JP5710368B2 - 光電変換素子および太陽電池 - Google Patents

光電変換素子および太陽電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5710368B2
JP5710368B2 JP2011103719A JP2011103719A JP5710368B2 JP 5710368 B2 JP5710368 B2 JP 5710368B2 JP 2011103719 A JP2011103719 A JP 2011103719A JP 2011103719 A JP2011103719 A JP 2011103719A JP 5710368 B2 JP5710368 B2 JP 5710368B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light absorption
absorption layer
photoelectric conversion
conversion element
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011103719A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012235020A (ja
Inventor
中川 直之
直之 中川
桜田 新哉
新哉 桜田
道彦 稲葉
道彦 稲葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2011103719A priority Critical patent/JP5710368B2/ja
Publication of JP2012235020A publication Critical patent/JP2012235020A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5710368B2 publication Critical patent/JP5710368B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/541CuInSe2 material PV cells

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

本発明の実施形態は、光電変換素子および太陽電池に関する。
例えば、太陽電池において、半導体薄膜を光吸収層として用いる化合物薄膜光電変換素子の開発が進んできており、Ib族、IIIb族とVIb族から構成されカルコパイライト構造をもつ化合物半導体の中で、Cu、In、Ga及びSeから成るCu(In,Ga)Se、いわゆるCIGSは薄膜太陽電池等の光電変換素子の光吸収層として広く用いられている。その製造方法には物理蒸着法、特に真空蒸着法或いはスパッタ法を用いることが一般的である。真空蒸着法は、3段階法と呼ばれる高温での成膜プロセスで、始めにIIIb族元素であるIn及びGaとVIb族元素であるSeを真空蒸着し、その後、Ib族元素であるCuと、Seを蒸着し、最後に再びIn及びGaと、Seを蒸着する手法で、膜厚相当の結晶粒径を有する薄膜が形成されている。さらに、特許文献1では、CIGSの結晶成長を促進させる技術として、成膜中に高いエネルギーのレーザーを照射することで粒子の凝集を抑制し、薄膜表面の平坦性を向上させる技術が開示されている。一方で、スパッタ法による成膜は、大面積で均一な薄膜形成が可能で、その再現性も優れている。
従来のスパッタ成膜では、結晶粒径を大きくするために、成膜中或いは成膜後に高温での熱処理が必須である。しかしながら、高温での熱処理の過程で、微小な結晶面を反映したファセット構造が顕著となり、表面凹凸が大きくなり、結果として薄膜太陽電池の開放端電圧(Voc)が低下することが問題となる。特に、VIb族元素がTeから構成され、カルコパイライト構造を有する化合物半導体薄膜では、その特徴が顕著に現れる。
特開2008−243983号公報
実施形態は、変換効率の高い光電変換素子および太陽電池を提供することを目的とする。
実施形態の光電変換素子は、組成式CuTe1−x−y(AはAl、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つのIIIb族元素)にて表され、0.08≦x≦0.25、且つ、0.3≦x/y≦0.8を満たすカルコパイライト構造を有する光吸収層と、前記光吸収層とpn接合するバッファー層を備え、前記光吸収層の前記pn接合界面における表面凹凸が10nm以上、100nm以下であり、前記pn接合界面の光吸収層の結晶粒子は、前記粒子の内接円半径をa、外接円半径をbと定義した場合において、a/bが、0.77≦a/b≦1を満たすことを特徴とする。
また、他の実施形態の太陽電池は、前記実施形態の光電変換素子を用いてなることを特徴とする。
実施形態の光電変換素子の概念図である。 実施形態のファセット構造を有する結晶粒子形状定義のための概念図である。 実施形態の円形に近い構造を有する結晶粒子形状定義のための概念図である。 実施形態の光電変換素子の製造装置の概念図である。 実施形態のCu及びInはスパッタ法で、Teは蒸着法で成膜したCu−In−Te薄膜の表面(A)及び断面(B)SEM像である。 単元スパッタ成膜したCu−In−Te薄膜の表面(A)及び断面(B)SEM像である(従来技術)。 実施形態の表面凹凸と変換効率の関係を示す図である。 実施形態の表面凹凸が50nmにおける結晶粒子の形状(a/b)と変換効率の関係を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1の概念図に示す光電変換素子10は、基板11と、前記基板上に設けられた裏面電極12と、前記裏面電極12上に設けられた第1の取り出し電極13と、前記裏面電極12上に設けられた光吸収層14と、前記光吸収層14上に設けられたバッファー層15(15a、15b)と、前記バッファー層15上に設けられた透明電極層16と、前記透明電極層16上に設けられた第2の取り出し電極17と、前記透明電極層16上に設けられた反射防止膜18とを少なくとも備えている。
