JP2018134930A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり抵抗を低減させ、かつウェット性能を向上させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ周方向に沿って延びる複数の主溝8が形成されたトレッドゴム6と、トレッドゴム6のタイヤ径方向内側に設けられたベルト層7とを備える空気入りタイヤにおいて、トレッドゴム6が、非導電性ゴムで形成される非導電部11と非導電性ゴムよりもゴム硬度が高い導電性ゴムで形成される導電部12とを備え、導電部12は、複数の主溝8のうちタイヤ幅方向の最外側に位置するショルダー主溝8dのタイヤ幅方向内側の溝壁部13に沿ってトレッド面からショルダー主溝8dの溝底部15まで延びる溝壁導電部121と、溝底部15の全体に亘って配置され、溝壁導電部121のタイヤ径方向内側端121aに接続される溝底導電部122と、溝壁導電部121のタイヤ径方向内側端121aからタイヤ径方向の内方へ延びてベルト層7に達する延在部123とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、導電性ゴムで形成される導電部を備える空気入りタイヤに関する。
転がり抵抗の低減、及びウェット性能の向上を目的として、トレッド面にタイヤ周方向に延びる主溝によって区分された複数のリブ状の陸部を設けることが一般的に行われている。しかし、このようなリブパターンの空気入りタイヤでは、通常、センター部とショルダー部の接地圧が高く、センター部とショルダー部の間のクォーター部は接地圧が低い傾向にあり、このことが接地形状の悪化を招き、転がり抵抗とウェット性能の悪化の原因となっている。
ところで、近年、さらなる転がり抵抗の低減を目的として、トレッドゴム及びサイドウォールゴムなどのゴム部材を、シリカを高比率で配合した非導電性ゴムで形成した空気入りタイヤが提案されている。ところが、かかるゴム部材は、カーボンブラックを高比率で配合した従来品に比べて電気抵抗が高く、車体やタイヤで発生した静電気の路面への放出を阻害するため、ラジオノイズなどの不具合を生じやすいという問題がある。
そこで、トレッドゴム及びサイドウォールゴムを非導電性ゴムで形成しつつ、導電性ゴムを設けて、通電性能を発揮できるようにした空気入りタイヤが開発されている。例えば特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、非導電性ゴムで形成されたトレッドゴム体と、このトレッドゴム体のタイヤ径方向内側に配され且つ導電性ゴムで形成された導電部材とを備えるとともに、前記導電部材は、タイヤ円周方向の少なくとも1以上の場所において、タイヤのトレッド面に露出してこのトレッド面の一部をなすようにしている。
また、特許文献2に記載の空気入りタイヤでは、主溝の溝表面を覆う溝表面部と、前記溝表面部から前記主溝の溝底のタイヤ径方向内側に延在し、コード補強層に接触する溝底延出部を有する導電性ゴム層とを備えるようにしている。
特開平9−71112号公報 特開2015−157547号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、転がり抵抗を低減させ、かつウェット性能を向上させた空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ周方向に沿って延びる複数の主溝が形成されたトレッドゴムと、前記トレッドゴムのタイヤ径方向内側に設けられたベルト層とを備える空気入りタイヤにおいて、
前記トレッドゴムが、非導電性ゴムで形成される非導電部と、前記非導電性ゴムよりもゴム硬度が高い導電性ゴムで形成される導電部とを備え、
前記導電部は、前記複数の主溝のうちタイヤ幅方向の最外側に位置するショルダー主溝のタイヤ幅方向内側の溝壁部に沿ってトレッド面から前記ショルダー主溝の溝底部まで延びる溝壁導電部と、前記溝底部の全体に亘って配置され、前記溝壁導電部のタイヤ径方向内側端に接続される溝底導電部と、前記溝壁導電部のタイヤ径方向内側端からタイヤ径方向の内方へ延びて前記ベルト層に達する延在部とを備えるものである。
