JP2008233040A - トルク検出装置 - Google Patents

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貴史 加奥
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Abstract

【課題】外部の異常な磁界の発生を検出できるトルク検出装置を実現する。
【解決手段】本トルク検出装置16は、トルクに応じて変化する磁気回路を形成するために、永久磁石28と、第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bと、第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bとそれぞれ磁気的に接合された第1および第2の集磁リング34A,34Bとを有する。第1および第2の集磁リング34A,34Bの爪片34b同士の間に、相対的に狭い第1のエアギャップ43Aが形成されて、ここに第1の磁気センサ35Aが配置される。第1および第2の集磁リング34A,34Bの爪片34c同士の間に、相対的に広い第2のエアギャップ43Bが形成されて、ここに第2の磁気センサ35Bが配置される。異常検出部16cが、第1および第2の磁気センサ35A,35Bの出力の比較に基づいて異常を検出する。
【選択図】図7

Description

本発明は、トルク検出装置に関する。
トルク検出装置は、例えば、自動車の電動パワーステアリング装置において、操舵トルクを検出するために用いられる。トルク検出装置は、磁気回路を形成する一対の集磁リングと、集磁リング間の磁束密度を検出する一対の磁気センサとを有している。各集磁リングは、2つの爪片を有している。一対の集磁リングの一方の爪片同士は、互いに対向し、その間に一方の磁気センサが配置されている。一対の集磁リングの他方の爪片同士は、互いに対向し、その間に他方の磁気センサが配置されている。一方の爪片同士の間隔と、他方の爪片同士の間隔は、互いに等しくされている。
また、特許文献1,2では、トルク検出装置の個体差によるトルクの検出精度のばらつきを抑制するために、センサの出力信号に乗じる増幅倍率を、予め測定した上記出力信号に応じて調節するようにしている。
また、特許文献1のトルク検出装置は、共通の信号が入力され、且つ同様に構成された2つの信号処理回路を有する。2つの信号処理回路の出力信号の差を求め、この差を閾値範囲と比較することにより、信号処理回路の異常の発生を検出する。
特開2000−283861号公報 特開2001−311669号公報
ところで、上述の集磁リングと磁気センサとを有するトルク検出装置に、外部の異常な磁界が作用すると、操舵トルクの検出が不正確になる場合がある。そこで、当該トルク検出装置に特許文献1,2の技術を適用することが考えられる。
しかし、特許文献1,2の個体差による検出精度のばらつきを抑制する技術では、通例、一時的に生じる外部の異常な磁界に対応できない。また、特許文献1の信号処理回路の異常の発生を検出する技術では、2つの信号処理回路の出力信号の差に、外部の異常な磁界の影響は現れず、外部の異常な磁界は検出されない。
そこで、本発明の目的は、外部の異常な磁界の発生を検出できるトルク検出装置を提供することである。
本発明のトルク検出装置(16)は、連結軸(24)を介して、同軸上に連結された第1の軸(22)および第2の軸(23)と、第1の軸に固定された永久磁石(28)と、第2の軸に固定され、上記永久磁石が発生する磁界内に配置されて磁気回路(JK)を形成する第1および第2の軟磁性体(29A,29B)と、第1および第2の軟磁性体とそれぞれ磁気的に接合され、互いの間に第1のエアギャップ(43A)および第2のエアギャップ(43B)を形成する第1および第2の集磁リング(34A,34B)と、第1のエアギャップに配置され、第1のエアギャップに生ずる磁束密度(J1)を検出する第1の磁気センサ(35A)と、第2のエアギャップに配置され、第2のエアギャップに生ずる磁束密度(J2)を検出する第2の磁気センサ(35B)と、第1の磁気センサの出力(M1)に基づいて第1の軸および第2の軸に加えられたトルクを検出するトルク検出部(16b)と、第1の磁気センサの出力および第2の磁気センサの出力(M4)の比較に基づいて異常を検出する異常検出部(16c)とを備え、第2のエアギャップが第1のエアギャップよりも大きくされていることを特徴とする。
本発明によれば、第2のエアギャップが第1のエアギャップよりも大きくされているので、永久磁石からの磁束が、第1のエアギャップよりも第2のエアギャップへ誘導され難い。その結果、第1のエアギャップに生じる磁束密度は、外部の磁界の影響を相対的に小さく受け、第2のエアギャップに生じる磁束密度は、外部の磁界の影響を相対的に大きく受ける。従って、第1および第2の磁気センサの出力の比較に基づいて、異常検出部は、外部の異常な磁界の発生の有無を検出することができる。
また、本発明において、上記異常検出部は、第1の磁気センサの出力(M3)と、第2の磁気センサの出力(M5)と、第1および第2の磁気センサの間の出力差(M6)とのうちの少なくともひとつが、対応する閾値範囲(LB3,LB5,LB6)を逸脱する場合に、異常を検出する場合がある。この場合、外部の異常な磁界が生じたことをより一層確実に検出できる。なお、出力差としては、出力同士を演算して得た出力差でもよいし、互いに逆向きに配置した第1および第2の磁気センサを用いて得た出力差でもよい。
また、本発明において、上記第1および第2のエアギャップのそれぞれは、第1および第2の集磁リングにそれぞれ設けられた対応する爪片(34b,34c)間に形成されている場合がある。この場合、互いに大小を異ならせた第1および第2のエアギャップを容易に形成することができる。
なお、上記括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を示すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、トルク検出装置が自動車の電動パワーステアリング装置に適用された場合に則して説明するが、電動パワーステアリング装置以外の装置に適用された場合も考えられる。
