JP2018133369A - 薄膜太陽電池 - Google Patents

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    • Y02E10/541CuInSe2 material PV cells

Abstract

【課題】従来とは異なる構成で変換効率を概ねより向上させることができる薄膜太陽電池の提供。
【解決手段】薄膜太陽電池1は、基板2上に、裏面電極3、光吸収層4、第一バッファ層5、第二バッファ層6、透明電極層7が順次積層されて構成される。ここで、光吸収層4は、Cu(In,Ga)(S,Se)により構成される。第一バッファ層5は、Cd1−xZnS(ここで、0<x<1)により構成される。第二バッファ層6は、Zn1−yMgO(ここで、0<y≦1)により構成される。透明電極層7は、Zn1−zMgO:Al(ここで、0<z≦1)により構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜太陽電池に関するものである。
従来、図4に示されるような薄膜太陽電池101が知られている。この薄膜太陽電池101は、基板102上に、裏面電極103、光吸収層104、第一バッファ層105、第二バッファ層106、透明電極層107が順次積層されると共に、裏面電極103上および透明電極層107上にそれぞれ取り出し電極108が成膜される。
ここで、基板102は、ガラスにより構成される。裏面電極103は、Mo(モリブデン)により構成される。光吸収層104は、Cu(In,Ga)(S,Se)(以下、「CIGSSe」と記載する。また、Cuは銅、Inはインジウム、Gaはガリウム、Sは硫黄、Seはセレンである。)により構成される。第一バッファ層105は、CdS(Cdはカドミウム、Sは硫黄である。)またはZnS(O,OH)(Znは亜鉛、Sは硫黄、Oは酸素である。)により構成される。第二バッファ層106は、ZnO(Znは亜鉛、Oは酸素である。)により構成される。透明電極層107は、酸化インジウムスズ(以下、「ITO」と記載する)、ZnO:B(Znは亜鉛、Oは酸素、Bはホウ素である。)またはZnO:Al(Znは亜鉛、Oは酸素、Alはアルミニウムである。)により構成される。各取り出し電極108は、NiCr/Al(Niはニッケル、Crはクロム、Alはアルミニウムである。)により構成される。
また、本件特許出願人は先に、下記特許文献1に開示されるように、基板上に裏面電極、光吸収層、透明電極が順次積層されると共に、裏面電極上および透明電極上にそれぞれ取り出し電極が成膜される薄膜太陽電池を提案している。なお、この薄膜太陽電池では、透明電極の伝導帯の不連続量が光吸収層に対して0eV以上0.55eV以下とされている。
特開2013−89669号公報
いずれの薄膜太陽電池も、太陽光が照射されることにより発電し、発電した電力を取り出し電極により取り出すことができるが、従来とは全く異なる構成の薄膜太陽電池について、出願人はその後も鋭意研究に努めてきた。たとえば、第一バッファ層、第二バッファ層および透明電極層の構成について、鋭意研究に努めてきた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、簡易な構成で、かつ従来とは異なる構成の薄膜太陽電池を提供することにある。また、変換効率を概ねより向上させることができる薄膜太陽電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る薄膜太陽電池は、基板上に、裏面電極、光吸収層、第一バッファ層、第二バッファ層、透明電極層が順次積層された薄膜太陽電池であって、前記第一バッファ層がCd1−xZnS(ここで、0<x<1)により構成されると共に、前記第二バッファ層がZn1−yMgO(ここで、0<y≦1)により構成されることを特徴とする。
また、本発明に係る薄膜太陽電池は、前記透明電極層は、Zn1−zMgO:〔A〕(ここで、0<z≦1)により構成され、前記〔A〕が13族元素とされることを特徴とする。
さらに、本発明に係る薄膜太陽電池は、前記光吸収層は、Cu(In,Ga)(S,Se)により構成されることを特徴とする。
