JP2018128179A - ラビリンスシール構造、熱処理炉および熱処理方法 - Google Patents

ラビリンスシール構造、熱処理炉および熱処理方法 Download PDF

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【課題】熱処理時に処理物から台車上に溶融金属が流出する台車搬送式の熱処理炉において、熱処理コストを抑制しつつ、台車の搬送トラブルの発生を抑制する。【解決手段】熱処理時に処理物から台車30上に溶融金属が流出する台車搬送式の熱処理炉10に設けられる、台車30側面と炉の側壁10b内面の断熱材17とで構成されるラビリンスシール構造1において、台車30側面のうち台車30から断熱材17側に突出する部分である台車凸部1aを上から見たときに、台車凸部1aの上面よりも低い位置にある断熱材17aで、かつ最も台車側に突出する部分である断熱材凸部1bの上に台車凸部1aが重ならないように構成する。【選択図】図3

Description

本発明は、熱処理炉に設けられる台車と炉の側壁との間のラビリンスシール構造に関する。
現在使用が禁止されている有害なPCBを含有する廃棄物は、専用の焼却炉において熱処理されることで無害化される。特許文献1にはPCB含有廃棄物を1100℃以上の温度まで加熱することで無害化する方法が開示されている。特許文献1では廃棄物を台車で搬送する台車搬送式の熱処理炉を使用しているが、従来の台車搬送式の熱処理炉においては、特許文献2のように台車の側面と炉の側壁内面との間に狭いジグザグ状の隙間が形成されるようにラビリンスシール構造を採用することが一般的である。このようなラビリンスシール構造により、台車の上方から下方への雰囲気ガスの流れ込みを抑制している。
特開2013−184089号公報 特開2011−158201号公報 特開2016−8802号公報
廃棄物を熱処理する際には炉内が高温状態になることから、廃棄物中にアルミニウム等の低融点金属が含まれている場合には、その金属が溶融し、溶融した金属(以下、“溶融金属”)が廃棄物から流出することがある。前述の台車搬送式の熱処理炉において廃棄物から溶融金属の流出が起こった場合、流出した溶融金属は、図1のように台車30の上面から耐火材33(例えば耐火レンガ)を伝って、ラビリンスシール構造80の隙間に流れていく。
そして、溶融金属は、耐火材33の最も炉の側壁10b側に突出した部分80aの側面から、炉の側壁10b内面に設けられた断熱材90(例えば断熱レンガ)の台車30側に突出した部分80bの上面に落下する。断熱材90の温度は炉内の雰囲気ガスの温度や耐火材33の温度よりも低いことから、断熱材90に接触した溶融金属は温度が下がり、凝固してしまう。したがって、従来のラビリンスシール構造80では、台車30と断熱材90間において金属の噛み込みや固着が起こりやすく、台車30の搬送トラブルが発生することがあった。
ここで、特許文献3には台車の上に籾殻を敷いて、溶融金属と台車の接触を回避する方法が開示されている。籾殻は廃棄物の熱処理時に焼却されてシリカ粉末となることから、そのシリカ粉末の上に溶融金属を落下するよう台車を構成することで、台車や炉壁、炉床への溶融金属の付着を抑えることが可能となる。シリカ粉末に落下した溶融金属は、台車を炉内から搬出した後にシリカ粉末と共に除去される。
しかしながら、特許文献3の籾殻を利用する方法は、台車を炉内に搬入する度に台車の上に籾殻を敷く作業が必要となり、手間がかかってしまう。これに加え、籾殻を燃焼させるために余計なエネルギーが必要となってしまう。このため、特許文献3の籾殻を利用する方法では熱処理に費やされるコストが増加してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、熱処理時に処理物から台車上に溶融金属が流出する台車搬送式の熱処理炉において、熱処理コストを抑制しつつ、台車の搬送トラブルの発生を抑制することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、熱処理時に処理物から台車上に溶融金属が流出する台車搬送式の熱処理炉に設けられる、台車側面と炉の側壁内面の断熱材とで構成されるラビリンスシール構造であって、前記台車側面のうち前記台車から前記断熱材側に突出する部分である台車凸部を上から見たときに、前記台車凸部の上面よりも低い位置にある断熱材で、かつ最も台車側に突出する部分である断熱材凸部の上に前記台車凸部が重ならないように構成されていることを特徴としている。
