出値)が、予め転舵コントローラ231の記憶部237に記憶された所定の数値範囲内にあるか否かを判定する。異常検出部235は、モータ情報センサ245から入力された検出情報(検出値)が、所定の数値範囲外にある場合、その状態が予め転舵コントローラ231の記憶部237に記憶された所定時間以上維持されるか否かを判定する。所定の数値範囲は、転舵モータ140が正常に稼動していることを表す正常範囲である。
モータ情報センサ245で検出された検出情報(検出値)が、所定の数値範囲内にある場合、異常検出部235は、転舵モータ140が正常に稼動している正常状態であると判定する。また、異常検出部235は、モータ情報センサ245で検出された検出情報(検出値)が、所定の数値範囲外にある状態が所定時間未満維持されている間は、正常状態であると判定する。モータ情報センサ245で検出された検出情報(検出値)が、所定の数値範囲外にある状態が所定時間以上維持された場合、異常検出部235は、転舵モータ140が正常に稼動していない異常状態であると判定する。異常状態には、例えば、転舵モータ140を駆動するための駆動制御信号を出力している状態において、転舵モータ140が回転していない停止状態が所定時間以上維持されている状態が含まれる。
クラッチ制御部236は、異常検出部235での判定結果に基づいて、クラッチ275の接続及び切断を制御する。異常検出部235で第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの双方が正常状態であると判定された場合、クラッチ制御部236は、クラッチ275に切断信号を出力し、クラッチ275を切断状態にする。切断状態とは、第1転舵モータ140Aの第1出力軸271Aと、第2転舵モータ140Bの第2出力軸271Bとの連結が解除された状態である。
異常検出部235で第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの少なくとも一方が異常状態であると判定された場合、すなわち異常検出部235で第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの一方の異常が検出された場合、クラッチ制御部236は、クラッチ275に接続信号を出力し、クラッチ275を接続状態にする。接続状態とは、第1転舵モータ140Aの第1出力軸271Aと、第2転舵モータ140Bの第2出力軸271Bとが連結された状態、すなわち第1出力軸271Aと第2出力軸271Bとが一体的に回転可能な状態である。
したがって、クラッチ275は、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bのいずれかに異常が発生した場合(例えば故障により停止した場合)に切断状態から接続状態へ切り換わる。第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bのうちの一方に異常が生じた場合に、クラッチ275によって第1転舵モータ140Aの第1出力軸271Aと第2転舵モータ140Bの第2出力軸271Bとが連結される。したがって、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bのうち、異常が生じていない他方の転舵モータ140の回転力を第1減速機構180A及び第2減速機構180Bの双方を介して、ラック軸8に伝達することができる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、上述の異なる実施形態で説明した構成同士を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせることも可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、転舵コントローラ131,231が、第1転舵モータ140Aと第2転舵モータ140Bとの間に配置される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1転舵モータ140Aが、転舵コントローラ131,231と第2転舵モータ140Bとの間に配置されていてもよいし、第2転舵モータ140Bが、転舵コントローラ131,231と第1転舵モータ140Aとの間に配置されていてもよい。
上記実施形態では、転舵コントローラ131,231が、第1転舵モータ140Aと第2転舵モータ140Bとの間に配置される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1転舵モータ140Aが、転舵コントローラ131,231と第2転舵モータ140Bとの間に配置されていてもよいし、第2転舵モータ140Bが、転舵コントローラ131,231と第1転舵モータ140Aとの間に配置されていてもよい。
<変形例2>
上記実施形態では、第1動力伝達機構及び第2動力伝達機構をウォームシャフト181及びウォームホイール182を有するウォームギヤからなる減速機で構成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。図示しないが、第1動力伝達機構及び第2動力伝達機構として、転舵モータ140の出力軸171に取り付けられる駆動プーリと、ラック軸8に複数のボールを介して螺合されたボールナットと、ボールナットの外周に取り付けられる従動プーリと、駆動プーリと従動プーリとの間に巻き掛けられたベルトと、を有する減速機構を採用してもよい。
上記実施形態では、第1動力伝達機構及び第2動力伝達機構をウォームシャフト181及びウォームホイール182を有するウォームギヤからなる減速機で構成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。図示しないが、第1動力伝達機構及び第2動力伝達機構として、転舵モータ140の出力軸171に取り付けられる駆動プーリと、ラック軸8に複数のボールを介して螺合されたボールナットと、ボールナットの外周に取り付けられる従動プーリと、駆動プーリと従動プーリとの間に巻き掛けられたベルトと、を有する減速機構を採用してもよい。
<変形例3>
第2実施形態では、転舵コントローラ231が異常検出部235及びクラッチ制御部236を備える例について説明したが、本発明はこれに限定されない。異常検出部235及びクラッチ制御部236としての機能は、転舵コントローラ231とは別のコントローラが有していてもよい。
第2実施形態では、転舵コントローラ231が異常検出部235及びクラッチ制御部236を備える例について説明したが、本発明はこれに限定されない。異常検出部235及びクラッチ制御部236としての機能は、転舵コントローラ231とは別のコントローラが有していてもよい。