図1は、本発明の第1の実施形態のトルク検出装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操向輪2を操舵するために操舵部材としてのステアリングホイール3に加えられる操舵トルクを伝達するステアリングシャフト4と、ステアリングシャフト4からの操舵トルクにより操向輪2を操舵するための例えばラックアンドピニオン機構からなる操舵機構5と、ステアリングシャフト4および操舵機構5の間に設けられてこの間において回転を伝達するための軸継手としての中間軸ユニット6とを有している。
ステアリングシャフト4は、ステアリングコラム7により回転自在に支持されている。ステアリングコラム7はブラケット8を介して車体9に支持されている。ステアリングシャフト4の一方の端部にステアリングホイール3が連結されている。ステアリングシャフト4の他方の端部に中間軸ユニット6が連結されている。中間軸ユニット6は、中間軸としての動力伝達軸10と、自在継手11,12とを有している。
操舵機構5は、ピニオン軸13と、自動車の左右方向(直進方向と直交する方向である。)に延びる転舵軸としてのラックバー14と、ピニオン軸13およびラックバー14を支持するラックハウジング15とを有している。ピニオン軸13のピニオン歯13aと、ラックバー14のラック歯14aとが互いに噛み合っている。ラックバー14の各端部はそれぞれ、タイロッドおよびナックルアーム(図示せず)を介して対応する操向輪2に連結されている。
ステアリングホイール3が操舵されると、操舵トルクがステアリングシャフト4、中間軸ユニット6を介して操舵機構5に伝達される。これにより操向輪2を操舵することができる。
電動パワーステアリング装置1は、操舵トルクに応じて操舵補助力を得られるようになっている。すなわち、電動パワーステアリング装置1は、操舵トルクを検出するトルク検出装置16と、車両の車速を検出する車速センサ26と、制御部としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)17と、操舵補助用のアクチュエータとしての電動モータ18と、歯車装置としての減速機19とを有している。本実施形態では、トルク検出装置16および電動モータ18は、ステアリングコラム7に設けられている。
ステアリングコラム7は、コラムチューブ20と、ハウジング21とを有している。ハウジング21が、トルク検出装置16の少なくとも一部を収容して支持し、電動モータ18を支持し、また、減速機19の一部を構成している。
ステアリングシャフト4は、軸方向下部として、入力軸22と、出力軸23と、トーションバー24とを有し、軸方向上部としての連結軸25を有している。入力軸22および出力軸23は、トーションバー24を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸22は、連結軸25を介してステアリングホイール3に連なっている。出力軸23は、中間軸ユニット6に連なっている。入力軸22に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー24が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸22および出力軸23が相対回転する。
トルク検出装置16は、トーションバー24を介する入力軸22および出力軸23間の相対回転変位量に基づいて操舵トルクを検出する。トルク検出結果は、ECU17に与えられる。
ECU17は、電動パワーステアリング装置1の全体の制御を司る主体部としての制御部17aと、電動モータ18を駆動するための駆動回路17bとを有している。制御部17aは、トルク検出装置16および車速センサ26に接続されている。また、制御部17aは、駆動回路17bに接続されている。制御部17aは、マイクロコンピュータを有しており、トルク検出結果や車速検出結果等に基づいて、駆動回路17bを介して電動モータ18を制御する。
ステアリングホイール3が操作されると、操舵トルクがトルク検出装置16により検出され、トルク検出結果および車速検出結果等に応じて電動モータ18が操舵補助力を発生させる。操舵補助力は、減速機19を介して操舵機構5に伝達される。これとともに、ステアリングホイール3の動きも、操舵機構5に伝わる。その結果、車輪2が操舵されるとともに、操舵が補助される。
ところで、車両外部の磁界が強い場合に、トルク検出装置16が、操舵トルクを正確に検出できないことがある。そこで、トルク検出装置16は、操舵トルクに関連した磁束密度を検出する装置本体16aと、検出された磁束密度に基づいて操舵トルク(以下、単にトルクともいう。)を検出するトルク検出部16bと、検出された磁束密度に基づいて異常を検出する異常検出部16cとを有している。装置本体16aは、ステアリングシャフト4およびステアリングコラム7に配置されている。トルク検出部16bおよび異常検出部16cは、ECU17に接続されていて、ECU17に一体化されている。ECU17は、異常の有無に応じて後述する処理を実行する。
図2は、図1のトルク検出装置16の分解斜視図である。図3は、図2のトルク検出装置16の主要部の分解斜視図である。図4A〜図4Cは、図2のトルク検出装置16の動作を説明するための模式図であり、図4Dは、入力軸22と出力軸23との間に生じた捩れ角と磁束密度との関係を示すグラフである。図5は、図2のトルク検出装置16の断面図であり、図6のS5−S5断面を示す。図6は図5のS6−S6断面の断面図である。図7は、図1のトルク検出装置16およびその周辺部分の模式図であり、装置本体16aは、図6のS7−S7断面を示す。
図2,図5,図6,図7を参照して、装置本体16aは、入力軸22と、出力軸23と、トーションバー24とを有し、これらの各部材22,23,24に作用したトルクに応じて磁束が変化するような磁気回路JKを形成する磁気回路形成部材として、永久磁石28と、軟磁性体としての第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bとを有している。
また、装置本体16aは、固定部材としてのセンサハウジング30と、このセンサハウジング30に取り付けられた固定側ユニット31と、この固定側ユニット31をセンサハウジング30に固定するための固定部材としての2個の固定ねじ32と、センサハウジング30と固定側ユニット31との間を封止する環状の封止部材33Aと、固定側ユニット31の内部で封止する環状の封止部材33Bとを有している。
センサハウジング30は、上述のハウジング21の一部として筒状をなし、金属により形成されている。センサハウジング30の外周は、内外を連通する連通孔30bと、固定側ユニット31を取り付けるための取付面30cとを有している。