本発明のトレッドゴムは、非導電性ゴムで形成される非導電部と、導電性ゴムで形成される導電部とを備えている。導電部は、ショルダー主溝の周囲に配置されており、ショルダー主溝のタイヤ幅方向内側の溝壁部に沿ってトレッド面からショルダー主溝の溝底部まで延びる溝壁導電部と、溝壁導電部のタイヤ径方向内側端からタイヤ径方向の内方へ延びる延在部とを備えている。導電部は、非導電性ゴムよりもゴム硬度が高い導電性ゴムで形成されるため、非導電部よりも硬くなり、導電部が配置される部分でトレッドゴムの剛性が高くなる。よって、ショルダー主溝に対してタイヤ幅方向で内側に隣接されるトレッドゴムに溝壁導電部及び延在部がトレッド面からベルト層まで連続して配置されているため、センター部とショルダー部の間で接地圧が低い傾向にあるクォーター部の接地圧を高めることができ、その結果、接地形状を良化させて、転がり抵抗を低減させ、かつウェット性能を向上させることができる。また、導電部が、溝底部の全体に亘って配置され、溝壁導電部と接続する溝底導電部を備えることで、クォーター部の接地圧をさらに高めることができるとともに、ショルダー主溝の溝底におけるグルーブクラックを防止することができる。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記導電性ゴムのゴム硬度は、前記非導電性ゴムのゴム硬度よりも6度以上高いことが好ましい。
この構成によれば、導電部での剛性を適切に高めることができるため、クォーター部の接地圧を高めることができる。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記溝壁導電部の厚みは、前記溝底導電部の厚みより大きいことが好ましい。
この構成によれば、溝壁導電部の厚みを大きくできるため、溝壁導電部が路面と接地しやすくなる。また、溝底導電部の厚みを大きくし過ぎると、ショルダー主溝に対してタイヤ幅方向で外側に隣接されるトレッドゴムの剛性も高まるため、好ましくない。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記延在部の厚みは、前記溝底導電部の厚み以下であることが好ましい。
この構成によれば、延在部の厚みを小さくできるため、導電性ゴムの量を減らして、転がり抵抗を低減できる。
本発明の空気入りタイヤにおいて、前記導電部は、車両装着時に最も外側に配置される前記ショルダー主溝の周囲に配置されるようにしてもよい。
この構成によれば、車両装着時に外側に配置されるトレッドゴムの剛性が高まるため、操縦安定性の向上に繋がる。
本発明に係る空気入りタイヤの一例を概略的に示すタイヤ子午線断面図 図1の空気入りタイヤのII領域拡大図 本発明に係る空気入りタイヤの図1のII領域拡大図であって、製造方法を説明する図 別実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ子午線断面図 別実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ子午線断面図 別実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ子午線断面図 比較例1に係る空気入りタイヤのタイヤ子午線断面図 比較例2に係る空気入りタイヤのタイヤ子午線断面図
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)1は、ビード21を有する一対のビード部2,2を備えている。また、タイヤ1は、各ビード部2からタイヤ径方向の外側に延びるサイドウォール部3,3と、一対のサイドウォール部3,3のタイヤ径方向の外側端に連なり、接地面を構成するトレッド部4とを備えている。
トレッド部4は、地面と接する接地面(トレッド面)を構成すべく、カーカス層5の外周側に配置されるトレッドゴム6を備えている。また、トレッド部4は、カーカス層5を補強すべく、カーカス層5の外周側で且つトレッドゴム6の内周側に配置されるベルト層7を備えている。
タイヤ1は、一対のビード21,21の間に架け渡されてビード21を包み込むようにタイヤ幅方向の内側から外側に巻き上げられているカーカス層5を備えている。そして、タイヤ1は、リム100に装着されている。
ビード部2は、カーカス層5のタイヤ幅方向の外側に配置されるリムストリップゴム22を備えている。リムストリップゴム22は、タイヤ1がリム100に装着される際に、リム100と接触する。
サイドウォール部3は、カーカス層5のタイヤ幅方向の外側に配置されるサイドウォールゴム31を備えている。サイドウォールゴム31は、タイヤ径方向の外側でトレッドゴム6と接続され、タイヤ径方向の内側でリムストリップゴム22と接続されている。
カーカス層5は、一つのカーカスプライで構成されている。そして、カーカスプライは、タイヤ周方向に対して略直交する方向に配列したプライコード(例えば、スチールコード、有機繊維コード)を、トッピングゴムで被覆して形成されている。
ベルト層7は、少なくとも二層のベルトプライ(本実施形態では、二層のベルトプライ)71,72により構成されている。各ベルトプライ71,72は、平行に配列した複数のベルトコード(例えば、スチールコード、有機繊維コード)を、トッピングゴムで被覆して成形される。各ベルトプライ71,72は、タイヤ周方向に対して所定の傾斜角度(例えば、15°〜35°)で配列されたコードがプライ間で互いに逆向きに交差するように積層されている。また、ベルト層7は、ベルトプライ71,72の外周側に配置されてベルトプライ71,72を覆って補強するベルト補強層を含んでもよい。
