JP2018128343A - 信号処理システム及び信号処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズの影響を低減することが可能な信号処理システム及び信号処理方法を提供する。【解決手段】信号処理システム100は、複数のA/D変換部(第1A/D変換部30,第2A/D変換部40)と、演算部60と、を備える。複数のA/D変換部は、アナログ信号(測定信号S1)を同一のサンプリング周波数でそれぞれサンプリングし、それぞれ複数のデジタル値(複数の第1デジタル値,複数の第2デジタル値)を生成する。演算部60は、複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値(複数の第1デジタル値,複数の第2デジタル値)を用いた演算を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、一般に信号処理システム及び信号処理方法に関し、特に、アナログ信号を処理する信号処理システム及び信号処理方法に関する。
特許文献1は、電力量、電圧、電流信号処理システムを開示する。
このシステムは、CT(current transformer)、PT(potential transformer)、電流差動増幅回路、電圧差動増幅回路、2つのA/D(analog-to-digital)変換器、演算回路、電力量演算部、及び実効値演算部を備えている。
CTは、配線母線の1本に取り付けられる。PTは、2本の配線母線の間に接続される。電流差動増幅回路は、CTが検出した電流を増幅する。電圧差動増幅回路は、PTが検出した電圧を増幅する。一方のA/D変換器は、増幅された検出電流をその値に比例したディジタル電流値に変換する。他方のA/D変換器は、増幅された検出電圧をその値に比例したディジタル電圧値に変換する。演算回路は、変換されたディジタル電流値とディジタル電圧値とを乗算し、得られた積を積分して電力量に比例した周波数のパルス列に変換する。
電力量演算部は、演算回路から出力された電力量パルスを積分し、積分値が所定値を超えたらその値を電力量として出力する。実効値演算部は、一方のA/D変換器から出力されたディジタル電流値を平均化して電流の実効値を算出し、他方のA/D変換器から出力されたディジタル電圧値を平均化して電圧の実効値を算出する。
特開平08−226940号公報
特許文献1に記載のシステムでは、CTの検出値を、対応する一つのA/D変換器でA/D変換し、PTの検出値を、対応する別の一つのA/D変換器でA/D変換している。このため、各演算部(電力量演算部、及び実行値演算部)による演算結果が、A/D変換器で生じるホワイトノイズの影響を受ける可能性が高かった。
本発明の目的は、ノイズの影響を低減することが可能な信号処理システム及び信号処理方法を提供することである。
本発明の一態様に係る信号処理システムは、複数のA/D変換部と、演算部と、を備える。前記複数のA/D変換部は、アナログ信号を同一のサンプリング周波数でそれぞれサンプリングし、それぞれ複数のデジタル値を生成する。前記演算部は、前記複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値を用いた演算を行う。
本発明の一態様に係る信号処理方法は、複数のA/D変換部によって、アナログ信号を同一のサンプリング周波数でそれぞれサンプリングして、それぞれ複数のデジタル値を生成する。そして、前記複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値を用いた演算を行う。
本発明は、ノイズの影響を低減することが可能な信号処理システム及び信号処理方法を提供することができるという効果がある。
図1は、本発明の実施形態に係る信号処理システム、及び電流センサ、電源、負荷を示す概略構成図である。 図2は、同上の信号処理システムの第1A/D変換部及び第2A/D変換部の動作を説明するためのタイミングチャートである。 図3は、変形例1の信号処理システムの第1A/D変換部及び第2A/D変換部の動作を説明するためのタイミングチャートである。 図4は、変形例2の信号処理システムの第1A/D変換部及び第2A/D変換部の動作を説明するためのタイミングチャートである。 図5は、変形例3の信号処理システム、及び電圧センサ、電源、負荷を示す概略構成図である。 図6は、変形例4の信号処理システム、及び電流センサ、電圧センサ、電源、負荷を示す概略構成図である。
(1)実施形態
本実施形態の信号処理システム100について、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態の信号処理システム100は、センサ200から出力される測定信号(アナログ信号)S1を処理する。本実施形態では、センサ200は、導体300を流れる電流I1に応じて測定信号S1を出力する電流センサ210である。導体300は、例えば導線301である。電流センサ210は、本実施形態では電流センサ210である。
図1に示すように、カレントトランス(電流センサ210)は、貫通孔2120を有する円環状のコア211と、コア211に巻かれた導線により構成されるコイル212と、を備える。コア211の貫通孔2120には、導線301が通されている。導線301は、例えば商用の交流電源400と負荷500とに接続されている。導線301には、交流電源400から周波数が50Hz又は60Hzの正弦波交流電圧が供給されて、交流の電流I1が流れる。ここで、電流I1の電流値をI10、コイル212の巻き数をnとすると、コイル212には、電流値I10を巻き数nで割った電流値I20(I20=I10/n)の電流I2が流れる。すなわち、カレントトランス(電流センサ210)は、導体300(導線301)を流れる電流I1に比例した電流I2を出力する。
