JP2011009497A - 油入電気機器の異常監視システム - Google Patents

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Akinobu Hamada
Takashi Otsuka
恭士 大塚
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克利 札場
Kanae Aoyama
香苗 青山
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Abstract

【課題】所定の地域範囲全体に設置されている複数個の油入電気機器のそれぞれについてその物理量を簡易なインフラを用いて遠隔地に伝達できるようにし、しかも、遠隔地で油入電気機器の油温管理をより厳密に行うことができるようにする。
【解決手段】機器の内部に絶縁油を密閉的に収容する複数個の油入変圧器11のそれぞれに送信機101を設け、絶縁油の油温及び水位と機器の内圧とをセンシングしてそのセンシング値を機器識別コードと共に無線で送信出力し、送信機101が送信出力したセンシング値及び機器識別コードをデータ中継機201で受信して公衆回線網301を介して送信出力する。管理システム401は、データ中継機201から受信したセンシング値に含まれている絶縁油の水位と機器の内圧との値に基づいて、絶縁油の油温の規定バンド幅の上限値を設定し、油温を監視する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部に絶縁油を密閉的に収容する油入電気機器、例えば油入変圧器等の異常を遠隔地より監視する異常監視システムに関する。
従来、変圧器では、絶縁油が充填された油入変圧器が最も一般的で、広く普及している。このような油入変圧器等の油入電気機器を用いる場合、配電経路の事故防止のためにも、その過負荷対策が不可欠である。そのための対策として、例えば油入変圧器の一次側にカットアウトヒューズを介在させるようなことが行なわれている。しかしながら、カットアウトヒューズによる対策は、100%の安全性を保証するものではない。このため、稀に、油入変圧器の過負荷により配電線事故を発生させてしまうことがある。
これに対して、従来、遠隔地にある油入変圧器等の油入電気機器の状態を監視できるようにした異常監視システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されているのは、マンションなどの集合住宅における供給用変圧器室のような電力会社の借室を対象とし、その内部の環境状態や各種設備の状況を遠方にある電力会社の監視局から自動的に点検、監視する借室遠方監視システムである(段落0001参照)。特許文献1には、更に、変圧器油温度計測センサを備え、変圧器の物理的諸量を計測可能であること(段落0012)、変圧器油温度計測センサが取り込んだ計測情報は公衆回線を利用して遠方の監視局に送信すること(段落0006参照)、そして、トレンド監視機能や定例監視機能として、監視局でそのような情報(変圧器油温度等)を監視すること(段落0017〜0018参照)、が記載されている。このような遠隔監視の手法は、油入変圧器の過負荷による配電線事故の防止に極めて有効である。
また、特許文献2にも、特許文献1と同様に、マンションなどの集合住宅における供給用変圧器室のような借室を対象とし、その内部の環境状態や各種設備の状況を遠方で自動的に点検、監視する借室遠方監視システムが記載されている。特許文献2には、「通信回線の利用が困難である供給用変圧器室内から通信回線の利用可能な供給用電圧器室外の場所まで伝送手段を確保するために、建物内に敷設されている既存の2次側配電線を伝送手段として利用する。」ことが記載されている(段落0008参照)。
更に、特許文献3には、油入変圧器に油面センサと温度センサとを設けておき、これらの各センサからの信号を取り込んで遠隔地で監視できるようにしたシステムが記載されている。そして、特許文献3には、油面センサのセンシング値の利用について、「監視手段13は、油面センサ14からの信号も処理して油面高さに換算し、油面高さの温度補正を行い、油漏れ等の異常の有無を判定する。」と記載されている(段落0037参照)。
特開平09−074592号公報 特開2000−295793公報 特開2001−196231公報
第一の課題は、油入変圧器等の油入電気機器の物理量を遠隔地に送信する場合、どうしても大掛かりな設備が必要になってしまうということである。特許文献3に記載されている発明のように、そもそも電力施設内での油入電気機器を対象としているのであれば、初めからシステムの一部として組み込むはずなので事実上の問題は少ない。これに対して、特許文献1、2に記載されているような借室内の設備や柱上設置の油入変圧器の場合には、その数が膨大であることや将来的にどんどん増えていくことから、信号伝達系の設備設置に莫大な投資が必要となる。
