JP2018127160A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この種のステアリング装置において、可動側ブラケットに一端が固定されてコラム軸方向に延びるテレスコ摩擦板と、固定側ブラケットに固定されたチルト摩擦板とを締付機構による締付時に締め付けて、前記ロックの保持力を向上させるステアリング装置が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
このため、テレスコ調整位置によって、二次衝突時に延設部材が相手部材に対して相対摺動するときに発生する衝撃吸収荷重がばらつくおそれがある。
請求項2のように、前記連結剛性低減手段は、前記延設部に対して上下方向に隣接または離隔して配置され、前記コラム軸方向に延びるスリット(54)または凹溝を含んでいてもよい。
請求項4のように、前記抵抗力発生手段は、二次衝突時に、前記屈曲部または前記湾曲部の前記コラム軸方向の変形量を規制量に規制する規制部(74)を含んでいてもよい。
請求項3の発明では、締付機構の締付時に弾性変形可能な屈曲部または湾曲部を用いる簡単な構造で、前記連結剛性を低減することができる。
請求項4の発明では、二次衝突時に、規制部によって、屈曲部または湾曲部のコラム軸方向の変形量が規制量に規制される。二次衝突時において、規制部による規制前には、屈曲部または湾曲部を変形させる変形荷重が衝撃吸収荷重として用いられ、規制部による規制後には、前記相対摺動による摺動荷重が衝撃吸収荷重として用いられる。前記規制量を所望の量に設定することで、ロアジャケットに対するアッパジャケットの軸方向変位に応じて、衝撃吸収特性を適切に設定することができる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3と、コラムジャケット6と、インターミディエイトシャフト4と、転舵機構5とを備える。ステアリングシャフト3の一端(軸方向上端)には、ステアリングホイール等の操舵部材2が連結されている。ステアリング装置1は、操舵部材2の操舵に連動して、転舵輪(図示せず)を転舵する。転舵機構5は、例えばラックアンドピニオン機構であるが、これに限られない。
ステアリングシャフト3は、筒状のアッパシャフト3Uおよびロアシャフト3Lを有している。アッパシャフト3Uとロアシャフト3Lとは、例えばスプライン嵌合やセレーション嵌合によって相対移動可能に嵌合されている。操舵部材2は、アッパシャフト3Uの軸方向上方XUの一端に連結されている。
テレスコ調整は、所定のテレスコ調整範囲内でアッパジャケット7を摺動させることで行われる。テレスコ調整範囲とは、コラム軸方向Xにおけるアッパジャケット7の調整上限位置と、コラム軸方向Xにおけるアッパジャケット7の調整下限位置との間の範囲である。コラムジャケット6は、アッパジャケット7が調整上限位置にあるときに最も伸びた状態になり、アッパジャケット7が調整下限位置にあるときに最も縮んだ状態になる。
図2を参照して、ステアリング装置1は、車体13に固定され、ロアジャケット8を支持するブラケットなどの支持部材17と、チルト調整およびテレスコ調整後のアッパジャケット7の位置をロックする締付機構18とを含む。締付機構18は、ロアジャケット8のコラム軸方向Xの上部に一体に設けられた一対の被締付部19を、支持部材17を介して締め付ける。
ロアジャケット8の一対の被締付部19は、一対の側板22間に配置され、対応する側板22の内側面22aにそれぞれ沿う板状をなしている。各被締付部19には、円孔からなる軸挿通孔29が形成されている。
締付軸21は、例えば、ボルトである。締付軸21は、支持部材17の両側板22のチルト用長孔23とロアジャケット8の両被締付部19の軸挿通孔29とに挿通される。締付軸21およびロアジャケット8は、チルト調整時に、支持部材17に対し相対移動する。その際、締付軸21は、チルト用長孔23内でチルト方向Yに移動する。
力変換機構30は、操作レバー20と一体回転可能に連結され、締付軸21に対して中心軸線C1が延びる方向である締付軸方向Jの移動が規制された回転カム31と、回転カム31に対してカム係合し、一方の側板22を締め付ける一方の締付部材32とを含む。締付部材32は、回転が規制された非回転カムである。一方の締付部材32は、ロアジャケット8の一方の被締付部19(図2で左側の被締付部19)に締付軸方向Jから対向している。