本発明に係るラビリンスシール構造は、台車凸部を上から見たときに断熱材凸部の上に台車凸部が重ならないように構成されているため、台車の上面および側面を伝って落下する溶融金属の少なくとも一部が断熱材に接触しなくなる。これにより、ラビリンスシール構造近傍において溶融金属の凝固が起こり難くなる。なお、本発明に係る“ラビリンスシール”とは、台車側面と炉の側壁内面の断熱材との間に形成されるジグザグ状の隙間部分で構成された非接触式のシールである。そのような隙間部分と認められない箇所とは、雰囲気ガスや溶融金属等の流体が水平方向に流れる部分(例えば台車凸部上面近傍)を除く箇所において、台車側面と炉壁内面の断熱材との水平距離が雰囲気ガスの流れを阻害しなくなる程度に大きくなる箇所である。前記箇所よりも下部はラビリンスシールを構成しない。ラビリンシールを構成しないと認められる前記水平距離は例えば20mm以上である。
また、別の観点による本発明は、熱処理時に処理物から台車上に溶融金属が流出する台車搬送式の熱処理炉であって、処理物を搬送する台車と、炉の側壁内面に設けられた断熱材と、上記のラビリンスシール構造とを備えていることを特徴としている。
また、別の観点による本発明は、上記の熱処理炉を使用して前記処理物の熱処理を行う熱処理方法である。
熱処理時に処理物から台車上に溶融金属が流出する台車搬送式の熱処理炉において、熱処理コストを抑制しつつ、台車の搬送トラブルの発生を抑制することができる。
従来のラビリンスシール構造の拡大図である。 本発明の実施形態に係る焼却炉の概略構成を示す図である。 図2中のA−A断面図であり、本発明の実施形態に係るラビリンスシール構造を示す図である。 本発明の実施形態に係るラビリンスシール構造の拡大図である。 図4中のB−B断面図であり、台車凸部上面における水平断面を上から見た図である。 本発明の他の実施形態に係るラビリンスシール構造の拡大図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図2は熱処理炉の一例であるPCB含有廃棄物Wの焼却炉10の概略構成を示す図である。廃棄物Wには融点が1000℃以下の金属(例えばアルミニウム)が含まれている。図2に示すように本実施形態の焼却炉10は、加熱処理前の廃棄物Wが待機する搬入待機室11と、廃棄物Wの加熱処理を行う処理室12と、加熱処理後の廃棄物Wが待機する搬出待機室13を備えている。搬入待機室11と処理室12の間、および、処理室12と搬出待機室13との間には開閉自在な扉14が設けられている。処理室12は、廃棄物Wを加熱する昇温部12aと、加熱された廃棄物Wの温度を保持する温度保持部12bと、廃棄物Wを冷却する冷却部12cとを有している。
処理室12の昇温部12aおよび温度保持部12bの天井部には排気ダクト15に接続されており、処理室内の排ガスは排気ダクト15を介して排ガス処理装置(不図示)に送られる。なお、処理室12の昇温部12aおよび温度保持部12bの側壁部には一定の間隔でバーナー(不図示)が設置されており、廃棄物Wはそのバーナーにより加熱される。
廃棄物Wの炉内の移動は台車30により行われる。台車30の炉内の移動は、搬入待機室11に設けられた台車押出装置40と搬出待機室13に設けられた台車引出装置50によって行われる。
台車押出装置40は、シリンダーロッド42が上下に伸縮するように構成されたシリンダー装置41と、シリンダーロッド42の先端部に接続されている複数のリンク44から成るリンク機構43とを備えている。リンク機構43は、シリンダーロッド42の上下動に連動してリンク機構43の先端部(搬送ラインの最も下流側に位置するリンク44の端部)が水平方向に移動するように構成されている。リンク機構43の先端部には、台車30を搬入待機室11から処理室12に押し出す押出部材45が取り付けられている。
台車引出装置50は、シリンダーロッド52が上下に伸縮するように構成されたシリンダー装置51と、シリンダーロッド52の先端部に接続されている複数のリンク54から成るリンク機構53とを備えている。リンク機構53は、シリンダーロッド52の上下動に連動してリンク機構53の先端部(搬送ラインの最も上流側に位置するリンク54の端部)が水平方向に移動するように構成されている。リンク機構53の先端部には、台車30を処理室12から搬出待機室13に引き出す引出部材55が取り付けられている。引出部材55には、上方に突出する突出部55aが形成されており、シリンダーロッド52の伸長時に台車30の下面部に引っ掛かるような形状となっている。
