JP2005199937A - ステアリング操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 操作部材と、その操作部材に対して操作反力を付与する反力付与装置を備え、ステアバイワイヤ型ステアリングシステムに用いられるステアリング操作装置のコンパクト化を図る。
【解決手段】 操作反力付与装置22の動力源としてプリントモータのような扁平なモータ130を採用する。さらに、モータ130の回転軸132と操作部材14に連結される主軸110との間にサイクロイド減速機構のような扁平な減速機構150を採用する。このような構造とすることで、操作反力付与装置22は扁平なものとなり、操作反力付与装置22自体のコンパクト化が実現する。そして、操作反力付与装置22を操作部材14に近接させてあるいは内蔵させて配置することにより、ステアリング操作装置20のコンパクト化が実現する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両用ステアリングシステムに用いられる操作装置、詳しくは、ステアバイワイヤ型ステアリングシステムに好適な操作装置に関する。
カーエレクトロニクスの進歩により、最近では、ステアバイワイヤ型のステアリングシステムが検討されている。ステアバイワイヤ型のステアリングシステムは、操作部に設けられたステアリングホイール等の操作部材に加えられる操作力によらず、電気的な制御下、システムが転舵部において備える動力源の動力によって、操作部材の操作に応じた車輪の転舵が行われるようにされたシステムである。このシステムでは、操作部と転舵部とが機械的に分離されていることから、運転者に適切な操作フィーリングを感じさせるため、操作部が有するステアリング操作装置に、操作部材の操作に対する反力である操作反力を付与する装置を設けることが考えられている。操作反力付与装置を備えたステアリング操作装置として、例えば、下記特許文献に記載のものが存在する。
特開2003−226251号公報 特開2003−237612号公報 特開2003−127878号公報
上記特許文献に記載のステアリング操作装置は、例えば、操作反力付与装置が比較的大型でであったり、あるいは、操作反力付与装置を構成するモータが操作部材から離れて設けられたりしていることから、操作装置の小型化という観点からは充分なものとはいえない。そこで本発明は、そのような実情に鑑み、ステアバイワイヤ型ステアリングシステムに用いられるステアリング操作装置のコンパクト化を課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のステアリング操作装置は、運転者によって回転操作される操作部材に入力される操作力によらず、自身が備える動力源の動力によって操作部材の操作に応じた車輪の転舵を行うステアリングシステムに用いられるステアリング操作装置であって、(A)操作部材と、(B)(a)その操作部材にそれの運転者とは反対側において隣接する状態で、あるいは、自身の少なくとも一部が操作部材に内蔵される状態で配置されたハウジングと、(b)そのハウジング内に設けられた扁平なモータと、(c)そのハウジングに回転可能に保持されるとともにモータの回転軸線と同軸的に配置されてそのモータの回転によって回転する出力軸とを備え、前記モータの回転力によって前記操作部材に対して操作反力を付与する操作反力付与装置とを備えたことを特徴とする。
上記本発明のステアリング操作装置は、簡単に言えば、ステアリングホイール等の操作部材に近接したあるいは内蔵された状態で操作反力付与装置を設け、その操作反力付与装置の動力源となるモータに扁平モータを採用するともに、そのモータと操作部材とを同軸的に配置するように構成されている。このような構成とすることで、ステアバイワイヤ型ステアリングシステムにおけるステアリング操作装置のコンパクト化が実現される。なお、本発明の作用および効果については、以下の〔発明の態様〕の項において、さらに詳しく説明する。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項と(2)項と(10)項とを合わせたものが請求項1に相当し、請求項1に(11)項の限定を加えたものが請求項2に、請求項1または2に(6)項の限定を加えたものが請求項3に,(7)項の限定を加えたものが請求項4に、請求項4に(8)項および(9)項の限定を加えたものが請求項5に、それぞれ相当する。また、請求項1ないし5のいずれかに(15)項の限定を加えたものが請求項6に、請求項6に(19)項の限定を加えたものが請求項7に、請求項1ないし7のいずれかに(13)項および(14)項の限定を加えたものが請求項8に、それぞれ相当する。
(1)運転者によって回転操作される操作部材に入力される操作力によらず、自身が備える動力源の動力によって前記操作部材の操作に応じた車輪の転舵を行うステアリングシステムに用いられるステアリング操作装置であって、
前記操作部材と、
ハウジングと、そのハウジング内に設けられたモータと、そのハウジングに回転可能に保持されるとともに前記モータの回転軸線と同軸的に配置されてそのモータの回転によって回転する出力軸とを備え、前記モータの回転力によって前記操作部材に対して操作反力を付与する操作反力付与装置と
を備えたステアリング操作装置。
本項に記載の態様は、操作反力付与装置自体がコンパクトなものとされた態様である。モータを動力源とする操作反力付与装置の場合、例えば、減速機構を介して出力軸を回転させるように構成することができるが、そのような場合において、本項の態様のように、モータと出力軸とを同軸的に配置すれば、操作反力付与装置の小型化が可能である。なお、本項に記載の態様は、モータの回転軸と出力軸との間に減速機構が介在するような態様のみならず、モータの回転軸と出力軸とが一体化したような態様、平たく言えば、モータが操作部材に直結したような態様も含まれる。