トレッドゴム6は、タイヤ周方向に沿って延びる主溝8を複数備えている。そして、トレッドゴム6は、複数の主溝8で区画される複数の陸部9を備えている。
本実施形態においては、主溝8は、トレッドゴム6に4本備えられている。タイヤ赤道面S1を挟んで隣接する主溝8は、センター主溝8a,8bといい、センター主溝8a,8bよりタイヤ幅方向の外側に配置される主溝8は、ショルダー主溝8c,8dという。ショルダー主溝8c,8dは、複数の主溝8のうちタイヤ幅方向の最外側に位置する。
また、陸部9は、4本の主溝8に区画されることにより、トレッドゴム6に5つ備えられている。センター主溝8a,8b間に配置される陸部9は、センター陸部9aといい、センター主溝8a,8bとショルダー主溝8c,8dとの間に配置される陸部9は、クォーター陸部9b,9cといい、ショルダー主溝8c,8dよりタイヤ幅方向の外側に配置される陸部9は、ショルダー陸部9d,9eという。
主溝8は、トレッド面からタイヤ径方向の内方に向けて平面状に形成される一対の溝壁部13,14と、一対の溝壁部13,14の間に配置される溝底部15とを備えている。主溝8は、タイヤ周方向と平行となるように直線状に形成される、所謂、ストレート主溝である。また、主溝8は、摩耗するにしたがって露出することで摩耗度合が分かるように、一部溝を浅くしてある部分、所謂、トレッドウエアインジケータ(図示していない)を備えている。
トレッドゴム6は、非導電性ゴムで形成される非導電部11と、導電性ゴムで形成される導電部12とを備えている。なお、タイヤ1は、リム100に装着された際に、導電部12とリム100とを電気的に接続する導電経路部200を備えている。
本実施形態においては、ベルト層7の各ベルトプライ71,72のトッピングゴム、カーカス層5のトッピングゴム、及びリムストリップゴム22が導電性ゴムで形成されている。
そして、導電経路部200は、導電部12とリム100とを電気的に接続すべく、ベルト層7と、カーカス層5と、リムストリップゴム22とから構成されている。なお、導電経路部200は、斯かる構成に限られず、導電部12とリム100とを電気的に接続するように構成されていればよい。
ここで、導電性ゴムは、体積抵抗率が10Ω・cm未満を示すゴムが例示され、例えば原料ゴムに補強剤としてカーボンブラックを高比率で配合することにより作製される。なお、カーボンブラック以外にも、カーボンファイバーや、グラファイト等のカーボン系、及び金属粉、金属酸化物、金属フレーク、金属繊維等の金属系の公知の導電性付与材を配合することでも得られる。
また、非導電性ゴムは、体積抵抗率が10Ω・cm以上を示すゴムが例示され、原料ゴムに補強剤としてシリカを高比率で配合したものが例示される。該シリカは、例えば原料ゴム成分100質量部に対して30〜100質量部で配合される。シリカとしては、湿式シリカが挙げられるが、補強材として汎用されているものは制限なく使用できる。非導電性ゴムは、沈降シリカや無水ケイ酸などのシリカ類以外にも、焼成クレーやハードクレー、炭酸カルシウムなどを配合して作製してもよい。
上記の原料ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられ、これらは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。斯かる原料ゴムは、加硫剤や加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等も適宜に配合される。
導電部12を形成する導電性ゴムは、耐久性を高めて通電性能を向上する観点から、窒素吸着非表面積:NSA(m/g)×カーボンブラックの配合量(質量%)が1900以上、好ましくは2000以上であって、且つ、ジブチルフタレート吸油量:DBP(ml/100g)×カーボンブラックの配合量(質量%)が1500以上、好ましくは1700以上を満たす配合であることが望ましい。NSAは、ASTM D3037−89に準拠して、DBPは、ASTM D2414−90に準拠して求められる。
導電部12を構成する導電性ゴムのゴム硬度は、非導電部11を構成する非導電性ゴムのゴム硬度よりも高い。導電性ゴムのゴム硬度を非導電性ゴムよりも高くすることで、導電部12が非導電部11よりも硬くなるため、導電部12が配置される部分でトレッドゴム6の剛性が高くなる。導電性ゴムのゴム硬度は、非導電性ゴムのゴム硬度よりも6°以上高いことが好ましい。導電性ゴムと非導電性ゴムのゴム硬度の差が6°より小さいと、導電部12を配置した部分で剛性を高める効果が小さくなる。また、導電性ゴムと非導電性ゴムのゴム硬度の差は、10°以下とすることが好ましい。導電性ゴムと非導電性ゴムのゴム硬度の差が10°より大きいと、非導電部11と導電部12の界面での耐久性が悪化するおそれがある。本実施形態においては、非導電性ゴムの硬度は、40°〜60°であり、導電部12のゴム硬度は、50°〜70°である。なお、ゴム硬度は、JISK6253のデュロメータ硬さ試験機(タイプA)により25℃で測定したゴム硬度である。