図1に示すように、本実施形態の信号処理システム100は、第1入力部10と、第2入力部20と、第1A/D変換部30と、第2A/D変換部40と、同期部50と、演算部60と、出力部70と、を備える。信号処理システム100は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを有するコンピュータ(マイコン)を、主構成とする。信号処理システム100は、例えば1つの基板上に各回路部品が搭載された、所謂ワンチップマイコンから構成される。信号処理システム100では、コンピュータのメモリに記録されたプログラムをCPUが実行することにより、第1A/D変換部30と、第2A/D変換部40と、同期部50と、演算部60との機能が実現される。CPUが実行するプログラムは、ここではコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、電気通信回線を通じて提供されてもよい。
第1入力部10及び第2入力部20の各々は、本実施形態では、マイコンの入力ポートである。第1入力部10及び第2入力部20はそれぞれ、コイル212の両端に接続される一対の入力端子を備えている。コイル212の両端間には、抵抗R1が接続されている。第1入力部10及び第2入力部20は、電流センサ210からの電流I2を抵抗R1で電流電圧変換した電圧信号を、測定信号S1として受け取る。
第1A/D変換部30と第2A/D変換部40とは、アナログ信号(測定信号S1)を同一のサンプリング周波数でそれぞれサンプリングし、それぞれ複数のデジタル値を生成する。
第1A/D変換部30は、例えばサンプル&ホールド回路(以下、S&H回路と称する)31と、比較回路32と、を備える。
S&H回路31は、第1入力部10に接続されている。S&H回路31は、所定のサンプリング周期Ts1(サンプリング周波数Fs1=1/Ts1)で測定信号S1をサンプリングする。サンプリング周波数Fs1は、電流I2の周波数(本実施形態では、交流電源400の電源周波数と等しい)とは異なる値に設定される。サンプリング周波数Fs1は、好ましくは測定信号S1の周波数よりも大きい値に設定され、本実施形態では2000Hzである。ただし、S&H回路31のサンプリング周波数Fs1は2000Hzに限られず、電流センサ210の計測対象である電流I1の所望の測定精度等に応じて、適宜設定されてもよい。
S&H回路31は、例えば、スイッチとコンデンサとの直列回路(第1直列回路)を備えている。第1直列回路は、第1入力部10の一対の入力端子間(抵抗R1の両端間)に接続されている。図2に示すように、S&H回路31は、各サンプリング周期Ts1において、サンプル時間T1の間だけスイッチをオンすることでコンデンサを充電する。これにより、S&H回路31は、各サンプリング周期Ts1において、第1入力部10の一対の入力端子間の電圧(抵抗R1の両端電圧)に相当する計測値を取得する。すなわち、S&H回路31は、各サンプリング周期Ts1において、計測対象である電流I1に比例した計測値(アナログ量)を取得する。なお、本実施形態では、サンプリング周期Ts1は、サンプリングの開始時点から、次のサンプリングの開始時点までの時間として規定される。また、図2の上段において、「ON」はS&H回路31のスイッチをオンしている状態(測定信号をサンプリングしている状態)を示し、「OFF」はスイッチをオフしている状態(測定信号をサンプリングしていない状態)を示す。同様に、図2の下段において、「ON」はS&H回路41のスイッチをオンしている状態を示し、「OFF」はスイッチをオフしている状態を示す。後述の図3,図4についても同様である。
比較回路32は、例えば一以上のコンパレータを備える。比較回路32は、例えば、各サンプリング周期Ts1においてS&H回路31で取得された計測値を、各コンパレータによって互いに異なる閾値とそれぞれ比較することで、計測値を量子化してデジタル値に変換する。これにより比較回路32は、サンプリング周期Ts1毎に、電流I2の計測値に相当するデジタル値(第1デジタル値)を生成して、時系列に並んだ複数のデジタル値(複数の第1デジタル値)を生成する。以下では、第1デジタル値をD1k(kは自然数)で示す。
第1A/D変換部30は、第1デジタル値D1kを逐次、演算部60に出力する。
第2A/D変換部40は、第1A/D変換部30と同様に、S&H回路41と、比較回路42と、を備える。
S&H回路41は、第2入力部20に接続されている。S&H回路41は、所定のサンプリング周期Ts2(サンプリング周波数Fs2=1/Ts2)で測定信号S1をサンプリングする。第1A/D変換部30のS&H回路31のサンプリング周期Ts1と、第2A/D変換部40のS&H回路41のサンプリング周期Ts2とは、等しい値(Ts1=Ts2)に設定されている。
S&H回路41は例えば、S&H回路31と同様に、スイッチとコンデンサとの直列回路(第2直列回路)を備えている。第2直列回路は、第2入力部20の一対の入力端子間(抵抗R1の両端間)に接続されている。図2に示すように、S&H回路41は、各サンプリング周期Ts2において、サンプル時間T2の間だけスイッチをオンすることでコンデンサを充電する。これにより、S&H回路41は、各サンプリング周期Ts2において、第2入力部20の一対の入力端子間の電圧(抵抗R1の両端電圧)に相当する計測値を取得する。すなわち、S&H回路41は、各サンプリング周期Ts2において、計測対象である電流I1に比例した計測値(アナログ量)を取得する。
本実施形態では、図2に示すように、第1A/D変換部30のサンプル時間(S&H回路31のサンプル時間)T1と、第2A/D変換部40のサンプル時間(S&H回路41のサンプル時間)T2とは、同じに設定されている。また、第1A/D変換部30と第2A/D変換部40とは、同一のタイミングで測定信号S1をサンプリングする。より詳細には、第1A/D変換部30と第2A/D変換部40とは、互いに、サンプリングの開始時点及び終了時点がそれぞれ一致している。すなわち、第1A/D変換部30のS&H回路31と第2A/D変換部40のS&H回路41とは、同期している(サンプル時間が同じで、サンプリングのタイミングも同じである)。