(2)前記操作反力付与装置が、前記ハウジングが前記操作部材にそれの運転者とは反対側において隣接する状態で、あるいは、前記ハウジングの少なくとも一部が前記操作部材に内蔵される状態で配置された(1)項に記載のステアリング操作装置。
(3)前記操作反力付与装置が、前記ハウジングが前記操作部材にそれの運転者とは反対側において隣接する状態で配置された(2)項に記載のステアリング操作装置。
(4)前記操作反力付与装置が、前記ハウジングの少なくとも一部が前記操作部材に内蔵される状態で配置された(2)項に記載のステアリング操作装置。
上記3つの項に記載の態様は、操作部材と操作反力付与装置との配置に関する限定を加えた態様であり、いずれの態様も、ステアリング操作装置をコンパクトにすることが可能である。上記態様における「ハウジングが操作部材にそれの運転者とは反対側において隣接する状態」とは、例えば、ステアリングホイールの背面側(車両前方側)に、操作反力付与装置(厳密には、ハウジングから突出する出力軸を除く部分)を近接させた態様が含まれる。コンパクトという目的に鑑みれば、操作部材の回転軸線方向において、操作部材と操作反力付与装置との間隔が30mm以下であることが望ましく、さらには、10mm以下であることが望ましい。また、「ハウジングの少なくとも一部が操作部材に内蔵される状態」とは、例えば、操作部材の輪郭によって区画される空間内に操作反力付与装置の少なくとも一部が内在するといった態様が含まれる。例えば、操作部材としてのステアリングホイールは、操作輪部とそれを支持する支持部(例えば、ホーンスイッチ,エアバッグ等が組み込まれている中央の部分)とを含んで構成されるものが一般的であり、その支持部に操作反力付与装置が組み込まれるような態様である。操作部材に内蔵させる場合、操作部材の回転軸線方向における背面側の端部よりもハウジングが突出しないように操作反力付与装置を配置すれば、よりコンパクトな、ステアリング操作装置が実現する。
(5)前記ハウジングと前記出力軸との一方が、前記操作部材と相対回転不能に連結され、前記ハウジングと前記出力軸との他方が、車体に固定的に保持される(1)項ないし(4)項のいずれかに記載のステアリング操作装置。
(6)前記ハウジングが前記操作部材と相対回転不能に連結されかつ前記出力軸が車体に固定的に保持される(5)項に記載のステアリング操作装置。
(7)前記出力軸が前記操作部材と相対回転不能に連結されかつ前記ハウジングが車体に固定的に保持される(5)項に記載のステアリング操作装置。
上記3つの項は、操作反力付与装置の操作部材との連結および車体への固定に関する限定を加えた態様である。車体に固定的に保持される場合、例えば、インストゥルメントパネルに直接取り付けられる態様であってもよく、また、インストゥルメントパネルからあるいは車体の他の部分からブラケット等の保持部材を延び出させ、そのブラケットに固定されるものであってもよい。なお、ハウジングを操作部材に固定する態様は、前述したところの操作反力付与装置を操作部材に内蔵させる態様において、特に有効である。
(8)前記出力軸が、自身の回転をステアリングシステムを構成する転舵装置に出力するための回転出力部を有する(7)項に記載のステアリング操作装置。
(9)前記操作反力付与装置が、前記モータの回転軸が中空軸とされるとともに前記出力軸がその回転軸に挿通する状態で配置され、
前記出力軸が、前記モータの前記操作部材とは反対側において、前記回転出力部を有する(8)項に記載のステアリング操作装置。
ステアバイワイヤ型のステアリングシステムでは、原則的には、操作部材への操作力を転舵部に備わる転舵装置に伝達する必要はない。しかし、フェールセーフの観点から、制御システムの失陥等の場合には、上記操作力により転舵可能なシステムとすることが望ましい。上記2つの項に記載の態様は、操作部材の操作力を転舵装置に伝達可能なステアリング操作装置に関するものである。回転出力部を備える場合、上記2つの項における後者の態様を採用すれば、ステアリング操作装置をよりコンパクトにしつつ、回転出力部を設けることが可能である。なお、操作力の伝達は、例えば、クラッチ機構等を介することによって選択的に行い得る態様とすることができる。また、伝達手段は、シャフト,ケーブル,ベルト等、種々の手段を採用することが可能であり、それら手段のうちの採用するものに応じた適当な回転出力部を設ければよい。
(10)前記モータが扁平な(1)項ないし(9)項のいずれかに記載のステアリング操作装置。
(11)前記モータがプリントモータである(10)項に記載のステアリング操作装置。
(12)前記ハウジングが扁平なものとされた(10)項または(11)項に記載のステアリング操作装置。
上記3つの項に記載の態様は、操作反力付与装置自体のコンパクト化が図れる態様である。操作反力付与装置の動力源であるモータに扁平モータを採用すれば、出力軸の軸線方向,操作部材の回転軸線方向におけるステアリング操作装置の寸法を小さくできる。具体的には、回転軸線方向の寸法が、径方向の寸法の1/3以下,さらには、1/5以下であるような扁平モータを採用することが望ましい。扁平モータの具体的な種類に関して言えば、プリントモータを採用すれば、かなりコンパクトな操作反力付与装置が実現する。プリントモータは、ディスク状の電機子をロータとするモータであり、そのロータは、例えば、コイル線を形成するように打ち抜かれた銅薄板が絶縁板を介して積層され、形成されたコイル線のいくつかのものどうしが電気な導通を確保されることで、平板に形成されたコイルを有する構造とされている。このような構造のロータの少なくとも一方の面に永久磁石等から構成されるステータを近接させて対向させることで、プリントモータは、扁平なモータとされている。扁平モータを採用することで、操作反力付与装置をも扁平なものとすることが可能なのである。操作反力付与装置を扁平なものとする場合、そのハウジングの軸線方向の寸法が、径方向の寸法の1/2以下、さらには、1/3以下であることが望ましい。
(13)前記モータが、回転軸を共通とする複数のモータが複合化されたものである(1)項ないし(12)項のいずれかに記載のステアリング操作装置。