実施形態の光吸収層14はCuTe1−x−y(AはAl、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つのIIIb族元素)にて表される薄膜である。結晶構造はカルコパイライト構造若しくは空孔配列型カルコパイライト構造を有することが望まれる。
なお、実施形態において、カルコパイライト構造と空孔配列型カルコパイライト構造は、それぞれを別に説明している場合を除き、両者をカルコパイライト構造として記載する。
光吸収層のxは、0.08≦x≦0.25を満たすことが好ましい。また、光吸収層14のx/yは、0.3≦x/y≦0.8を満たすことが好ましい。なお、光吸収層14の整流性の観点から、x/yは0.6以下であることが好ましい。
ここでCu量であるxは、その量があまり多いとTe量が欠損することがあり、逆にあまり少ないとカルコパイライト構造を維持できないことがあるため、Cu量を示すxは、0.08≦x≦0.25とした。好ましいxは、0.1≦x≦0.25である。また、CuとIIIb族元素であるAのモル比(x/y)は、その比率があまり大きいと電気抵抗が低下してしまい、逆にあまり小さいとカルコパイライト構造を維持できないことがあるため、そのモル比x/yは、0.3≦x/y≦0.8とした。
また、Teの50原子%未満をSe及びSより選ばれる少なくとも一つの元素で置換してもよい。
ここで、光吸収層14の表面平坦性と光電変換素子10の開放端電圧Vocの関係を説明する。
下の式(1)で、光吸収層14のバッファー層15が形成される面の表面凹凸(以下、表面凹凸と略記)が大きくなると、バッファー層15とのpn接合の面積が増大し、光の入射面積あたりの見かけ上の逆方向飽和電流Jが増大する。一方で、入射光量と比例関係にある光電流Jは凹凸を考慮しない面積あたり同じであるので、J/Jが減少し、結果として、開放端電圧Vocが低下する。すなわち、表面平坦性を向上することにより、開放端電圧Vocを改善することができる。
oc=(nkT/q)ln[(J/J)+1] …式(1)
n:ダイオード因子、k:ボルツマン定数、T:絶対温度、q:電荷
なお、実施形態における、表面凹凸とはJIS B0031:2003で規定される平均粗さ(Ra)を意味する。表面凹凸は、化合物薄膜太陽電池10をへき開によってその断面を切り出し、その断面SEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)観察により確認できる。光吸収層14とバッファー層15のpn接合の界面の中心部分の2万倍の断面SEM観察で2μm幅の観察像での平均凹凸から、表面凹凸を測定する。
以上のことから、光吸収層14の表面凹凸は、小さい方が好ましく、具体的には100nm以下であることが好ましい。式(1)からは、開放端電圧を向上させるには、表面凹凸が小さいほど好ましいが、剥離耐性の観点からは、表面凹凸は小さすぎるのも好ましくなく、具体的には10nm以上であることが好ましい。
表面凹凸を小さくするためには、光吸収層14の結晶粒子は、ファセット構造よりも球形に近い形状であることが好ましい。実施形態において、ファセット構造と球形あるいは球形に近い結晶粒子を区別するための基準について図2、図3を参照して説明する。結晶粒子の内接円半径をa、外接円半径をbと定義すると、図2示す完全な正三角形の形状の結晶粒子ではa/bが0.5となる。図3に示す球形あるいは球形に近い結晶形状の粒子は、内接円半径aと外接円半径bが等しい又は等しい値に近づくので、a/bが1又は1に近づく。表面凹凸を小さくするという観点から、光吸収層の結晶粒子が正三角形の形状より頂点が鋭い形態、言い換えると内接円半径と外接円半径の差が大きいことは短所になる。そこで、実施形態のpn界面の光吸収層14の結晶粒子は、その結晶粒子の内接円半径をa、外接円半径をbと定義した場合において、a/bが、0.5<a/b≦1を満たすことが好ましい。
なお、実施形態における光吸収層14表面の結晶粒子の形状は、積層された光電変換素子10を反射防止膜18側からイオンミリングにより除去し、バッファー層15を除去した地点で表面SEM観察を行うことで確認できる。さらに、結晶粒子の形状は、化合物薄膜太陽電池10の中心部分の2万倍の表面SEM観察で2μm角の範囲で観察像中心と観察像の対角線上、観察像中心を通る水平線上及び観察像中心を通る垂直線上の4等分位置の全9箇所の結晶粒子のa/bを見積もり、最大値と最小値を除いた全7箇所のa/bの平均値で定義する。
基板11としては、青板ガラスを用いることが望ましく、ステンレス、Ti又はCr等の金属板あるいはポリイミド等の樹脂を用いることもできる。
裏面電極12としては、MoやW等の導電性の金属膜を用いることができる。その中でも、Mo膜を用いることが望ましい。
取り出し電極13,17としては、例えば、Al、Ag或いはAu等の導電性の金属膜を用いることができる。さらに、透明電極15との密着性を向上させるために、Ni或いはCrを堆積させた後、Al、Ag或いはAuを堆積させてもよい。
バッファー層15としては、CdS、Zn(O,S,OH)或いはMgを添加したZnOを用いることができる。光吸収層14であるカルコパイライト型化合物半導体はp型半導体として、CdSあるいはZnO:Mgに代表されるバッファー層15aはn型半導体として、ZnOに代表されるバッファー層15bはn型層として機能すると考えられる。pn接合界面で伝導帯不連続量(CBO)ΔEcを誘起するようにバッファー層15aの材料を選定することによりキャリアの再結合を低減できる。また、開放端電位が向上するようにバッファー層15と光吸収層14の伝導体下端(CBM)やフェルミ準位が調整されるようなキャリアを添加したバッファー層15用いるとより好ましい。
透明電極層16は太陽光のような光を透過し、尚且つ導電性を有することが必要であり、例えば、アルミナ(Al)を2wt%含有したZnO:Al或いはジボランからのBをドーパントとしたZnO:Bを用いることができる。
