JP2018138555A - ブレクスピプラゾール又はその塩を含有する神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療剤 - Google Patents

ブレクスピプラゾール又はその塩を含有する神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療剤 Download PDF

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Abstract

【課題】認知症に伴う周辺症状に対する予防及び/又は治療剤の提供。
【解決手段】下記式で表される7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン又はその塩を有効成分とする、認知症に伴う周辺症状の予防及び/又は治療剤。前記剤は、認知症に伴う周辺症状である、抑うつ、不安、幻覚、妄想、睡眠障害等の精神症状、並びに暴力、暴言、徘徊、拒絶、不潔行為等の衝動性症状の予防及び/又は治療に有用である。

【選択図】図2

Description

本発明は、ブレクスピプラゾール又はその塩を含有する神経変性疾患に伴う周辺症状(behavioral and psychological symptoms)又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又
は治療剤に関する。
ブレクスピプラゾール (OPC-34712)、即ち7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン又はその塩ならびにその製法は、特許文献1(特開2006-316052号公報(US 2010/0179322 A1))に記載さ
れており、ドパミンD受容体パーシャルアゴニスト作用(D受容体パーシャルアゴニスト作用)、セロトニン5−HT2A受容体アンタゴニスト作用(5−HT2A受容体アンタゴニスト作用)及びアドレナリンα受容体アンタゴニスト作用(α受容体アンタゴニスト作用)を有し、更にそれらの作用に加えてセロトニン取り込み阻害作用(あるいはセロトニン再取り込み阻害作用)を併有し、中枢神経疾患に対して広い治療スペクトラムを有している旨の記載がある。しかし、係る特許文献には、ブレクスピプラゾール又はその塩がアルツハイマー病等の神経変性疾患に伴う認知障害に有用である旨の記載はあるが、神経変性疾患の周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状に関する有用性については一切記載されていない。
さらに、ブレクスピプラゾール又はその塩が、内側前頭皮質(ACA: Anterior cingulate area、PL: Prelimbic area、IL: Infralimbic area)の活性化を有意に増加させたことも記載されていない。
内側前頭皮質の活性低下は、神経変性疾患の周辺症状及び精神疾患の衝動性症状との関連性が報告されている(Bipolar Disord 2009;11:628-36, J Abnorm Psychol 2013;122:558-65, Mov Disord 2011;26:225-33, Pharmacol Biochem Behav 2009;93:237-47)。
衝動性症状は、ヒトの様々な行動を特徴付ける多次元な人格特性の一つであり、その亢進は中枢神経疾患、即ち精神疾患や神経変性疾患等に起因する場合が多く、暴力・攻撃的言動・自殺などと強く関連している。生物心理社会学的な衝動性の定義によれば、内的或いは外的な刺激に対して、マイナスの結果に繋がる反応であっても、自己或いは非自己に対する拙速で無計画な反応に走る病的素因としている(Am J Psychiatry 2001; 158:1783-93)。また、Barratt Impulsiveness Scaleでは、注意能力に起因する衝動性、行動の衝動性、計画性の無さによる衝動性などの、三つの下位尺度をもとに、その人がどのような性質の衝動性を持っているのかを評価することができる(J Clin Psychol 1995; 51:768-74)。
衝動性症状を有する精神疾患として、統合失調症、大うつ病、双極性障害、注意欠陥多動性障害(AD/HD)、自閉症、反社会的人格異常、境界型人格障害、物質乱用/依存などが
挙げられる。
統合失調症患者の多くは暴力的な行為に及ぶことはないが、一部の患者には持続的な攻撃行動を示し、投薬治療の妨げ或いは介護者の負担となる場合もある。スウェーデンで1973〜2006年に行われた縦断的疫学研究では、一般人口の5.3%が暴力犯罪に関与していた
のに対し、統合失調症患者の場合は、13.2%が暴力犯罪に関与していたという報告がある(JAMA 2009; 301:2016-23)。統合失調症患者の暴力行為の原因には不均一性があり、i)
幻覚妄想などの陽性症状、ii)衝動性、iii)併存した精神病質に起因すると考えられてい
る(Int J Clin Pract 2008; 62:1237-45)。
Citromeらは、クロザピン(clozapine)、オランザピン(olanzapine)、リスペリドン(risperidone)、ハロペリドール(haloperidol)を用いて、前向き無作為化二重盲検試験により、それら既存の抗精神病薬による統合失調症患者の攻撃性抑制効果を検討している(Psychiatric Services 2001; 52:1510-14)。評価にはPANSS (Positive and Negative Symptom Scale)の陽性尺度の一つ、hostility(敵意)が使用された。クロザピンは唯一、統計
的有意にhostilityを減弱し、一方、リスペリドンとハロペリドールはhostilityを悪化させた。オランザピンは、最小限の改善効果を示すのみであった。このように、クロザピンは統合失調症患者のhostilityに一定の効果が認められることから、暴力行為を示す統合
失調症患者に対して投与が推奨されている。しかし、クロザピンは極めて効力の強い抗精神病薬であり、その効果は、上記i)の陽性症状の改善によって暴力行為を抑制した可能性があり、ii)の衝動性に由来する暴力行為を抑制できたのかは証明されていない。またク
ロザピンには無顆粒球症などの重篤な副作用があることから、使用出来る医療機関や患者も限られている。
また、統合失調症は、家系解析・遺伝子多型の解析などにより、発症に関連する遺伝子として100以上の報告例がある。中でもスコットランドの統合失調症多発家系から見出さ
れた、第1染色体と第11染色体の相互転座しているDisrupted-In-Schizophrenia 1 (Disc1) 遺伝子が、統合失調症を引き起こす脆弱因子として注目されている。Disc1 L100P点突
然変異を有するマウスは、統合失調症様の行動異常を呈し、抗精神病薬のクロザピンやハロペリドールが統合失調症様の行動を軽減した。さらに脳体積の減少や、生化学的な解析により、統合失調症様モデルとしての有用性が示されている(Neuron 54(3): 387-402, 2007)。
大うつ病は自殺傾向と強く関連があり、衝動性症状はその重要な予測因子とされている(Am J Psychiatry 1999; 156:181-89)。また、大うつ病患者は健常者に比べて、より衝動的であり(Am J Psychiatry 2005; 162:1680-7)、自殺企図や自殺行為に及び易い(Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry 2003; 27:829-33, Epidemiol Psichiatr Soc
2009; 18:172-8)。抗うつ薬として用いられている選択的セロトニン再取り込み阻害薬
(Selective Serotonin Re-uptake Inhibitor : SSRI)は、自殺リスクの上昇との関連性
が指摘され、2004年には米国食品医薬品局(FDA)が、抗うつ薬の服用時にアクチベーシ
ョンシンドローム(activation syndrome)(AS)が生じ自殺に至る可能性があるという警
告を発している。またHaradaらは、3ヶ月間抗うつ薬が処方された外来患者のAS出現につ
いて後方視的調査を行ったところ、その4.3%がASを呈した(Depress Anxiety 2008; 25:1014-9)。そのため、臨床においては抗うつ薬の投与後にASが出現した場合に、抗うつ薬
の副作用か現病の増悪かの判断が困難で、医師が抗うつ薬の投与を継続するか否かの判断に苦慮することも少なくない。そのため、衝動性症状が高い大うつ病患者への適切な治療法の確立が望まれている。
双極性障害における暴力的行為については、Barlowらによって報告されている(Aust N
Z J Psychiatry 2000; 34:967-74)。18ヶ月間にわたり1269名の在院精神疾患患者を調
査したところ、躁状態の双極性障害患者の暴力的行為が最も高いオッズ比を示した。また、大部分の暴力的行為は明らかに衝動性に起因すると考えられ、その多くが躁病エピソード時に出現した。
臨床においては、躁病エピソードの治療に、気分安定剤と抗精神病薬が処方されている。同処方の有効性がメタ解析で報告されているものの(Arch Gen Psychiatry 2007; 64:442-55, Acta Psychiatr Scand 2007; 115:12-20)、暴力的行為に対して検討した試験は
今のところ存在しない。
アルコール依存症や薬物依存症は、アルコールもしくは薬物に対する耐性、渇望、離脱症状などいくつかの診断基準を満たした精神疾患である。依存症患者は、衝動的な行動をとることがよく知られており、アルコールや薬物の摂取行為を抑制できないだけでなく、将来望ましくない結果をもたらす可能性があるにもかかわらず、目前の欲求を満たすために手っ取り早い行動をとってしまう。そのため、患者は暴力行為などの犯罪を起こすことも多い。このような衝動的行動には、前頭皮質の障害が関連しているとも言われている(Pharmacol Biochem Behav 2009;93:237-47)。アルコール依存症の治療としては、衝動的な飲酒を抑制し、飲酒量のコントロールを助けるため、ナルトレキソンやナルメフェンといったオピオイド拮抗薬が処方されているが、その治療効果はまだ十分でなく、より治療効果の高い薬剤や治療方法の確立が望まれている。
神経変性疾患としては、認知症[アルツハイマー型認知症(AD)、レビー小体型認知症
