JP2018124250A - 水位計、水圧センサ装置及び水位計測システム - Google Patents

水位計、水圧センサ装置及び水位計測システム Download PDF

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Abstract

【課題】コストを削減可能な水位計、水圧センサ装置及び水位計測システムを提供することである。
【解決手段】水圧の絶対値を計測可能な水圧センサ装置から無線信号で送信される前記水圧の絶対値を受信する第1通信部と、前記第1通信部が受信した前記水圧の絶対値と、気圧計により計測された大気圧とに基づいて水位を算出する水位算出部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、水位計、水圧センサ装置及び水位計測システムに関する。
従来、水中に設置されて水圧を検出する水圧検出部と、その水圧検出部により検出された水圧に基づいて水位を算出する変換部と、を備えた一体の圧力式の水位計がある(特許文献1、2参照)。
この水圧検出部は、中心部がダイアフラムで仕切られている。そして、水圧検出部は、そのダイアフラムの下面には水圧が加わり、上面には大気圧導入チューブを介して大気圧が加わるように構成されている。したがって、水圧検出部は、ダイアフラムにおける差圧を検出し、その検出した差圧を電気信号に変換して変換部に信号線を介して出力する。なお、この信号線は、水圧検出部と変換器とを電気的に接続する。
ここで、大気圧導入チューブは、上記信号線と纏めて1つのケーブルに内蔵されて設置される。そして、この大気圧導入チューブにより水圧検出部の内部と変換器の内部とが連通される。そのため、変換器の内部は、大気に開放されることで、大気圧導入チューブを介して水圧検出部の内部に大気圧が伝えられる。
特許第3463728号公報 特許第5696181号公報
上述したように、従来の水位計は、変換器の内部が大気に開放されているので、変換器の内部やその変換器の内部から大気圧導入チューブを介して水圧検出部の内部に、湿気が侵入しやすい。そのため、その湿気により、変換器の内部や水圧検出部の内部に用いられている回路基板が腐食する場合や、電子部品がショート等の不具合を引き起こす場合がある。したがって、変換器の内部には、湿気が入らないように、シリカゲル等の乾燥材を用いたフィルタを設ける対策や、回路基板の腐食を防止するために基板に防湿のコーティングを施す対策を行う必要があり、高コストである。また、変換器の内部が大気に開放されているため、腐食性ガスが変換器の内部に侵入してしまう。そのため、その腐食性ガスから内部部品を保護する対策も必要となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、コストを削減可能な水位計、水圧センサ装置及び水位計測システムを提供することである。
本発明の一態様は、水圧の絶対値を計測可能な水圧センサ装置から無線信号で送信される前記水圧の絶対値を受信する第1通信部と、前記第1通信部が受信した前記水圧の絶対値と、気圧計により計測された大気圧とに基づいて水位を算出する水位算出部と、を備える水位計である。
本発明の一態様は、上述の水位計であって、前記水位算出部が算出した前記水位を無線信号で外部に送信する第2通信部を備える。
本発明の一態様は、水中に設置され、設置位置における水圧の絶対値を計測する水圧センサと、地上に設置され、前記水圧センサが計測した前記水圧の絶対値を無線信号で送信する無線通信部と、を備える水圧センサ装置である。
本発明の一態様は、上述の水圧センサ装置であって、本発明の一態様は、前記水圧センサ装置の各部に電源を供給する電源装置を備え、前記電源装置と前記無線通信部とは、同一の筐体内に格納されて地上に設置されている。
本発明の一態様は、上述の水圧センサ装置であって、本発明の一態様は、前記無線通信部と前記水圧センサとは、電気的な配線のみにより接続されており、前記筐体は気密構造を有している。
本発明の一態様は、一つ以上であって、上述の水圧センサ装置と、大気圧を計測する気圧計と、前記水圧センサ装置と無線で接続され、且つ前記気圧計と無線又は有線で接続された水位計用ゲータウェイと、を備え、前記水位計用ゲータウェイは、前記水圧センサ装置から前記無線で取得した水圧の絶対値と、前記気圧計から前記無線又は有線で取得した大気圧とに基づいて水位を算出する水位計測システムである。
本発明の一態様は、上述の水位計測システムであって、ネットワークを介して、前記水位計と情報を送受する情報処理装置をさらに備え、前記情報処理装置は、前記水位計から前記ネットワークを介して取得した水位が、所定の値を超える場合に外部装置に警報を出力する制御部を備える。