この点、上記特許文献2は、建物内に敷設されている既存の2次側配電線を伝送手段として利用するという解決手法を提案している。しかしながら、この手法は、ある建物内に設置されている油入電気機器の物理情報を取り込むという点では有効であるものの、ある地域範囲まで範囲を広げ、その範囲内の全ての油入電気機器の物理量の値を遠隔地に送信するということまで適用範囲を広げると、汎用的な手法であるとは言いがたい。
また、油入変圧器等の油入電気機器では、その油温管理が重要であることは言うまでもないが、絶縁油の温度が適正であるかどうかには、その他の要因が絡んでくる。この点、特許文献3には、前述したように、「監視手段13は、油面センサ14からの信号も処理して油面高さに換算し、油面高さの温度補正を行い、油漏れ等の異常の有無を判定する。」と記載されているものの(段落0037参照)、「油面高さの温度補正」というものがいかなるものなのか、特許文献3だけからでは不明である。これに対して、特許文献1〜3に記載されているような油入電気機器の遠隔監視を行なうという運用を採用した場合、現場での監視よりも遠隔地での監視が重要視されがちとなるであろうことから、油入電気機器の油温管理をより厳密に行いたいものである。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ある地域範囲全体に設置されている複数個の油入電気機器のそれぞれについてその絶縁油の温度等の物理量を簡易なインフラを用いて遠隔地に伝達することができ、かつ、遠隔地で油入電気機器の油温管理をより厳密に行うことができる油入電気機器の異常監視システムを提供することである。
本発明の油入電気機器の異常監視システムの一態様は、機器の内部に絶縁油を密閉的に収容する複数個の油入電気機器と、個々の前記油入電気機器にそれぞれ設けられ、前記油入電気機器が収容する絶縁油の油温及び水位と当該油入電気機器の内圧とをそれぞれセンサでセンシングし、センシング値を機器識別コードと共に無線で送信出力する送信機と、前記送信機が無線で送信出力するセンシング値及び機器識別コードを受信し、通信回線を介して受信したセンシング値を機器識別コードと共に送信出力するデータ中継機と、前記データ中継機が送信出力した前記油入電気機器のセンシング値及び機器識別コードを受信し、受信したセンシング値に含まれている絶縁油の水位と機器の内圧との値に基づいて、絶縁油の油温の規定バンド幅の上限値を絶縁油の水位と機器の内圧との関係から定義する油温上限値定義データから規定バンド幅の上限値を検索して設定し、受信したセンシング値に含まれている絶縁油の値が設定した規定バンド幅の上限値を超えているかどうかを監視する管理装置と、を備える。
本発明によれば、油入電気機器に設けられている送信機において、絶縁油の油温及び水位と機器の内圧とのセンシング値を機器識別コードと共に無線で送信出力し、これをデータ中継機が無線で受信して管理装置に通信回線を介して送信出力するので、ある地域範囲全体に設置されている複数個の油入電気機器のそれぞれについてその絶縁油の温度等の物理量を簡易なインフラを用いて遠隔地に伝達することができ、したがって、インフラ整備のための人的、物的、金銭的な負担の激減を図ることができる。また、本発明によれば、管理装置において、受信したセンシング値に含まれている絶縁油の水位と機器の内圧との値に基づいて、絶縁油の油温の規定バンド幅の上限値を絶縁油の水位と機器の内圧との関係から定義する油温上限値定義データから規定バンド幅の上限値を検索して設定するので、油温管理をより厳密に行うことができ、現場での監視よりも遠隔地での監視が重要視されがちとなる遠隔監視システムにあっても、より適正な油入電気危機の管理を行なうことができる。
実施の一形態を示すシステム全体のブロック図である。 管理システムが有しているサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。 サーバが複数個の油入電気機器(油入変圧器)を管理するために用いる管理テーブルを示す模式図である。 個々の油入電気機器(油入変圧器)における物理量のセンシング値ログを記憶保存するセンシング値ログファイルを例示する模式図である。 個々の油入電気機器(油入変圧器)における警告ログを記憶保存する警告ログファイルを例示する模式図である。 油入電気機器(油入変圧器)が収容する絶縁油の油温の規定バンド幅と油温との関係を例示するグラフである。 油入電気機器(油入変圧器)が収容する絶縁油の油温の規定バンド幅の上限値について説明するための模式図である。 絶縁油の油温の規定バンド幅の上限値を絶縁油の水位と機器の内圧との関係から定義する油温上限値定義データの一例を示す模式図である。 外気温度と規定バンド幅の上限値に対する係数との関係を定義する外気温度係数定義データの一例を示す模式図である。 送信機が実行する処理プロセスを示すフローチャートである。 データ中継機が実行する処理プロセスを示すフローチャートである。 管理システムが有しているサーバが実行する処理プロセスを示すフローチャートである。