(14)前記複数のモータが、互いに別系統とされたことで、冗長化された(13)項に記載のステアリング操作装置。
上記2つの項に記載の態様は、モータの複合化に対する限定を加えた態様である。複数のモータを複合化させれば、大きな操作反力を付与可能な装置が実現する。扁平モータを採用する場合、それらを軸線方向に並べて配置すれば、操作反力付与装置のハウジングは比較的小さなものとなるため、複数のモータが配備された態様であっても、コンパクトな反力付与装置となる。プリントモータを採用するような場合、ディスク状のロータを1つの回転軸に並べて固定することにより、容易に複合化できる。上記2つの態様における後者には、例えば、複数のモータ(複数のロータ)の各々に対して、別の電源から、あるいは、同じ電源であっても別配線によって給電するような態様が含まれる。例えば、1つの電源あるいは1つのモータが失陥したような場合においても、他のモータの駆動力は維持されるため、維持されている駆動力によって操作反力を付与することが可能である。このようにモータを冗長化させれば、フェールセーフの点において優れた操作反力付与装置が実現する。
(15)前記操作反力付与装置が、前記モータの回転軸の回転を減速して前記出力軸に伝達する減速機構を有する(1)項ないし(14)項のいずれかに記載のステアリング操作装置。
(16)前記回転軸が中空軸とされ、前記出力軸がその回転軸に挿通する状態で配置された(15)項に記載のステアリング操作装置。
上記2つの項に記載された態様のように、減速機構を介してモータの回転軸と出力軸とを連結させれば、小さな出力のモータでも大きな操作反力が付与可能であるため、モータの小型化によって操作反力付与装置のコンパクト化が可能である。その場合、モータの回転軸を出力軸が挿通する状態で両者を同軸的に配置すれば、操作反力付与装置の軸線方向における寸法をより小さくでき、よりコンパクトな操作反力付与装置が実現する。なお、モータの小型化に鑑みれば、減速機構の減速比は大きくすることが望ましく、具体的には、30:1以上、さらには、50:1以上とすることが望ましい。
(17)前記減速機構がストレイン・ウェーブ・ギヤリング機構である(15)項または(16)項に記載のステアリング操作装置。
(18)前記ストレイン・ウェーブ・ギヤリング機構が、
前記出力軸と同軸的に前記ハウジングに対して固定的に設けられた第1リングギヤと、 その第1リングギヤと同軸的に前記出力軸に固定して設けられ、第1リングギヤとは歯数の異なる第2リングギヤと、
前記第1リングギヤと前記第2リングギヤとの両者に噛合するフレキシブルギヤと、
外周部が楕円状をなすカムとして構成され、その外周部に前記フレキシブルギヤが装着されるとともに、前記モータの回転軸に相対回転不能に連結された波動発生器と
を含んで構成された(17)項に記載のステアリング操作装置。
上記2つの項に記載の態様は、減速機構をストレイン・ウェーブ・ギヤリング機構に限定した態様である。ストレイン・ウェーブ・ギヤリング機構は、いわゆるハーモニックドライブ機構とも呼ばれる減速機構である。2つの項のうちの後者は、構造をさらに具体的に限定した態様に関するものである。ストレイン・ウェーブ・ギヤリング機構は、比較的大きな減速比が得られるわりにはコンパクトな減速機構である。特に、軸線方向の寸法を小さくすることが可能である。この減速機構を採用すれば、操作反力付与装置をよりコンパクトにすることが可能である。
(19)前記減速機構がサイクロイド減速機構である(15)項または(16)項に記載のステアリング操作装置。
(20)前記サイクロイド減速機構が、
前記ハウジングに対して固定的に設けられたリングギヤと、
外周部にそのリングギヤより少ない歯数の歯が形成されてそのリングギヤに噛合する遊星ギヤと、
前記モータの回転軸に相対回転不能に連結され、その回転軸に対して偏心する外周部に相対回転可能に前記遊星ギヤを保持してその遊星ギヤに遊星運動をさせる偏心軸と、
前記出力軸に相対回転不能に固定されるとともに前記遊星ギヤと係合させられ、前記出力軸を前記遊星ギヤの自転に応じて回転させる係合体と
を含んで構成された(19)項に記載のステアリング操作装置。
上記2つの項に記載の態様は、減速機構をサイクロイド減速機構に限定した態様である。2つの項のうちの後者は、具体的な構造をさらに限定した態様に関するものである。サイクロイド減速機構は、上記ストレイン・ウェーブ・ギヤリング機構と同様に、比較的大きな減速比が得られるわりにはコンパクトな構造の減速機構であり、同様に、軸線方向の寸法を小さくすることが可能である。この減速機構を採用すれば、操作反力付与装置をよりコンパクトにすることが可能である。なお、サイクロイド減速機構は、ストレイン・ウェーブ・ギヤリンク機構と比較して、安価であるという利点をも有する。
以下、本発明のいくつかの実施例およびその変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<第1実施例>
図1に、本発明の第1実施例のステアリング操作装置が配備されたステアバイワイヤ型ステアリングシステムを模式的に示す。本システムは、操作部10と、転舵部12とが機械的に分離され、操作部材としてのステアリングホイール14に加えられる操作力によらずに、転舵部12に設けられた動力源の動力によって転舵車輪16(以下、単に「車輪16」という場合がある)を転舵するステアリングシステムである。なお、本システムでは、フェール時等に操作部材14に加えられる操作力による車輪16の転舵を可能とすべく、その操作力を伝達する機構を含んで操作部10と転舵部12とを連結する連結部18をも備えている。
操作部10は、本発明の第1実施例であるステアリング操作装置20(以下、単に「操作装置20」という場合がある)を主体として構成されている。操作装置20は、運転者によって回転操作されるステアリングホイール14と、ステアリングホイール14に対して操作反力を付与する操作反力付与装置22とを備え、インストゥルメントパネルから延び出す保持ブラケット24に保持されることにより、車体に対して固定的に設けられている。なお、後に詳しく説明するが、操作装置20は、ステアリングホイール14の操作量(操作角)を検出するためのセンサとしての機能を有している。