、パーキンソン型認知症、前頭側頭型認知症、脳血管性認知症、ハンチントン病]、多発
性硬化症などがある。
神経変性疾患における周辺症状としては、例えば、認知症の周辺症状等が挙げられる。
認知症は、記憶、見当識、判断力などの認知機能障害を主とする「中核症状」と、「中核症状」に伴って現れる精神症状及び衝動性の症状である「周辺症状」に分けられる。精神症状では抑うつ、不安、幻覚、妄想、睡眠障害などがあり、衝動性症状では、暴力、暴言、徘徊、拒絶、不潔行為などが存在する。1995年に米国で開催された国際老年医学会において、これらの行動障害は“認知症患者にしばしば出現する知覚や思考内容、気分あるいは行動障害”と定義され、以後BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of
Dementia)と呼ばれる。
疫学調査では、在宅認知症患者の80%に行動の異常、すなわちBPSDが認められ、認知症が軽症から中等症に進行するとBPSDが多く出現するとされている。次第に在宅介護が困難になるため、患者と介護者のQOL(Quality of Life)が著しく低下する。比較的軽度のBPSDであれば、生活環境や介護の適切な改善による「非薬物療法」によって対応が可能な場合もある。しかし中等症以上で、患者のみならず介護者のストレスが増大するなど様々な問題が生じている場合には、薬物治療が必要となる場合が多い。
代表的な神経変性疾患であるアルツハイマー病について、周辺症状の1つである、焦燥性興奮(agitation)に対するドネペジルの12週間の治療効果を検討した報告がある(N Engl J Med 2007, 357:1382-1392)。老人ホームで介護されている重症度の高いアルツハイマー病患者をプラセボ群とドネペジル投与群に振り分け試験を実施し、CMAI(Cohen-Mansfield Agitation Inventory、興奮状態の尺度)と、NPI(Neuropsychiatric Inventory、神経精神症状の尺度)にて評価した。その結果、各スコアは、プラセボ群とドネペジル投与群間で統計的に有意差がなく、加えてスコア自体にほとんど変化がなかった(p値:CMAI 0.98、NPI 0.95)。この結果から、ドネペジルはagitationを改善しなかった、あるい
は、助長もしなかったと解釈できる。従って、ドネペジルはアルツハイマー病の認知機能の改善を期待できる薬剤であるものの、介護者の負担となりやすい周辺症状、特に焦燥性興奮には改善効果がないと言える。
Alexanderらは、世界的に汎用されているADモデルマウスの一つであるTg2576マウスを
用いて、攻撃性に着目したBPSDモデルの報告をしている(Behavioural Brain Research 2011; 216:77-83)。Tg2576は、スウェーデン型およびロンドン型Amyloid Precursor Protein (APP)変異を有するADモデルマウスである。「居住者-侵入者」試験法を応用したこの
モデルは、個別飼育したTg2576(居住者)のケージに、攻撃性を持たない系統であるA/J
マウス(侵入者)を侵入させるものである。7ヶ月齢のTg2576の攻撃性について検討したところ、コントロールマウスに比べて最初の攻撃までにかかる時間が有意に減少し、さらに10分間の攻撃回数が有意に増加した。
また Vloeberghs らは、APP23マウスの夜間概日リズムに基づいた自発運動量変化につ
いて報告している(Eur J Neurosci 2004; 10:2757-66)。APP23マウスはスウェーデン型APP変異を有するADモデルマウスである。12ヶ月齢のAPP23および野生型マウスを3日間比較したところ、野生型マウスの夜間自発運動量は初日のみ高く、2日目、3日目には有意に減少する。一方、APP23マウスは3夜間に渡り高い自発運動量の増加を示した。また
、APP23マウスの2、3日目の夜間自発運動量は、野生型の2、3日目の夜間自発運動量
に比べて、有意に増加していた。
上記の報告のように、BPSD症状の一部を呈するADモデルマウスの研究報告が数多くなされており、同モデルマウスの攻撃性や自発運動量亢進を指標にBPSD治療薬の研究・開発が可能となってきている。
また、レビー小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies, DLB)については、幻視や幻
聴を特徴とし、進行性の認知機能障害とパーキンソン病様の運動障害の両方が症状として表れる。老年期の変性性認知症疾患ではアルツハイマー型認知症に次いで2番目に多いと
されている。また、DLBは早期から最もBPSDを伴い易い認知症であり、そのために患者や
その介護者のQOLが著しく障害される。藤田らは、家族性DLBにおいて見出された遺伝子変異に着目し、変異型のP123Hβ-シヌクレインを発現する新規トランスジェニックマウスモデルの作製に成功した(Nat Commun 2010; 1:110)。同マウスは種々の病理所見に加え、認知症状を呈することが示されており、さらにBPSD様の異常行動を呈することより、同モデルマウスを用いてもBPSD治療薬の研究・開発が可能である。
以上のように神経変性疾患に伴う周辺症状もしくは精神疾患に伴う衝動性症状が発生すると、介護者に非常に大きな負担がかかり、また周囲の者に対しては危害が加えられる可能性があるため、このような症状を抑制する薬剤が求められている。
本発明の目的は、安全性の優れた神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療剤を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、APP遺伝子変異を有するADモデルマウスの
攻撃性や自発運動量亢進等を指標として鋭意研究を行うことより、ブレクスピプラゾール又はその塩が、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患伴う衝動性症状に有効であることを見出した。さらにブレクスピプラゾール又はその塩は、神経変性疾患に伴う周辺症状及び精神疾患の衝動性症状と関連の深い内側前頭皮質の神経細胞を活性化することを見出した。
本発明によれば、ブレクスピプラゾール又はその塩を有効成分とする神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療剤を提供する。
本発明によれば、ブレクスピプラゾール又はその塩を有効成分として含む神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療用の組成物(医薬組成物)を提供する。
本発明によれば、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及
び/又は治療剤を製造するためのブレクスピプラゾール又はその塩の使用を提供する。
本発明によれば、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防又は治療を必要とする患者に、予防又は治療上の有効量のブレクスピプラゾール又はその塩を投与することを含む、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療方法を提供する。
本発明によれば、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防又は治療を必要とする患者のうち、一般に入手される抗精神病薬又は神経変性疾患治療薬では効果が不十分な患者に対し、予防又は治療上の有効量のブレクスピプラゾール又はその塩を投与することを含む、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療方法を提供する。
すなわち、本発明は、下記項1〜59に示す中枢神経疾患に伴う周辺症状の予防及び/又は治療剤を提供する。
項1.
神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防又は治療を必要とする患者に、予防又は治療上の有効量の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン又はその塩を投与することを含む、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療方法。
項2.
神経変性疾患に伴う周辺症状の予防及び/又は治療方法である、項1に記載の予防及び/又は治療方法。
項3.
精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療方法である、項1に記載の予防及び/又は治療方法。
項4.
神経変性疾患が、認知症、多発性硬化症、パーキンソン症候群、若年性パーキンソニズム、線条体黒質変性症、進行性核上性麻痺、純粋無動症、プリオン病、大脳皮質基底核変性症、有棘赤血球舞踏病、良性遺伝性舞踏病、発作性舞踏アテトーゼ、本態性振戦、本態性ミオクローヌス、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、レット症候群、変性性バリズム、変形性筋ジストニー、アテトーゼ、痙性斜頸、メイジ症候群、脳性麻痺、ウィルソン病、瀬川病、ハレルフォルデン・スパッツ症候群、神経軸索ジストロフィー、淡蒼球萎縮症、脊髄小脳変性症、皮質性小脳萎縮症、ホームズ型小脳萎縮症、オリーブ橋小脳萎縮症、遺伝性オリーブ橋小脳萎縮症、ジョセフ病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカ症候群、フリードライヒ運動失調症、ルシー・レヴィー症候群、メイ・ホワイト症候群、先天性小脳失調症、周期性遺伝性失調症、毛細血管拡張運動失調症、筋萎縮性側索硬化症、進行性球麻痺、脊髄性進行性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、ウェルドニッヒ・ホフマン病、クーゲルベルク・ウェランダー病、遺伝性痙性対麻痺、脊髄空洞症、延髄空洞症、アーノルド・キアリー奇形、スティフマン症候群、クリッペル・ファイル症候群、ファチオーロンド病、低位脊髄症、ダンディー・ウォーカー症候群、二分脊椎、シェーグレン・ラーソン症候群、放射線脊髄症、加齢黄斑変性、ならびに脳出血による脳卒中及び/又はそれに伴う機能不全もしくは神経脱落症状からなる群から選ばれる、項2に記載の予防及び/又は治療方法。
項5.
神経変性疾患が、認知症である、項4に記載の予防及び/又は治療方法。
項6.
