JP2016065758A - 絶縁状態測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁状態測定装置20のCPU21は、試験用基準抵抗38を接続したときに入力される分圧基準電圧VC2を記憶する記憶部24と、分圧用抵抗31と外部回路11の絶縁抵抗Rとが直列になるように接続したときに入力される分圧測定電圧VC1と記憶部24から読み出した分圧基準電圧VC2との比率を演算する演算部25と、を備える。
【選択図】図2
Description
検出対象となる外部回路の絶縁状態を測定するための絶縁状態測定装置であって、信号を出力する出力端子を備え、演算処理を行う演算処理装置と、前記演算処理装置の出力側に接続された分圧用抵抗とカップリングコンデンサと、を備え、前記カップリングコンデンサは、前記分圧用抵抗及び前記外部回路の絶縁抵抗の直列回路で分圧された分圧測定電圧の交流成分を前記外部回路に出力するものであり、前記演算処理装置は、基準抵抗を接続したときに入力される分圧基準電圧を記憶する基準電圧記憶部と、前記分圧用抵抗と前記外部回路の前記絶縁抵抗とを直列に接続したときに入力される前記分圧測定電圧と、前記基準電圧記憶部から読み出した前記分圧基準電圧との比率を演算する演算部と、を備える。
本構成によれば、分圧回路の分圧用抵抗及び前記絶縁抵抗の直列回路によって分圧される分圧測定電圧と、基準抵抗を接続したときに入力される分圧基準電圧とは、共に、絶縁状態測定装置を構成する部品の個体差等に影響されるが、分圧測定電圧と分圧基準電圧との比率は、個体差等による影響がある程度相殺された値となる。したがって、この比率に応じた情報を出力すれば、絶縁抵抗の測定誤差を小さくすることができるため、装置ごとの絶縁状態の測定精度のばらつきを抑制することが可能になる。
また、上記構成によれば、分圧基準電圧を形成するための回路を切り替える構成を設けなくてもよいため、装置の構成を簡素化することが可能になる。
(分圧測定電圧/分圧基準電圧)×(基準電圧/測定電圧)
上記演算部により演算された比率は、温度の影響を受けているが、本構成によれば、演算部により演算された比率を測定電圧と基準電圧との比率に基づいて補正することで、互いの比率の温度による影響をある程度相殺することができるため、温度の影響による絶縁状態の測定精度の低下を抑制することが可能になる。
このようにすれば、簡素な構成で基準電圧を生成することができる。
実施形態1について図1〜図11を参照して説明する。
絶縁状態測定装置20は、図1に示すように、外部回路11に接続されることで、外部回路11の絶縁状態に応じた情報を上位機器10に出力するものである。
外部回路11は、複数の単電池が直列接続されて構成された電池モジュール12を備えている。電池モジュール12は、インバータ13を介してモータ14に電力を供給可能に接続されている。この外部回路11は、例えば、電気自動車等の車両に搭載される回路とすることができる。外部回路11は、グランドラインとの絶縁抵抗Rが所定値以上に保たれていなければならないため、絶縁状態測定装置20により絶縁状態が測定される。
昇圧回路29は、オペアンプであり、非反転入力端子に所定電圧が印加されており、反転入力端子にCPU21からハイレベル(5[V])とロウレベル(0V])の繰り返しからなる矩形波のパルス信号が入力される。昇圧回路29は、CPU21からのパルス信号よりもハイレベルが高いパルス電圧に昇圧する。例えば、CPU21からのパルス電圧のハイレベルを12[V]に昇圧する。
なお、カップリングコンデンサ33は、分圧用抵抗31及び絶縁抵抗Rの直列回路の直流成分を除去できればよいため、接続する位置は、分圧用抵抗31と外部回路11との間に限られず、例えば、昇圧回路29と分圧用抵抗31の間であってもよい。
フィルタ回路32は、分圧用抵抗31の出力側に直列に接続されており、インバータのスイッチングノイズを除去することが可能なローパスフィルタである。なお、ローパスフィルタではなく、バンドパスフィルタとしてもよい。ローパスフィルタとすれば、バンドパスフィルタと比較して回路構成を簡素化することができる。