本実施形態においては、導電部12は、車両装着時に外側となるショルダー主溝8dの周囲に配置されている。導電部12は、図2に示すように、ショルダー主溝8dのタイヤ幅方向内側の溝壁部13に沿って延びる溝壁導電部121と、溝底部15の全体に亘って配置される溝底導電部122と、溝壁導電部121のタイヤ径方向内側端121aからタイヤ径方向の内方へ延びてベルト層7に達する延在部123とを備えている。
溝壁導電部121は、トレッド面からショルダー主溝8dの溝底部15まで延びている。溝壁導電部121のタイヤ径方向外側端は、トレッド面に露出しており、トレッド面の一部を構成している。溝底導電部122は、溝壁導電部121のタイヤ径方向内側端121aに接続される。また、溝底導電部122の両端は、ショルダー主溝8dの溝壁部13,14と溝底部15の界面部(溝底R部)をそれぞれ覆っており、この界面部でのグルーブクラックを防止する。
本発明では、溝壁導電部121及び延在部123がトレッド表からベルト層7まで連続して配置されるため、ショルダー主溝8dに対してタイヤ幅方向で内側に隣接される部分でのトレッドゴム6の剛性が高くなる。よって、接地圧が低い傾向にあるクォーター陸部9c(クォーター部)の接地圧を高めることができ、その結果、接地形状を良化させて、転がり抵抗を低減させ、かつウェット性能を向上させることができる。
溝壁導電部121の厚みaは、溝底導電部122の厚みbより大きいことが好ましい。溝壁導電部121の厚みaを大きくすることで、溝壁導電部121が路面と接地しやすくなり、静電気を路面へ確実に放出できる。溝底導電部122の厚みbは、大きい方がグルーブクラックの防止に有効であるが、溝底導電部122の厚みbを大きくし過ぎると、ショルダー陸部8eの剛性も高まるため、本発明の効果が低下する。また、溝壁導電部121の厚みaは、溝幅wの20%以下であることが好ましい。ここで、溝壁導電部121の厚みaは、トレッド面での溝壁導電部121の厚みとし、溝底導電部122の厚みbは、溝底15の中央部での溝底15に垂直な方向における溝底導電部122の厚みとする。溝壁導電部121の厚みaは、例えば2〜3mmであり、溝底導電部122の厚みbは、例えば1〜2mmである。
また、延在部123の厚みcは、溝底導電部122の厚みb以下であることが好ましい。延在部123の厚みcを小さくすることで、導電性ゴムの量を減らすことができるため、転がり抵抗の低減に繋がる。ここで、延在部123の厚みcは、ベルト層7に接する部分での延在部123の厚みとする。延在部123の厚みcは、例えば0.5〜1mmである。
また、溝壁導電部121のタイヤ幅方向内側面と延在部123のタイヤ幅方向内側面は、連続する一つの平面となるように形成することが好ましい。さらに、溝壁導電部121のタイヤ幅方向内側面と延在部123のタイヤ幅方向内側面は、図2に示すようにタイヤ赤道面S1に平行な連続する一つの平面となるように形成することがより好ましい。これにより、クォーター陸部9cの接地圧を効果的に高めることができる。
本実施形態の導電部12は、ショルダー主溝8dのタイヤ幅方向外側の溝壁部14に沿ってトレッド面からショルダー主溝8dの溝底部15まで延びる溝壁導電部124を更に備えている。溝壁導電部124を設けることで、溝壁部14でのクラックを防止できる。溝壁導電部124のタイヤ径方向外側端は、トレッド面に必ずしも露出しなくともよいが、図2に示すように溝壁導電部124のタイヤ径方向外側端がトレッド面に露出することで、別の導電経路としての役割も果たす。
なお、タイヤ1が赤道面S1に対して非対称となる構造の場合には、斯かるタイヤ1は、車両への装着向きを指定されたタイヤとなり、リム100に装着する際に、タイヤの左右何れを車両に対面するかを指定される。斯かる構成においては、車両への装着の向きは、サイドウォール部3に表示されている。具体的には、サイドウォール部3は、タイヤ外表面を構成すべく、カーカス層5のタイヤ幅方向の外側に配置されるサイドウォールゴム31の表面に、表示部を有している。
例えば、車両装着時に内側(車両内側)に配置される一方のサイドウォール部3は、車両内側となる旨の表示(例えば、「INSIDE」等)を付されており、また、車両装着時に外側(車両外側)に配置される他方のサイドウォール部3は、車両外側となる旨の表示(例えば、「OUTSIDE」等)を付されている。
