JP2018133545A - 樹脂製部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用ブレーキ液圧制御装置において、基体とハウジングの間に接着剤を塗布した場合、ハウジングと接着剤との間で界面剥離が発生すること防止できる構造を提供する。【解決手段】ハウジング36の周壁部84は、基体40に当接するフランジ部92を備え、このフランジ部92は、周壁部84より外側に張り出しており、基体40側の面に接着剤92aを溜める溝部92bを有している。そして、溝部92bの底面92cが粗面92dとされている。【効果】粗面に接着剤が入り込むアンカー効果により界面剥離を防止でき、接着性が向上する。【選択図】図3
Description
本発明は、車両用ブレーキ液圧制御装置に好適な樹脂製部品に関する。
車両用ブレーキ液圧制御装置を構成するブレーキ液路を有する基体と、電磁弁や制御基板を収容するハウジングとにおいて、基体とハウジングとの接続部位にシール構造が求められる。
制御装置のシール構造として、例えば、特許第4520915号公報(以下、特許文献1と記す。)のような技術がある。特許文献1に開示されるシール構造は、ハウジングの基体側に溝を設け、この溝にシール剤を充填するというものである。
また、例えば、特許第5901725号公報(以下、特許文献2と記す。)のような技術がある。特許文献2に示されるシール構造は、ハウジングとカバーの間に接着剤を設けるというものである。
さらには、例えば、特開2014−184744号公報(以下、特許文献3と記す。)のような技術がある。特許文献3に示されるシール構造は、基体とハウジングの間にシールを備え、シールはハウジングに形成したシール溝に備えられるというものである。
基体とハウジングの間に接着剤を塗布した場合、ハウジングと接着剤との間で界面剥離が発生することがあり、シール効果が十分に発揮できない可能性がある。
本発明は、車両用ブレーキ液圧制御装置において、基体とハウジングの間に接着剤を塗布した場合、ハウジングと接着剤との間で界面剥離が発生すること防止できる構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、基体に接続し、制御基板を収容するハウジングと、を有する樹脂製部品において、
前記ハウジングは、周壁部と、前記制御基板を収容する基板収容部とを備え、
前記周壁部は前記基体に当接するフランジ部を備え、
前記フランジ部は前記周壁部より外側に張り出し、前記基体側に接着剤を介在させる溝部を形成し、前記溝部は内周面を粗面としたことを特徴とする。
前記ハウジングは、周壁部と、前記制御基板を収容する基板収容部とを備え、
前記周壁部は前記基体に当接するフランジ部を備え、
前記フランジ部は前記周壁部より外側に張り出し、前記基体側に接着剤を介在させる溝部を形成し、前記溝部は内周面を粗面としたことを特徴とする。
請求項2に係る発明では、前記フランジ部の前記基体側の面は、前記溝部より外側の外側面と内側の内側面に区分され、前記内側面と前記基体との間に隙間が設けられていることを特徴とする。
請求項1により、粗面に接着剤が入り込むアンカー効果により界面剥離を防止でき、接着性が向上する。
請求項2により、ハウジングを基体に組み付ける際に、接着剤が隙間に入る。すなわち、接着剤は内側面側に流入することにより外側面を超えて外部にはみ出る心配はない。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
また、前輪ブレーキと後輪ブレーキの液圧を制御するものを2系統対応の車両用ブレーキ液圧制御装置、前輪ブレーキ及び後輪ブレーキの何れか一方の液圧を制御するものを1系統対応の車両用ブレーキ液圧制御装置と呼ぶことにする。
また、前輪ブレーキと後輪ブレーキの液圧を制御するものを2系統対応の車両用ブレーキ液圧制御装置、前輪ブレーキ及び後輪ブレーキの何れか一方の液圧を制御するものを1系統対応の車両用ブレーキ液圧制御装置と呼ぶことにする。