認知症が、アルツハイマー型認知症である、項5に記載の予防及び/又は治療方法。
項7.
認知症が、レビー小体型認知症である、項5に記載の予防及び/又は治療方法。
項8.
認知症が、前頭側頭型認知症である、項5に記載の予防及び/又は治療方法。
項9.
認知症が、脳血管性認知症である、項5に記載の予防及び/又は治療方法。
項10.
認知症が、パーキンソン型認知症である、項5に記載の予防及び/又は治療方法。
項11.
認知症が、ハンチントン病である、項5に記載の予防及び/又は治療方法。
項12.
神経変性疾患が、多発性硬化症である、項4に記載の予防及び/又は治療方法。
項13.
精神疾患が、統合失調症、治療抵抗性統合失調症、難治性統合失調症、慢性統合失調症、感情障害、精神病性障害、気分障害、双極性障害、躁病、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病、気分変調性障害、気分循環性障害、不安障害、身体表現性障害、虚偽性障害、解離性障害、性障害、摂食障害、睡眠障害、適応障害、物質関連障害、無快感症、せん妄、嘔吐、乗物酔い、肥満、偏頭痛、疼痛、精神遅滞、自閉症、トゥレット障害、チック障害、注意欠陥多動性障害、行為障害、間欠性爆発性障害、窃盗癖、放火癖、病的賭博、抜毛癖、ダウン症候群及びパーソナリティ障害からなる群から選ばれる、項3に記載の予防及び/又は治療方法。
項14.
精神疾患が、統合失調症、治療抵抗性統合失調症、難治性統合失調症及び慢性統合失調症からなる群から選ばれる、項13に記載の予防及び/又は治療方法。
項15.
精神疾患が、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病からなる群から選ばれる、項13に記載の予防及び/又は治療方法。
項16.
精神疾患が、双極性障害である、項13に記載の予防及び/又は治療方法。
項17.
精神疾患が、摂食障害である、項13に記載の予防及び/又は治療方法。
項18.
精神疾患が、注意欠陥多動性障害である、項13に記載の予防及び/又は治療方法。
項19.
精神疾患が、不安障害である、項13に記載の予防及び/又は治療方法。
項20.
不安障害が、強迫性障害である、項19に記載の予防及び/又は治療方法。
項21.
不安障害が、外傷後ストレス障害である、項19に記載の予防及び/又は治療方法。
項22.
患者が、一般に入手される抗精神病薬又は神経変性疾患治療薬では、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状について効果不十分な患者である項1〜21のいずれか1項に記載の予防及び/又は治療方法。
項23.
一般に入手される抗精神病薬が、クロルプロマジン、フルフェナジン、レボメプロマジン、ペルフェナジン、プロペリシアジン、ブロムペリドール、ハロペリドール、ピパンペロン、チミペロン、ネモナプリド、スルピリド、スルトプリド、カルピプラミン、クロカプラミン、モサプラミン、ピモジド、オキシペルチン、ゾテピン、アミスルプリド、リスペリドン、イロペリドン、ペロスピロン、パリペリドン、ルラシドン、ジプラシドン、アセナピン、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、ブロナンセリン、アリピプラゾール、カリプラジン若しくはセルチンドール又はその塩である項22に記載の予防及び/又は治療方法。
項24.
一般に入手される神経変性疾患治療薬が、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチン、フィンゴリモド、メチルプレドニゾロン、アザチオプリン、ミトキサントロン、シクロホスファミド、インターフェロンβ製剤、グラチラマー、テリフルノミド若しくはナタリズマブ又はその塩である項22に記載の予防及び/又は治療方法。
項25.
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン又はその塩を有効成分とする神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療剤。
項26.
神経変性疾患に伴う周辺症状の予防及び/又は治療剤である、項25に記載の予防及び/又は治療剤。
項27.
精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療剤である、項25に記載の予防及び/又は治療剤。
項28.
神経変性疾患が、認知症、多発性硬化症、パーキンソン症候群、若年性パーキンソニズム、線条体黒質変性症、進行性核上性麻痺、純粋無動症、プリオン病、大脳皮質基底核変性症、有棘赤血球舞踏病、良性遺伝性舞踏病、発作性舞踏アテトーゼ、本態性振戦、本態性ミオクローヌス、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、レット症候群、変性性バリズム、変形性筋ジストニー、アテトーゼ、痙性斜頸、メイジ症候群、脳性麻痺、ウィルソン病、瀬川病、ハレルフォルデン・スパッツ症候群、神経軸索ジストロフィー、淡蒼球萎縮症、脊
髄小脳変性症、皮質性小脳萎縮症、ホームズ型小脳萎縮症、オリーブ橋小脳萎縮症、遺伝性オリーブ橋小脳萎縮症、ジョセフ病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカ症候群、フリードライヒ運動失調症、ルシー・レヴィー症候群、メイ・ホワイト症候群、先天性小脳失調症、周期性遺伝性失調症、毛細血管拡張運動失調症、筋萎縮性側索硬化症、進行性球麻痺、脊髄性進行性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、ウェルドニッヒ・ホフマン病、クーゲルベルク・ウェランダー病、遺伝性痙性対麻痺、脊髄空洞症、延髄空洞症、アーノルド・キアリー奇形、スティフマン症候群、クリッペル・ファイル症候群、ファチオーロンド病、低位脊髄症、ダンディー・ウォーカー症候群、二分脊椎、シェーグレン・ラーソン症候群、放射線脊髄症、加齢黄斑変性、ならびに脳出血による脳卒中及び/又はそれに伴う機能不全もしくは神経脱落症状からなる群から選ばれる、項26に記載の予防及び/又は治療剤。
項29.
神経変性疾患が、認知症である、項28に記載の予防及び/又は治療剤
項30.
認知症が、アルツハイマー型認知症である、項29に記載の予防及び/又は治療剤。
項31.
認知症が、レビー小体型認知症である、項29に記載の予防及び/又は治療剤。
項32.
認知症が、前頭側頭型認知症である、項29に記載の予防及び/又は治療剤。
項33.
認知症が、脳血管性認知症である、項29に記載の予防及び/又は治療剤。
項34.
認知症が、パーキンソン型認知症である、項29に記載の予防及び/又は治療剤。
項35.
認知症が、ハンチントン病である、項29に記載の予防及び/又は治療剤。
項36.
神経変性疾患が、多発性硬化症である、項28に記載の予防及び/又は治療剤。
項37.
精神疾患が、統合失調症、治療抵抗性統合失調症、難治性統合失調症、慢性統合失調症、感情障害、精神病性障害、気分障害、双極性障害、躁病、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病、気分変調性障害、気分循環性障害、不安障害、身体表現性障害、虚偽性障害、解離性障害、性障害、摂食障害、睡眠障害、適応障害、物質関連障害、無快感症、せん妄、嘔吐、乗物酔い、肥満、偏頭痛、疼痛、精神遅滞、自閉症、トゥレット障害、チック障害、注意欠陥多動性障害、行為障害、間欠性爆発性障害、窃盗癖、放火癖、病的賭博、抜毛癖、ダウン症候群及びパーソナリティ障害からなる群から選ばれる、項27に記載の予防及び/又は治療剤。
項38.
精神疾患が、統合失調症、治療抵抗性統合失調症、難治性統合失調症及び慢性統合失調症からなる群から選ばれる、項37に記載の予防及び/又は治療剤。
項39
精神疾患が、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病からなる群から選ばれる、項37に記載の予防及び/又は治療剤。
項40.
精神疾患が、双極性障害である、項37に記載の予防及び/又は治療剤。
項41.
精神疾患が、摂食障害である、項37に記載の予防及び/又は治療剤。
項42.
精神疾患が、注意欠陥多動性障害である、項37に記載の予防及び/又は治療剤。
項43.
精神疾患が、不安障害である、項37に記載の予防及び/又は治療剤。
項44.
不安障害が、強迫性障害である、項43に記載の予防及び/又は治療剤。
項45.
不安障害が、外傷後ストレス障害である、項43に記載の予防及び/又は治療剤。
項46.
一般に入手される抗精神病薬又は神経変性疾患治療薬では、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状について効果不十分な患者を治療するための、項25〜45のいずれか1項に記載の予防及び/又は治療剤。
項47.
一般に入手される抗精神病薬が、クロルプロマジン、フルフェナジン、レボメプロマジン、ペルフェナジン、プロペリシアジン、ブロムペリドール、ハロペリドール、ピパンペロン、チミペロン、ネモナプリド、スルピリド、スルトプリド、カルピプラミン、クロカプラミン、モサプラミン、ピモジド、オキシペルチン、ゾテピン、アミスルプリド、リスペリドン、イロペリドン、ペロスピロン、パリペリドン、ルラシドン、ジプラシドン、アセナピン、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、ブロナンセリン、アリピプラゾール、カリプラジン若しくはセルチンドール又はその塩である項46に記載の予防及び/又は治療剤。
項48.
