JP2018130931A - ヘッドクリーニング機構及びそれを備えたインクジェット記録装置 - Google Patents

ヘッドクリーニング機構及びそれを備えたインクジェット記録装置 Download PDF

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【課題】インク吐出面をヘッド幅方向全域にわたって清浄化することが可能なヘッドクリーニング機構及びそれを備えたインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】ヘッドクリーニング機構は、記録ヘッド17a〜17cと、ワイパー35a〜35cと、を備える。記録ヘッド17a〜17cは、インク吐出口18aが開口するインク吐出面F1を有するヘッド部18と、ヘッド部18に対してワイピング方向の上流側に配置され、クリーニング液23を供給するクリーニング液供給口60aが開口する下面F2を有するクリーニング液供給部材60と、によって構成されている。下面F2は、インク吐出面F1のワイピング方向の上流側に隣接して配置される。下面F2のヘッド幅方向の長さL60は、インク吐出面F1のヘッド幅方向の長さL18よりも大きい。【選択図】図4

Description

本発明は、用紙のような記録媒体にインクを吐出するインク吐出口が開口するインク吐出面を有する記録ヘッドを含むヘッドクリーニング機構及びそれを備えたインクジェット記録装置に関するものである。
ファクシミリ、複写機、プリンターのような記録装置として、インクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置が、高精細な画像を形成できることから広く用いられている。
このようなインクジェット記録装置では、画像記録のためのインク滴と共に吐出される微小なインク滴(以下、ミストと称する)や、インク滴が記録媒体に付着した際に発生する跳ね返りミストが、記録ヘッドのインク吐出面に付着して固化する。インク吐出面のミストが徐々に増加しインク吐出口に重なると、インクの直進性の悪化(飛翔曲がり)や不吐出等が発生して記録ヘッドの印字性能が低下する。
そこで、記録ヘッドのインク吐出面を清浄化するために、インク吐出面のうちの複数のインク吐出口が開口するインク吐出領域の外側(ワイパーのワイピング方向上流側)の部分に、クリーニング液供給口を複数個設けたインクジェット記録装置が知られている。このインクジェット記録装置では、クリーニング液供給口からクリーニング液を供給した後、ワイパーをクリーニング液供給口よりも外側からインク吐出面に沿って移動させることによって、ワイパーでクリーニング液を保持しながらインク吐出面を拭くことができる。このようにして、記録ヘッドの回復処理を行うことができる。
なお、記録ヘッドのインク吐出面にクリーニング液供給口を複数個設けたインクジェット記録装置は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2007−83496号公報
ところで、記録ヘッドを、インクを吐出するインク吐出ヘッド部と、インク吐出ヘッド部に対してワイピング方向の上流側に配置され、クリーニング液を供給するクリーニング液供給ヘッド部と、によって構成することが考えられる。この場合、クリーニング液供給ヘッド部の下面にクリーニング液を供給した後、ワイパーをクリーニング液供給口よりもワイピング方向上流側からインク吐出面に向かって移動させることによって、ワイパーでクリーニング液を保持しながらインク吐出面を拭くことができる。
しかしながら、記録ヘッドをインク吐出ヘッド部とクリーニング液供給ヘッド部とによって構成する場合、インク吐出ヘッド部とクリーニング液供給ヘッド部とがワイピング方向と直交するヘッド幅方向にずれて配置されてしまうと、インク吐出面のヘッド幅方向の一端がクリーニング液供給ヘッド部の下面に対してヘッド幅方向に突出する。