JP2018127518A - 接着シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造時に接着剤層を良好に個片化することができる接着シートおよびその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の接着シート1は、本発明に係る接着シートは、離型フィルムと、 前記離型フィルムに保持され、接着剤層を個片化してなる複数の個片状接着剤層とを有し、前記個片状接着剤層は、面積が100mm2以下であり、前記個片状接着剤層の面積をS(mm2)とし、前記接着剤層について幅25mm×長さ300mmの試験片を作成し、前記離型フィルムと前記試験片との剥離力をF(mN/25mm)としたとき、F>5461.7×S-1.155であることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、接着シートに関し、特に電気電子部品を接着するための接着シートおよびその製造方法に関する。
近時、半導体ウエハを個々のチップに切断分離(ダイシング)する際に半導体ウエハを固定するためのダイシングテープと、切断された半導体チップをリードフレームやパッケージ基板等に接着するため、又は、スタックドパッケージにおいては、半導体チップ同士を積層、接着するためのダイボンディングフィルム(ダイアタッチフィルムともいう)との2つの機能を併せ持つ接着シートが開発されている。
このような接着シートとしては、ウエハへの貼り付けや、ダイシングの際のリングフレームへの取り付け等の作業性を考慮して、プリカット加工が施されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
プリカット加工された接着シートの例を、図7に示す。図7(a)は、接着シートの粘着フィルム53側から見た平面図であり、図7(b)は、図7(a)の線B−Bによる断面図である。接着シート50は、離型フィルム51と、接着剤層52と、粘着フィルム53とからなる。接着剤層52は、ウエハの形状に対応する円形に加工されたものであり、円形ラベル形状を有する。粘着フィルム53は、ダイシング用のリングフレームの形状に対応する円形部分の周辺領域が除去されたものであり、図示のように、円形ラベル部53aと、その外側を囲むような周辺部53bとを有する。接着剤層52と粘着フィルム53の円形ラベル部53aとは、その中心を揃えて積層され、また、粘着フィルム53の円形ラベル部53aは、接着剤層52を覆い、かつ、その周囲で離型フィルム51に接触している。粘着フィルム53は、一般に基材フィルム上に粘着剤層が積層されてなる。
ウエハをダイシングする際には、積層状態の接着剤層52及び粘着フィルム53から離型フィルム51を剥離し、図8に示すように、接着剤層52上に半導体ウエハWの裏面を貼り付け、粘着フィルム53の円形ラベル部53aの外縁部にダイシング用リングフレームRを粘着固定する。この状態で半導体ウエハWをダイシングし、その後、必要に応じて粘着フィルム53に紫外線照射等の硬化処理を施して、粘着フィルム53をエキスパンドして半導体チップをピックアップする。接着剤層52は、ダイシング時および/またはエキスパンド時に、チップサイズに分断される。そして、半導体チップは、裏面に接着剤層52が付着した状態で粘着フィルム53から剥離されてピックアップされる。半導体チップの裏面に付着した接着剤層52は、その後、半導体チップをリードフレームやパッケージ基板、あるいは他の半導体チップに接着する際に、ダイボンディングフィルムとして機能する。
ところで、従来、主に半導体チップの接着に用いられてきた接着シートは、優れた取り扱い性と接着性を有するため、半導体チップの接着だけでなく、電子部品一般の接着に使用したいという要請がある。しかしながら、従来の接着シートは、プリカットされている場合であっても、接着剤層が半導体ウエハに対応する形状にプリカットされているため、すでに個片化された電子部品の接着に用いる場合は、実装時に、電子部品の形状に合わせて切断して使用することになり不便である。
そこで、接着剤層を予め電子部品の形状に合わせて個片化しておくことが考えられる。接着剤層を個片化する方法としては、離型フィルムの一面に接着剤層組成物の溶液を塗布して乾燥させた後、押し切り刃を用いて打ち抜き加工する方法が挙げられる。
しかしながら、電子部品の形状に合わせて打ち抜かれた接着剤層の個片は面積が小さいため、特許文献1のような従来の接着シートにおける接着剤層では、離型フィルムによる接着剤層の個片の保持力が小さく、打ち抜いた際に、押し切り刃に接着剤層の個片部分をもっていかれるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、製造時に接着剤層を良好に個片化することができる接着シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明に係る接着シートは、離型フィルムと、 前記離型フィルムに保持され、接着剤層を個片化してなる複数の個片状接着剤層とを有し、前記個片状接着剤層は、面積が100mm2以下であり、前記個片状接着剤層の面積をS(mm2)とし、前記接着剤層について幅25mm×長さ300mmの試験片を作成し、前記離型フィルムと前記試験片との剥離力をF(mN/25mm)としたとき、F>5461.7×S-1.155であることを特徴とする。
上記接着シートは、前記離型フィルムが長尺のフィルムからなり、前記個片状接着剤層の外縁が、前記離型フィルムの長手方向に対し直交する直線部を有しないことが好ましい。
上記接着シートは、前記個片状接着剤層の前記離型フィルムとは反対側に、粘着テープが設けられていることが好ましい。
また、以上の課題を解決するため、本発明に係る接着シートの製造方法は、離型フィルム上に接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、前記接着剤層を、複数個の所定形状の個片に、打ち抜く打ち抜き工程と、前記個片の周辺の不要部分を剥離して除去し、個片状接着剤層を形成する不要部分除去工程とを有し、前記個片状接着剤層は、面積が100mm2以下であり、 前記個片状接着剤層の面積をS(mm2)とし、前記接着剤層について幅25mm×長さ300mmの試験片を作成し、前記離型フィルムと前記試験片との剥離力をF(mN/25mm)としたとき、F>5461.7×S-1.155であることを特徴とする。
本発明によれば、製造時に接着剤層を良好に個片化することができる。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る接着シート1を示す断面図である。この接着シート1は、離型フィルム2と、離型フィルム2に保持され、接着剤層を個片化してなる複数の個片状接着剤層3とを有しており、個片状接着剤層3の離型フィルム1とは反対側には、粘着テープ4が設けられている。粘着テープ4は、個片状接着剤層3を覆い、且つ、個片状接着剤層3の周囲で離型フィルム2に接触するように設けられた所定の平面形状のラベル部4aと該ラベル部4aの外側を囲むような周辺部4bとを有している。なお、本発明に係る接着シートは、必ずしも粘着テープ4を備えていなくてもよい。
ラベル部4aは、リングフレームR(図5参照)に対応する形状を有する。リングフレームRの形状に対応する形状は、リングフレームRの内側と略同じ形状でリングフレームR内側の大きさより大きい相似形であることが好ましい。また、必ずしも円形でなくてもよいが、円形に近い形状が好ましく、円形であることがさらに好ましい。周辺部4bは、ラベル部4aの外側を完全に囲む形態と、図示のような完全には囲まない形態とを含む。なお、周辺部4bは、設けられていなくてもよい。
また、本発明の接着シートは、必ずしも支持部材5が設けられていなくてもよいが、本実施形態に係る接着シート1においては、離型フィルム2の短手方向両端部に支持部材5が設けられている。
本発明の接着シート1は、図2に示すように、個片状接着剤層3、粘着テープ4のラベル部4aが積層された積層体が複数形成された長尺の離型フィルム2を、ロール状に巻き取った形態であってもよいし、離型フィルム2に設けられた積層体が1つずつ切断された形態であってもよい。以下に、各構成要素について説明する。
<離型フィルム2>
本発明の接着シート1に用いられる離型フィルム2としては、特に限定されるものではなく、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)、PTT(ポリトリブチレンテレフタレート)等のポリエステル;PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等のポリオレフィン;EMA(エチレンーメチルアクリレート共重合樹脂)、EEA(エチレンーエチルアクリレート共重合樹脂)、EBA(エチレンーブチルアクリレート共重合樹脂)等のエチレンーアクリレート共重合樹脂;またこれらの材料を一部置換して、更に接着性や機械的強度を向上したフィルム、その他、離型処理がされたフィルム使用することができる。また、これらのフィルムの積層体であってもよい。
本発明の接着シート1に用いられる離型フィルム2としては、特に限定されるものではなく、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)、PTT(ポリトリブチレンテレフタレート)等のポリエステル;PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等のポリオレフィン;EMA(エチレンーメチルアクリレート共重合樹脂)、EEA(エチレンーエチルアクリレート共重合樹脂)、EBA(エチレンーブチルアクリレート共重合樹脂)等のエチレンーアクリレート共重合樹脂;またこれらの材料を一部置換して、更に接着性や機械的強度を向上したフィルム、その他、離型処理がされたフィルム使用することができる。また、これらのフィルムの積層体であってもよい。
離型フィルム2の厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、25〜75μmが好ましい。
<個片状接着剤層3>
個片状接着剤層3は接着剤層を個片化したものであり、接着剤層は接着剤を予めフィルム化したものである。
個片状接着剤層3は接着剤層を個片化したものであり、接着剤層は接着剤を予めフィルム化したものである。
接着剤層は、少なくとも熱硬化性樹脂により形成されており、少なくとも熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とにより形成されていることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロン等のポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、又はフッ素樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらの熱可塑性樹脂のうち、イオン性不純物が少なく応力緩和性に優れる点でアクリル樹脂が、可とう性と強度を両立して高靭性である点でフェノキシ樹脂が特に好ましい。
アクリル樹脂としては、特に限定されるものではなく、炭素数30以下(好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数6〜10、特に好ましくは炭素数8又は9)の直鎖若しくは分岐のアルキル基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステルの1種又は2種以上を成分とする重合体等が挙げられる。すなわち、本発明では、アクリル樹脂とは、メタクリル樹脂も含む広義の意味である。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基等が挙げられる。
また、アクリル樹脂を形成するための他のモノマー(アルキル基の炭素数が30以下のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル以外のモノマー)としては、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸若しくはクロトン酸等の様なカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸若しくは無水イタコン酸等の様な酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル若しくは(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等の様なヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート若しくは(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等の様なスルホン酸基含有モノマー、又は2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の様な燐酸基含有モノマーなどが挙げられる。尚、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及び/又はメタクリル酸をいい、本発明の(メタ)とは全て同様の意味である。
また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂の他、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、単独で又は2種以上併用して用いることができる。熱硬化性樹脂としては、特に、エポキシ樹脂が好適であり、エポキシ樹脂の硬化剤としてはフェノール樹脂を好適に用いることができる。
エポキシ樹脂としては、特に限定は無く、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオンレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の二官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ樹脂、又はヒダントイン型エポキシ樹脂、トリスグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂若しくはグリシジルアミン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を用いることができる。
エポキシ樹脂としては、例示のうちノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエポキシ樹脂は、硬化剤としてのフェノール樹脂との反応性に富み、耐熱性等に優れるからである。
更に、フェノール樹脂は、エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであり、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン等が挙げられる。フェノール樹脂は単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらのフェノール樹脂のうちフェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、例えば、エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.5当量〜2.0当量になるように配合することが好適である。より好適なのは、0.8当量〜1.2当量である。即ち、両者の配合割合が前記範囲を外れると、十分な硬化反応が進まず、エポキシ樹脂硬化物の特性が劣化し易くなるからである。
また、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の熱硬化促進触媒が用いられていても良い。熱硬化促進触媒としては、特に制限されず、公知の熱硬化促進触媒の中から適宜選択して用いることができる。熱硬化促進触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱硬化促進触媒としては、例えば、アミン系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、ホウ素系硬化促進剤、リン−ホウ素系硬化促進剤などを用いることができる。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、上述のようにフェノール樹脂を用いることが好ましいが、イミダゾール類、アミン類、酸無水物類等の公知の硬化剤を使用することもできる。
接着剤層を個片化した個片状接着剤層3は、電子部品などの被着体に対して接着性(密着性)を有していることが重要である。そこで、接着剤層を予めある程度架橋させておくため、重合体の分子鎖末端の官能基等と反応する多官能性化合物を架橋剤として添加させておいてもよい。これにより、高温下での接着特性を向上させ、耐熱性の改善を図ることができる。