以上説明した本発明によれば、コストを削減することができる。
本発明の一実施形態に係る水位計用ゲータウェイ4を用いた水位計測システム1の概略構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る水圧センサ装置2の配置例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る水圧センサ21の構造を示す概略構造図である。 本発明の一実施形態に係る水圧センサ無線通信部22の概略構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る水位計用ゲータウェイ4の概略構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るクラウドサーバ6の概略構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る制御部62が水位hを表示部64に表示する表示例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る水位計測システム1のシーケンス図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」、「有する」や「備える」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
以下、本発明の一実施形態に係る水位計を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る水位計用ゲータウェイ4を用いた水位計測システム1の概略構成の一例を示す図である。図1に示すように、水位計測システム1は、複数の水圧センサ装置2(2−1,2−2,…,2−N(Nは1以上の整数))、気圧計3、水位計用ゲータウェイ4及びクラウドサーバ6を備える。ただし、本実施形態に係る水位計測システム1は、一以上の水圧センサ装置2を備えていればよい。なお、クラウドサーバ6は、この発明における「情報処理装置」の一例であってよい。なお、水位計用ゲータウェイ4は、この発明における「水位計」の一例であってよい。
クラウドサーバ6は、クラウド環境に構築されたサーバで、インターネット等のネットワークを介した利用を前提としたサーバである。クラウドサーバ6は、クラウドコンピューティングを構成する、一または複数の電子デバイス、端末装置、サーバ、または汎用パソコン等からなる。クラウドコンピューティングは、NISTによるクラウドコンピューティングの定義(SP 800-145).URL:https://www.ipa.go.jp/files/000025366.pdfに定義されている。
水圧センサ装置2−1,2−2,…,2−Nのそれぞれは、個別の水圧センサ装置を表であって、同一の構成を備える。水圧センサ装置2−1,2−2,…,2−Nのそれぞれを区別しない場合には、単に「水圧センサ装置2」と標記する。なお、水位計用ゲータウェイ4に接続する水圧センサ装置は、水圧センサ装置2−1,2−2,…,2−N以外の構成のものであってもよい。
水圧センサ装置2は、水位計用ゲータウェイ4と無線通信することで情報を送受する。
図2に示すように、水圧センサ装置2は、水圧センサ21、水圧センサ無線通信部22及び信号線23を備える。
水圧センサ21は、水中に設置される。水圧センサ21は、水中に設置された位置である設置位置における水圧の絶対値を計測する。そして、水圧センサ21は、得られた水圧の絶対値を電気信号にて水圧センサ無線通信部22へ出力する。
図3は、本発明の一実施形態に係る水圧センサ21の構造を示す概略構造図である。
水圧センサ21は、シールダイアフラム211、圧力伝達用封液212、センサチップ213、振動子センサ(不図示)、温度センサ(不図示)、信号処理部215及び耐圧容器216を備える。センサチップ213は、ダイアフラム301及び真空基準室302を備える。
シールダイアフラム211は、水圧センサ21の下面に設けられている。シールダイアフラム211の下面は、水中にあり、水圧を受ける。
シールダイアフラム211の上面とダイアフラム301の下面との間には、圧力伝達用封液212が充填されている。圧力伝達用封液212は、圧力を伝達するオイルである。
ダイアフラム301の上面には、真空基準室302が設けられている。
真空基準室302の内部は、真空状態を維持可能な構造を有している。