この場合、インク吐出面のヘッド幅方向の一端の近傍にはクリーニング液供給ヘッド部の下面のクリーニング液が供給されないので、インク吐出面をヘッド幅方向全域にわたって清浄化することが困難であるという問題点がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、インク吐出面をヘッド幅方向全域にわたって清浄化することが可能なヘッドクリーニング機構及びそれを備えたインクジェット記録装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面のヘッドクリーニング機構は、記録媒体上にインクを吐出する複数のインク吐出口が開口するインク吐出面と、クリーニング液を供給する複数のクリーニング液供給口が開口するクリーニング液供給面と、を含む記録ヘッドと、インク吐出面を所定方向に拭くワイパーと、を備える。記録ヘッドは、インク吐出面を有するインク吐出ヘッド部と、インク吐出ヘッド部に対してインク吐出面をワイパーが拭く方向であるワイピング方向の上流側に配置され、クリーニング液供給面を有するクリーニング液供給ヘッド部と、によって構成されている。クリーニング液供給面は、インク吐出面と平行に配置されるとともにインク吐出面のワイピング方向の上流側に隣接して配置される下面を含む。下面のワイピング方向と直交するヘッド幅方向の長さは、インク吐出面のヘッド幅方向の長さよりも大きい。
本発明の第1の局面のヘッドクリーニング機構によれば、記録ヘッドは、インクを吐出するインク吐出ヘッド部と、クリーニング液を供給するクリーニング液供給ヘッド部と、によって構成されている。これにより、記録ヘッドにおけるインク通過経路とクリーニング液通過経路とを別々の部材(インク吐出ヘッド部およびクリーニング液供給ヘッド部)に形成することができるので、記録ヘッドの構造が複雑になるのを抑制することができる。
また、クリーニング液供給ヘッド部の下面のヘッド幅方向の長さは、インク吐出面のヘッド幅方向の長さよりも大きい。これにより、インク吐出ヘッド部とクリーニング液供給ヘッド部とがヘッド幅方向にずれて配置されたとしても、インク吐出面のヘッド幅方向の一端がクリーニング液供給ヘッド部の下面に対してヘッド幅方向に突出するのを抑制することができる。このため、クリーニング液供給ヘッド部の下面のクリーニング液をインク吐出面のヘッド幅方向全域にわたって供給することができるので、インク吐出面をヘッド幅方向全域にわたって清浄化することができる。
本発明の一実施形態のヘッドクリーニング機構を備えたインクジェット記録装置の構造を示す図 図1に示すインクジェット記録装置の第1搬送ユニット及び記録部を上方から見た図 記録部のラインヘッドを構成する記録ヘッドの図 記録ヘッドをインク吐出面側から見た図 記録ヘッド周辺を斜め下方から見た図 記録ヘッドのクリーニング液供給部材を斜め下方から見た図 記録ヘッドのヘッド部とクリーニング液供給部材との境界部分の構造を示した図 記録ヘッドのクリーニング液供給部材を下方から見た図 記録ヘッドのヘッド部とクリーニング液供給部材との境界部分を下方から見た図 記録ヘッド周辺を斜め上方から見た図 ワイプユニットを記録部の下方に配置した状態を示す図 ワイパーを記録ヘッドの下方に配置した状態を示す図 図12の状態からワイパーを上昇させた状態を示す図 図13の状態からワイパーをクリーニング液供給部材に圧接させた状態で矢印A方向に移動させた状態を示す図 図14の状態からワイパーをさらに矢印A方向に移動させた状態を示す図 図15の状態からワイパーをさらに矢印A方向に移動させた後、ワイパーを下降させインク吐出面から離間させた状態を示す図 本発明の変形例の記録ヘッドのヘッド部とクリーニング液供給部材との境界部分を下方から見た図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態のインクジェット記録装置100の左側部には用紙S(記録媒体)を収容する給紙トレイ2が設けられており、この給紙トレイ2の一端部には収容された用紙Sを、最上位の用紙Sから順に一枚ずつ後述する第1搬送ユニット5へと搬送給紙するための給紙ローラー3と、給紙ローラー3に圧接され従動回転する従動ローラー4とが設けられている。
用紙搬送方向(矢印X方向)に対し給紙ローラー3及び従動ローラー4の下流側(図1の右側)には、第1搬送ユニット5及び記録部9が配置されている。第1搬送ユニット5は、第1駆動ローラー6と、第1従動ローラー7と、第1駆動ローラー6及び第1従動ローラー7に掛け渡された第1搬送ベルト8とを含む構成であり、インクジェット記録装置100の制御部110からの制御信号により第1駆動ローラー6が時計回り方向に回転駆動されることにより、第1搬送ベルト8に保持された用紙Sが矢印X方向に搬送される。