固定側ユニット31は、補助軟磁性体としての第1および第2の集磁リング34A,34Bと、第1および第2の集磁リング34A,34Bが誘導した磁束を検出する第1および第2の磁気センサ35A,35Bと、電源部および信号処理部としての回路基板36と、外部からの磁気による当該固定側ユニット31内部への悪影響を抑制するための金属板からなる磁気シールド部材37A,37Bとを有している。
固定側ユニット31は、互いに連結された第1のユニット38および第2のユニット39を有している。センサハウジング30の取付面30cに、第2のユニット39がねじ止めされている。第1のユニット38が、センサハウジング30の取付面30cと、第2のユニット39との間に挟持されている。なお、第1および第2のユニット38,39は、分離不能に一体に構成されていてもよい。本実施形態では、第1および第2のユニット38,39が、互いに分離できるように構成された場合に則して説明する。
以下の説明では、ステアリングシャフト4の軸方向S、径方向Rおよび周方向Tを、それぞれ単に軸方向S、径方向Rおよび周方向Tともいう。これらの軸方向S、径方向R、および周方向Tは、それぞれ、入力軸22と、出力軸23と、永久磁石28と、第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bと、第1および第2の集磁リング34A,34Bとの対応する軸方向、径方向、および周方向でもある。
第1のユニット38は、固定側ユニット31において磁気回路を形成する第1および第2の集磁リング34A,34Bと、磁気シールド部材37Aとを有し、これら各部34A,34B,37Aを絶縁体としての合成樹脂40で一体にモールドされてなる。
第2のユニット39は、電気回路を形成する部分として、第1および第2の磁気センサ35A,35Bと、回路基板36とを有し、磁気シールド部材37Bを有している。これら各部35A,35B,36,37Bは、絶縁体としての合成樹脂41で一体にモールドされてなる。
図2と図5を参照して、永久磁石28は、円筒形状をなし、入力軸22に同心に且つ一体回転するように固定されている。永久磁石28の外周には、複数の磁極、例えば24極(N,S極各12極)が周方向Tに等間隔で着磁されている。
各第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bは、円筒形状をなし、径方向外方から永久磁石28を非接触で取り囲んで、永久磁石28が形成する磁界内に配置されることにより、永久磁石28に磁気的に結合されている。第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bは、互いに非接触で相対移動不能に固定されるとともに、出力軸23に同心に且つ一体回転するように固定されている。周方向Tに関する第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bと永久磁石28との相対位置が変化すると、第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bと永久磁石28とによって形成された磁気回路に発生する磁束密度が変化するように、第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bは構成されている。
図2,図3,図5,図7を参照して、各第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bは、円板形状のリング29aと、このリング29aの板面の内周部から等配で立ち上がる複数、例えば12個の爪29bとを有している。第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bのリング29a同士が軸方向Sに所定間隔を隔てて互いに対向し且つ互いに同心に配置されている。第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bの爪29b同士は互いに近づく向きに突出し、周方向Tに互いにずれて交互に均等に配置されている。この状態で、第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bは、合成樹脂42により一体にモールドされている。モールドされた成形品は、円筒形状をなしている。
図3,図5,図6,図7を参照して、第1および第2の集磁リング34A,34Bは、対応する第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bにそれぞれ磁気的に結合され、対応する第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bからの磁束をそれぞれ第1および第2の磁気センサ35A,35Bに誘導する。第1および第2の集磁リング34A,34Bは、環状をなしており、対応する第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bの外周を同心に且つ非接触で径方向外方から取り囲んでいる。
各第1および第2の集磁リング34A,34Bは、環状の主体部34aと、この主体部34aから径方向外方に延びる2つの爪片34b,34cとを有している。各第1および第2の集磁リング34A,34Bにおいて、2つの爪片34b,34cは、周方向Tに互いに離隔して配置され、軸方向Sに関して主体部34aから同じ側に向けて突出している。爪片34bの突出量が、爪片34cの突出量よりも大きくされている。これ以外の点については2つの爪片34b,34cは互いに同様に形成されている。
第1および第2の集磁リング34A,34Bは、互いに非接触で以下の状態で固定されている。第1の集磁リング34Aの一方の爪片34bと、第2の集磁リング34Bの一方の爪片34bとは、互いに対をなし、互いに近接する向きに延びていて、軸方向Sに沿って見たときに互いに重なり合うように配置され、軸方向Sに沿って第1の間隔L1を隔てて対向している。これら対をなす一方の爪片34b同士の間に、第1のエアギャップ43Aが形成されている。
第1の集磁リング34Aの他方の爪片34cと、第2の集磁リング34Bの他方の爪片34cとは、互いに対をなし、互いに近接する向きに延びていて、軸方向Sに沿って見たときに互いに重なり合うように配置され、軸方向Sに沿って第2の間隔L2を隔てて対向している。これら対をなす他方の爪片34c同士の間に、第2のエアギャップ43Bが形成されている。