搬入待機室11にある台車30は、扉14が開放されている間に台車押出装置40の押出部材45に押されることで処理室12に搬送される。処理室に搬送された台車30は既に処理室内にある台車30に接触し、その状態で更に台車30が押し込まれることによって処理室12内の各台車30が搬送方向下流側に台車1台分ずつ移動する。処理室12から押し出されて搬出待機室13側に移動した台車30は、台車引出装置50の突出部55aにより、搬出待機室13に引き込まれ、扉14が閉じられる。台車30はこのようにして焼却炉10内を移動する。なお、台車30は図1の紙面垂直方向に沿って搬入待機室11への搬入および搬出待機室13からの搬出が行われる。
図3に示すように台車30は、炉床10aに敷設されたレール20に嵌合する車輪31と、鋼材からなる台32と、台32の上で3層に積み重ねられた矩形状の耐火材33(例えば耐火レンガ)と、廃棄物Wが載せられる天板34で構成されている。以降の説明では上記3層の耐火材33を上から順に上部耐火材33a、中央部耐火材33b、下部耐火材33cと称する。なお、天板34も耐火性材料(例えば耐火レンガ)で形成されている。
図3、図4に示すように中央部耐火材33bは上部耐火材33aおよび下部耐火材33cに対して幅が長くなっている。すなわち、中央部耐火材33bは上部耐火材33aおよび下部耐火材33cに対して断熱材17側に突出した状態となっている。一方、炉の側壁10b内面には断熱ブランケット16が設けられ、断熱ブランケット16の更に内方には炉の高さ方向に沿って積み重ねられた矩形状の複数の断熱材17(例えば断熱レンガ)が配置されている。これらの断熱材17のうち、いくつかの断熱材17は互いに厚さや幅が異なっており、台車30の耐火材33に対向する部分の断熱材17は上部耐火材33a、中央部耐火材33bおよび下部耐火材33cとの間でジグザグ状の隙間が形成されるようなサイズとなっている。すなわち、台車30側面と炉の側壁10b内面の断熱材17とでラビリンスシール構造1が構成されている。なお、本実施形態において、ラビリンスシール構造1は処理室12の昇温部12aから温度保持部12bまでの間に設けられており、冷却部12cには設けられていない。
ここで、ラビリンスシール構造1を構成する台車30側面のうち、断熱材17側に突出する部分を“台車凸部”と称する。図4に示すように本実施形態においては、ラビリンスシール構造1を構成する耐火材33のうち、中央部耐火材33bの上部耐火材33aおよび下部耐火材33cに対して断熱材17側に突出する部分が台車凸部1aとなる。
図5は図4中のB−B断面図であり、台車凸部1aを上から見た図に相当する。本実施形態のラビリンスシール構造1は、台車凸部1aを上から見たときに、台車凸部1aの上面よりも低い位置にある断熱材17(以下、“下部断熱材17a”)の上に、台車凸部1aが重ならないように構成され、台車凸部1aと下部断熱材17aとの間に隙間Dが形成されている。本実施形態においては廃棄物Wから台車30上に流出した溶融金属が図4のように台車30の天板34上面、天板34側面、上部耐火材33aの上面、上部耐火材33aの側面、中央部耐火材33bの上面および中央部耐火材33bの側面を伝って落下した際に、溶融金属が下部断熱材17aに接触しないように十分に大きな隙間Dが形成されている。これにより台車凸部1aから落下する溶融金属が耐火材33よりも低温である断熱材17に接触しなくなり、溶融金属を凝固させ難くすることができる。
台車凸部1aの下方には台車凸部1aから落下した溶融金属が接触する傾斜部18が設けられている。傾斜部18は炉壁の一部が加工されることにより傾斜面18aが形成されている。台車凸部1aから落下した溶融金属は、ラビリンスシール構造1の下方空間にある温度の低い炉壁に接触することで凝固し始めるが、このような傾斜部18が設けられていることにより、台車凸部1aから落下した溶融金属が炉床10aに向かって流れやすくなる。このため、台車凸部1aから落下した溶融金属の一部については、凝固する前に炉床10aに流れることになる。これにより、ラビリンスシール構造1近傍において溶融金属を更に凝固させ難くすることができる。また、傾斜部18が設けられていることにより、ラビリンスシール構造1の隙間を通過してきた固形落下物の堆積を防ぐこともできる。
