JP2018125213A - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定部の経時変化や形状変化があってもこの固定部からの電解液の漏洩を十分抑制する。【解決手段】正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極活物質層及び負極集電体が順に積層されてなり、電解液を含む単電池を有するリチウムイオン電池であって、正極集電体及び負極集電体の間に配置されて正極集電体及び負極集電体の間にセパレータの周縁部を固定し、かつ正極活物質層、セパレータ、及び負極活物質層を封止する固定部を備え、固定部と正極集電体及び/又は負極集電体との間には、電解液を吸収して少なくともその一部を保持する電解液吸収体が設けられている。【選択図】図1

Description

正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極活物質層及び負極集電体が順に積層されてなり、電解液を含む単電池を有するリチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン(二次)電池は、高容量で小型軽量な二次電池として、近年様々な用途に多用されている。このうち、小型で薄型のリチウムイオン電池として、正極活物質及び電解液を含む正極電極組成物層を正極集電体の表面に形成した正極と、同様に負極活物質及び電解液を含む負極電極組成物層を負極集電体の表面に形成した負極とがセパレータを挾んで積層され、正極、セパレータ及び負極の端部をシール部によりシールしてなる略平板状のリチウム二次単電池を製造し、このリチウム二次単電池を複数層積層して積層型電池モジュールとして構成されていた。
このようなリチウム二次単電池において、この単電池に振動等の衝撃が与えられた結果、また、シール部の経時変化などの理由により生じたシール部の間隙から正極、負極の電解液が単電池外部に漏洩してしまう可能性がある。仮に、電解液が外部に漏洩してしまった場合、リチウム二次単電池の特性低下を招くおそれがあった。
このようなリチウム二次単電池において電解液の漏洩を防ぐ手法として、リチウム二次単電池を正極、負極の積層方向に複数積層してなるバイポーラ電池の平面図においてシール層が単電池の外方へ露出し、さらに積層方向に隣接するシール層を互いに接着したバイポーラ電池が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−190713号公報
しかしながら、上述した従来のバイポーラ電池でもなお、シール部のシール性能が向上しても、このシール部が破損した場合に電解液の漏洩の可能性をゼロにすることはできない。従って、たとえシール部が破損した場合でも電解液が漏洩しないリチウム二次単電池が望まれていた。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、固定部の経時変化や形状変化があってもこの固定部からの電解液の漏洩を十分抑制することの可能なリチウムイオン電池の提供を、その目的の一つとしている。
本発明は、正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極活物質層及び負極集電体が順に積層されてなり、電解液を含む単電池を有するリチウムイオン電池に適用される。そして、正極集電体及び負極集電体の間に配置されて前記正極集電体及び前記負極集電体の間にセパレータの周縁部を固定し、かつ正極活物質層、セパレータ、及び負極活物質層を封止する固定部を備え、固定部と正極集電体及び/又は負極集電体との間に、電解液を吸収して少なくともその一部を保持する電解液吸収体を設けることにより、上述の課題の少なくとも一つを解決している。
本発明のリチウムイオン電池において、固定部と正極集電体及び/又は負極集電体との間に、外部との間で連通する場所が生じてこの連通した場所から電解液が漏洩しようとした場合、固定部に設けられた電解液吸収体によりこの電解液が吸液されて外部への漏洩が防止される。
ここで、電解液吸収体は、固定部に無端環状に設けられることが好ましい。また、正極集電体及び/又は負極集電体は略板状に形成された場合、電解液吸収体は、固定部と正極集電体及び/又は負極集電体との接触面に設けられることが好ましい。さらに、セパレータが略板状に形成された場合、固定部は、正極集電体及び負極集電体の周縁部を封止する枠状に形成されることが好ましい。また、正極集電体及び/又は負極集電体はその周縁部に無端環状に形成された溝部を備え、電解液吸収体はこの溝部に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、固定部の経時変化や形状変化があってもこの固定部からの電解液の漏洩を十分抑制することの可能なリチウムイオン電池を提供することができる。
本発明の第1実施形態であるリチウムイオン電池が有する単電池1を示す一部破断斜視図である。 第1実施形態であるリチウムイオン電池が有する単電池1の固定部を示す断面図である。 第1実施形態であるリチウムイオン電池が有する単電池1の固定部において、電解液吸収体が電解液を吸液した状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態であるリチウムイオン電池が有する単電池を示す断面図である。 第2実施形態であるリチウムイオン電池が有する単電池の固定部を示す断面図である。 第2実施形態であるリチウムイオン電池が有する単電池の固定部において、電解液吸収体が電解液を吸液した状態を示す断面図である。