第2のエアギャップ43Bが第1のエアギャップ43Aよりも大きくされている。すなわち、軸方向Sに関して、第2のエアギャップ43Bに関する第2の間隔L2が、第1のエアギャップ43Aに関する第1の間隔L1よりも大きくされている(L2>L1)。
この状態で、第1および第2の集磁リング34A,34Bは、合成樹脂40によりモールドされ一体化されている。また、第1および第2の集磁リング34A,34Bは、爪片34b同士を介し且つ爪片34c同士を介して互いに磁気的に結合されている。
第1の磁気センサ35Aは、第1のエアギャップ43Aに配置され、第1のエアギャップ43Aに生ずる磁束密度を検出する。第2の磁気センサ35Bは、第2のエアギャップ43Bに配置され、第2のエアギャップ43Bに生ずる磁束密度を検出する。また、第1および第2の磁気センサ35A,35Bは、互いに同様に構成され、周方向Tに並んでいる。各第1および第2の磁気センサ35A,35Bは、ホールICからなる。
ホールICは、検出素子としてのホール素子を含んでいる。ホール素子は、感磁面35aを有している。この感磁面35aに垂直に、対応する一対の爪片34b,34cに誘導された磁束が通るようにして、各第1および第2の磁気センサ35A,35Bの感磁面35aが、爪片34b,34c間において、軸方向Sに垂直に配置されている。また、磁束が感磁面35aを垂直に通るときに、単位磁束密度に対するホール素子の出力が最も大きくなるようにされている。また、感磁面35aを通る磁束の向きが、感磁面35aの表面35a1から裏面35a2へ向かうときには、磁束密度の絶対値が大きくなるにしたがって、ホール素子の出力が大きくなり、感磁面35aを通る磁束の向きが逆になると、磁束密度の絶対値が大きくなるにしたがって、ホール素子の出力が小さくなる。
また、本実施形態では、第1の磁気センサ35Aの感磁面35aと第2の磁気センサ35Bの感磁面35aとは、互いに逆向きに配置されている。これにより、互いに同じ磁束の変化を受けたときに、第1および第2の磁気センサ35A,35Bの出力は、互いに逆向きに変化するようになっている。例えば、第1の磁気センサ35Aの感磁面35aの表面35a1が、第2の集磁リング34Bの爪片34bに対向している。第2の磁気センサ35Bの感磁面35aの表面35a1は、第1の集磁リング34Aの爪片34cに対向している。第2の集磁リング34Bの爪片34bから第1の集磁リング34Aの爪片34bへ向けて通る磁束(以下、この向きの磁束をプラスの向きの磁束とする。)の磁束密度が増加したときに、第1の磁気センサ35Aの出力は大きくなり、第2の磁気センサ35Bの出力は小さくなる。
図1,図6,図7を参照して、回路基板36は、各第1および第2の磁気センサ35A,35Bに電気的に接続されていて、第1および第2の磁気センサ35A,35Bへ給電し、第1および第2の磁気センサ35A,35Bの出力信号に増幅等の所定の信号処理を施し、処理後の信号を出力する。回路基板36は、例えば、回路部品と、プリント配線板とを有し、これらが組み立てられてなる。
図4Bと図5を参照し、入力軸22および出力軸23の間にトルクが作用していない中立状態では、第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bの各爪29bの先端が、永久磁石28のN極及びS極の境界を指すようにされている。このとき、第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bの各爪29bにおいて、永久磁石28のN極に対向する面積とS極に対向する面積とが等しくなるので、N極から入る磁束とS極へ出る磁束とが等しくなる結果、第1および第2の磁気ヨーク29A,29B間には磁束は生じない。従って、第1および第2の磁気センサ35A,35Bは磁束を検出しない。
図4A,図5を参照して、入力軸22および出力軸23の間に一方向のトルクが作用したとき、トーションバー24に捩れが生じて、第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bの各爪29b及び永久磁石28の相対位置が変化する。
このとき、第1の磁気ヨーク29Aの各爪29bにおいて、永久磁石28のN極に対向する面積が、永久磁石28のS極に対向する面積よりも大きくなり、第1の磁気ヨーク29AにおいてN極から入る磁束がS極へ出る磁束よりも大きくなる。第2の磁気ヨーク29Bの各爪29bにおいて、永久磁石28のN極に対向する面積が、永久磁石28のS極に対向する面積よりも小さくなり、第2の磁気ヨーク29BにおいてN極から入る磁束がS極へ出る磁束よりも小さくなる。
各第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bに生じた磁束は、対応する第1および第2の集磁リング34A,34Bによりそれぞれ誘導される。その結果、第1の集磁リング34Aの爪片34bから第2の集磁リング34Bの爪片34bへの磁束が生じる。この磁束が第1の磁気センサ35Aにより検出される。これとともに、第1の集磁リング34Aの爪片34cから第2の集磁リング34Bの爪片34cへの磁束が生じる。この磁束が第2の磁気センサ35Bにより検出される。
図4Cと図5を参照して、一方、入力軸22および出力軸23の間に他方向のトルクが作用するときには、上述の一方向のトルクが作用する場合とは逆に、第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bの各爪29b及び永久磁石28の相対位置が逆向きに変化し、各第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bにおいて、磁束が逆向きに生じる。その結果、第2の集磁リング34Bの爪片34b,34cから第1の集磁リング34Aの爪片34b,34cへの磁束が生じ、これらの磁束が検出される。