図1に示すように、2系統対応の車両用ブレーキ液圧制御装置10は、ブレーキレバー11の操作に応じて作動液を加圧し液圧を発生する第1マスタシリンダ12と、前輪ブレーキキャリパ14側から逃がされた作動液を一時的に貯留する第1リザーバ13と、第1マスタシリンダ12と前輪ブレーキキャリパ14の間に設けられる組付部品であり常開型電磁弁である第1入口制御弁15及び組付部品であり常閉型電磁弁である第1出口制御弁16と、第1リザーバ13に貯留された作動液を吸入して第1マスタシリンダ12側に戻す組付部品である第1ポンプ17と、ブレーキペダル21の操作に応じて作動液を加圧し液圧を発生する第2マスタシリンダ22と、後輪ブレーキキャリパ24側から逃がされた作動液を一時的に貯留する第2リザーバ23と、第2マスタシリンダ22と後輪ブレーキキャリパ24の間に設けられる組付部品であり常開型電磁弁である第2入口制御弁25及び組付部品であり常閉型電磁弁である第2出口制御弁26と、第2リザーバ23に貯留された作動液を吸入して第2マスタシリンダ22側に戻す組付部品である第2ポンプ27と、第1・第2ポンプ17、27を駆動するモータ29と、このモータ29の駆動制御及び第1・第2入口制御弁15、25と第1・第2出口制御弁16、26の開閉制御をなす制御装置30と、基体40に設けられブレーキ液を流す第1系統のブレーキ液路A1、B1、C1、D1、E1、及び第2系統のA2、B2、C2、D2、E2とを備えている。
ここで、ブレーキ液路A1は、入口ポート12Pから第1入口制御弁15に至る液路であり、ブレーキ液路B1は、第1入口制御弁15から出口ポート14Pに至る液路である。また、ブレーキ液路C1は、ブレーキ液路B1から第1リザーバ13に至る液路であり、ブレーキ液路D1は、第1リザーバ13から第1ポンプ17に至る液路である。さらに、ブレーキ液路E1は、第1ポンプ17からブレーキ液路A1に至る液路である。ブレーキ液路A2、B2、C2、D2、E2については、説明が重複するため、説明を省略する。
第1・第2ポンプ17、27の吸入側に各々吸入弁31が設けられ、吐出側に各々吐出弁32が設けられている。
また、基体40は、第1マスタシリンダ12から延びる液路(ブレーキ配管)が接続される入口ポート12Pと、第2マスタシリンダ22から延びる液路(ブレーキ配管)が接続される入口ポート22Pと、前輪ブレーキキャリパ14へ延びる液路(ブレーキ配管)が接続される出口ポート14Pと、後輪ブレーキキャリパ24へ延びる液路(ブレーキ配管)が接続される出口ポート24Pとを備えている。
また、基体40は、第1マスタシリンダ12から延びる液路(ブレーキ配管)が接続される入口ポート12Pと、第2マスタシリンダ22から延びる液路(ブレーキ配管)が接続される入口ポート22Pと、前輪ブレーキキャリパ14へ延びる液路(ブレーキ配管)が接続される出口ポート14Pと、後輪ブレーキキャリパ24へ延びる液路(ブレーキ配管)が接続される出口ポート24Pとを備えている。
次に、車両用ブレーキ液圧制御装置10の動作を説明する。なお、ブレーキレバー11から前輪ブレーキキャリパ14までの第1系統と、ブレーキペダル21から後輪ブレーキキャリパ24までの第2系統とは、動作が同じであるため、第1系統のみを説明する。
・ABS非作動状態:前輪がロックする心配がないときは、制御装置30で、第1ポンプ17を停止し、第1入口制御弁15を開き、第1出口制御弁16を閉じる。この状態で、ブレーキレバー11が制動側に操作されると、第1マスタシリンダ12で液圧が高められ、この液圧が第1入口制御弁15を介して前輪ブレーキキャリパ14に伝えられる。
・ABS(減圧モード):前輪がロックしそうになると、制御装置30は、第1入口制御弁15を閉じ、第1出口制御弁16を開く。前輪ブレーキキャリパ14内の液圧は、第1出口制御弁16を介して第1リザーバ13へ逃がされる。これで前輪ブレーキキャリパ14のブレーキ液圧が減圧される。
・ABS(保持モード):制御装置30は、第1入口制御弁15と第1出口制御弁16を共に閉じる。これによって、前輪ブレーキキャリパ14のブレーキ液圧が一定に保持される。
・ABS(増圧モード):ブレーキ液圧を増圧する際は、制御装置30は、第1入口制御弁15を開け、第1出口制御弁16を閉じる。これによって、マスタシリンダ12で発生された液圧が、前輪ブレーキキャリパ14に伝えられる。これで前輪ブレーキキャリパ14のブレーキ液圧が増圧される。
図2に示すように、基体40に、第1入口制御弁としての電磁弁15及び第1出口制御弁としての電磁弁16が取付けられるとともに、第1リザーバ13が内蔵され、ブレーキ液路A1、C1などが設けられ、ブレーキ液路A1とブレーキ液路C1との間に第1ポンプ17が設けられている。
電磁弁15及び電磁弁16は、軸方向の長さにおいて約半分程度が、基体40から突出し、これらの突出部分が樹脂製部品36に収納される。以下、樹脂製部品36をハウジング36と読み替える。電磁弁15及び電磁弁16は各々駆動用の電磁コイル33を備えている。ハウジング36は、周壁部84と制御基板99を収容する基板収容部85とを備え、周壁部84は基体40に当接するフランジ部92を備えている。ハウジング36内に制御基板99が配置されており、この制御基板99と電磁コイル33が端子91で電気的に接続されている。
