JP2018126880A - ガスバリア積層体、及びガスバリア積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明による積層体は、高度なバリア性を要求される様々な分野の製品に適用することができる。例えば、包装製品や、太陽電池、有機発光ダイオード、波長変換シート、および表示装置等の電気・電子製品に用いることができる。
本発明による積層体は、包装材料として特に好適に用いることができる。例えば、医薬品、化粧品、化学品、飲食品等の用途に用いることができる。
具体的には、プラスチック材料からなる基材フィルムの一方の面に、必要に応じて接着層を介して、本願発明における樹脂組成物を塗布し、低温短時間で乾燥し、必要に応じて低温エージングすることで、上記目的のガスバリア積層体が得られた。
本発明は、以下の点を特徴とする。
2.前記加水分解性金属元素含有化合物が、加水分解性珪素化合物である、上記1に記載の、ガスバリア積層体。
3.前記加水分解性金属元素含有化合物が、珪素アルコキシドである、上記1または2に記載の、ガスバリア積層体。
4.前記加水分解性金属元素含有化合物が、テトラエトキシシランである、上記1〜3の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
5.前記水溶性有機高分子化合物の、層(Y)中の含有率が、1質量%以上、20質量%以下である、上記1〜4の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
7.前記水溶性有機高分子化合物が、水酸基を有する水溶性有機高分子化合物である、上記1〜6の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
8.前記水溶性有機高分子化合物が、アルコール性水酸基を有する水溶性有機高分子化合物である、上記1〜7の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
9.前記水溶性有機高分子化合物が、脂肪族主骨格からなる水溶性有機高分子化合物である、上記1〜8の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
10.前記水溶性有機高分子化合物が、ポリビニルアルコールである、上記1〜9の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
11.前記層(Y)の厚みが、0.05μm以上、2μm以下である、上記1〜10の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
12.上記1〜11の何れかに記載の積層体を用いて作製した、ガスバリア包装材料。
13.上記1〜11の何れかに記載のガスバリア積層体を製造するための製造方法であって、少なくとも、下記a)、b)、c)、d)、e)の工程を含む、ガスバリア積層体の製造方法。
a)前記加水分解性金属元素含有化合物の加水分解物を含む溶液Aを調製する工程。
b)前記シリカナノ粒子が分散した溶液Bと、前記水溶性有機高分子化合物とを混合して、溶液Cを調製する工程。
c)溶液Cと溶液Aとを少量ずつ混合して、前記シリカナノ粒子のSi原子と前記加水分解性金属元素含有化合物の金属原子とのモル比 Si/金属が、1.2以上、9以下である、溶液Dを調製する工程。
d)溶液Dを基材層(X)に塗布して、塗工物Eを得る工程。
e)塗工物Eを、40℃以上、120℃以下の温度で加熱して、層(Y)を形成する工程。
さらにまた、本発明による積層体は、高度なバリア性を要求される様々な分野の製品に適用することができる。例えば、包装製品や、太陽電池、有機発光ダイオード、波長変換シート、および表示装置等の電気・電子製品に用いることができ、包装製品の包装材料として特に好適に用いることができる。例えば、医薬品、化粧品、化学品、飲食品等の用途に用いることができる。
図1は、本発明のガスバリア積層体の層構成について、その態様を示す概略的断面図である。図1に示されるように、本発明のガスバリア積層体は、1の基材層(X)と、2のガスバリア層(Y)とを、場合により接着層を介して積層してなるものであってよい。
図2は、本発明のガスバリア積層体の層構成について、その態様を示す概略的断面図である。図2に示されるように、本発明のガスバリア積層体は、1の基材層(X)と、2aのガスバリア層(Y)と、2bのガスバリア層(Y)とを、場合により接着層を介して積層してなるものであってよい。
あるいは、図3に示されるように、2のガスバリア層(Y)の、1の基材層(X)との反対面に、さらなる3のシーラント層を有するものであってもよい。
本発明において、ガスバリア性を有する層(Y)は、樹脂組成物から形成されるものである。該樹脂組成物は、少なくとも、シリカナノ粒子と、加水分解により水酸基を2個以上有し得る加水分解性金属元素含有化合物と、水溶性有機高分子化合物と、溶剤とを含有する混合物が、ゾルゲル法により加水分解縮合した成分を含むものであり、加水分解縮合生成物と、加水分解性金属元素含有化合物の未加水分解物、シリカナノ粒子の未縮合物、等の未反応物や反応の途中段階のものも含まれている。