<変形例4>
第2実施形態において、クラッチ275の接続と切断を切り換える手動スイッチをさらに設けてもよい。この場合、手動スイッチは、異常検出部235により第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの双方が正常状態であると判定されている間のみ機能する。クラッチ制御部236は、異常検出部235により第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの双方が正常状態であると判定されている場合において、手動スイッチによりクラッチ275を接続する操作が行われたときには、手動スイッチの操作を優先してクラッチ275を接続状態にする。一方、クラッチ制御部236は、手動スイッチによりクラッチ275を切断する操作が行われている場合において、異常検出部235により第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの少なくとも一方が異常状態であると判定されたときには、異常検出部235の判定結果を優先して、クラッチ275を接続状態にする。
第2実施形態において、クラッチ275の接続と切断を切り換える手動スイッチをさらに設けてもよい。この場合、手動スイッチは、異常検出部235により第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの双方が正常状態であると判定されている間のみ機能する。クラッチ制御部236は、異常検出部235により第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの双方が正常状態であると判定されている場合において、手動スイッチによりクラッチ275を接続する操作が行われたときには、手動スイッチの操作を優先してクラッチ275を接続状態にする。一方、クラッチ制御部236は、手動スイッチによりクラッチ275を切断する操作が行われている場合において、異常検出部235により第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの少なくとも一方が異常状態であると判定されたときには、異常検出部235の判定結果を優先して、クラッチ275を接続状態にする。
なお、手動スイッチに代えて、所定の条件に応じて、クラッチ275を接続状態とする接続モードと、クラッチ275を切断状態とする切断モードと、を切り換えるモード設定部を設けてもよい。この場合、モード設定部は、異常検出部235により第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの双方が正常状態であると判定されている間のみ機能する。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、および効果をまとめて説明する。
パワーステアリング装置100,200は、車輪2を転舵するラック軸8を備えたパワーステアリング装置であって、第1モータとしての第1転舵モータ140Aと、第1転舵モータ140Aの回転力をラック軸8に伝達する第1動力伝達機構としての第1減速機構180Aと、第2モータとしての第2転舵モータ140Bと、第2転舵モータ140Bの回転力をラック軸8に伝達する第2動力伝達機構としての第2減速機構180Bと、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの駆動を制御するコントローラである転舵コントローラ131,231と、第1減速機構180Aを収容する第1ケースとしての第1ギヤケース183Aと、第2減速機構180Bを収容する第2ケースとしての第2ギヤケース183Bと、一端部が第1ギヤケース183Aに固定され、他端部が第2ギヤケース183Bに固定されるハウジング110と、を備え、ハウジング110は、第1転舵モータ140Aを収容する第1モータ収容室123A、第2転舵モータ140Bを収容する第2モータ収容室123B、及び、転舵コントローラ131,231を収容するコントローラ収容室132を有する。
この構成では、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bを制御する転舵コントローラ131,231を、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bとともにハウジング110に収容するようにしたので、転舵コントローラ131,231に対する配線をコントローラ収容室132に集約することができる。その結果、転舵コントローラ131,231に対する配線レイアウトを簡素化することができる。
パワーステアリング装置100,200は、第1減速機構180Aに連結される第1転舵モータ140Aの出力軸である第1出力軸171a,271Aと、第2減速機構180Bに連結される第2転舵モータ140Bの出力軸である第2出力軸171b,271Bと、が一体的に回転可能である。
この構成では、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの一方に異常が生じた場合に、異常が生じていない他方のモータの回転力を第1減速機構180A及び第2減速機構180Bの双方を介して、ラック軸8に伝達することができる。
パワーステアリング装置200は、第1転舵モータ140Aの第1出力軸271と第2転舵モータ140Bの第2出力軸271Bとの連結を解除可能なクラッチ275をさらに備える。
この構成では、クラッチ275によって、第1転舵モータ140Aの第1出力軸271Aと第2転舵モータ140Bの第2出力軸271Bとを連結して、第1転舵モータ140Aの第1出力軸271Aと第2転舵モータ140Bの第2出力軸271Bとを一体的に回転させることができる。また、第1転舵モータ140Aの第1出力軸271Aと第2転舵モータ140Bの第2出力軸271Bとの連結を解除して、第1転舵モータ140Aの第1出力軸271A及び第2転舵モータ140Bの第2出力軸271Bのそれぞれに対して異なるトルクを付与することができる。
パワーステアリング装置200は、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bの異常を検出する異常検出部235と、異常検出部235によって第1転舵モータ140Aまたは第2転舵モータ140Bの異常が検出されたとき、第1転舵モータ140Aの第1出力軸271Aと第2転舵モータ140Bの第2出力軸271Bとを連結するようにクラッチ275を制御するクラッチ制御部236と、をさらに備える。