したがって、ダイアフラム301の下面は、水圧Pwを受ける。また、ダイアフラム301の上面は、真空基準室302の内の圧力Paを受ける。
ダイアフラム301には、図示しない振動子センサが形成されている。
この真空基準室302の内部圧力は、測定対象である水圧よりも十分低い圧力に保持せれている。
ダイアフラム301には、振動子センサの他に温度計が形成されている。この温度計は、水圧の温度補正に使われるとともに、水温を測定するセンサとしても利用する。
以下に、水圧センサ21における水圧の絶対値Pbの計測方法について、説明する。水圧センサ21が水中に設置されると、シールダイアフラム211の下面は、水圧Pwを受ける。シールダイアフラム211の下面が受けた水圧Pwは、圧力伝達用封液212によりダイアフラム301の下面に伝搬される。この場合に、ダイアフラム301は、上面に真空基準室302の内の圧力Paを受けるとともに、下面に水圧Pwを受ける。したがって、ダイアフラム301は、水圧Pwと圧力Paとの差圧により変形する。この圧力による変形量は、真空基準室302の圧力が一定の場合、水圧に比例する。水圧センサ21は、このダイアフラムの変形量をダイアフラム上に配置された振動子センサで測定することにより、水圧の絶対値Pbを計測することができる。
振動子センサで検出したダイアフラムの変形量は、信号処理部215により、ダイアフラム301の変形量をアナログ出力に変換した後、アナログ信号をデジタル化し、その信号を演算することで水圧を計算する。温度補正も信号処理部215にて実施される。また、信号処理部215は、計測した水圧の絶対値Pbを、信号線23を介して水圧センサ無線通信部22に出力する。なお、振動子センサに換えてゲージセンサを用いてもよい。
このように、水圧センサ装置2は、従来のように、大気圧を基準とした水圧のゲージ圧を測定する構成ではなく、いわゆる水圧の絶対圧を測定する構成を有する。これにより、本実施形態に係る水圧センサ装置2は、高価な大気圧導入チューブを内蔵した配線等を必要としない。そのため、水圧センサ装置2の低コスト化が可能となる。なお、水圧センサ21は、水圧の絶対値Pbを計測できればよく、上述の構造には特に限定されない。例えば、水圧センサ21は、超音波等により水圧の絶対値Pbを計測してもよい。
信号線23は、水圧センサ21と水圧センサ無線通信部22とを接続し、信号や電力を伝達する。
水圧センサ無線通信部22は、例えば観測小屋など地上100に設置される。
図4は、本発明の一実施形態に係る水圧センサ無線通信部22の概略構成の一例を示す図である。
図4に示すように、水圧センサ無線通信部22は、取得部221、電源装置222、電源制御部223、記憶部224、信号制御部225及び無線通信部226を備える。水圧センサ無線通信部22の各部である取得部221、電源装置222、電源制御部223、記憶部224、信号制御部225及び無線通信部226は、同一筐体内に格納されて地上100に設けられる。この筐体は、筐体は気密構造を有している。
取得部221は、信号線23に接続されている。取得部221は、水圧センサ21から信号線を介して水圧の絶対値Pbを取得する。取得部221は、取得した水圧の絶対値Pbを信号制御部225に出力する。
電源装置222は、水圧センサ装置2の各部に電源を供給する。すなわち、電源装置222は、水圧センサ無線通信部22の各部に電力を供給するとともに、信号線23を介して水圧センサ21に電力を供給する。電源装置222は、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池、を用いることができる。電池は、一次電池でも二次電池であってもよい。また、電源装置222は、電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることもできる。このように、水圧センサ装置2は、内蔵する電源装置222で駆動するため、外部に配線して電力を得る必要がない。そのため、水圧センサ21を固定し、水圧センサ無線通信部を設置するのみで、水位計測を実現できる。これにより、余計や配線等が必要なくなり、設置費用を大幅に抑制できる。
電源制御部223は、電源装置222から出力される電力の電力量を制御する。また、電源制御部223は、電源装置222に蓄積された電力の残量値(以下、「残電力」という。)を測定する。電源制御部223は、測定した電源装置222の残電力が所定の電力量を下回った場合には、電池切れを示す電池切れ信号を信号制御部225に出力する。但し、この電力残量値については、信号制御部225で電圧を計測する方法を用いることもできる。