操作レバー20のロック方向への回転に伴って、回転カム31が締付部材32に対して回転すると、締付部材32は、締付軸方向Jに沿って回転カム31から離れる方向に移動する。これにより、一対の締付部材32,33によって、支持部材17の一対の側板22がクランプされて締め付けられる。
一方、操作レバー20がロック解除方向へ回転すると、回転カム31の回転に伴い、締付部材32は、締付軸方向Jに沿って回転カム31に近づく方向に移動する。これにより、一対の締付部材32,33による一対の側板22の締め付けが解除され、チルト調整およびテレスコ調整が可能となる。
図4(a)を参照して、第1摺動部材40は、アッパジャケット7に対して摩擦摺動可能にアッパジャケット7に取り付けられている。第1摺動部材40は、アッパジャケット7に、圧入により保持された保持部材であって、第2摺動部材50をアッパジャケット7に保持する機能を有する。第1摺動部材40とアッパジャケット7との摩擦摺動を第1相対摺動という。第1相対摺動によって発生する、アッパジャケット7の移動に対する抵抗力を第1抵抗力G1という。第1摺動部材40によって第1抵抗力発生手段が構成されている。
複数の突部43とアッパジャケット7の外周面との摩擦力や突部43の強度を調整することによって、第1相対摺動によって発生する第1抵抗力G1を調整することができる。複数の突部43は、アッパジャケット7の外周面の周方向Cに沿って等間隔に配置されているため、第1抵抗力G1が安定し易い。
締付機構18が各第2摺動部材50を対応する被締付部19に押し付ける押付方向Pは、締付軸方向Jと一致している。各押付方向Pにおいて対応する被締付部19に向かう方向を押付方向Pの下流側という。
締付機構18がロアジャケット8をアッパジャケット7に締め付けた状態における一対の第2摺動部材50と、一対の側板22および一対の被締付部19との摩擦摺動を第2相対摺動という。第2相対摺動によって発生する、アッパジャケット7の移動に対する抵抗力を第2抵抗力G2という。第2摺動部材50によって第2抵抗力発生手段が構成されている。第2摺動部材50と側板22および被締付部19との摩擦力を調整することによって第2抵抗力G2を調整することができる。第1実施形態では、第1相対摺動によって発生する第1抵抗力G1は、第2相対摺動によって発生する第2抵抗力G2よりも大きい(G1>G2)。
延設部52の軸方向長孔55は、第1区画部61と、第2区画部62と、第3区画部63と、第4区画部64とにより区画されている。第1区画部61は、軸方向長孔55を軸方向上方XUから区画する。第2区画部62は、軸方向長孔55を軸方向下方XLから区画する。第3区画部63および第4区画部64は、コラム軸方向Xに平行に延びており、上下方向Vの上下から軸方向長孔55を区画する。連結部53を介して固定部51と連結される、延設部52の一部52Pは、第3区画部63のコラム軸方向Xの一部に配置されている。
スリット54は、図4(b)に示すように、コラム軸方向Xから見て、固定部51に対して延設部52の一部52Pが左右方向Zに撓み易くなるように、固定部51と延設部52の一部52Pとの連結剛性を低減する。具体的には、スリット54は、延設部52の一部52Pの上下方向Vの上方に隣接して配置され、コラム軸方向X(図3参照)に延びている。
アッパジャケット7がテレスコ調整範囲内の任意の位置に位置する状態で、締付軸21と軸方向長孔55の第1区画部61および第2区画部62との間には間隔が設けられている。詳しくは、テレスコ調整時にアッパジャケット7が調整下限位置にある状態であっても、締付軸21と軸方向長孔55の第1区画部61とは接触していない。テレスコ調整時にアッパジャケット7が調整上限位置にある状態であっても、締付軸21と軸方向長孔55の第2区画部62とは接触していない。
締付機構18による締付状態で二次衝突が発生すると、操舵部材2を介してアッパジャケット7に衝撃が伝達される。ロアジャケット8は、車体13に固定された支持部材17の一対の側板22によって支持されている。そのため、二次衝突時には、アッパジャケット7が支持部材17およびロアジャケット8に対して軸方向下方XLに移動する。これにより、ロアジャケット8に対してアッパジャケット7を摩擦摺動させながらコラムジャケット6が収縮する。締付機構18による締め付けが達成された状態でロアジャケット8に対してアッパジャケット7が摩擦摺動する際の抵抗力をコラム抵抗力Fとする。
図7では、横軸がアッパジャケット7の軸方向変位を示しており、縦軸が衝撃荷重を示している。横軸では、コラムジャケット6が最も伸びた状態(アッパジャケット7が調整上限位置に位置する状態)のアッパジャケット7のコラム軸方向Xにおける位置を原点としている。