シリカナノ粒子とは、一般的には、平均粒径が1nm以上、100nm以下のシリカ粒子であるが、本発明においては、特に、平均一次粒径7nm以上、60nm以下のものが
用いられ、目的に応じて、上記の範囲の任意の平均一次粒径のものを適宜選択することができ、好ましくは8nm以上、55nm以下であり、更に好ましくは、9nm以上、50nm以下であり、最も好ましくは、10nm以上、45nm以下である。
シリカナノ粒子の表面には、通常のシリカと同様に、反応性の水酸基(シラノール基)が多数存在しており、化学反応させることによって、多種の化学修飾や架橋が可能である。
また、シリカナノ粒子は二次凝集を生じ易いため、溶液中に分散させて用いることが好ましい。
本発明において、加水分解とは、金属元素に結合したアルコキシ基やフェノキシや水素等に、水分子が反応して、アルコール類やフェノール類や水素分子と、金属原子に水酸基が付いた化合物を生成する化学反応のことであり、縮合とは、逆に、アルコール類やフェノール類や水素と、金属に水酸基が付いた化合物とが結合して、アルコキシ基やフェノキシ等と水とが生成される化学反応のことであり、加水分解縮合とは、加水分解と縮合との両反応を指しており、シリカナノ粒子と加水分解により水酸基を2個以上有し得る金属元素含有化合物とを含有する混合物が加水分解縮合するということは、金属元素含有化合物が加水分解し、次いで、シリカナノ粒子同士の縮合、シリカナノ粒子と金属元素含有化合物の加水分解生成物との縮合、金属元素含有化合物の加水分解生成物同士の縮合が進行するということを指す。
シシラン、フェニルフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン等の各種アルコキシシランやフェノキシシラン等が挙げられる。
他に、水素化鉛、水素化スズ、トリメトキシボラン等が挙げられる。
成物の加水分解前の全非溶剤成分中の含有率は、90質量%以上、99.5質量%以下であることが好ましく、91質量%以上、98質量%以下が特に好ましく、92質量%以上、96質量%以下が最も好ましい。含有量が99.5質量%よりも大きい場合には、層(Y)を塗工する際の塗工性が劣ったり、得られた層(Y)が脆い傾向にあり、含有量が90質量%よりも小さい場合には、ガスバリア性が低下する傾向にある。
本発明における水溶性有機高分子化合物は、層(Y)に優れた塗工性を与えるものであり、また、層(Y)にクラックを生じにくくし、安定したガスバリア性を与えるものである。
水溶性有機高分子化合物は、水酸基を有しているものが好ましく、水酸基を有していることによって、水溶性に優れ、加水分解性金属元素化合物及びその加水分解物、更にはシリカナノ粒子との親和性が良く、場合によっては架橋マトリクスの一部になり、製膜性に優れ、均質な層(Y)を得ることができる。
水溶性有機高分子化合物の分子量は、良好な樹脂組成物の塗工性及び柔軟な層(Y)を得る為には、1万〜20万であることが好ましく、5万〜15万であることが更に好ましく、7万〜12万であることが特に好ましい。
水溶性有機高分子化合物の1分子中の水酸基の平均個数は、2個以上であることが好ましく、3個以上であることが更に好ましい。
本発明における溶剤は、水溶性であり、シリカナノ粒子と、加水分解性金属元素含有化合物及びその加水分解物、加水分解縮合物、及び水溶性有機高分子化合物とを、均一に溶解または分散させ得るものであればよく、水または有機溶剤でもよく、オクタノール/水分配係数Log Powが、0.5以下であることが好ましく、1種でも、または2種以上を混合して使用してもよい。
具体的な溶剤としては、水、メタノール(Log Pow:−0.77)、エタノール(Log Pow:−0.30)、1−プロパノール(Log Pow:0.25)、2−プロパノール(Log Pow:0.05)、及びこれらの混合物等が挙げられる。
層(Y)は、前記樹脂組成物を基材層(X)等に塗布し、40〜120℃の、加熱による乾燥、更には必要に応じて、加熱によるエージングによって形成される。
本発明において、乾燥とは、塗工液中の水溶媒の除去を主目的とするものであり、本発明の積層体は、低温かつ短時間での乾燥が可能である。乾燥温度は、水が蒸発する温度を必要とするため、70℃以上、120℃以下が好ましく、80℃以上、110℃以下が更に好ましい。乾燥時間は、樹脂組成物の組成によるが、上記の温度範囲において、5秒以上、30分以下が好ましく、10秒以上、10分以下が更に好ましい。
よって、層(Y)は40〜120℃という低温での加熱によって形成可能であり、低耐熱基材を適用した積層体を、一般的な塗工機及び簡易な加熱設備を用いて得ることができる。
また、層(Y)は、同一または異なる組成の、2層以上の層からなることも可能であり、目的とする作用を分担することによって、多種のガスへのバリア性や、諸特性とのバランスをとることが可能になる。
本発明において、基材層は、包装される内容物の種類や、物流において要求される機械的強度、耐薬品性、耐溶剤性、製造性等に応じて、種々の材料が適用され得る。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)等ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、及びこれ
らの樹脂の混合物等の各種の樹脂を含むフィルムを使用することができるが、これらの樹脂に限定されない。特に本発明においては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂からなるフィルムが好ましく、特に、ポリエステル系樹脂が好ましい。
またさらには、基材層は、高伸縮性、耐ピンホール性を付与するために、種々の材料の樹脂層を有することもできる。例えば、6ナイロン、66ナイロン、6/66ナイロン共重合体、低密度ポリエチレン、EVOH等の層を有することができ、特に6/66ナイロン共重合体の層を有することが好ましい。
本発明の積層体は、基材層(X)と、樹脂組成物を用いて形成された、ガスバリア性を有する層(Y)とを有する積層体であるが、用途に応じて、シール層や接着層等の種々の層を有することができる。
本発明では、基材層(X)内の層間、層(Y)内の層間、他の層間、及び、基材層(X)、層(Y)、他の層との各層間に、接着層を設けて積層することも可能である。
本発明の一態様において、接着層は、エクストリュージョンコート層(ECコート層)、ドライラミネート用接着剤、ノンソルベントラミネート用接着剤等からなる層であってよい。
接着層としてドライラミネート用接着剤を用いる場合は、溶媒へ分散または溶解した接着剤を一方のフィルム上に塗布し乾燥させて、もう一方のフィルムを重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて積層する。
よく、また、その性状は、フィルム/シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよい。
本発明による積層体は、包装材料として特に好適に用いることができる。例えば、医薬品、化粧品、化学品、飲食品等の用途に用いることができる。
本発明の包装体は、本発明の包装材料を製袋してなるものであり、ヒートシール面が対向するように、積層フィルムを折り曲げるかまたは2枚を重ね合せ、その周辺端部を例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールすることにより作製することができる。
本発明においては、ヒートシールの方法としては、例えばバーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知方法を適用することができる。
本発明による積層体は、包装製品以外の高度なバリア性を要求される様々な分野の製品にも適用することができる。例えば、太陽電池、有機発光ダイオード、波長変換シート、および表示装置等の電気・電子製品に用いることができる。
シリカナノ粒子分散液A:スノーテックスST−O−40(日産化学工業(株)社製、固形分濃度40質量%、平均一次粒径23nm)
シリカナノ粒子分散液B:スノーテックスST−OS(日産化学工業(株)社製、固形分濃度20質量%、平均一次粒径10nm)
シリカナノ粒子分散液C:スノーテックスST−OL(日産化学工業(株)社製、固形分濃度20質量%、平均一次粒径45nm)
シリカナノ粒子分散液D:スノーテックスST−OXS(日産化学工業(株)社製、固
形分濃度10質量%、平均一次粒径5nm)
シリカナノ粒子分散液E:スノーテックスST−OYL(日産化学工業(株)社製、固形分濃度20質量%、平均一次粒径65nm)
水溶性有機高分子化合物溶液A:けん化度98.5%、重合度約2500のポリビニルアルコールと蒸留水とを混合して、4質量%ポリビニルアルコール水溶液になるように調製した。
PETフィルムA:ユニチカ(株)社製、エンブレット。厚み12μm、片面コロナ処理済み。
下記の原料を混合し、液温が10℃となるように冷却した。
蒸留水 129.20質量部
イソプロピルアルコール 22.33質量部
0.5N塩酸 3.05質量部
次いで、液温が10℃となるように冷却しながら、下記を混合して、加水分解液Aを得た。
テトラエトキシシラン 95.42質量部
下記の配合比で、シリカナノ粒子分散液Aに蒸留水を加え、更に水溶性有機高分子化合物溶液Aを混合し均一になるように撹拌した。
シリカナノ粒子分散液A 2.28重量部
蒸留水 9.76重量部
水溶性有機高分子化合物溶液A 3.38重量部
更に、得られた混合液を撹拌しながら、下記分量の加水分解液Aを滴下して加え、滴下終了後も1時間撹拌して、コーティング液を得た。
加水分解液A 4.58質量部
得られた積層体の層(Y)表面のクラック有無を観察し、酸素透過度を測定した。表1に結果を記す。
表1の配合に従って各原料を用い、実施例1と同様に操作して、コーティング液を得て、更には積層体を得て、実施例1と同様に評価した。表1に結果を記す。
[塗工性]
コーティング液を基材層(X)に塗工した際の塗工物の外観を目視により判断した。
[クラック有無]
エージング処理して得られた積層体の層(Y)の表面を、走査電子顕微鏡(SEM。日
立ハイテク(株)社製 S−4800)を用いて、一つの試験片について、ランダムに20箇所を5,000倍の倍率で観察し、クラックの有無を検出した。表1には下記の要領で記載した。