比較回路42は、比較回路32と同様に、例えば、一以上のコンパレータを備える。比較回路42は、例えば、各サンプリング周期Ts2においてS&H回路41で取得された計測値を、各コンパレータによって互いに異なる閾値とそれぞれ比較することで、計測値を量子化してデジタル値に変換する。これにより比較回路42は、サンプリング周期Ts2毎に、電流I2の計測値に相当するデジタル値(第2デジタル値)を生成して、時系列に並んだ複数のデジタル値(複数の第2デジタル値)を生成する。以下では、第2デジタル値をD2k(kは自然数)で示す。
第2A/D変換部40は、第2デジタル値D2kを逐次、演算部60に出力する。
本実施形態では、第1A/D変換部30と第2A/D変換部40とは、ダイナミックレンジ及びゲインが、互いに等しく設定されている。
同期部50は、第1A/D変換部30及び第2A/D変換部40に接続されている。同期部50は、第1A/D変換部30及び第2A/D変換部40に、所定周波数の同期信号を出力する。同期信号の周波数(所定周波数)は、例えばサンプリング周波数Fs1(=Fs2)と等しい値に設定される。第1A/D変換部30及び第2A/D変換部40は、同期部50から受け取った同期信号に基づいて、それぞれ測定信号S1をサンプリングする。より詳細には、第1A/D変換部30及び第2A/D変換部40は、同期部50から受け取った同期信号に基づいて、同一のタイミングでそれぞれ測定信号S1をサンプリングする。
演算部60は、第1A/D変換部30から受け取った複数の第1デジタル値D1kと、第2A/D変換部40から受け取った複数の第2デジタル値D2kと、を用いて演算を行う。本実施形態の演算部60は、複数の第1デジタル値D1kと複数の第2デジタル値D2kとを用いて、電流I1の実効値を求める。
演算部60は、コイル212の巻き数n、抵抗R1の電気抵抗値を記憶している。演算部60は、コイル212の巻き数n、及び抵抗R1の電気抵抗値を用いて、各第1デジタル値D1k(抵抗R1の両端電圧に相当する)に対応する、電流I1の電流値I1kを求める。同様に、演算部60は、コイル212の巻き数n、及び抵抗R1の電気抵抗値を用いて、各第2デジタル値D2k(抵抗R1の両端電圧に相当する)に対応する、電流I1の電流値I2kを求める。
そして演算部60は、電流値I1kと、この電流値I1kに対応するタイミングの電流値I2kと、の演算を行うことで、電流I1の実効値Irmsを求める。すなわち、演算部60は、第1デジタル値D1kと、この第1デジタル値D1kがサンプリングされたタイミングに対応する第2デジタル値D2kと、の演算を行う(積を取る)ことで、電流I1の実効値Irmsを求める。
具体的には、演算部60は、下記式(1)に従って電流I1の実効値Irmsを求める。
Figure 2018128343
ここで、Nは自然数であって、Nとサンプリング周期Tsとの積が、電流I2の周期よりも大きくなる値に、設定される。本実施形態では、Nは2000であり、Nとサンプリング周期Ts(=1/Fs=1/2000)との積は1[秒]である。
本実施形態の信号処理システム100では、複数のA/D変換部(第1A/D変換部30及び第2A/D変換部40)で、一つの測定信号S1(アナログ信号)を同一のサンプリング周波数(Fs1=Fs2)でサンプリングしている。そして、演算部60は、一つのA/D変換部から出力されるデジタル値から電流の実効値を求めるのではなく、複数のA/D変換部(第1A/D変換部30及び第2A/D変換部40)から出力されるデジタル値同士の積を取って、電流I1の実効値Irmsを求めている。信号処理システム100は、この構成により、各A/D変換部30,40に起因するノイズの影響を低減することが可能となる。
例えば、一つのA/D変換部から出力されるデジタル値D(kは自然数)を用いて電流の実効値を求める比較例の信号処理システムの場合、下記式(2)に示すように、デジタル値Dに対応する電流値Iの二乗を求め、この二乗の総和をNで除算した値の平方根を求めている。
Figure 2018128343
したがって、電流値Iの二乗の総和を求めるときに、デジタル値Dに含まれているA/D変換部のホワイトノイズに起因する成分が、二乗されて積算されることになる。このため、式(2)の演算によって求めた電流の実効値は、A/D変換部のホワイトノイズの影響を受ける可能性がある。
これに対し、本実施形態の信号処理システム100では、異なるA/D変換部(第1A/D変換部30と第2A/D変換部40)で求めたデジタル値同士(第1デジタル値D1kと第2デジタル値D2kと)の積を求めている。異なるA/D変換部のホワイトノイズ同士は互いに相関がない(ランダムである)ため、異なるA/D変換部からのデジタル値同士の積の総和をとれば、ホワイトノイズに起因する成分は積算されて小さくなる。したがって、演算部60による演算結果は、各A/D変換部のホワイトノイズの影響を受けにくくなる。これにより、ノイズの影響を低減することが可能となる。
例えばサンプリング周波数2000Hz、サンプリング数2000で処理を行う場合、本実施形態の信号処理システム100であれば、一つのA/D変換部を用いて式(2)の演算を行う信号処理システムのS/Nと比べて、4倍程度のS/Nが得られることが確認された。
出力部70は、演算部60に接続されている。出力部70は、本実施形態では、マイコンの出力ポートである。出力部70は、演算部60で求めた電流I1の実効値Irmsを、外部(外部装置)に出力する。
以上説明したように、本実施形態の信号処理システム100は、一つのアナログ信号(測定信号S1)を、同一のサンプリング周期でそれぞれA/D変換する第1A/D変換部30と第2A/D変換部40とを備えている。そして、演算部60は、第1A/D変換部30から出力される第1デジタル値D1kと第2A/D変換部40から出力される第2デジタル値D2kとを用いた演算を行って(第1デジタル値D1kと第2デジタル値D2kとの積を取って)、電流I1の実効値を求めている。これにより、一つのA/D変換部から出力されるデジタル値Dを用いて電流の実効値を求める場合と比べて、A/D変換部によるホワイトノイズの影響を低減することができる。すなわち、本実施形態の信号処理システム100であれば、演算結果におけるノイズの影響を低減することが可能となる。