(第1実施形態)
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態であるリチウムイオン電池について詳細を説明する。図1は本発明の第1実施形態であるリチウムイオン電池が有する単電池を示す一部破断斜視図、図2は第1実施形態であるリチウムイオン電池が有する単電池の固定部を示す断面図である。
本発明が適用される電池である、本実施形態のリチウムイオン電池は、これらの図で説明される単電池である外形略平板状のリチウム二次単電池1が単数、あるいは複数枚直列に積層されてなる積層型電池モジュールが、リチウムイオン電池の外殻をなす電池外装容器内に収納されて構成されている。
ここで、本発明においてリチウム二次単電池とは、正極電極活物質と電解液とを含む正極電極組成物層を正極集電体の表面に形成した正極と、負極電極活物質と電解液とを含む負極電極組成物層を負極集電体の表面に形成した負極とがセパレータを介して積層された構造を有し、電池容器、端子配置及び電子制御装置等を備えていない電池である。なお、リチウム二次単電池は単電池と略する場合がある。
リチウム二次単電池1は、図1に詳細を示すように、略矩形平板状の正極集電体7の表面に正極電極活物質と電解液とを含む正極活物質層である略平板状の正極電極組成物層5が形成された正極2と、同様に略矩形平板状の負極集電体8の表面に負極電極活物質と電解液とを含む負極活物質層である略平板状の負極電極組成物層6が形成された負極3とが、同様に略平板状のセパレータ4を介して積層されて構成され、全体として略矩形平板状に形成されている。これにより、対向する正極集電体7及び負極集電体8を最外層に有するリチウム二次単電池1が構成される。
より詳細には、正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6は、本発明の固定部である、リチウム二次単電池1の厚さ方向に延在する外形略矩形枠状のシール部材9内に形成されており、また、セパレータ4の端部もこのシール部材9内に埋め込まれ、セパレータ4の周縁部がシール部材9で固定されている。そして、正極集電体7及び負極集電体8は、それぞれ図1において正極電極組成物層5の上面及び負極電極組成物層6の下面を覆うように設けられているとともに、シール部材9の上面及び下面も覆うように設けられ、正極集電体7及び負極集電体8の間に正極活物質層(正極電極組成物層5)、セパレータ4、及び負極活物質層(負極電極組成物層6)が封止されている。従って、シール部材9は、正極集電体7及び負極集電体8の間に配置されて正極集電体7及び負極集電体8の間に、セパレータ4の周縁部を固定し、かつ正極活物質層(正極電極組成物層5)及び負極活物質層(負極電極組成物層6)を封止する固定部として機能する。
正極集電体7及び負極集電体8は、シール部材9により所定間隔をもって対向するように位置決めされているとともに、セパレータ4と正極集電体7及び負極集電体8もシール部材9により所定間隔をもって対向するように位置決めされている。
正極集電体7とセパレータ4との間の間隔、及び、負極集電体8とセパレータ4との間の間隔はリチウムイオン電池の容量に応じて調整され、これら正極集電体7、負極集電体8及びセパレータ4の位置関係は必要な間隔が得られるように定められている。
シール部材9と正極集電体7及び/又は負極集電体8との間には、電解液を吸収して少なくともその一部を保持する電解液吸収体10が設けられている。
より詳細には、図1及び図2に詳細を示すように、シール部材9の正極集電体7及び負極集電体8との接触面である図2における上面及び下面には、単電池1を平面視した状態で溝部が無端環状に形成され(図1参照)、この溝部には電解液吸収体10が設けられている。従って、シール部材9の正極集電体7及び負極集電体8との接触面には、電解液吸収体10が無端環状に設けられていることになる。
本発明において、正極活物質層である正極電極組成物層5及び負極活物質層である負極電極組成物層6は、それぞれ活物質粒子(正極活物質粒子又は負極活物質粒子)を電解液と混合して得られる正極電極組成物又は負極電極組成物をシート状に成形して得られる。粉体状の正極活物質粒子及び負極活物質粒子をシート状に成形した後、電解液を添加する方法、及び活物質粒子を溶媒と混合して得られる正極電極スラリー又は負極電極スラリーをシート状に成形した後、電解液を添加する方法等で得ることができる。
シート状の正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6を成形する場合、電極組成物又は電極活物質スラリーにバインダ(結着剤ともいう)を用いても良い。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン及びスチレンブタジエン樹脂等の公知のバインダを用いることができる。
正極電極組成物は正極活物質粒子を含んでなり、正極活物質粒子としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24及びLiNi0.8Co0.15Al0.05)、遷移金属酸化物(例えばMnO2及びV25)、遷移金属硫化物(例えばMoS2及びTiS2)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン及びポリカルバゾール)等が挙げられる。正極活物質の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から0.1〜100μmが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、2〜20μmであることが更に好ましい。