図4D,図5を参照する。図4Dには、図4A、図4Bおよび図4Cの各状態に対応したトーションバー24の捩れ角と磁束密度の関係を示す点を4A,4B,4Cの符号を付して図示している。実際に使用されるトーションバー24の捩れ角の範囲内においては、第1および第2の集磁リング34A,34Bの対をなす爪片34b,34c間に生じる磁束密度は、各第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bの各爪29bにおいてN極に対向する面積とS極に対向する面積との差に比例し、この差は、トーションバー24の捩れ角に比例し、ひいては、入力軸22と出力軸23との間に作用するトルクの大きさに比例する。つまり、検出した磁束密度に基づき、トルクを知ることができる。また、第1および第2の集磁リング34A,34Bにより、第1および第2の磁気センサ35A,35Bは、第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bの全周で発生する磁束密度の平均を検出することが出来る。
図7を参照して、第1の磁気センサ35Aは、回路基板36を介して、トルク検出部16bと、異常検出部16cとに電気的に接続されている。また、第2の磁気センサ35Bが、回路基板36を介して、異常検出部16cに電気的に接続されている。
第1の磁気センサ35Aの出力信号K1が回路基板36により第1の増幅倍率ZR1で増幅されることにより、第1の増幅信号M1になる。さらに、この第1の増幅信号M1がトルク検出部16bにより第2の増幅倍率ZR2で増幅されることにより、第2の増幅信号M2になる。第1の増幅信号M1が異常検出部16cにより第3の増幅倍率ZR3で増幅されることにより、第3の増幅信号M3になる。第3の増幅倍率ZR3と、第2の増幅倍率ZR2とは、互いに等しくされている。
第2の磁気センサ35Bの出力信号K2が回路基板36により第4の増幅倍率ZR4で増幅されることにより、第4の増幅信号M4になる。さらに、この第4の増幅信号M4が異常検出部16cにより第5の増幅倍率ZR5で増幅されることにより、第5の増幅信号M5になる。第4の増幅倍率ZR4は、上述の第1の増幅倍率ZR1と等しくされている。第5の増幅倍率ZR5は、上述の第3の増幅倍率ZR3よりも大きくされている。
異常検出部16cでは、第3の増幅信号M3と第5の増幅信号M5との間においては、単位トルクの変化量に対する信号M3の変化量DM3と、単位トルクの変化量に対する信号M5の変化量DM5とが、互いに等しくなるように、第1の磁気センサ35Aに関する信号の全体的な増幅倍率ZRA1が、第2の磁気センサ35Bに関する信号の全体的な増幅倍率ZRA2よりも小さく設定されている。全体的な増幅倍率ZRA1は、第1および第3の増幅倍率ZR1,ZR3の積に相当する。全体的な増幅倍率ZRA2は、第4および第5の増幅倍率ZR4,ZR5の積に相当する。
ここで、上述の各増幅倍率は、単位トルクの変化量に対する当該信号の変化量に関しての増幅前後の変化率である。例えば信号M3の増幅倍率ZR3は、増幅前の信号である増幅信号M1における単位トルク変化量に対する増幅信号M1の変化量と、増幅後の信号である増幅信号M3における単位トルク変化量に対する増幅信号M3の変化量との、変化率である。
図7を参照して、トルク検出部16bは、第2の増幅信号M2に基づいてトルクを算出する。トルク検出部16bは、図示しないマイクロコンピュータと、メモリと、A/Dコンバータとを有している。
異常検出部16cは、図示しないマイクロコンピュータと、メモリと、A/Dコンバータとを有している。異常検出部16cは、第1および第4の増幅信号M1,M4をディジタル化して取り込み、予め記憶されているプログラムにしたがって各種処理を行う。
図8は、図1のECU17および異常検出部16cの信号処理のフローチャートである。図9Aは、図2のトルク検出装置16の第1および第2のエアギャップの磁束密度と操舵トルクとの関係を示すグラフであり、縦軸に磁束密度を、横軸に操舵トルクを示す。図9Bは、図2のトルク検出装置16の第1および第2の磁気センサの出力信号と操舵トルクとの関係を示すグラフであり、縦軸に出力信号の大きさを、横軸に操舵トルクを示す。図9Cは、図2のトルク検出装置16の第3および第5の増幅信号Mと操舵トルクとの関係を示すグラフであり、縦軸に信号の大きさを、横軸に操舵トルクを示す。図9Dは、図2のトルク検出装置16の合成信号と操舵トルクとの関係を示すグラフであり、縦軸に信号の大きさを、横軸に操舵トルクを示す。
異常検出部16cは、以下の3つの場合のうちの少なくともひとつの場合が生じたときに(ステップA1,2,4のいずれかでNO)、異常、すなわち、トルク検出部16bからの出力信号に異常が発生していることが生じたと判定し、異常検出信号を出力する(ステップA6)。また、異常検出部16cは、異常検出信号を発しないときには(ステップA1,2,4の全てでYES)、正常であると判定し、正常検出信号を出力する(ステップA5)。
ステップA1では、第1の場合として、第1の磁気センサ35Aの出力としての第3の増幅信号M3が、対応する閾値範囲LB3(LL3〜UL3)を逸脱する場合、すなわち、M3<LL3およびM3>UL3のいずれか一方が満たされた場合(ステップA1でNO)に、異常検出信号が出力される(ステップA6)。
ステップA2では、第2の場合として、第2の磁気センサ35Bの出力としての第5の増幅信号M5が、対応する閾値範囲LB5(LL2〜UL2)を逸脱する場合、すなわち、M5<LL5およびM5>UL5のいずれか一方が満たされた場合(ステップA2でNO)に、異常検出信号が出力される(ステップA6)。
ステップA3,4では、第3の場合として、第1の磁気センサ35Aおよび第2の磁気センサ35Bの出力を比較する。すなわち、ステップA3では、第1および第2の磁気センサ35A,35Bの出力差として、第3の増幅信号M3と第5の増幅信号M5との和である合成信号M6(M6=M3+M5)が求められる。次のステップA4で、合成信号M6が、対応する閾値範囲LB6(LL6〜UL6)を逸脱するか否かが判断される。逸脱する場合、すなわち、M6<LL6およびM6>UL6のいずれか一方が満たされた場合(ステップA4でNO)に、異常検出信号が出力される(ステップA6)。
上述の各閾値範囲は、以下のように設定される。すなわち、操舵トルクが最小値(T1)から最大値(T2)まで変化する間に、外部の異常な磁界が生じていないときの対応する信号が、当該閾値範囲内にあるようにされるとともに、外部の異常な磁界が生じたときの対応する信号の少なくとも一部が、当該閾値範囲外にあるように設定される。
図7,図8を参照して、ECU17の制御部17aは、トルク検出装置16が正常に動作しているか否かを常に監視している。すなわち、異常検出部16cから異常検出信号が発せられたか否かかが監視され(ステップA1〜A6)、監視結果に基づいて、以下の操舵補助処理(ステップA7)およびフェール処理(ステップA8)のいずれかがなされ、これらの一連の処理が、所定時間ごとに繰り返される。