転舵部12は、車体に固定されて転舵ロッド30を軸方向に往復移動させる転舵装置32を主体として構成されている。内部の図示は省略するが、転舵装置32は、動力源としての転舵モータを備えてており、転舵ロッド30に形成されたボールねじに噛合するボールナットをその転舵モータによって回転駆動することにより、転舵ロッド30が軸方向に移動させられる構造とされている。転舵ロッド30の両端の各々は、ボールジョイント34を介して、タイロッド36の一端部に連結され、タイロッド36の他端部は、もう一種のボールジョイント38を介して、車輪16を回転可能に保持するステアリングナックル40の一部分であるナックルアーム42に連結されている。このような連結構造により、転舵ロッド30が軸方向に移動させられることで、車輪16が転舵されるのである。なお、転舵装置32は、転舵ロッド30の移動量(転舵量の一種である)を検出するセンサとしての機能を有している。
本ステアリングシステムは、自身が備えるステアリング電子制御ユニット50(ステアリングECU、以下、単に「ECU50」という場合がある)によって制御される。ECU50は、コンピュータ、各種モータ,各種アクチュエータ等のドライバ等を含んで構成されている。ECU50は、操作装置20によって検出されたステアリングホイール14の操作量に関する信号θ、および、転舵装置32によって検出された転舵ロッド30の移動量に関する信号δを入手し、それらに基づいて、車輪16の転舵量がステアリングホイール14の操作量に応じた量となるように、転舵装置32が備える転舵モータを制御駆動する。また、ECU50は、操作量に応じた操作反力をステアリングホイール14に付与するように、後に説明する操作反力付与装置22が備える反力付与モータを制御駆動する。これにより、運転者に適切な操作フィーリングが与えられることになる。
本ステアリングシステムは、車速感応式ステアリングシステムであり、車体速度が速い場合には、ステアリング操作を重くするために、車体速度に応じて操作反力を増加させる機能を有しており、ECU50は、そのための制御をも行う。車両には、転舵車輪16を含む各車輪に対して、車輪回転速度を検出する車輪速センサ52が設けられており(図では、1つの車輪に対するもののみを示しており、他の車輪に対するものは省略されている)、ECU40は、各車輪速センサ52によって検出された各車輪の車輪回転速度に関する信号vを入手し、それらから車体速度を求めることができるようになっている。ECU50は、求められた車体速度に基づいて、反力付与モータを制御駆動する。それにより、ステアリングホイール14には、車体速度に依拠した操作反力の増加分が付与されることになる。
連結部18は、ステアリングホイール14に加えられる操作力を転舵装置32に伝達する操作力伝達装置60を主体として構成されている。操作力伝達装置60は、操作装置20側および転舵装置32側の2つの伝達機構を有し、それらが連結可能となるように構成されている。操作装置20側の伝達機構は、後に説明するステアリングホイール14への操作力を回転力として出力する出力プーリ,出力プーリの回転力が入力される入力プーリ62,出力プーリと入力プーリ62とに捲き掛けられて回転力を伝達する第1ケーブル64等を含んで構成され、転舵装置32側の伝達機構は、入力プーリ62の回転力を転舵装置32に出力するための出力ローラ66,転舵装置32に設けられて出力ローラ66の回転力が入力される入力ローラ68,出力ローラ66と入力ローラ68とに捲き掛けられて回転力を伝達する第2ケーブル70等を含んで構成されている。なお、第1ケーブル64,第2ケーブル70は、真っ直ぐに延びる状態とはされないため、回転伝達を担保するために、それぞれ、ガイドチューブ72,74にガイドされている。入力プーリ62と出力ローラ66との間には、それらの連結状態と連結解除状態とを選択的に切り換える電磁クラッチ76が設けられており、電磁クラッチ76は、消磁状態において入力プーリ62と出力ローラ66とを連結し、励磁状態においてその連結を解除するものとされている。また、転舵ロッド30にはラックが形成されるとともに、入力ローラ68がラックに噛合するピニオンが設けられることによって、転舵装置32は、ラックアンドピニオン機構を有するものとされており、入力ローラ68が回転させられることによって、車輪16が転舵させられるのである。通常状態においては、電磁クラッチ76は励磁状態とされるが、電子制御ユニット50が失陥したような場合には、電磁クラッチ76が消磁状態とされ、ステアリングホイール14に加えられる操作力によって車輪16が転舵可能となる。
図2に、本実施例のステアリング操作装置20の車両左側からの側面視を示す。また、図3に、操作装置20の要部の回転軸線を含む鉛直面での断面を、図4に、操作装置20を構成する操作反力付与装置22の回転軸線に直角な面での断面を、それぞれ示す。なお、図4において、左半分には、図3におけるA−A断面が、右半分には、A'−A'断面が、それぞれ表されている。これらの図を参照しつつ、ステアリング操作装置20の構造を、以下に説明する。
ステアリング操作装置20は、先に説明したように、主に、操作部材であるステアリングホイール14と、操作反力付与装置22とを含んで構成されている。操作反力付与装置22は、外形が概ね短い円筒形状をなすハウジング90を有している。ハウジング90は、4つのピースに分割されている。4つのピースは、それぞれ、車両後方側(ステアリングホイール14側)に位置させられる後方側本体92,後方側本体92の車両前方側に位置させられる前方側本体94,後方側本体92と前方側本体94とに挟持されてそれらによって区画される室内をさらに2つに区画する区画壁96,前方側本体94の前方端の蓋として機能する前端蓋98であり、それらが組み合わされて、1つのハウジング90を構成している。なお、以下の説明において、各ピースを個別に扱う場合を除いて、それらをハウジング90と総称するものとする。