一般に入手される神経変性疾患治療薬が、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチン、フィンゴリモド、メチルプレドニゾロン、アザチオプリン、ミトキサントロン、シクロホスファミド、インターフェロンβ製剤、グラチラマー、テリフルノミド若しくはナタリズマブ又はその塩である項46に記載の予防及び/又は治療剤。
項49.
神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療剤を製造するための7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン又はその塩の使用。
項50.
神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状を予防及び/又は治療するた
めに用いられる7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン又はその塩。
項51.
7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン又はその塩を有効成分として含む神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療用の医薬組成物。
項52.
精神疾患が、物質関連障害である、項13に記載の予防及び/又は治療方法。
項53.
物質関連障害が、アルコール関連障害である、項52に記載の予防及び/又は治療方法。
項54.
精神疾患が、物質関連障害である項37に記載の予防及び/又は治療剤。
項55.
物質関連障害が、アルコール関連障害である、項54に記載の予防及び/又は治療剤。
項56.
周辺症状が、衝動性症状である、項6に記載の予防及び/又は治療方法。
項57.
衝動性症状が、焦燥である、項56に記載の予防及び/又は治療方法。
項58.
周辺症状が、衝動性症状である、項30に記載の予防及び/又は治療剤。
項59.
衝動性症状が、焦燥である、項58に記載の予防及び/又は治療剤。
ブレクスピプラゾール又はその塩は、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状に対し、優れた治療効果を有する。ブレクスピプラゾール又はその塩は、特に認知症(好ましくはアルツハイマー病)に伴う周辺症状(BPSD)に対し、優れた治療効果を有する。また既存の抗精神病薬又は神経変性疾患治療薬で効果不十分な患者に対し、ブレクスピプラゾール又はその塩を上乗せして投与することにより係る症状を改善することができる。さらに、ブレクスピプラゾール又はその塩は、内側前頭皮質の神経細胞を活性化する。さらにまた、ブレクスピプラゾール又はその塩は、既存の抗精神病薬と比べて、安全性及び忍容性に優れ、高齢のアルツハイマー病患者に対しても安全に投与することができる。
図1は、Tg2576マウスの攻撃性亢進の確認をした予備試験の結果を示す。 図2は、ブレクスピプラゾールによるTg2576マウスの攻撃性抑制効果の試験結果を示す。 図3は、制限アクセスパラダイムにおける個体別の平均エタノール摂取量に対するブレクスピプラゾール投与の影響を示す。 図4は、c-fos-GFPマウスの内側前頭皮質神経活性化パターンに対するブレクスピプラゾールの効果を示す。溶媒群に対してGFPシグナルが有意に増加しているエリアが白く表示されている。
本発明における有効成分は、ブレクスピプラゾール又はその塩である。ブレクスピプラゾールは、下記式で表される公知化合物であり、統合失調症等で臨床試験中である。
ブレクスピプラゾールの塩としては、薬理的に許容される塩であれば特に限定されず、例えば、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等)等の金属塩、アンモニウム塩、炭酸アルカリ金属(例えば、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等)、炭酸水素アルカリ金属(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等)等の無機塩基の塩;トリ(低級)アルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン等)、ピリジン、キノリン、ピペリジン、イミダゾール、ピコリン、ジメチルアミノピリジン、ジメチルアニリン、N−(低級)アルキル−モルホリン(例えば、N−メチルモルホリン等)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1、8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等の有機塩基の塩;塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸の塩;ギ酸、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、炭酸塩、ピクリン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩等の有機酸の塩等が挙げられる。ここで、「(低級)アルキル」とは、「炭素数1〜6のアルキル」を意味する。
また、「ブレクスピプラゾール又はその塩」は、ブレクスピプラゾール又はその塩の、無水物、溶媒和物(例えば、水和物、好ましくは二水和物)、これら無水物及び溶媒和物の各種結晶形態、及びこれらの混合物を含む。
これらのブレクスピプラゾール又はその塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。ブレクスピプラゾール又はその塩の無水物は、例えば、特許文献1(特開2006−316052号公報(US 2010/0179322 A1))の実施例1及び実施例42〜47に記載される方法によって得られる。
ブレクスピプラゾール又はその塩は、バルクで、又は好ましくは通常の医薬担体(医薬的に許容される担体)もしくは希釈剤で医薬製剤の形態で用いられ得る。投与形態は特定の形態に制限されない。具体的には、いずれの通常の投与形態、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤のような経口投与の製剤、経口投与に適した様々な液体製剤、又は注射剤、坐剤のような非経口投与用製剤であってもよい。用量は特定の範囲に制限されないが、通常、有効成分の含有化合物の量が、1日当たり体重1 kg当り、約0.01〜10 mg程度とするのが良い。また投与単位形態の製剤中には有効成分が約0.1〜400 mgの範囲で含有されるのが
望ましい。
注射用製剤は通常、液剤、乳濁液又は懸濁液の形態で調製され、無菌化し、更に好ましくは血液に対して等張にされる。液体、乳濁液又は懸濁液の形態の製剤は一般的に、通常の医薬希釈剤、例えば、水、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを用いて調製される。これらの製剤には、塩化ナトリウム、ブドウ糖、グリセリンのような等張剤を、等張にするのに十分な量で混合してもよく、更に通常の可溶化剤、緩衝剤、麻酔剤、及び適宜、着色剤、保存剤、芳香物質、香料又は甘味料を混合してもよい。
錠剤、カプセル剤、経口投与用液剤のような製剤は、通常の方法で調製され得る。錠剤は、ブレクスピプラゾール又はその塩を、ゼラチン、デンプン、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアガムなどのような通常の医薬担体と混合して調製され得る。カプセル剤は、ブレクスピプラゾール又はその塩を、不活性な医薬充填剤又は希釈剤と共に混合して調製し、硬ゼラチンカプセル又は軟カプセルに詰められ得る。シロップ剤又はエリキシル剤のような経口液体製剤は、ブレクスピプラゾール又はその塩と、甘味料(例えば、ショ糖)、保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン)、着色料、香料などとを混合して調製する。非経口投与用製剤はまた、通常の方法、例えばブレクスピプラゾール又はその塩を無菌の水性担体、好ましくは水又は生理食塩水溶液に溶解して調製され得る。非経口投与に適した好ましい液体製剤は、約0.1〜400 mgのブレクスピプラゾ
ール又はその塩を、水及び有機溶媒中に、更に分子量300〜5000を有するポリエチレングリコール中に溶解して調製し、好ましくは、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びポリビニルアルコールのような滑沢剤と混合される。上記の液体製剤には好ましくは更に、消毒剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノール、チメロサール)、殺菌剤、及び更に適宜、等張剤(例えば、ショ糖、塩化ナトリウム)、局所麻酔剤、安定化剤、緩衝剤などを加えてもよい。安定性を保つために、非経口投与用製剤は、小さな容器に充填し、続いて通常の凍結乾燥技術で水性溶媒を除いてもよく、これを使用に際して水性溶媒に溶解して液体製剤に戻すことにより得られる。
本発明はブレクスピプラゾール又はその塩の投与によって、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状を予防及び/又は治療できる。