すなわち、テレスコ調整後に、図3に示すように、締付軸21が軸方向長孔55において延設部52の一部52Pの近傍の位置に配置されているときは、締付機構18によって、延設部52において一部52Pとその周辺部分を含む第1領域A1が主に締め付けられる。
仮に、スリット54が形成されていない場合を想定すると、締付機構18によって第1領域A1が主に締め付けられるときの第1領域A1の左右方向Zの撓み量が、締付機構18によって第2領域A2が主に締め付けられるときの第2領域A2の左右方向Zの撓み量よりも相当量大きくなる。
したがって、テレスコ調整後に延設部52に対する締付位置が変化しても、延設部52の締付位置における左右方向Zの撓み剛性が変化し難い。このため、二次衝突時に第2摺動部材50の第2抵抗力G2が、相対摺動の摺動位置の変化に拘らず、変化し難くなる。このため、テレスコ調整位置による衝撃吸収荷重のばらつきを抑制することができる。
また、連結剛性低減手段として、コラム軸方向Xに延びるスリット54を用いる簡単な構造で固定部51と延設部52の一部52Pとの連結剛性を低減することができる。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係るステアリング装置に備えられる第1摺動部材40および第2摺動部材50Qの側面図である。
第2実施形態では、上下方向Vに関して、スリット54と締付軸21との距離が大きくなるので、テレスコ調整後に延設部52の一部52Pを含む第1領域A1が締め付けられるときに、スリット54付近を支点とする曲げモーメントの腕の長さ(前記距離に相当)が長くなる。これにより、第1領域A1の左右方向の撓み量を大きくすることができる。このため、テレスコ調整後の締付位置の変化に対して、延設部52の左右方向Zの撓み剛性の変化をより小さくすることができる。このため、二次衝突時に第2摺動部材50の第2抵抗力G2が、相対摺動の摺動位置の変化に拘らず、変化し難くなる。このため、テレスコ調整位置による衝撃吸収荷重のばらつきを一層、抑制することができる。
(第3〜第5実施形態)
図9(a)は、本発明の第3実施形態に係るステアリング装置に備えられる第1摺動部材40および第2摺動部材50Rの概略側面図であり、図9(b)は第1摺動部材40および第2摺動部材50Rの概略平面図であり、図9(c)は第1摺動部材40および第2摺動部材50Rの要部と締付機構18の要部との概略平面図である。
屈曲部57は、板状の第1部分71と、板状の第2部分72と、板状の第3部分73とを含む。上下方向から見た図である図9(b)に示すように、第1部分71は、上下方向から見て、固定部51から左右方向Zの外側へ延びる。第2部分72は、上下方向から見て、第2連結部532から左右方向Zの外側へ延びる。第3部分73は、第1部分71および第2部分72の左右方向Zの外側の端部どうしを連結する。第1部分71と第2部分72とは、左右方向Zと平行に配置され、第3部分573は、第1部分71および第2部分72と直交している。
また、図示していないが、二次衝突時には、屈曲部57の第1部分71と第2部分72とが、隙間S1の分だけ近づくことにより、規制部74の第2端部742が、屈曲部57の第2部分72に当接する。これにより、屈曲部57のコラム軸方向Xの変形が規制される。すなわち、規制部74は、二次衝突時に、屈曲部57のコラム軸方向Xの変形量を規制量(隙間S1に相当する量)に規制する。
また、二次衝突時に、規制部74によって、屈曲部57のコラム軸方向Xの変形量が規制される。二次衝突時において、規制部74による規制前(図10における第2相対摺動区間の開始前の段階)には、ロアジャケット8に対してアッパジャケット7が摩擦摺動するコラム抵抗力Fと、屈曲部57のコラム軸方向Xの変形荷重Hとの和(F+H)が、衝撃吸収荷重として用いられる。
第4実施形態が第3実施形態と主に異なるのは、二次衝突時に、第1部分71の基端部711と第2部分72の基端部72aどうしが互いに当接して、屈曲部57のコラム軸方向Xの変形量が規制量(第1部分71と第2部分72とのコラム軸方向Xの隙間S3の量に相当)に規制される点である。
図9(a)の第3実施形態のように、連結剛性低減手段としてのスリット54と連結剛性低減手段としての屈曲部57とが併用されてもよいし、図12に示される第5実施形態のように、連結剛性低減手段として、屈曲部57のみが用いられてもよい。
(第6〜第8実施形態)