ハウジング90は、組み合わされた状態で保持ブラケット24に取り付けられる。保持ブラケット24は、中空とされているが、ハウジング90の外形に応じた開口が設けられており、ハウジング90は、その開口を塞ぐような状態で取り付けられる。上記4つのピースの締結およびハウジング90の保持ブラケット24への固定は、締結材である3つの締結ボルト100によってなされている。詳しく説明すれば、後方側本体92,前方側本体94,前端蓋98の各々の外周部に設けられた3つの締結部の締結穴の各々に締結ボルト100を貫通させ、それら締結ボルト100を保持ブラケット24に設けられた取付座に形成された雌ねじ穴に螺合させることによって、4つのピースが締結されるとともに、ハウジング90が保持ブラケット24に締結されるのである。
操作反力付与装置22は、自身の出力軸としての主軸110を有しており、その主軸110は、ハウジング90に回転可能に保持されている。詳しく言えば、後方側本体92,前方側本体94の各々の中央には軸穴が設けられており、後方側本体92の軸穴において、減速機構(後述する)を構成する出力ディスク114のボス部,トレランスリング116,軸受118を介して、また、前方側本体94の軸穴において、軸受120を介して、それぞれ回転可能に保持されている。主軸110は、両端部がハウジング90から延び出しており、後端部において、ステアリングホイール14が相対回転不能に取り付けられる。詳しく説明すれば、ステアリングホイール14は、操作輪部122と、スポーク124とボス126とが一体化された支持部128とから構成されており、ボス126に設けられた嵌合穴に主軸110の後端部がセレーション嵌合されているのである。
操作反力付与装置22は、動力源としての扁平な反力付与モータ130(以下、単に「モータ130」と略す場合がある)を有している。モータ130は、プリントモータであり、中空の回転軸であるモータ軸132と、モータ軸132の外周においてそれと相対回転不能に設けられたロータとしての円板状のロータディスク134と、ステータとしてのドーナツ状の永久磁石136と、ロータディスク134に給電するためのブラシ138を含んで構成されている。モータ軸132は、主軸110を自身に挿通させる状態で、軸受140を介して主軸110に相対回転可能に支持されている。ロータディスク134は、一般的なプリントモータが備えるものと同様のものであるため説明は簡単なものに留めるが、コイル線を形成するように打ち抜かれた銅薄板が絶縁板を介して積層され、形成されたコイル線のいくつかのものどうしが電気な導通を確保されることで、平板に形成されたコイルを有する構造とされている。永久磁石136も、一般のプリントモータに採用されるものと同様に、周方向にN極,S極が交互に存在するように着磁されたものである。永久磁石136は、ハウジング90の前方側本体94に一方の側面において支持され、他方の側面をロータディスク134の一方の面に近接して対向させるように配置されている。ブラシ138は、周方向に2つ設けられており、それぞれが、ロータディスク134の表面に形成されたコイル線の一部分をコミュテータとして、ロータディスク134への通電を行うようにされている。
また、操作反力付与装置22は、減速機構150を有している。この減速機構150は、サイクロイド減速機構であり、モータ軸132に相対回転不能に連結支持された偏心軸152と、偏心軸152の外周部に軸受154を介して相対回転可能に支持された遊星ギヤ156と、ハウジング90の後方側本体92に固定的に設けられて遊星ギヤ156と噛合する内歯が形成されたリングギヤ158と、先に説明したところの、ボス部において後方側本体92に軸受118を介して回転可能に支持されるとともに遊星ギヤ156と係合する係合体としての出力ディスク114とを含んで構成されている。
より詳しく説明すれば、減速機構150は以下のようである。図4に示すように、偏心軸152は内周と外周とが偏心しており、モータ軸132が回転することにより、遊星ギヤ156がリングギヤ158と噛合する状態で公転させられることになる。遊星ギヤ156の歯数が60とされ、リングギヤ158の歯数が61とされていることから、遊星ギヤ156は、モータ軸132の1回転によって1公転させられた場合に(図4における白抜き矢印参照)、1歯分自転させられる(同黒塗矢印参照)。遊星ギヤ158には、1円周上に6つの係合穴162が穿設されており、一方、出力ディスク114には、それぞれがそれら係合穴162の各々に嵌るような状態で、6本の係合ピン164が1円周上に立設されている。係合穴162と係合ピン164とは、偏心軸152の偏心量に相当する遊隙を有して嵌合するようにされていることから、出力ディスク114は、遊星ギヤ156の自転に応じて回転させられることになる(同破線矢印参照)。つまり、減速機構150は、比較的大きな減速比の下、モータ130の回転力を出力ディスク114の回転力として伝達するように構成されているのである。
先に説明したように、出力ディスク114のボス部の内周側には、トレランスリング116を介して、主軸110が支持されていることから、出力ディスク114の回転力は、主軸110の回転力として、ひいては、ステアリングホイール14の回転力として伝達される。主軸110は、ステアリングホイール14の回転軸となっているため、ステアリングホイール14の回転操作によって回転させられるが、モータ130および減速機構150により、その回転を阻止する方向の回転力が加えられることで、ステアリングホイール14の操作に対する操作反力が付与されるのである。モータ130の回転力を制御することにより、つまり、モータ130への供給電流を制御することにより、任意の大きさの操作反力が付与されることになる。なお、操作力が異常に大きい場合等には、トレランスリング116の働きにより、主軸110と出力ディスクとは、相対回転が許容される。また、本操作装置20では、左右の転舵に対して、概ね180゜ステアリングホイール14が回転操作されるようにされているが、その操作ストロークのエンドにおいて、大きな操作反力を付与するようにモータ130の回転力が制御される。つまり、操作反力付与装置22は、ストロークエンドのストッパとしての機能をも果たすものとなっている。このような機能を果たすことができるのも、減速機構150が大きな減速比を有する所以である。