図2の3b部拡大図を図3(b)に示し、図3(b)の分解図を図3(a)に示す。
図3(a)に示すように、ハウジング36の周壁部84は、基体40に当接するフランジ部92を備え、このフランジ部92は、周壁部84より外側に張り出しており、基体40側の面に接着剤92aを溜める溝部92bを有している。そして、溝部92bの底面92cが粗面92dとされている。
図3(a)に示すように、ハウジング36の周壁部84は、基体40に当接するフランジ部92を備え、このフランジ部92は、周壁部84より外側に張り出しており、基体40側の面に接着剤92aを溜める溝部92bを有している。そして、溝部92bの底面92cが粗面92dとされている。
接着剤92aを基体40に塗布し、ハウジング36を組み付けることで、ハウジング36の溝部92bに接着剤92aが介在されることになる。
また、図3(b)において、フランジ部92の基体40側の面は、溝部92bで外側面92eと内側面92fとに区分されているが、内側面92fと基体40との間に隙間92gを設けるようにした。
接着剤92aの余剰分が、隙間92gに流入するため、接着剤92aが外へ滲みでる心配が無くなる。
接着剤92aの余剰分が、隙間92gに流入するため、接着剤92aが外へ滲みでる心配が無くなる。
図面は省略するが、本発明は、1系統対応の車両用ブレーキ液圧制御装置10にも適用できる。
また、樹脂製部品は実施例のハウジング36に限定されるものではなく、樹脂品でればよい。
また、樹脂製部品は実施例のハウジング36に限定されるものではなく、樹脂品でればよい。
尚、本発明は、自動二輪車に好適であるが、三輪車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
本発明は、自動二輪車に好適である。
10…車両用ブレーキ液圧制御装置(2系統対応)、15、16、25、26…電磁弁、33…電磁コイル、36…樹脂製部品(ハウジング)、37…コネクタ部、40…基体、84…周壁部、85…基板収容部、92…フランジ部、92a…接着剤、92b…溝部、92d…粗面、92e…外側面、92f…内側面、92g…隙間、99…制御基板、A1、B1、C1、D1、E1、A2、B2、C2、D2、E2…ブレーキ液路。
Claims (2)
- 基体に接続し、制御基板を収容するハウジングと、を有する樹脂製部品において、
前記ハウジングは、周壁部と、前記制御基板を収容する基板収容部とを備え、
前記周壁部は前記基体に当接するフランジ部を備え、
前記フランジ部は前記周壁部より外側に張り出し、前記基体側に接着剤を介在させる溝部を形成し、
前記溝部は内周面を粗面とした
ことを特徴とする樹脂製部品。 - 前記フランジ部の前記基体側の面は、前記溝部より外側の外側面と内側の内側面に区分され、
前記内側面と前記基体との間に隙間が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の樹脂製部品。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020083167A (ja) * | 2018-11-29 | 2020-06-04 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh | ブレーキ液圧制御装置 |
CN111231914A (zh) * | 2018-11-29 | 2020-06-05 | 罗伯特·博世有限公司 | 制动液压控制装置及制动液压控制装置的制造方法 |
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JP2008053472A (ja) * | 2006-08-24 | 2008-03-06 | Denso Corp | 3次元シール構造、3次元シール方法 |
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US20150145386A1 (en) * | 2013-11-22 | 2015-05-28 | Hon Hai Precision Industry Co., Ltd. | Housing for an electronic device |
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2017
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