記録部9は、ヘッドハウジング10と、ヘッドハウジング10に保持されたラインヘッド11C、11M、11Y、及び11Kを備えている。これらのラインヘッド11C〜11Kは、第1搬送ベルト8の搬送面に対して所定の間隔(例えば1mm)が形成されるような高さに支持され、図2に示すように、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向(図2の上下方向)に沿って複数(ここでは3個)の記録ヘッド17a〜17cが千鳥状に配列されている。
図3及び図4に示すように、記録ヘッド17a〜17cのヘッド部(インク吐出ヘッド部)18のインク吐出面F1には、インク吐出口18a(図2参照)が多数配列されたインク吐出領域R1が設けられている。インク吐出口18aの開口径は、例えば20μmに設定されている。ヘッド部18の少なくともインク吐出面F1は、例えばSUS(ステンレス鋼)によって形成されている。インク吐出面F1は、フッ素系またはシリコン系の撥水剤を塗布することにより撥水処理が施されている。なお、記録ヘッド17a〜17cは同一の形状及び構成であるため、図3および図4では記録ヘッド17a〜17cを一つの図で示している。
各ラインヘッド11C〜11Kを構成する記録ヘッド17a〜17cには、それぞれインクタンク(図示せず)に貯留されている4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)のインクがラインヘッド11C〜11Kの色毎に供給される。
各記録ヘッド17a〜17cは、制御部110(図1参照)からの制御信号により外部コンピューターから受信した画像データに応じて、第1搬送ベルト8の搬送面に吸着保持されて搬送される用紙Sに向かってインク吐出口18aからインクを吐出する。これにより、第1搬送ベルト8上の用紙Sにはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクが重ね合わされたカラー画像が形成される。
また、記録ヘッド17a〜17cには、クリーニング液を供給するクリーニング液供給部材(クリーニング液供給ヘッド部)60が設けられている。クリーニング液供給部材60は、ヘッド部18に対して後述するワイパー35a〜35cのワイピング方向上流側(図3の右側)に隣接して配置されている。クリーニング液供給部材60は、クリーニング液を供給するクリーニング液供給口60a(図6参照)が複数配列されたクリーニング液供給領域R2を含む下面(クリーニング液供給面)F2を有する。下面F2は、インク吐出面F1と平行に配置されている。クリーニング液供給口60aの開口径は、インク吐出口18aの開口径よりも大きい、例えば0.1mmに設定されている。なお、クリーニング液供給部材60は、樹脂によって形成されている。
図3および図5に示すように、クリーニング液供給部材60の下面F2に対してワイピング方向上流側(図3の右側)の部分には、傾斜面62が形成されている。クリーニング液供給部材60のワイピング方向下流側(図3の左側)の部分には、薄板状の薄板部65が形成されており、薄板部65は、ヘッド部18のインク吐出面F1の端部の下方に重なって配置されている。これにより、下面F2とインク吐出面F1との境界部分には図7に示すように、段差Uが形成されている。また、薄板部65は、例えば0.1mmの厚みに形成されている。なお、図5および後述する図10では、理解を容易にするために、一部の記録ヘッド17a〜17cのみを描いている。
図6および図8に示すように、クリーニング液供給口60aは、ワイピング方向(矢印A方向)と直交するヘッド幅方向(矢印BB´方向)に所定のピッチで複数個配置されている。なお、図では、ヘッド幅方向に沿って配置される複数のクリーニング液供給口60aからなる列を1列のみ描いているが、この列はワイピング方向(矢印A方向)に隣接して複数列設けられていてもよい。
ここで、図9に示すように、クリーニング液供給部材60の下面F2のヘッド幅方向(矢印BB´方向)の長さL60は、ヘッド部18のインク吐出面F1のヘッド幅方向の長さL18よりも約1mm大きく形成されている。このため、下面F2は、インク吐出面F1に対してヘッド幅方向に突出量W65a(=約0.5mm)ずつ突出している。