実施の一形態を図1ないし図12に基づいて説明する。
図1は、システム全体のブロック図である。本実施の形態の油入電気機器の異常監視システムは、油入電気機器としての油入変圧器11と、この油入変圧器11に設けられている送信機101と、送信機101から無線で送信出力された信号を受信するデータ中継機201と、データ中継機201から通信回線としての公衆回線網301を介してデータ受信する管理装置としての管理システム401とから構成されている。
油入変圧器11は、機器の内部に絶縁油(図示せず)を密閉的に収容する。一例として、油入変圧器11は、電信柱(図示せず)に設置される柱上のもの、マンション等の集合住宅における供給用変圧器室のような電力会社の借室内に設置されるもの、高圧の顧客用の高圧キュービクル21内に設置されるもの等、各種設けられている。しかも、それぞれ複数個設けられている。
送信機101は、そのような各種の油入変圧器11に設置され、油温センサ102、水位センサ103、圧力センサ104、及び温度センサ105を有している。油温センサ102と水位センサ103と圧力センサ104とは油入変圧器11の内部に収納され、油温センサ102は絶縁油の温度をセンシングし、水位センサ103は絶縁油の油面位置をセンシングし、圧力センサ104は油入変圧器11の内圧をセンシングする。温度センサ105は、油入変圧器11の外部であって、油入変圧器11の熱に影響を受けない場所に設置されており、周辺気温をセンシングする。そして、送信機101は、それらの各種のセンサ102、103、104、105からセンシング値である信号を取り込み、機器識別コードと共に無線で送信出力する(図10に示す処理プロセス参照)。このような処理プロセスを実行するために、送信機101は、一例として、集積回路によるシーケンサとして構成されている。
データ中継機201は、送信機が無線で送信出力するセンシング値及び機器識別コードを受信する受信機202を備え、この受信機202が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するADコンバータ203を備えている。データ中継機201は、また、例えば集積回路によるシーケンサ構成の主制御部204及び通信装置205を備えている。主制御部204は、ADコンバータ203が出力するデジタル信号に変換されたセンシング値及び機器識別コードを受信し、通信装置205を用いて、受信したセンシング値を機器識別コードと共に公衆回線網301を介して管理システム401に向けて送信出力する(図11に示す処理プロセス参照)。
管理システム401は、データ中継機201が公衆回線網301を介して送信出力した油入変圧器11のセンシング値及び機器識別コードを通信装置402で受信する。このような管理システム401は、通信装置402の他に、サーバ403、大型の表示装置404、及び複数個のクライアントPC405を、構内ネットワーク406を介してデータ通信自在に接続している。そこで、サーバ403は、受信したセンシング値に含まれている絶縁油の水位と油入変圧器11の内圧との値に基づいて、絶縁油の油温の規定バンド幅の上限値を絶縁油の水位と機器の内圧との関係から定義する油温上限値定義データ431(図8参照)から規定バンド幅の上限値を検索して管理テーブル451(図3参照)に設定する。この際、サーバ403は、管理システム401が受信したセンシング値に含まれている外気温度に基づいて、外気温度と規定バンド幅の上限値に対する係数との関係を定義する外気温度係数定義データ441(図9参照)から対応する係数を検索し、検索した係数で油温上限値定義データから検索した規定バンド幅の上限値を修正する。そして、サーバ403は、管理システム401が受信したセンシング値に含まれている絶縁油の値が設定した規定バンド幅の上限値を超えているかどうかを監視する(図12に示す処理プロセス参照)。
図2は、管理システム401が有しているサーバ403のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ403は、いわゆるサーバコンピュータとしてのハードウェア構成を備えており、上記処理を内蔵するCPU411の演算処理機能によって実行する。つまり、サーバ403は、各種処理を実行するCPU411と、BIOS等の固定データを固定的に記憶するROM412と、可変データを記憶してワークエリアとしても用いられるRAM413とを中心に構成されるマイクロコンピュータ414を備えている。そして、このマイクロコンピュータ414には、OSや各種プログラムを格納するHDD415、表示デバイス416、入力デバイス417、及び通信インターフェース418がバス接続されている。