生成部22は、矩形波(例えば8Hz)の信号を生成して昇圧回路29に出力する。
分圧測定電圧VC1は、接続端子37に外部回路11を接続したときのフィルタ回路32の出力電圧であり、分圧基準電圧VC2は、接続端子37に試験用基準抵抗38を接続したときのフィルタ回路32の出力電圧である。パルス測定電圧VA1は、接続端子37に外部回路11を接続したときの昇圧回路29の出力電圧であり、パルス基準電圧VA2は、接続端子37に試験用基準抵抗38を接続したときの昇圧回路29の出力電圧である。
なお、本実施形態では、上位機器10に出力値をそのまま出力するが、CPU21が出力値を閾値と比較して比較結果(絶縁劣化の判断結果)を上位機器10に出力するようにしてもよい。
上記した出力値は、第1項の比率(分圧測定電圧VC1/分圧基準電圧VC2)と、第2項の比率(パルス基準電圧VA2/パルス測定電圧VA1)を乗算したものである。
第1項の比率は、部品の個体差による装置ごとの検出精度のばらつきを抑制するための構成である。
図4に示すように、フィルタ回路32からの出力電圧VC1は、部品の個体差により誤差が生じる。部品の個体差による絶縁抵抗の誤差が最大となる場合を考慮して絶縁劣化検出範囲A1の測定を行う場合、プラス方向の最大誤差を考慮すると「3.4[V]以上の閾値」を必要とし、マイナス方向の最大ばらつきを考慮すると「3.2[V]以下の閾値」を必要とする。したがって、分圧測定電圧VC1について、単一の閾値により部品の個体差によって生じる誤差を考慮した絶縁劣化検出範囲A1の測定を行うことができない。
第2項の比率は、温度による絶縁状態の検出誤差を抑制するためのものである。
図6は、絶縁抵抗が同じ場合、環境温度が高くなると出力電圧VC1が高くなることが示されており、図7は、絶縁抵抗が同じ場合、環境温度が高くなると第1項の比率が高くなることが示されている。図6,図7により、第1項の比率は、環境温度による検出誤差については、補正できないことがわかる。一方、図8は、パルス電圧VA1は、環境温度が高くなると高くなることを示している。したがって、基準温度でのパルス電圧VA2に対する測定時の温度でのパルス電圧VA1の変化の割合がわかれば、現在の環境温度におけるパルス電圧VA1を求めることができる。そこで、図9に示すように、第2項の比率であるパルス測定電圧VA1に対するパルス基準電圧VA2の比率をパルス電圧VA1に乗算することで、環境温度による検出誤差を抑制することができる。
(出力値)
上記出力値は、第1項の比率と第2項の比率を乗算したものであり、それぞれの比率による効果を生じさせて絶縁状態の測定を行うことができる。図10は、部品の個体差や環境温度の影響を受けた状態の絶縁抵抗Rと出力電圧VC1を示しており、出力電圧VC1が3.2[V]のときを絶縁劣化の閾値とすると、絶縁抵抗Rの閾値が誤差を含めるとB1の範囲(80kΩ〜280kΩ)となってしまうため、検出誤差が大きくなる。一方、図11は、本実施形態の出力値を用いた場合の絶縁抵抗Rと出力電圧VC1を示しており、出力値が1のときを絶縁劣化の判定の閾値としている。これにより、絶縁抵抗の閾値が誤差を含めるとB2の範囲(230kΩ〜280kΩ)となり、部品の個体差や環境温度の影響による絶縁抵抗Rの誤差が小さくなっていることがわかる。
分圧用抵抗31と外部回路11の絶縁抵抗Rとに分圧される分圧電圧VC1により外部回路11の絶縁抵抗Rを測定する場合には、部品の個体差等の部品のばらつきに起因して、分圧電圧VC1に誤差が生じるため、分圧電圧VC1によって測定される絶縁抵抗値についても誤差が生じ、絶縁状態の測定精度が低下するという問題がある。
また、上記実施形態によれば、分圧基準電圧VC2を形成するために回路を切り替える構成を設けなくてもよいため、装置の構成を簡素化することが可能になる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、出力値は、第1項の比率と第2項の比率を乗算していたが、第2項の比率を用いずに、第1項の比率を出力値として、部品の個体差の影響のみを抑制するようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、生成部22は、矩形波を生成して出力することとしたが、これに限られず、他の波形としてもよい。例えば、正弦波やのこぎり波等の交流信号を生成して出力してもよい。