本発明に係る薄膜太陽電池によれば、基板上に裏面電極、光吸収層、第一バッファ層、第二バッファ層、透明電極層が順次積層される薄膜太陽電池の場合、第一バッファ層がCd1−xZnSにより構成されると共に、第二バッファ層がZn1−yMgOにより構成される。従って、従来とは異なる構成で変換効率を概ねより向上させることができる薄膜太陽電池を実現することができる。
また、本発明に係る薄膜太陽電池によれば、透明電極層がZn1−zMgO:〔A〕(〔A〕は13族元素)により構成される。従って、従来とは全く異なる構成で変換効率を概ねより一層向上させることができる薄膜太陽電池を実現することができる。
さらに、本発明に係る薄膜太陽電池によれば、光吸収層がCu(In,Ga)(S,Se)により構成される。従って、従来とは全く異なる構成で変換効率を概ねさらに向上させることができる薄膜太陽電池を実現することができる。
本発明の薄膜太陽電池の一実施例を示す側面模式図である。 試験1に用いられた本実施例の薄膜太陽電池の変換効率を示すグラフである。 試験2に用いられた本実施例の薄膜太陽電池の変換効率を示すグラフである。 従来の薄膜太陽電池の一例を示す側面模式図である。
以下、本発明の薄膜太陽電池の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の薄膜太陽電池の一実施例を示す側面模式図である。本実施例の薄膜太陽電池1は、基板2上に、裏面電極3、光吸収層4、第一バッファ層5、第二バッファ層6、透明電極層7を備え、それらが順次積層される。
基板2は、ガラスにより構成される。典型的には、基板2は、青板ガラスまたは白板ガラスにより構成される。この基板2は、薄膜太陽電池1を製造する際、超音波洗浄法などにより洗浄される。なお、基板2には、可撓性を有する材料、たとえば、ステンレス箔、チタン箔、ポリイミドフィルム、アルミ箔、銅箔を使用することもできる。これにより、フレキシブル太陽電池を作製することができる。
裏面電極3は、Mo(モリブデン)により構成される。本実施例では、裏面電極3は、基板2の上面全域に成膜される。裏面電極3の基板2への成膜は、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法などを用いて行われる。なお、裏面電極3は、Moに限定されるものではなく、たとえば、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、W(タングステン)などにより構成してもよい。これらの場合においても、裏面電極3は、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法などにより、基板2上に成膜することができる。
光吸収層4は、太陽光を吸収して電力に変換するものであり、本実施例では、Cu(In,Ga)(S,Se)(以下、「CIGSSe」と記載する。また、Cuは銅、Inはインジウム、Gaはガリウム、Sは硫黄、Seはセレンである。)により構成される。光吸収層4は、裏面電極3の上面全域に成膜される。なお、図1では、裏面電極3の上面の一部が露出しているが、これについては後述する。本実施例では、光吸収層4の裏面電極3への成膜は、セレン化硫化法を用いて行われるが、これに限定されるわけではなく、たとえば、蒸着法、セレン法、電着法、印刷法、スプレー法などにより行ってもよい。
第一バッファ層5は、Cd1−xZnS(0<x<1)により構成され、好ましくは、Cd1−xZnS(0<x≦0.4)により構成される。この第一バッファ層5において、Cdはカドミウム、Znは亜鉛、Sは硫黄である。本実施例では、第一バッファ層5は、裏面電極3の上面全域に成膜された光吸収層4の上面全域に成膜される。なお、図1では、裏面電極3の上面の一部が露出しているが、これについては後述する。第一バッファ層5の光吸収層4への成膜は、CBD(Chemical Bath Deposition)法により行われる。この場合、成長溶液中のCdイオンとZnイオンとの濃度によってCd/Zn比を制御することができる。すなわち、出発材料のCd塩とZn塩との濃度を変えることで、xの値を制御することができる。なお、第一バッファ層5の光吸収層4への成膜方法は、CBD法に限定されるものではなく、たとえば、スパッタリング法であってもよい。この場合、ターゲットのスパッタリングレートを調整することで、第一バッファ層5を構成するCd1−xZnSのxの値を任意に制御することができる。