以上のように本実施形態のラビリンスシール構造1は、台車凸部1aを上から見たときに、下部断熱材17aの上に台車凸部1aが重ならないように構成され、台車凸部1aと下部断熱材17aとの間に台車凸部1aから落下する溶融金属が下部断熱材17aに接触しないような隙間が形成されている。これにより、台車凸部1aから落下した溶融金属がラビリンスシール構造1近傍において凝固し難くなる。その結果、凝固した溶融金属と台車30とが接触することによる搬送トラブルの発生を抑えることができる。また、本実施形態のラビリンスシール構造1によれば、炉の操業中に作業者が特別な作業を行うことは不要であるため、本実施形態のラビリンスシール構造1を採用するにあたっての熱処理コストの増加を抑えることができる。なお、本実施形態のラビリンスシール構造1においては、下部耐火材33cと断熱材17との間の空間が従前よりも大きくなるが、上部耐火材33aおよび中央部耐火材33bと断熱材17との間の隙間を適宜設定することで、熱処理炉として必要なシール性を担保することは可能である。
本実施形態では、台車凸部1aを上から見たときに、台車凸部1aと下部断熱材17aとの間に台車凸部1aから落下した溶融金属が接触しないような隙間Dが形成されているが、例えば図6に示すように下部断熱材17aの一部に台車凸部1aから落下した溶融金属が接触するように隙間Dを形成しても良い。この場合において、台車凸部1aの上面よりも低い位置にある断熱材17のうち、最も台車30側に突出している部分を“断熱材凸部”と称すると、図6に示すラビリンスシール構造1は、前述の実施形態と同様に断熱材凸部1bの上に台車凸部1aが重ならないように構成されている。
従来のラビリンスシール構造では台車凸部から落下した溶融金属を断熱材凸部の上面で受けていたが、図6に示すラビリンスシール構造1では、台車凸部1aから落下する溶融金属の一部は断熱材凸部1bの上面に接触せず、炉床10aに向かって流れていく。その結果、断熱材凸部1bの上面で全ての溶融金属を受ける場合よりも、ラビリンスシール構造1近傍において溶融金属が凝固し難くなり、凝固した溶融金属と台車30との接触が起こり難くなる。これにより、台車30の搬送トラブルの発生を抑えることが可能となる。
ただし、前述の実施形態のように台車凸部1aを上から見たときの台車凸部1aと下部断熱材17aとの間に台車凸部1aから落下した溶融金属が接触しないような隙間が形成されていれば、ラビリンスシール構造1近傍において溶融金属を更に凝固させ難くすることができる。なお、本明細書においては図4のように下部断熱材17aが全て同幅である場合には、断熱材凸部は下部断熱材17aそのものを指すこととする。
なお、上記実施形態では、ラビリンスシール構造1を構成する耐火材33の側面およびこれに対向する断熱材17の側面が鉛直面となるように耐火材33、断熱材17が形成されていたが、耐火材33および断熱材17の形状はこれに限定されない。また、台車30側面においてラビリンスシール構造1を構成する部材は耐火材33に限定されない
また、上記実施形態では台車凸部1aが1つだけある場合を例示したが、台車凸部1aは複数あっても良い。この場合、台車凸部1aごとに断熱材凸部1bを定義し、各台車凸部1aに対応する断熱材凸部1bの上に各台車凸部1aが重ならないようにラビリンスシール構造1が設けられていれば、前述の実施形態と同様にラビリンスシール構造1近傍において溶融金属を凝固させ難くすることができる。
また、上記実施形態では熱処理炉としてPCB含有廃棄物Wの焼却炉10を例に挙げて説明したが、熱処理時に処理物から台車30上に溶融金属が流出するような熱処理炉であっても、上記実施形態と同様に断熱材凸部1bの上に台車凸部1aが重ならないようにラビリンスシール構造1を設けることで、ラビリンスシール構造1近傍において溶融金属を凝固させ難くすることができる。
また、本発明による副次的な効果として、以下の2点を挙げることが出来る。
図1のような従来技術に係るラビリンスシール構造においては、溶融金属の固着による台車搬送停止という不具合以外に、固着した溶融金属により炉壁が削れて炉壁の損耗につながるという不具合があったが、本発明によれば、この不具合を解消し炉材の延命を図ることが出来る。