正極活物質の体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法ともいう)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。レーザー回折・散乱法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法であり、体積平均粒子径の測定には、日機装株式会社製のマイクロトラック等を用いることができる。
また、負極電極組成物は負極活物質粒子を含んでなり、負極活物質粒子としては、黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、高分子化合物焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)、炭素繊維、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリキノリン等)、スズ、シリコン、及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)、リチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLi4Ti512等)等が挙げられる。負極活物質の体積平均粒子径は、電池の電気特性の観点から、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、2〜10μmであることが更に好ましい。
負極活物質の体積平均粒子径は、正極活物質と同様に求めることができる。
正極活物質粒子及び負極活物質粒子は、表面の少なくとも一部が被覆用樹脂を含む被覆剤からなる被覆層で被覆されてなる被覆活物質粒子であることが好ましい。被覆活物質粒子であると正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6の柔軟性と導電性とがそれぞれ更に良好となり、充放電時に発生する電解液と活物質との電気化学反応を抑制できて電解液の劣化を抑制できてサイクル特性が良好となると考えられる。
本発明において被覆とは、活物質粒子の表面の少なくとも一部に被覆剤が付着している状態を意味し、活物質粒子表面に被覆剤が点在している状態も含む。活物質粒子の表面に被覆剤が付着している状態は、走査型電子顕微鏡等を用いて得られた被覆活物質粒子の拡大観察画像を観察することで確認することができる。
被覆用樹脂としては、電解液を吸収して膨潤する樹脂を用いることができ、具体的な例としては、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中ではビニル樹脂が好ましく、(メタ)アクリル酸、及び炭素数4〜36のモノアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルとを必須構成単量体とする共重合体がより好ましい。
被覆剤は更に導電助剤を含んでも良く、導電助剤としては、導電性を有する材料から選択して用いることができる。
導電性を有する材料としては、金属[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、導電性カーボン[グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)、ケッチェンブラック(登録商標)、ブラックパール(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック、カーボンナノチューブ(単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブ等)、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、ハードカーボン及びフラーレン等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電助剤は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物が用いられてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、金、銅、チタン及びこれらの混合物であり、より好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、更に好ましくはカーボンである。また導電助剤としては、粒子系セラミック材料、樹脂材料等の非導電性材料の周りに導電性材料(上記した導電助剤の材料のうち金属のもの)をメッキ等でコーティングしたもの及び非導電性材料と導電性材料(上記した導電助剤の材料のうち金属のもの)とを混合したものも用いることができる。
導電助剤の形状に特に制限はなく、球状、不定形状、繊維状、単一粒子状、凝集体及びこれらの組み合わせ等の形状を有するものを用いることができ、なかでも、導電性等の観点から、一次粒子径が5〜50nmの微粒子の凝集体であることが好ましい。導電助剤の形状は、走査型電子顕微鏡等を用いて得られた導電助剤の拡大観察画像を観察し視野にある粒子を計測することで得ることができる。
被覆剤が被覆用樹脂と導電助剤とを含む場合、被覆剤に含まれる被覆用樹脂と導電助剤との重量比は、被覆用樹脂:導電助剤=100:1〜100:200が好ましく、更に好ましくは100:5〜100:100である。この範囲にあると正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6の導電性が良好となる。
被覆活物質粒子は、例えば、正極活物質粒子又は負極活物質粒子を万能混合機に入れて30〜500rpmで撹拌した状態で、被覆用樹脂及び必要により用いる導電助剤を有機溶剤に混合した樹脂溶液を1〜90分かけて滴下混合し、更に必要により用いる導電助剤を混合し、撹拌したまま50〜200℃に昇温し、0.007〜0.04MPaまで減圧した後に10〜150分保持することにより得ることができる。
樹脂溶液に含まれる被覆用樹脂の割合は、樹脂溶液の重量に基づいて10〜50重量%が好ましい。樹脂溶液に用いる有機溶剤としては被覆用樹脂を溶解可能な有機溶剤を選択することができる。
被覆活物質粒子が得られたことは、走査型電子顕微鏡等を用いて得られた被覆活物質粒子の拡大観察画像を観察することで確認することができる。
正極電極組成物及び負極電極組成物をそれぞれ形成する場合、正極電極組成物及び負極電極組成物としては、正極活物質粒子及び負極活物質粒子のそれぞれをそれぞれ電解液又は非水溶媒と混合して得られる混合物であることが好ましく、スラリー状の混合物であることがより好ましい。この場合、正極電極組成物及び負極電極組成物にそれぞれ含まれる正極活物質粒子及び負極活物質粒子の重量は、電解液又は非水溶媒の重量に基づいて10〜60重量%であることが好ましい。
電解液としては、公知のリチウムイオン電池の製造に用いられる電解質及び非水溶媒を混合して得られる公知の電解液を使用することができる。
電解質としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、無機酸のリチウム塩(LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6及びLiClO4等)及び有機酸のリチウム塩[LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22及びLiC(CF3SO23等]等が挙げられ、これらの電解質は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiPF6である。
非水溶媒としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、ラクトン、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物等を用いることができる。これらの非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非水溶媒のなかでも電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのは、ラクトン、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル及びリン酸エステルであり、より好ましいのはラクトン、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルであり、更に好ましいのは環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合液である。特に好ましいのはプロピレンカーボネート(PC)、又はエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合液である。
電解液に含まれる電解質の濃度は、電解液の容量に基づいて0.1〜3mol/Lが好ましく、0.5〜2mol/Lがより好ましい。
本発明において正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6は、イオン抵抗を低減できる等の観点からそれぞれ前記の被覆活物質粒子とともに繊維状導電性フィラーを含むことが好ましい。繊維状導電性フィラーとしては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を導電性樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。これらの導電性繊維のなかでも炭素繊維が好ましい。
繊維状導電性フィラーは、イオン抵抗及び活物質層の強度等の観点から、平均繊維長が100〜1000μmが好ましく、110μm〜600μmが更に好ましく、150μm〜500μmが特に好ましい。平均繊維径は、0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜2.0μmであることが更に好ましい。
正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6に繊維状導電性フィラーを含む場合、繊維状導電性フィラーの割合は、被覆活物質粒子の重量に基づいて0.5〜5重量%であることが好ましい。
正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6に繊維状導電性フィラーを含む場合、正極2及び負極3のそれぞれに、正極活物質粒子と繊維状導電性フィラーと電解液とを含む正極電極組成物及び負極活物質粒子と繊維状導電性フィラーと電解液とを含む負極電極組成物をそれぞれ充填して正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6を形成することが好ましい。
正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6の厚さは、200μm以上であることが好ましい。より好ましくは500μm以上、更に好ましくは1000μm以上である。この厚さ以上であると、単位体積あたりの活物質量が多くなり、蓄電容量が大きい電池とできる。
セパレータ4としては、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVdF−HFP)等の炭化水素系樹脂及びポリオレフィン(ポリエチレン及びポリプロピレン等)製の多孔性フィルム、多孔性フィルムの多層フィルム(例えば、PP/PE/PPの3層構造をした積層体等)、合成繊維(ポリエステル繊維及びアラミド繊維等)及びガラス繊維等からなる不織布並びにこれらの表面にシリカ、アルミナ及びチタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等の公知のリチウムイオン電池用セパレータ等を用いることができる。
セパレータ4の厚みは、リチウムイオン電池の用途により調整することができるが、携帯機器等の電子機器等の用途においては、単層あるいは多層で好ましくは5〜100μmであり、更に好ましくは10〜50μmである。
前記多孔性フィルム又はその多層フィルムからなるセパレータ4の細孔径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが好ましい。不織布を用いる場合、セパレータ4の厚さは、好ましくは5〜200μmであり、特に好ましくは10〜100μmである。
正極集電体7及び負極集電体8は金属集電体又は樹脂集電体であり、それぞれ公知の金属集電体並びに日本国特許公開第2012−150905号公報及び国際公開第WO2015/005116号等に記載の公知の樹脂集電体等を用いることができる。
金属集電体としては、リチウムイオン電池に一般に使用する金属集電体を用いることができ、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン及びこれらの一種以上を含む合金並びにステンレス合金からなる群から選択される一種以上の金属からなる集電体等が挙げられる。
金属集電体の基材の形態は、薄板状、金属箔状及びメッシュ状のいずれであってもよく、金属集電体の基材の表面にスパッタリング、電着及び塗布等の手法により金属層を形成してもよい。
樹脂集電体とは、導電性高分子材料又は非導電性高分子材料に導電性を付与した高分子から形成された集電体である。
導電性高分子材料としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル及びポリオキサジアゾール等が挙げられる。なお、導電性の高分子材料を含む樹脂集電体の導電性を向上させる目的から、更に後述する導電性フィラーを含んでいることが好ましい。
非導電性高分子材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
非導電性高分子材料としては、電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、より好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
非導電性高分子材料に導電性を付与した高分子は、非導電性高分子材料と導電性フィラーとを混合することで得ることができ、導電性フィラーは、導電性を有する材料から得られるフィラーから選択される。好ましくは、集電体内のイオン透過を抑制する観点から、電荷移動媒体として用いられるイオンに関して伝導性を有さない材料から得られるフィラーからを用いるのが好ましい。具体的には、カーボン材料、アルミニウム、金、銀、銅、鉄、白金、クロム、スズ、インジウム、アンチモン、チタン、ニッケル及びステンレス(SUS)等の合金材等から得られるフィラーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なかでも耐食性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン材料又はニッケルから得られるフィラー、より好ましくはカーボン材料から得られるフィラーである。これらの導電性フィラーは1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。なお、導電性フィラーとしては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに、上記で示される金属をメッキ等でコーティングしたものを用いることもできる。
導電性フィラーの形状は粒子状、繊維状及びこれらの凝集体のいずれの形状であってもよい。
樹脂集電体は、日本国特許公開第2012−150905号公報及び国際公開第WO2015/005116号等に記載の公知の方法で得ることができ、具体例としては、ポリプロピレンに導電性フィラーとしてアセチレンブラックを5〜20部分散させた後、熱プレス機で圧延したもの等が挙げられる。また、その厚みも特に制限されず、公知のものと同様、あるいは適宜変更して適用することができる。
正極集電体7及び負極集電体8は、金属集電体又は樹脂集電体をそのまま用いても、その表面に後述する導電層を形成したものを用いてもよく、電池特性等の観点から、導電層を形成した金属集電体又は樹脂集電体であることが好ましい。
シール部材9を構成する材料としては、電解液に対して耐久性のある材料であれば特に限定されないが、高分子材料が好ましく、熱硬化性高分子材料がより好ましい。具体的には、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリフッ化ビニデン樹脂等が挙げられ、耐久性が高く取り扱いが容易であることからエポキシ系樹脂が好ましい。
電解液吸収体10としては、正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6に含まれる電解液を吸収可能な材料であれば制限無く使用できるが、好ましい材料としては国際公開第2015/005117号に記載のリチウムイオン電池活物質被覆用樹脂として記載された高分子化合物等を用いることができ、なかでもビニル樹脂及びウレタン樹脂が好ましく、(メタ)アクリル酸、及び炭素数4〜36のモノアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルとを必須構成単量体とする共重合体がより好ましい。
これらの高分子化合物は電解液を吸収することで固体状態から膨潤状態になることができ、電解液吸収体として好ましい。
次に、以上の構成を有するリチウム二次単電池1の製造方法について説明する。
まず、負極集電体8の一面の周縁部に固体状態の電解液吸収体10を無端環状に配置し、その上にシール部材9を形成する。負極集電体8に電解液吸収体10を配置する手法及びシール部材9を形成する手法は任意であるが、一例として、インクジェット機や3Dプリンタ等の印刷装置、及びノズルを所定箇所に移動制御して所定量の部材を吐出できる機構を有する装置等により電解液吸収体10又はシール部材9を形成する部材を吐出する手法が好適に挙げられる。
負極電極組成物層6を形成すべき高さまでシール部材9を形成したら、負極電極活物質と電解液とを含む負極活物質層である負極電極組成物層6を、シール部材9が形成された負極集電体8の一面に形成して負極3を形成する。負極3を形成する手法は任意であり、負極集電体8の一面に負極電極組成物を塗布する、負極集電体8の一面に、ノズル等を介して負極電極組成物を載置した後に所定厚になるようにヘラ等で均す、など、種々の手法が挙げられる。
次に、負極3を形成する負極電極組成物層6の、負極集電体8とは反対側の一面を覆い、端部がシール部材9の端部に載置するように、セパレータ4を載置する。セパレータ4を負極電極組成物層6の一面に載置する手法は任意であり、一例として、真空チャックによりセパレータ4の一面を保持し、この真空チャックを用いてセパレータ4を負極電極組成物層6の一面に載置した後、チャックをセパレータ4から外すような手法が好適に挙げられる。
次に、セパレータ4の一面にさらにシール部材9を形成し、正極電極組成物層5を形成すべき高さまでシール部材9を形成したら、正極電極活物質と電解液とを含む正極活物質層である正極電極組成物層5を、セパレータ4の負極電極組成物層6とは反対側の一面に形成して正極2を形成する。正極2を形成する手法は、負極3を形成する手法と略同一であるので、ここではその説明を省略する。
次に、正極電極組成物層5を形成すべき高さまで形成したシール部材9の上に固体状態の電解液吸収体10を無端環状に配置した後、正極2を形成する正極電極組成物層5の一面を覆い、端部が電解液吸収体10を覆い、かつシール部材9の端部に載置するように、正極集電体7を載置する。電解液吸収体10を配置する手法は、負極集電体8の一面に電解液吸収体10を配置する手法と略同位置であり、正極集電体7を正極電極組成物層5の一面に載置する手法は、セパレータ4を負極電極組成物層6の一面に載置する手法と略同一であるので、それぞれここではその説明を省略する。これにより、図1に示すリチウム二次単電池1を製造することができる。
本実施形態のリチウムイオン電池は、図1に示すリチウム二次単電池を電池外装容器に収容することで得られる。電池外装容器としては、この容器内に正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6を安定に収納しうるものであり、特に、可撓性を有することが好ましいという観点から選定されている。加えて電池外装容器は、電極組成物と電池外装容器とが接触する可能性を考慮して、絶縁性を有する材料で構成されたることが好ましく、正極集電体7、正極電極組成物層5、セパレータ4、負極電極組成物層6及び負極集電体8を順に積層してなる発電素子を内部に収納した状態で封止(好ましくは減圧封止)することを考慮して、気密性を有する材料で構成されることが好ましい。
電池外装容器は、ラミネートフィルムからなる容器であることが好ましく、ラミネートフィルムとしては、耐熱性樹脂フィルムを含む外層と熱可塑性樹脂フィルムを含む内層との間に金属層を介在した複合フィルムを用いることができ、耐熱性樹脂フィルムとしてはポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂の延伸フィルム等を好ましく用いることができ、熱可塑性樹脂フィルムとしては未延伸ポリオレフィンフィルム等を好ましく用いることができる。
金属層としては、アルミニウム箔、ステンレス箔及び銅箔等による層を用いることができる。なお、耐熱性樹脂フィルムとは、樹脂フィルムの融点が内層となる熱可塑性樹脂フィルムの融点よりも高い樹脂フィルムであることを意味し、耐熱性樹脂フィルムを外層に用いると、内層となる熱可塑性樹脂フィルムだけを十分に加熱溶融することができ、電池外装容器のヒートシールを確実に行うことが可能になる。
ラミネートフィルムの一例としては、アルミニウム又はニッケル等の金属層の面のうち、電池外装容器の外面となる第一面に耐熱性樹脂(ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂等)をコーティングし、電池外装容器の内面となる第二面に熱可塑性樹脂(ポリエチレン及びポリプロピレン等)をコーティングしたフィルムが上げられる。