また、操作反力付与装置22は、ハウジング90内の前方側本体94と前端蓋98とによって区画された空間に、光学式のロータリエンコーダ170(以下、単に「エンコーダ170」と略す場合がある)が設けられている。エンコーダ170は、スリットが設けられて主軸110に相対回転不能に支持されたコード円板172と、コード円板172の一方の面と対向する状態で前端蓋98に固定された発光器174と、コード円板172の他方の面と対向する状態で前方側本体94に固定されてスリットからの透過光を検出する検出器176とを含んで構成されている。このエンコーダ170は、アブソリュート型のものであり、ステアリングホイール14の操作量を検出するためのセンサとして機能する。
さらに、主軸110には、ハウジング90から保持ブラケット24の内部空間に延び出している部分に、前述の出力プーリ180が相対回転不能に取り付けられている。出力プーリ180には、前述した第1ケーブル64が捲き掛けられており、ステアリングホイール14の操作によって主軸110が回転させられることで、出力プーリ180が回転させられ、先に説明したように、ステアリングホイール14の操作力が転舵装置32に伝達されるようになっている。つまり、主軸110の出力プーリ180が設けられている部分が、主軸110の回転を転舵装置32に出力する回転出力部として機能するものとされているのである。
上記構造であるが故、本ステアリング操作装置20は、コンパクトなものとされている。詳しく言えば、例えば、操作反力付与装置22は、扁平な形状とされている。図3を参照しつつ具体的に説明すれば、ハウジング90の軸方向寸法Lは、径寸法Q(最も大きな半径寸法の2倍)の1/3以下とされている。このことは、モータ130および減速機構150が扁平な構造とされたことによって実現されている。ちなみに、モータ130の寸法に関して言えば、操作反力付与装置22におけるモータ130の部分の軸方向寸法Lm(前方側本体94の軸穴の前端と区画壁96の後端との距離)は、径寸法Qの1/5以下とされており、また、減速機構150の寸法に関して言えば、操作反力付与装置22における減速機構150の部分の軸方向寸法Lg(区画壁96の後端と後方側本体92の後端との距離)は、径寸法Qの1/8以下とされている。さらに、ステアリングホイール14とハウジング90とが隣接していることも、ステアリング操作装置20のコンパクト化に貢献している。ちなみに、ステアリングホイール14とハウジングとの間隔Gは5mm以下とされており、両者はかなり近接する状態となっている。
<第2実施例>
図5に、第2実施例のステアリング操作装置200(以下、単に「操作装置200」と略す場合がある)の車両左側からの側面視を示す。また、図6に、操作装置200の要部の回転軸線を含む鉛直面での断面を、図7に、操作装置200の回転軸線に直角な面での断面を、それぞれ示す。なお、図7は、図6におけるB−B断面である。本操作装置200が用いられるステアリングシステムは、図1に示すステアリングシステムと同様のものである。ただし、操作反力付与装置202は、回転出力部を有していないため、図1に示すシステムにおいて連結部18を取り除いたシステムとなる。他の部分については、同様であるため、ステアリングシステムの構成に関する説明は省略する。以下に、ステアリング操作装置200の構造についての説明を行うが、第1実施例のステアリング操作装置20と同じあるいは同種の構成要素については、同じ符号を採用する場合があり、また、それらの説明は、省略するあるいは簡略に行う場合がある。
本実施例のステアリング操作装置200は、操作部材であるステアリングホイール14と、操作反力付与装置202とを含んで構成されている。ステアリングホイール14は、主に、操作輪部122と支持部204とからなり、支持部204は、車両後方側に開口する有底円筒形状の容器体206と、容器体206の外周部と操作輪部122とを繋ぐ4本のスポーク208とが接合された構造となっている。この容器体206の内部に、操作反力付与装置200が、詳しくは、それのハウジング210が固定されて収容されることで、ステアリングホイール14は、操作反力付与装置202を内蔵するものとされている。
操作反力付与装置202のハウジング210は、外形が概ね短い円筒形状をなしており、分割可能な3つのピースが締結されて構成される。3つのピースは、それぞれ、車両後方側に位置させられる後方側体212,車両前方側に位置させられる前方側体214,後方側体212と前方側体214との間に位置させられる中間体216であり、ハウジング210は、それらが組み合わされた状態で、ステアリングホイール14の容器体206の内部に、固定して取り付けられる。3つのピースの締結およびハウジング210の固定は、締結材である3つの締結ボルト100によってなされている。
操作反力付与装置202は、自身の出力軸としての主軸220を有しており、その主軸220は、ハウジング210に回転可能に保持されている。詳しく言えば、後方側体212,前方側体214の各々の中央には、それぞれ軸穴,保持穴が設けられており、後方側体212の軸穴において、軸受222を介して、また、前方側体214の保持穴において減速機構(後述する)を構成するドリブンギヤ224,トレランスリング116,軸受226を介して、それぞれ回転可能に保持されている。主軸220は、前方側の端部がハウジング210から延び出しており、その前端部において、保持ブラケット24に、相対回転不能に取り付けられる。詳しくは、前端部が保持ブラケット24に設けられた取付穴にセレーション嵌合されるのである。上記のような構造により、本ステアリング操作装置200では、第1実施例の操作装置20とは逆に、操作反力付与装置202のハウジング210がステアリングホイール14と相対回転不能に連結され、主軸220が車体に対して固定して設けられるものとなっている。
