JP2018137123A - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】性能低下を抑制すると共に発火を防止可能なリチウムイオン電池を提供すること。
【解決手段】正極と負極がセパレータを介して巻回された巻回体と、この巻回体の外周を巻回方向に沿って覆う絶縁フィルムを備え、前記巻回体と前記絶縁フィルムが電解液に浸漬されて直方体形状のケースに収容されたリチウムイオン電池において、前記絶縁フィルムは、所定温度以上で融解する合成樹脂材料により形成されると共に、電解液固化剤及び難燃剤を密閉状に収容する1対の収容部を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、リチウムイオン電池の構造に関し、特にリチウムイオン電池の発火を防止するための構造に関する。
従来から、エネルギー密度が高いリチウムイオン電池が、民生用モバイル機器等に使用されている。リチウムイオン電池は優れた充放電特性を有し大容量のものを軽量に形成できるため、近年は車両に搭載され、車両を走行させるための電動モータの電源としても使用されている。
リチウムイオン電池は、過充電により温度が異常上昇した場合や、衝撃等により電極の一部が短絡して温度が異常上昇した場合に、有機化合物を主成分とする電解液が気化する虞がある。気化した電解液は、酸化するとさらに温度が上昇し、リチウムイオン電池が発火する虞がある。特に、車両の衝突等により衝撃が加わる虞がある車載用のリチウムイオン電池には、発火防止機能を搭載しておく必要がある。
そのため、例えば特許文献1のように、電解液の気化による電池ケースの内圧上昇を安全弁の開放により解消するときに、気化した電解液の温度を低下させて発火を防ぐ技術が知られている。また、特許文献2,3のように、リチウムイオン電池の電解液や負極を構成する負極活物質合剤層に難燃剤が配合され、気化した電解液の酸化を防いで発火を防止する技術が知られている。
特開2013−187089号公報 特開2014−160608号公報 特開2016−62855号公報
しかし、特許文献1の技術は、安全弁の開放までに時間を要する。また、異常発熱による電解液の気化を止めるものではない。それ故、車載用のリチウムイオン電池に特許文献1の技術を適用しても、多量の気化した電解液が噴出してしまう虞があるため安全性の確保には十分ではない。また、特許文献2,3のように電解液や負極活物質合剤層に難燃剤を配合すると通常使用時に副反応が生じてリチウムイオンの移動を阻害するため、リチウムイオン電池の充放電性能が低下する問題や、充放電の繰り返しによりリチウムイオン電池容量が急激に低下する問題がある。車載用のリチウムイオン電池は、民生用モバイル機器等と比べて入出力が大きいこと、及び耐用年数が長く充放電の繰り返しが多いことから、このような性能低下を抑える必要がある。
本発明の目的は、性能低下を抑制すると共に発火を防止可能なリチウムイオン電池を提供することである。
第1の発明は、正極と負極がセパレータを介して巻回された巻回体と、この巻回体の外周を巻回方向に沿って覆う絶縁フィルムを備え、前記巻回体と前記絶縁フィルムが電解液に浸漬されて直方体形状のケースに収容されたリチウムイオン電池において、前記絶縁フィルムは、所定温度以上で融解する合成樹脂材料により形成されると共に、電解液固化剤及び難燃剤を密閉状に収容する1対の収容部を備えたことを特徴としている。
上記構成により、通常使用時には、電解液固化剤及び難燃剤が収容部に収容されて副反応が生じないので、リチウムイオン電池の性能低下を抑制することができる。また、過充電や衝撃によって異常発熱したときに、収容部を構成する合成樹脂材料が所定温度に達すると溶解して収容部内の電解液固化材及び難燃剤が電解液に放出される。従って、電解液の気化の進行及び気化した電解液の発火を防ぐことができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記絶縁フィルムには、前記巻回体の巻回形状を維持するように巻回されて巻回方向に沿って働く張力が付加されており、前記収容部に前記ケースから押圧力が作用した際に、前記収容部の巻回体側膜部材の破壊を促進するための突起を有する複数の破壊促進粒体が前記収容部に収容されたことを特徴としている。
上記構成により、衝撃によってケースが変形し収容部に押圧力が作用すると、収容部を構成する巻回体側膜部材が破壊促進粒体との衝突により破れて収容部内の電解液固化材及び難燃剤が電解液に放出される。従って、電解液の気化の進行及び気化した電解液の発火を防ぐことができる。また、絶縁フィルムには張力が付加されているので、巻回体側膜部材が破れたときに電解液固化材及び難燃剤を押し出すように張力が作用し、電解液固化材及び難燃剤の放出に有利である。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記巻回体は、前記ケースの最も大きい面に略平行な1対の平面部を備え、前記1対の収容部は、前記1対の平面部に密着するように配設されたことを特徴としている。
上記構成により、巻回体の異常発熱箇所の位置によらず、その近くに収容部が配設されているので、異常発熱の発生後すぐに収容部を溶解させることができる。また、衝撃を受けたときにケースの最も大きい面が最も変形し易いため、この面から平面部に向かって押圧力が作用するので、押圧力による収容部の破壊に有利である。
第4の発明は、第2の発明において、前記破壊促進粒体は、微細な針状の金属酸化物又は非金属酸化物からなることを特徴としている。
上記構成により、押圧力が作用したときに巻回体側膜部への破壊促進粒体の衝突を起点にして収容部を破壊させることができる。
第5の発明は、第2の発明において、前記破壊促進粒体は、微細な粒子状の金属酸化物又は非金属酸化物からなることを特徴としている。
上記構成により、押圧力が作用したときに巻回体側膜部への破壊促進粒体の衝突を起点にして収容部を破壊させることができる。
本発明によれば、性能低下を抑制すると共に発火を防止可能なリチウムイオン電池を提供することができる。
本発明の実施例に係るリチウムイオン電池の要部分解図である。 図1の巻回体と絶縁フィルムの要部分解図である。 図1の巻回体と絶縁フィルム部分のIII −III 線断面模式図である。 図3の破壊促進部の1例を示す拡大図である。 図4の破壊促進部に押圧力が加わった状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
最初に、本発明のリチウムイオン電池1の全体構成について説明する。
図1に示すように、リチウムイオン電池1は、天面部が開口した箱状のケース本体2と、この開口を閉塞するための蓋部材3により形成される直方体形状のケースの内部に、正負電極の巻回体10が収容されて形成されている。この巻回体10は、その外周を巻回方向に沿って覆う絶縁フィルム15を有する。ケース内には前記絶縁フィルム15に覆われた巻回体10を浸漬する電解液(図示略)が充填されている。
ケース本体2と蓋部材3は、例えばアルミニウム材で形成され、それらの内壁面には絶縁皮膜(図示略)が形成されている。蓋部材3には、収容した巻回体10の正負電極に夫々接続されて外部の機器に接続するための正極端子4及び負極端子5が上方に突出状に配設されている。蓋部材3とケース本体2は、例えば溶接等により接合され、電解液が漏れないように密封される。ケースの大きさは例えば長さ16cm、幅3cm、高さ12cmであるが、これに限定されるものではなく、リチウムイオン電池1の仕様等に応じて適宜設定される。
次に、巻回体10について説明する。
図2に示すように、巻回体10は、夫々が略同じ幅の帯状の正極11と負極12が接触しないように、正極11及び負極12と略同じ幅の帯状のセパレータを介して巻回されている。セパレータは第1セパレータ13と第2セパレータ14により構成されている。
巻回体10は、例えば、夫々が幅14cm、長さ18mの帯状の第1セパレータ13と正極11と第2セパレータ14と負極12をこの順に積層し、帯幅方向を巻回軸方向にして負極12が最外層となるように偏平状に90回巻回して巻回体10を形成する。尚、正極11、負極12のサイズ及び第1、第2セパレータ13,14のサイズ、巻回数等は上記に限定されるものではなく、リチウムイオン電池1の仕様に応じて適宜設定される。
偏平状の巻回体10は、1対の平面部10a,10bを有し、この1対の平面部10a,10bがケース本体2の最も大きい1対の面に略平行になるように、例えばその巻回軸方向をケース本体2の長手方向に平行にしてケースに収容されている。
次に、正極11について説明する。
図2に示すように、帯状の正極11は、金属箔からなる集電体11aの両面にその外周部分を除いて電解液が浸潤可能な多孔質状の正極活物質合剤層11b,11cを備えている。集電体11aは、例えば厚さ10〜20μmのアルミニウム箔からなり、正極タブ部11dを備えている。図示を省略するが、正極タブ部11dは蓋部材3の正極端子4に接続される。正極タブ部11dは、集電体11aの長手方向の1辺に間隔を空けて複数配設されていてもよい。
正極活物質合剤層11b,11cは、結着剤が溶解した溶媒に正極活物質と導電助剤を均等に分散させた合剤スラリーを集電体11aに薄膜状に塗着後に乾燥させて、例えば40〜100μmの厚さに形成される。ローラー等により平坦化処理をしてもよい。形成された正極活物質合剤層11b,11cは、正極活物質と導電助剤と結着剤を有する。正極活物質と導電助剤と集電体11aとが互いに接触した状態で結着剤により連結され、正極活物質合剤層11bと集電体11aが電気的に接続されている。
正極活物質は、例えば粒径が20〜40μmのマンガン酸リチウムやニッケル酸リチウム等の粒子状のリチウム酸化物である。導電助剤は、例えば黒鉛やアセチレンブラック等の微粒子が複数連結した大きさが1〜10μmの粒子状の炭素材料である。結着剤は、例えば長さが30〜50μmの細長い粒子状のポリフッ化ビニリデンであり、正極活物質と導電助剤と集電体11aを連結する。
正極活物質合剤層11b,11cには、例えば正極活物質が90wt%、導電助剤が5wt%、結着剤が5wt%の比率で含まれている。尚、上記の正極活物質合剤層11b,11cに含まれる材料やその粒径、含有比率等は1例を示すものであって上記に限定されず、リチウムイオン電池1の仕様等に応じて適宜変更される。
次に、負極12について説明する。
図2に示すように、帯状の負極12は、金属箔からなる集電体12aの両面にその外周部分を除いて電解液が浸潤可能な多孔質状の負極活物質合剤層12b,12cを集電体12aの略全長にわたって備えている。集電体12aは、例えば厚さ10〜20μmの銅箔からなり、正極タブ部11dと反対方向に突出するように配設された負極タブ部12dを備えている。図示を省略するが、負極タブ部12dは蓋部材3の負極端子5に接続される。負極タブ部12dは、集電体12aの長手方向の1辺に間隔を空けて複数配設されていてもよい。尚、集電体12aの巻回体10外周面に相当する部分は、負極活物質合剤層12cの形成を省略してもよい。
負極活物質合剤層12b,12cは、結着剤が溶解した溶媒に負極活物質と導電助剤を均等に分散させた合剤スラリーを集電体12aに薄膜状に塗着後に乾燥させて、例えば40〜100μmの厚さに形成される。形成された負極活物質合剤層12b,12cは、負極活物質と導電助剤と結着剤を有する。ローラー等により平坦化処理をしてもよい。負極活物質と導電助剤と集電体12aとが互いに接触した状態で結着剤により連結され、負極活物質合剤層12bと集電体12aが電気的に接続されている。
負極活物質は、例えば粒径が20〜40μmの粒子状の黒鉛等の炭素材料である。導電助剤と結着剤は、正極活物質合剤層11b,11cの導電助剤と結着剤と同等のものであり、説明を省略する。負極活物質合剤層12b,12cには、例えば負極活物質が90wt%、導電助剤が5wt%、結着剤が5wt%の比率で含まれている。尚、上記の負極活物質合剤層12b,12cに含まれる材料やその粒径、含有比率等は1例を示すものであって上記に限定されず、リチウムイオン電池1の仕様等に応じて適宜設定される。
次に、セパレータについて説明する。
第1,第2セパレータ13,14は、正極11と負極12の接触を防ぐための絶縁体である。第1,第2セパレータ13,14は、直径が0.1〜1μm程度の多数の細孔を有する多孔質状に形成されて電解液の浸潤を許容すると共に、この細孔を介してリチウムイオンが第1,第2セパレータ13,14を通過可能である。第1,第2セパレータ13,14は、例えばポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂材料により厚さが20〜30μmの帯状に形成される。
次に、絶縁フィルム15について説明する。
図1〜図3に示すように、巻回体10には、その外周を巻回方向に沿って覆う絶縁フィルム15が配設されている。絶縁フィルム15は、巻回体10の巻回形状を維持するように巻回され、巻回方向に沿って張力が付加された状態でその巻回方向両端部を重ねて固定されている。尚、図3は、絶縁フィルム15等の厚さを拡大して示している。
絶縁フィルム15は、その巻回体10側に巻回体側膜部材16,17が貼り付けられて、絶縁フィルム15と巻回体側膜部材16,17の間に密閉状に形成された1対の収容部18,19を備えている。絶縁フィルム15は、巻回体側膜部材16,17を夫々巻回体10の1対の平面部10a,10bに密着させて巻回体10の外周を覆う。
収容部18,19には、電解液を固化するための電解液固化剤と、気化した電解液の発火を抑制するための難燃剤を含む後述の電解液と同じ溶媒が収容されている。電解液固化剤は例えばテトラエトキシシラン水溶液であり、電解液と反応して固化することにより電解液の気化を抑える。難燃剤は例えばホスファゼン化合物であり、周囲の酸素を捕捉して酸化を抑える。
巻回体側膜部材16,17は、所定温度以上で融解する合成樹脂材料により形成される。例えば100〜110℃で融解するポリエチレン製のフィルム材や、130〜140℃で融解するポリプロピレン製のフィルム材等により巻回体側膜部材16,17が形成される。絶縁フィルム15は、巻回体側膜部材16,17と同じ合成樹脂材料により形成してもよく、巻回体側膜部材16,17より融解する温度が高い合成樹脂材料により形成してもよい。絶縁フィルム15が融解する温度が巻回体側膜部材16,17より高い場合には、巻回体側膜部材16,17が融解したときに、絶縁フィルム15に付加されている張力を収容部18,19から電解液固化剤と難燃剤を含む溶媒を押し出すように作用させることができる。
図4に示すように、収容部18,19を構成する絶縁フィルム15には、巻回体側膜部材16,17に向かって突出する破壊促進部20等が複数配設されている。図5に示すように、ケース本体2側から押圧力が作用したときに、破壊促進部20等を巻回体側膜部材16,17に衝突させ、これを起点にして押圧力により巻回体側膜部材16,17が破れる。
破壊促進部20は、例えば20〜100μm程度の大きさの微細な針状又は粒子状の金属酸化物(例えばアルミナ)や非金属酸化物(例えばガラス繊維、シリカ)を収容部18,19内の絶縁フィルム15に固着させて形成されている。これらの酸化物は絶縁体であるため、絶縁フィルム15から分離して電解液固化材や難燃剤等と共に巻回体10内に進入しても、正極11と負極12を短絡しない。また、図示を省略するが、破壊促進部20は、鋭い先端部を有する複数の突起が形成された例えば硬質合成樹脂製のシート状の突起部材を絶縁フィルム15の収容部18,19内に貼り付けて形成してもよい。
次に、電解液について説明する。
電解液は、例えば高粘度の環状エステルと低粘度の鎖状エステルを混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウムやホウフッ化リチウム等のリチウム塩を溶解させた電解液であるが、これに限定されず、公知の電解液を使用することができる。電解液はケース内に充填され、第1,第2セパレータ13,14及び正極活物質合剤層11b,11c及び負極活物質合剤層12b,12cに浸潤している。
次に、本実施例のリチウムイオン電池1の作用、効果について説明する。
電解液固化剤と難燃剤は絶縁フィルム15の収容部18,19に収容されているので、通常時には電解液及び正極活物質合剤層11b,11c及び負極活物質合剤層12b,12cに電解液固化剤と難燃剤を含まない構成にすることができる。それ故、電解液固化剤と難燃剤による副反応等が生じずリチウムイオンの移動を阻害しないので、リチウムイオン電池1の性能低下を抑制することができる。
また、過充電や衝撃による短絡により異常発熱が発生し巻回体10が所定温度以上になると収容部18,19を構成する巻回体側膜部材16,17が溶解して、又は衝撃の押圧力により巻回体側膜部材16,17が破壊されて、電解液固化剤と難燃剤を含む溶媒が電解液に放出される。そのため、異常発熱後又は衝撃を受けた後すぐに電解液の気化を抑えることができ、電解液が気化してもその酸化を抑えることができるので、リチウムイオン電池1の発火を防ぐことができる。このとき絶縁フィルム15に付加された巻回方向の張力が電解液固化材と難燃剤を含む溶媒を押し出すように作用するので、電解液固化材及び難燃剤の放出に有利である。
収容部18,19は巻回体10の1対の平面部10a,10bに夫々密着するように配設されている。そのため、巻回体10のどの位置で異常発熱が起きても収容部18,19が近い位置にあるので、異常発熱の発生後すぐに収容部18,19を溶解させることができる。また、衝撃を受けたときにケースの最も大きい面が最も変形し易いため、この面から収容部18又は収容部19に押圧力が作用することになる。それ故、この面と平行な巻回体10の平面部10a,10bに夫々密着状に配設された収容部18,19の押圧力による破壊に有利である。その上、絶縁フィルム15の収容部18,19内には巻回体側膜部材16,17に向かって突出する破壊促進部20等が配設されているので、部押圧力が作用したときに、巻回体側膜部材16,17への破壊促進部20の衝突を起点にして収容部18,19を容易に破壊することができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した例について説明する。
[1]巻回体10の代わりに薄膜状の正極及び負極がセパレータを介して交互に積層された積層体を有し、この積層体を巻回する絶縁フィルム15に形成された1対の収容部18,19が積層体の1対の最外層面部に密着状に配設されている構成としてもよい。このような構成のリチウムイオン電池においても、性能低下抑制と発火防止の機能を上記実施例と同様に発揮させることができる。
[2]巻回体10は、正極11、第1セパレータ13、負極12、第2セパレータ14の順に積層され、第2セパレータが最外層となるように巻回されていてもよい。
[3]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
1 リチウムイオン電池
2 ケース本体
3 蓋部材
10 巻回体
10a,10b 平面部
11 正極
11a 集電体
11b,11c 正極活物質合剤層
12 負極
12a 集電体
12b,12c 負極活物質合剤層
13 第1セパレータ
14 第2セパレータ
15 絶縁フィルム
16,17 巻回体側膜部材
18,19 収容部
20 破壊促進部

Claims (5)

  1. 正極と負極がセパレータを介して巻回された巻回体と、この巻回体の外周を巻回方向に沿って覆う絶縁フィルムを備え、前記巻回体と前記絶縁フィルムが電解液に浸漬されて直方体形状のケースに収容されたリチウムイオン電池において、
    前記絶縁フィルムは、所定温度以上で融解する合成樹脂材料により形成されると共に、電解液固化剤及び難燃剤を密閉状に収容する1対の収容部を備えたことを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 前記絶縁フィルムには、前記巻回体の巻回形状を維持するように巻回されて巻回方向に沿って働く張力が付加されており、
    前記収容部に前記ケースから押圧力が作用した際に、前記収容部の巻回体側膜部材の破壊を促進するための複数の突起を有する破壊促進部が前記収容部に収容されたことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
  3. 前記巻回体は、前記ケースの最も大きい面に略平行な1対の平面部を備え、
    前記1対の収容部は、前記1対の平面部に密着するように配設されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池。
  4. 前記破壊促進部は、微細な針状の金属酸化物又は非金属酸化物からなることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン電池。
  5. 前記破壊促進部は、微細な粒子状の金属酸化物又は非金属酸化物からなることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン電池。
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