本実施形態に係るタイヤ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るタイヤ1の製造方法について、図3を参酌して説明する。なお、本実施形態に係るタイヤ1は、トレッドゴム6に関する点を除けば、従来のタイヤ製造工程と略同様にして製造できるため、トレッドゴム6の成形工程についてのみ説明する。
図3に示すように、非導電性ゴムR1と導電性ゴムR2からなるトレッドゴム6を有するグリーンタイヤを成形する。導電性ゴムR2は、ショルダー主溝8dが形成される部分の近傍に配置される。導電性ゴムR2は、略断面L字状に配置される。図3に示すグリーンタイヤを加硫成形することにより、ショルダー主溝8dを含む複数の主溝8がトレッドゴム6に形成される。その結果、図2に示すようにショルダー主溝8dの周囲に導電部12が配置されたタイヤ1が成形される。
なお、本発明に係る空気入りタイヤは、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、本発明に係る空気入りタイヤは、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
<別実施形態>
(1)トレッドゴム6は、外層を構成し且つ外周面にトレッド面を有するキャップ部と、キャップ部の内周に積層され、内層を構成するベース部とを備えるようにしてもよい。このとき、ベース部は、非導電ゴムで形成され、導電部12の延在部123は、ベース部を貫通してベルト層7に達するように構成される。
(2)前述の実施形態では、延在部123は、タイヤ赤道面S1に平行に延びているが、これに限定されず、タイヤ赤道面S1に傾斜する方向に延びてもよい。ただし、延在部123をタイヤ赤道面S1に平行に延ばすことで、延在部123の長さが短くなり、導電性ゴムの量を減らして、転がり抵抗を低減できる。
(3)前述の実施形態では、導電部12は、車両装着時に外側となるショルダー主溝8dの周囲に配置されているが、車両装着時に内側となるショルダー主溝8cの周囲に配置されてもよい。また、前述の実施形態では、一対のショルダー主溝8c,8dのうち一方のショルダー主溝8dの周囲のみに導電部12を設けているが、両方のショルダー主溝8c,8dにそれぞれ導電部12を設けるようにしてもよい。
(4)本発明に係る空気入りタイヤにおいて、図4に示すように、センター主溝8bの周囲にも導電部19を配置するようにしてもよい。導電部19は、センター主溝8bのタイヤ幅方向外側の溝壁部に沿ってトレッド面からセンター主溝8bの溝底部まで延びる溝壁導電部191と、センター主溝8bの溝底部の全体に亘って配置され、溝壁導電部191のタイヤ径方向内側端に接続される溝底導電部192と、溝壁導電部191のタイヤ径方向内側端からタイヤ径方向の内方へ延びてベルト層に達する延在部193とを備える。これにより、クォーター陸部9cの接地圧をさらに高めることができる。
(5)前述の実施形態では、主溝8は、4本設けられている。しかしながら、本発明に係る空気入りタイヤは、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係る空気入りタイヤにおいては、主溝8は、図5に示すように、3本備える構成でもよい。
図5に示す空気入りタイヤは、タイヤ幅方向の最外側に配置される一対のショルダー主溝8c,8dと、一対のショルダー主溝8c,8d間に配置されるセンター主溝8aとを備えている。
陸部9は、3本の主溝8に区画されることにより、トレッドゴム6に4つ備えられている。複数の陸部9のうち、タイヤ幅方向の中央部に位置する陸部9をセンター陸部9aといい、この実施形態のように、タイヤ赤道面S1上に主溝8が位置する場合、センター陸部9a,9aは、タイヤ赤道面S1上に位置する主溝8のタイヤ幅方向の両側に配置されている陸部である。この実施形態では、センター陸部9aのうちショルダー主溝8c,8dに対してタイヤ幅方向で内側に隣接される部分(センター部とショルダー部の間のクォーター部)での接地圧が低くなる傾向がある。そのため、導電部12は、ショルダー主溝8c又はショルダー主溝8dの周囲に配置される。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。尚、実施例等における評価項目は、下記のようにして測定を行った。試験に供したタイヤのサイズは205/60R16であり、JATMA規定のリムサイズのリムに装着した。
(1)転がり抵抗
転がり抵抗は、転がり抵抗測定ドラムを使用し、国際規格ISO28580に準じ、空気圧210kPa、荷重4.825kN、試験温度23℃、試験速度80km/hの条件で測定した。比較例1の結果を100として指数で評価し、数値が大きいほど転がり抵抗が小さいことを示す。結果を表1に示す。
(2)ウェット性能