第二バッファ層6は、Zn1−yMgO(0<y≦1)により構成され、好ましくは、Zn1−yMgO(0<y≦0.5)により構成される。この第二バッファ層6において、Znは亜鉛、Mgはマグネシウム、Oは酸素である。本実施例では、第二バッファ層6は、裏面電極3の上面全域に成膜された光吸収層4の上面全域に第一バッファ層5が成膜された後、第一バッファ層5の上面全域に成膜される。なお、図1では、裏面電極3の上面の一部が露出しているが、これについては後述する。第二バッファ層6の第一バッファ層5への成膜は、スパッタリング法により行われる。この成膜の際、ターゲットのスパッタリングレートを調整することで、第二バッファ層6を構成するZn1−yMgOのyの値を任意に制御することができる。なお、第二バッファ層6の第一バッファ層5への成膜方法は、スパッタリング法に限定されるものではなく、たとえば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、スプレー法、スピンコーティング法であってもよい。
透明電極層7は、Zn1−zMgO:〔A〕(0<z≦1)により構成され、好ましくは、Zn1−zMgO:〔A〕(0<z≦0.3)により構成される。ここで、前記〔A〕は、13族元素とされる。この透明電極層7において、Znは亜鉛、Mgはマグネシウム、Oは酸素である。本実施例では、透明電極層7は、裏面電極3の上面全域に成膜された光吸収層4の上面全域に第一バッファ層5が成膜され、その第一バッファ層5の上面全域に第二バッファ層6が成膜された後、第二バッファ層6の上面全域に成膜される。なお、図1では、裏面電極3の上面の一部が露出しているが、これについては後述する。透明電極層7の第二バッファ層6への成膜は、スパッタリング法により行われる。この成膜の際、ターゲットのスパッタリングレートを調整することで、透明電極層7を構成するZn1−zMgO:〔A〕のzの値を任意に制御することができる。なお、透明電極層7の第二バッファ層6への成膜方法は、スパッタリング法に限定されるものではなく、たとえば、MOCVD法、ALD法、スプレー法、スピンコーティング法であってもよい。
透明電極層7を構成するZn1−zMgO:〔A〕の〔A〕は、13族元素であれば特に問わないが、典型的にはAl(アルミニウム)またはB(ホウ素)とされる。前記〔A〕がAlの場合、すなわち、透明電極層7がZn1−zMgO:Alにより構成される場合、透明電極層7の第二バッファ層6への成膜は、スパッタリング法により行われるのが好ましい。また、前記〔A〕がBの場合、すなわち、透明電極層7がZn1−zMgO:Bにより構成される場合、透明電極層7の第二バッファ層6への成膜は、MOCVD法により行われるのが好ましい。なお、透明電極層7の前記〔A〕は、AlまたはBに限定されるものではなく、たとえば、Ga(ガリウム)であってもよい。また、透明電極層7は、Zn1−zMgO:〔A〕に限定されるものではなく、たとえば、ZnO:Al(Znは亜鉛、Oは酸素、Alはアルミニウムである。)などの従来の透明電極層であってもよい。
このようにして、基板2上に裏面電極3、光吸収層4、第一バッファ層5、第二バッファ層6、透明電極層7が順次成膜された後、メカニカルスクライブにより、光吸収層4、第一バッファ層5、第二バッファ層6および透明電極層7の一部が除去される。これにより、裏面電極3の上面の一部が露出される。そして、その露出箇所および透明電極層7に取り出し電極8が成膜される。図1に示されるように、裏面電極3に成膜される取り出し電極8は、裏面電極3の上面の露出箇所の一部に成膜される。また、透明電極層7に成膜される取り出し電極8は、透明電極層7の上面の一部に成膜される。
取り出し電極8としては、NiCr/Alが用いられる。この取り出し電極8において、Niはニッケル、Crはクロム、Alはアルミニウムである。取り出し電極8の裏面電極3への成膜、および取り出し電極8の透明電極層7への成膜は、電子ビーム蒸着法により行われるが、これに限定されるものではなく、抵抗加熱蒸着法により行ってもよい。なお、取り出し電極8は、NiCr/Alに限定されるものではなく、たとえばIn(インジウム)を用いてもよい。この場合、In線を半田ゴテで溶かして、裏面電極3および透明電極層7につけることができる。また、Inが用いられた取り出し電極8の裏面電極3および透明電極層7への成膜方法は、蒸着法であってもよい。ところで、薄膜太陽電池1をパネルとする場合などにおいて、取り出し電極8が不要な場合には、取り出し電極8の成膜を省略することができる。