本実施形態の信号処理システム100は、次のサンプリングステップ、演算ステップを含む信号処理方法を実行している。サンプリングステップは、複数のA/D変換部(第1A/D変換部30及び第2A/D変換部40)によって、アナログ信号(測定信号S1)を同一の所定サンプリング周波数でそれぞれサンプリングして、それぞれ複数のデジタル値(複数の第1デジタル値D1k及び複数の第2デジタル値D2k)を生成するステップである。演算ステップは、複数のA/D変換部(第1A/D変換部30及び第2A/D変換部40)でそれぞれ生成された複数のデジタル値(複数の第1デジタル値D1k及び複数の第2デジタル値D2k)を用いた演算を行うステップである。
これにより、本実施形態の信号処理方法は、信号処理システム100と同様にノイズの影響を低減することが可能となる。
以上説明した上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。また、上記実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(2)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。なお以下では、図1及び図2に基づいて説明した実施形態を、「基本例」と呼ぶ。各変形例において、基本例の信号処理システム100と同様の構成については同一の符号を付して、適宜説明を省略する。
(2.1)変形例1
変形例1の信号処理システム100について、図3を参照して説明する。本変形例の信号処理システム100は、第1A/D変換部30(S&H回路31)のサンプル時間T1と第2A/D変換部40(S&H回路41)のサンプル時間T2とが異なっている点で、基本例の信号処理システム100と相違する。ただし、本変形例の信号処理システム100でも、基本例の信号処理システム100と同様に、第1A/D変換部30(S&H回路31)のサンプリング周期Ts1と第2A/D変換部40(S&H回路41)のサンプリング周期Ts2とは同じに設定されている。また、基本例の信号処理システム100と同様に、第1A/D変換部30(S&H回路31)と第2A/D変換部40(S&H回路41)とは、同一のタイミングで測定信号S1をサンプリングしている。
なお、本変形例において、第1A/D変換部30(S&H回路31)と第2A/D変換部40(S&H回路41)とが、同一のタイミングで測定信号S1をサンプリングするとは、例えば以下の意味であってもよい。すなわち、S&H回路31で取得される計測値の時間変化と、S&H回路41で取得される計測値の時間変化とが、同じ波形になるように、S&H回路31とS&H回路41とが測定信号S1をサンプリングすることを意味してもよい。例えば、図3に示すように、第1A/D変換部30と第2A/D変換部40との間で、サンプル時間T1,T2の中心時点が一致する構成であってもよい。
上記のように、第1A/D変換部30と第2A/D変換部40とは同一のタイミングで測定信号S1をサンプリングしている。このため、第1A/D変換部30で生成されるデジタル値D1kと第2A/D変換部40で生成されるデジタル値D2kとは、同じ時点の測定信号S1の大きさを示していることになる。これにより、演算部60は、第1A/D変換部30及び第2A/D変換部40でそれぞれ生成されたデジタル値をそのまま用いて、実効値の演算を行うことが可能となる。
(2.2)変形例2
変形例2の信号処理システム100について、図4を参照して説明する。本変形例の信号処理システム100は、第1A/D変換部30と第2A/D変換部40とが、異なるタイミングで測定信号S1をサンプリングする点で、基本例の信号処理システム100と相違する。なお、第1A/D変換部30のサンプル時間T1と第2A/D変換部40のサンプル時間T2とは、同じであっても異なっていてもよい。以下では、簡単のため、第1A/D変換部30のサンプル時間T1と第2A/D変換部40のサンプル時間T2とが同じである場合について説明する。
第1A/D変換部30と第2A/D変換部40とは、同期部50からの同期信号に基づいて、同一のサンプリング周期Ts1=Ts2(以下「Ts」とも記載する)で測定信号S1をサンプリングする。第1A/D変換部30は、サンプリング周期Ts1毎に、第1デジタル値を演算部60に出力する。第2A/D変換部40は、サンプリング周期Ts2毎に、第2デジタル値を演算部60に出力する。ただし本変形例では、図4に示すように、第1A/D変換部30のS&H回路31が測定信号S1をサンプリングするタイミングと、第2A/D変換部40のS&H回路41が測定信号S1をサンプリングするタイミングとが、互いに異なっている。本変形例では、S&H回路31が測定信号S1をサンプリングするタイミングと、第2A/D変換部40のS&H回路41が測定信号S1をサンプリングするタイミングとは、サンプリング周期Tsの半分の時間(=Ts/2)だけずれている。
本変形例では、演算部60が、第2A/D変換部40から受け取った複数の第2デジタル値を用いて、第1A/D変換部30から受け取った各第1デジタル値D1kがサンプリングされたタイミングに対応する第2デジタル値D2kを、生成する。本変形例では、演算部60は、第1A/D変換部30が第1デジタル値D1kをサンプリングしたタイミングから、±Ts/2だけずれたタイミングで第2A/D変換部40によってサンプリングされた、2つの第2デジタル値の、平均値を求める。そして演算部60は、求めた平均値を、この第1デジタル値D1kに対応する第2デジタル値D2kとして用いて、式(1)により電流の実効値Irmsを求める。
なお演算部60は、3以上の第2デジタル値を用いて(例えば3以上の第2デジタル値の相加平均を求めることで)、第1デジタル値D1kに対応する第2デジタル値D2kを求めてもよい。
(2.3)変形例3