以上のような構成の本実施形態のリチウムイオン電池において、単電池1に振動等の衝撃が与えられ、あるいは、シール部の経時変化などの理由により、例えば図3に示すように、シール部材9と正極集電体7との接触面に間隙が生じ、正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6を構成する電解液(図3に示す例では正極電極組成物層5を構成する電解液)がこのシール部材9に漏洩してしまった場合、電解液吸収体10が電解液を吸収し、膨潤体としてこのシール部材9を塞ぐとともに電解液吸収体10が電解液を保持する。結果として、電解液がこのシール部材9から漏洩することが極力抑制される。
従って、本実施形態のリチウムイオン電池によれば、固定部であるシール部材9と正極集電体7及び/又は負極集電体8との間に間隙が生じてしまった際にも特性低下を抑制することの可能なリチウムイオン電池を実現することができる。しかも、シール部材9が万が一破損した場合でも、電解液吸収体10による電解液漏洩能を低下させることはない。
従って、本実施形態によれば、固定部の経時変化や形状変化があってもこの固定部からの電解液の漏洩を十分抑制することの可能なリチウムイオン電池を実現することができる。
(第2実施形態)
次に、図4〜6を参照して、本発明の第2実施形態であるリチウムイオン電池が有する単電池について詳細を説明する。図4は本発明の第2実施形態であるリチウムイオン電池が有する単電池を示す断面図、図5は第2実施形態であるリチウムイオン電池が有する単電池の固定部を示す断面図、図6は第2実施形態であるリチウムイオン電池が有する単電池の固定部において、電解液吸収体が電解液を吸液した状態を示す断面図である。
これら図において、本実施形態のリチウムイオン電池が有する単電池の外側に位置する正極集電体7と負極集電体8とは、図4に詳細を示すように、それぞれ活物質組成物の収容部を有する所定形状に形成されている。正極集電体7と負極集電体8とがそれぞれ有する収容部は略同一の形状に形成されており、正極集電体7と負極集電体8とは前記の収容部を有する本体7a、8aと図4において左右の端部から側方に突出する、収容部の外周部である一対の上側縁部7b及び下側縁部8bとを備える。そして、これら収容部と縁部が形成された正極集電体7と負極集電体8とにより、中空の収容部21が形成されている。
収容部21には略平板状のセパレータ4が配置され、この収容部21を正極室及び負極室に区分している。
正極室及び負極室には正極活物質層である正極電極組成物層5及び負極活物質層である負極電極組成物層6がそれぞれ充填され、これにより、正極集電体7及び正極電極組成物層5からなる正極2、セパレータ4、負極電極組成物層6及び負極集電体8からなる負極3が順に積層されてなり、電解液を含む本実施形態の単電池が構成されている。そして、セパレータ4の端部が上側縁部7b及び下側縁部8bの間に配置された状態で、これら上側縁部7b及び下側縁部8bの間がシール部材9により封止されることで、本実施形態のリチウムイオン電池が有する単電池が形成されている。
従って、シール部材9は、正極集電体7及び負極集電体8の間に配置されて正極集電体7及び負極集電体8の間に、セパレータ4の周縁部を固定し、かつ正極活物質層(正極電極組成物層5)及び負極活物質層(負極電極組成物層6)を封止する固定部として機能する。
シール部材9には、図4及び図5に詳細を示すように、電解液を吸収して少なくともその一部を保持する電解液吸収体10が設けられている。
より詳細には、シール部材9は、正極集電体7及び負極集電体8の外周部全体にわたって無端環状に延在し、電解液吸収体10は、このシール部材9に沿って無端環状に設けられている。さらに、正極集電体7の上側縁部7b及び負極集電体8の下側縁部8bは、それぞれ図4及び図5に示すように、無端環状に形成された溝部7c、8cを備え、電解液吸収体10は2つの溝部7c、8cの間に形成される中空部を満たすように設けられていることが好ましい。
本発明において、正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6は、前記の電極組成物を正極室及び負極室にそれぞれ直接充填しても得ることができる。
ここで、本明細書において、「充填された」とは、正極活物質粒子及び負極活物質粒子が正極室及び負極室にそれぞれ収納されている状態を意味し、好ましくは、この正極活物質粒子及び負極活物質粒子と電解質とが正極室及び負極室にそれぞれ収納されている状態を意味する。さらに好ましくは、正極活物質粒子及び負極活物質粒子と電解質とが混合された状態を意味する。
本発明において正極室及び負極室に正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6が充填された状態にするには、粉体状の正極活物質粒子及び負極活物質粒子を直接正極室及び負極室にそれぞれに入れてもよく、正極活物質又は負極活物質粒子と電解液とを含むスラリー状の正極電極組成物及び負極電極組成を正極室及び負極室にそれぞれ入れることで行ってもよい。粉体状の正極活物質及び負極活物質粒子を直接正極室及び負極室に入れた場合、その後電解液を入れることで正極室及び負極室のそれぞれに正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6が充填される。
また、溝部7c、8cは、集電体の外周部を無端環状に型押しすること等の方法で成形することで設けることが出来る。