本実施例の薄膜太陽電池1によれば、第一バッファ層5がCd1−xZnSにより構成されると共に、第二バッファ層6がZn1−yMgOにより構成されるので、従来とは異なる構成とすることができ、変換効率を概ねより向上させることができる。これに加えて、本実施例の薄膜太陽電池1によれば、透明電極層7がZn1−zMgO:AlまたはZn1−zMgO:Bにより構成されるので、従来とは全く異なる構成とすることができ、変換効率を概ねより一層向上させることができる。さらに、本実施例の薄膜太陽電池1によれば、光吸収層4がCu(In,Ga)(S,Se)により構成されるので、従来とは全く異なる構成とすることができ、光吸収層4がCu(In,Ga)Se(以下、「CIGS」と記載する。また、Cuは銅、Inはインジウム、Gaはガリウム、Seはセレンである)の場合と比較して、変換効率を概ねさらに向上させることができる。
次に、本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率についての試験1について説明する。図2は、本試験1に用いられた本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率を示すグラフである。なお、図2の破線は、本試験1に用いられた比較例の薄膜太陽電池の変換効率を示している。
本試験1に用いられた本実施例の薄膜太陽電池1は、第一バッファ層5がCd1−xZnSにより構成されており、x=0.25に固定されている。この第一バッファ層5は、光吸収層4にCBD法により成膜されており、その膜厚は50nm程度とされている。第二バッファ層6は、Zn1−yMgOにより構成されている。この第二バッファ層6は、第一バッファ層5にスパッタリング法により成膜されており、その膜厚は60nm程度とされている。その他、基板2、裏面電極3、光吸収層4、透明電極層7はそれぞれ、ガラス、Mo、CIGSSe、ZnO:Al(Znは亜鉛、Oは酸素、Alはアルミニウムである。)により構成されている。透明電極層7は、透明な導電性酸化物として、第二バッファ層6に300nm程度の膜厚でスパッタリング法により成膜されている。なお、透明電極層7上の取り出し電極8は、NiCr/Alにより構成されており、電子ビーム蒸着法により成膜されている。一方、裏面電極3上の取り出し電極8は、Inにより構成されており、In線を半田ゴテで溶かして形成されている。
一方、本試験1に用いられた比較例の薄膜太陽電池は、基本的には本実施例の薄膜太陽電池1と同様の構成であり、基板上に裏面電極、光吸収層、第一バッファ層、第二バッファ層、透明電極層が順次成膜されると共に、裏面電極上および透明電極層上に取り出し電極が成膜されて構成される。比較例の薄膜太陽電池は、第一バッファ層がCdS(Cdはカドミウム、Sは硫黄である。)により構成されている。この第一バッファ層は、光吸収層にCBD法により成膜されており、その膜厚は50nm程度とされている。第二バッファ層は、ZnO(Znは亜鉛、Oは酸素である。)により構成されている。この第二バッファ層は、第一バッファ層にスパッタリング法により成膜されており、その膜厚は60nm程度とされている。その他、基板、裏面電極、光吸収層、透明電極層、両取り出し電極は、本試験1で用いられた本実施例の薄膜太陽電池1と同様である。
本試験1では、AM(Air Mass)1.5G、照度100mW/cmの照明の下で、本実施例の薄膜太陽電池1および比較例の薄膜太陽電池の変換効率についての試験を行った。この際、本実施例の薄膜太陽電池1の第二バッファ層6を構成するZn1−yMgOのyの値を0から0.4まで変化させた。なお、本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率は、各yの値において4回測定した場合の平均値である。