変形例3の信号処理システム100Aについて、図5を参照して説明する。本変形例の信号処理システム100Aは、センサ200が電圧センサ220である点で、基本例の信号処理システム100と相違する。
本変形例では、センサ200は、第1の導体310と第2の導体320との間の電圧に応じて測定信号S2を出力する電圧センサ220である。電圧センサ220は、本変形例では分圧回路である。
図5に示すように、分圧回路(電圧センサ220)は、導線311,321間に接続された2つの分圧抵抗R10,R20の直列回路を備える。分圧回路は、抵抗R10の両端間に、導線311,321間の電圧V1に比例する電圧V2を発生させ、この電圧V2を、測定信号S2として出力する。
本変形例の信号処理システム100Aは、基本例の信号処理システム100と同様に、第1入力部10Aと、第2入力部20Aと、第1A/D変換部30Aと、第2A/D変換部40Aと、同期部50Aと、演算部60Aと、出力部70Aと、を備えている。
第1入力部10A及び第2入力部20Aは、分圧回路(電圧センサ220)から測定信号S2を受け取る。
第1A/D変換部30Aは、S&H回路31Aと、比較回路32Aと、を備えており、複数のサンプリング周期Ts1で求めた複数の第1デジタル値D1k(kは自然数)を、演算部60Aに出力する。
第2A/D変換部40Aは、S&H回路41Aと、比較回路42Aと、を備えており、複数のサンプリング周期Ts2で求めた複数の第2デジタル値D2k(kは自然数)を、演算部60Aに出力する。
演算部60Aは、分圧抵抗R10の電気抵抗値、及び分圧抵抗R20の電気抵抗値を記憶している。演算部60Aは、分圧抵抗R10の電気抵抗値、及び分圧抵抗R20の電気抵抗値を用いて、各第1デジタル値D1k(分圧抵抗R10の両端電圧に相当する)に対応する、電圧V1の電圧値V1kを求める。同様に、演算部60Aは、分圧抵抗R10の電気抵抗値、及び分圧抵抗R20の電気抵抗値を用いて、第2デジタル値D2k(分圧抵抗R10の両端電圧に相当する)に対応する、電圧V1の電圧値V2kを求める。
そして演算部60Aは、電圧値V1kと、この電圧値V1kに対応するタイミングの電圧値V2kとの演算を行うことで、電圧V1の実効値Vrmsを求める。具体的には、演算部60Aは、下記式(3)に従って電圧V1の実効値Vrmsを求める。
Figure 2018128343
すなわち、演算部60Aは、第1デジタル値D1kと、この第1デジタル値D1kがサンプリングされたタイミングに対応する第2デジタル値D2kと、の演算を行う(積を取る)ことで、電圧の実効値Vrmsを求めている。
本変形例の信号処理システム100Aも、基本例の信号処理システム100と同様、演算部60による演算結果が、各A/D変換部30A,40Aのホワイトノイズの影響を受けにくくなる。したがって、ノイズの影響を低減することが可能となる。
(2.4)変形例4
変形例4の信号処理システム100Bについて、図6を参照して説明する。
本変形例の信号処理システム100Bは、第1入力部10B、第2入力部20B、第1A/D変換部30B、第2A/D変換部40B、同期部50B、演算部60B、及び出力部70Bを備える。また、信号処理システム100Bは、第3入力部110B、第4入力部120B、第3A/D変換部130B、及び第4A/D変換部140Bを更に備えている。
第1入力部10B及び第2入力部20Bは、基本例の第1入力部10及び第2入力部20と同様に、カレントトランス(電流センサ210)からの電流I2を抵抗R1で電流電圧変換した測定信号S1を、受け取る。第1A/D変換部30B及び第2A/D変換部40Bは、基本例の第1A/D変換部30及び第2A/D変換部40と同様に動作する。すなわち、第1A/D変換部30B及び第2A/D変換部40Bは、測定信号S1を同一のサンプリング周期でそれぞれサンプリングし、それぞれ複数のデジタル値(複数の第1デジタル値D1k及び複数の第2デジタル値D2k)を生成する。第1A/D変換部30B及び第2A/D変換部40Bは、生成したデジタル値(第1デジタル値D1k及び第2デジタル値D2k)を、それぞれ演算部60Bに出力する。
第3入力部110B及び第4入力部120Bは、変形例2の第1入力部10A及び第2入力部20Aと同様に、分圧回路(電圧センサ220)からの測定信号S2を受け取る。第3A/D変換部130B及び第4A/D変換部140Bは、変形例2の第1A/D変換部30A及び第2A/D変換部40Aと同様に動作する。すなわち、第3A/D変換部130B及び第4A/D変換部140Bは、測定信号S2を同一のサンプリング周期でそれぞれサンプリングし、それぞれ複数のデジタル値(複数の第3デジタル値D3k及び複数の第4デジタル値D4k)を生成する。第3A/D変換部130B及び第4A/D変換部140Bは、生成したデジタル値(第3デジタル値D3k及び第4デジタル値D4k)を、演算部60Bに出力する。なお、第3A/D変換部130B及び第4A/D変換部140Bのサンプリング周期は、第1A/D変換部30B及び第2A/D変換部40Bのサンプリング周期と等しい。
演算部60Bは、複数の第1デジタル値D1kと、複数の第2デジタル値D2kと、複数の第3デジタル値D3と、複数の第4デジタル値D4kと、を用いて演算を行う。本実施形態の演算部60Bは、複数の第1デジタル値D1kと、複数の第2デジタル値D2kと、複数の第3デジタル値D3と、複数の第4デジタル値D4kと、を用いて、有効電力を求める。
演算部60Bは、基本例の演算部60と同様に、各第1デジタル値D1kから電流I1の電流値I1kを求め、各第2デジタル値D2kから電流I1の電流値I2kを求める。また演算部60Bは、変形例2の演算部60Aと同様に、各第3デジタル値D3kから電圧V1の電圧値V1kを求め、各第4デジタル値D4kから電圧V1の電圧値V2kを求める。
そして演算部60は、サンプリングされたタイミングが互いに対応する電流値I1kと電流値I2kと電圧値V1kと電圧値V2kとの演算を行うことで、有効電力Pを求める。具体的には、演算部60は、下記式(4)に従って有効電力Pを求める。
Figure 2018128343
