JP2018135657A - コンクリート杭の締固め装置およびコンクリート杭の打設管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 現場打ちコンクリート杭のコンクリート打設作業において、高品質のコンクリート杭を造成する。【解決手段】 トレミー3による場所打ちコンクリート杭の杭孔2内へのコンクリート打設状態を管理するコンクリート杭の打設管理方法であって、杭孔2内に堆積したコンクリート5の表面5a近傍を締め固める締固め装置を、トレミー3に吊り部材13を介して吊持し、吊り部材13の一部に、トレミー3と締固め装置10との間に生じる引張力を測定する力計15を設ける。力計15から得られた引張力検出値をもとにトレミー3の下端のコンクリート5内への埋込長を検知し、トレミー3の下端がコンクリート5内への埋込長が所定範囲内にあるようにトレミー3の下端位置を管理する。【選択図】 図1

Description

本発明はコンクリート杭の締固め装置およびコンクリート杭の打設管理方法に係り、現場打ちコンクリート杭のコンクリート打設作業において、高品質のコンクリート杭を造成することを目的としたコンクリート杭の締固め装置およびコンクリート杭の打設管理方法に関する。
従来、現場打ちコンクリート杭の築造工事においては、地上に設置した掘削機で掘削した所定杭径、所定深さからなる杭孔内を安定液で満たしつつ、杭孔内に鉄筋かご等を建て込み、孔底まで延びるように配管されたコンクリート打設管(以下、トレミーと呼ぶ。)を用いてコンクリートを孔底から順次打設してコンクリート杭を築造する、たとえばアースドリル工法を一例とした各種の工法が実施されている。
トレミーを用いた現場打ちコンクリート杭のコンクリート打設では、安定液で満たされた孔内において、地上から供給されたコンクリートが、コンクリート内に埋設された状態のトレミーの下端からコンクリート内に連続的に吐出され、孔内にコンクリートが堆積されていく。このようなトレミーによるコンクリート打設では、トレミーの下端から吐出されたコンクリートは、トレミーの外周の近傍を上方に移動し、コンクリート打設面(天端)付近で杭(孔)周部に向かって押し出されるように移動することが知られている。
杭孔断面のほぼ中央位置に設置されたトレミーで打設されたコンクリートは、さらに孔内に設置されている、縦横に網目状をなす鉄筋かごの目を抜けて孔壁まで確実に充填され、コンクリート杭全体の強度が確保される。ところが、大口径のコンクリート杭では、トレミーから吐出されたコンクリートが鉄筋かご位置に達するまでに、その流動性が失われ、トレミーから吐出される際のコンクリート吐出圧も低下してしまう。スランプが小さい仕様のコンクリートでは、鉄筋が密に配筋されている杭頭部において鉄筋かごの外周まで十分にコンクリートが充填できない場合もある。この問題を解消するために、トレミーで打設された現場打ちコンクリート杭の締固め作業を効率よく行うことを目的とした振動締固め装置が提案されている(特許文献1,特許文献2)。
特許文献1に開示された振動締固め装置は、バイブレータの設置作業を簡易迅速に行えるように、ガイドとしてのリング状の架台部材に複数箇所の筒状ガイドを配設し、それぞれの筒状ガイドにバイブレータを昇降可能に支持させ、架台部材を鉄筋かごの上端に設置し、コンクリート打設の進行に合わせて、吊持されているバイブレータを筒状ガイド内で昇降させることで孔内におけるバイブレータでのコンクリート締固め作業を行うようになっている。
特許文献2に開示された締固め装置は、トレミーを中心軸として遊嵌されてたリング状の枠体内に、コンクリートよりも比重の小さい浮力体が固定された装置本体の底面側に複数本のバイブレータを配設した構成からなる。この装置を、孔内に立設されたトレミーをガイドとして孔内に設置し、コンクリートを連続打設すると、孔内のコンクリートの打設面の上昇に伴い、装置の枠体に保持された浮力体の浮力作用で装置本体がコンクリート打設面の上昇に伴って上方に移動し、常にコンクリート表面からの締固め作業が行えるようになっている。
特開2009−133081号公報 特開2002−38483号公報