また、従来のラビリンスシール構造においては、台車移動時の振動や熱処理の影響により台車から落下する溶融金属以外の碍子等の小さな落下物が、ラビリンスシール部を通過して断熱材凸部上面に溜まることで、台車の搬送停止や炉壁の損耗といった不具合を引き起こしていたが、本発明によれば、この不具合を解消し、台車の搬送トラブルの発生を抑制し、炉材の延命を図ることが出来る。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
PCB含有廃棄物の焼却処理を実施し、ラビリンスシール近傍の耐火材と断熱材の温度、および炉床の温度を測定した。廃棄物には金属アルミニウム(凝固点660℃)が含まれている。焼却炉は図2に示す連続式の焼却炉であり、ラビリンスシール構造は図3に示す構造のものを採用している。焼却温度は1100℃である。
そのような条件で焼却処理を実施したところ、操業開始後、炉の定期メンテナンスまでの間に台車の搬送トラブルは起こらなかった。ラビリンスシールを構成する各部材の温度を測定したところ、ラビリンスシール上部の台車側耐熱レンガの温度は900℃程度、ラビリンスシール中央部の台車側耐熱レンガの温度は700〜800℃、ラビリンスシール中央部の炉壁側断熱レンガの温度は500℃程度であった。ラビリンスシール中央部の台車側耐熱レンガの温度は溶融アルミニウムの凝固点よりも高い温度であることから、ラビリンスシール中央部の台車側耐熱レンガに接触している間、溶融アルミニウムは凝固しない。そして、本実施例のラビリンスシール構造においては、ラビリンスシール中央部の台車側耐熱レンガから落下する溶融アルミニウムが炉壁側断熱材に接触しないことから、溶融アルミニウムは凝固することなく、炉床まで流れていた。
なお、炉床の温度は従前のラビリンスシール構造を採用した場合と同様に100℃程度に保たれており、ラビリンスシールのガスの回り込みを抑制する効果は維持されている。
本発明は、PCB含有廃棄物の焼却処理に適用することができる。
1 ラビリンスシール構造
1a 台車凸部
1b 断熱材凸部
10 焼却炉
10a 炉床
10b 炉壁
11 搬入待機室
12 処理室
12a 昇温部
12b 温度保持部
12c 冷却部
13 搬出待機室
14 扉
15 排気ダクト
16 断熱ブランケット
17 断熱材
17a 下部断熱材
18 傾斜部
18a 傾斜面
20 レール
30 台車
31 車輪
32 台
33 耐火材
33a 上部耐火材
33b 中央部耐火材
33c 下部耐火材
34 天板
40 台車押出装置
41 シリンダー装置
42 シリンダーロッド
43 リンク機構
44 リンク
45 押出部材
50 台車引出装置
51 シリンダー装置
52 シリンダーロッド
53 リンク機構
54 リンク
55 引出部材
55a 引出部材の突出部
80 従来のラビリンスシール構造
80a 台車突出部
80b 断熱材突出部
90 断熱材
D 台車凸部と断熱材凸部の隙間
W 廃棄物

Claims (6)

  1. 熱処理時に処理物から台車上に溶融金属が流出する台車搬送式の熱処理炉に設けられる、台車側面と炉の側壁内面の断熱材とで構成されるラビリンスシール構造であって、
    前記台車側面のうち前記台車から前記断熱材側に突出する部分である台車凸部を上から見たときに、前記台車凸部の上面よりも低い位置にある断熱材で、かつ最も台車側に突出する部分である断熱材凸部の上に前記台車凸部が重ならないように構成されている、ラビリンスシール構造。
  2. 前記台車凸部を上から見たときの前記台車凸部と前記断熱材凸部との間に、前記台車凸部から落下した溶融金属が前記断熱材凸部に接触しないような隙間が形成されている、請求項1に記載のラビリンスシール構造。
  3. 前記台車凸部の下方において、該台車凸部から落下した溶融金属が炉床に向けて流れるように傾斜部が設けられている、請求項1に記載のラビリンスシール構造。
  4. 熱処理時に処理物から台車上に溶融金属が流出する台車搬送式の熱処理炉であって、
    処理物を搬送する台車と、
    炉の側壁内面に設けられた断熱材と、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のラビリンスシール構造とを備えた、熱処理炉。
  5. 前記処理物は融点が1000℃以下の金属を含むPCB含有廃棄物であり、該PCB含有廃棄物を焼却処理するように構成されている、請求項4に記載の熱処理炉。
  6. 請求項4又は5に記載の熱処理炉を使用して前記処理物の熱処理を行う、熱処理方法。
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