有り:クラック有り
無し:クラック無し
酸素透過度測定装置(MOCON社製 OX−TRAN 2/22)を用いて、JIS
K−7126−2に準拠して、得られた積層体の酸素透過度を測定した。測定条件は下記の通り。
温度:23℃
相対湿度:90%
シリカナノ粒子の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡写真(TEM)(日立ハイテク製
H−7650)にて一次粒子像を測定し、各々の一次粒子の最長径と最短径との平均値を算出して各々の一次粒子の粒径とし、ランダムに選択した100個の一次粒子の粒径の平均値を、平均一次粒径とした。
実施例1〜6は、層(Y)にクラックは無く、良好な酸素バリア性を示したが、シリカナノ粒子のSi原子と加水分解性金属元素含有化合物の金属原子とのモル比 Si/金属が低すぎる比較例1と、高すぎる比較例2と、シリカナノ粒子の平均一次粒径が小さすぎ
る比較例3と、大きすぎる比較例4と、シリカナノ粒子を含まない比較例5は、酸素バリア性が低下し、特に、比較例1、3、5は、層(Y)にクラックが発生したために、正確な酸素透過度の測定はできなかった。また、水溶性有機高分子化合物を含まない比較例6は、塗工性が悪いために塗工物を得られず、以降の評価を実施できなかった。
2、2a、2b. ガスバリア層(Y)
3. シーラント層
Claims (13)
- 基材層(X)と、樹脂組成物を用いて形成された層(Y)とを有する、ガスバリア積層体であって、
前記樹脂組成物は、少なくとも、シリカナノ粒子と、加水分解性金属元素含有化合物と、水溶性有機高分子化合物と、溶剤とを含有する混合物が、ゾルゲル法により加水分解縮合した成分を含み、
前記加水分解性金属元素含有化合物は、加水分解により水酸基を2個以上有し得るものであり、
前記シリカナノ粒子の平均一次粒径は、7nm以上、60nm以下であり、
前記シリカナノ粒子のSi原子と、加水分解性金属元素含有化合物の金属原子との、モル比 Si/金属が、1.2以上、9以下である、ガスバリア積層体。 - 前記加水分解性金属元素含有化合物が、加水分解性珪素化合物である、請求項1に記載の、ガスバリア積層体。
- 前記加水分解性金属元素含有化合物が、珪素アルコキシドである、請求項1または2に記載の、ガスバリア積層体。
- 前記加水分解性金属元素含有化合物が、テトラエトキシシランである、請求項1〜3の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
- 前記水溶性有機高分子化合物の、層(Y)中の含有率が、1質量%以上、20質量%以下である、請求項1〜4の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
- 前記水溶性有機高分子化合物の、前記樹脂組成物の加水分解前の全非溶剤成分中の含有率が、0.5質量%以上、10質量%以下である、請求項1〜5の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
- 前記水溶性有機高分子化合物が、水酸基を有する水溶性有機高分子化合物である、請求項1〜6の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
- 前記水溶性有機高分子化合物が、アルコール性水酸基を有する水溶性有機高分子化合物である、請求項1〜7の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
- 前記水溶性有機高分子化合物が、脂肪族主骨格からなる水溶性有機高分子化合物である、請求項1〜8の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
- 前記水溶性有機高分子化合物が、ポリビニルアルコールである、請求項1〜9の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
- 前記層(Y)の厚みが、0.05μm以上、2μm以下である、請求項1〜10の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
- 請求項1〜11の何れか1項に記載の積層体を用いて作製した、ガスバリア包装材料。
- 請求項1〜11の何れか1項に記載のガスバリア積層体を製造するための製造方法であって、少なくとも、下記a)、b)、c)、d)、e)の工程を含む、ガスバリア積層体の製造方法。
a)前記加水分解性金属元素含有化合物の加水分解物を含む溶液Aを調製する工程。
b)前記シリカナノ粒子が分散した溶液Bと、前記水溶性有機高分子化合物とを混合して、溶液Cを調製する工程。
c)溶液Cと溶液Aとを少量ずつ混合して、前記シリカナノ粒子のSi原子と前記加水分解性金属元素含有化合物の金属原子とのモル比 Si/金属が、1.2以上、9以下である、溶液Dを調製する工程。
d)溶液Dを基材層(X)に塗布して、塗工物Eを得る工程。
e)塗工物Eを、40℃以上、120℃以下の温度で加熱して、層(Y)を形成する工程。
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