本発明の精神疾患としては、統合失調症、治療抵抗性統合失調症、難治性統合失調症、慢性統合失調症、感情障害、精神病性障害、気分障害、双極性障害(例えば、双極性I型障害及び双極性II型障害など)、躁病、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病、気分変調性障害、気分循環性障害、不安障害(例えば、パニック発作、パニック障害、広場恐怖、社会恐怖、強迫性障害、外傷後ストレス障害、全般性不安障害、急性ストレス障害など)、身体表現性障害(例えば、ヒステリー、身体化障害、転換性障害、疼痛性障害、心気症など)、虚偽性障害、解離性障害、性障害(例えば、性機能不全、性的欲求障害、性的興奮障害、勃起障害、性嗜好異常など)、摂食障害(例えば、神経性無食欲症、神経性大食症など)、睡眠障害、適応障害、物質関連障害(例えば、アルコール関連障害(アルコール使用障害、アルコール誘発性障害、アルコール乱用、アルコール依存、アルコール中毒、アルコール離脱等)、アンフェタミン関連障害(アンフェタミン使用障害等)、大麻関連障害(大麻使用障害等)、コカイン関連障害(コカイン使用障害等)、幻覚剤関連障害(幻覚剤使用障害等)など)、無快感症(例えば、医原性無快感症、心理的、精神的な原因での無快感症、うつ病に伴う無快感症、統合失調症に伴う無快感症など)、せん妄、嘔吐、乗物酔い、肥満、偏頭痛、疼痛、精神遅滞、自閉症、トゥレット障害、チック障害、注意欠陥多動性障害、行為障害、ダウン症候群、パーソナリティ障害、間欠性爆発性障害、窃盗癖、放火癖、病的賭博、抜毛癖等が挙げられる。
本発明の神経変性疾患としては、認知症(例えば、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、脳血管性認知症、パーキンソン型認知症、ハンチントン病、老人性認知症、軽度認知障害、エイズ脳症、皮質基底核変性症、ピック病、混合型認知症など)、多発性硬化症、パーキンソン症候群、若年性パーキンソニズム、線条体黒質変性症、進行性核上性麻痺、純粋無動症、プリオン病、大脳皮質基底核変性症、有棘赤血球舞踏病、良性遺伝性舞踏病、発作性舞踏アテトーゼ、本態性振戦、本態性ミオクローヌス、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、レット症候群、変性性バリズム、変形性筋ジストニー、アテトーゼ、痙性斜頸、メイジ症候群、脳性麻痺、ウィルソン病、瀬川病、ハレルフォルデン・スパッツ症候群、神経軸索ジストロフィー、淡蒼球萎縮症、脊髄小脳変性症、皮質性小脳萎縮症、ホームズ型小脳萎縮症、オリーブ橋小脳萎縮症、遺伝性オリーブ橋小脳萎縮症、ジョセフ病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカ症候群、フリードライヒ運動失調症、ルシー・レヴィー症候群、メイ・ホワイト症候群、先天性小脳失調症、周期性遺伝性失調症、毛細血管拡張運動失調症、筋萎縮性側索硬化症、進行性球麻痺、脊髄性進行性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、ウェルドニッヒ・ホフマン病、クーゲルベルク・ウェランダー病、遺伝性痙性対麻痺、脊髄空洞症、延髄空洞症、アーノルド・キアリー奇形、スティフマン症候群、クリッペル・ファイル症候群、ファチオーロンド病、低位脊髄症、ダンディー・ウォーカー症候群、二分脊椎、シェーグレン・ラーソン症候群、放射線脊髄症、加齢黄斑変性、ならびに脳出血による脳卒中及び/又はそれに伴う機能不全もしくは神経脱落症状等が挙げられる。
本発明の周辺症状とは、衝動性症状と精神症状である。
衝動性症状とは、衝動的な行動をとる症状である。衝動的な行動として、具体的には、身体的攻撃、徘徊、不穏、焦燥(agitation)、非常識な行動や逸脱行為(例えば、性的逸
脱行為)、放浪、金切り声、泣き叫び、暴言、意欲低下、繰り返し質問、つきまとい、自殺企図や自殺、自傷行為、脅し、盗み、過食、脅迫行為、短絡反応、パニック反応、器物の損壊、不適切な衣服の着脱、濫売等が挙げられる。好ましい態様において、衝動性症状は焦燥である。
精神症状としては、幻覚、妄想、抑うつ気分、不眠、不安、誤認、睡眠障害等が挙げられる。
本発明の周辺症状の予防及び/又は治療方法とは、上記の周辺症状のうち1つ又は複数の症状が現れた状態を予防及び/又は治療する方法を意味する。
本発明の衝動性症状の予防及び/又は治療方法とは、上記の衝動性症状のうち1つ又は複数の症状が現れた状態を予防及び/又は治療する方法を意味する。
本発明のブレクスピプラゾール又はその塩は、特に、1)神経変性疾患が認知症である、神経変性疾患に伴う周辺症状(BPSD)(さらに、1)神経変性疾患が認知症である、神経変性疾患に伴う周辺症状(BPSD)の中でも、特に、アルツハイマー型認知症に伴う周辺症状、レビー小体型認知症に伴う周辺症状、前頭側頭型認知症に伴う周辺症状、脳血管性認知症に伴う周辺症状、パーキンソン型認知症に伴う周辺症状、ハンチントン病に伴う周辺症状の予防及び/又は治療に有用である)、あるいは、2)神経変性疾患が多発性硬化症である、神経変性疾患に伴う周辺症状の予防及び/又は治療に有用である。
更に、本発明のブレクスピプラゾール又はその塩は、特に、1)精神疾患が、統合失調症、治療抵抗性統合失調症、難治性統合失調症、及び慢性統合失調症からなる群から選ばれる、精神疾患に伴う衝動性症状、2)精神疾患が、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、
メランコリー及び治療抵抗性うつ病からなる群から選ばれる、精神疾患に伴う衝動性症状、3)精神疾患が、双極性障害である、精神疾患に伴う衝動性症状、4)精神疾患が、摂食障害である、精神疾患に伴う衝動性症状、5)精神疾患が、注意欠陥多動性障害である、精神疾患に伴う衝動性症状、あるいは、6)精神疾患が、不安障害である、精神疾患に伴う衝動性症状(さらに、6)精神疾患が、不安障害である、精神疾患に伴う衝動性症状の中でも、強迫性障害又は外傷後ストレス障害に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療に有用である)の予防及び/又は治療に有用である。
抗精神病薬、神経変性疾患治療薬のうちの1種又は2種以上を使用した状態の患者においても、上記症状が改善されない場合がある。このような患者に対し、ブレクスピプラゾール又はその塩を投与することにより、係る症状を改善することができる。
既存の(一般に入手される)抗精神病薬としては、クロルプロマジン、フルフェナジン、レボメプロマジン、ペルフェナジン、プロペリシアジン、ブロムペリドール、ハロペリドール、ピパンペロン、チミペロン、ネモナプリド、スルピリド、スルトプリド、カルピプラミン、クロカプラミン、モサプラミン、ピモジド、オキシペルチン、ゾテピン、アミスルプリド、リスペリドン、イロペリドン、ペロスピロン、パリペリドン、ルラシドン、ジプラシドン、アセナピン、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、ブロナンセリン、アリピプラゾール、カリプラジン、セルチンドール又はその塩等が挙げられる。
既存の(一般に入手される)神経変性疾患治療薬としては、アリセプト(登録商標)(ドネペジル塩酸塩)、レミニール(登録商標)(ガランタミン臭化水素酸塩)、イクセロン(登録商標)パッチ(リバスチグミン経皮吸収型製剤)、リバスタッチ(登録商標)パッチ(リバスチグミン経皮吸収型製剤)、メマリー(登録商標)(メマンチン塩酸塩)、フィンゴリモド塩酸塩(ジレニア(登録商標)カプセル、イムセラ(登録商標)カプセル)、メチルプレドニゾロン、アザチオプリン、ミトキサントロン、シクロホスファミド、インターフェロンβ製剤、コパキソン(登録商標)(グラチラマー酢酸塩)、テリフルノミド、タイサブリ(登録商標)(ナタリズマブ)等が挙げられる。
実施例1
1) マウス概日周期運動量測定
動物:スウェーデン型およびロンドン型APP変異を有するAPPSL-Tgマウス(雄)、コント
ロールとして同遺伝子変異を持たないnon-Tgマウス(雄)を作製し(Neuroscience Letters 2010; 469:273-277)、飼育室で飼育後、6ヶ月齢になってから使用した。飼育中は単独隔離飼育を行った。
測定方法:概日周期運動量測定には室町機械社製SUPERMEXを用いた。個別ケージにマウスを入れ、自由摂餌・飲水条件下で、マウスの自発運動量を3昼夜(計62.5時間)測定した。本装置は受動型赤外線センサーにより、マウスから放射される赤外線を感知し、位置移動回数がカウントされる。計測値は30分毎に集計し、専用ソフトCompACT AMSを使って自
動的に集計した。また、マウスの自発運動量に影響を与えないように、防音室で試験を行った。防音室内の照明時間は、飼育室と同様に、7:00-19:00の間点灯するように設定した。
2) 予備試験による群分け
non-TgマウスおよびAPPSL-Tgマウスについて、予め暗期19:00−7:00の自発運動量を
測定した。さらに、体重および暗期自発運動量を指標に平均値および分散が等しくなるよう群分けを行った。
3) 薬剤調製および投与方法
ブレクスピプラゾールは5%アラビアゴムを含む蒸留水に溶解し、溶媒群には5%アラビアゴム蒸留水を使用し、各マウスに経口投与した。
4) 匹数および用量設定
グループ1:non-Tgマウス 5匹/溶媒
グループ2:APPSL-Tgマウス 5匹/溶媒
グループ3:APPSL-Tgマウス 6匹/0.01 mg/kg ブレクスピプラゾール
グループ4:APPSL-Tgマウス 5匹/0.03 mg/kg ブレクスピプラゾール
5) 投与時間
3日間とも、ブレクスピプラゾールおよび溶媒を17:30-18:30の間に投与し、投与後は
速やかに運動量の測定を開始あるいは継続した。
6) 統計学的解析
検定は、両側検定、検定の有意水準は5%とした。統計ソフトは、SAS(R9.1、SAS Institute Japan)を使用した。
i) non-Tgマウス/溶媒群とAPPSL-Tgマウス/溶媒群の比較