図13(a)、(b)、(c)は、それぞれ、本発明の第6、第7、第8実施形態に係るステアリング装置に備えられる第1摺動部材および第2摺動部材の要部と締付機構の要部との概略平面図であり、屈曲部の変更例を示している。
また、図示していないが、二次衝突時に、第7実施形態の屈曲部57Wでは、2対の部分83,84の少なくとも基端部83a,84aを含む部分(当該部分により規制部を構成される)どうしが当接することで、屈曲部57Wのコラム軸方向Xの変形量が規制量に規制される。
第6〜第8の各実施形態において、二次衝突時において、前記規制部による規制前には、屈曲部57V,57Wおよび湾曲部57Uの変形荷重が衝撃吸収荷重として用いられる。また、二次衝突時において前記規制部による規制後には、第2摺動部材50V,50W,50Uの延設部52が、支持部材17およびロアジャケット8と相対摺動することにより発生する摺動荷重が衝撃吸収荷重として用いられる。
本発明は各前記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の第9実施形態として、下記の例を挙げることができる。第9実施形態では、図14に示すように、第2抵抗力G2が第1抵抗力G1よりも大きくされている(G1<G2)。二次衝突時に第1相対摺動が開始された後、ストッパとしての対向部材101が第1摺動部材40と当接すると、アッパジャケット7に対する第1摺動部材40および第2摺動部材50の軸方向下方XLへの移動が規制される。これにより、第1相対摺動が停止され、この停止に伴って第2相対摺動が開始される。第9実施形態における、第2抵抗力G2を第1抵抗力G1よりも大きくする構成(G1<G2)は、第1〜第8実施形態のそれぞれと組み合わせて実施が可能である。
また、図示していないが、第2摺動部材50が、各締付部材32,33と支持部材17の対応する側板22との間に配置されてもよい。
Claims (5)
- コラム軸方向の一端に操舵部材が接続されるアッパジャケットと、
前記コラム軸方向における前記アッパジャケットの他端に対して摺動可能に外嵌されたロアジャケットと、
車体に固定され、前記ロアジャケットを支持する支持部材と、
前記ロアジャケットを前記アッパジャケットに締め付けることにより前記ロアジャケットに対する前記アッパジャケットの位置を保持する締付機構と、
前記アッパジャケットに保持された保持部材と、
前記コラム軸方向に前記保持部材とともに移動し、二次衝突時に前記ロアジャケットに対して前記アッパジャケットが移動する際には、前記支持部材および前記ロアジャケットのうちの少なくとも一方と相対摺動することによって前記アッパジャケットの移動に対する抵抗力を発生させる抵抗力発生手段と、を備え、
前記抵抗力発生手段は、前記保持部材に固定された固定部と、前記コラム軸方向に延び前記コラム軸方向の一部が前記固定部と連結された延設部と、を含み、
前記締付機構は、前記支持部材および前記延設部を介して前記ロアジャケットを前記アッパジャケットに締め付け、
前記抵抗力発生手段は、前記締付機構による締付時に前記コラム軸方向から見て前記固定部に対して前記延設部の前記一部が左右方向に撓み易くなるように前記固定部と前記延設部の前記一部との連結剛性を低減する連結剛性低減手段を含むことを特徴とする、ステアリング装置。 - 前記連結剛性低減手段は、前記延設部に対して上下方向に隣接または離隔して配置され、前記コラム軸方向に延びるスリットまたは凹溝を含む、請求項1に記載のステアリング装置。
- 前記連結剛性低減手段は、前記固定部と前記延設部の一部とを連結し、上下方向から見て前記左右方向に起伏する弾性変形可能な屈曲部または湾曲部を含む、請求項1または2に記載のステアリング装置。
- 前記抵抗力発生手段は、二次衝突時に、前記屈曲部または前記湾曲部の前記コラム軸方向の変形量を規制量に規制する規制部を含む、請求項3に記載のステアリング装置。
- 前記保持部材が、二次衝突時に、前記アッパジャケットと第1相対摺動することによって前記アッパジャケットの移動に対する第1抵抗力を発生させる第1抵抗力発生手段を構成し、
前記延設部を含む前記抵抗力発生手段が、二次衝突時に、前記支持部材および前記ロアジャケットのうちの少なくとも一方と第2相対摺動することによって前記アッパジャケットの移動に対する第2抵抗力を発生させる第2抵抗力発生手段を構成している、請求項1〜4の何れか一項に記載のステアリング装置。
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