温度計測部227は、温度センサが組み込まれており水圧センサ無線通信部22の温度を監視している。温度計測部227は、水圧センサ無線通信部22の温度を監視することにより、電池漏れや回路のショートなどによる火災事故の原因をいち早く感知して、電源装置222を遮断するための制御信号を生成することである。また、この温度と制御信号は、信号制御部225に送信される。例えば、温度計測部227は、温度センサで測定した温度が異常を示す値以上であると判定した場合には、その温度や異常を示す警告信号を水位計用ゲータウェイ4を介してクラウドサーバ6に送信してもよい。そして、クラウドサーバ6は、水圧センサ無線通信部22から水位計用ゲータウェイ4を介して取得した温度や異常を示す警告信号をユーザが所有する通信端末に出力する。これにより、水圧センサ装置2は、水圧センサ無線通信部22内の火災の危険性を速やかにユーザに知らせることができる。なお、信号制御部225は、上記警告信号をクラウドサーバ6に送信した後、温度計測部227から出力された制御信号に基づいて、水圧センサ無線通信部22から電源装置222を電気的に遮断してもよい。なお、信号制御部225は、制御信号に基づいて警告信号を生成してもよい。
記憶部224には、複数の水圧センサ装置2(2−1,2−2,…,2−N)から、自装置の水圧センサ装置2を識別する識別情報が記憶されている。
信号制御部225は、取得部221から取得した水圧の絶対値Pbに、記憶部224に記憶されている識別情報を付与する。そして、信号制御部225は、識別情報を付与した水圧の絶対値Pbを、無線通信部226を介して水位計用ゲータウェイ4に無線で送信する。また、信号制御部225は、電源制御部223から取得した電池切れ信号を、無線通信部226を介して水位計用ゲータウェイ4に無線で送信する。その場合に、信号制御部225は、電池切れ信号に記憶部224に記憶されている識別情報を付与して水位計用ゲータウェイ4に無線送信する。
無線通信部226は、水位計用ゲータウェイ4と無線通信する。ここで、この無線通信における通信回線は、インターネット等のコンピュータネットワーク、通信事業者のコアネットワーク、及び種々のローカルネットワークを含む。例えば、無線通信部226は、省電力広域ネットワーク(LPWAN:Low-power Wide-area)を用いてもよいし、WiFi(登録商標)を用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee(登録商標)等を用いてもよい。また、水圧センサ無線通信部22の無線通信方式を消費電力の小さい無線通信方式であるLPWANやZigBee(登録商標)等を採用することにより、電池寿命を持たせることができ、電池の交換回数を減らすことができるため、メンテナンスコストを抑えることができる。
信号制御部225は、上述した機能の他に、簡単なフィルタリングや統計処理を含む役目を持たせることができる。
図1に戻り、気圧計3は、水位計用ゲータウェイ4と有線又は無線で接続されている。気圧計3は、大気圧を計測する。この気圧計3は、水圧センサ21と同一の構造を備える。すなわち、気圧計3は、真空基準室302と圧力センサ214とを備え、真空基準室302内の圧力Paを基準として大気圧Patを計測する。気圧計3は、計測した大気圧Patを水位計用ゲータウェイ4に有線又は無線で送信する。
水位計用ゲータウェイ4は、少なくとも一以上の水圧センサ装置2と無線で接続され、且つ気圧計3と無線又は有線で接続されている。また、水位計用ゲータウェイ4は、クラウドサーバ6と通信ネットワーク5を介して情報を送受する。この通信ネットワーク5は、無線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワーク5は、インターネット等のコンピュータネットワーク、通信事業者のコアネットワーク、及び種々のローカルネットワークを含む。例えば、通信ネットワーク5は、3G方式、LTE方式、4G方式などの移動体通信方式の無線通信網であってもよく、WiMAX(登録商標)のような無線MAN方式、無線WAN方式などの無線データ通信方式の無線通信網であってもよい。
また、水位計用ゲータウェイ4は、水圧センサ装置2や気圧計3から送信された情報をクラウドサーバ6に中継する中継器として機能する。例えば、水位計用ゲータウェイ4は、ゲートウェイとして機能する。