図2から分かるように、比較例の薄膜太陽電池と比較して、本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率が概ね向上していることが確認された。これは、比較例の薄膜太陽電池の短絡電流密度と比較して、本実施例の薄膜太陽電池1の短絡電流密度が大きいためと考えられる。
本実施例の薄膜太陽電池1では、比較例の薄膜太陽電池と比較して、400〜520nmの波長の範囲で外部量子効率の増加が見られた。このことから、比較例の薄膜太陽電池の第一バッファ層の禁制帯と比較して、本実施例の薄膜太陽電池1の第一バッファ層5の禁制帯が大きいことが分かり、これにより、比較例の薄膜太陽電池の短絡電流密度と比較した場合、本実施例の薄膜太陽電池1の短絡電流密度が大きくなると考えられる。
また、本実施例の薄膜太陽電池1では、320〜400nmの波長の範囲で外部量子効率の増加が見られた。このことから、比較例の薄膜太陽電池の第二バッファ層の禁制帯と比較して、本実施例の薄膜太陽電池1の第二バッファ層6の禁制帯が大きいことが分かり、これにより、比較例の薄膜太陽電池の短絡電流密度と比較した場合、本実施例の薄膜太陽電池1の短絡電流密度が大きくなると考えられる。
ところで、本実施例の薄膜太陽電池1では、yの値が変化することで、曲線因子が大きくなることが確認された。この曲線因子の増加は、本実施例の薄膜太陽電池1の第二バッファ層6の抵抗の増加に起因していると考えられる。従って、本実施例の薄膜太陽電池1においてシャントパスを減少させることができ、これにより、漏れ電流を減少させることができる。この漏れ電流の減少により、本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率をより向上させることができると考えられる。
ここで、本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率は、第二バッファ層6を構成するZn1−yMgOのyの値に依存することが分かった。これは、yの値を大きくすることで、禁制帯が増加して短絡電流密度が増加すると共に、シャントパスが低減すると考えられるからである。従って、本実施例の薄膜太陽電池1は、yの値を大きくすることで、変換効率を概ね向上させることができる。本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率は、第一バッファ層5のxの値が0.25で、かつyの値が0.211の際にピークの値である19.6%となる。従って、本実施例の薄膜太陽電池1は、比較例の薄膜太陽電池の変換効率の値である18.6%と比較して、変換効率の向上を実現できることが確認された。
次に、本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率についての試験2について説明する。図3は、本試験2に用いられた本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率を示すグラフである。なお、図3の破線は、本試験2に用いられた比較例の薄膜太陽電池の変換効率を示している。
本試験2に用いられた本実施例の薄膜太陽電池1は、第一バッファ層5がCd1−xZnSにより構成されており、x=0.25に固定されている。この第一バッファ層5は、光吸収層4にCBD法により成膜されており、その膜厚は50nm程度とされている。第二バッファ層6は、Zn1−yMgOにより構成されており、y=0.211に固定されている。この第二バッファ層6は、第一バッファ層5にスパッタリング法により成膜されており、その膜厚は60nm程度とされている。透明電極層7は、Zn1−zMgO:Alにより構成されている。この透明電極層7は、第二バッファ層6にスパッタリング法により成膜されており、その膜厚は500nm程度とされている。その他、基板2、裏面電極3、光吸収層4はそれぞれ、ガラス、Mo、CIGSSeにより構成されている。なお、透明電極層7上の取り出し電極8は、NiCr/Alにより構成されており、電子ビーム蒸着法により成膜されている。一方、裏面電極3上の取り出し電極8は、Inにより構成されており、In線を半田ゴテで溶かして形成されている。