操作反力付与装置202は、動力源としての扁平な反力付与モータ230(以下、単に「モータ230」と略す場合がある)を有している。このモータ230も、プリントモータであるが、第1実施例の操作装置20におけるモータ130と異なり2つのロータを備えている。詳しく言えば、主軸220を挿通させてその主軸220に軸受232を介して相対回転可能に保持された中空の回転軸であるモータ軸132の外周に、2枚のロータディスク134が間隔を隔てて並設されており、ステータとしての永久磁石136が、外周部をハウジング210に保持される状態で、2枚のロータディスク134の間に配設された構造となっている。各ロータディスク134への通電は、それぞれ、2つのブラシ138によって行われる。2つのロータディスク134は、互いのトルクリップルが打ち消されるように位相をずらして設けられているため、円滑な回転が担保されている。また、2つのロータディスク134への給電は、別系統(電源も別電源とされている)とされているため、一方の失陥によっても、モータとしての機能を喪失することがなく、本モータ230は、信頼性が高いモータとされている。つまり、本モータ230は、冗長化されたモータとされているのである。
操作反力付与装置202の有する減速機構240は、第1実施例の操作装置20おける減速機構150とは異なり、ストレイン・ウェーブ・ギヤリング機構である。この減速機構240は、ハウジング210に固定された第1リングギヤであるステータギヤ242と、先に説明したところの主軸110にトレランスリング116を介して保持された第2リングギヤとしてのドリブンギヤ224と、ステータギヤと242とドリブンギヤ224との両者に噛合するフレキシブルギヤ246と、外周部にフレキシブルギヤ246が装着されてモータ軸132に連結支持された波動発生器248とを含んで構成されている。
より詳しく説明すれば、図7に示すように、波動発生器248は、概して楕円状のカムとして機能するものであり、概ね楕円板状をなす支持板250と、支持板250の外周に嵌められたベアリング252とを含んで構成されている。支持板250は、自身の中心に軸穴が設けられており、その軸穴にモータ軸132を嵌入させた状態で、モータ軸132に相対回転不能に連結されている。ベアリング252は、自身のインナレースに支持板252の外周を嵌入させた状態で、支持板250に装着されている。ベアリング252のアウタレースは、比較的薄いものとされることで、可撓性を有するものとされている。フレキシブルギヤ246は、ベアリング252のアウタレースと嵌め合わされている。フレキシブルギヤ246は、外歯が形成された比較的薄い環状のギヤとされていることから、波動発生器248によって楕円状に変形させられるものとなっている。ステータギヤ242およびドリブンギヤ224は互いに同軸的にかつ軸方向に隣接して配置されており、フレキシブルギヤ246の外歯は、それらの両者の内歯と噛合するが、楕円の長軸部分における2箇所でのみ噛合し、短軸部分においてはそれらと完全に離れた状態となる。
ステータギヤ242に形成された内歯の歯数は102であるが、ドリブンギヤ224に形成された内歯の歯数は100とされており、また、フレキシブルギヤ246の外歯の歯数は、ドリブンギヤ224と同じ100とされている。モータ軸132を回転させて波動発生器186を回転させれば、フレキシブルギヤ246は弾性変形し、噛合位置を移動させつつ周回する。ステータギヤ242とドリブンギヤ224との歯数が異なるため、ステータギヤ242とドリブンギヤ224との間には、その歯数の差分に応じた量の回転位相差が生じることになる。具体的には、波動発生器248の1回転あたり2歯分の回転位相差が生じる。より詳しく言えば、図7(ドリブンギヤ224はステータギヤ242の向こう側に隠れている)において、波動発生器248を時計回りに1回転させれば、ドリブンギヤ224は、ステータギヤ242に対して、2歯分反時計回りに回転することになる。つまり、本減速機構240は、比較的大きな減速比の下、モータ230の回転力をドリブンギヤ224の回転力として伝達するものとなっている。
先に説明したように、ドリブンギヤ224は、トレランスリング116を介して、主軸220に支持されていることから、ドリブンギヤ224の回転力は、主軸220とハウジング210の相対回転力として、ひいては、ステアリングホイール14の回転力として伝達される。ステアリングホイール14の回転操作によって、主軸220とハウジング210とは相対回転させられるが、モータ230および減速機構240により、その回転を阻止する方向の回転力が加えられることで、ステアリングホイール14の操作に対する操作反力が付与されるのである。第1実施例の操作装置20の場合と同様、モータ230への供給電流を制御することにより、任意の大きさの操作反力が付与されることになる。なお、トレランスリング116の機能、ステアリングホイール14の操作ストロークのエンドにおけるストッパ機能等については、第1実施例における場合と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、操作反力付与装置202は、ハウジング210内の後方側体212と中間体216とによって区画された空間に、第1実施例におけるものと同様の、コード円板172,発光器174,検出器176とを含んで構成されるロータリエンコーダ170が設けられている。このエンコーダ170は、第1実施例における場合と同様、ステアリングホイール14の操作量を検出するためのセンサとして機能する。