反射防止膜18としては、例えば、MgFを用いることが望ましい。
図1の光電変換素子10の製造方法としては、以下の方法を例として挙げる。
なお、下記の製造方法の一例であり、適宜変更しても構わない。従って、工程の順序を変更してもよいし、複数の工程を併合してもよい。光電変換素子10の製造の全工程又は一部工程は、その製造装置においてシステム化されていてもよい。
[基板に裏面電極を成膜する工程]
基板11上に、裏面電極12を成膜する。成膜方法としては、例えば、導電性金属よりなるスパッタ法の薄膜形成方法が挙げられる。
[裏面電極上に光吸収層を成膜する工程]
裏面電極12を堆積後、光吸収層14となる化合物半導体薄膜を堆積する。実施形態の光吸収層14の成膜工程では、図4の概念図に示すTe源21がCuとIIIb族元素の両方を含むターゲット22と独立し、Teが蒸着可能な形態となっている成膜装置を用いることが好ましい。裏面電極12が形成された基板(成膜対象)23は、ヒーター24で加熱することができる。ターゲット22はRF(DC)スパッタ装置25によって、スパッタすることができる。また、チャンバー内にArや酸素を微量に含むArガスを導入するためのガス導入部26が備えられている。
裏面電極12には光吸収層14と第1の取り出し電極13を堆積するため、第1の取り出し電極13を堆積する部位を少なくとも除く裏面電極12上の一部に光吸収層14を堆積する。成膜方法として、Ib族元素であるCuと、IIIb族元素であるAl、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素は、両元素を含むターゲットを用いて、スパッタ法で、基板にCuとIIIb族元素を供給する。VIb族元素であるTeは真空蒸着法にて基板に原料供給して、スパッタと真空蒸着を同時に行って、光吸収層14を成膜する。
Cu/IIIb族のモル比は、目的の組成比となるように、ターゲット仕込み組成を調整しておくことが望ましい。真空蒸着法で供給されるTe量は蒸着源の温度を変化させることで制御されることが望ましい。蒸着源の温度は、例えば、120℃以上150℃以下とする。蒸着源の温度が高ければ光吸収層14のTeの比率が大きくなる。蒸着源の温度が低ければ光吸収層14のTeの比率が小さくなる。また、成膜時の基板11は、ヒーターで加熱されていることが好ましい。成膜時の基板温度は400℃以上550℃以下であることが好ましい。基板11温度が550℃より高いと、基板11上で光吸収層14の粒子成長が促進され、表面凹凸が顕著になる。
また、成膜速度を遅くし、結晶面が出にくい条件で成膜することで、a/bを好適な範囲とすることができる。供給される粒子エネルギーが同じ、即ち、堆積速度が同程度の場合は、a/bにはそれ程影響を与えること無く成膜することが出来る。速い成膜速度で光吸収層14を堆積することにより、結晶面が出やすくなり、a/bは0.5より小さいが、成膜時の基板温度を400℃以上550℃以下としているため、表面凹凸が10nm以上100nm以下に調整できる。成膜速度を上げるために、スパッタからのCu及びIIIb族の供給量を増やした場合、それに対応して、蒸着源からのTe供給量も増やすことが好ましい。
[光吸収層上にバッファー層を成膜する工程]
得られた光吸収層14の上にバッファー層15a,bを堆積する。
バッファー層15aの成膜方法としては、真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)、液相プロセスの化学析出(CBD)法などが挙げられる。
バッファー層15bの成膜方法としては、真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)などが挙げられる。
[バッファー層上に透明電極を成膜する工程]
続いて、バッファー層15b上に、透明電極16を堆積する。
成膜方法としては真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)などが挙げられる。
[裏面電極上と透明電極上に取り出し電極を成膜する工程]
第1の取り出し電極13を裏面電極12上の光吸収層14が成膜された部位を少なくとも除く部位に堆積する。
第2の取り出し電極17を透明電極16上の反射防止膜18が成膜される部位を少なくとも除く部位に堆積する。
成膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
第1と第2の取り出し電極の成膜は、1工程で行ってもよいし、それぞれ、別の工程として、任意の工程の後に行ってもよい。
[透明電極上に反射防止膜を成膜する工程]
最後に透明電極16上の第2の取り出し電極17が成膜された部位を少なくとも除く部位に反射防止膜18を堆積する。
成膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
上記の工程を経て、図1の概念図に示した光電変換素子10を作製する。
化合物薄膜太陽電池10のモジュールを作製する場合、基板11に裏面電極12を成膜する工程の後、レーザーにより裏面電極12を分断する工程、さらには光吸収層14上にバッファー層15を成膜する工程及びバッファー層15上に透明電極16を成膜する工程の後、それぞれメカニカルスクライブにより試料を分割する工程を挟むことにより集積化が可能となる。
(実施例1)
基板11として青板ガラス基板を用い、スパッタ法により裏面電極12となるMo薄膜を700nm程度堆積した。スパッタは、Moをターゲットとし、Arガス雰囲気中でRFで200W印加することにより行った。
裏面電極12となるMo薄膜堆積後、光吸収層14となるCu−In−Te薄膜を2μm程度堆積した。成膜中の基板温度は500℃とした。スパッタターゲットには、Cu/In=0.33となるCu−In固溶体を用い、Arガス雰囲気中でRFで200W印加することにより、原料供給した。また、Teはターゲット直上の基板方向にむけて設置した蒸着源から、140℃に加熱して供給した。