水位計用ゲータウェイ4は、水圧センサ無線通信部22の無線通信部226から無線で取得した水圧の絶対値Pbと、気圧計3から無線又は有線で取得した大気圧Patと、に基づいて水位hを識別情報ごとに算出する。例えば、水位計用ゲータウェイ4は、水圧センサ装置2−1,2−2,…,2−Nごとに、水位hを算出する。水位計用ゲータウェイ4は、識別情報ごとに算出した水位hを通信ネットワーク5を介してクラウドサーバ6に送信する。なお、クラウドサーバ6に送信する水位hの情報には、その水位hに対応する水圧センサ装置2の識別情報が付与されている。
また、水圧センサ装置2−1,2−2,…,2−Nごとの水温と電池電圧、水圧センサ無線通信部22内部の情報も通信ネットワークを介して、クラウドサーバに送信される。
以下に、本発明の一実施形態に係る水位計用ゲータウェイ4の構成について、説明する。
図5に示すように、水位計用ゲータウェイ4は、第1通信部41、取得部42、記憶部43、水位算出部44及び第2通信部45を備える。
取得部42は、気圧計3と有線又は無線で接続されている。取得部42は、気圧計3から大気圧Patを取得する。取得部42は、気圧計3から取得した大気圧Patを水位算出部44に出力する。
第1通信部41は、水圧センサ装置2の無線通信部226と通信する。
水位算出部44は、取得部42から取得した大気圧Patと、第1通信部41が水圧センサ装置2(無線通信部226)から受信した水圧の絶対値Pbとの差と、水の密度ρに基づいて、水位hを識別情報ごとに計算する。なお、この密度ρ等の水位hの算出に用いられるデータやプログラムは、予め記憶部43に記憶されている。
なお、水位算出部44は、水の密度ρ、水圧センサの熱膨張、封液の熱膨張等は温度依存性があるため、この温度依存も考慮した温度補正を行うようにしてもよい。
また、水位算出部44は、第1通信部41を介して無線通信部226から電池切れ信号を取得する。そして、水位算出部44は、その電池切れ信号を第2通信部45を介してクラウドサーバ6に送信する。なお、水位計用ゲータウェイ4は、この水位hの算出を一定時間ごとに繰り返し実行し、その算出した水位hをクラウドサーバ6に送信する。
また、記憶部43には、測定データのバックアップとして、指定した容量の長期測定データを保存する。指定したデータ量に達した場合は、古いデータを消去し、新しいデータを記録部に保存していく。このデータは、クラウド上のデータが一部欠損した場合のバックアップとしても使用することができる。
水位算出部44では、個々の水圧センサ装置2−1,2−2,…,2−Nの水位や温度の統計的な処理や、水圧センサ装置2−1,2−2,…,2−Nの間の相互相関や平均値等の統計処理機能も有している。
第2通信部45は、通信ネットワーク5を介してクラウドサーバ6と通信する。
クラウドサーバ6は、通信ネットワーク5を介して水位計用ゲータウェイ4と情報を送受する。
以下に、本発明の一実施形態に係るクラウドサーバ6の構成について、説明する。
図6に示すように、クラウドサーバ6は、第3通信部61、制御部62、記憶部63及び表示部64を備える。
第3通信部61は、通信ネットワーク5を介して水位計用ゲータウェイ4の第2通信部45と情報を送受する。
制御部62は、第3通信部61を介して水位計用ゲータウェイ4の第2通信部45から取得した水位h、水温、水圧センサ無線通信部22の温度を記憶部63に記憶する。例えば、制御部62は、第3通信部61を介して水位計用ゲータウェイ4の第2通信部45から一定時間ごとに水位h、水温、水圧センサ無線通信部22の温度を取得する。そして、制御部62は、一定時間ごとに取得した水位h、水温、水圧センサ無線通信部22の温度を時系列に記憶部63に記憶する。なお、この場合に、制御部62は、水位h、水温、水圧センサ無線通信部22の温度を時系列且つ識別情報ごとに記憶部63に記憶してもよい。すなわち、記憶部63には、水圧センサ装置2−1,2−2,…,2−Nごとに水位h、水温、水圧センサ無線通信部22の温度が時系列に記憶される。なお、制御部62は、一定時間ごとに取得した水位hを集計し、その集計した水位hに基づいて統計データを作成してもよい。
制御部62は、記憶部63に時系列に記憶された水位h(図7)や、水温、水圧センサ無線通信部22の温度、および、それらの測定値の統計データを表示部64に表示することができる。
また、制御部62は、第3通信部61により通信ネットワーク5を介して取得した水位hが、所定の値を超えるか否かを判定する水位異常判定を実行する。そして、制御部62は、その水位異常判定に用いた水位hが、所定の値を超える場合には、外部装置に警報を出力する。例えば、制御部62は、水位異常判定に用いた水位hが、所定の値を超える場合には、ユーザが所有する通信端末(外部装置)に、その水位hの値や警告文や音声を送付することで、警報を出力する。この警告文とは、例えば、水位hが異常値に達した旨の内容や、その異常の詳細を記述しているホームページアドレス等である。なお、この通信端末とは、通信可能な端末であればどのような端末であってもよく、例えば、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、及びPC(Personal Computer)等である。ここで、例えば、ユーザとは、水圧センサ21が沈められた水の水位を監視する者である。
なお、他の実施例として、制御部62は、第3通信部61により通信ネットワーク5を介して取得した水位hが、所定の値を下回るか否かを判定する水位異常判定を実行するものでもよい。
なお、上述と同様に水温の異常についても、閾値を設けて、その閾値を上回るか下回るかした場合に、同様の警報出力を出力することもできる。
制御部62は、ユーザが所有する通信端末に警報を出力した後、第3通信部61により通信ネットワーク5を介して取得した水位hが、所定の値以下であると判定した場合には、警告が解除された旨を上記通信端末に出力してもよい。
制御部62は、第3通信部61により通信ネットワーク5を介して電池切れ信号を取得した場合には、ユーザが所有する通信端末に、電源装置222の残電力が足りないことを示す警告を出力する。なお、制御部62は、この警告とともに電池切れ信号に付与された識別情報をユーザが所有する通信端末に出力してもよい。これにより、ユーザは、電源装置222の残電力が足りない水圧センサ装置2を識別することができる。
以下に、本発明の一実施形態に係る水位計用ゲータウェイ4を用いた水位計測システム1の動作について、図8を用いて説明する。
複数の水圧センサ装置2は、それぞれが水中に設けられた設置位置における水圧の絶対値PrePbと水温を計測し、その値を用いて温度補正された水圧の絶対値Pbを計算する(ステップS101)。そして、複数の水圧センサ装置2は、それぞれ計測したPbに自装置の識別情報を付与して無線で水位計用ゲータウェイ4に送信する(ステップS102)。この識別番号と水位データは、通信確立時のID認証を行った後に、データのみを送信する等、その識別情報の送信は、必ずしもデータを送信する時と同時に行う必要はなく、装置の識別情報と水位と温度を装置間で区別して送信できる仕組みであれば、どのような方法を用いても良い。
気圧計3は、自装置の真空基準室302内における圧力Paを基準として大気圧Patを計測する(ステップS103)。気圧計3は、計測した大気圧Patを有線又は無線で水位計用ゲータウェイ4に送信する(ステップS104)。
水位計用ゲータウェイ4は、水圧センサ無線通信部22の無線通信部226から無線で取得した水圧の絶対値Pbと、気圧計3から無線又は有線で取得した大気圧Patと、に基づいて水位hを識別情報ごとに算出する(ステップS105)。そして、水位計用ゲータウェイ4は、算出した水位hをクラウドサーバ6に通信ネットワーク5を介して送信する(ステップS106)。
クラウドサーバ6は、水位計用ゲータウェイ4から通信ネットワーク5を介して取得した水位hを時系列且つ識別情報ごとに記憶部63に記憶する(ステップS107)。
また、クラウドサーバ6は、通信ネットワーク5を介して取得した水位hが、所定の値を超えるか否かを判定する。そして、クラウドサーバ6は、通信ネットワーク5を介して取得した水位hが、所定の値を超える場合には、ユーザが所有する通信端末に、警告を出力する(ステップS108)。なお、クラウドサーバ6は、通信ネットワーク5を介して取得した水位hが、所定の値以下である場合に、ユーザが所有する通信端末に警告を出力してもよい。
上述したように、本発明の一実施形態に係る水位計用ゲータウェイ4は、水中に設置される水圧センサ21を備え、水圧センサ21内の真空室(真空基準室302)の圧力を基準として水圧センサ21の設置位置における水圧の絶対値Pbを計測可能な水圧センサ装置2から無線信号で送信される水圧の絶対値Pbを受信する第1通信部41と、この通信部が水圧センサ装置2から受信した水圧の絶対値Pbと気圧計3から受信した大気圧Patとに基づいて水位hを算出する水位算出部44と、を備える。これにより、水位計用ゲータウェイ4は、大気圧導入チューブを用いずに水位hを算出することができるため、高精度、且つ従来の水位計と比較してコストを削減することができる。なお、この水位計用ゲータウェイ4は、水位算出部44が算出した水位hを無線信号で外部に送信する第2通信部45を備える。なお、このコスト削減においては、設置コストの削減も含まれる。
また、水圧センサ装置2は、水圧の絶対値Pbと大気圧Patに基づいて水位を算出する水位計用ゲータウェイ4と無線通信可能であり、この水圧hの絶対値Pbを計測するための水圧センサ装置である。そして、水圧センサ装置2は、内部に真空基準室302を備え、真空基準室302の圧力を基準として所定の位置における水圧の絶対値Pbを計測する水圧センサ21と、水圧センサ21が計測した水圧の絶対値Pbを水位計用ゲータウェイ4に無線で送信する無線通信部226と、を備える。このように、水圧センサ装置2は、従来のように、大気圧を基準とした水圧のゲージ圧を測定する構成ではなく、いわゆる水圧の絶対圧を測定する構成を有する。これにより、水圧センサ装置2は、高価な大気圧導入チューブを内蔵した配線等を必要としない。そのため、水圧センサ装置2の低コスト化が可能となる。さらに、水圧センサ装置2の内部が大気に開放されていないため、水圧センサ装置2の内部に湿気や腐食性ガスが侵入することを防止できる。これによって、水圧センサ装置2の内部にある回路基板に防湿や腐食を防止するためのコーティングを施す対策が不要となり、低コスト化が可能になる。
また、水圧センサ装置2は、自装置の各部に電源を供給する電源装置222を備える。そして、電源装置222と無線通信部226とは、水圧センサ無線通信部22として同一筐体内に格納されて地上100に設けられる。この水圧センサ無線通信部22は、水圧センサ21と電気的な配線のみにより接続されており、上述したように大気圧導入チューブが用いられていない。したがって、この水圧センサ無線通信部22の筐体内に大気圧を流入させる必要がないため、水圧センサ装置2のコストを抑えられるとともに、水圧センサ無線通信部22の小型化が実現可能となる。
また、水圧センサ装置2は、水圧センサ無線通信部22に大気圧を流入させる必要がないため、湿気の影響を考慮する必要がない。そのため、水圧センサ無線通信部22にシリカゲル等の乾燥材を用いたフィルタを設ける対策や、回路基板の腐食を防止するために基板に防湿のコーティングを施す対策を行う必要がない。これにより、水圧センサ装置2は、従来よりも低コストとなる。
また、従来の水位計測システムは、河川等において複数地点の水位hを計測する場合には、その複数の地点に、大気圧導入チューブを備えた高コストな水位計を設置する必要がある。一方、本実施形態に係る水位計測システム1では、複数の地点に、大気圧導入チューブを用いない低コストな水圧センサ装置2を設置し、少なくとも一か所に本実施形態に係る気圧計3及び本実施形態に係る水位計用ゲータウェイ4の機能を有する中継器(例えば、ゲートウェイ)を設置するだけで、複数地点における水位hを計測することができる。これにより、水位計測システム1は、河川等において複数地点の水位hを計測する場合においても、従来と比較して低コストで水位hを計測することができる。
本実施形態では、水圧センサ装置2の無線通信を低消費電力である方式を採用することで電池での動作が可能となる。すなわち、大きな消費電力を必要とする通信を水位計用ゲータウェイ4で処理し、その部分には商用電源を使用する構成をとることで、水圧センサ装置2の電池寿命を向上させ、電池交換回数を低減できる。そのため、メンテナンスコストを低く抑えることができる。また、水圧センサ装置2では配線が無い構成を取ることにより、設置費用も低減できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)水位計用ゲータウェイ4は、気圧計3から取得した大気圧Patと水圧センサ装置2から取得した水圧の絶対値Pbとのそれぞれに対して、統計的な手法(例えば、AI;Artificial Intelligenceを含む)やIIR(Infinite Impulse Response),FIR(Finite Impulse Response)等のデジタルフィルタ処理を行いことで高精度な値に変換する機能を有してもよい。
(2)また、気圧計3は、大気圧atを計測することができるため、雨を発生させる低気圧を感知することができる。したがって、気圧計3が計測した大気圧Patを、局所的な低気圧により発生するゲリラ豪雨などの予知にも利用することができる。例えば、水位計用ゲータウェイ4は、気圧計3から取得した大気圧Patに基づいて低気圧の発生を検出した場合には、低気圧の発生を示す信号を、通信ネットワーク5を介してクラウドサーバ6に送信する。そして、クラウドサーバ6は、低気圧の発生を示す信号を水位計用ゲータウェイ4から取得した場合には、低気圧の発生を示す情報をユーザが所有する通信端末に出力する。このように、水位計用ゲータウェイ4は、気圧計3が計測した大気圧Patから低気圧を感知することで短期的かつ局所的な低気圧による天候の予知機能を有する。