また、下面F2のヘッド幅方向の長さL60は、ワイパー35a〜35cのヘッド幅方向の長さL35よりも約1mm小さく形成されている。このため、ワイパー35a〜35cは、下面F2に対してヘッド幅方向に約0.5mmずつ突出している。
下面F2のワイピング方向下流側(図9の左側)の端部は、平面視においてR形状を有するように形成されており、角張った部分がない。具体的には、下面F2のワイピング方向下流側の端部の2つのコーナー部65aは、平面視においてR形状(中心角が90°の扇形状)を有するように形成されている。コーナー部65aの曲率半径は、下面F2のインク吐出面F1に対するヘッド幅方向の突出量W65a(=約0.5mm)以上の大きさである。
図5および図10に示すように、クリーニング液供給部材60には、クリーニング液が通過するチューブからなる供給路70の下流端が接続されている。供給路70の上流端は、クリーニング液供給機構(図示せず)に接続されている。クリーニング液供給機構は、クリーニング液を収容するタンク(図示せず)と、タンクから供給路70にクリーニング液を汲み上げるポンプ(図示せず)と、によって構成されている。
供給路70は、上流端では1本の経路によって構成されているが、下流側に向かって分岐を繰り返し、12本の経路に分岐している。12本の経路は、記録ヘッド17a〜17cのクリーニング液供給部材60にそれぞれ接続されている。なお、記録ヘッド17a〜17c、ワイパー35a〜35c、供給路70およびクリーニング液供給機構等によって、ヘッドクリーニング機構が構成されている。
このインクジェット記録装置100では、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面F1を清浄にするために、長期間停止後の印字開始時及び印字動作の合間には、全ての記録ヘッド17a〜17cのインク吐出口18aからインクを強制的に排出し、並行して全ての記録ヘッド17a〜17cのクリーニング液供給口60a(図6参照)から下面F2にクリーニング液を供給し、後述するワイパー35a〜35cによりインク吐出面F1を拭き取り、次の印字動作に備える。
図1に戻って、用紙搬送方向に対し第1搬送ユニット5の下流側(図1の右側)には第2搬送ユニット12が配置されている。第2搬送ユニット12は、第2駆動ローラー13と、第2従動ローラー14と、第2駆動ローラー13及び第2従動ローラー14に掛け渡された第2搬送ベルト15とを含む構成であり、第2駆動ローラー13が時計回り方向に回転駆動されることにより、第2搬送ベルト15に保持された用紙Sが矢印X方向に搬送される。
記録部9にてインク画像が記録された用紙Sは第2搬送ユニット12へと送られ、第2搬送ユニット12を通過する間に用紙S表面に吐出されたインクが乾燥される。また、第2搬送ユニット12の下方にはワイプユニット19及びキャップユニット90が配置されている。ワイプユニット19は、上述したワイパー35a〜35cによる拭き取り動作を実行する際に記録部9の下方に移動し、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出口18aから強制的に排出されるインク、及びクリーニング液供給口60aから供給されたクリーニング液を拭き取り、拭き取られたインクおよびクリーニング液を回収する。また、ワイプユニット19はステッピングモーター等の駆動源を含む駆動機構(図示せず)により上下方向に昇降可能に構成されており、ワイプユニット19が昇降することによりワイパー35a〜35cも昇降する。キャップユニット90は、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面F1(図3参照)をキャッピングする際に記録部9の下方に水平移動し、さらに上方に移動して記録ヘッド17a〜17cの下面に装着される。
また、用紙搬送方向に対し第2搬送ユニット12の下流側には、画像が記録された用紙Sを装置本体外へと排出する排出ローラー対16が設けられており、排出ローラー対16の下流側には、装置本体外へと排出された用紙Sが積載される排出トレイ(図示せず)が設けられている。
ワイプユニット19は、インク吐出面F1に沿って移動可能な複数のワイパー35a〜35c(図9および図12参照)と、複数のワイパー35a〜35cが固定された略矩形状のキャリッジ(図示せず)と、キャリッジを支持する支持フレーム(図示せず)とで構成されている。キャリッジ(図示せず)は支持フレーム(図示せず)に対し矢印AA´方向に摺動可能に支持される。