架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤を用いることができる。具体的には、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤が好適である。また、前記架橋剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、本発明では、架橋剤を用いる代わりに、あるいは、架橋剤を用いるとともに、電子線や紫外線などの照射により架橋処理を施すことも可能である。
接着剤層には、必要に応じて他の添加剤を適宜に配合することができる。他の添加剤としては、例えば、充填剤(フィラー)、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤の他、増量剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤などが挙げられる。
充填剤としては、無機充填剤、有機充填剤のいずれであってもよいが、無機充填剤が好適である。無機充填剤等の充填剤の配合により、接着剤層4の熱伝導性の向上、弾性率の調節等を図ることができる。無機充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、酸化ベリリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等のセラミック類、アルミニウム、銅、銀、金、ニッケル、クロム、鉛、錫、亜鉛、パラジウム、半田などの金属、又は合金類、その他カーボンなどからなる種々の無機粉末などが挙げられる。充填剤は単独で又は2種以上を併用して用いることができる。充填剤としては、なかでも、シリカまたはアルミナが、シリカとしては特に溶融シリカが好適である。なお、無機充填剤の平均粒径は0.001μm〜80μmの範囲内であることが好ましい。無機充填剤の平均粒径は、例えば、レーザー回折型粒度分布測定装置によって測定することができる。
充填剤(特に無機充填剤)の配合量は、有機樹脂成分に対して98重量%以下(0重量%〜98重量%)であることが好ましく、特にシリカの場合は0重量%〜70重量%、熱伝導や導電などの機能性無機充填剤の場合は10重量%〜98重量%であることが好適である。
また、難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂等が挙げられる。難燃剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。シランカップリング剤としては、例えば、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。イオントラップ剤としては、例えばハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等が挙げられる。イオントラップ剤は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
接着剤層は、接着性と信頼性の観点から、特に(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)アクリル樹脂またはフェノキシ樹脂、および(D)表面処理された無機充填材を含有することが好ましい。
(A)エポキシ樹脂を用いることにより、高い接着性、耐水性、耐熱性を得られる。エポキシ樹脂としては、上述の公知のエポキシ樹脂を用いることができる。(B)硬化剤は上述の公知の硬化剤を用いることができる。
(C)アクリル樹脂は、可とう性と強度を両立して高靭性な組成物が得られる。好ましいアクリル樹脂は、Tg(ガラス転移温度)が−50℃〜50℃であり、エポキシ基、グリシジル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基またはカルボキシル基を架橋性官能基として有するモノマーを重合して得た架橋性官能基含有(メタ)アクリル共重合体である。さらに、アクリロニトリル等を含有してゴム特性を示すとより高靭性が得られる。
また、(C)フェノキシ樹脂は、フェノキシ樹脂は分子鎖が長くエポキシ樹脂と構造が似ており、高架橋密度の組成物中で可とう性材料として作用し、高靭性を付与するので高強度でありながらタフネスな組成物が得られる。好ましいフェノキシ樹脂は、主骨格がビスフェノールA型のものであるが、その他にビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA/F混合型フェノキシ樹脂や臭素化フェノキシ樹脂等市販のフェノキシ樹脂が好ましいものとして挙げられる。
また、(C)フェノキシ樹脂は、フェノキシ樹脂は分子鎖が長くエポキシ樹脂と構造が似ており、高架橋密度の組成物中で可とう性材料として作用し、高靭性を付与するので高強度でありながらタフネスな組成物が得られる。好ましいフェノキシ樹脂は、主骨格がビスフェノールA型のものであるが、その他にビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールA/F混合型フェノキシ樹脂や臭素化フェノキシ樹脂等市販のフェノキシ樹脂が好ましいものとして挙げられる。
(D)表面処理された無機充填材としては、カップリング剤で表面処理された無機充填剤が挙げられる。無機充填材としては、上述の公知の無機充填剤を用いることができ、例えば、シリカ、アルミナである。カップリング剤で表面処理されていることにより、無機充填剤の分散性が良好になる。このため、流動性に優れる接着剤層4を得られるので離型フィルム2との剥離力を向上させることができる。また、無機充填剤を高充填させることができるようになるので、吸水率を下げ耐湿性を向上させることができる。
例えばシランカップリング剤による無機充填材の表面処理は、公知の方法により、シランカップリング剤溶液中に無機充填材を分散させることにより、無機充填剤の表面に存在する水酸基とシランカップリング剤のアルコキシ基等の加水分解基が加水分解されたシラノール基とを反応させて無機充填剤の表面にSi−O−Si結合を生成することにより行われる。
接着剤層の厚さは特に制限されるものではないが、通常取扱い性の観点から、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、電気電子デバイスの薄型化に寄与するために100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。接着剤層は単層で構成されても複数層で構成されていてもよい。
個片状接着剤層3は、上述のような接着剤層を、押し切り刃等を用いて複数の個片に打ち抜いてなる。個片状接着剤層3は、面積が100mm2以下である。本発明に係る接着シート1は、電子デバイスを構成する面積が小さい電子部品の接着に用いることができる。
個片状接着剤層3の面積をS(mm2)とし、Bステージ(未硬化状態または半硬化状態)における接着剤層について幅25mm×長さ300mmの試験片を作成し、離型フィルム2と該試験片との剥離力をF(mN/25mm)としたとき、F>5461.7×S-1.155である。
剥離力は、JIS Z0237に準拠し、23℃、50%RHの環境下で、万能型引張試験機を用いて剥離角度180°、剥離速度300mm/minで測定する。
剥離力Fが5461.7×S-1.155(mN/25mm)より大きいと、接着剤層を所定形状の個片に打ち抜いて個片状接着剤層3を形成する際に、個片状接着剤層3が離型フィルム2に良好に保持される。
剥離力Fの上限値は、特に限定されることはなく、適宜設計可能であるが、使用時に離型フィルム2や粘着テープ4から良好に剥離できるという観点から、5N/25mm以下であることが好ましい。
剥離力Fを上記範囲とするには、接着剤層4の粘弾性や表面エネルギー、離型フィルム2の表面エネルギーをそれぞれ調整したり、その組合せを調整するとよい。
個片状接着剤層3の形状は、特に限定されるものではなく、接着する電子部品の形状に合わせて、適宜設計することができる。本実施形態においては、個片状接着剤層3の対向する2つの直線部と、この2つの直線部の両端にそれぞれ、1の直線部の端部と他の直線部の端部とに接続して形成された2つの円弧部とからなる形状(本明細書においては便宜上「小判形」と称する)を有する。