制御部17aは、正常検出信号を受けると、正常である、すなわち、異常が発生していないと判定し、通常の操舵補助動作を行うための操舵補助処理を行う(ステップA7)。例えば、操舵トルク(トルク検出部16bからの出力信号に相当する。)および車速に基づいて、電動モータ18に電力を供給し、電動モータ18を駆動する。
また、制御部17aは、異常検出部16cから異常検出信号を受けると、異常が発生したと判定し、予め定められた異常時処理としてのフェール処理を実行する(ステップA8)。フェール処理では、操舵補助制御を停止する。具体的には、異常検出信号を受けた後に、駆動回路17bに所定の指令信号を発し、電動モータ18の駆動状態を解除し、電動モータ18の出力軸の動作をフリー状態(回転自在な状態)にするようにしている。これにより、ステアリングホイールの回動に伴なって、電動モータ18の出力軸も容易に連れ回りするようになる。
図8、図9Aを参照して、外部の異常な磁界GJが作用したときの異常検出部16cの動作を具体的に説明する。ここでは、外部の異常な磁界GJは、軸方向Sに作用し、磁界GJの磁束密度が+Gである場合に則して説明する。また、第1および第2のエアギャップ43A,43Bに生じる磁束密度J1,J2は、第2の集磁リング34Bから第1の集磁リング34Aへ向かう向きの磁束である場合をプラスとし、逆向きの磁束をマイナスとする。また、第1のエアギャップ43Aを中心に説明し、第2のエアギャップ43Bに関しては相違点を説明する。
第1のエアギャップ43Aに生じる磁束密度J1は、永久磁石28による磁束が第1のエアギャップ43Aに誘導されトルクに応じて比例する磁束密度JS1と、外部の磁界GJによる磁束密度JNとの和である。通常時には、外部の磁界GJは生じず、これによる磁束密度JNもゼロとなる。一方、外部の異常な磁界GJが作用したときには、外部の異常な磁界GJによる磁束密度JNがゼロ以外の値となる。
第2のエアギャップ43Bに生じる磁束密度J2も同様であり、永久磁石28による磁束が第2のエアギャップ43Bに誘導されトルクに応じて比例する磁束密度JS2と、外部の磁界GJによる磁束密度JNとの和である。通例、第1および第2のエアギャップ43A,43Bは、互いに近接して配置され、外部の磁界GJが第1および第2のエアギャップ43A,43Bに同様に作用するので、外部の異常な磁界GJにより第1および第2のエアギャップ43A,43Bにそれぞれ生じる磁束密度JNは互いに等しくなる。
通常時の第1のエアギャップ43Aに生じる磁束密度J1(このときの磁束密度J1を磁束密度J1Aとする。)は、永久磁石28による磁束が誘導された磁束密度JS1と等しくなり、操舵トルクに比例して変化し、操舵トルクがゼロのときに磁束密度J1Aはゼロになる。通常時の第2のエアギャップ43Bに生じる磁束密度J2(このときの磁束密度J2を磁束密度J2Aとする。)も同様であり、磁束密度JS2と等しくなる。操舵トルクに対する磁束密度J1,J2の変化のグラフにおいて、磁束密度J1の傾きは、磁束密度J2に比べて大きくされ、磁束密度J1,J2の傾きは互いに同じ傾向とされている。
外部の異常な磁界GJが作用したときの第1のエアギャップ43Aに生じる磁束密度J1(このときの磁束密度J1を磁束密度J1Bとする。)は、磁束密度J1Aと、外部の異常な磁界による磁束密度JNとの和(J1B=J1A+G)になり、操舵トルクがゼロのときに磁束密度J1BはGになる。外部の異常な磁界GJが作用したときの第2のエアギャップ43Bに生じる磁束密度J2(このときの磁束密度J2を磁束密度J2Bとする。)は、磁束密度J2Aと、外部の異常な磁界による磁束密度JNとの和(J2B=J2A+G)になり、操舵トルクがゼロのときに磁束密度J2BはGになる。
図8、図9Bを参照して、第1の磁気センサ35Aの出力信号K1は、磁束密度J1に比例する。第2の磁気センサ35Bの出力信号K2は、磁束密度J2の絶対値に比例する。図9Bのグラフにおいて、出力信号K1のグラフの傾きは、出力信号K2に比べて大きくされ、出力信号K1,K2の傾きは互いに逆になっている。
通常時の第1の磁気センサ35Aの出力信号K1(このときの出力信号K1を出力信号K1Aとする。)と、通常時の第2の磁気センサ35Bの出力信号K2(このときの出力信号K21を出力信号K2Aとする。)との間においては、操舵トルクがゼロのときに、出力信号K1,K2は、例えば互いに等しい所定電圧G1とされている。
外部の異常な磁界GJが作用したときの第1の磁気センサ35Aの出力信号K1(このときの出力信号K1を出力信号K1Bとする。)は、通常時の出力信号K1Aと外部の異常な磁界GJに応じて決まるノイズ信号との和となる。外部の異常な磁界GJが作用したときの第2の磁気センサ35Bの出力信号K2(このときの出力信号K2を出力信号K2Bとする。)は、通常時の出力信号K2Aと外部の異常な磁界GJに応じて決まるノイズ信号との差となる。このとき、出力信号K1Bと出力信号K2Bとのそれぞれのノイズ信号の大きさは、互いに等しい。
図8、図9Cを参照して、第3の増幅信号M3は、上述の出力信号K1に比例する。また、第5の増幅信号M5は、上述の出力信号K2に比例する。操舵トルクに対する第3および第5の増幅信号M3,M5の変化のグラフにおいて、グラフの傾きは互いに逆とされ、第3の増幅信号M3のグラフの傾きの絶対値は、第5の増幅信号M5の傾きの絶対値と等しくされている。
通常時の第3の増幅信号M3(このときの第3の増幅信号M3を第3の増幅信号M3Aとする。)と、通常時の第5の増幅信号M5(このときの第5の増幅信号M5を第5の増幅信号M5Aとする。)とのグラフにおいては、操舵トルクがゼロのときに、第3および第5の増幅信号M3,M5は、互いに等しい所定電圧G2とされている。
外部の異常な磁界GJが作用したときの第3の増幅信号M3(このときの第3の増幅信号M3を第3の増幅信号M3Bとする。)は、通常時の第3の増幅信号M3Aと外部の異常な磁界GJに応じて決まる増幅されたノイズ信号との和となる。このノイズ信号は、出力信号K1Bのノイズ信号を、全体的な増幅倍率ZRA1で増幅してなる。
外部の異常な磁界GJが作用したときの第5の増幅信号M5(このときの第5の増幅信号M5を第3の増幅信号M5Bとする。)は、通常時の第5の増幅信号M5Aと外部の異常な磁界GJに応じて決まる増幅されたノイズ信号との和となる。第5の増幅信号M5Bのノイズ信号は、出力信号K2Bのノイズ信号を、全体的な増幅倍率ZRA2(全体的な増幅倍率ZRA1よりも大きい。)で増幅してなり、絶対値で第3の増幅信号M3Bのノイズ信号よりも大きくなっている。
図8、図9Dを参照して、合成信号M6は、第3の増幅信号M3と第5の増幅信号M5の和である。通常時の合成信号M6(このときの合成信号M6を合成信号M6Aとする。)のグラフにおいては、操舵トルクの変化にかかわらず、一定値G3とされている。外部の異常な磁界GJが作用したときの合成信号M6(このときの合成信号M6を合成信号M6Bとする。)は、通常時の合成信号M6Aと外部の異常な磁界GJに応じて決まるノイズ信号との和となる。このノイズ信号は、第3の増幅信号M3Bのノイズ信号と、第5の増幅信号M5Bのノイズ信号との差からなり、トルク変化に対して一定である。異常検出部16cは、合成信号M6を閾値範囲LB6と比較することにより、簡単な構成で、操舵トルクの大きさにかかわらず、確実に異常を判定できる。
図7を参照して、本実施形態のトルク検出装置16は、(1) 連結軸としてのトーションバー24を介して、同軸上に連結された第1の軸としての入力軸22および第2の軸としての出力軸23と、(2) 入力軸22に固定された永久磁石28と、(3) 出力軸23に固定され、永久磁石28が発生する磁界内に配置されて磁気回路JKを形成する第1および第2の軟磁性体としての第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bと、(4) 第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bとそれぞれ磁気的に接合され、互いの間に第1のエアギャップ43Aおよび第2のエアギャップ43Bを形成する第1および第2の集磁リング34A,34Bと、(5) 第1のエアギャップ43Aに配置され、第1のエアギャップ43Aに生ずる磁束密度J1を検出する第1の磁気センサ35Aと、(6) 第2のエアギャップ43Bに配置され、第2のエアギャップ43Bに生ずる磁束密度J2を検出する第2の磁気センサ35Bと、(7) 第1の磁気センサ35Aの出力(本実施形態では、第1の増幅信号M1が相当する。)に基づいて入力軸22および出力軸23に加えられたトルクとしての操舵トルクを検出するトルク検出部16bと、(8) 第1の磁気センサ35Aの出力(本実施形態では、第1の増幅信号M1が相当する。)および第2の磁気センサ35Bの出力(本実施形態では、第4の増幅信号M4が相当する。)の比較に基づいて異常を検出する異常検出部16cとを有している。第2のエアギャップ43Bが第1のエアギャップ43Aよりも大きくされていることを特徴とする。
本実施形態によれば、第2のエアギャップ43Bが第1のエアギャップ43Aよりも大きくされているので、永久磁石28からの磁束が、第1のエアギャップ43Aよりも第2のエアギャップ43Bへ誘導され難い。その結果、第1のエアギャップ43Aに生じる磁束密度J1は、外部の磁界GJの影響を相対的に小さく受け、第2のエアギャップ43Bに生じる磁束密度J2は、外部の磁界GJの影響を相対的に大きく受ける。従って、第1および第2の磁気センサ35A,35Bの出力の比較に基づいて、異常検出部16cは、外部の異常な磁界GJの発生の有無をより一層確実に検出することができる。
また、本実施形態では、異常検出部16cは、第1の磁気センサ35Aの出力としての第3の増幅信号M3と、第2の磁気センサ35Bの出力としての第5の増幅信号M5と、第1および第2の磁気センサ35A,35Bの間の出力差としての合成信号M6とのうちの少なくともひとつが、対応する閾値範囲LB3,LB5,LB6を逸脱する場合に、異常を検出するようにしている。この場合、外部の異常な磁界が生じたことをより一層確実に検出できる。なお、出力差としては、上述のように互いに逆向きに配置した第1および第2の磁気センサ35A,35Bを用いて得た出力差でもよいし、後述するように出力同士を演算して得た出力差でもよい。
また、本実施形態では、第1および第2のエアギャップ43A,43Bのそれぞれは、第1および第2の集磁リング34A,34Bにそれぞれ設けられた対応する爪片34b,34c間に形成されている。この場合、互いに大小を異ならせた第1および第2のエアギャップ43A,43Bを容易に形成することができる。例えば、軸方向Sに関して、主体部34aからの爪片34b,34cの突出量をそれぞれ調節することで、第1および第2のエアギャップ43A,43Bの対応する第1および第2の間隔L1、L2を所望の値に容易に実現できる。
また、トルク検出装置16の異常検出部16cが、外部の異常な磁界GJの発生を検出できるので、操舵トルクが不正確であることがわかる。ひいては、不正確な操舵トルクに基づいた操舵補助力に起因して、操舵感に違和感が生じることを抑制できる。従って、電動パワーステアリング装置1の操舵感を高めることができる。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。例えば、図10は、本発明の第2の実施形態のトルク検出装置16およびその周辺部分の模式図であり、装置本体16aは図7と同様に図示した。図11は、図10のECU17および異常検出部16cの信号処理のフローチャートである。図12A,図12B,図12C,図12Dのそれぞれは、図9A〜図9Dに示したのと同様のグラフを図10のトルク検出装置16に関して示した。
第2の実施形態のトルク検出装置16では、第2の磁気センサ35Bの向きが逆になっていて、感磁面35aの表面35a1が、第2の集磁リング34Aに対向している。これにより、図12Bに示すように、第2の磁気センサ35Bの出力信号K2の傾きは、第1の実施形態とは逆になっており、外部の異常な磁界GJが作用したときの第2の磁気センサ35Bの出力信号K2Bは、通常時の出力信号K2Aと外部の異常な磁界GJに応じて決まるノイズ信号との和になっている。また、異常検出部16cは、第1の磁気センサ35Aの出力としての第3の増幅信号M3と、第2の磁気センサ35Bの出力としての第5の増幅信号M5との出力差としての合成信号M6(M6=M3−M5)を演算により求めるようにしている。本実施形態の合成信号M6においても、第1の実施形態と同様に、外部の異常な磁界を受けたときの合成信号M6Bは、正常時の合成信号M6Aと、ノイズ信号との和となり、閾値範囲からの逸脱を検知することにより、異常を検出することができる。