サーバ403は、上記処理プロセスを定義するプログラムコードをHDD415にインストールしている。そして、そのプログラムの起動時、そのプログラムコードの全部又は一部をRAM413にコピーし、コピーしたプログラムコードに従いCPU411が上記処理プロセスを実行する。
サーバ403は、また、HDD415に油温上限値定義データ431(図8参照)、外気温度係数定義データ441(図9参照)、及び管理テーブル451(図3参照)を記憶保存している。更に、サーバ403は、管理システム401が受信した個々の油入変圧器11における物理量のセンシング値ログを記憶保存するためのセンシング値ログファイル461(図4参照)、そして、個々の油入変圧器11における警告ログを記憶保存するための警告ログファイル471(図5参照)も、HDD415に記憶保存している。もっとも、これらの各種のデータ431、441、451、461、471の全部又は一部は、構内ネットワーク406を介してアクセス可能な別途の記憶装置(図示せず)に記憶保存されていても良いことは言うまでもない。
図3は、サーバ403が複数個の油入変圧器11を管理するために用いる管理テーブル451を示す模式図である。管理テーブル451は、個々の油入変圧器11を識別するための機器識別コードに対応付けて、その設置場所、センシング値ログ番号、規定バンド幅の上限値、警告ログ番号、その他の諸々の情報を管理している。したがって、管理テーブル451は、機器識別コード毎に、これに対応付けられている各種の情報へのアクセスを提供する。
図4は、個々の油入変圧器11における物理量のセンシング値ログを記憶保存するセンシング値ログファイル461を例示する模式図である。センシング値ログファイル461は、管理テーブル451が個々の機器識別コード毎に管理しているセンシング値ログ番号に対応付けて、センシング値ログを記憶保存している。
管理システム401においては、通信装置402がデータ中継機201から個々の油入変圧器11についての各種のセンシング値をその油入変圧器11を特定する機器識別コードと共に受信すると、これらのセンシング値及び機器識別コードがサーバ403の管理下に置かれる。そこで、サーバ403は、管理テーブル451及びセンシング値ログファイル461を更新する(図12のステップS402参照)。つまり、サーバ403は、管理システム401がセンシング値を受信すると、受信したセンシング値にセンシング値ログ番号を発行する。そして、サーバ403は、センシング値と共に受信した機器識別コードに対応付けて、発行したセンシング値ログ番号を管理テーブル451に記憶保存する。これに加えて、サーバ403は、発行したセンシング値ログ番号に対応付けて、受信したセンシング値をセンシング値ログファイル461に記憶保存する。これにより、管理システム401は、個々の油入変圧器11について、その物理量のセンシング値のログを継続的に取っていくことができる。
図5は、個々の油入変圧器11における警告ログを記憶保存する警告ログファイル471を例示する模式図である。サーバ403は、受信したセンシング値に含まれている油温センサ102の出力値、つまり油入変圧器11が収容している絶縁油の油温が、管理テーブル451に規定されている規定バンド幅の上限値を超えると、警告を報知する(図12のステップS409)。この際、サーバ403は、管理テーブル451及び警告ログファイル471を更新する(図12のステップS410参照)。つまり、サーバ403は、警告を発すると警告ログ番号を発行する。そして、サーバ403は、警告の原因となったセンシング値と共に受信した機器識別コードに対応付けて、発行した警告ログ番号を管理テーブル451に記憶保存する。これに加えて、サーバ403は、発行した警告ログ番号に対応付けて、その警告に関する情報、例えば日時情報、上限値を超え続けた時間、その際の絶縁油の油温等を警告ログファイル471に記憶保存する。これにより、管理システム401は、個々の油入変圧器11について、警告に関するログを継続的に取っていくことができる。
図6は、油入変圧器11が収容する絶縁油の油温の規定バンド幅と油温との関係を例示するグラフである。このグラフは、縦軸に油入変圧器11の絶縁油の温度、横軸に時間をとっている。油入変圧器11については、その絶縁油の温度について規定バンド幅が設定されている。この規定バンド幅は、各種の規格によって定められている。そこで、油入変圧器11に収容されている絶縁油の温度が点線で示す温度aである場合、温度aは規定バンド幅内に収まっており、特段の問題が生じていない。これに対して、油入変圧器11に収容されている絶縁油の温度が一点鎖線で示す温度bである場合には、温度bは規定バンド幅の上限値を超えており、危険な状態である。そこで、この場合、本実施の形態の管理システム401は、前述したように、警告を報知する(図12のステップS409)。