また、個片状接着剤層3同士の間隔はなくてもよいが、打ち抜き加工をした場合、接着剤層は柔軟で粘着性があり、使用するまでの間に個片状接着剤層3同士が癒着してしまうおそれがあるため、所定の間隔を隔てて設けることが好ましい。
本実施形態においては、個片状接着剤層3の形状を小判形としたが、図3に示すように、正方形であってもよいし、その他の多角形であってもよいし、円形や楕円形、その他不規則な形状であってもよい。
個片状接着剤層3は、その外縁が、離型フィルム2の長手方向に対し直交する直線部を有していないことが好ましい。すなわち、個片状接着剤層3は、直線部を有する形状である場合、直線部が離型フィルム2の長手方向に直交しないように配置されていることが好ましい。
個片状接着剤層3が正方形である場合を例に、より詳細に説明する。図3(a),(b)に示すように、正方形を構成する4つの直線部が、離型フィルム2の長手方向nと直交していない、つまり、4つの直線部と離型フィルム2の長手方向nとのなす角xが、x1〜x8のように90°でないことが好ましい。図3(c)に示すように、1の直線部cについてみたとき、1つでも離型フィルム2の長手方向nとのなす角xが、x9のように90°となっていると好ましくない。
個片状接着剤層3が正方形である場合、いずれかの直線部を離型フィルム2の長手方向nと平行となるように配置すると、他の直線部が離型フィルム2の長手方向nと直交するため、図3(a)に示すように、1の直線部cについてみたとき、直線部cが離型フィルム2の長手方向nに直行する短手方向mと平行な状態から離型フィルム2の長手方向nに向けて傾けたときにおける、直線部cと離型フィルム2の長手方向nとのなす角がx1のように45°であることがさらに好ましい。
なお、個片状接着剤層3が小判形である場合のように、すべての直線部と離型フィルム2の長手方向とのなす角が0°、すなわち直線部は離型フィルム2の長手方向nと平行となるように配置することができるのであれば、このように配置することが好ましい。
個片状接着剤層3の外縁が、離型フィルム2の長手方向に対し直交する直線部を有しないと、接着剤層を個片状接着剤層3の形状に打ち抜いた後、個片状接着剤層3の周辺の不要部分を離型フィルム2から剥離して除去する際に、個片状接着剤層3が不要部分とともに持っていかれてしまうのを防止して、不要部分のみを良好に剥離することができる。
より詳細には、本実施形態のように長尺の離型フィルム2を用いた場合、接着剤層を個片状接着剤層3の形状に打ち抜いた後の不要部分の離型フィルム2からの剥離は、長手方向に沿っておこなう。個片状接着剤層3の外縁が、離型フィルム2の長手方向に対し直交する直線部を有していない場合、剥離開始個所において個片状接着剤層3と不要部分とが線接触ではなく点接触となるため、個片状接着剤層3が不要部分とともに持っていかれてしまうのを防止することができる。
なお、本実施形態においては、個片状接着剤層3は、その外縁が、離型フィルム2の長手方向nに対し直交する直線部を有しないようにしたが、長尺ではない離型フィルムを用い、離型フィルムの長手方向と接着剤層の不要部分の剥離方向とが一致しない場合や、長手方向を有しない離型フィルムを用いる場合は、個片状接着剤層3は、その外縁が、接着剤層の不要部分の剥離方向に対し直交する直線部を有しないように配置することが好ましい。
<粘着テープ4>
粘着テープ4としては、特に制限はなく、従来の粘着テープを使用することができる。粘着テープ4として、例えば、基材フィルムに粘着剤層を設けたものを好適に使用できる。
粘着テープ4としては、特に制限はなく、従来の粘着テープを使用することができる。粘着テープ4として、例えば、基材フィルムに粘着剤層を設けたものを好適に使用できる。
基材フィルムとしては、従来公知のものであれば特に制限することなく使用することができるが、後述の粘着剤層として放射線硬化性の材料を使用する場合には、放射線透過性を有するものを使用することが好ましい。
例えば、その材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、及びこれらの混合物を列挙することができる。また、基材フィルムはこれらの群から選ばれる2種以上の材料が混合されたものでもよく、これらが単層又は複層化されたものでもよい。
基材フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜200μmであることが好ましい。
基材フィルムと粘着剤層との密着性を向上させるために、基材フィルムの表面に、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的表面処理を施してもよい。
また、本実施の形態においては、基材フィルムの上に直接的に粘着剤層を設けたが、密着性をあげるためのプライマ層や静電防止層等を介して間接的に設けてもよい。
粘着テープ4の粘着剤層に使用される樹脂としては、特に限定されるものではなく、粘着剤に使用される公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができるが、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、エイコシルエステル等のアルキル基の炭素数1〜30、特に炭素数4〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルエステル等)及び(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステル等)の1種又は2種以上を単量体成分として用いたアクリル系ポリマー等が挙げられる。
アクリル系ポリマーは、凝集力、耐熱性等の改質を目的として、必要に応じ、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はシクロアルキルエステルと共重合可能な他のモノマー成分に対応する単位を含んでいてもよい。この様なモノマー成分として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基含有モノマー;アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これら共重合可能なモノマー成分は、1種又は2種以上使用できる。これら共重合可能なモノマーの使用量は、全モノマー成分の40重量%以下が好ましい。
更に、アクリル系ポリマーは、架橋されるため、多官能性モノマー等も必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。この様な多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性モノマーも1種又は2種以上用いることができる。多官能性モノマーの使用量は、粘着特性等の点から、全モノマー成分の30重量%以下が好ましい。
アクリル系ポリマーの調製は、例えば1種又は2種以上の成分モノマーの混合物に溶液重合方式や乳化重合方式、塊状重合方式や懸濁重合方式等の適宜な方式を適用して行うことができる。粘着剤層は、ウエハの汚染防止等の点より低分子量物質の含有を抑制した組成が好ましく、かかる点より重量平均分子量が30万以上、特に40万〜300万のアクリル系ポリマーを主成分とするものが好ましいことから粘着剤は、内部架橋方式や外部架橋方式等による適宜な架橋タイプとすることもできる。
また、粘着剤層の架橋密度を制御してピックアップ性を向上させるため、例えば多官能イソシアネート系化合物、多官能エポキシ系化合物、メラミン系化合物、金属塩系化合物、金属キレート系化合物、アミノ樹脂系化合物、又は過酸化物等の適宜な外部架橋剤を用いて架橋処理する方式や、炭素−炭素二重結合を2個以上有する低分子化合物を混合してエネルギー線の照射等により架橋処理する方式等の適亘な方式を採用することができる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、更には、粘着剤としての使用用途によって適宜決定される。一般的には、前記ベースポリマー100重量部に対して、10重量部程度以下、更には0.1重量部〜10重量部配合するのが好ましい。尚、粘着剤には、劣化防止等の観点から、必要により、前記成分のほかに、各種の粘着付与剤、老化防止剤等の添加剤を用いてもよい。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、放射線硬化型粘着剤が好適である。放射線硬化型粘着剤としては、前述の粘着剤に、放射線硬化性のモノマー成分や放射線硬化性のオリゴマー成分を配合した添加型の放射線硬化型粘着剤を例示できる。
配合する放射線硬化性のモノマー成分としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマー成分は、1種又は2種以上併用できる。
また、放射線硬化性のオリゴマー成分はウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系等種々のオリゴマーがあげられ、その分子量が100〜30000程度の範囲のものが適当である。放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分の配合量は、前記粘着剤層の種類に応じて、粘着剤層の粘着力を低下できる量を、適宜に決定することができる。一般的には、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば5重量部〜500重量部、好ましくは70重量部〜150重量部程度である。
また、放射線硬化型粘着剤としては、前記添加型の放射線硬化型粘着剤の他に、ベースポリマーとして炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖又は主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用いた内在型の放射線硬化型粘着剤も挙げられる。内在型の放射線硬化型粘着剤は、低分子成分であるオリゴマー成分等を含有する必要がなく、又は多くを含まないため、経時的にオリゴマー成分等が粘着剤在中を移動することなく、安定した層構造の粘着剤層を形成することができるため好ましい。
炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーは、炭素−炭素二重結合を有し、かつ粘着性を有するものを特に制限なく使用できる。この様なベースポリマーとしては、アクリル系ポリマーを基本骨格とするものが好ましい。アクリル系ポリマーの基本骨格としては、前記例示したアクリル系ポリマーが挙げられる。
アクリル系ポリマーへの炭素−炭素二重結合の導入法は特に制限されず、様々な方法を採用できるが、炭素−炭素二重結合はポリマー側鎖に導入するのが分子設計の上で容易である。例えば、予め、アクリル系ポリマーに官能基を有するモノマーを共重合した後、この官能基と反応しうる官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合の放射線硬化性を維持したまま縮合又は付加反応させる方法が挙げられる。
これら官能基の組合せの例としては、カルボン酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基等が挙げられる。これら官能基の組合せのなかでも反応追跡の容易さから、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せが好適である。また、これら官能基の組み合わせにより、前記炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを生成するような組合せであれば、官能基はアクリル系ポリマーと前記化合物のいずれの側にあってもよいが、前記の好ましい組み合わせでは、アクリル系ポリマーがヒドロキシル基を有し、前記化合物がイソシアネート基を有する場合が好適である。この場合、炭素−炭素二重結合を有するイソシアネート化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。また、アクリル系ポリマーとしては、前記例示のヒドロキシ基含有モノマーや2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングルコールモノビニルエーテルのエーテル系化合物等を共重合したものが用いられる。
内在型の放射線硬化型粘着剤は、前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマー(特にアクリル系ポリマー)を単独で使用することができるが、特性を悪化させない程度に前記放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分等の光重合性化合物を配合することもできる。当該光重合性化合物の配合量は、通常ベースポリマー100重量部に対して30重量部以下の範囲内であり、好ましくは0〜10重量部の範囲内である。
放射線硬化型粘着剤には、紫外線等により硬化させる場合には光重合開始剤を含有させることが好ましい。
上述のアクリル系ポリマーの中でも、特にCH2=CHCOOR(式中、Rは炭素数が4〜18のアルキル基である。)で表されるアクリル酸エステルと、ヒドロキシル基含有モノマーと、分子内にラジカル反応性炭素−炭素二重結合を有するイソシアネート化合物とを含んで構成されるアクリル系ポリマーAが好ましい。
アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が4未満であると、極性が高く剥離力が大きくなり過ぎてピックアップ性が低下する場合がある。一方、アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が18を超えると、粘着剤層のガラス転移温度が高くなり過ぎて、常温での接着特性が低下し、その結果、個片状接着剤層3の剥離が発生する場合がある。
上記アクリル系ポリマーAは、必要に応じ、他のモノマー成分に対応する単位を含んでいてもよい。
アクリル系ポリマーAでは、ラジカル反応性炭素−炭素二重結合を有するイソシアネート化合物が用いられる。すなわち、アクリルポリマーは、前記アクリル酸エステルやヒドロキシル基含有モノマー等のモノマー組成物によるポリマーに、二重結合含有イソシアネート化合物が付加反応された構成を有していることが好ましい。従って、アクリル系ポリマーは、その分子構造内に、ラジカル反応性炭素−炭素二重結合を有していることが好ましい。
二重結合含有イソシアネート化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、アクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。二重結合含有イソシアネート化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、活性エネルギー線硬化型粘着剤には、活性エネルギー線照射前の粘着力や、活性エネルギー線照射後の粘着力を調整する為、外部架橋剤を適宜に用いることもできる。外部架橋方法の具体的手段としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架橋剤等のいわゆる架橋剤を添加し反応させる方法が挙げられる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、更には、粘着剤としての使用用途によって適宜決定される。外部架橋剤の使用量は、一般的には、前記ベースポリマー100重量部に対して、20重量部以下(好ましくは0.1重量部〜10重量部)である。更に、活性エネルギー線硬化型粘着剤には、必要により、前記成分のほかに、従来公知の各種の粘着付与剤、老化防止剤、発泡剤等の添加剤が配合されていてもよい。
粘着剤層の厚みは、特に制限されず適宜に決定できるが、一般的には5〜200μm程度である。また、粘着剤層は単層で構成されても複数層で構成されていてもよい。
<支持部材5>
支持部材5の厚さとしては、離型フィルム2上における、個片状接着剤層3と粘着テープ4の円形ラベル部4aとの積層部分と、粘着テープ4の周辺部4bとの段差に相当する厚さ以上、すなわち個片状接着剤層3の厚さ以上であればよい。支持部材5がこのような厚さを有することで、接着シート1をロール状に巻き取ったときに、粘着テープ4とその表面に重なる離型フィルム2の裏面との間に空間が形成されるので、離型フィルム2と粘着テープ4との間に発生したボイドが抜けやすくなる。
支持部材5の厚さとしては、離型フィルム2上における、個片状接着剤層3と粘着テープ4の円形ラベル部4aとの積層部分と、粘着テープ4の周辺部4bとの段差に相当する厚さ以上、すなわち個片状接着剤層3の厚さ以上であればよい。支持部材5がこのような厚さを有することで、接着シート1をロール状に巻き取ったときに、粘着テープ4とその表面に重なる離型フィルム2の裏面との間に空間が形成されるので、離型フィルム2と粘着テープ4との間に発生したボイドが抜けやすくなる。
なお、支持部材5は、離型フィルム2の短手方向両端部に限定されることなく、粘着テープ4のラベル部4aの外側に対応する位置であればどこに設けられてもかまわないが、ロール状に巻かれて製品となった際に、個片状接着剤層3と粘着テープ4の円形ラベル部4aや支持部材5の積層部分と、粘着テープ4の周辺部4bとの段差が重なりあい、柔軟な個片状接着剤層3表面に段差が転写されるのを防止する観点からは、離型フィルム2の短手方向両端部から個片状接着剤層3までの領域内に設けることが好ましい。
また、離型フィルム2の個片状接着剤層3及び粘粘着テープ4が設けられた第1の面とは反対の第2の面に支持部材5を設けることが好ましい。
支持部材5は、離型フィルム2の短手方向両端部に設ける場合、離型フィルム2の長手方向に沿って、断続的又は連続的に設けることができるが、転写痕の発生をより効果的に抑制する観点からは、離型フィルム2の長手方向に沿って連続的に設けることが好ましい。
支持部材5としては、例えば、樹脂フィルム基材に粘接着剤を塗布した粘接着テープを好適に使用することができる。このような粘接着テープを、離型フィルム2の第2の面の両端部分の所定位置に貼り付けることで、本実施形態の接着シート1を形成することができる。粘接着テープは、一層のみを貼り付けてもよいし、薄いテープを積層させてもよい。
粘接着テープの基材樹脂としては、特に限定はないが、耐熱性、平滑性、及び、入手し易さの点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、及び高密度ポリエチレンから選択されることが好ましい。粘接着テープの粘着剤の組成及び物性については、特に限定はなく、接着シート1の巻き取り工程及び保管工程において、離型フィルム2から剥離しないものであればよい。
次に、本実施の形態に係る接着シート1の製造方法について説明する。
<接着剤層形成工程>
まず、長尺の離型フィルム2(図2等参照)を用意し、その上に長尺フィルム状の接着剤層を形成する。接着剤層は、樹脂組成物を調製し、フィルム状の層に形成する慣用の方法を利用し形成することができる。具体的には、例えば、離型フィルム2上に前記樹脂組成物を塗布して乾燥し(熱硬化が必要な場合などでは、必要に応じて加熱処理を施し乾燥して)、接着剤層を形成する方法等が挙げられる。前記樹脂組成物は、溶液であっても分散液であってもよい。
まず、長尺の離型フィルム2(図2等参照)を用意し、その上に長尺フィルム状の接着剤層を形成する。接着剤層は、樹脂組成物を調製し、フィルム状の層に形成する慣用の方法を利用し形成することができる。具体的には、例えば、離型フィルム2上に前記樹脂組成物を塗布して乾燥し(熱硬化が必要な場合などでは、必要に応じて加熱処理を施し乾燥して)、接着剤層を形成する方法等が挙げられる。前記樹脂組成物は、溶液であっても分散液であってもよい。
<打ち抜き工程、不要部分除去工程>
次いで接着剤層を所定間隔で所定形状(ここでは小判形)に押し切り刃等を用いてプリカットし(打ち抜き工程)、周辺の不要部分を離型フィルム2から剥離して除去する(不要部分除去工程)。このとき、個片状接着剤層3の面積をS(mm2)とし、接着剤層について幅25mm×長さ300mmの試験片を作成し、離型フィルム2と試験片との剥離力をF(mN/25mm)とすると、F>5461.7×S-1.155であるため、個片状接着剤層3となる打ち抜いた個片が押し切り刃に持っていかれるのを防止して、良好に打ち抜くことができる。
次いで接着剤層を所定間隔で所定形状(ここでは小判形)に押し切り刃等を用いてプリカットし(打ち抜き工程)、周辺の不要部分を離型フィルム2から剥離して除去する(不要部分除去工程)。このとき、個片状接着剤層3の面積をS(mm2)とし、接着剤層について幅25mm×長さ300mmの試験片を作成し、離型フィルム2と試験片との剥離力をF(mN/25mm)とすると、F>5461.7×S-1.155であるため、個片状接着剤層3となる打ち抜いた個片が押し切り刃に持っていかれるのを防止して、良好に打ち抜くことができる。
また、図4に示すように、個片状接着剤層3の外縁が、離型フィルム2の長手方向nに対し直交する直線部を有している場合は、個片状接着剤層300のように、不要部分とともに持っていかれてしまいやすくなるが、本実施形態においては、個片状接着剤層3の外縁が、離型フィルム2の長手方向nに対し直交する直線部を有していないため、個片状接着剤層3が不要部分とともに持っていかれるのを防止して、不要部分を離型フィルム2からより良好に剥離することができる。
また別途、粘着テープ4を作製する。基材フィルムは、従来公知の製膜方法により製膜することができる。当該製膜方法としては、例えばカレンダー製膜法、有機溶媒中でのキャスティング法、密閉系でのインフレーション押出法、Tダイ押出法、共押出し法、ドライラミネート法等が例示できる。次に、基材フィルム上に粘着剤層組成物を塗布し、乾燥させて(必要に応じて加熱架橋させて)粘着剤層を形成する。塗布方式としては、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等が挙げられる。なお、粘着剤層組成物を直接基材フィルムに塗布して、基材フィルム上に粘着剤層を形成してもよく、また、粘着剤層組成物を表面に剥離処理を行った剥離紙等に塗布して粘着剤層を形成させた後、該粘着剤層を基材フィルムに転写させてもよい。これにより、基材フィルム上に粘着剤層が形成された粘着テープ4が作製される。
その後、離型フィルム2に設けられた個片状接着剤層3上に、粘着テープ4の粘着剤層側の面が接するように、粘着テープ4をラミネートする。次に、粘着テープ4を所定形状に押し切り刃等を用いてプリカットし、周辺の不要部分を離型フィルム2から剥離して除去する
その後、支持部材5として、樹脂フィルム基材に粘接着剤を塗布した粘接着テープを用意し、離型フィルム2の第2の面の両端部分の所定位置に貼り付けることにより、接着シート1が作られる。
次に、本実施形態の接着シート1を使用して電子デバイスを製造する方法について説明する。
<電子部品Bのマウント工程>
先ず、図5(A)で示されるように、まず、粘着テープ4の周縁部にリングフレームRを貼合する。そして、個片状接着剤層3上に、吸着コレットK等を用いて電子部品Bを貼着して、これを粘着保持させる(電子部品Bのマウント工程)。
先ず、図5(A)で示されるように、まず、粘着テープ4の周縁部にリングフレームRを貼合する。そして、個片状接着剤層3上に、吸着コレットK等を用いて電子部品Bを貼着して、これを粘着保持させる(電子部品Bのマウント工程)。
<半導体チップCのピックアップ工程>
図5(B)で示されるように、電子部品Bのピックアップを行って、電子部品Bを個片状接着剤層3とともに粘着テープ4より剥離させる。ピックアップの方法としては特に限定されず、従来公知の種々の方法を採用できる。例えば、電子部品BおよびリングフレームRが貼り合わされた粘着テープ4を、基材フィルム側を下にして、ピックアップ装置のステージS上に載置し、リングフレームRを固定した状態で、中空円柱形状の突き上げ部材Tを上昇させ、粘着テープ4を拡張する。この状態で、個々の電子部品Bを粘着テープ4の基材フィルム側からニードルNによって突き上げ、突き上げられた電子部品Bをピックアップ装置によってピックアップする方法等が挙げられる。なお、個片状接着剤層3間にピックアップに必要な間隙が確保されていれば、粘着テープ4を拡張する工程はなくてもかまわない。
図5(B)で示されるように、電子部品Bのピックアップを行って、電子部品Bを個片状接着剤層3とともに粘着テープ4より剥離させる。ピックアップの方法としては特に限定されず、従来公知の種々の方法を採用できる。例えば、電子部品BおよびリングフレームRが貼り合わされた粘着テープ4を、基材フィルム側を下にして、ピックアップ装置のステージS上に載置し、リングフレームRを固定した状態で、中空円柱形状の突き上げ部材Tを上昇させ、粘着テープ4を拡張する。この状態で、個々の電子部品Bを粘着テープ4の基材フィルム側からニードルNによって突き上げ、突き上げられた電子部品Bをピックアップ装置によってピックアップする方法等が挙げられる。なお、個片状接着剤層3間にピックアップに必要な間隙が確保されていれば、粘着テープ4を拡張する工程はなくてもかまわない。
<接着工程>
ピックアップした電子部品Bを個片状接着剤層3を介して被着体に貼り合わせ、加熱処理などを行い個片状接着剤層3を硬化させ、電子部品Bを被着体に接着固定する。
ピックアップした電子部品Bを個片状接着剤層3を介して被着体に貼り合わせ、加熱処理などを行い個片状接着剤層3を硬化させ、電子部品Bを被着体に接着固定する。
なお、電子部品Bおよび被着体は、電子デバイスの部品であれば特に限定されることなく適用することができる。例えば、電子部品Bとしてはスイッチボタンが挙げられ、この場合の被着体としてはスイッチの接片が挙げられる。
[実施例]
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、実施例および比較例について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、実施例および比較例について詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(1)接着剤層の作製
<接着剤層(1)>
スラリー状表面処理球状シリカ充填剤(商品名:SC2050−KNP、シリカ平均粒径0.5μm、表面処理剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、溶媒:MIBK、固形分濃度:70wt%、株式会社アドマテックス製)310質量部、固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:EOCN−1020−70、軟化点:70℃、固体、エポキシ当量:200、日本化薬株式会社製)55.9質量部、液体ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:YD−128、軟化点:25℃以下、液体、エポキシ当量:190、新日化エポキシ製造株式会社製)49.1質量部、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(商品名:YP−50S、Tg:84℃、新日化エポキシ製造株式会社製)30質量部を秤量して配合し500mlのセパラブルフラスコ中、温度110℃において2時間加熱攪拌して樹脂混合物を得た。
スラリー状表面処理球状シリカ充填剤(商品名:SC2050−KNP、シリカ平均粒径0.5μm、表面処理剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、溶媒:MIBK、固形分濃度:70wt%、株式会社アドマテックス製)310質量部、固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:EOCN−1020−70、軟化点:70℃、固体、エポキシ当量:200、日本化薬株式会社製)55.9質量部、液体ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:YD−128、軟化点:25℃以下、液体、エポキシ当量:190、新日化エポキシ製造株式会社製)49.1質量部、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(商品名:YP−50S、Tg:84℃、新日化エポキシ製造株式会社製)30質量部を秤量して配合し500mlのセパラブルフラスコ中、温度110℃において2時間加熱攪拌して樹脂混合物を得た。
次いで、この樹脂混合物445質量部を800mlのプラネタリーミキサーに移し、イミダゾール型硬化剤(商品名:2PHZ−PW、四国化成株式会社製)9質量部と疎水性ヒュームドシリカ(商品名:RY−200、比表面積100m2/g、日本アエロジル株式会社製)2質量部を加え、室温において1時間攪拌混合した後、真空脱泡してフィルム状接着剤用組成物を得た。
次いで、得られたフィルム状接着剤用組成物を厚さ38μmの離型処理されたPETフィルム上に塗布して乾燥させ、幅400mm、厚さが20μmである接着剤層(1)を得た。
<接着剤層(2)>
固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を55.8質量部、液体ビスフェノールA型エポキシ樹脂を49.2質量部とした以外は、接着剤層(1)と同様の方法にて、幅400mm、厚さ20μmの接着剤層(2)を作製した。
固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を55.8質量部、液体ビスフェノールA型エポキシ樹脂を49.2質量部とした以外は、接着剤層(1)と同様の方法にて、幅400mm、厚さ20μmの接着剤層(2)を作製した。
<接着剤層(3)>
固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を56.2質量部、液体ビスフェノールA型エポキシ樹脂を48.8質量部とした以外は、接着剤層(1)と同様の方法にて、幅400mm、厚さ20μmの接着剤層(3)を作製した。
固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を56.2質量部、液体ビスフェノールA型エポキシ樹脂を48.8質量部とした以外は、接着剤層(1)と同様の方法にて、幅400mm、厚さ20μmの接着剤層(3)を作製した。
<接着剤層(4)>
固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を56.1質量部、液体ビスフェノールA型エポキシ樹脂を48.9質量部とした以外は、接着剤層(1)と同様の方法にて、幅400mm、厚さ20μmの接着剤層(4)を作製した。
固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を56.1質量部、液体ビスフェノールA型エポキシ樹脂を48.9質量部とした以外は、接着剤層(1)と同様の方法にて、幅400mm、厚さ20μmの接着剤層(4)を作製した。
<接着剤層(5)>
固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を56.0質量部、液体ビスフェノールA型エポキシ樹脂を49.0質量部とした以外は、接着剤層(1)と同様の方法にて、幅400mm、厚さ20μmの接着剤層(5)を作製した。
固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を56.0質量部、液体ビスフェノールA型エポキシ樹脂を49.0質量部とした以外は、接着剤層(1)と同様の方法にて、幅400mm、厚さ20μmの接着剤層(5)を作製した。
<接着剤層(6)>
固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を56.3質量部、液体ビスフェノールA型エポキシ樹脂を48.7質量部とした以外は、接着剤層(1)と同様の方法にて、幅400mm、厚さ20μmの接着剤層(6)を作製した。
固形クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を56.3質量部、液体ビスフェノールA型エポキシ樹脂を48.7質量部とした以外は、接着剤層(1)と同様の方法にて、幅400mm、厚さ20μmの接着剤層(6)を作製した。
(剥離力の測定)
上記接着剤層について、幅25mm×長さ300mmの試験片を作成した。接着剤層の表面に形状保持テープ(積水化学工業社製、商品名:フォルテ)を2kgのローラによって貼り合わせて作製した試験片を株式会社東洋精機製作所製のストログラフ(VE10)により「離型フィルム」と、「接着剤層および補強テープ」の各積層体に分けて掴み、23℃、50%RHの環境下で、剥離角度180°、線速300mm/minにて接着剤層と離型フィルムの間の剥離力を測定した。なお、剥離力の単位は[N/25mm]である。その結果を表1に示す。
上記接着剤層について、幅25mm×長さ300mmの試験片を作成した。接着剤層の表面に形状保持テープ(積水化学工業社製、商品名:フォルテ)を2kgのローラによって貼り合わせて作製した試験片を株式会社東洋精機製作所製のストログラフ(VE10)により「離型フィルム」と、「接着剤層および補強テープ」の各積層体に分けて掴み、23℃、50%RHの環境下で、剥離角度180°、線速300mm/minにて接着剤層と離型フィルムの間の剥離力を測定した。なお、剥離力の単位は[N/25mm]である。その結果を表1に示す。
(2)接着シートの作製
<実施例1>
