JP2018125343A - 貫通電極基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電層を充填した貫通電極の形成工程を簡略化した貫通電極基板、及び貫通電極基板の製造方法を提供する。【解決手段】第1面101a及び第1面とは反対側の第2面101bを有し、第1面と第2面とを貫通し、内周側に絶縁表面を有する貫通孔102が形成された基板100に対して、第1面よりも貫通孔の内周側においてフラックスに対する濡れ性を高める処理をし、第1面のうち貫通孔の開口部の周縁にフラックスを形成し、フラックスを介して第1面上に金属粒子を配置し、加熱処理により、金属粒子を溶融し、溶融した金属を、貫通孔に流入してから固化する。【選択図】図2
Description
本開示は、貫通電極基板及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の高密度化、小型化が進み、LSIチップが半導体パッケージと同程度まで縮小化しており、パッケージ内におけるチップの2次元配置による高密度化は限界に達しつつある。そこで、パッケージ内におけるチップの実装密度を上げるため、LSIチップを3次元に積層することが検討されている。LSIチップを3次元に積層するにあたり、LSIチップを積層した半導体パッケージ全体を高速動作させるために積層回路間の距離を近づける必要がある。
そこで、上記要求に応えるため、LSIチップ間のインターポーザとして、基板の表面と裏面とを貫通する貫通孔内に導電部を設け、当該基板の表面と裏面とを導通させる貫通電極基板が提案されている。このような貫通電極基板では、貫通孔の内部に電解メッキ等によって導電材(Cu等)を充填したり、導電層を貫通孔の内壁に形成したりすることによって貫通電極が形成されている。
例えば、特許文献1には、半導体基板に設けられた貫通孔の内部に、絶縁膜を成膜し、エッチングにより貫通孔の底部のパッドを露出した後、電解めっきにより、貫通孔内部に導体を充填して、貫通電極を形成する方法が開示されている(特許文献1)。
特許文献1に開示された技術によれば、貫通孔に電極を充填させる際に電気めっき処理が用いられる。この例では、シード層は、基板の一方の面に形成される。このシード層から導電層が成長し、貫通孔の内部に導電層が充填されることになるが、導電層はシード層が設けられた面からも成長する。そのため、シード層が設けられた面に成長した導電層は、最終的には、シード層と共に除去されなければならない。
このように電解めっき処理は、貫通孔に導電層を充填することには優れているが、一度形成した層を除去するなど、製造工程が煩雑になる場合があった。また、専用のめっき設備が必要となるだけでなく、めっきで金属を表面に堆積させていくことは時間がかかってしまうため、歩留まりが悪いという問題がある。
そこで、本開示は、貫通電極の形成工程が簡略化された貫通電極基板、及び貫通電極基板の製造方法を提供することを目的の一つとする。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板の製造方法は、第1面及び第1面とは反対側の第2面を有し、第1面と第2面とを貫通し、内周側に絶縁表面を有する貫通孔が形成された基板に対して、第1面よりも貫通孔の内周側においてフラックスに対する濡れ性を高める処理をし、第1面のうち貫通孔の開口部の周縁にフラックスを形成し、フラックスを介して第1面上に金属粒子を配置し、加熱処理により、金属粒子を溶融し、溶融した金属を、貫通孔に流入してから固化することを含む。
上記製造方法において、濡れ性を高める処理は、貫通孔の内周側に金属層を形成することを含んでいてもよい。
また、上記製造方法において、金属粒子は、球状のはんだボールであってもよい。
また、上記製造方法において、金属粒子は、スズを含んでいてもよい。
また、上記製造方法において、金属粒子の粒径は、貫通孔の開口部の孔径よりも大きくてもよい。
また、上記製造方法において、金属粒子の配置は、金属粒子の複数を、第1基板上に落下させ、複数の金属粒子のうち、第1面上にフラックスを介して配置された金属粒子以外の金属粒子を除去することを含んでいてもよい。
また、上記製造方法において、加熱処理の温度は、250℃以上350℃以下であってもよい。
また、上記製造方法において、基板は、ガラス基板であってもよい。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板は、第1面及び第1面とは反対側の第2面を有し、第1面と第2面とを貫通する貫通孔が配置された基板と、貫通孔の内周側に設けられた下地層と、貫通孔の内部に設けられた導電材と、を有し、導電材の融点は、250℃以上350℃以下であってもよい。
上記構成において、下地層は、フラックスに対する濡れ性が制御されている。
上記構成において、下地層は、銅、金、白金、スズ、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、若しくはタングステンのいずれか一種、又はこれらの金属を含む合金のいずれか一種である。
上記構成において、導電材は、第1面よりも上方に湾曲した形状を有し、第2面よりも下方に湾曲した形状を有していてもよい。
また、本開示の他の実施形態に係る貫通電極基板は、第1面及び第1面とは反対側の第2面を有し、第1面と第2面とを貫通する貫通孔が配置された基板と、第1面に設けられた下地層と、貫通孔の内部に設けられた導電材と、を有し、導電材の融点は、250℃以上350℃以下である。
上記構成において、下地層は、フラックスに対する濡れ性が制御されている。
上記構成において、下地層は、酸化シリコン膜であってもよい。
上記構成において、導電材は、第1面よりも上方に湾曲した形状を有し、第2面よりも下方に湾曲した形状を有していてもよい。
また、上記構成において、導電材は、スズを含む合金であってもよい。
また、上記構成において、基板は、ガラス基板であってもよい。
本開示によると、貫通電極の形成工程が簡略化された貫通電極基板、及び貫通電極基板の製造方法を提供することができる。
以下、本開示の実施形態に係る貫通電極基板について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。なお、以下の実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部を図面から省略している場合がある。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る貫通電極基板について、図1乃至図15を参照して詳細に説明する。
第1実施形態に係る貫通電極基板について、図1乃至図15を参照して詳細に説明する。
[貫通電極基板の構造]
第1実施形態に係る貫通電極基板の構造について、図1及び図2を参照して説明する。図1に、第1実施形態に係る貫通電極基板110の平面図を示す。また、図2に、図1に示す第1実施形態に係る貫通電極基板110の破線で示したA1−A2線に沿った断面図を示す。