得られた光吸収層14の上にバッファー層15aとしてMgを添加したZnO薄膜を50nm程度堆積した。製膜はRFスパッタを用いたが、界面でのプラズマダメージを考慮して、50Wの出力で行った。このバッファー層15a上にバッファー層15bとして、ZnO薄膜を堆積し、続いて、透明電極16となるアルミナ(Al)を2wt%含有するZnO:Alを1μm程度堆積した。取り出し電極13、17として、NiCr及びAuを蒸着法にて堆積した。膜厚はそれぞれ100nm及び300nmとした。最後に反射防止膜18としてMgFをスパッタ法により堆積することにより、図1に示した光電変換素子を作製した。
得られた光電変換素子の光吸収層の組成はであった。また、光吸収層の表面(A)及び断面(B)SEM像を図5に示す。表面凹凸は50nmであり、a/bが0.77の比較的円形に近い結晶粒子の形状の表面を確認した。
(実施例2)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の製膜で、製膜中の基板温度を400℃とすること以外は実施例1と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造した。製膜温度を低くすることにより、表面凹凸を10nmとすることができる。
(実施例3)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の製膜で、製膜中の基板温度を550℃とすること以外は実施例1と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造した。製膜温度が若干高くすることで、表面凹凸は100nmとなる。
(比較例1)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の製膜で、製膜中の基板温度を600℃とすること以外は実施例1と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造した。製膜温度を非常に高く、表面凹凸を150nmまで大きくなる。
(比較例2)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の製膜で、製膜中の基板温度を300℃とすること以外は実施例1と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造した。製膜温度を非常に低いために、表面凹凸を5nmまで小さくすることができるが、剥離耐性が低下する。
(実施例4)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の製膜で、スパッタをRFで100W印加として製膜速度を1/2にすること以外は実施例1と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造した。表面凹凸は50nmで、a/bが0.95となる。
(参考例1)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の製膜で、Te原料供給の半分を蒸着法で、半分をスパッタ法で行うこと以外は実施例1と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造した。表面凹凸は50nmで、a/bがほぼ0.55となる。
(参考例2)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の製膜で、Te原料供給をスパッタ法で行うこと以外は実施例1と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造した。表面凹凸は50nmで、a/bがほぼ0.45となる。
(比較例3)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の製膜で、Te原料供給をスパッタ法で行うこと製膜中の基板温度を550℃とすること以外は実施例1と同じ方法で化合物薄膜太陽電池を製造した。図6に光吸収層まで堆積した薄膜の表面(A)及び断面(B)SEM像を示す。表面凹凸は150nmと大きく、a/bは0.43となった。
図7に実施例1、2、3及び比較例1、2から得られる変換効率と表面凹凸の関係を示す。
比較例1では、Raが小さいため、変換効率が低いが、Raを大きくすることで、実施例のように、変換効率が向上することを確認することができる。また、Raが大きくなりすぎると、変換効率が下がるため、Raは10nm以上100nm以下が好ましい。
図8に実施例1、4、参考例1、2から得られる表面凹凸を50nmに固定したときの変換効率と結晶粒子の形状a/bの関係を示す。
a/bが大きくなることで、変換効率が向上することを確認することができる。
表1に表面凹凸(Ra)及びa/bと変換効率の相関をまとめる。
表中の◎は、変換効率がかなりよい組み合わせ、○は変換効率がよい組み合わせ、△は変換効率があまりよくない組み合わせ、×は変換効率がよくない組み合わせを示している。
実施形態の範囲のRa値とすることで、変換効率が悪くはないものが得られることがわかる。また、実施形態の範囲のRaのなかでも、a/bを1に近づけることで、変換効率が向上することを確認することができる。さらに、a/bが同程度である、参考例2と比較例3を比較すると、Raが実施形態の範囲か否かで、変換効率が変わることも確認できる。
本発明の光電変換素子を太陽電池に用いることにより、変換効率の高い太陽電池を得ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定解釈されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、変形例の様に異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い
10…化合物薄膜太陽電池、11…基板、12…裏面電極、13…第1の取り出し電極、14…光吸収層、15a…バッファー層、15b…バッファー層、16…透明電極層、17…第2の取り出し電極、18…反射防止膜、21…Te源、12…ターゲット、13…基板、14…ヒーター、15…RF(DC)出力装置、26…ガス導入部