EU規則Wet Gripグレーディング法に基づき、ウェット制動性能を指数化した。数値が大きいほどウェット制動性能に優れることを示す。試験条件は、空気圧180kPa、荷重4.52kNとした。結果を表1に示す。
(3)耐グルーブクラック性
試験タイヤを14日間熱劣化(70℃)後、ドラム上でオゾンを照射しながら走行(空気圧:180kPa、荷重:基準負荷の88%)を行い、深さ1mm以上の大クラックが発生するまで走行させ、走行距離とクラックの状態を指数化し、数値が大きいほど耐グルーブクラック性に優れることを示す。結果を表1に示す。
実施例1
図5に示すような導電部12を備えた空気入りタイヤを実施例1とした。導電部12を構成する導電性ゴムのゴム硬度は、非導電部11を構成する非導電性ゴムのゴム硬度よりも2°高くした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
実施例2
図6に示すような導電部12を備えた空気入りタイヤを実施例2とした。導電部12を構成する導電性ゴムのゴム硬度は、非導電部11を構成する非導電性ゴムのゴム硬度よりも2°高くした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
実施例3
図5に示すような導電部12を備えた空気入りタイヤを実施例3とした。導電部12を構成する導電性ゴムのゴム硬度は、非導電部11を構成する非導電性ゴムのゴム硬度よりも6°高くした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
実施例4
図5に示すような導電部12を備えた空気入りタイヤを実施例4とした。導電部12を構成する導電性ゴムのゴム硬度は、非導電部11を構成する非導電性ゴムのゴム硬度よりも10°高くした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
比較例1
図7に示すような導電部を備えた空気入りタイヤを比較例1とした。導電部を構成する導電性ゴムのゴム硬度は、非導電部を構成する非導電性ゴムのゴム硬度よりも2°高くした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
比較例2
図8に示すような導電部を備えた空気入りタイヤを比較例2とした。導電部を構成する導電性ゴムのゴム硬度は、非導電部を構成する非導電性ゴムのゴム硬度よりも2°高くした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
Figure 2018134930
実施例1〜4は、比較例1に比べ、転がり抵抗が低減し、かつウェット性能が向上した。実施例1は、比較例2に比べ、耐グルーブクラック性に優れる。
1 タイヤ
6 トレッドゴム
7 ベルト層
8 主溝
8d ショルダー主溝
11 非導電部
12 導電部
121 溝壁導電部
122 溝底導電部
123 延在部

Claims (5)

  1. タイヤ周方向に沿って延びる複数の主溝が形成されたトレッドゴムと、前記トレッドゴムのタイヤ径方向内側に設けられたベルト層とを備える空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッドゴムが、非導電性ゴムで形成される非導電部と、前記非導電性ゴムよりもゴム硬度が高い導電性ゴムで形成される導電部とを備え、
    前記導電部は、前記複数の主溝のうちタイヤ幅方向の最外側に位置するショルダー主溝のタイヤ幅方向内側の溝壁部に沿ってトレッド面から前記ショルダー主溝の溝底部まで延びる溝壁導電部と、前記溝底部の全体に亘って配置され、前記溝壁導電部のタイヤ径方向内側端に接続される溝底導電部と、前記溝壁導電部のタイヤ径方向内側端からタイヤ径方向の内方へ延びて前記ベルト層に達する延在部とを備えることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記導電性ゴムのゴム硬度は、前記非導電性ゴムのゴム硬度よりも6度以上高い請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記溝壁導電部の厚みは、前記溝底導電部の厚みより大きい請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記延在部の厚みは、前記溝底導電部の厚み以下である請求項1〜3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記導電部は、車両装着時に最も外側に配置される前記ショルダー主溝の周囲に配置される請求項1〜4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。



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