すなわち、演算部60Aは、第1デジタル値D1kと、この第1デジタル値D1kがサンプリングされたタイミングに対応する第2デジタル値D2kと、の演算を行う(和を取る)。また、演算部60Aは、第3デジタル値D3kと、この第3デジタル値D3kがサンプリングされたタイミングに対応する第4デジタル値D4kと、の演算を行う(和を取る)。そして、この演算結果を用いて有効電力Pを求めている。
本変形例では、演算部60Bが、第1デジタル値D1kと、この第1デジタル値D1kがサンプリングされたタイミングに対応する第2デジタル値D2kと、の平均を求めている。これにより、一つのA/D変換部を用いて測定信号S1をサンプリングする構成に比べて、電流I1の計測値のS/Nを、(例えばルート2倍に)改善することが可能である。
また本変形例では、演算部60Bが、第3デジタル値D3kと、この第3デジタル値D3kがサンプリングされたタイミングに対応する第4デジタル値D4kと、の平均を求めている。これにより、一つのA/D変換部を用いて測定信号S1をサンプリングする構成に比べて、電圧V1の計測値のS/Nを、(例えばルート2倍に)改善することが可能である。
したがって、本変形例の信号処理システム100Bでは、ノイズの影響を低減することが可能となる。
なお、信号処理システム100Bは、有効電力以外の量を求めてもよい。例えば、信号処理システム100Bは、皮相電力又は無効電力を求めてもよい。例えば無効電力を求める場合、演算部60Bは、第1デジタル値D1k及び第2デジタル値D2kの平均値と、サンプリング周期Tsの1/4だけずれたタイミングでサンプリングされた第3デジタル値D3k及び第4デジタル値D4kの平均値と、の積を求めればよい。
(2.5)その他の変形例
変形例1,2の構成は、変形例3,4の信号処理システム100A,100Bに適用することも可能である。
信号処理システムが処理するアナログ信号は、電流センサ及び電圧センサから出力される測定信号S1,S2に限られず、例えば温度センサ、照度センサ、震度センサ、加速度センサ、圧力センサ等の、任意のセンサから出力されるアナログ信号であってもよい。この場合、例えば信号処理システムは、第1A/D変換部からの第1デジタル値と第2A/D変換部からの第2デジタル値との平均値の、相加平均を求めてもよい。これにより、第1A/D変換部及び第2A/D変換部によるホワイトノイズの影響を低減することが可能となる。
信号処理システムは、ワンチップマイコンに限られず、回路部品が複数の基板上に分けて搭載されていてもよい。例えば、基本例の信号処理システム100において、第1A/D変換部30を構成する回路部品と演算部60を構成する回路部品とが異なる基板上に搭載され、これらの基板がリード線等で接続されていてもよい。
導線301(導線311及び321)を流れる電流の波形は、正弦波に限られない。例えば、導線301(導線311及び321)を流れる電流は、矩形波等の他の波形を有していてもよい。
第1入力部〜第4入力部の各々は、入力ポートに限られず、例えば基板上に形成されたパターン配線の一部であってもよい。出力部についても同様である。
信号処理システムは、同期部を備えなくてもよい。例えば、第1A/D変換部が第2A/D変換部に同期信号を出力してもよい。
第1A/D変換部と第2A/D変換部とは、必ずしもダイナミックレンジ及びゲインが互いに等しくなくてもよい。例えば、第1A/D変換部と第2A/D変換部とのゲインが互いに異なる場合、第1A/D変換部又は第2A/D変換部と演算部との間に、ゲインを補償するためのアンプが設けられていてもよい。なお、第1A/D変換部と第2A/D変換部とは、リニアリティ(DNL:微分非直線性、及びINL:積分非直線性)が互いに等しいことが好ましい。
一つのアナログ信号を処理するA/D変換部の数は、3以上であってもよい。例えば、信号処理システムは、一つのアナログ信号をA/D変換してそれぞれ第1〜第3デジタル値を生成する第1〜第3A/D変換部を備えていてもよい。例えば、基本例の信号処理システム100の演算部60は、電流I1の実効値Irmsを求める際に、第1デジタル値と第2デジタル値との平均値とを求め、この平均値と第3デジタル値との積を求める演算を行ってもよい。
導体300、第1の導体310,第2の導体320は、導線301,311,321に限られず、パターン配線、分電盤内に配置される導電バー等であってもよい。
電流センサ210は、カレントトランスに限られず、ロゴスキーコイル等であってもよい。
電圧センサ220は、分圧回路に限られず、電圧検出用トランスや静電容量式の電圧センサであってもよい。
変形例4の信号処理システム100Bは、第1A/D変換部30Bと第2A/D変換部40Bとのうちの一方だけを備えていてもよい。或いは、信号処理システム100Bは、第3A/D変換部130Bと第4A/D変換部140Bとのうちの一方だけを備えていてもよい。すなわち、信号処理システム100Bは、電流センサ210からの測定信号S1を処理する少なくとも一つの電流用A/D変換部と、電圧センサ220からの測定信号S2を処理する複数の電圧用A/D変換部と、を備えていてもよい。或いは、信号処理システム100Bは、電流センサ210からの測定信号S1を処理する複数の電流用A/D変換部と、電圧センサ220からの測定信号S2を処理する少なくとも一つの電圧用A/D変換部と、を備えていてもよい。
(3)態様
以上説明したように、第1の態様の信号処理システム(100,100A,100B)は、複数のA/D変換部(第1A/D変換部30,30A,30B,第2A/D変換部40,40A,40B)と、演算部(60,60A,60B)と、を備える。複数のA/D変換部は、アナログ信号(測定信号S1,S2)を同一のサンプリング周波数(Fs1=Fs2)でそれぞれサンプリングし、それぞれ複数のデジタル値(複数の第1デジタル値D1k,複数の第2デジタル値D2k)を生成する。演算部(60,60A,60B)は、複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値(複数の第1デジタル値D1k,複数の第2デジタル値D2k)を用いた演算を行う。