Claims (4)

  1. 組成式CuxAyTe1−x−y(AはAl、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つのIIIb族元素)にて表され、0.08≦x≦0.25、且つ、0.3≦x/y≦0.8を満たすカルコパイライト構造を有する光吸収層と、
    前記光吸収層とpn接合するバッファー層を備え、
    前記光吸収層の前記pn接合界面における表面凹凸が10nm以上、100nm以下であり、
    前記pn接合界面の光吸収層の結晶粒子は、前記粒子の内接円半径をa、外接円半径をbと定義した場合において、a/bが、0.77≦a/b≦1を満たすことを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記Teの50原子%未満は、Se及びSより選ばれる少なくとも1つの元素で置換されていることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  3. 前記光吸収層は、前記Cu及び前記元素A(AはAl、In及びGaからなる群より選ばれる少なくとも一つのIIIb族元素)をスパッタ法により原料供給し、同時にTeを蒸着法により原料供給し、成膜されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 請求項1乃至請求項3いずれか1項記載の光電変換素子を用いてなることを特徴とする太陽電池。
JP2011103719A 2011-05-06 2011-05-06 光電変換素子および太陽電池 Expired - Fee Related JP5710368B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011103719A JP5710368B2 (ja) 2011-05-06 2011-05-06 光電変換素子および太陽電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011103719A JP5710368B2 (ja) 2011-05-06 2011-05-06 光電変換素子および太陽電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012235020A JP2012235020A (ja) 2012-11-29
JP5710368B2 true JP5710368B2 (ja) 2015-04-30