上述した締固め装置において、特許文献1に開示された装置はコンクリート杭頭付近のコンクリートの締固め作業を想定しているため、コンクリート杭の中間深さでの締固め作業を行うことができない。これに対して、特許文献2に開示された装置では、上昇するコンクリート表面の近傍での締固めを行うこと可能である。
コンクリート表面において十分な締固めを行うようにしても、トレミー下端から吐出されたコンクリートに、コンクリート表面のレイタンスや、コンクリート表面に堆積している安定液のスライム等が混入した状態にあると、コンクリート品質が著しく低下してしまう。このため、トレミー下端がコンクリート内に充分挿入された状態でコンクリートがトレミー下端から吐出される必要がある。
一方、地上のトレミーのホッパから投入されたコンクリートはトレミー内を落下して下端からコンクリート内に吐出されるため、トレミーの打設されたコンクリート内への挿入長が長くなると、すでに打設され堆積しているコンクリートの重量のため、コンクリート吐出時抵抗が大きくなり、効率的なコンクリート打設が行えないという問題がある。
そこで、コンクリート打設時の品質や施工性の低下の問題が生じないように、コンクリート打設の施工管理上、たとえばトレミー下端はコンクリート中に2m程度挿入しておくことが求められている。一方、コンクリートの挿入長(あるいは埋込長)は最長でも9m程度にすることが求められている。
上述したような具体的な施工上の管理値が設定されている場合、作業者はコンクリート打設作業中に頻繁に検尺テープ等の測深手段を用いてコンクリートの打設高さ(孔底位置)を測定してトレミーのコンクリート内への挿入長を確認する必要がある。
また、特許文献2に開示された締固め装置では、浮体を有する枠体は、中央に形成された開口部がトレミーの直径より十分大きく設定されているため、コンクリート締固め時にトレミーによって平面的な移動は制御することはできるが、打設面に載置された締固め装置とトレミーの挿入長とは互いに規制されない構造となっている。このため、トレミーの挿入長を知るためには、上述したように他の計測手段によってコンクリート打設高さ(打設面)を用いる必要がある。なお、第3実施例には、トレミーの外周面にスパイラルガイドを形成し、締固め装置の開口部側にスパイラルガイドと噛み合い可能なスパイラルフランジを設け、締固め装置の締固め動作に応じて締固め装置がトレミーをガイドとしてコンクリート打設面の上昇に伴って上昇できる構成も示されている。しかし、この場合でも締固め装置の上昇動作はコンクリート打設面の上昇に応じて決定されているので、トレミーのコンクリートへの挿入深さとは無関係な動作となっているため、作業者は装置に装備させた検尺テープ等によって得たコンクリート打設面のレベルとトレミー下端のレベル(挿入長)との位置関係を常に対比しながら、トレミー下端が上述したような適正な範囲にあることを確認しつつ、コンクリート打設作業を行わなければならず、人為的なミスを完全には排除できない。
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、トレミーを用いて現場打ちコンクリート杭を造成する際、コンクリート内に挿入されたトレミー下端を適正な範囲に保持することで、品質の安定したコンクリートを供給し、さらに所定の締固め作業を行うことで、コンクリート杭全体の品質を適正に確保できるようにしたコンクリート杭の締固め装置およびコンクリート杭の打設管理方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のコンクリート杭の締固め装置は、場所打ちコンクリート杭を造成するために掘削された杭孔内に挿入設置されたコンクリート打設管を介して前記杭孔内に吐出され、前記杭孔内に堆積したコンクリートの表面近傍を締め固めるコンクリート杭の締固め装置であって、前記コンクリート打設管に吊り部材を介して吊持されるとともに、前記杭孔内を満たす安定液の比重より大きく、前記コンクリートの比重より小さい比重からなるフロート部材と、該フロート部材の下面に配設された複数本のバイブレータと、前記吊り部材の一部に設けられ、前記コンクリート打設管と前記フロート部材との間に生じる引張力を測定する力計とを備え、前記バイブレータで前記コンクリート表面近傍のコンクリートを締固めるとともに、前記力計から得られた前記吊り部材に生じた引張力の検出値をもとに、前記コンクリート打設管の前記コンクリート内へ埋込状態を検知することを特徴とする。