次に、本実施形態のリチウムイオン電池の製造方法について説明する。
まず、所定形状に形成され、上側縁部7b及び下側縁部8bにそれぞれ溝部7c、8cが形成された正極集電体7及び負極集電体8が有する本体7a、8aの収容部である凹部に正極電極組成物及び負極電極組成物をそれぞれ充填し、正極活物質層である正極電極組成物層5及び負極活物質層である負極電極組成物層6を形成する。正極電極組成物及び負極電極組成物を前記凹部に充填する手法に限定はなく、一例として、正極電極組成物及び負極電極組成物が格納されたタンクからノズルを介して充填する手法や、インクジェット装置により正極集電体7及び負極集電体8の凹部に正極電極組成物及び負極電極組成物を充填する手法、周知の手法が好適に適用される。
なお、正極集電体7及び負極集電体8の凹部に正極電極組成物及び負極電極組成物層を充填する量は、少なくとも凹部がこれら正極電極組成物及び負極電極組成物により充満される程度の量であり、好ましくは、正極電極組成物及び負極電極組成物が、上側縁部7b及び下側縁部8bのそれぞれから若干盛り上がる程度の量であることが好ましい。
次いで、正極集電体7及び負極集電体8のいずれか一方の上面に平板状のセパレータ4を配置することで、正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6のいずれか一方の上面をセパレータ4で覆う。この際、上述のように正極または負極電極組成物層5、6を上側縁部7b及び下側縁部8bから盛り上がる程度の量を凹部に充填した場合、セパレータ4の上面をローラで押さえながらこのセパレータ4を配置することで、正極または負極電極組成物層5、6を均すことが好ましい。
次いで、上側縁部7b及び下側縁部8bの溝部7c、8cの間に形成される中空部に電解液吸収体10を無端環状に充填し、上側縁部7b及び下側縁部8bにシール部材9を無端環状に配置した後、正極電極組成物層5を形成した正極集電体7及び負極電極組成物6を形成した負極集電体8のいずれかを上下逆転させて、上側縁部7b及び下側縁部8bが相対向するように配置する。この状態で、正極集電体7と負極集電体8の本体7a、8aの収容部により形成される収容部21内を脱気し、シール部材9を加熱溶融等することにより接着して封止することで、第2実施形態にかかる図5に示すようなリチウムイオン電池に用いるリチウム二次単電池を得ることができる。
本実施形態のリチウムイオン電池は、前記のリチウム二次単電池を第1実施形態で例示した電池外装容器と同様の電池外装容器に収容することで得られる。
本実施形態のリチウムイオン電池においても、リチウムイオン電池に振動等の衝撃が与えられ、あるいは、シール部の経時変化などの理由により、例えば図6に示すように、シール部材9と上側縁部7bとの接触面に間隙が生じ、正極電極組成物層5及び負極電極組成物層6を構成する電解液(図6に示す例では正極電極組成物層5を構成する電解液)がこのシール部材9に漏洩してしまった場合、電解液吸収体10が電解液を吸収し、膨潤体としてこのシール部材9を塞ぐとともに電解液吸収体10が電解液を保持する。結果として、電解液がこのシール部材9から漏洩することが極力抑制される。
従って、本実施形態のリチウムイオン電池によっても、上述の第1実施形態のリチウムイオン電池と同様の効果を得ることができる。
(変形例)
なお、本発明のリチウムイオン電池は、その細部が上述の各実施形態に限定されず、種々の変形例が可能である。一例として、本発明のリチウムイオン電池の外形は図1及び図4に示すようなリチウムイオン電池のそれに限定されず、種々の外形が採用可能である。
1 単電池
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 正極活物質層
6 負極活物質層
7 正極集電体
7c、8c 溝部
8 負極集電体
9 シール部材
10 電解液吸収体

Claims (5)

  1. 正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極活物質層及び負極集電体が順に積層されてなり、電解液を含む単電池を有するリチウムイオン電池であって、
    前記正極集電体及び前記負極集電体の間に配置されて前記正極集電体及び前記負極集電体の間に前記セパレータの周縁部を固定し、かつ前記正極活物質層、前記セパレータ、及び前記負極活物質層を封止する固定部を備え、
    前記固定部と前記正極集電体及び/又は前記負極集電体との間には、前記電解液を吸収して少なくともその一部を保持する電解液吸収体が設けられているリチウムイオン電池。
  2. 請求項1記載のリチウムイオン電池において、
    前記電解液吸収体は、前記固定部に無端環状に設けられているリチウムイオン電池。
  3. 請求項1または2記載のリチウムイオン電池において、
    前記正極集電体及び/又は前記負極集電体は略板状に形成され、
    前記電解液吸収体は、前記固定部と前記正極集電体及び/又は前記負極集電体との接触面に設けられているリチウムイオン電池。
  4. 請求項3記載のリチウムイオン電池において、
    前記セパレータは略板状に形成され、
    前記固定部は、前記正極集電体及び前記負極集電体の周縁部を封止する枠状に形成されているリチウムイオン電池。
  5. 請求項2記載のリチウムイオン電池において、
    前記正極集電体及び/又は前記負極集電体はその周縁部に無端環状に形成された溝部を備え、前記電解液吸収体はこの溝部に設けられているリチウムイオン電池。
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