本操作反力付与装置202は、扁平な形状とされてコンパクトであり、それに依拠して、本実施例のステアリング操作装置200も、コンパクトなものとされている。図6を参照しつつ具体的に説明すれば、ハウジング210の軸方向寸法Lは、径寸法Q(最も大きな半径寸法の2倍)の1/2.5以下とされている。このことは、モータ230および減速機構240が扁平な構造とされたことによって実現されている。ちなみに、モータ230の寸法に関して言えば、操作反力付与装置202におけるモータ230の部分の軸方向長Lm(前方側体214および中間体216のブラシ138を保持する部分の外寸法)は、径寸法Qの1/5以下とされており、また、減速機構240の寸法に関して言えば、操作反力付与装置202における減速機構240の部分の軸方向長Lg(モータ230の前方側の寸法)は、径寸法Qの1/10以下とされている。さらに、ハウジング210が、ステアリングホイール14から車両前方側に飛び出すことなく内蔵されていることで、ステアリング操作装置200の軸方向における全体寸法もかなり小さくなっている。
<他の実施例>
本発明のステアリング操作装置は、上記2つの実施例のものに限定されるものではない。上記2つの実施例は、〔発明の態様〕の項において記載されている各種の技術的特徴のうちのいくつかのものを選択的に組み合わせて採用したものであり、それらとは異なる組合せで採用することも可能である。具体的には、例えば、第1実施例の操作装置では、モータが冗長化されていないが、複数のロータを備えさせて冗長化させることもでき、逆に、第2実施例の操作装置において、1つのロータのみを備えるモータを採用することもできる。また、例えば、第1実施例の操作装置では、減速機構として、サイクロイド減速機構を採用しているが、これに代え、ストレイン・ウェーブ・ギヤリング機構を採用することも可能であり、逆に、第2実施例の操作装置において、サイクロイド減速機構を採用することも可能である。なお、上記実施例において、操作部材であるステアリングホイールは、比較的簡単な構造のものとされているが、例えば、ホーンスイッチ,エアバッグ装置等を装備させることも可能である。
第1実施例のステアリング操作装置が配備されたステアバイワイヤ型ステアリングシステムを示す模式図である。 第1実施例のステアリング操作装置を示す車両左側からの側面図である。 第1実施例のステアリング操作装置の要部を示す回転軸線を含む鉛直面での断面図である。 第1実施例のステアリング操作装置を構成する反力付与装置の回転軸線に直角な面での断面図である。 第2実施例のステアリング操作装置を示す車両左側からの側面図である。 第2実施例のステアリング操作装置の要部を示す回転軸線を含む鉛直面での断面図である。 第2実施例のステアリング操作装置の回転軸線に直角な面での断面図である。
符号の説明
10:操作部 12:転舵部 14:ステアリングホイール 16:転舵車輪 18:連結部 20:ステアリング操作装置 22:操作反力付与装置 24:保持ブラケット 32:転舵装置 50:電子制御ユニット(ECU) 60:操作力伝達装置 90:ハウジング 110:主軸(出力軸) 114:出力ディスク(係合体) 122:操作輪部 128:支持部 130:反力付与モータ 132:モータ軸(回転軸) 136:永久磁石(ステータ) 138:ブラシ 150:減速機構(サイクロイド減速機構) 152:偏心軸 156:遊星ギヤ 158:リングギヤ 170:ロータリエンコーダ 180:出力プーリ 200:ステアリング操作装置 202:操作反力付与装置 204:支持部 210:ハウジング 220:主軸 224:ドリブンギヤ(第1リングギヤ) 230:反力付与モータ 240:減速機構(ストレイン・ウェーブ・ギヤリング機構) 242:ステータギヤ(第1リングギヤ) 246:フレキシブルギヤ 248:波動発生器

Claims (8)

  1. 運転者によって回転操作される操作部材に入力される操作力によらず、自身が備える動力源の動力によって前記操作部材の操作に応じた車輪の転舵を行うステアリングシステムに用いられるステアリング操作装置であって、
    前記操作部材と、
    (a)その操作部材にそれの運転者とは反対側において隣接する状態で、あるいは、自身の少なくとも一部がその操作部材に内蔵される状態で配置されたハウジングと、(b)そのハウジング内に設けられた扁平なモータと、(c)そのハウジングに回転可能に保持されるとともに前記モータの回転軸線と同軸的に配置されてそのモータの回転によって回転する出力軸とを備え、前記モータの回転力によって前記操作部材に対して操作反力を付与する操作反力付与装置とを備えたステアリング操作装置。
  2. 前記モータがプリントモータである請求項1に記載のステアリング操作装置。
  3. 前記ハウジングが前記操作部材と相対回転不能に連結されかつ前記出力軸が車体に固定的に保持される請求項1または請求項2に記載のステアリング操作装置。
  4. 前記出力軸が前記操作部材と相対回転不能に連結されかつ前記ハウジングが車体に固定的に保持される請求項1または請求項2に記載のステアリング操作装置。
  5. 前記操作反力付与装置が、前記モータの回転軸が中空軸とされるとともに前記出力軸がその回転軸に挿通する状態で配置され、
    前記出力軸が、前記モータの前記操作部材とは反対側において、自身の回転をステアリングシステムを構成する転舵装置に出力するための回転出力部を有する請求項4に記載のステアリング操作装置。
  6. 前記操作反力付与装置が、前記モータの回転軸の回転を減速して前記出力軸に伝達する減速機構を有する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のステアリング操作装置。
  7. 前記減速機構がサイクロイド減速機構である請求項6に記載のステアリング操作装置。
  8. 前記モータが、回転軸を共通とする複数のモータが複合化されたものであり、それら複数のモータが、互いに別系統とされたことで、冗長化された請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のステアリング操作装置。
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