図7は、油入変圧器11が収容する絶縁油の油温の規定バンド幅の上限値について説明するための模式図である。絶縁油の油温の規定バンド幅は、絶縁油の温度が適正であるかどうかの指標となる温度条件である。これに対して、絶縁油の温度が適正であるかどうかには、油入変圧器11内での絶縁油の油面の位置である水位、油入変圧器11の内圧、それに油入変圧器11の外気温度が大きく関係してくる。
油入変圧器11の外装ハウジングの経年劣化が進むと絶縁油の量が減少する。絶縁油の量が減少すると、油温が上昇傾向となる。あるいは、油入変圧器11には、当初、絶縁油が規定の標準量以上に充填されている可能性もある。絶縁油の量が多いと、油温が下降傾向となる。
また、絶縁油に水分が混入したり酸化が進んだりした場合には、絶縁破壊が進み、油入変圧器11の内圧が高まる。油入変圧器11の内圧が高まると、油温が上昇傾向となる。
更に、外気温度が低くなると絶縁油の油温も低くなり、反対に、外気温度が高くなると絶縁油の油温も高くなる。
このようなことから、油入変圧器11に収容されている絶縁油の量、油入変圧器11の内圧、油入変圧器11の周辺の外気温度に応じて、絶縁油の温度が適正であるかどうかの指標である規定バンド幅(図6参照)の値、とりわけ上限を変動させるべきである。そこで、本実施の形態では、油入変圧器11に収容されている絶縁油の油温の適否を判定するための規定バンド幅の上限値を、図9に例示するように変動させることとしている。そのために用いるのが、油温上限値定義データ431(図8参照)と外気温度係数定義データ441(図9参照)とである。
図8は、絶縁油の油温の規定バンド幅の上限値を絶縁油の水位と機器の内圧との関係から定義する油温上限値定義データ431の一例を示す模式図である。油温上限値定義データ431は、油入変圧器11に収容されている絶縁油の量と油入変圧器11の内圧とを数段階にレベル分けする。水位レベル「0」は、絶縁油の量が規定量である場合、水位レベル「2」、「1」は、絶縁油が規定量よりも多めに充填されている場合、水位レベル「−1」、「−2」、「−3」、「−4」、「−5以下」は、絶縁油が減少してその量が少なくなった場合を想定している。また、内圧レベル「1」は、規定の内圧レベルを想定している。内圧レベルが「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7以上」となるに従い、油入変圧器11の内圧が高まっていく場合を想定している。図8中には、規定バンド幅の上限値の具体的な値については示していないが、油温上限値定義データ431は、水位レベルが+側になるほど規定バンド幅の上限値の値を低く規定し、−側になるほどその上限値の値を高く規定している。また、油温上限値定義データ431は、内圧レベルが高くなるほど規定バンド幅の上限値の値を高く規定している。
図9は、外気温度と規定バンド幅の上限値に対する係数との関係を定義する外気温度係数定義データ441の一例を示す模式図である。外気温度係数定義データ441は、外気温を5℃単位の温度幅に分け、それぞれの温度幅に応じて規定バンド幅の上限値に掛け合わせるべき係数を規定している。
図10は、送信機101が実行する処理プロセスを示すフローチャートである。送信機101は、油温センサ102、水位センサ103、圧力センサ104、及び温度センサ105のセンシング値を取り込み、機器識別コードと共に無線送信する(ステップS101)。送信機101は、このような処理を所定時間が経過する毎に(ステップS102のY)、かつ、リセットがかからない限り(ステップS103のN)、繰り返し実行する。
図11は、データ中継機201が実行する処理プロセスを示すフローチャートである。データ中継機201は、送信機101が無線で送信出力する各センサ102、103、104、105のセンシング値及び機器識別コードを受信機202で受信する。そして、データ中継機201は、受信機202が受信したセンシング値及び機器識別コードをADコンバータ203でデジタルデータに変換し、主制御部204に送信する。主制御部204は、センシング値のデータ受信を判定すると(ステップS201のY)、管理システム401を宛先として、デジタル変換されたセンシング値及び機器識別コードを公衆回線網301に送り出す(ステップS202)。データ中継機201は、リセットがかかるまで(ステップS203のY)、ステップS201及びステップS202の処理を繰り返す。