前記力計に生じた引張力検出値は、検出信号として地上表示部に送られることが好ましい。
前記吊り部材を支持する前記コンクリート打設管の支持部が前記コンクリート表面から露出し、前記安定液内にあり、前記力計の引張力検出値が最大となった状態で前記コンクリート打設管の前記コンクリートの埋込長が最小となるようにすることが好ましい。
前記吊り部材を支持する前記コンクリート打設管の支持部が前記コンクリート内にあり、前記力計の引張力検出値が最大となった状態で前記コンクリート打設管の前記コンクリートの埋込長が最大となるようにすることが好ましい。
打設管理方法の発明としての本発明は、場所打ちコンクリート杭を造成するために掘削された杭孔内に挿入設置されたコンクリート打設管による前記杭孔内へのコンクリート打設状態を管理するコンクリート杭の打設管理方法であって、前記杭孔内に堆積したコンクリートの表面近傍を締め固める締固め装置を、前記コンクリート打設管に吊り部材を介して吊持し、前記吊り部材の一部に、前記コンクリート打設管と前記締固め装置との間に生じる引張力を測定する力計を設け、該力計から得られた引張力検出値をもとにコンクリート打設管の下端のコンクリート内への埋込長を検知し、前記コンクリート打設管の下端がコンクリート内への埋込長が所定範囲内にあるように前記コンクリート打設管の位置を管理するようにしたことを特徴とする。
前記吊り部材を支持する前記コンクリート打設管の支持部が前記コンクリート表面から露出し、前記安定液内にあり、前記力計の引張力検出値が最大となる状態を最小埋込長とし、前記吊り部材を支持する前記コンクリート打設管の支持部が前記コンクリート内にあり、前記力計の引張力検出値が最大となる状態を最大埋込長とし、前記コンクリート打設管の下端が前記打設されたコンクリート内で前記最小埋込長と前記最大埋込長との間にあるようにコンクリート打設作業を行うようにする事が好ましい。
本発明のコンクリート杭の締固め装置の一実施形態による現場打ちコンクリート杭の打設状況を示した概略断面図。 本発明のコンクリート杭の締固め装置を用いて現場打ちコンクリート杭の打設管理を行う方法の実施状況を示した概略断面図。 本発明のコンクリート杭の締固め装置の一実施形態による現場打ちコンクリート杭の打設状況を部分的に拡大して示した斜視図(その1:(a)、その2:(b))。 本発明のコンクリート杭の締固め装置の一実施形態による現場打ちコンクリート杭の打設状況を部分的に拡大して示した斜視図(その3:(c))。 本発明のコンクリート杭の締固め装置の他の実施形態による現場打ちコンクリート杭の打設状況を部分的に拡大して示した斜視図。 本発明のコンクリート杭の締固め装置の他の実施形態による現場打ちコンクリート杭の打設状況を部分的に拡大して示した斜視図。
以下、本発明のコンクリート杭の締固め装置の構成および本締固め装置を用いた現場打ちコンクリート杭の打設時の管理方法について、添付図面を参照して説明する。
図1は、公知の現場打ちコンクリート杭の造成が可能なアースドリル工法を一例とした杭造成工事の施工状況を示した概略断面図である。造成される現場打ちコンクリート杭を想定して杭孔は所定深さと杭径とで掘削され、杭孔1内は安定液で満たされ、鉄筋かご2も沈設されている。トレミーは杭孔1断面のほぼ中央位置に孔底近傍から地上にわたり設置されている。
コンクリート打設作業において、コンクリートは、トレミー3の上端に設けられているコンクリート投入シュート4から投入され、トレミー3の下端からすでに打設されたコンクリート内に連続的に吐出される。杭孔1内においてコンクリート5は通常、トレミー3の下端からトレミー3の管周囲のコンクリート表面5aが盛り上がるように、まだ固化していないコンクリート5内を上昇し、コンクリート表面5a近くで杭孔1の外周方向に流れるような挙動をとる。そこで、本発明ではこの管周囲を上昇するコンクリート5がさらに網目状の鉄筋かご2を通過して杭孔1全体に行き渡るように、図1,図3(a)に示したような締固め装置10が備えられている。締固め装置10は、図3(a)に拡大して示したような円環状のフロート11の下面に周方向に所定間隔をあけて6本が配設された公知の棒状のバイブレータ12を装備した構成からなる。バイブレータ12の本数は杭径等に応じてフロート11の直径等の寸法が決定されるのと同様に、その規模に応じて適宜決定でき、6本に限られないことはいうまでもない。