暗期の第I〜III相毎に、Night 1〜3について混合モデルを用いた分散分析を行った。さらに暗期及びNight毎に対応のないt検定を行った。
ii) APPSL-Tgマウス/溶媒群とAPPSL-Tgマウス/ブレクスピプラゾール投与群の比較
暗期の第I〜III相毎に、Night 1〜3について混合モデルを用いた分散分析に基づくDunnett検定を行った。さらに暗期及びNight毎にDunnett検定を行った。
7) 結果
試験結果を表1及び表2に示す。
これまでに、Vloeberghs らにより、12時間/12時間明暗サイクルにおけるAPP-Tgマウスモデルの自発運動量については、加齢に伴って暗期自発運動量が亢進することが報告されている(Eur J Neurosci. 2004; 10:2757-66)。本発明で用いたAPPSL-Tgマウスも、Non-Tg群に比べ第II相及び第III相の自発運動量が有意に増加した(第II相:P<0.05; 第III相
:P<0.01)。さらに暗期及びNight毎では、3日目暗期第II相(P<0.05)あるいは1〜3
日目第III相(P<0.01)での自発運動量を有意に増加した(表1)。
ブレクスピプラゾールを暗期直前(17:30−18:30)に0.01および0.03 mg/kgの用量でAPPSL-Tgマウスに投与し、自発運動量の測定を開始した。2日目、3日目も同時刻に投与し、自発運動量測定を継続した。その結果、溶媒群に比べ0.01 mg/kg群及び0.03 mg/kg群は暗期第III相の自発運動量を有意に抑制した(0.01 mg/kg群:P<0.05; 0.03 mg/kg群:P=0.050)。さらに暗期第III相のNight毎では、0.01 mg/kg ブレクスピプラゾールは、3日
目の自発運動量を有意に抑制した(P<0.01、表2)。また、0.03 mg/kg ブレクスピプラゾールも、3日目で抑制傾向を示した(P=0.068、表2)。一方non-Tgマウスにおいては
、ブレクスピプラゾールは、暗期自発運動量を減少させなかった。
以上の結果から、APP遺伝子変異を有するADモデルマウスの夜間異常行動において、ブ
レクスピプラゾールは低用量で異常行動を抑制できることが明らかとなった。
実施例2
1) 居住者-侵入者試験(衝動性症状検討)
動物:スウェーデン型APP変異(K670N, M671L)を有するTg2576マウス(雄)、コントロ
ールとして同遺伝子変異を持たないnon-Tgマウス(雄)をTaconic社より購入し、5-6ヶ月齢まで飼育・加齢した。飼育中は単独隔離飼育を行った。
測定方法:実験には、Tg2576或いはnon-Tgマウス〔居住者(Resident)〕と攻撃性が殆ど見られないA/Jマウス〔侵入者(Intruder)〕を使用した。居住者は14日間単独隔離飼育し、
十分な縄張りを形成させた。その後、侵入者を居住者のいるケージに移し、10分間の攻撃行動を観察した。攻撃行動としては噛み付きに着目し、最初の噛み付きまでに要した時間と10分間の総噛み付き回数を測定した。測定はマウスの活動量が最も高い暗期第1相(4時間)内に実施した。
2) 予備試験による攻撃性の確認
Tg2576(48匹)及びnon-Tgマウス(10匹)について、予め居住者-侵入者試験を実施し
、Tg2576マウスの攻撃性の亢進を確認した。攻撃性の見られなかったTg2576マウス5個体
は除外し、43個体を本試験に使用した。
3) Tg2576マウスの群分けおよび用量設定
予備試験で得られた、最初の攻撃までに要した時間と10分間の総噛み付き回数を指標に、平均値および分散が等しくなるよう3群に群分けを行った(計43匹)。
グループ1:Tg2576マウス 15匹/溶媒
グループ2:Tg2576マウス 14匹/0.01 mg/kg ブレクスピプラゾール (OPC-34712)
グループ3:Tg2576マウス 14匹/0.03 mg/kg ブレクスピプラゾール (OPC-34712)
4) 薬剤調製および投与方法
ブレクスピプラゾールは5%アラビアゴムを含む蒸留水に溶解し、溶媒群には5%アラビアゴム蒸留水を使用し、各マウスに経口投与した。
5) 投与時間
ブレクスピプラゾールおよび溶媒を試験開始1時間前に投与した。
6) 統計学的解析
検定は、有意水準を5%とした。統計ソフトは、SAS(R9.1、SAS Institute Japan)を使用した。Tg2576マウスの攻撃性亢進の確認については、non-Tgマウスと比較して、ウィルコクソン順位和検定により解析した。また、ブレクスピプラゾール投与による攻撃性抑制効果については、以下の組み合わせでシャーリー・ウィリアムズの多重比較検定により解析した。
i) Tg2576マウス/溶媒群とTg2576マウス/0.01 mg/kg ブレクスピプラゾール投与群
ii) Tg2576マウス/溶媒群とTg2576マウス/0.03 mg/kg ブレクスピプラゾール投与群
7) 結果
試験結果を図1及び図2に示す。
これまでに、Alexanderらにより、Tg2576マウスの攻撃性について、居住者-侵入者試験を用いて、攻撃性の亢進を報告している(Behavioural Brain Research 2011; 216:77-83)。本発明で用いたTg2576マウスも、居住者-侵入者試験により評価したところ、Non-Tg
群に比べ、最初の噛み付きまでに要した時間が有意に短縮していた(図1a、P<0.05、ウィルコクソン順位和検定)。さらに10分間の総噛み付き回数についても解析を行ったところ
、Tg2576マウスは噛み付き回数が有意に増加していた(図1b、P<0.01、ウィルコクソン順位和検定)。このように、明らかな攻撃行動亢進を示す同Tg2576マウス個体を用いて、ブ
レクスピプラゾールによる攻撃性抑制効果について、引き続き検討を行った。
ブレクスピプラゾールを居住者-侵入者試験開始1時間前に、0.01および0.03 mg/kgの
用量でTg2576マウスに投与し、ブレクスピプラゾールによる攻撃性抑制効果について検討した。測定結果に基づき、最初の噛み付きまでに要した時間について分析を行ったところ、溶媒群に比べ0.03 mg/kg群は最初の噛み付きまでに要する時間が有意に延長した(図2a、溶媒群vs 0.03 mg/kg群:*P<0.05、シャーリー・ウィリアムズの多重比較検定)。また
、噛み付き回数についても同検定法により解析を行ったところ、0.03 mg/kg ブレクスピ
プラゾールを投与したTg2576マウスは、溶媒群に比べて噛み付き回数が減少傾向であった(図2b、溶媒群vs 0.03 mg/kg群:P=0.0709)。
以上の結果から、APP遺伝子変異を有するADモデルマウスの攻撃行動において、ブレク
スピプラゾールはその攻撃性を抑制できることが明らかとなった。
実施例3
変異型のP123Hβ-シヌクレインを発現する新規トランスジェニックマウスモデルを用いて、実施例1で行った概日周期運動量測定や、実施例2の居住者-侵入者試験、さらに一
般的な行動評価試験(高架式十字迷路、強制水泳試験、尾懸垂試験、明暗箱テスト、ビー玉隠し行動試験、断崖回避反応試験)を実施することにより、ブレクスピプラゾールによる周辺症状の抑制を評価することができる。
実施例4
Disc1 L100P点突然変異を有するマウスの衝動性症状に着目し、実施例1で行った概日
周期運動量測定や、実施例2の居住者-侵入者試験、さらに一般的な行動評価試験(高架
式十字迷路、強制水泳試験、尾懸垂試験、明暗箱テスト、ビー玉隠し行動試験、断崖回避反応試験)を実施することによって、ブレクスピプラゾールによる衝動性症状の抑制を評価することができる。
実施例5
アルツハイマー型認知症に伴う焦燥性興奮(agitation)を有する患者の治療における
ブレクスピプラゾール(OPC-34712)の治療効果、安全性および忍容性を検討するための
多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対象比較試験。
試験方法
National Institute of Neurological and Communicative Disorders and Stroke and the Alzheimer's Disease and Related Disorders Association (NINCDS-ADRDA)のアルツハイマー病診断基準に従ってアルツハイマー病と診断された55歳から90歳までの患者で、かつ精神状態短時間検査(Mini Mental State Examination:MMSE)スコアが5〜22、さら
に、Neuropsychiatric Inventory in Nursing Home Version (NPI-NH)の焦燥性興奮/攻撃性の項目のスコアが4以上の患者を登録した。試験は、連続12週間の二重盲検治療期間で
構成されている。患者は次の群の一つに割付される。
・プラセボ
・ブレクスピプラゾール0.5 mg (0.25 mg/日から0.5 mg/日まで用量を漸増する)
・ブレクスピプラゾール1 mg (0.25 mg/日から1 mg/日まで用量を漸増する)
・ブレクスピプラゾール2 mg (0.25 mg/日から2 mg/日まで用量を漸増する)
評価方法
評価項目は、患者を登録してから試験期間の終了(12週)までのアルツハイマー病型認知症に伴う焦燥性興奮の改善をブレクスピプラゾール群とプラセボ群間で比較することによるブレクスピプラゾールの有効性、安全性、および忍容性の評価とした。
有効性の評価のため、コーエン・マンスフィールド agitation 評価(CMAI)、臨床全般
印象-重症度(CGI-S)スコア、CMAI下位尺度スコア、NPI-NHスコア(総スコア、精神症状下
位スコア、もしくは個別項目)、臨床全般印象-改善度(CGI-I)スコア、および臨床全般印