Family

ID=47435051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011103719A Expired - Fee Related JP5710368B2 (ja) 2011-05-06 2011-05-06 光電変換素子および太陽電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5710368B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7272561B2 (ja) * 2019-03-25 2023-05-12 国立研究開発法人産業技術総合研究所 太陽電池およびその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3095182B2 (ja) * 1991-04-25 2000-10-03 同和鉱業株式会社 I−iii−vi族系化合物半導体薄膜の製造法
JPH11284209A (ja) * 1998-03-27 1999-10-15 Yazaki Corp カルコパイライト構造化合物半導体薄膜の製造方法及びそれを有する太陽電池の製造方法
JPWO2011036717A1 (ja) * 2009-09-25 2013-02-14 株式会社東芝 化合物薄膜太陽電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012235020A (ja) 2012-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20160284882A1 (en) Solar Cell
JP2002057359A (ja) 積層型太陽電池
JP2010192689A (ja) 太陽電池、及び太陽電池の製造方法
US8852991B2 (en) Methods of manufacturing solar cell
KR20150051181A (ko) CZTSSe계 박막 태양전지의 제조방법 및 이에 의해 제조된 CZTSSe계 박막 태양전지
JP2011129631A (ja) Cis系薄膜太陽電池の製造方法
WO2019180988A1 (ja) 太陽電池、多接合型太陽電池、太陽電池モジュール及び太陽光発電システム
JP2016063160A (ja) 光電変換素子および太陽電池
WO2012153641A1 (ja) 光電変換素子および太陽電池
JP6103525B2 (ja) Cigs膜およびそれを用いたcigs太陽電池
JP6083785B2 (ja) 化合物太陽電池およびその製造方法
KR20140129037A (ko) 화합물 태양 전지의 제법
JP5764016B2 (ja) Cigs膜の製法およびそれを用いるcigs太陽電池の製法
JP5710368B2 (ja) 光電変換素子および太陽電池
JP5701673B2 (ja) 光電変換素子および太陽電池
US9871159B2 (en) Apparatus for generating electricity using solar power and method for manufacturing same
JP6004460B2 (ja) 太陽電池の製造方法、および太陽電池
US20120094428A1 (en) Manufacturing method of compound semiconductor solar cell
JP5784358B2 (ja) 光電変換素子および太陽電池
JP2016154172A (ja) Cigs太陽電池およびその製造方法
WO2016132637A1 (ja) Cigs太陽電池およびその製造方法
JP5710369B2 (ja) 光電変換素子および太陽電池
JP5851434B2 (ja) Cigs膜の製法およびその製法を用いたcigs太陽電池の製法
KR102212042B1 (ko) 원자층 증착법으로 형성된 버퍼층을 포함하는 태양전지 및 이의 제조방법
KR20150136721A (ko) 고품질 cigs 광흡수층을 포함하는 태양전지 및 이의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131009

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140902

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150304

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5710368

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees