JP2018138529A - テアフラビン類を利用したレプチン分泌促進剤 - Google Patents

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克之 向井
松山 彰収
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彰収 松山
貢 赤川
Mitsugu Akagawa
貢 赤川
剛志 石井
Tsuyoshi Ishii
剛志 石井
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Abstract

【課題】本発明の目的は、簡便にレプチンの分泌を促進することができるレプチン分泌促進剤を提供することである。【解決手段】テアフラビン類を有効成分とするレプチン分泌促進剤。【選択図】なし

Description

本発明は、レプチンの分泌を促進することができる薬剤に関する。
近年、脂質や糖質の過剰摂取や運動不足等による、肥満の増加が大きな社会問題となっている。肥満は、体内に脂肪が過剰に蓄積された状態であり、糖尿病、心臓病、脳梗塞、高血圧等の生活習慣病を引き起こす原因の一つとされる。そのため、肥満を予防・改善することは、これらの生活習慣病の予防・改善にもつながる。
これまでの研究により、抗肥満効果がある成分としていくつか知られている。例えば、エピガロカテキンやエピガロカテキンガレート等のカテキン類や、カテキン類が酸化・重合した橙赤色のテアフラビン類を含む茶ポリフェノールは、脂肪の合成を抑制し、抗肥満効果があることが報告されている(非特許文献1、2)。例えば、非特許文献3には、テアフラビン類の紅茶ポリフェノールが、脂質や糖の消化、吸収及び摂取を阻害したり、脂質代謝を促進したり、肥満の病理プロセスを妨害したりすることが開示されている。
ところで、レプチンは、脂肪細胞が分泌するホルモンであり、主に視床下部の受容体を介して摂食抑制やエネルギー消費亢進をもたらし、その作用が不十分であると、肥満症を引き起こすと考えられている。そのため、レプチンの産生・分泌を調整することにより、肥満の予防・改善を期待することができる。
レプチンの産生又は分泌を調整する成分としては、これまでに種々知られている。例えば、特許文献1には、カプサンチンを有効成分とするレプチン産生促進剤が開示されている。また、例えば、特許文献2には、ガンマ−リノレン酸(γ−リノレン酸)を有効成分として含有するレプチン分泌促進剤が開示されている。
しかしながら、テアフラビン類とレプチンの産生・分泌との関連については、これまで十分には検討されていない。
特開2011−51912号公報 特開2015−205846号公報
Jen−Kun Linら、Mol. Nutr. Food Res., 2006, vol.50, pp211−217 Swen Wolframら、Mol. Nutr. Food Res., 2006, vol.50, pp176−187 Haibo Panら、Molecules, 2016, 21, 1659
本発明は、このような技術背景に鑑みて、簡便に、生体内でのレプチンの分泌を促進することができるレプチン分泌促進剤を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を行ったところ、テアフラビン類が、レプチンの分泌を促進しうることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. テアフラビン類を有効成分とするレプチン分泌促進剤。
項2. テアフラビン類の含有量が0.5質量%超30質量%以下である、項1に記載のレプチン分泌促進剤。
項3. 胃におけるレプチンの分泌促進に使用される、項1又は2に記載のレプチン分泌促進剤。
項4. レプチン分泌促進用飲食品である、項1〜3のいずれかに記載のレプチン分泌促進剤。
項5. レプチン分泌促進用医薬品である、項1〜3のいずれかに記載のレプチン分泌促進剤。
本発明によれば、簡便に生体内でのレプチンの分泌を促進することができる、レプチン分泌促進剤を提供することができる。本発明のレプチン分泌促進剤は、経口投与、飲食品の形態で投与又は摂取できるので、非侵襲的で患者への負担が少なく、容易に生体内でのレプチン分泌を促進することができる。
実験例1の実験結果を表すグラフである。 実験例2の実験結果を表すグラフである。 実験例3の実験結果を表すグラフである。
本発明は、テアフラビン類を有効成分とするレプチン分泌促進剤である。以下、本発明のレプチン分泌促進剤について詳述する。
レプチン分泌促進剤
本発明のレプチン分泌促進剤は、テアフラビン類を有効成分とすることを特徴とする。
テアフラビン類
本発明において、テアフラビン類とは、下記の化学式(1)で表される化合物及び当該化合物と同じ骨格を有する類縁体である。
本発明におけるテアフラビン類としては、具体的には、下記の化学式(1)で表されるテアフラビン、化学式(2)で表されるテアフラビン3−O−ガレート、化学式(3)で表されるテアフラビン3’−O−ガレート、下記の化学式(4)で表されるテアフラビン3,3’−ジ−O−ガレートが挙げられる。本発明におけるテアフラビン類としては、これらの化合物のうち1種を含むものであってもよいし、2種以上を含むものであってもよい。
本発明におけるテアフラビン類としては、特に制限はなく、化学合成したものであってもよいし、茶等の天然物由来の材料から抽出や精製等したものであってもよい。また、テアフラビン類は、商業的に入手可能であり、市販品を使用してもよい。
本発明におけるテアフラビン類としては、茶由来が好ましく、また茶抽出物を使用してもよい。茶としては、緑茶、発酵茶が挙げられ、発酵茶が好ましい。緑茶としては、Camellia属、例えば、C.sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶から製茶された、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等が挙げられる。発酵茶としては、ウーロン茶、紅茶等の半発酵茶葉又は発酵茶葉が挙げられる。茶抽出物は、茶(茶葉)から熱水又はエタノール等の水溶性有機溶媒を用いて、ニーダー抽出、カラム抽出等の公知の抽出手段により得ることができる。得られた茶抽出物は必要に応じて、公知の方法により濃縮又は精製を行ってもよい。
本発明のレプチン分泌促進剤におけるテアフラビン類の含有量としては、特に限定されず、用途、剤型、投与形態等に応じて適宜調整することができるが、一般に0.5質量%超30質量%以下、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは3〜30質量%、更に好ましくは5〜30質量%が挙げられる。
添加成分
本発明のレプチン分泌促進剤は、前述したテアフラビン類以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、剤型に応じて、他の添加成分を含有していてもよい。本発明のレプチン分泌促進剤に含有され得る添加成分としては、例えば、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、植物抽出エキス類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、アルコール、多価アルコール、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤等が挙げられる。これらの添加成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの添加成分の含有量については、使用する添加成分の種類や本発明のレプチン分泌促進剤の剤型等に応じて適宜設定される。
剤型・製剤形態・用途
本発明のレプチン分泌促進剤の剤型については、特に限定されず、固体状、半固体状、又は液体状のいずれであってもよく、レプチン分泌促進剤の種類や用途に応じて適宜設定すればよい。
本発明のレプチン分泌促進剤の投与方法としては、特に限定されず、適用する疾患の種類に応じて適宜選択すればよく、全身投与であっても、局所投与であってもよい。具体的には、経口、経血管内(動脈内又は静脈内)、経皮、経腸、経肺、経鼻投与等が挙げられる。経血管内投与には、血管内注射、持続点滴も含まれる。なかでも、投与が容易な点で、経口投与が好ましい。
本発明のレプチン分泌促進剤の製剤形態については、特に限定されず、投与方法に適した製剤形態に適宜設定することができ、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、注射剤、点滴剤、坐剤等の任意の製剤形態を挙げることができる。例えば、本発明のレプチン分泌促進剤の投与形態が経口投与である場合は、経口投与が可能であることを限度として特に制限されないが、具体的には、飲食品及び内服用医薬品が挙げられる。
また、本発明の分泌促進剤は液体に溶解した形態が好ましい。
本発明のレプチン分泌促進剤を飲食品の製剤形態にする場合、本発明のレプチン分泌促進剤を、そのまま又は他の食品素材や添加成分と組み合わせて所望の形態に調製すればよい。このような飲食品としては、一般の飲食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品等が挙げられる。これらの飲食品の形態として、特に制限されないが、具体的にはカプセル剤(ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤)、錠剤、顆粒剤、粉剤、ゼリー剤、リポソーム製剤等のサプリメント;栄養ドリンク、果汁飲料、炭酸飲料、乳酸飲料等の飲料;団子、アイス、シャーベット、グミ、キャンディー等の嗜好品;等が例示される。これらの飲食品の中でも、好ましくは飲料、サプリメント、より好ましくは飲料、カプセル剤、更に好ましくは飲料、ソフトカプセル剤、特に好ましくは飲料が挙げられる。
本発明のレプチン分泌促進剤を内服用医薬品の製剤形態にする場合、本発明のレプチン分泌促進剤を、そのまま又は他の添加成分と組み合わせて所望の形態に調製すればよい。このような内服用医薬品としては、具体的には、ドリンク剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤)、錠剤、顆粒剤、粉剤、ゼリー剤、シロップ剤、リポソーム製剤等が挙げられる。これらの内服用の医薬品の中でも、好ましくは有効成分が液体に溶解した形態が挙げられ、より好ましくはドリンク剤、ソフトカプセル剤、シロップ剤、更に好ましくはドリンク剤が挙げられる。
本発明のレプチン分泌促進剤が飲食品又は内服用医薬品の製剤形態である場合、有効成分であるテアフラビン類としては、レプチンの分泌が促進される限り特に制限されず、製剤形態に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.5質量%超30質量%以下が挙げられ、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜30質量%が挙げられる。
本発明のレプチン分泌促進剤は、レプチンの分泌促進に基づいて、症状が軽減又は改善させる疾患に対して適用することができる。例えば、レプチンは、主に視床下部の受容体を介して摂食抑制やエネルギー消費亢進をもたらすので、レプチンの分泌を促進すると、過剰摂食や消費エネルギー不足で起こる肥満を予防又は治療することができると考えられる。そのため、本発明のレプチン分泌促進剤は、肥満の予防又は治療用途に適用することができる。
レプチンは、食欲抑制、体重減少(肥満抑制)、血液中の脂質量の減少、酸素消費量や活動性の増進、血糖値やインスリン分泌の低下、脂肪組織重量や肝臓重量の減少、動脈血栓の防止、高血圧の低下、胆石の防止等の作用を有する。そのため、本発明のレプチン分泌促進剤は、それらの作用が促進されることで症状が軽減又は改善される疾患に対して適用することができる。それらの作用が促進されることにより症状が軽減又は改善される疾患としては、前記の肥満以外に、例えば、高血圧症、糖尿病、高脂血症、脳卒中、心筋梗塞、脳梗塞、脂肪肝、変形性膝関節症、胆石症、脂肪委縮症等が挙げられる。
本発明のレプチン分泌促進剤は、脂肪組織が分泌するレプチンの分泌を促進するのであれば、特に制限されないが、なかでも胃におけるレプチンの分泌促進に使用されるのが好ましい。
本発明のレプチン分泌促進剤の摂取量については、特に制限されず、製品形態、用法等に応じて適宜設定するとよい。
以上のように、テアフラビン類を有効成分として含む本発明のレプチン分泌促進剤は、体内でのレプチンの分泌を促進することができる。本発明のレプチン分泌促進剤は、レプチンの分泌を促進することにより、症状が改善させる疾患の治療又は予防用途に使用することができる。具体的には、本発明のレプチン分泌促進剤は、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症、脳卒中、心筋梗塞、脳梗塞、脂肪肝、変形性膝関節症、胆石症、脂肪委縮症等の予防又は治療用途に使用することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実験例1
<細胞の処理方法>
48ウェル細胞培養プレートに、正常ラット胃粘膜上皮細胞株RGM1細胞(理化学研究所バイオリソースセンター)を10%FBS DMEM/Ham’s F12培地(以下、「培地」と表記する。)で培養し、細胞が80〜90%コンフルエントになったところで、培地をFBS−free DMEM/Ham’s F12培地(以下、「無血清培地」と表記する。)に交換し、一晩培養した。一晩培養後に無血清培地を除去し、さらに200μLの無血清培地を添加した。