また、トルク検出部16bは、トルクを検出するのに、第1の磁気センサ35Aの出力としての第1および第2の増幅信号M1,M2に基づいてもよいし、第1の磁気センサ35Aの出力としての出力信号K1に基づいても良い。このように、第1の磁気センサ35Aの出力は、第1の磁気センサ35Aの出力信号K1と、この出力信号K1に増幅等の信号処理を施して得た信号(例えば、第1および第2の増幅信号M1,M2)とを含む。
同様に、異常検出部16cに関する第1の磁気センサ35Aの出力としては、第1の磁気センサ35Aの出力信号K1と、この出力信号K1に増幅等の信号処理を施して得た信号(例えば、第1および第3の増幅信号M1,M3)とを含む。また、異常検出部16cに関する第2の磁気センサ35Bの出力としては、第2の磁気センサ35Bの出力信号K2と、この出力信号K2に増幅等の信号処理を施して得た信号(例えば、第4および第5の増幅信号M4,M5)とを含む。
また、上述の各実施形態において、第1および第2の磁気センサ35A,35Bの検出素子としてMR素子を用いる場合、永久磁石28が第1の軸としての出力軸23に固定され、且つ第1および第2の磁気ヨーク29A,29Bが第2の軸としての入力軸22に固定される場合、トルク検出部16bおよび異常検出部16cの少なくとも一方が、ECU17とは別体で構成される場合、異常検出部16cが演算増幅器により構成される場合も考えられる。トルク検出装置16および駆動源としての電動モータ18がステアリングコラム7に代えて操舵機構5に設けられる場合も考えられる。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の第1の実施形態のトルク検出装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図1のトルク検出装置の分解斜視図である。 図3は、図2のトルク検出装置の主要部の分解斜視図である。 図4A〜図4Cは、図2のトルク検出装置の動作を説明するための模式図であり、図4Dは、入力軸と出力軸との間に生じた捩れ角と磁束密度との関係を示すグラフである。 図2のトルク検出装置の断面図であり、図6のS5−S5断面を示す。 図5のS6−S6断面の断面図である。 図1のトルク検出装置およびその周辺部分の模式図である。 図1のECUおよび異常検出部の信号処理のフローチャートである。 図9Aは、図2のトルク検出装置の第1および第2のエアギャップの磁束密度と操舵トルクとの関係を示すグラフであり、縦軸に磁束密度を、横軸に操舵トルクを示す。図9Bは、図2のトルク検出装置の第1および第2の磁気センサの出力信号と操舵トルクとの関係を示すグラフである。図9Cは、図2のトルク検出装置の第3および第5の増幅信号と操舵トルクとの関係を示すグラフである。図9Dは、図2のトルク検出装置の合成信号と操舵トルクとの関係を示すグラフである。図9B,図9C,図9Dの各図では、縦軸に信号の大きさを、横軸に操舵トルクを示す。 本発明の第2の実施形態のトルク検出装置およびその周辺部分の模式図である。 図10のECUおよび異常検出部の信号処理のフローチャートである。 図12Aは、図10のトルク検出装置の第1および第2のエアギャップの磁束密度と操舵トルクとの関係を示すグラフであり、縦軸に磁束密度を、横軸に操舵トルクを示す。図12Bは、図10のトルク検出装置の第1および第2の磁気センサの出力信号と操舵トルクとの関係を示すグラフである。図12Cは、図10のトルク検出装置の第3および第5の増幅信号と操舵トルクとの関係を示すグラフである。図12Dは、図10のトルク検出装置の合成信号と操舵トルクとの関係を示すグラフである。図12B,図12C,図12Dの各図では、縦軸に信号の大きさを、横軸に操舵トルクを示す。
符号の説明
16…トルク検出装置、16b…トルク検出部、16c…異常検出部、22…入力軸(第1の軸)、23…出力軸(第2の軸)、24…トーションバー(連結軸)、28…永久磁石、29A…第1の磁気ヨーク(第1の軟磁性体)、29B…第1の磁気ヨーク(第2の軟磁性体)、34A…第1の集磁リング、34B…第2の集磁リング、34b,34c…爪片、35A…第1の磁気センサ、35B…第2の磁気センサ、43A…第1のエアギャップ、43B…第2のエアギャップ、JK…磁気回路、LB3,LB5,LB6…閾値範囲、M1…第1の増幅信号(第1の磁気センサの出力)、M3…第3の増幅信号(第1の磁気センサの出力)、M4…第4の増幅信号(第2の磁気センサの出力)、M5…第5の増幅信号(第2の磁気センサの出力)、M6…合成信号(出力差)

Claims (3)

  1. 連結軸を介して、同軸上に連結された第1の軸および第2の軸と、
    第1の軸に固定された永久磁石と、
    第2の軸に固定され、上記永久磁石が発生する磁界内に配置されて磁気回路を形成する第1および第2の軟磁性体と、
    第1および第2の軟磁性体とそれぞれ磁気的に接合され、互いの間に第1のエアギャップおよび第2のエアギャップを形成する第1および第2の集磁リングと、
    第1のエアギャップに配置され、第1のエアギャップに生ずる磁束密度を検出する第1の磁気センサと、
    第2のエアギャップに配置され、第2のエアギャップに生ずる磁束密度を検出する第2の磁気センサと、
    第1の磁気センサの出力に基づいて第1の軸および第2の軸に加えられたトルクを検出するトルク検出部と、
    第1の磁気センサの出力および第2の磁気センサの出力の比較に基づいて異常を検出する異常検出部とを備え、
    第2のエアギャップが第1のエアギャップよりも大きくされていることを特徴とするトルク検出装置。
  2. 請求項1において、上記異常検出部は、第1の磁気センサの出力と、第2の磁気センサの出力と、第1および第2の磁気センサの間の出力差とのうちの少なくともひとつが、対応する閾値範囲を逸脱する場合に、異常を検出することを特徴とするトルク検出装置。
  3. 請求項1または2において、上記第1および第2のエアギャップのそれぞれは、第1および第2の集磁リングにそれぞれ設けられた対応する爪片間に形成されていることを特徴とするトルク検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017026575A (ja) * 2015-07-28 2017-02-02 株式会社デンソー センサ装置
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