象-有効性指数(CGI-E)スコアを用いた。
以上を実施することにより、ブレクスピプラゾールによるアルツハイマー病に伴う周辺症状の抑制、およびブレクスピプラゾールの安全性・忍容性を評価することができる。
実施例6
1) 制限アクセスパラダイムによるアルコール摂取量測定
測定方法:アルコールに対する飲酒欲求という衝動行動をSinclairらの方法(Alcohol 1992; 9:441-44およびAlcohol & Alcoholism 2001;36:2-10)を参考にして、以下のように
評価した。まず、Wistarラット(雄)を隔離飼育下で、数週間10%エタノール水溶液及び
水道水を自由摂取させた。各個体のエタノール摂取量が安定した後、1日に1時間のみエタノール摂取可能とする制限アクセスパラダイムに移行し、毎日、1時間のエタノール摂取
量を測定した。エタノール摂取量は、制限アクセスパラダイム開始直前と終了直後の10%
エタノール水溶液を充填した給水瓶の重量測定の結果から算出した。薬剤の評価直前の4
日間の制限アクセスパラダイムでの平均エタノール摂取量が、100%エタノール換算で0.4 g/kg/hr以上の個体を使用した。制限アクセスパラダイム試験は、9:00AM-12:00PMの間に
実施した。
2) 薬剤調製および投与方法
ブレクスピプラゾールは5%アラビアゴムを含む蒸留水に懸濁した。薬剤は4日間、1日1回、制限アクセスパラダイム開始1時間前に各ラットに経口投与した。
3) 匹数および用量設定
ラットは5匹使用した。ブレクスピプラゾールの投与量は、新奇環境下でWistarラット
の自発運動量(データ非表示)に影響を与えない0.1 mg/kgを選択した。
4) 統計学的解析
検定の有意水準は5%とした。統計ソフトは、SAS(R9.3、SAS Institute Japan)を使用した。薬剤の評価直前の4日間の制限アクセスパラダイムでの平均エタノール摂取量と、
薬剤投与後の制限アクセスパラダイムでの4日間の平均エタノール摂取量とを、対応のあ
るt検定(両側)にて解析を行った。
5) 結果
試験結果を図3に示す。
制限アクセスパラダイムで4日間平均0.4 g/kg/hr以上のエタノールを摂取することが確認されたラットに対して、4日間ブレクスピプラゾールを1時間前に0.1 mg/kgの用量で投
与し、制限アクセスパラダイムにおける平均エタノール摂取量を算出したところ、ブレクスピプラゾールは統計学的に有意にエタノール摂取量を抑制することが確認された。個体別に見ても全ての個体でエタノール摂取量が減少した。
以上の結果から、Wistarラットの10%エタノール水溶液に対する制限アクセスパラダイ
ムにおいて、ブレクスピプラゾールは低用量で衝動的エタノール摂取行動を抑制できることが明らかとなった。臨床でアルコール依存症患者の衝動的飲酒行動を抑制し、飲酒量のコントロールを可能にすることが確認されているナルメフェン(Nalmefene)が、本評価系
において効果を示すとの報告(Alcohol & Alcoholism 2001;36:2-10)があることから、
ブレクスピプラゾールもアルコール依存症患者の衝動的飲酒行動を抑制する。
実施例7
1)c-fos-GFP(Cellar oncogene FBJ osteosarcoma green fluorescent protein)マウ
スの神経活性化パターンの測定
測定方法:c-fosは、神経細胞が活性化した際に発現する間接的神経活動マーカーである
。このc-fos遺伝子のプロモーターの下流に緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を導入したトランスジェニックマウス(c-fos-GFPマウス)を用いて、脳内神経活性化パターンを測
定した。ブレクスピプラゾールもしくは溶媒を投与し、3時間後に脳を摘出した。全脳の
連続切片から二光子顕微鏡を用いてGFPシグナルをコンピュータに取り込み、3次元再構築後、脳地図情報を用いて、ブレクスピプラゾール(OPC-34712)群と溶媒(vehicle)群の神経活性化パターンを定量解析した。
2) 薬剤調製および投与方法
ブレクスピプラゾールは5%アラビアゴムを含む蒸留水に懸濁し、c-fos-GFPマウスに経
口投与した。
3) 匹数および用量設定
マウスは5-7匹使用した。ブレクスピプラゾールの投与量は、0.3および1 mg/kgを用い
た。
4) 統計学的解析
検定の有意水準は5%とした。脳部位毎の群間の比較は、Tukeyの多重比較検定を行った
5) 結果
試験結果を図4に示す。溶媒(vehicle)群に対してGFPシグナルが有意に増加しているエリアが白く表示されている。
ブレクスピプラゾールは、0.3および1 mg/kgで内側前頭皮質(ACA: Anterior cingulate area、PL: Prelimbic area、IL: Infralimbic area)でのGFPシグナルを有意に増加さ
せた。
以上の結果から、ブレクスピプラゾールは内側前頭皮質の神経細胞を活性化することが確認された。
ブレクスピプラゾール又はその塩は、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療剤として有用である。
本出願は、米国仮特許出願第61/718,305号及び第61/782,467号を基礎としており、その内容は言及により本明細書にすべて包含される。

Claims (51)

  1. 神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防又は治療を必要とする患者に、予防又は治療上の有効量の7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン又はその塩を投与することを含む、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療方法。
  2. 神経変性疾患に伴う周辺症状の予防及び/又は治療方法である、請求項1に記載の予防及び/又は治療方法。
  3. 精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療方法である、請求項1に記載の予防及び/又は治療方法。
  4. 神経変性疾患が、認知症、多発性硬化症、パーキンソン症候群、若年性パーキンソニズム、線条体黒質変性症、進行性核上性麻痺、純粋無動症、プリオン病、大脳皮質基底核変性症、有棘赤血球舞踏病、良性遺伝性舞踏病、発作性舞踏アテトーゼ、本態性振戦、本態性ミオクローヌス、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、レット症候群、変性性バリズム、変形性筋ジストニー、アテトーゼ、痙性斜頸、メイジ症候群、脳性麻痺、ウィルソン病、瀬川病、ハレルフォルデン・スパッツ症候群、神経軸索ジストロフィー、淡蒼球萎縮症、脊髄小脳変性症、皮質性小脳萎縮症、ホームズ型小脳萎縮症、オリーブ橋小脳萎縮症、遺伝性オリーブ橋小脳萎縮症、ジョセフ病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカ症候群、フリードライヒ運動失調症、ルシー・レヴィー症候群、メイ・ホワイト症候群、先天性小脳失調症、周期性遺伝性失調症、毛細血管拡張運動失調症、筋萎縮性側索硬化症、進行性球麻痺、脊髄性進行性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、ウェルドニッヒ・ホフマン病、クーゲルベルク・ウェランダー病、遺伝性痙性対麻痺、脊髄空洞症、延髄空洞症、アーノルド・キアリー奇形、スティフマン症候群、クリッペル・ファイル症候群、ファチオーロンド病、低位脊髄症、ダンディー・ウォーカー症候群、二分脊椎、シェーグレン・ラーソン症候群、放射線脊髄症、加齢黄斑変性、ならびに脳出血による脳卒中及び/又はそれに伴う機能不全もしくは神経脱落症状からなる群から選ばれる、請求項2に記載の予防及び/又は治療方法。
  5. 神経変性疾患が、認知症である、請求項4に記載の予防及び/又は治療方法。
  6. 認知症が、アルツハイマー型認知症である、請求項5に記載の予防及び/又は治療方法。
  7. 認知症が、レビー小体型認知症である、請求項5に記載の予防及び/又は治療方法。
  8. 認知症が、前頭側頭型認知症である、請求項5に記載の予防及び/又は治療方法。
  9. 認知症が、脳血管性認知症である、請求項5に記載の予防及び/又は治療方法。
  10. 認知症が、パーキンソン型認知症である、請求項5に記載の予防及び/又は治療方法。
  11. 認知症が、ハンチントン病である、請求項5に記載の予防及び/又は治療方法。
  12. 神経変性疾患が、多発性硬化症である、請求項4に記載の予防及び/又は治療方法。
  13. 精神疾患が、統合失調症、治療抵抗性統合失調症、難治性統合失調症、慢性統合失調症
    、感情障害、精神病性障害、気分障害、双極性障害、躁病、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病、気分変調性障害、気分循環性障害、不安障害、身体表現性障害、虚偽性障害、解離性障害、性障害、摂食障害、睡眠障害、適応障害、物質関連障害、無快感症、せん妄、嘔吐、乗物酔い、肥満、偏頭痛、疼痛、精神遅滞、自閉症、トゥレット障害、チック障害、注意欠陥多動性障害、行為障害、間欠性爆発性障害、窃盗癖、放火癖、病的賭博、抜毛癖、ダウン症候群及びパーソナリティ障害からなる群から選ばれる、請求項3に記載の予防及び/又は治療方法。
  14. 精神疾患が、統合失調症、治療抵抗性統合失調症、難治性統合失調症及び慢性統合失調症からなる群から選ばれる、請求項13に記載の予防及び/又は治療方法。