テアフラビン類と無血清培地を混合して、テアフラビン類の濃度が25μMの混合溶液を調製した。培養プレート中の培地をアスピレーターで除去し、速やかに前記混合溶液200μLを培養プレートに添加し、15〜60分間CO2インキュベーター内(37℃)で培養した。また、前記混合溶液200μLを、細胞を播種していない培養プレートに添加し、15〜60分間、CO2インキュベーター内(37℃)でインキュベートした。培地を180μLエッペンに回収し、200×gで3分間遠心分離を行い、上清をサンプルとした。なお、回収後はエッペンを氷上で保管した。
テアフラビン類として、テアフラビン(TF1)、テアフラビン3−O−ガレート(TF2A)、テアフラビン3’−O−ガレート(TF2B)、及びテアフラビン3,3’−ジ−O−ガレート(TF3)を使用した。
上記で処理したRGM1細胞について、下記に示すELISA法により、レプチンの分泌量を測定した。
<ELISA法>
測定の前日に、100μg/mLのCapture antibodyをPBSで100倍希釈し、ELISAプレート(3801−096、IWAKI)の各ウェルに100μL加えた。そして、プレートをラップで梱包して4℃、遮光条件下で一晩インキュベートした。溶液を除去し、Wash bufferを各ウェル300μLずつ添加して洗浄を行った(4回)。最後の洗浄が終わったら、キムタオル(商品名、日本製紙クレシア株式会社)にELISAプレートを軽く叩きつけて液をよく切った。各ウェルにBlock bufferを300μL加え4℃で少なくとも1時間インキュベートし、洗浄を4回行い、液をよく切った。サンプルとレプチンスタンダード(leptinを無血清培地で0から2.0ng/mLとなるように希釈)を各ウェルに100μL加え、4℃で少なくとも2時間インキュベートした。洗浄を4回行い、液をよく切った。100μg/mLのDetection antibodyをDiluentで100倍希釈し、各ウェルに100μL加え、4℃で少なくとも2時間インキュベートした。洗浄を4回行い、液をよく切った。11mLのDiluentにAvidin−HRPを5.5μL(1:2,000)加え希釈し、各ウェルに100μL加え4℃で30分インキュベートした。洗浄を4回行い、液をよく切った。そして、ELISA POD基質TMBキットの発色試薬と基質溶液を等量ずつ混合し、各ウェルに100μL添加し観察した。十分発色したら各ウェルに反応停止薬として1MのH2SO4を50μL添加し、450nmの吸光度を、マイクロプレートリーダー(サンライズリモート、TECAN社製)を使用して測定した。
なお、上記で使用した試薬は、具体的には下記のとおりである。
Capture antibody、Detection antibody、Leptin、Avidin−HRP(Leptin, Murine ELISA Development Kit (900−K76)(Peprotech))
発色試薬、基質溶液(ELISA POD基質TMBキット(Popular)(ナカライテスク))
Wash buffer (0.05%Tween−20 in PBS)
Globulin free bovine serum albumin (globulin free BSA)(EIA/RIA grade)(ナカライテスク)
Block buffer (1% globulin free BSA in PBS)
Diluent (0.05%Tween−20, 0.1%globulin free BSA in PBS)
DMEM/Ham’s F12培地 (ナカライテスク)
ペニシリン−ストレプトマイシン混合溶液(ペニシリン 10,000 u/mL、ストレプトマイシン 10,000μg/mL含有) (ナカライテスク)
Fetal bovine serum (FBS) (Sigma−Aldrich)
結果を図1に示す。図1は、テアフラビン(TF1)、テアフラビン3−O−ガレート(TF2A)、テアフラビン3’−O−ガレート(TF2B)、又はテアフラビン3,3−ジ−O−ガレート(TF3)をそれぞれ25μMの濃度で細胞を15、30、60分間処理した場合の細胞のレプチン分泌量を示す。図1から、15分間の処理によってすべてのテアフラビン類がRGM1細胞のレプチンの分泌を刺激した。TF1とTF2Aは、時間依存的にレプチン分泌量を増加させたが、TF2BとTF3は30分間の処理時間まで分泌量を増加させ、それ以降は培地中のレプチン濃度が減少する傾向が認められた。また、テアフラビン類を含まない培地だけの処理(vehicle)ではレプチンの分泌は認められなかった。
実験例2
Cell Count Reagent SF(ナカライテスク)のキットを使用して、そのプロトコルに従って、テアフラビン類による細胞毒性を評価した。細胞として、前記RGM1細胞を使用した。培地として、前記DMEM/Ham’s F12培地(ナカライテスク)を使用した。具体的には、上記キットのプロトコルに従って、細胞増殖アッセイを行い、細胞毒性試験を行った。
細胞毒性試験は、具体的には、下記のとおりに行った。すなわち、対数増殖期にある細胞を5000cell/wellの濃度になるよう計数し、平底96ウェル細胞培養プレートの各ウェルに100μLずつ播いた。これをCO2インキュベーター内で24時間前培養した。次いで、0、5、10又は25μMの濃度となるようFBS−free DMEM/Ham’s F12培地(以下、「無血清培地」と表記する。)で調整したテアフラビン類を各ウェルに100μLずつ添加し、CO2インキュベーターで1時間培養した。培地を10%FBS DMEM/Ham’s F12培地(以下、「培地」と表記する。)に交換後にCO2インキュベーター内で24時間前培養した。そして、上記キットの試薬を各ウェルに10μLずつ添加し、CO2インキュベーター内で1〜4時間呈色反応を行った後、マイクロプレートリーダー(製品名サンライズリモート、TECAN社製)を用い、450nmの吸光度を測定し、細胞生存率(%)を測定した(4重測定の平均値)。得られたデータについて、Dunnett検定を行った(*P<0.05、***P<0.001)。
結果を図2に示す。図2は、テアフラビン類の濃度の違いに対する細胞生存率(%)を示すグラフである。図2から、いずれのテアフラビン類についても、0〜10μMの濃度範囲においては細胞生存率が約90%以上であり、細胞毒性は認められなかった。テアフラビン類の濃度が25μMの場合、TF1、TF2A及びTF2Bでは細胞生存率が80%程度を超えていたが、TF3では、細胞生存率が約30%まで低下することが確認された。
実験例3
Cytotoxicity LDH Assay Kit−WST(株式会社同仁化学研究所)を使用し、そのプロトコルに従って、テアフラビン類による細胞の膜傷害(膜透過性)を評価した。細胞として、前記RGM1細胞を使用した。培地として、前記DMEM/Ham’s F12培地(ナカライテスク)を使用した。具体的には、上記キットのプロトコルに従って、細胞数の最適化を行い、細胞膜傷害試験を行った。
細胞膜傷害試験は、具体的には、下記のとおりに行った。すなわち、平底96ウェル細胞培養プレートに、正常ラット胃粘膜上皮細胞株RGM1細胞(理化学研究所バイオリソースセンター)を10%FBS DMEM/Ham’s F12培地(以下、「培地」と表記する。)で培養し、細胞が80〜90%コンフルエントになったところで、培地をFBS−free DMEM/Ham’s F12培地(以下、「無血清培地」と表記する。)に交換し、一晩培養した。一晩培養後に無血清培地を除去し、さらに100μLの無血清培地を添加した。無血清培地で0、5、10又は25μMの濃度に調整したテアフラビン類溶液50μLを前記細胞懸濁液に添加し、37℃で60分間、CO2インキュベーション内でインキュベーションした。次いで、高コントロールウェルに無血清培地90μLとLysis Buffer 10μLを加え、37℃、30分間CO2インキュベーター内でインキュベーションした。各ウェルにWorking Solution 100μL加え、遮光下、室温で30分間呈色反応を行った。そして、全てのウェルにStop Solution 50μLを加え、プレートリーダーを用いて490nmの吸光度を測定した。テアフラビンと各コントロールの吸光度からバックグランドコントロールの吸光度を引いた値を用いて細胞傷害性(%)を算出した(3重測定の平均値)。Lysis Bufferを添加した高コントロールウェルの値を100%とした。
結果を図3に示す。図3は、テアフラビン類の濃度の違いによる細胞傷害率を示すグラフである。TF2Aを10〜25μM添加した場合、TF2BとTF3では5、10、25μMを添加した場合は、いずれも検出限界以下(0%)であった。図3から、テアフラビン類は、10μM〜25μMでは、細胞傷害性が極めて低いことが確認された。図3よりテアフラビン類が刺激するRGM1細胞からのレプチンの分泌は、細胞膜障害に起因しないことが確認された。

Claims (5)

  1. テアフラビン類を有効成分とするレプチン分泌促進剤。
  2. テアフラビン類の含有量が0.5質量%超30質量%以下である、請求項1に記載のレプチン分泌促進剤。
  3. 胃におけるレプチンの分泌促進に使用される、請求項1又は2に記載のレプチン分泌促進剤。
  4. レプチン分泌促進用飲食品である、請求項1〜3のいずれかに記載のレプチン分泌促進剤。
  5. レプチン分泌促進用医薬品である、請求項1〜3のいずれかに記載のレプチン分泌促進剤。
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