この構成によれば、演算部(60,60A,60B)は、複数のA/D変換部で生成された複数のデジタル値(複数の第1デジタル値D1k,複数の第2デジタル値D2k)を用いた演算を行う。これにより、各A/D変換部によるホワイトノイズの影響が低減されるので、ノイズの影響を低減することが可能となる。したがって、広いダイナミックレンジを持った信号処理システムを提供することが可能となる。
第2の態様の信号処理システム(100,100A,100B)は、第1の態様において、以下の構成を備える。すなわちアナログ信号(測定信号S1,S2)は、導体(300,310)を流れる電流(I1)に応じて電流センサ(210)から出力される信号、又は第1及び第2の導体(310,320)間の電圧(V1)に応じて電圧センサ(220)から出力される信号である。演算部(60,60A,60B)は、複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値(複数の第1デジタル値D1k,複数の第2デジタル値D2k)を用いた演算を行う。そして演算部(60,60A,60B)は、電流、電圧、及び電力のうちの少なくとも一つを求める。
この構成によれば、信号処理システム(100,100A,100B)によって電流、電圧、又は電力を求めることができる。例えば、商用ビルに設けられる電力計測器では、相対的に定格電流の小さな電流センサ(例えば、定格電流5AのCT)からの信号及び、相対的に定格電流の大きな電流センサ(例えば、定格電流600AのCT)からの信号両方を処理できる必要がある。本態様の信号処理システムは、広いダイナミックレンジを持っているので、このような電力計測器等に適用することが可能である。
第3の態様の信号処理システム(100)は、第2の態様において、アナログ信号(測定信号S1)は、導体(300)を流れる電流(I1)に応じて電流センサ(210)から出力される信号である。演算部(60)は、複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値(複数の第1デジタル値D1k,複数の第2デジタル値D2k)を用いた演算を行って、電流(I1)の実効値を求める。
この構成によれば、A/D変換部によるホワイトノイズの影響を低減しながら、電流の実効値を求めることができる。
第4の態様の信号処理システム(100A)は、第2の態様において、アナログ信号(測定信号S2)は、第1及び第2の導体(310,320)間の電圧(V1)に応じて電圧センサ(220)から出力される信号である。演算部(60A)は、複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値(複数の第1デジタル値D1k,複数の第2デジタル値D2k)を用いた演算を行って、電圧(V1)の実効値を求める。
この構成によれば、A/D変換部によるホワイトノイズの影響を低減しながら、電圧の実効値を求めることができる。
第5の態様の信号処理システム(100B)は、第2の態様において、複数のA/D変換部(第1A/D変換部30B,第2A/D変換部40B、又は第3A/D変換部130B,第4A/D変換部140B)を備える。加えて、信号処理システム(100B)は、1以上の別のA/D変換部(第3A/D変換部130B,第4A/D変換部140B、又は第1A/D変換部30B,第2A/D変換部40B)を更に備える。1以上の別のA/D変換部は、アナログ信号としての第1種のアナログ信号とは別の第2種のアナログ信号を、サンプリング周波数でサンプリングして、それぞれ複数のデジタル値を生成する。第1種のアナログ信号と第2種のアナログ信号とは、一方が第1の導体(310)を流れる電流(I1)に応じて電流センサ(210)から出力される信号(測定信号S1)である。また第1種のアナログ信号と第2種のアナログ信号とは、他方が第1の導体(310)と第2の導体(320)との間の電圧(V1)に応じて電圧センサ(220)から出力される信号(測定信号S2)である。演算部(60B)は、複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値、及び1以上のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値を用いた演算を行って、電力を求める。
この構成によれば、A/D変換部によるホワイトノイズの影響を低減しながら、電力を求めることができる。
第6の態様の信号処理システム(100,100A,100B)は、第1〜第5の何れかの態様において、複数のA/D変換部は、同一のタイミングでアナログ信号(測定信号S1,S2)をサンプリングする。
この構成によれば、複数のA/D変換部でアナログ信号が同時にサンプリングされるので、複数のA/D変換部で生成されるデジタル値は、同じ時点のアナログ信号の大きさを示していることになる。したがって、演算部は、複数のA/D変換部で生成されたデジタル値をそのまま用いて、例えば実効値の演算を行うことが可能となる。
第7の態様の信号処理システム(100,100A,100B)は、第1〜第5の何れかの態様において、複数のA/D変換部は、異なるタイミングでアナログ信号(測定信号S1,S2)をサンプリングする。
この構成によれば、例えば演算部は、複数のA/D変換部のうちの一のA/D変換部で生成されるデジタル値に対して、別のA/D変換部で生成される複数のデジタル値から(例えば平均値を求めることで)、対応するデジタル値を生成する。演算部で生成されるデジタル値のノイズ成分は、元の複数のデジタル値が含むノイズ成分のうちで最大のノイズ成分よりも小さくなるため、本態様によれば、ノイズの影響をより低減することが可能となる。