ワイパー35a〜35cは、各記録ヘッド17a〜17cのクリーニング液供給口60a(図6参照)から供給されたクリーニング液、及びインク吐出口18aから押出されたインクを拭き取るための弾性部材(例えばEPDMからなるゴム製の部材)である。ワイパー35a〜35cは、クリーニング液供給部材60のクリーニング液供給領域R2(図4参照)に対してワイピング方向上流側の部分(ここでは、傾斜面62)に圧接され、キャリッジ(図示せず)の移動により下面F2およびインク吐出面F1を所定方向(矢印A方向)に拭く。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100における、ワイプユニット19を用いた記録ヘッド17a〜17cの回復動作について説明する。なお、以下で説明する記録ヘッド17a〜17cの回復動作は、制御部110(図1参照)からの制御信号に基づいて記録ヘッド17a〜17c、ワイプユニット19等の動作を制御することによって実行される。
記録ヘッド17a〜17cの回復動作を行う場合、先ず、図11に示すように、制御部110(図1参照)は記録部9の下方に位置する第1搬送ユニット5を下降させる。そして、制御部110は第2搬送ユニット12の下方に配置されたワイプユニット19を水平移動させて記録部9と第1搬送ユニット5との間に配置する。この状態では、ワイプユニット19のワイパー35a〜35c(図12参照)は記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面F1および下面F2(図12参照)よりも下方に配置されている。
(クリーニング液供給動作)
ワイピング動作(後述の拭き取り動作)に先立って、図12に示すように、制御部110(図1参照)によってクリーニング液23が記録ヘッド17a〜17cに供給される。供給されたクリーニング液23はクリーニング液供給口60a(図6参照)から下面F2に所定量だけ供給される。なお、図では、理解を容易にするために、クリーニング液23にハッチングを施している。
(インク押出動作)
また、ワイピング動作(後述の拭き取り動作)に先立って、図12に示すように、制御部110(図1参照)によってインク22が記録ヘッド17a〜17cに供給される。供給されたインク22はインク吐出口18aから強制的に押出(パージ)される。このパージ動作により、インク吐出口18a内の増粘インク、異物や気泡がインク吐出口18aから排出される。このとき、パージインク22はインク吐出口18aの存在するインク吐出領域R1の形状に沿ってインク吐出面F1に押出される。なお、図では、理解を容易にするために、インク(パージインク)22にハッチングを施している。
(拭き取り動作)
制御部110は図13に示すように、ワイパー35a〜35cを記録ヘッド17a〜17cのクリーニング液供給部材60の傾斜面62の真下の位置(クリーニング液供給領域R2よりもワイピング方向の上流側(図13の右側)の位置)P1で上昇させる。このとき、ワイパー35a〜35cの上面が下面F2よりも高くなるように、ワイパー35a〜35cを上昇させる。なお、ワイパー35a〜35cを上昇させた時点では、ワイパー35a〜35cは傾斜面62に圧接していてもよいし、圧接していなくてもよい。
図13の状態から、制御部110はワイパー35a〜35cを図14に示すように下面F2に沿ってインク吐出領域R1の方向(矢印A方向)に水平移動させる。これにより、ワイパー35a〜35cは、クリーニング液23を拭き取るとともに保持した状態で下面F2をインク吐出領域R1の方向に移動する。
その後、図15に示すように、ワイパー35a〜35cは、クリーニング液23を保持した状態を維持しながらインク吐出面F1を左方向(矢印A方向)に移動する。このとき、クリーニング液23およびインク(パージインク)22によって、インク吐出面F1に付着して固化したインク滴(廃インク)が溶解し、ワイパー35a〜35cによって拭き取られる。そして、ワイパー35a〜35cは、さらに左方向(矢印A方向)に移動し、インク吐出領域R1に対してクリーニング液供給領域R2とは反対側の位置P2に到達すると、左方向への移動が停止される。なお、ワイパー35a〜35cによって拭き取られたクリーニング液23および廃インクは、ワイプユニット19に設けられた回収トレイ(図示せず)に回収される。