円環状フロート11は、断面が略長方形の鋼板加工してなる内部が空洞の円環箱状体であり、杭孔1内を満たす安定液6の比重より大きく、打設されたコンクリート5の比重より小さい比重からなるように液中重量と体積との関係が調整されており、安定液6内では沈み、コンクリート5上に載置された状態ではフロート11の重量に起因して、まだ固まっていないコンクリート5内に埋没することはない。またフロート11の底面に複数本の棒状バイブレータ12の振動部上端が連結されている。また、フロート11はトレミー3の外周面の所定位置に取り付けられた支持リング9に上端が定着された3本の吊りワイヤー13に吊持されており、図1、図3(a)に示したように、底部から所定範囲がコンクリート5に埋まった状態でコンクリート表面5aに載置されている。そのときフロート11の底面に連結された棒状バイブレータ12は完全にコンクリート5内に埋まっている。
3本の吊りワイヤー13のうちの1本のワイヤー下端とフロート11側の定着部との間には力計としての引張力ロードセル15が装着されている。引張力ロードセル15には地上から設置位置まで配線された電線ケーブル16が接続されている。電線ケーブル16は給電線と信号線とが一体化され、さらに上述したバイブレータ12への電力供給するための地上電源からの動力線と電気的に干渉しないように一体化されたケーブル束として地上の電源7、表示部8と締固め装置10との間に配線されている。引張力ロードセル15は吊りワイヤー13に作用する張力を検出し、検出信号は信号線を介して地上の表示部8に送信される。なお、力計は複数本の吊りワイヤー13に設けられ、検出された引張力の平均値を利用するようにしても良い。引張力を検出する力計としては、吊りワイヤーと一体化可能なタイプであれば、各種のロードセルを利用することができる。
棒状バイブレータ12は、振動筒12a内に収容された図示しない偏心重錘を内蔵モータによって回転させてコンクリート5内に埋まっている振動筒12aを振動させ、振動筒12a周囲のコンクリート5を締め固めることができる。モータ駆動のためのインバータ(図示せず)は、フロート11内の空洞部内に組み込まれている。なお、締固め装置10の構成を説明するために、図1、図3各図では杭孔1内に設置された鉄筋かご2(主筋、フープ筋)の図示(図1では一部、図3各図では全部)を省略している。
本実施形態の締固め装置10の細部構成、およびコンクリート打設時におけるトレミー3の引き上げ作業よるコンクリート打設管理について、図1〜図3各図を参照して説明する。
まず、本実施形態における吊りワイヤー13の長さ、トレミー3の支持リング9の取付位置について説明する。トレミー3のコンクリート5内への埋込長(コンクリート5内に挿入されている部分の長さ、挿入長)dとしたとき、もっとも短い埋込長である最小埋込長dminは打設されたコンクリート5の品質確保のために2m程度を確保する必要がある。一方、コンクリート5の吐出力を考慮して埋込長が最も長い場合(最大埋込長dmax)は9m程度にとどめることが必要である。そのため打設するコンクリート5の仕様、打設環境にもよるが、図1,図3(a)の状態において、コンクリート表面5aからのトレミー3の埋込長dは約2〜3mとし、おおよそ吊りワイヤー13長さに相当する支持リング9からフロート11までの吊り代sは約2〜3mとすることが好ましい。よって、トレミー3の埋込長dが最大になる状態(図4)において、最大埋込長dmax(=d+s+s’)は約6〜9mとなる。このときs’はトレミー3の支持リング9の位置がコンクリート5内に没しており、フロート11がコンクリート表面5aに位置して吊りワイヤー13が張った状態で、吊り代sにほぼ等しい。吊りワイヤー13の実長はフロート11の内径、フロート11側の取付位置等を考慮して2.5〜3.5m程度とすることが好ましい。