(3)上記実施形態では、分圧測定電圧VC1及び分圧基準電圧VC2は、フィルタ回路32の出力電圧としたが、分圧用抵抗31とカップリングコンデンサ33の間(フィルタ回路32入力側)の電圧VB(図1参照)としてもよい。
21: CPU
24: 記憶部
25: 演算部
26: 出力部
27A,27B: 入力端子
28: 出力端子
29: 昇圧回路
30: 分圧回路
31: 分圧用抵抗
32: フィルタ回路
33: カップリングコンデンサ
38: 試験用基準抵抗
R: 絶縁抵抗
Claims (6)
- 検出対象となる外部回路の絶縁状態を測定するための絶縁状態測定装置であって、
信号を出力する出力端子を備え、演算処理を行う演算処理装置と、
前記演算処理装置の出力側に接続された分圧用抵抗とカップリングコンデンサと、
を備え、
前記カップリングコンデンサは、前記分圧用抵抗及び前記外部回路の絶縁抵抗の直列回路で分圧された分圧測定電圧の交流成分を前記外部回路に出力するものであり、
前記演算処理装置は、
基準抵抗を接続したときに入力される分圧基準電圧を記憶する基準電圧記憶部と、
前記分圧用抵抗と前記外部回路の前記絶縁抵抗とを直列に接続したときに入力される前記分圧測定電圧と、前記基準電圧記憶部から読み出した前記分圧基準電圧との比率を演算する演算部と、
を備える絶縁状態測定装置。 - 前記基準抵抗を接続したときに前記分圧基準電圧とは異なる電圧である基準電圧が前記演算部に入力されるとともに、前記分圧用抵抗と前記外部回路の前記絶縁抵抗とを直列に接続したときに前記分圧測定電圧とは異なる電圧である測定電圧が前記演算部に入力されており、前記演算部は、次式の演算を行う請求項1に記載の絶縁状態測定装置。
(分圧測定電圧/分圧基準電圧)×(基準電圧/測定電圧) - 前記基準抵抗は、前記外部回路の絶縁抵抗に代えて接続される試験用抵抗である請求項1又は請求項2に記載の絶縁状態測定装置。
- 前記演算処理装置は、さらに、
前記基準抵抗を接続したときに入力され、前記分圧基準電圧とは異なる電圧の基準電圧を記憶する電圧記憶部と、
前記演算部により演算された前記比率を、前記分圧用抵抗と前記外部回路の前記絶縁抵抗とを直列に接続したときに入力され、前記分圧測定電圧とは異なる電圧の測定電圧と前記電圧記憶部から読み出した前記基準電圧との比率に基づき補正する温度補正部とを備えた請求項1に記載の絶縁状態測定装置。 - 前記演算処理装置には、前記分圧測定電圧及び前記分圧基準電圧がフィルタ回路を介して入力されるようになっている請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の絶縁状態測定装置。
- 検出対象となる外部回路の絶縁状態を測定するための絶縁状態測定装置であって、
信号を出力する出力端子を備え、演算処理を行う演算処理装置と、
前記演算処理装置の出力側に接続された分圧用抵抗とカップリングコンデンサと、
を備え、
前記カップリングコンデンサは、前記分圧用抵抗及び前記外部回路の絶縁抵抗の直列回路で分圧された分圧測定電圧の交流成分を前記外部回路に出力するものであり、
前記演算処理装置は、
基準抵抗を接続したときに入力される分圧基準電圧を記憶する基準電圧記憶部と、
前記分圧用抵抗と前記外部回路の前記絶縁抵抗とを直列に接続したときに入力される前記分圧測定電圧と、前記基準電圧記憶部から読み出した前記分圧基準電圧との比率を演算する演算部と、
基準抵抗を接続したときに入力され、前記分圧基準電圧とは異なる電圧の基準電圧を記憶する電圧記憶部と、
前記演算部により演算された前記比率を、前記分圧用抵抗と前記外部回路の前記絶縁抵抗とを直列に接続したときに入力され、前記分圧測定電圧とは異なる電圧の測定電圧と前記電圧記憶部から読み出した前記基準電圧との比率に基づき補正する温度補正部と、を備える絶縁状態測定装置。
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