接着剤層(1)について、図6を参照して、面積が71.7mm2の小判形で、直線部Cと離型フィルムの長手方向nとの角度が0°となるように配置された個片状接着剤層を359個、押し切り刃を用いて打ち抜いた(打ち抜き工程)。その後、個片状接着剤層の周辺の不要部分を離型フィルムから剥離して除去して(不要部分除去工程)、実施例1に係る接着シートを作製した。
<実施例1>
接着剤層(1)について、図6を参照して、面積が71.7mm2の小判形で、直線部Cと離型フィルムの長手方向nとの角度が0°となるように配置された個片状接着剤層を359個、押し切り刃を用いて打ち抜いた(打ち抜き工程)。その後、個片状接着剤層の周辺の不要部分を離型フィルムから剥離して除去して(不要部分除去工程)、実施例1に係る接着シートを作製した。
<実施例2〜9、比較例1〜4>
表1に示す接着剤層を用い、表1および図6に示す面積、形状および配置角度の個片状接着剤層を作製した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜9および比較例1〜4に係る接着シートを作製した。
表1に示す接着剤層を用い、表1および図6に示す面積、形状および配置角度の個片状接着剤層を作製した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜9および比較例1〜4に係る接着シートを作製した。
(打ち抜き工程の評価)
上記各実施例及び比較例に係る接着シートの打ち抜き工程において、押し切り刃に持っていかれずに、離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の個数が80%以上であったのものを良品として○、押し切り刃に持っていかれずに、離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の個数が50%以上80%未満であったのものを許容品として△、押し切り刃に持っていかれずに、離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の個数が50%未満であったものを不良品として×で評価した。その結果を表1に示す。
上記各実施例及び比較例に係る接着シートの打ち抜き工程において、押し切り刃に持っていかれずに、離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の個数が80%以上であったのものを良品として○、押し切り刃に持っていかれずに、離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の個数が50%以上80%未満であったのものを許容品として△、押し切り刃に持っていかれずに、離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の個数が50%未満であったものを不良品として×で評価した。その結果を表1に示す。
(不要部分除去工程の評価)
上記各実施例に係る接着シートの不要部分除去工程において、不要部分とともに持っていかれずに、離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の個数が、上記打ち抜き工程後に離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の80%以上であったのものを良品として○、不要部分とともに持っていかれずに、離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の個数が、上記打ち抜き工程後に離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の50%以上80%未満であったのものを許容品として△、不要部分とともに持っていかれずに、離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の個数が、上記打ち抜き工程後に離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の50%未満であったものを不良品として×で評価した。その結果を表1に示す。なお、比較例については、打ち抜き工程にて押し切り刃に持っていかれた個片状接着剤層が多かったため、不要部分除去工程は実施しなかった。
上記各実施例に係る接着シートの不要部分除去工程において、不要部分とともに持っていかれずに、離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の個数が、上記打ち抜き工程後に離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の80%以上であったのものを良品として○、不要部分とともに持っていかれずに、離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の個数が、上記打ち抜き工程後に離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の50%以上80%未満であったのものを許容品として△、不要部分とともに持っていかれずに、離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の個数が、上記打ち抜き工程後に離型フィルム上に保持されていた個片状接着剤層の50%未満であったものを不良品として×で評価した。その結果を表1に示す。なお、比較例については、打ち抜き工程にて押し切り刃に持っていかれた個片状接着剤層が多かったため、不要部分除去工程は実施しなかった。
表1に示すように、実施例に係る接着シートは、個片状接着剤層の面積をS(mm2)とし、接着剤層について幅25mm×長さ300mmの試験片を作成し、離型フィルムと試験片との剥離力をF(mN/25mm)としたとき、F>5461.7×S-1.155であるため、打ち抜き工程の評価において良好な結果となった。
特に、実施例1,3,4,5,9に係る接着シートは、個片状接着剤層の外縁が、離型フィルムの長手方向に対し直交する直線部を有していないため、不要部分除去工程の評価においても良好な結果となった。
これに対して、比較例に係る接着シートは、個片状接着剤層の面積をS(mm2)とし、接着剤層について幅25mm×長さ300mmの試験片を作成し、離型フィルムと試験片との剥離力をF(mN/25mm)としたとき、F≦5461.7×S-1.155であるため、打ち抜き工程の評価において、劣る結果となった。
1:接着シート
2:離型フィルム
3:個片状接着剤層
4:粘着テープ
4a:ラベル部
4b:周辺部
5:支持部材
2:離型フィルム
3:個片状接着剤層
4:粘着テープ
4a:ラベル部
4b:周辺部
5:支持部材
Claims (4)
- 離型フィルムと、
前記離型フィルムに保持され、接着剤層を個片化してなる複数の個片状接着剤層とを有し、
前記個片状接着剤層は、面積が100mm2以下であり、
前記個片状接着剤層の面積をS(mm2)とし、前記接着剤層について幅25mm×長さ300mmの試験片を作成し、前記離型フィルムと前記試験片との剥離力をF(mN/25mm)としたとき、F>5461.7×S-1.155であることを特徴とする接着シート。 - 前記離型フィルムは、長尺のフィルムからなり、
前記個片状接着剤層の外縁が、前記離型フィルムの長手方向に対し直交する直線部を有していないことを特徴とする請求項1に記載の接着シート。 - 前記個片状接着剤層の前記離型フィルムとは反対側には、粘着テープが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接着シート。
- 離型フィルム上に接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、
前記接着剤層を、複数個の所定形状の個片に、打ち抜く打ち抜き工程と、
前記個片の周辺の不要部分を剥離して除去し、個片状接着剤層を形成する不要部分除去工程とを有し、
前記個片状接着剤層は、面積が100mm2以下であり、
前記個片状接着剤層の面積をS(mm2)とし、前記接着剤層について幅25mm×長さ300mmの試験片を作成し、前記離型フィルムと前記試験片との剥離力をF(mN/25mm)としたとき、F>5461.7×S-1.155であることを特徴とする接着シートの製造方法。
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-
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