JP2018126744A - プレス機械の安全装置 - Google Patents

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明彦 小森
Akihiko Komori
明彦 小森
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Abstract

【課題】プレス機械用シャッタの閉動作時に作業者の手等の接近を検出してプレススライドを停止させることができるプレス機械の安全装置を提供する。【解決手段】往復動作するプレススライド7によってワークをプレス加工するプレス機械1に適用されるプレス機械の安全装置において、作業者の手等がプレス機械1の所定領域へ作業者の手等が侵入することを防ぐシャッタ10と、シャッタ10に固定されると共にプレススライド7の停止信号を出力するオフスイッチ53,63,73と、シャッタ10側に一端が固定されると共に、他端がオフスイッチ53,63,73の操作子に接続されるワイヤ41とを備える。シャッタ10が上方へ向けて閉動作する上下開閉式であり、ワイヤ41の少なくとも一部を、シャッタ10の上端より上方の位置で、上端と略平行となるように配設する。オフスイッチを、プレススライドと共にシャッタ10の閉動作も停止させるスイッチとする。【選択図】図6

Description

本発明は、プレス機械の安全装置に係り、特に、所定の状態を検出することでプレススライドを停止させるプレス機械の安全装置に関する。
従来から、金型に圧力をかけて鋼板を所定の形状に加工するプレス機械において、プレス機械の作動部分であるプレススライドの作動時に、作業者の手等が所定領域に侵入しないようにシャッタを閉じるようにした安全装置が知られている。
特許文献1には、プレス機械の前面に取り付けられ、プレススライドの作動タイミングに合わせて上下方向に閉じるシャッタが開示されている。
特開2002−126899号公報
特許文献1に開示されたプレス機械用シャッタには、シャッタの閉動作時に作業者の手等がシャッタに接触した際の衝撃を和らげる機構が備えられている。しかし、シャッタに作業者の手等が接触するということは、作業者の身体がプレススライドに比較的近い位置に存在することが予想される。これに対応し、本発明者は、安全性をより一層高めるため、作業者の手等がシャッタに接触する直前に接近を検出してプレススライドを停止させることを検討した。特許文献1には、このような構成は開示も示唆もされていなかった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、プレス機械用シャッタの閉動作時に作業者の手等の接近を検出してプレススライドを停止させることができるプレス機械の安全装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、往復動作するプレススライド(7)によってワークをプレス加工するプレス機械(1)に適用されるプレス機械の安全装置において、作業者の手等が前記プレス機械(1)の所定領域へ作業者の手等が侵入することを防ぐシャッタ(10)と、前記シャッタ(10)に固定されると共に、前記プレススライド(7)の停止信号を出力するオフスイッチ(53,63,73)と、前記シャッタ(10)側に一端が固定されると共に、他端が前記オフスイッチ(53,63,73)の操作子に接続される紐状体(41)とを備え、前記シャッタ(10)が、上方へ向けて閉動作する上下開閉式であり、前記紐状体(41)の少なくとも一部が、前記シャッタ(10)の上端より上方の位置で、前記上端と略平行となるように配設されている点に第1の特徴がある。
また、前記オフスイッチ(53,63,73)が、前記プレススライド(7)と共に前記シャッタ(10)の閉動作も停止させるスイッチである点に第2の特徴がある。
また、前記紐状体(41)が、金属製のワイヤである点に第3の特徴がある。
また、前記紐状体(41)の一端は、前記シャッタ(10)の上端に取り付けられる第1ステー(42)に固定され、前記紐状体(41)の一端と他端との間の位置で、前記シャッタ(10)の上端に取り付けられる第2ステー(43)に軸支されたプーリ(44)が前記紐状体(41)の指向方向を下方に変更するように構成されており、前記紐状体(41)の他端が、前記プーリ(44)の下方の位置で前記オフスイッチ(53,63,73)の操作子に接続されている点に第4の特徴がある。
また、前記紐状体(41)が、前記プレス機械(1)の前後方向で、前記シャッタ(10)より前側にオフセット配置されている点に第5の特徴がある。
さらに、前記シャッタ(10)の上方に、前記プレス機械(1)に固定される上側枠(20)が設けられており、前記シャッタ(10)を閉状態とした際に、前記上側枠(20)と前記シャッタ(10)の上端部との間の隙間(T)が約7cmとなるように設定されている点に第6の特徴がある。