第8の態様の信号処理システム(100,100A,100B)は、第1の態様において、複数のA/D変換部は、第1A/D変換部(30,30A,30B)と、第2A/D変換部(40,40A,40B)を少なくとも含む。第1A/D変換部(30,30A,30B)は、アナログ信号(測定信号S1,S2)をサンプリング周波数(Fs1)でサンプリングし、複数の第1デジタル値(D1k)を生成する。第2A/D変換部(40,40A,40B)は、アナログ信号(測定信号S1,S2)を上記のサンプリング周波数(Fs2=Fs1)でサンプリングし、複数の第2デジタル値(D2k)を生成する。演算部(60,60A,60B)は、複数の第1デジタル値のうちのある第1デジタル値と、複数の第2デジタル値のうちで、この第1デジタル値がサンプリングされたタイミングに対応する第2デジタル値と、の積又は和を求める演算を行う。
この構成によれば、各A/D変換部によるホワイトノイズの影響が低減されるので、ノイズの影響を低減することが可能となる。
第9の態様の信号処理方法は、複数のA/D変換部(第1A/D変換部30,30A,30B,第2A/D変換部40,40A,40B)によって、アナログ信号(測定信号S1,S2)を同一のサンプリング周波数(Fs1=Fs2)でそれぞれサンプリングして、それぞれ複数のデジタル値(複数の第1デジタル値D1k,複数の第2デジタル値D2k)を生成する。そして、この信号処理方法は、複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値(複数の第1デジタル値D1k,複数の第2デジタル値D2k)を用いた演算を行う。
この構成によれば、複数のA/D変換部で生成された複数のデジタル値(複数の第1デジタル値D1k,複数の第2デジタル値D2k)を用いた演算を行う。これにより、ノイズの影響を低減することが可能となる。
30,30A,30B 第1A/D変換部
40,40A,40B 第2A/D変換部
60,60A,60B 演算部
100、100A,100B 信号処理システム
130B 第3A/D変換部
140B 第4A/D変換部
210 電流センサ
220 電圧センサ
300 導体
310 第1の導体
320 第2の導体
1k 第1デジタル値
2k 第2デジタル値
Fs1,Fs2 サンプリング周波数
I1 電流
V1 電圧
S1,S2 測定信号(アナログ信号)

Claims (9)

  1. アナログ信号を同一のサンプリング周波数でそれぞれサンプリングし、それぞれ複数のデジタル値を生成する複数のA/D変換部と、
    前記複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値を用いた演算を行う演算部と、
    を備える
    信号処理システム。
  2. 前記アナログ信号は、導体を流れる電流に応じて電流センサから出力される信号、又は第1及び第2の導体間の電位差に応じて電圧センサから出力される信号であって、
    前記演算部は、前記複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値を用いた演算を行って、電流、電圧、及び電力のうちの少なくとも一つを求める
    請求項1記載の信号処理システム。
  3. 前記アナログ信号は、前記導体を流れる電流に応じて前記電流センサから出力される信号であって、
    前記演算部は、前記複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値を用いた演算を行って、電流の実効値を求める
    請求項2記載の信号処理システム。
  4. 前記アナログ信号は、前記第1及び第2の導体間の電圧に応じて前記電圧センサから出力される信号であって、
    前記演算部は、前記複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値を用いた演算を行って、電圧の実効値を求める
    請求項2記載の信号処理システム。
  5. 前記複数のA/D変換部に加えて、1以上の別のA/D変換部を更に備え、
    前記1以上の別のA/D変換部は、前記アナログ信号としての第1種のアナログ信号とは別の第2種のアナログ信号を、前記サンプリング周波数でサンプリングして、それぞれ複数のデジタル値を生成し、
    前記第1種のアナログ信号と前記第2種のアナログ信号とは、一方が第1の導体を流れる電流に応じて電流センサから出力される信号であって、他方が前記第1の導体と第2の導体との間の電圧に応じて電圧センサから出力される信号であり、
    前記演算部は、前記複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値、及び前記1以上のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値を用いた演算を行って、電力を求める
    請求項2記載の信号処理システム。
  6. 前記複数のA/D変換部は、同一のタイミングで前記アナログ信号をサンプリングする
    請求項1〜5の何れか一項記載の信号処理システム。
  7. 前記複数のA/D変換部は、異なるタイミングで前記アナログ信号をサンプリングする
    請求項1〜5の何れか一項記載の信号処理システム。
  8. 前記複数のA/D変換部は、
    前記アナログ信号を前記サンプリング周波数でサンプリングし、複数の第1デジタル値を生成する第1A/D変換部と、
    前記アナログ信号を前記サンプリング周波数でサンプリングし、複数の第2デジタル値を生成する第2A/D変換部と、
    を少なくとも含み、
    前記演算部は、前記複数の第1デジタル値のうちのある第1デジタル値と、前記複数の第2デジタル値のうちで、この第1デジタル値がサンプリングされたタイミングに対応する第2デジタル値と、の積又は和を求める演算を行う
    請求項1記載の信号処理システム。
  9. 複数のA/D変換部によって、アナログ信号を同一のサンプリング周波数でそれぞれサンプリングして、それぞれ複数のデジタル値を生成し、
    前記複数のA/D変換部でそれぞれ生成された複数のデジタル値を用いた演算を行う
    信号処理方法。
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