第1実施形態に係る貫通電極基板の構造について、図1及び図2を参照して説明する。図1に、第1実施形態に係る貫通電極基板110の平面図を示す。また、図2に、図1に示す第1実施形態に係る貫通電極基板110の破線で示したA1−A2線に沿った断面図を示す。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る貫通電極基板110は、第1面101aと、第1面101aとは反対側の第2面101bを有する基板100を含む。基板100には、第1面101aから第2面101bにかけて基板100を貫通する貫通孔102が複数設けられている。貫通孔102の内壁には、下地層103が設けられ、貫通孔102の内部には、導電材104が充填されている。なお、図1及び図2では、基板100に複数の貫通孔102が設けられた例を示しているが、基板100に設けられる貫通孔102の数は、一つ以上であればよい。
基板100は、絶縁性基板である。絶縁性基板としては、例えば、ガラス基板、サファイア基板、樹脂基板などを用いることができる。また、基板100は、シリコン基板などの半導体基板であってもよい。上述したように、基板100には、貫通孔102が設けられている。貫通孔102は、基板100の第1面101aから第1面101aとは反対側の第2面101bにかけて基板100を貫通している。貫通孔102の開口部の孔径は、5μm以上300μm以下、好ましくは20μm以上100μm以下とする。なお、本明細書中において、孔径とは、貫通孔の直径をいい、貫通孔の断面が円でない場合には、断面の周囲の長さを円周とするような円の直径を貫通孔の幅、すなわち孔径とする。
貫通孔102の内部には、下地層103が設けられている。下地層103は、フラックスに対して、濡れ性が高い材料であることが好ましい。また、下地層103は、表面処理を施すことで、フラックスの濡れ性が向上する材料であってもよい。下地層103としては、例えば、銅、金、白金、スズ、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、タングステンなどの金属又はこれらの金属を組み合わせた合金を用いることができる。なお、下地層103は、上述した金属層の単層構造であってもよく、また、上述した2種類以上の金属層、又は酸化膜及び窒化膜などの絶縁層であってもよい。を組み合わせた多層構造であってもよい。下地層103の膜厚は、5nm以上10μm以下、好ましくは10nm以上100nm以下とする。
貫通孔102の内部には、導電材104が設けられている。導電材104は、下地層103に接するように設けられている。導電材104として、スズ(Sn)と銀(Ag)と銅(Cu)の合金、スズと金(Au)の合金、スズと銅の合金、またはスズと銀の合金などを用いることができる。導電材104として、例えば、スズを含む合金を用いることが好ましく、スズ、銀、及び銅を含む合金を用いることがより好ましい。また、導電材104に含まれるスズは、90重量パーセント以上とすることが好ましい。また、導電材104の融点としては、250℃以上350℃以下である。
図2に示すように、基板100の貫通孔102の内壁には、下地層103が設けられており、基板100の第1面101a及び第2面101bには、下地層103が設けられていない。これにより、貫通孔102の内周側は、第1面101a及び第2面101bのフラックスに対する濡れ性とは異なる表面とすることができる。貫通孔102の内周側は、第1面101a及び第2面101bのフラックスに対する濡れ性よりも高いことが好ましい。基板100の表面及び裏面のフラックスに対する濡れ性と、貫通孔102内周側のフラックスに対する濡れ性との違いを利用することにより、貫通孔102内部に導電材を設けることができる。
[貫通電極基板の製造方法1]
次に、本実施形態に係る貫通電極基板の製造方法について、図3乃至図10を参照して説明する。
次に、本実施形態に係る貫通電極基板の製造方法について、図3乃至図10を参照して説明する。
図3乃至図11は、図1のA1−A2線に沿った断面図である。本実施形態では、基板100として、ガラス基板を使用した貫通電極基板110の製造方法について説明する。
まず、図3に示すように、基板100に貫通孔102を形成する。貫通孔102の形成方法は、まず、基板100の内部にレーザ光を照射することにより、レーザ光が照射された領域を変質させる。その後、変質した領域をエッチングで除去することにより、貫通孔102を形成することができる。本実施形態では、貫通孔102の開口部の孔径は、5μm以上300μm以下、好ましくは20μm以上100μm以下とする。
なお、貫通孔102の形成方法は、上記の方法に限定されない。例えば、高出力のレーザ光を基板100に照射し、基板100を融解することで、貫通孔102を形成してもよい。例えば、ガラス基板を融解できるレーザとしては、CO2レーザなどを使用することができる。
次に、基板100に対して、第1面101aよりも貫通孔102の内周側において、フラックスに対する濡れ性を高める処理を行う。フラックスに対する濡れ性を高める処理として、貫通孔102の内壁に下地層121を形成する。
図4に、基板100に下地層121を形成する工程を示す。図4に示すように、基板100の第1面101a及び第2面101b、並びに貫通孔102の内壁に、下地層121を形成する。下地層121は、例えば、真空蒸着法若しくはスパッタリング法などのPVD法、CVD法、又は無電解めっき法などにより形成することができる。また、下地層121は、基板100のフラックスに対する濡れ性よりも濡れ性が高い材料であることが好ましい。下地層121としては、例えば、銅、金、白金、スズ、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、タングステンなどの金属、又はこれらの金属を組み合わせた合金を用いることができる。なお、下地層121は、上述した金属層の単層構造であってもよく、また、上述した2種類以上の金属層を組み合わせた多層構造であってもよい。ここで、下地層121の膜厚は、5nm以上10μm以下、好ましくは10nm以上100nm以下とする。
図5に、基板100の第1面101a及び第2面101bに形成された下地層121を除去する工程を示す。基板100の第1面101a及び第2面101bに形成された下地層121の除去は、例えば、化学的機械研磨法(CMP)を用いて行う。まず、基板100の第1面101a側の下地層121に対して研磨を行うことで、基板100の第1面101aを露出させる。次に、基板100の第2面101b側の下地層に対して研磨を行うことで、基板100の第2面101bを露出させる。これにより、基板100の第1面101a及び第2面101bに形成された下地層121は除去され、貫通孔102内壁に下地層103を残存させることができる。