第1の特徴によれば、作業者の手等が前記プレス機械(1)の所定領域へ作業者の手等が侵入することを防ぐシャッタ(10)と、前記シャッタ(10)に固定されると共に、前記プレススライド(7)の停止信号を出力するオフスイッチ(53,63,73)と、前記シャッタ(10)側に一端が固定されると共に、他端が前記オフスイッチ(53,63,73)の操作子に接続される紐状体(41)とを備え、前記シャッタ(10)が、上方へ向けて閉動作する上下開閉式であり、前記紐状体(41)の少なくとも一部が、前記シャッタ(10)の上端より上方の位置で、前記上端と略平行となるように配設されているので、シャッタの上方に作業者の手等が存在する状態でシャッタが閉動作を開始した場合に、作業者の手等に紐状体が接触することでオフスイッチが作動してプレススライドを停止させることが可能となる。これにより、作業者の身体がプレススライドに比較的近い位置に存在する状態において速やかにプレススライドを停止させ、プレス機械の安全性を高めることが可能となる。
第2の特徴によれば、前記オフスイッチ(53,63,73)が、前記プレススライド(7)と共に前記シャッタ(10)の閉動作も停止させるスイッチであるので、プレススライドだけでなくシャッタの閉動作も停止させることで、手等がシャッタに挟まれる可能性を低減できる。
第3の特徴によれば、前記紐状体(41)が、金属製のワイヤであるので、紐状体を伸縮性の低いワイヤとすることで、手等が紐状体に接触してからスイッチが作動するまでのタイムラグを低減することができる。また、プレス機械の安全装置の耐久性を高めることができる。
第4の特徴によれば、前記紐状体(41)の一端は、前記シャッタ(10)の上端に取り付けられる第1ステー(42)に固定され、前記紐状体(41)の一端と他端との間の位置で、前記シャッタ(10)の上端に取り付けられる第2ステー(43)に軸支されたプーリ(44)が前記紐状体(41)の指向方向を下方に変更するように構成されており、前記紐状体(41)の他端が、前記プーリ(44)の下方の位置で前記オフスイッチ(53,63,73)の操作子に接続されているので、オフスイッチをシャッタの上端より下方の位置に取り付けることが可能となり、これにより、紐状体が接触センサとして機能する左右方向に張られた部分を長くすることができる。
第5の特徴によれば、前記紐状体(41)が、前記プレス機械(1)の前後方向で、前記シャッタ(10)より前側にオフセット配置されているので、作業者の手等が挿入される側に紐状体をオフセット配置することで、検出タイミングを早めることが可能となる。
第6の特徴によれば、前記シャッタ(10)の上方に、前記プレス機械(1)に固定される上側枠(20)が設けられており、前記シャッタ(10)を閉状態とした際に、前記上側枠(20)と前記シャッタ(10)の上端部との間の隙間(T)が約7cmとなるように設定されているので、上側枠によって作業者の手等が所定範囲より上方に移動しないように規制できると共に、上側枠とシャッタとの間に手等が挟まれることを防ぐことが可能となる。
本実施形態に係る安全装置を適用したプレス機械の正面図である。 シャッタの背面図である。 プレス機械の安全装置を構成する接近検出装置および動作停止装置の構成を示す正面図である。 接近検出装置および動作停止装置の作動状態を示す正面図である。 プレス機械の安全装置の変形例を示す正面図である。 図5に示したプレス機械の安全装置の一部拡大側面図である。 本実施形態の第2変形例に係る動作停止装置の構成を示す正面図である。 本実施形態の第3変形例に係る動作停止装置の構成を示す正面図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る安全装置を適用したプレス機械1の斜視図である。プレス機械1は、フライホイール4の慣性力によってプレススライド7を上下させる機械式とされる。上部筐体2の右側部には、カバー部材3に覆われたフライホイール4およびモータ出力をフライホイールに伝達するモータプーリ6が取り付けられている。フライホイール4の中央部には、フライホイール4の回転を制御するクラッチおよびブレーキが収納されている。
プレススライド7の下方には、プレス加工を施すワークを設置するボルスタプレート9が配設されている。ボルスタプレート9の下方は、下部筐体13で支持されており、下部筐体13の前面側には前側カバー18が設けられ、下部筐体13の右側面にはプレススライド7を制御する制御盤12が配設されている。前面カバー18の上端部には、プレススライド7の作動スイッチ11が左右一対で設けられている。
ボルスタプレート9の左右両側には、透明な樹脂等で形成されて作業者の手等の侵入を防ぐ側板8が配設されている。そして、ボルスタプレート9の前方には、左右のガイド部材14に沿って上方に向けて閉動作する上下開閉式のシャッタ10が配設されており、このシャッタ10の上端部に本実施形態に係る接近検出装置40が配設されている。シャッタ10は、エアシリンダを用いた上下動機構Pによって開閉動作される。
図2は、シャッタ10の背面図である。本実施形態に係るシャッタ10は、無色透明なアクリル板等で形成されると共に、上下動機構Pに含まれるエアシリンダ17の動力によって上方にせりあがって閉動作するように構成されている。シャッタ10の上端には左右方向に指向する支持棒16が固定されており、この支持棒の下端にエアシリンダ17の連結部材が固定されている。エアシリンダ17には、上下動時にシャッタ10が傾かないように支持するガイド棒15が配設されている。シャッタ10の左右は、ガイド部材14によって摺動可能に支持されている。シャッタ10の開状態では、支持棒16の下端部がボルスタプレート9の上端部Uまで下がることとなる。なお、シャッタ10は、2または3分割式のシャッタが互いにスライドしながらせりあがる構造としてもよい。
図3は、本実施形態に係るプレス機械の安全装置を構成する接近検出装置40および動作停止装置50の構成を示す正面図である。また、図4は接近検出装置40および動作停止装置50の作動状態を示す正面図である。図4,5では、接近検出装置40および動作停止装置50を1枚式のシャッタ10に取り付けた状態を示している。
シャッタ10の上端部には、第1ステー42および第2ステー43が、それぞれ、ボルト等の締結部材45によって固定されている。第2ステー43には、プーリ44が軸44aによって回転自在に軸支されている。紐状体としてのワイヤ41は、伸縮性の低い金属製とされ、その一端が第1ステー42に固定され、他端側は動作停止装置50に接続されている。第1ステー42および第2ステー43は、ワイヤ41がシャッタ10の上方で左右方向に略水平に指向するように配設されており、一端側と他端側との間で、プーリ44によって指向方向が下方に変わるように構成されている。
ワイヤ41の他端は、プレススライド7を停止させるオフスイッチ53の操作子51に接続されている。これにより、作業者の手Hがワイヤ41に触れてワイヤ41が引かれることで操作子51が揺動し、ワイヤ41が引かれたことを変換部52がオフスイッチ53に伝達し、そして、配線54を介してプレススライド7の停止信号が出力されることとなる。すなわち、シャッタ10の上方に作業者の手Hが存在する状態でシャッタ10が閉動作すると、ワイヤ41に作業者の手Hが接触することでオフスイッチ53が作動し、プレススライド7が停止する。オフスイッチ53は、プレススライド7と共にシャッタ10の閉動作も停止させるように構成することができる。
図5は、プレス機械の安全装置の変形例を示す正面図である。この変形例では、シャッタ10の上方に上側枠20を設けた場合に、シャッタ10の閉状態においてシャッタ10の上端部と上側枠20との間に所定の隙間Tを確保するように構成している。本願出願人は、上方に向けてせりあがるシャッタ10を適用することで、作業者の手等がワイヤ41に接触した際に手等を手前に引っ込める動作がしやすくなり、かつ、隙間Tを適切な値(例えば、7cm)に設定することで、万一、作業者の手等が入った状態でシャッタ10が全閉状態になってもシャッタ10と上側枠20との間に手等が挟まれることを防止できるとして、このような構成を導き出している。
図6は、図5に示したプレス機械の安全装置の一部拡大側面図である。本実施形態では、ワイヤ41を、プレス機械1の前後方向で、シャッタ10の厚さ方向中心Oより前側にオフセット配置している。これにより、作業者の手等が挿入される側にワイヤ41がオフセット配置されることなり、接近の検出タイミングを早めることが可能となる。
図7は、本実施形態の第2変形例に係る動作停止装置60の構成を示す正面図である。本変形例では、操作子61をまっすぐ引くことで停止信号を出力するオフスイッチ63を適用した点に特徴がある。動作停止装置60は、オフスイッチ63に対して上下動作する伝達子62に操作子61が固定されており、この操作子61にワイヤ41の他端を接続するように構成されている。本変形例では、伝達子62を引き出す抵抗力の設定によって、オフスイッチ63の作動閾値を調整することができる。なお、この図では、操作子61の移動方向が上下方向に指向しているが、プーリ44の下流側のワイヤ41の指向方向を傾斜させると共にオフスイッチ63を傾斜させて取り付けてもよい。