(3)また、水圧センサ無線通信部22の無線通信部226は、電源制御部223が検出した電源装置222の残電力と、自装置の位置を示す位置情報とを、水位計用ゲータウェイ4を介してクラウドサーバ6に送信してよい。そして、クラウドサーバ6は、位置情報、識別情報、残電力及び水位hを水圧センサ装置2−1,2−2,…,2−Nごとに関連付けて記憶部63に記憶する。また、クラウドサーバ6は、各水圧センサ装置2−1,2−2,…,2−Nの位置情報に対応する位置を、表示部64に表示されたマップ上に表示してもよい。例えば、水圧センサ無線通信部22は、GPS(Global Positioning System)を用いることで位置情報を取得してもよい。
(4)また、水位計測システム1は、複数の水位計用ゲータウェイ4を備え、その複数の水位計用ゲータウェイ4からの情報をクラウドサーバ6で集計してもよい。これにより、水位計測システム1は、一つの水位計用ゲータウェイ4のみでは実現できない広域の統計的な水位hのデータ解析を行うことができる。
(5)アップロード機能のみを持つような構成にすることで、水位計測システムを構成することが可能であり、このような校正では、上位側からの命令を受け取る仕組みをなくすことができるため、水位計用ゲータウェイ4より下位の現場に設置する部分がウィルスに感染する危険性がなくなる。
(6)クラウド側で、ある特定時刻の出力値を基準とした水位に変換できるように、ある時刻での水位を基準として、水位を計算できる仕組みをクラウド側に持つことにより、水位計用ゲータウェイ4より下位の現場に設置する部分に設置時の調整部分を持つ必要がなくなる。このことにより、調整が可能であるにも関わらす、現場側のウィルス感染を抑えることができる。
上述した実施形態における水位計測システム1の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、コンパクトディスク等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1 水位計測システム
2 水圧センサ装置
3 気圧計
4 水位計用ゲータウェイ(水位計)
6 クラウドサーバ(情報処理装置)
21 水圧センサ
22 水圧センサ無線通信部
41 第1通信部
42 取得部
43 記憶部
44 水位算出部
45 第2通信部
61 第3通信部
62 制御部
63 記憶部
64 表示部
221 取得部
222 電源装置
223 電源制御部
224 記憶部
225 信号制御部
226 無線通信部

Claims (7)

  1. 水圧の絶対値を計測可能な水圧センサ装置から無線信号で送信される前記水圧の絶対値を受信する第1通信部と、
    前記第1通信部が受信した前記水圧の絶対値と、気圧計により計測された大気圧とに基づいて水位を算出する水位算出部と、
    を備える水位計。
  2. 前記水位算出部が算出した前記水位を無線信号で外部に送信する第2通信部を備える、請求項1記載の水位計。
  3. 水中に設置され、設置位置における水圧の絶対値を計測する水圧センサと、
    地上に設置され、前記水圧センサが計測した前記水圧の絶対値を無線信号で送信する無線通信部と、
    を備える水圧センサ装置。
  4. 前記水圧センサ装置の各部に電源を供給する電源装置を備え、
    前記電源装置と前記無線通信部とは、同一の筐体内に格納されて地上に設置されている請求項3に記載の水圧センサ装置。
  5. 前記無線通信部と前記水圧センサとは、電気的な配線のみにより接続されており、
    前記筐体は気密構造を有している請求項4に記載の水圧センサ装置。
  6. 一つ以上であって、請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の水圧センサ装置と、
    大気圧を計測する気圧計と、
    前記水圧センサ装置と無線で接続され、且つ前記気圧計と無線又は有線で接続された水位計と、
    を備え、
    前記水位計は、前記水圧センサ装置から前記無線で取得した水圧の絶対値と、前記気圧計から前記無線又は有線で取得した大気圧と、に基づいて水位を算出する水位計測システム。
  7. ネットワークを介して、前記水位計と情報を送受する情報処理装置をさらに備え、
    前記情報処理装置は、前記水位計から前記ネットワークを介して取得した水位が、所定の値を超える場合に外部装置に警報を出力する制御部と、
    を備える請求項6に記載の水位計測システム。
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