この構成では、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bのうちの一方に異常が生じた場合に、クラッチ275によって第1転舵モータ140Aの第1出力軸271Aと第2転舵モータ140Bの第2出力軸271Bとが連結されるので、異常が生じていない他方のモータの回転力を第1減速機構180A及び第2減速機構180Bの双方を介して、ラック軸8に伝達することができる。
パワーステアリング装置100は、第1転舵モータ140Aの第1出力軸171a及び第2転舵モータ140Bの第2出力軸171bが、単一の軸状部材である出力軸171によって構成され、出力軸171が、第1転舵モータ140A、転舵コントローラ131及び第2転舵モータ140Bを貫通し、第1転舵モータ140Aを貫通する出力軸171の一端部が、第1転舵モータ140Aの第1出力軸171aとして第1減速機構180Aに連結され、第2転舵モータ140Bを貫通する出力軸171の他端部が、第2転舵モータ140Bの第2出力軸171bとして第2減速機構180Bに連結される。
この構成では、第1転舵モータ140Aの第1出力軸171aと第2転舵モータ140Bの第2出力軸171bとを連結するための構造が不要であるので、パワーステアリング装置100の構成を簡素化することができる。
パワーステアリング装置100,200は、転舵コントローラ131,231が、第1転舵モータ140Aと第2転舵モータ140Bとの間に配置される。
この構成では、第1転舵モータ140A及び第2転舵モータ140Bのそれぞれから転舵コントローラ131,231までの配線レイアウトを略対称のレイアウトとすることができ、配線レイアウトの簡素化を図ることができる。
パワーステアリング装置100は、転舵コントローラ131が、第1転舵モータ140Aに駆動制御信号を出力するとともに第2転舵モータ140Bに上記駆動制御信号を出力する。
この構成では、第1転舵モータ140Aの駆動を制御する第1転舵コントローラと第2転舵モータ140Bの駆動を制御する第2転舵コントローラとを備える場合に比べて、転舵コントローラ131に対する配線数の低減を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
2・・・車輪、8・・・ラック軸、100,200・・・パワーステアリング装置、110・・・ハウジング、123A・・・第1モータ収容室、123B・・・第2モータ収容室、131,231・・・転舵コントローラ(コントローラ)、132・・・コントローラ収容室、140A・・・第1転舵モータ(第1モータ)、140B・・・第2転舵モータ(第2モータ)、171・・・出力軸(軸状部材)、171a,271A・・・第1出力軸、171b,271B・・・第2出力軸、180A・・・第1減速機構、180B・・・第2減速機構、183A・・・第1ギヤケース(第1ケース)、183B・・・第2ギヤケース(第2ケース)、235・・・異常検出部、236・・・クラッチ制御部、275・・・クラッチ
Claims (7)
- 車輪を転舵するラック軸を備えたパワーステアリング装置であって、
第1モータと、
前記第1モータの回転力を前記ラック軸に伝達する第1動力伝達機構と、
第2モータと、
前記第2モータの回転力を前記ラック軸に伝達する第2動力伝達機構と、
前記第1モータ及び前記第2モータの駆動を制御するコントローラと、
前記第1動力伝達機構を収容する第1ケースと、
前記第2動力伝達機構を収容する第2ケースと、
一端部が前記第1ケースに固定され、他端部が前記第2ケースに固定されるハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、前記第1モータを収容する第1モータ収容室、前記第2モータを収容する第2モータ収容室、及び、前記コントローラを収容するコントローラ収容室を有する
ことを特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1動力伝達機構に連結される前記第1モータの出力軸と、前記第2動力伝達機構に連結される前記第2モータの出力軸と、が一体的に回転可能である
ことを特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項2に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1モータの出力軸と前記第2モータの出力軸との連結を解除可能なクラッチをさらに備える
ことを特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項3に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1モータ及び前記第2モータの異常を検出する異常検出部と、
前記異常検出部によって前記第1モータまたは前記第2モータの異常が検出されたとき、前記第1モータの出力軸と前記第2モータの出力軸とを連結するように前記クラッチを制御するクラッチ制御部と、をさらに備える
ことを特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項2に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1モータの出力軸及び前記第2モータの出力軸は、単一の軸状部材によって構成され、
前記軸状部材は、前記第1モータ、前記コントローラ及び前記第2モータを貫通し、
前記第1モータを貫通する前記軸状部材の一端部が、前記第1モータの出力軸として前記第1動力伝達機構に連結され、
前記第2モータを貫通する前記軸状部材の他端部が、前記第2モータの出力軸として前記第2動力伝達機構に連結される
ことを特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のパワーステアリング装置において、
前記コントローラは、前記第1モータと前記第2モータとの間に配置される
ことを特徴とするパワーステアリング装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のパワーステアリング装置において、
前記コントローラは、前記第1モータに駆動制御信号を出力するとともに前記第2モータに前記駆動制御信号を出力する
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
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