図8は、本実施形態の第3変形例に係る動作停止装置70の構成を示す正面図である。本変形例では、操作子71を揺動させることで、突没子72が突出して停止信号を出力するオフスイッチ73を適用した点に特徴がある。操作子71は、オフスイッチ73の筐体に対して揺動自在に軸支されると共に、常にオフスイッチ73の筐体側に閉じるように付勢されている。これにより、本変形例では、操作子71への付勢力の設定によって、オフスイッチ73の作動閾値を調整することができる。
上記したように、本発明に係るプレス機械の安全装置によれば、往復動作するプレススライド7によってワークをプレス加工するプレス機械に適用されるプレス機械の安全装置において、作業者の手等がプレス機械の所定領域へ作業者の手等が侵入することを防ぐシャッタと、シャッタに固定されると共にプレススライドの停止信号を出力するオフスイッチと、シャッタ側に一端が固定されると共に、他端がオフスイッチの操作子に接続される紐状体とを備え、シャッタが上方へ向けて閉動作する上下開閉式であり、紐状体の少なくとも一部がシャッタの上端より上方の位置で、上端と略平行となるように配設されているので、シャッタの上方に作業者の手等が存在する状態でシャッタが閉動作を開始した場合に、作業者の手等に紐状体が接触することでオフスイッチが作動してプレススライドを停止させることが可能となる。これにより、作業者の身体がプレススライドに比較的近い位置に存在する状態において速やかにプレススライドを停止させ、プレス機械の安全性を高めることが可能となる。
なお、プレス機械の構成、シャッタの形状や構造、接触検出装置および動作停止装置の形態等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。本発明に係るプレス機械の安全装置は、油圧式のプレス機械のほか、作業者の手等が所定領域に侵入することを防ぐシャッタを備えた種々のプレス機械に適用することが可能である。
1…プレス機械、7…プレススライド、9…ボルスタプレート、10…シャッタ、17…エアシリンダ、20…上側枠、40…接触検出装置、50,60,70…動作停止装置、53,63,73…オフスイッチ、41…ワイヤ(紐状体)、42…第1ステー、43…第2ステー、44…プーリ、45…締結部材、53,63,73…オフスイッチ、H…作業者の手等、T…隙間

Claims (6)

  1. 往復動作するプレススライド(7)によってワークをプレス加工するプレス機械(1)に適用されるプレス機械の安全装置において、
    作業者の手等が前記プレス機械(1)の所定領域へ作業者の手等が侵入することを防ぐシャッタ(10)と、
    前記シャッタ(10)に固定されると共に、前記プレススライド(7)の停止信号を出力するオフスイッチ(53,63,73)と、
    前記シャッタ(10)側に一端が固定されると共に、他端が前記オフスイッチ(53,63,73)の操作子に接続される紐状体(41)とを備え、
    前記シャッタ(10)が、上方へ向けて閉動作する上下開閉式であり、
    前記紐状体(41)の少なくとも一部が、前記シャッタ(10)の上端より上方の位置で、前記上端と略平行となるように配設されていることを特徴とするプレス機械の安全装置。
  2. 前記オフスイッチ(53,63,73)が、前記プレススライド(7)と共に前記シャッタ(10)の閉動作も停止させるスイッチであることを特徴とする請求項1に記載のプレス機械の安全装置。
  3. 前記紐状体(41)が、金属製のワイヤであることを特徴とする請求項1または2に記載のプレス機械の安全装置。
  4. 前記紐状体(41)の一端は、前記シャッタ(10)の上端に取り付けられる第1ステー(42)に固定され、
    前記紐状体(41)の一端と他端との間の位置で、前記シャッタ(10)の上端に取り付けられる第2ステー(43)に軸支されたプーリ(44)が前記紐状体(41)の指向方向を下方に変更するように構成されており、
    前記紐状体(41)の他端が、前記プーリ(44)の下方の位置で前記オフスイッチ(53,63,73)の操作子に接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のプレス機械の安全装置。
  5. 前記紐状体(41)が、前記プレス機械(1)の前後方向で、前記シャッタ(10)より前側にオフセット配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のプレス機械の安全装置。
  6. 前記シャッタ(10)の上方に、前記プレス機械(1)に固定される上側枠(20)が設けられており、
    前記シャッタ(10)を閉状態とした際に、前記上側枠(20)と前記シャッタ(10)の上端部との間の隙間(T)が約7cmとなるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のプレス機械の安全装置。
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