一方、本試験2に用いられた比較例の薄膜太陽電池は、基本的には本実施例の薄膜太陽電池1と同様の構成であり、基板上に裏面電極、光吸収層、第一バッファ層、第二バッファ層、透明電極層が順次成膜されると共に、裏面電極上および透明電極層上に取り出し電極が成膜されて構成される。比較例の薄膜太陽電池は、第一バッファ層がCdSにより構成されている。この第一バッファ層は、光吸収層にCBD法により成膜されており、その膜厚は50nm程度とされている。第二バッファ層は、ZnOにより構成されている。この第二バッファ層は、第一バッファ層にスパッタリング法により成膜されており、その膜厚は60nm程度とされている。透明電極層は、ZnO:Alにより構成されている。この透明電極層は、透明な導電性酸化物として、第二バッファ層に500nm程度の膜厚でスパッタリング法により成膜されている。その他、基板、裏面電極、光吸収層、両取り出し電極は、本試験2で用いられた本実施例の薄膜太陽電池1と同様である。
本試験2では、AM1.5G、照度100mW/cmの照明の下で、本実施例の薄膜太陽電池1および比較例の薄膜太陽電池の変換効率についての試験を行った。この際、本実施例の薄膜太陽電池1の透明電極層7を構成するZn1−zMgO:Alのzの値を0から0.2まで変化させた。なお、本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率は、各zの値において4回測定した場合の平均値である。
図3から分かるように、比較例の薄膜太陽電池と比較して、本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率が概ね向上していることが確認された。これは、前述した第一バッファ層5および第二バッファ層6による効果に加えて、比較例の薄膜太陽電池の開放電圧と比較して、本実施例の薄膜太陽電池1の開放電圧が大きいためと考えられる。本実施例の薄膜太陽電池1では、透明電極層7にMgを添加することで内蔵電位が大きくなり、これにより開放電圧が大きくなると考えられる。
ここで、本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率は、透明電極層7を構成するZn1−zMgO:Alのzの値に依存することが分かった。これは、zの値を大きくすることで、開放電圧が増加すると考えられるからである。この際、薄膜太陽電池1の直列抵抗は、zの値を大きくすることで若干大きくなるが、それは曲線因子を小さくするほどではなく、許容範囲である。従って、本実施例の薄膜太陽電池1は、zの値を大きくすることで、変換効率を概ね向上させることができる。本実施例の薄膜太陽電池1の変換効率は、zの値が0から0.12の範囲で高くなり、zの値が0.12の際にピークの値である20.64%となる。従って、本実施例の薄膜太陽電池1は、比較例の薄膜太陽電池の変換効率の値である18.30%と比較して、変換効率の向上を実現できることが確認された。
本発明の薄膜太陽電池は、前記実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
本発明は、従来とは異なる構成で変換効率の高い薄膜太陽電池として利用することができる。
1 薄膜太陽電池
2 基板
3 裏面電極
4 光吸収層
5 第一バッファ層
6 第二バッファ層
7 透明電極層

Claims (3)

  1. 基板上に、裏面電極、光吸収層、第一バッファ層、第二バッファ層、透明電極層が順次積層された薄膜太陽電池であって、
    前記第一バッファ層がCd1−xZnS(ここで、0<x<1)により構成されると共に、前記第二バッファ層がZn1−yMgO(ここで、0<y≦1)により構成される
    ことを特徴とする薄膜太陽電池。
  2. 前記透明電極層は、Zn1−zMgO:〔A〕(ここで、0<z≦1)により構成され、
    前記〔A〕が13族元素とされる
    ことを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池。
  3. 前記光吸収層は、Cu(In,Ga)(S,Se)により構成される
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜太陽電池。
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