図5に示すように、基板100の第1面101a及び第2面101bは露出され、貫通孔102内壁には下地層103が設けられている。貫通孔102内壁に設けられる下地層103は、基板100の第1面101a及び第2面101bのフラックスに対する濡れ性よりも高い。以上の工程により、基板100において、フラックスに対する濡れ性の低い領域と、フラックスに対する濡れ性の高い領域と、を選択的に形成することができる。
図6に、基板100の第1面101aに、フラックス122を塗布する工程を示す。フラックス122は、スクリーン印刷法又はインクジェット法により塗布することができる。また、フラックス122としては、ロジン系のフラックス又は水溶系のフラックスなどを用いることができる。
本実施形態では、スクリーン印刷法により、フラックス122を、基板100の第1面101aの所定の位置(下地層103の一部)に塗布する。なお、図6では、基板100の第1面101aにフラックス122を塗布する工程について説明したが、基板100の第2面101bに、フラックス122を塗布してもよい。なお、図6では、下地層103及び基板100上にフラックス122が設けられる図を示したが、フラックス122は、貫通孔102内周側に入り込んでいることが好ましい。
次に、図7に示すように、基板100の第1面101a側の貫通孔102の開口部の周縁に、フラックス122を介して金属粒子123を配置する。金属粒子123としては、例えば、はんだボールを用いることができる。はんだボールは、球状であることが好ましいが、他の形状であってもよい。金属粒子123としては、スズ(Sn)と銀(Ag)と銅(Cu)の合金、スズと金(Au)の合金、スズと銅の合金、またはスズと銀の合金などを用いることができる。
また、金属粒子123の粒径は、貫通孔102の開口部の孔径よりも大きいことが好ましい。金属粒子の粒径は、5μm以上1500μm以下、好ましくは20μm以上500μm以下とする。また、金属粒子の粒径は、貫通孔102の開口部の孔径に対して、1倍以上5倍以下とする。なお、金属粒子123の粒径を貫通孔102の開口部の孔径に対して1倍としても、貫通孔102の開口部の周縁にフラックス122が形成されているため、金属粒子123は貫通孔102の内部に入っていかない。また、複数の貫通孔102のピッチが狭い場合、金属粒子123の粒径が大きすぎると、複数の金属粒子123が接触してしまうおそれがある。なお、本明細書中において、粒径とは、粒子の直径をいい、粒子が球でない場合には、粒子の最大直径をいう。
また、金属粒子123を貫通孔102の開口部に配置するために、例えば、ハンダボールマウンタ(澁谷工業株式会社製、SBP550)を使用することができる。図8に、ハンダボールマウンタのボール搭載手段200を示す。ボール搭載手段200は、ボールカップ201と、ボール吸着体202と、吸引通路203と、を有する。また、ボールカップ201には、吸引通路203によって仕切られた上部空間204と、下部空間205とを有する。また、ボール吸着体202として、金属粒子123が通過せず、気体が通過可能な排気網が設けられている。
まず、ボール搭載手段200によって、基板100の第1面101a上に、吸引通路203からの吸引を停止すれば、複数の金属粒子123を落下させることができる。複数の金属粒子123は、基板100の第1面101aを転がり、貫通孔102の開口部の周縁に塗布されたフラックスに接着される。なお、図8では、基板100の第1面101a上にも金属粒子123が存在する。
次に、図9に示すように、ボールカップ201内を吸引状態にする。この吸引により、ボールカップ201下方のフラックスと接着していない金属粒子123が浮上し、ボール吸着体202に吸着する。なお、フラックスと接着している金属粒子123は動かない。これにより、貫通孔102の開口部の周縁以外の金属粒子123を除去することができる。
以上のとおり、貫通孔102の開口部の周縁に塗布されたフラックスの粘着性により、複数の金属粒子123を、選択的に設けることができる。
次に、加熱処理を行うことで金属粒子123を溶融し、貫通孔102の内部に溶融した金属を流入した後、固化することで、貫通孔102の内部に導電材104を形成する工程について説明する。
まず、基板100の貫通孔102の上方に金属粒子123が設けられた状態で、リフロー炉に搬入する。次に、予備加熱を行うことにより、フラックス122が液化し、貫通孔102の内周側(下地層103)に濡れ広がる。また、フラックス122に含まれる活性剤が活性化することにより、下地層103に形成された酸化膜が除去される。これにより、下地層103の表面の溶融した金属に対する濡れ性をより高めることができる。予備加熱の温度は、フラックスの液相線温度とする。よって、予備加熱の温度は、フラックスの材料によっても異なるが、210℃以上230℃以下とする。フラックスとして、ロジン系を使用した場合、液相線温度は220℃となる。なお、予備加熱の温度は、金属粒子123の融点よりも低いため、金属粒子123の形状には変化はない。
次に、温度を上昇させて加熱処理を行うことにより、金属粒子123が溶融する。図10に、溶融した金属124が、貫通孔102の内部に流入される様子を示す。本実施形態では、基板100の第1面101aの溶融した金属124に対する濡れ性は、下地層103の溶融した金属124に対する濡れ性よりも低いため、溶融した金属124は、基板100の第1面101aで弾かれる。そして、溶融した金属124は、溶融した金属124に対する濡れ性が高い下地層103が形成された貫通孔102の内部に、濡れ広がる。加熱処理の温度は、基板100の耐熱温度を考慮すると、230℃以上600℃以下とすることが好ましい。加熱処理の温度は、基板100の耐熱温度、基板101と導電材104との熱膨張率の差、及び加熱炉を考慮すると、230℃以上400℃以下とすることが好ましい。金属粒子123として、例えば、Sn−Ag(3%)−Cu(0.5%)、φ60μm、又はSn−Ag(3%)−Cu(0.5%)、φ100μmを使用する場合には、加熱温度を250℃とすることができる。また、加熱処理を、減圧又は真空状態で行うことにより、溶融した金属124が貫通孔102の内部に流入されやすくなる。また、加熱処理により、フラックスが十分に蒸発することで、フラックス由来の残渣成分が除去されることが好ましい。
最後に、貫通孔102内部に溶融した金属124が流入され、冷却されて固化することで、貫通孔102内部に導電材104を形成することができる。
以上の工程により、図2に示すように、基板100の貫通孔102内部に導電材104が設けられた貫通電極基板110を製造することができる。本実施の形態に示す貫通電極基板110の製造方法によれば、金属粒子123を溶融することで、貫通孔102内部に導電材104を流入させることができるため、製造工程の簡略化を図ることができる。
貫通孔102の内壁に形成された下地層103のフラックスに対する濡れ性は、基板100の第1面101aのフラックスに対する濡れ性よりも高い。そのため、予備加熱を行うことにより、フラックス122が液化すると、貫通孔102の内周側(下地層103)に濡れ広がる。これにより、下地層103の表面は、溶融した金属124に対する濡れ性が向上する。次に、加熱処理を行うことにより、溶融した金属124は、基板100の第1面101aで弾かれて、貫通孔102の内周部に濡れ広がる。また、溶融した金属124の表面張力により、溶融した金属124が、貫通孔102の下方に落ちることを防止することができる。これにより、基板100に設けられた複数の貫通孔102の内部に設けられる導電材104の量を、均一にすることができる。
なお、図2に示す貫通電極基板110では、導電材104の表面は、基板100の第1面101aの表面よりも低くなる場合について説明したが、本開示は、この構造に限定されない。例えば、図11に示すように、導電材104の表面が、基板100の第1面101aの上方に湾曲した形状を有していてもよい。また、基板100の第2面101bの下方に湾曲した形状を有していてもよい。貫通孔102の内部に設けられる導電材104の量は、貫通孔102の粒径及び貫通孔102の深さに応じて、使用する金属粒子123の粒径によって、調節することができる。
[貫通電極基板の製造方法2]
次に、図3乃至図11に示した貫通電極基板110の製造方法とは、一部異なる製造方法について、図12乃至図15を参照して説明する。具体的には、貫通孔102に導電材104を設ける工程が異なっている。基板100に形成された貫通孔102の孔径や孔の深さによっては、貫通孔102の内部に一度で導電材104を設けることができない場合がある。そこで、貫通孔102に内部に導電材を設ける際に、複数回に分けて行う方法について説明する。
次に、図3乃至図11に示した貫通電極基板110の製造方法とは、一部異なる製造方法について、図12乃至図15を参照して説明する。具体的には、貫通孔102に導電材104を設ける工程が異なっている。基板100に形成された貫通孔102の孔径や孔の深さによっては、貫通孔102の内部に一度で導電材104を設けることができない場合がある。そこで、貫通孔102に内部に導電材を設ける際に、複数回に分けて行う方法について説明する。
なお、基板100に貫通孔102を形成する工程から、貫通孔102上にフラックスを介して金属粒子を配置する工程までは、貫通電極基板110の製造方法と同様であるため詳細な説明は省略する。
図12に示すように、基板100の貫通孔102の内壁には、下地層103が設けられている。貫通孔102の第1面101a開口部の周縁にはフラックス125が設けられている。また、貫通孔102の開口部上にフラックス125を介して、金属粒子126が設けられている。
次に、加熱処理を行うことで金属粒子126を溶融し、貫通孔102内部に溶融した金属を流入した後、固化することで、貫通孔102内部に導電材104を形成する。
まず、第1実施形態と同様に、基板100の貫通孔102の上方に金属粒子126が設けられた状態で、リフロー炉に搬入する。次に、予備加熱を行うことにより、フラックス125が液化し、貫通孔102の内周側に濡れ広がる。また、フラックス125に含まれる活性剤が活性化することにより、下地層103に形成された酸化膜が除去される。これにより、下地層103の表面の溶融した金属に対する濡れ性をより高めることができる。予備加熱の温度は、210℃以上230℃以下とする。なお、予備加熱の温度は、金属粒子126の融点よりも低いため、金属粒子126の形状には変化はない。
次に、温度を上昇させて加熱処理を行うことにより、金属粒子126が溶融する。本実施形態では、基板100の第1面101aの溶融した金属に対する濡れ性は、下地層103の溶融した金属に対する濡れ性よりも低いため、溶融した金属は、基板100の第1面101aで弾かれる。そして、溶融した金属は、溶融した金属に対する濡れ性が高い下地層103が形成された貫通孔102の内部に、濡れ広がる。加熱処理の温度は、250℃以上350℃以下とする。また、加熱処理を、減圧又は真空状態で行うことにより、溶融した金属が貫通孔102の内部に流入されやすくなる。また、加熱処理により、フラックスが十分に蒸発することで、フラックス由来の残渣成分が除去されることが好ましい。その後、冷却して溶融した金属を固化することにより、導電材127を形成することができる。
図13に示すように、貫通孔102の内部の体積に対して、導電材127の体積が小さい。そのため、貫通孔102の内部全体に導電材127が設けられないため、再度、貫通孔102の内部に、導電材を設ける工程を行う。
図14に示すように、基板100を反転して、第2面101b側に、フラックス128を設ける。また、貫通孔102の開口部上にフラックス128を介して、金属粒子129を設ける。このとき、金属粒子126と金属粒子129は、同じ組成であることが好ましい。
次に、基板100の貫通孔102の上方に金属粒子129が設けられた状態で、リフロー炉に流入する。次に、予備加熱を行うことにより、フラックス128が液化し、貫通孔102の内周側に濡れ広がる。また、フラックス128に含まれる活性剤が活性化することにより、下地層103に形成された酸化膜が除去される。これにより、下地層103の表面の溶融した金属に対する濡れ性をより高めることができる。次に、温度を上昇させて加熱処理を行うことにより、金属粒子129が溶融する。基板100の第2面101bの溶融した金属に対する濡れ性は、下地層103の溶融した金属に対する濡れ性よりも低いため、溶融した金属は、基板100の第2面101bで弾かれる。そして、溶融した金属は、溶融した金属に対する濡れ性が高い下地層103が形成された貫通孔102の内部に、濡れ広がる。また、加熱処理により、貫通孔102の内部で、導電材127が再び溶融する。貫通孔102の内部で、金属粒子129が溶融した金属と導電材127が溶融した金属とが融合する。その後、冷却することで、貫通孔102の内部に、導電材104を形成することができる。
以上の工程により、図15に示すように、基板100の貫通孔102内部に導電材104が設けられた貫通電極基板110を形成することができる。本実施の形態に示す貫通電極基板110の製造方法によれば、金属粒子123を用いて、貫通孔102内部に導電材104を設けることができるため、製造工程の簡略化を図ることができる。
また、図12乃至図15に示す貫通電極基板110の製造方法によれば、導電材104の形成工程は、貫通孔102の開口部の孔径や深さに応じて、複数回に分けて行うことができる。図12乃至図15においては、基板100の第1面101a側から導電材を設けた後、第2面101b側から導電材を設ける場合について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、第1面101a側から導電材を設けた後、再度、第1面101a側から導電材を設けてもよい。また、第1面101aの貫通孔の開口部の周縁にフラックスを介して金属粒子を配置し、第2面101bの貫通孔の開口部の周縁にフラックスを介して金属粒子を配置した後に、加熱処理を行ってもよい。第1面101a及び第2面101bのそれぞれに金属粒子を配置した場合は、一度の加熱処理で、貫通孔102内部に導電材を設けることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る貫通電極基板について、図16乃至図18を参照して詳細に説明する。第2実施形態に係る貫通電極基板130は、下地層の構成が、第1実施形態に係る貫通電極基板110と異なっている。
第2実施形態に係る貫通電極基板について、図16乃至図18を参照して詳細に説明する。第2実施形態に係る貫通電極基板130は、下地層の構成が、第1実施形態に係る貫通電極基板110と異なっている。
[貫通電極基板の構造]
第2実施形態に係る貫通電極基板130の構造について、図16を参照して説明する。図16に、第2実施形態に係る貫通電極基板130の断面図を示す。
第2実施形態に係る貫通電極基板130の構造について、図16を参照して説明する。図16に、第2実施形態に係る貫通電極基板130の断面図を示す。
図16に示すように、本実施形態に係る貫通電極基板130は、貫通電極基板110と同様に、基板100に、第1面101aから第2面101bにかけて基板100を貫通する貫通孔102が設けられている。貫通電極基板110と異なる点は、図16に示すように、下地層133が、貫通孔102の内壁だけでなく、貫通孔102の開口部の周縁にも設けられている点である。また、導電材134も、貫通孔102の内部だけでなく、基板100の第1面101aに設けられている下地層133に接して設けられ、第1面101aよりも上方に湾曲した形状を有する。また、導電材134は、第2面に設けられている下地層133にも接して設けられ、下方に湾曲した形状を有する。
図16に示す貫通電極基板130の構成にすることで、基板101の第1面101a上に、膜厚が薄い配線層を形成する際に、導電材134と配線層とを良好に接続することができる。また、導電材134上に、絶縁層を介して、配線層を形成する場合、当該絶縁層にはコンタクトホールを形成する必要がある。貫通孔102の孔径が小さい場合、絶縁層にコンタクトホールを形成するときのアライメントずれを考慮すると、該コンタクトホール径を大きくする必要がある。図16に示すように、導電材134が、貫通孔102の開口部の周縁にも形成されている場合には、絶縁層のコンタクトホール径を大きくする必要がなく、設計の自由度を上げることができる。
また、図16に示す貫通電極基板130の構成では、貫通孔102の開口部の周縁にも導電材134が形成される。これにより、導電材134の湾曲度合いを低減することができる。すなわち、導電材134が、貫通孔102の開口部の周縁にも形成されることを考慮して、金属粒子の大きさを調整する。これにより、溶融した金属は、選択的に、貫通孔102の内部に流れ込むため、湾曲度合いを低減することができる。ただし、貫通孔102の開口部の周縁において、導電材134の膜厚が薄くなるが、問題はない。
なお、図16に示す構造において、基板101の第1面101aに形成されている下地層133は、貫通孔102の開口部の周縁だけであるが、本開示はこれに限定されない。例えば、基板101の第1面101a上に、下地層133を線状に形成する。これにより、下地層133が線状に形成された領域に、導電材を形成することができる。よって、貫通電極のみならず、配線も同時に形成することができる。
[貫通電極基板の製造方法]
次に、第1実施形態に示した貫通電極基板110の製造方法とは、一部異なる製造方法について、図17及び図18を参照して説明する。具体的には、下地層133を加工する工程以降が異なっている。なお、基板100に貫通孔102を形成する工程から、基板100に下地層を形成する工程までは同じであるため、詳細な説明は省略する。
次に、第1実施形態に示した貫通電極基板110の製造方法とは、一部異なる製造方法について、図17及び図18を参照して説明する。具体的には、下地層133を加工する工程以降が異なっている。なお、基板100に貫通孔102を形成する工程から、基板100に下地層を形成する工程までは同じであるため、詳細な説明は省略する。
基板100に下地層を形成した後、少なくとも貫通孔102を覆うように、レジストパターンを形成する。次に、レジストパターンが形成されていない領域の下地層を除去する。その後、レジストパターンを、有機溶媒を用いて除去する。これにより、図17に示すように、貫通孔102の内壁と、開口部の周縁に、下地層133を形成することができる。
図18に、貫通孔102の開口部の周縁に、フラックス135を介して、金属粒子136を配置する工程を示す。フラックス135は、貫通電極基板110の製造方法と同様に、スクリーン印刷法又はインクジェット法により塗布することができる。また、フラックス135としては、ロジン系のフラックス、水溶性のフラックスを用いることができる。
第1実施形態と同様に、基板101の第1面101aに、スクリーン印刷法により、フラックス135を、基板100の第1面101aの所定の位置(下地層133の一部)に選択的に塗布する。
次に、ハンダボールマウンタを使用して、基板100の第1面101a側の貫通孔102の開口部の周縁に、フラックス135を介して、金属粒子136を配置する。金属粒子136を、貫通孔102の開口部の周縁に塗布されたフラックスの粘着性により、選択的に設けることができる。
次に、予備加熱を行うことにより、フラックスが液化すると、下地層133に濡れ広がる。これにより、下地層133の表面は、溶融した金属に対する濡れ性が向上する。次に、加熱処理を行うことにより、金属粒子136を溶融し、溶融した金属を貫通孔102内部に流入する。本実施形態では、貫通孔102の周縁にも下地層133が設けられているため、導電材134は、貫通孔102の周縁にも濡れ広がる。溶融した金属が冷却されて、固化することで、貫通孔102の内部及び貫通孔120の周縁に、導電材134を形成することができる。また、導電材134の表面張力により、導電材134は、第1面の上方に向かって、湾曲した形状を有し、第2面の下方に向かって、湾曲した形状を有する。
以上の工程により、図16に示すように、本実施形態に係る貫通電極基板130を製造することができる。なお、本実施形態では、導電材134の形成は、一度に行う場合について説明したが、本開示はこれに限定されない。第1実施形態と同様に、複数回に分けて導電材134を形成してもよい。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る貫通電極基板140について、図19乃至図23を参照して詳細に説明する。第3実施形態に係る貫通電極基板140は、下地層143の構成が、第1実施形態に係る貫通電極基板110と異なっている。
第3実施形態に係る貫通電極基板140について、図19乃至図23を参照して詳細に説明する。第3実施形態に係る貫通電極基板140は、下地層143の構成が、第1実施形態に係る貫通電極基板110と異なっている。
[貫通電極基板の構造]
第3実施形態に係る貫通電極基板140の構造について、図19を参照して説明する。図19に、第3実施形態に係る貫通電極基板140の断面図を示す。
第3実施形態に係る貫通電極基板140の構造について、図19を参照して説明する。図19に、第3実施形態に係る貫通電極基板140の断面図を示す。
図19に示すように、本実施形態に係る貫通電極基板140は、貫通電極基板110と同様に、基板100に、第1面101aから第2面101bにかけて基板100を貫通する貫通孔102が設けられている。貫通電極基板110と異なる点は、図19に示すように、貫通孔102の内壁に、下地層が設けられておらず、基板100の第1面101a及び第2面101bに下地層に設けられている点である。
本実施形態では、基板100の第1面101a及び第2面101bに設けられる下地層143として、基板100のフラックスに対する濡れ性よりも、フラックスに対する濡れ性が低い材料を用いる。基板100のフラックスに対する濡れ性よりも、フラックスに対する濡れ性が低い下地層143として、例えば、SiOx、SiNx、SiNxOy、及びこれを主体とする合金や、各種酸化物、窒化物を用いることができる。
本実施形態に係る貫通電極基板140は、貫通孔102の内壁は、基板100の第1面101a及び第2面101bのフラックスに対する濡れ性よりも低い。これにより、貫通孔102内部に選択的に導電材144を設けることができる。
[貫通電極基板の製造方法]
次に、本実施形態に係る貫通電極基板140の製造方法について、図20乃至図23を参照して説明する。なお、基板100に貫通孔102を形成する工程は、実施形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態に係る貫通電極基板140の製造方法について、図20乃至図23を参照して説明する。なお、基板100に貫通孔102を形成する工程は、実施形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
まず、図20に示すように、複数の貫通孔102が形成された基板100に、下地層141を形成する。図20に示すように、基板100の第1面101a及び第2面101b、並びに貫通孔102の内壁に、下地層141が形成される。下地層141は、例えば、真空蒸着法若しくはスパッタリング法などのPVD法、CVD法、又は無電解めっき法などにより形成することができる。また、下地層141は、基板100よりもフラックスに対する濡れ性が低い材料であることが好ましい。下地層141としては、酸化シリコン膜を用いることができる。ここで、下地層121の膜厚は、20nm以上1μm以下、好ましくは100nm以上300nm以下とする。
図21に、基板100の第1面101a及び第2面101bに形成された下地層141を除去する工程を示す。図21に示すように、基板100の第1面101a及び第2面101bには、下地層143が設けられ、貫通孔102の内壁は露出されている。貫通孔102の内壁よりも、基板100の第1面101a及び第2面101bに設けられた下地層143の方が、フラックスに対する濡れ性が低い。以上の工程により、基板100において、フラックスに対する濡れ性の高い領域と、フラックスに対する濡れ性の低い領域と、を選択的に形成することができる。
図22に、貫通孔102の開口部の周縁に、フラックス145を介して、金属粒子146を配置する工程を示す。フラックス145は、スクリーン印刷法又はインクジェット法により塗布することができる。また、フラックス145としては、ロジン系のフラックス又は水溶系のフラックスを用いることができる。
本実施形態では、スクリーン印刷法により、フラックス145を、基板100の第1面101aの所定の位置(下地層103の一部)に塗布する。これにより、貫通孔102の開口部の周縁において、フラックス145を選択的に設けることができる。なお、図22では、基板100の第1面101aにフラックス145を塗布する工程について説明したが、基板100の第2面101bに、フラックス145を塗布してもよい。なお、図22では、下地層103及び基板100上にフラックス145が設けられる図を示したが、フラックス145は、貫通孔102の内壁に入り込んでいることが好ましい。
次に、基板100の第1面101a側の貫通孔102の開口部の周縁に、フラックス145を介して、金属粒子146を配置する。金属粒子146は、ハンダボールマウンタを使用して、貫通孔102の開口部の周縁に選択的に配置することができる。
次に、加熱処理を行うことで金属粒子146を溶融することで、図23に示すように、貫通孔102内部に溶融した金属を流入する。これにより、図19に示す貫通電極基板150を製造することができる。本実施形態では、基板100の第1面101a及び第2面101bに形成された下地層143は、基板100よりもフラックスに対する濡れ性が低い。そのため、溶融した金属は、基板100の第1面101aではじかれて、貫通孔102の内壁に濡れ広がる。また、溶融した金属の表面張力により、溶融した金属が、貫通孔102の下方に落ちることを防止することができる。これにより、基板100に設けられた複数の貫通孔102の内部に設ける導電材104の量を、均一にすることができる。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る貫通電極基板150について、図24乃至図26を参照して詳細に説明する。第4実施形態に係る貫通電極基板150は、下地層の構成が、第3実施形態に係る貫通電極基板140と異なっている。
第4実施形態に係る貫通電極基板150について、図24乃至図26を参照して詳細に説明する。第4実施形態に係る貫通電極基板150は、下地層の構成が、第3実施形態に係る貫通電極基板140と異なっている。
[貫通電極基板の構造]
第4実施形態に係る貫通電極基板150の構造について、図24を参照して説明する。図24に、第4実施形態に係る貫通電極基板150の断面図を示す。
第4実施形態に係る貫通電極基板150の構造について、図24を参照して説明する。図24に、第4実施形態に係る貫通電極基板150の断面図を示す。
図24に示すように、本実施形態に係る貫通電極基板150は、貫通電極基板140と同様に、基板100に、第1面101aから第2面101bにかけて基板100を貫通する貫通孔102が設けられている。貫通電極基板140と異なる点は、導電材134が、貫通孔102の内部だけでなく、第1面に設けられている下地層133に接して設けられ、第1面101aよりも上方に湾曲した表面を有する。また、導電材134は、第2面に設けられている下地層133にも接して設けられ、下方に湾曲した形状を有する。
図24に示す貫通電極基板150の構成にすることで、図16に示す貫通電極基板130と同様に、基板101の第1面101a上に、膜厚が薄い配線層を形成する際に、導電材154と配線層とを良好に接続することができる。また、図24に示すように、導電材154が、貫通孔102の開口部の周縁にも形成されている場合には、絶縁層のコンタクトホール径を大きくする必要がなく、設計の自由度を上げることができる。
また、図24に示す貫通電極基板130の構成では、貫通孔102の開口部の周縁にも、導電材154が形成される。これにより、導電材154の湾曲度合いを低減することができる。すなわち、導電材154が、貫通孔102の開口部の周縁にも形成されることを考慮して、金属粒子の大きさを調整する。これにより、溶融した金属は、選択的に、貫通孔102の内部に流れ込むため、湾曲度合いを低減することができる。ただし、貫通孔102の開口部の周縁において、導電材154の膜厚が薄くなるが、問題はない。
なお、図24に示す構造において、基板101の第1面101aに形成されている下地層153として、貫通孔102の周縁には形成されない構成を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、下地層153を、第1面101a上において線状に除去する。これにより、下地層153の線状に除去された領域に、導電材を形成することができる。よって、貫通電極のみならず、配線も同時に形成することができる。
[貫通電極基板の製造方法]
次に、第3実施形態に示した貫通電極基板140の製造方法とは、一部異なる製造方法について、図25及び図26を参照して説明する。具体的には、下地層141を加工する工程以降が異なっている。なお、基板100に貫通孔102を形成する工程から、基板100に下地層を形成する工程までは同じであるため、詳細な説明は省略する。
次に、第3実施形態に示した貫通電極基板140の製造方法とは、一部異なる製造方法について、図25及び図26を参照して説明する。具体的には、下地層141を加工する工程以降が異なっている。なお、基板100に貫通孔102を形成する工程から、基板100に下地層を形成する工程までは同じであるため、詳細な説明は省略する。
基板100に下地層を形成した後、第1面101a上の少なくとも一部にレジストパターンを形成する。次に、レジストパターンが形成されていない領域の下地層を除去する。その後、レジストパターンを、有機溶媒を用いて除去する。これにより、図25に示すように、基板101の第1面101aの少なくとも一部に、下地層153を形成することができる。
図26に、貫通孔102の開口部の周縁に、フラックス155を介して、金属粒子156を配置する工程を示す。フラックス155は、貫通電極基板110の製造方法と同様に、スクリーン印刷法又はインクジェット法により塗布することができる。また、フラックス135としては、ロジン系のフラックス、水溶性のフラックスを用いることができる。
本実施形態では、スクリーン印刷法により、フラックス155を、基板100の第1面101aの所定の位置に塗布する。これにより、貫通孔102の開口部の周縁において、フラックス155を選択的に設けることができる。なお、図26では、基板100の第1面101aにフラックス155を塗布する工程について説明したが、基板100の第2面101bに、フラックス155を塗布してもよい。なお、図26では、下地層103及び基板100上にフラックス122が設けられる図を示したが、フラックス155は、貫通孔102内壁に入り込んでいることが好ましい。
次に、基板100の第1面101a側の貫通孔102の開口部の周縁に、フラックス155を介して、金属粒子156を配置する。金属粒子156は、ハンダボールマウンタを使用して、貫通孔102の開口部の周縁に選択的に配置することができる。
次に、加熱処理を行うことで金属粒子156を溶融し、貫通孔102内部に溶融した金属を流入する。これにより、図24に示す貫通電極基板150を製造することができる。本実施形態では、基板100の第1面101a及び第2面101bに形成された下地層153は、基板100よりもフラックスに対する濡れ性が低い。そのため、溶融した金属は、基板100の第1面101aではじかれて、貫通孔102の内部に濡れ広がる。また、溶融した金属の表面張力により、溶融した金属が、貫通孔102の下方に落ちることを防止することができる。これにより、基板100に設けられた複数の貫通孔102の内部に設ける導電材104の量を、均一にすることができる。
また、図24に示す貫通電極基板150では、貫通孔102内部に、下地層を形成する必要がない。そのため、製造上の難易度を低下させることができる。
<第5実施形態>
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板を用いて製造される半導体装置について説明する。
本開示の一実施形態に係る貫通電極基板を用いて製造される半導体装置について説明する。
図27は、本開示の一実施形態に係る貫通電極基板を用いた半導体装置を示す断面図である。半導体装置300は、3つの貫通電極基板301、303、305が積層され、例えば、DRAM等の半導体素子が形成されたLSI基板307に接続されている。貫通電極基板301は、第1面(上面)側に設けられた配線、及び第2面(下面)側に設けられた配線等で形成された接続端子309、311を有している。これらの貫通電極基板301、303、305はそれぞれが異なる材質の基板から形成された貫通電極基板であってもよい。貫通電極基板301の接続端子311は、LSI基板307の接続端子319にバンプ321を介して接続されている。貫通電極基板301の接続端子309は、貫通電極基板303の接続端子315にバンプ323を介して接続されている。貫通電極基板303の接続端子313は、貫通電極基板305の接続端子317にバンプ325を介して接続されている。バンプ321、323、325は、例えば、インジウム、銅、金等の金属を用いる。
なお、貫通電極基板を積層する場合には、3層に限らず、2層であってもよいし、さらに4層以上であってもよい。また、貫通電極基板と他の基板との接続においては、バンプによるものに限らず、共晶接合など、他の接合技術を用いてもよい。また、ポリイミド、エポキシ樹脂等を塗布、焼成して、貫通電極基板と他の基板とを接着してもよい。
図28は、本開示の一実施形態に係る貫通電極基板を用いた半導体装置の別の例を示す断面図である。図28に示す半導体装置400は、MEMSデバイス、CPU、メモリ等の半導体チップ(LSIチップ)401、403、および貫通電極基板405が積層され、LSI基板407に接続されている。
半導体チップ401と半導体チップ403との間に貫通電極基板405が配置され、バンプ417、419により接続されている。LSI基板407上に半導体チップ401が載置され、LSI基板407と半導体チップ403とはワイヤ421により接続されている。この例では、貫通電極基板405は、それぞれ機能の異なる複数の半導体チップを積層することで、多機能の半導体装置を製造することができる。例えば、半導体チップ401を3軸加速度センサとし、半導体チップ403を2軸磁気センサとすることによって、5軸モーションセンサを1つのモジュールで実現した半導体装置を製造することができる。
半導体チップがMEMSデバイスにより形成されたセンサなどである場合には、センシング結果がアナログ信号により出力されるようなときがある。この場合には、ローパスフィルタ、アンプ等についても半導体チップまたは貫通電極基板405に形成してもよい。
図29は、本開示の一実施形態に係る貫通電極基板を用いた半導体装置のさらに別の例を示す断面図である。図27及び図28に示した2つの例は、3次元実装であったが、この例では、2次元と3次元との併用実装に適用した例である(2.5次元という場合もある)。図29に示す例では、LSI基板513には、6つの貫通電極基板501、503、505、507、509、511が積層されて接続されている。ただし、全ての貫通電極基板が積層して配置されているだけでなく、基板面内方向にも並んで配置されている。これらの貫通電極基板はそれぞれが異なる材質の基板から形成された貫通電極基板であってもよい。
図29の例では、LSI基板513上に貫通電極基板501、509が接続され、貫通電極基板501上に貫通電極基板503、507が接続され、貫通電極基板503上に貫通電極基板505が接続され、貫通電極基板509上に貫通電極基板511が接続されている。尚、貫通電極基板を複数の半導体チップを接続するためのインターポーザとして用いても、このよう2次元と3次元との併用実装が可能である。例えば、図29に示す貫通電極基板505、507、511などが半導体チップに置き換えられてもよい。
図27乃至図29を参照して説明した半導体装置は、例えば、携帯端末(携帯電話、スマートフォンおよびノート型パーソナルコンピュータ等)、情報処理装置(デスクトップ型パーソナルコンピュータ、サーバ、カーナビゲーション等)、家電等、様々な電気機器に搭載される。
尚、本開示は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
100:基板、101a:第1面、101b:第2面、102:貫通孔、103:下地層、104:導電材、110:貫通電極基板、121:下地層、122:フラックス、123:金属粒子、124:金属、125:フラックス、126:金属粒子、127:導電材、128:フラックス、129:金属粒子、130:貫通電極基板、131:下地層、132:レジストパターン、133:下地層、134:導電材、135:フラックス、136:金属粒子、140:貫通電極基板、141:下地層、143:下地層、144:導電材、145:フラックス、146:金属粒子、150:貫通電極基板、151:下地層、153:下地層、154:導電材、155:フラックス、156:金属粒子
Claims (18)
- 第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有し、前記第1面と前記第2面とを貫通し、内周側に絶縁表面を有する貫通孔が形成された基板に対して、前記第1面よりも前記貫通孔の内周側においてフラックスに対する濡れ性を高める処理をし、
前記第1面のうち前記貫通孔の開口部の周縁に前記フラックスを形成し、
前記フラックスを介して、前記第1面上に金属粒子を配置し、
加熱処理により、前記金属粒子を溶融し、
前記溶融した金属を、前記貫通孔に流入してから固化することを含む、貫通電極基板の製造方法。 - 前記濡れ性を高める処理は、前記貫通孔の内周側に金属層を形成することを含む、請求項1に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 前記金属粒子は、球状のはんだボールである請求項1に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 前記金属粒子は、スズを含む請求項1に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 前記金属粒子の粒径は、前記貫通孔の前記開口部の孔径よりも大きい請求項1に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 前記金属粒子の配置は、複数の前記金属粒子を、前記基板上に落下させ、
前記複数の金属粒子のうち、前記第1面上に前記フラックスを介して配置された金属粒子以外の金属粒子を除去する、請求項1に記載の貫通電極基板の製造方法。 - 前記加熱処理の温度は、250℃以上350℃以下である請求項1に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 前記基板は、ガラス基板である、請求項1に記載の貫通電極基板の製造方法。
- 第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有し、前記第1面と前記第2面とを貫通する貫通孔が配置された基板と、
前記貫通孔の内周側に設けられた下地層と、
前記貫通孔の内部に設けられた導電材と、を有し、
前記導電材の融点は、250℃以上350℃以下である、貫通電極基板。 - 前記下地層は、フラックスに対する濡れ性が制御されている、請求項9に記載の貫通電極基板。
- 前記下地層は、銅、金、白金、スズ、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、若しくはタングステンのいずれか一種、又はこれらの金属を含む合金のいずれか一種である、請求項9又は10に記載の貫通電極基板。
- 前記導電材は、前記第1面よりも上方に湾曲した形状を有し、前記第2面よりも下方に湾曲した形状を有する、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の貫通電極基板。
- 第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を有し、前記第1面と前記第2面とを貫通する貫通孔が配置された基板と、
前記第1面に設けられた下地層と、
前記貫通孔の内部に設けられた導電材と、を有し、
前記導電材の融点は、250℃以上350℃以下である貫通電極基板。 - 前記下地層は、フラックスに対する濡れ性が制御されている、請求項13に記載の貫通電極基板。
- 前記下地層は、酸化シリコン膜である、請求項13又は14に記載の貫通電極基板。
- 前記導電材は、前記第1面よりも上方に湾曲した形状を有し、前記第2面よりも下方に湾曲した形状を有する、請求項13乃至15のいずれか一項に記載の貫通電極基板。
- 前記導電材は、スズを含む合金である、請求項13乃至16のいずれか一項に記載の貫通電極基板。
- 前記基板は、ガラス基板である、請求項9乃至17のいずれか一項に記載の貫通電極基板。
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