  15. 精神疾患が、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病からなる群から選ばれる、請求項13に記載の予防及び/又は治療方法。
  16. 精神疾患が、双極性障害である、請求項13に記載の予防及び/又は治療方法。
  17. 精神疾患が、摂食障害である、請求項13に記載の予防及び/又は治療方法。
  18. 精神疾患が、注意欠陥多動性障害である、請求項13に記載の予防及び/又は治療方法。
  19. 精神疾患が、不安障害である、請求項13に記載の予防及び/又は治療方法。
  20. 不安障害が、強迫性障害である、請求項19に記載の予防及び/又は治療方法。
  21. 不安障害が、外傷後ストレス障害である、請求項19に記載の予防及び/又は治療方法。
  22. 患者が、一般に入手される抗精神病薬又は神経変性疾患治療薬では、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状について効果不十分な患者である請求項1〜21のいずれか1項に記載の予防及び/又は治療方法。
  23. 一般に入手される抗精神病薬が、クロルプロマジン、フルフェナジン、レボメプロマジン、ペルフェナジン、プロペリシアジン、ブロムペリドール、ハロペリドール、ピパンペロン、チミペロン、ネモナプリド、スルピリド、スルトプリド、カルピプラミン、クロカプラミン、モサプラミン、ピモジド、オキシペルチン、ゾテピン、アミスルプリド、リスペリドン、イロペリドン、ペロスピロン、パリペリドン、ルラシドン、ジプラシドン、アセナピン、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、ブロナンセリン、アリピプラゾール、カリプラジン若しくはセルチンドール又はその塩である請求項22に記載の予防及び/又は治療方法。
  24. 一般に入手される神経変性疾患治療薬が、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチン、フィンゴリモド、メチルプレドニゾロン、アザチオプリン、ミトキサントロン、シクロホスファミド、インターフェロンβ製剤、グラチラマー、テリフルノミド若しくはナタリズマブ又はその塩である請求項22に記載の予防及び/又は治療方法。
  25. 7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン又はその塩を有効成分とする神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療剤。
  26. 神経変性疾患に伴う周辺症状の予防及び/又は治療剤である、請求項25に記載の予防及び/又は治療剤。
  27. 精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療剤である、請求項25に記載の予防及び/又は治療剤。
  28. 神経変性疾患が、認知症、多発性硬化症、パーキンソン症候群、若年性パーキンソニズム、線条体黒質変性症、進行性核上性麻痺、純粋無動症、プリオン病、大脳皮質基底核変性症、有棘赤血球舞踏病、良性遺伝性舞踏病、発作性舞踏アテトーゼ、本態性振戦、本態性ミオクローヌス、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、レット症候群、変性性バリズム、変形性筋ジストニー、アテトーゼ、痙性斜頸、メイジ症候群、脳性麻痺、ウィルソン病、瀬川病、ハレルフォルデン・スパッツ症候群、神経軸索ジストロフィー、淡蒼球萎縮症、脊髄小脳変性症、皮質性小脳萎縮症、ホームズ型小脳萎縮症、オリーブ橋小脳萎縮症、遺伝性オリーブ橋小脳萎縮症、ジョセフ病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカ症候群、フリードライヒ運動失調症、ルシー・レヴィー症候群、メイ・ホワイト症候群、先天性小脳失調症、周期性遺伝性失調症、毛細血管拡張運動失調症、筋萎縮性側索硬化症、進行性球麻痺、脊髄性進行性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、ウェルドニッヒ・ホフマン病、クーゲルベルク・ウェランダー病、遺伝性痙性対麻痺、脊髄空洞症、延髄空洞症、アーノルド・キアリー奇形、スティフマン症候群、クリッペル・ファイル症候群、ファチオーロンド病、低位脊髄症、ダンディー・ウォーカー症候群、二分脊椎、シェーグレン・ラーソン症候群、放射線脊髄症、加齢黄斑変性、ならびに脳出血による脳卒中及び/又はそれに伴う機能不全もしくは神経脱落症状からなる群から選ばれる、請求項26に記載の予防及び/又は治療剤。
  29. 神経変性疾患が、認知症である、請求項28に記載の予防及び/又は治療剤
  30. 認知症が、アルツハイマー型認知症である、請求項29に記載の予防及び/又は治療剤。
  31. 認知症が、レビー小体型認知症である、請求項29に記載の予防及び/又は治療剤。
  32. 認知症が、前頭側頭型認知症である、請求項29に記載の予防及び/又は治療剤。
  33. 認知症が、脳血管性認知症である、請求項29に記載の予防及び/又は治療剤。
  34. 認知症が、パーキンソン型認知症である、請求項29に記載の予防及び/又は治療剤。
  35. 認知症が、ハンチントン病である、請求項29に記載の予防及び/又は治療剤。
  36. 神経変性疾患が、多発性硬化症である、請求項28に記載の予防及び/又は治療剤。
  37. 精神疾患が、統合失調症、治療抵抗性統合失調症、難治性統合失調症、慢性統合失調症、感情障害、精神病性障害、気分障害、双極性障害、躁病、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病、気分変調性障害、気分循環性障害、不安障害、身体表現性障害、虚偽性障害、解離性障害、性障害、摂食障害、睡眠障害、適応障害、物質関連障害、無快感症、せん妄、嘔吐、乗物酔い、肥満、偏頭痛、疼痛、精神遅滞、自閉症、トゥレット障害、チック障害、注意欠陥多動性障害、行為障害、間欠性爆発性障害、窃盗癖、放火癖、病的賭博、抜毛癖、ダウン症候群及びパーソナリティ障害からなる群から選ばれる、請求項27に記載の予防及び/又は治療剤。
  38. 精神疾患が、統合失調症、治療抵抗性統合失調症、難治性統合失調症及び慢性統合失調症からなる群から選ばれる、請求項37に記載の予防及び/又は治療剤。
  39. 精神疾患が、うつ病、内因性うつ病、大うつ病、メランコリー及び治療抵抗性うつ病からなる群から選ばれる、請求項37に記載の予防及び/又は治療剤。
  40. 精神疾患が、双極性障害である、請求項37に記載の予防及び/又は治療剤。
  41. 精神疾患が、摂食障害である、請求項37に記載の予防及び/又は治療剤。
  42. 精神疾患が、注意欠陥多動性障害である、請求項37に記載の予防及び/又は治療剤。
  43. 精神疾患が、不安障害である、請求項37に記載の予防及び/又は治療剤。
  44. 不安障害が、強迫性障害である、請求項43に記載の予防及び/又は治療剤。
  45. 不安障害が、外傷後ストレス障害である、請求項43に記載の予防及び/又は治療剤。
  46. 一般に入手される抗精神病薬又は神経変性疾患治療薬では、神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状について効果不十分な患者を治療するための、請求項25〜45のいずれか1項に記載の予防及び/又は治療剤。
  47. 一般に入手される抗精神病薬が、クロルプロマジン、フルフェナジン、レボメプロマジン、ペルフェナジン、プロペリシアジン、ブロムペリドール、ハロペリドール、ピパンペロン、チミペロン、ネモナプリド、スルピリド、スルトプリド、カルピプラミン、クロカプラミン、モサプラミン、ピモジド、オキシペルチン、ゾテピン、アミスルプリド、リスペリドン、イロペリドン、ペロスピロン、パリペリドン、ルラシドン、ジプラシドン、アセナピン、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、ブロナンセリン、アリピプラゾール、カリプラジン若しくはセルチンドール又はその塩である請求項46に記載の予防及び/又は治療剤。
  48. 一般に入手される神経変性疾患治療薬が、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチン、フィンゴリモド、メチルプレドニゾロン、アザチオプリン、ミトキサントロン、シクロホスファミド、インターフェロンβ製剤、グラチラマー、テリフルノミド若しくはナタリズマブ又はその塩である請求項46に記載の予防及び/又は治療剤。
  49. 神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療剤を製造するための7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン又はその塩の使用。
  50. 神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状を予防及び/又は治療するために用いられる7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン又はその塩。
  51. 7−[4−(4−ベンゾ[b]チオフェン−4−イル−ピペラジン−1−イル)ブトキシ]−1H−キノリン−2−オン又はその塩を有効成分として含む神経変性疾患に伴う周辺症状又は精神疾患に伴う衝動性症状の予防及び/又は治療用の医薬組成物。
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