(離間動作)
拭き取り動作の実行後、図16に示すように、制御部110はワイパー35a〜35cを下降させてインク吐出面F1から離間させる。
最後に、制御部110は、記録部9と第1搬送ユニット5との間に配置されたワイプユニット19を水平移動させて第2搬送ユニット12の下方に配置し、第1搬送ユニット5を所定の位置まで上昇させる。このようにして、記録ヘッド17a〜17cの回復動作を終了する。
本実施形態では、上記のように、記録ヘッド17a〜17cは、インク22を吐出するヘッド部18と、クリーニング液23を供給するクリーニング液供給部材60と、によって構成されている。これにより、記録ヘッド17a〜17cにおけるインク通過経路とクリーニング液通過経路とを別々の部材(ヘッド部18およびクリーニング液供給部材60)に形成することができるので、記録ヘッド17a〜17cの構造が複雑になるのを抑制することができる。
また、クリーニング液供給部材60の下面F2のヘッド幅方向の長さL60は、インク吐出面F1のヘッド幅方向の長さL18よりも大きい。これにより、ヘッド部18とクリーニング液供給部材60とがヘッド幅方向にずれて配置されたとしても、インク吐出面F1のヘッド幅方向の一端がクリーニング液供給部材60の下面F2に対してヘッド幅方向に突出するのを抑制することができる。このため、下面F2のクリーニング液23をインク吐出面F1のヘッド幅方向全域にわたって供給することができるので、インク吐出面F1をヘッド幅方向全域にわたって清浄化することができる。
また、上記のように、クリーニング液供給部材60のワイピング方向の下流側の部分には、インク吐出面F1の端部の下方に重なる薄板部65が形成されている。これにより、ヘッド部18とクリーニング液供給部材60との隙間にクリーニング液23が浸入するのを抑制することができる。
また、上記のように、ワイパー35a〜35cのヘッド幅方向の長さL35は、下面F2のヘッド幅方向の長さL60よりも大きく、下面F2のワイピング方向の下流側の端部の2つのコーナー部65aは、平面視においてR形状を有するように形成されている。これにより、ワイパー35a〜35cが下面F2からインク吐出面F1に移動する際にワイパー35a〜35cが下面F2のコーナー部65aで損傷するのを抑制することができる。なお、コーナー部65aが平面視において直角に形成されている場合、コーナー部65aがワイパー35a〜35cを傷つけ、ワイパー35a〜35cのヘッド幅方向の端部がワイピング方向に沿って切れてしまう。
また、クリーニング液供給部材60の薄板部65がインク吐出面F1の端部の下方に重なって配置されている場合、すなわち下面F2がインク吐出面F1よりも下方に配置されている場合、ワイパー35a〜35cの下面F2に対する圧接力は、ワイパー35a〜35cのインク吐出面F1に対する圧接力よりも大きくなる。このため、ワイパー35a〜35cが下面F2からインク吐出面F1に移動する際にワイパー35a〜35cが下面F2のコーナー部65aで損傷しやすくなる。従って、下面F2がインク吐出面F1よりも下方に配置されている構成において下面F2のワイピング方向の下流側の端部をR形状に形成することは、特に効果的である。
また、上記のように、コーナー部65aの曲率半径は、下面F2のインク吐出面F1に対するヘッド幅方向の突出量W65a以上の大きさである。これにより、コーナー部65aのR形状を大きくすることができるので、ワイパー35a〜35cがコーナー部65aで損傷するのをより抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、下面F2とインク吐出面F1との間に段差Uを設けた例について示したが、本発明はこれに限らない。すなわち、下面F2とインク吐出面F1とを面一に形成してもよい。
また、上記実施形態では、クリーニング液供給口60aが開口するクリーニング液供給領域R2を下面F2に設けた例について示したが、傾斜面62に設けてもよい。この場合、傾斜面62に供給されたクリーニング液23は傾斜面62を伝って下面F2まで流れるので、ワイパー35a〜35cによってクリーニング液23を拭き取ることができる。なお、クリーニング液供給面は、傾斜面62と下面F2とによって構成される。
また、上記実施形態では、下面F2のワイピング方向下流側の端部の2つのコーナー部65aを、平面視においてR形状を有するように形成した例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば図17に示した本発明の変形例の記録ヘッド17a〜17cのように、下面F2のワイピング方向の下流側の端部を、平面視において半円形状に形成してもよい。このように構成すれば、下面F2のワイピング方向の下流側の端部のR形状をより大きくすることができるので、ワイパー35a〜35cが損傷するのをより抑制することができる。また、ワイパー35a〜35cはヘッド幅方向の中央部が段差Uを通過するまで徐々にインク吐出面F1に接触(着地)することになるので、ワイパー35a〜35cがインク吐出面F1に着地した際に跳ねるのを抑制することができる。このため、段差Uにクリーニング液23が残留するのを抑制することができる。
また、上記実施形態では、クリーニング液23およびインク(パージインク)22を用いて記録ヘッド17a〜17cの回復動作を行う例について示したが、クリーニング液23だけを用いて記録ヘッド17a〜17cの回復動作を行ってもよい。すなわち、インク押出動作を行わなくてもよい。
17a〜17c 記録ヘッド
18 ヘッド部(インク吐出ヘッド部)
18a インク吐出口
22 インク
23 クリーニング液
35a〜35c ワイパー
60 クリーニング液供給部材(クリーニング液供給ヘッド部)
60a クリーニング液供給口
65 薄板部
65a コーナー部
100 インクジェット記録装置
F1 インク吐出面
F2 下面(クリーニング液供給面)
L18、L35、L60 長さ
S 用紙(記録媒体)
U 段差
W65a 突出量

Claims (6)

  1. 記録媒体上にインクを吐出する複数のインク吐出口が開口するインク吐出面と、クリーニング液を供給する複数のクリーニング液供給口が開口するクリーニング液供給面と、を含む記録ヘッドと、
    前記インク吐出面を所定方向に拭くワイパーと、
    を備え、
    前記記録ヘッドは、前記インク吐出面を有するインク吐出ヘッド部と、前記インク吐出ヘッド部に対して前記インク吐出面を前記ワイパーが拭く方向であるワイピング方向の上流側に配置され、前記クリーニング液供給面を有するクリーニング液供給ヘッド部と、によって構成されており、
    前記クリーニング液供給面は、前記インク吐出面と平行に配置されるとともに前記インク吐出面の前記ワイピング方向の上流側に隣接して配置される下面を含み、
    前記下面の前記ワイピング方向と直交するヘッド幅方向の長さは、前記インク吐出面の前記ヘッド幅方向の長さよりも大きいことを特徴とするヘッドクリーニング機構。
  2. 前記クリーニング液供給ヘッド部の前記ワイピング方向の下流側の部分には、前記インク吐出面の端部の下方に重なる薄板部が形成されており、
    前記下面と前記インク吐出面との境界部分には、前記薄板部の厚み分の段差が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドクリーニング機構。
  3. 前記ワイパーの前記ヘッド幅方向の長さは、前記下面の前記ヘッド幅方向の長さよりも大きく、
    前記下面の前記ワイピング方向の下流側の端部の2つのコーナー部は、平面視においてR形状を有するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドクリーニング機構。
  4. 前記コーナー部の曲率半径は、前記下面の前記インク吐出面に対する前記ヘッド幅方向の突出量以上の大きさであることを特徴とする請求項3に記載のヘッドクリーニング機構。
  5. 前記ワイパーの前記ヘッド幅方向の長さは、前記下面の前記ヘッド幅方向の長さよりも大きく、
    前記下面の前記ワイピング方向の下流側の端部は、平面視において半円形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のヘッドクリーニング機構。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッドクリーニング機構を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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