コンクリート5打設管理におけるトレミー3の引き上げ作業管理は、吊りワイヤー13下端と締固め装置10との間に設けられた引張力ロードセル15の引張力検出値をもとに行われる。この引張力検出値は、以下に示したフロート11の位置状態の検知を行うことを想定している。たとえば、フロート11は、図1、図2(a)、図3(a)に示した状態では、底部の一部が底面から所定量だけコンクリート5内に埋まった状態でコンクリート表面5aに載置されているが、フロート11は吊りワイヤー13によってその重量が負担された吊持状態にある。すなわち吊りワイヤー13は、安定液6内において浮力が作用した状態でのフロート11の液中重量に相当するフロート11重量を負担した状態にあり、引張力ロードセル15の張力検出値は最大値を示す。
この状態からコンクリート5がトレミー3を介して地上から連続供給されると、図2(b)、図3(b)に示したように、トレミー3の周囲のコンクリート5が打ち上げられ、コンクリート表面5aが上昇し、コンクリート表面5a上に載置されたフロート11もコンクリート表面5aの上昇に追従する。このときトレミー3は固定状態にあるため吊りワイヤー13の支持リング9の位置(高さ)も変わらない。このためフロート11は、図3(b)に拡大して示したように、コンクリート表面5aに全重量が支持され、フロート11を吊っていた吊りワイヤー13は弛んだ状態となり、引張力ロードセル15に作用する引張力はゼロとなる。
コンクリート5の打ち上がり状態が進行すると、コンクリート表面5aはトレミー3の支持リング9の位置(高さ)を越え、図2(c)、図4の位置まで上昇する。この状態では、図4に拡大して示したように、フロート11とトレミー3の支持リング9との間は上述のように吊りワイヤー13で連結されているため、フロート11はコンクリート5内に埋没したトレミー3の支持リング9の位置より、吊りワイヤー13長の吊り代分(s)に相当する(s’)だけ上方位置に達する。このときのトレミー3の埋込長は最大埋込長(d+s+s’)となる。この状態でも吊りワイヤー13にはコンクリート表面5aに載置されたフロート11がトレミー3の支持リング9を上方に吊り上げるような引張力が作用する。この引張力検出値が所定の上限値(たとえば、吊りワイヤー13の機械的強度の上限近くに設定される。)が検知されたら一旦コンクリート打設を中止し、トレミー3を地上から引き上げる作業を行う。
このトレミー3の引き上げ作業は、トレミー3の支持リング9が図4に示した状態から、フロート11と支持リング9との位置関係が再び図3(a)と同じになるまで行われる。この場合、引き上げられるトレミー3の引き上げ量は実測することなく吊りワイヤー13の引張力を監視することで行うことができる。すなわち、引張検出値が所定値(フロート自重−フロート浮力)に達するまでフロート11は引き上げられる。このように引張力検出値をリミッタとする監視状態でトレミー3の引き上げ作業を行うことで、フロート11は最小埋込長(dmin)の状態(図3(a))以上引き上げられることはない。この結果、トレミー3の引き上げすぎによるコンクリート5内への安定液6の巻き込み等のトラブルは確実に防止される。
このように、コンクリートを連続打設する際、トレミー3の適切な埋込長dを管理する必要があるが、トレミー3の引き上げ作業を、トレミー3に吊持されるように組み込まれた締固め装置10の吊りワイヤー13の引張力検出値をもとに管理することでトレミー3とコンクリート表面5aとの位置関係を管理することができ、適正な状況でのコンクリート打設を行うことができる。
また、コンクリートを連続打設する際、フロート11の下面に配設された複数台のバイブレータ12がトレミー3から吐出したコンクリートに振動を与えるため、コンクリート表面5a近傍のコンクリートは流動性を回復し、鉄筋かご2の網目を抜けて孔壁付近まで確実に充填される。
図5、図6は締固め装置20の他の実施形態を示している。図5は円環状の振動部21aを有する板状バイブレータ21(内部を示すために一部を切欠いて描いている。)をフロート11の下面に取り付けた締固め装置20を示している。この板状バイブレータ21の振動部21aはフロート11の内部に収容された振動モータ(図示せず)を起振部として円環状をした振動部21aをコンクリート5内で振動させる構造からなる。このバイブレータ21では振動部21aからの振動が杭孔1内を放射状に伝播するので、トレミー3から吐出したコンクリート5を周囲の鉄筋かご2(図1参照)に向けて均一に押し広げることができ、円筒形状をなす鉄筋かご2の全周にわたりバランス良くをコンクリート5を行き渡らせることができる。
図6はフロート形状に特徴を有する締固め装置25を示している。この実施形態では、フロート26は棒状バイブレータ12を支持する箱状のヘッド27間をパイプ28で連結した骨組構造からなるこのフロート26は浮力は小さいが軽量であるため、トレミー3がフロート26を支持する負担を軽減できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に示した範囲内での種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲内で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
1 杭孔
2 鉄筋かご
3 トレミー
5 コンクリート
6 安定液
8 表示部
9 支持リング
10,20,25 締固め装置
11,26 フロート
12,21 バイブレータ
13 吊りワイヤー
15 引張力ロードセル

Claims (6)

  1. 場所打ちコンクリート杭を造成するために掘削された杭孔内に挿入設置されたコンクリート打設管を介して前記杭孔内に吐出され、前記杭孔内に堆積したコンクリートの表面近傍を締め固めるコンクリート杭の締固め装置であって、
    前記コンクリート打設管に吊り部材を介して吊持されるとともに、前記杭孔内を満たす安定液の比重より大きく、前記コンクリートの比重より小さい比重からなるフロート部材と、
    該フロート部材の下面に配設された複数本のバイブレータと、
    前記吊り部材の一部に設けられ、前記コンクリート打設管と前記フロート部材との間に生じる引張力を測定する力計と、
    を備え、
    前記バイブレータで前記コンクリート表面近傍のコンクリートを締固めるとともに、
    前記力計から得られた前記吊り部材に生じた引張力の検出値をもとに、前記コンクリート打設管の前記コンクリート内へ埋込状態を検知することを特徴とするコンクリート杭の締固め装置。
  2. 前記力計に生じた引張力検出値は、検出信号として地上表示部に送られる請求項1に記載のコンクリート杭の締固め装置。
  3. 前記吊り部材を支持する前記コンクリート打設管の支持部が前記コンクリート表面から露出し、前記安定液内にあり、前記力計の引張力検出値が最大となった状態で前記コンクリート打設管の前記コンクリートの埋込長が最小となる請求項1に記載のコンクリート杭の締固め装置。
  4. 前記吊り部材を支持する前記コンクリート打設管の支持部が前記コンクリート内にあり、前記力計の引張力検出値が最大となった状態で前記コンクリート打設管の前記コンクリートの埋込長が最大となる請求項1に記載のコンクリート杭の締固め装置。
  5. 場所打ちコンクリート杭を造成するために掘削された杭孔内に挿入設置されたコンクリート打設管による前記杭孔内へのコンクリート打設状態を管理するコンクリート杭の打設管理方法であって、
    前記杭孔内に堆積したコンクリートの表面近傍を締め固める締固め装置を、前記コンクリート打設管に吊り部材を介して吊持し、前記吊り部材の一部に、前記コンクリート打設管と前記締固め装置との間に生じる引張力を測定する力計を設け、該力計から得られた引張力検出値をもとにコンクリート打設管の下端のコンクリート内への埋込長を検知し、前記コンクリート打設管の下端がコンクリート内への埋込長が所定範囲内にあるように前記コンクリート打設管の位置を管理するようにしたことを特徴とするコンクリート杭の打設管理方法。
  6. 前記吊り部材を支持する前記コンクリート打設管の支持部が前記コンクリート表面から露出し、前記安定液内にあり、前記力計の引張力検出値が最大となる状態を最小埋込長とし、
    前記吊り部材を支持する前記コンクリート打設管の支持部が前記コンクリート内にあり、前記力計の引張力検出値が最大となる状態を最大埋込長とし、
    前記コンクリート打設管の下端が前記打設されたコンクリート内で前記最小埋込長と前記最大埋込長との間にあるようにコンクリート打設作業を行うようにした請求項5に記載のコンクリート杭の打設管理方法。
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