図12は、管理システム401が有しているサーバ403が実行する処理プロセスを示すフローチャートである。管理システム401は、データ中継機201から公衆回線網301を介して送信されたセンシング値のデータ及び機器識別コードを通信装置402で受信する。通信装置402は、受信したセンシング値のデータ及び機器識別コードをサーバ403に送信する。すると、サーバ403は、センシング値のデータの受信を判定し(ステップS401のY)、センシング値ログファイル461にセンシング値ログ番号を発行してそのセンシング値のデータをレベル変換して記憶保存する(ステップS402)。この場合の「レベル変換」というのは、油温上限値定義データ431(図8参照)に規定されている水位レベル及び内圧レベルに変換することを意味する。サーバ403は、ステップS402の処理として、更に、受信した機器識別コードで識別される管理テーブル451中の対応するセンシング値ログ番号に、発行したログ番号を最新レコードとして更新記録する。
サーバ403は、受信した機器識別コードで識別される管理テーブル451中の対応するセンシング値ログ番号に記録されている最新レコードと一つ前のレコードとによって特定されるセンシング値ログ番号を検索し、それらのセンシングログ番号に記憶保存されているセンシング値ログをセンシング値ログファイル461から検索する。こうして検索された現在のセンシング値と少し前のセンシング値とを比較し、油入変圧器11に収容されている絶縁油の油面位置である水位、油入変圧器11の内圧に変動があったかどうかを判定する(ステップS403)。この場合、「少し前」というのは、図10のフローチャート中のステップS102の所定時間によって決まる時間である。
サーバ403は、絶縁油の水位、油入変圧器11の内圧のどちらか一方にでも変動があったと判定した場合(ステップS403のY)、規定バンド幅の上限値を更新する(ステップS404)。この処理は、油温上限値定義データ431(図8参照)を参照し、最新レコードのログ番号に基づいてセンシング値ログファイル461から検索されるセンシング値のレベルから規定バンド幅の上限値を検索し、検索された上限値のデータを管理テーブル451(図3参照)の規定バンド幅の上限値に設定する処理である。
その後、サーバ403は、管理システム401で受信判定したデータ中継機201からのセンシング値に含まれている絶縁油の油温の値が規定バンド幅内に収まっているかどうかを判定する。この場合、規定バンド幅の上限値は、管理テーブル451(図3参照)の規定バンド幅の上限値に設定されている値を基準として参照する。また、サーバ403は、この際、管理システム401で受信判定したデータ中継機201からのセンシング値に含まれている外気温度の値を参照して外気温度係数定義データ441から係数値を検索し、この係数値を管理テーブル451(図3参照)の規定バンド幅の上限値に設定されている値に掛け合わせる。
サーバ403は、警告フラグが1でないかを確認し(ステップS406のN)、処理終了まで(ステップS407のY)、ステップS401以降の処理を繰り返す。
これに対して、サーバ403は、絶縁油の油温の値が規定バンド幅内に収まっていないと判定した場合(ステップS405のN)、警告フラグを1に設定し(ステップS408)、警告報知を実行し(ステップS409)、管理テーブル451及び警告ログファイル471に警告情報をロギングする(ステップS410)。警告報知は、サーバ403に接続されている表示デバイス416に警告表示を行なったり、構内ネットワーク406に接続されているクライアントPC405に警告情報を送信してクライアントPC405に警告報知を実行させるようにしたり、更には、大型の表示装置404に警告表示を表示させたりすることで行なわれる。一例として、表示装置404には個々の油入変圧器11が設置されている場所を含む地図を表示させておき、警告報知としては、この地図上で警告対象となる油入変圧器11の位置を赤などの注意喚起機能を有する色で点滅表示させることが考えられる。
サーバ403は、警告報知を含む警告処理を実行した後(ステップS408〜ステップS410)、処理終了まで(ステップS407のY)、ステップS401以降の処理を繰り返す。このような処理ルーチンの中で、警告対象となった油入変圧器11に収容されている絶縁油の油温が規定バンド幅内に復帰した場合、サーバ403は、ステップS405で、絶縁油の油温の値が規定バンド幅内に収まっていると判定する(ステップS405のY)。この場合、サーバ403は、警告フラグが1であると判定するはずなので(ステップS406のY)、フラグクリアをし(ステップS411)、警告報知を消去する(ステップS412)。その後、サーバ403は、処理終了まで(ステップS407のY)、ステップS401以降の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施の形態によれば、油入変圧器11に設けられている送信機101において、絶縁油の油温及び水位と機器の内圧とのセンシング値を機器識別コードと共に無線で送信出力し、これをデータ中継機201が無線で受信して管理システム401に公衆回線網301を介して送信出力する。したがって、ある地域範囲全体に設置されている複数個の油入変圧器11のそれぞれについて、その絶縁油の温度等の物理量を簡易なインフラを用いて遠隔地に伝達することができ、インフラ整備のための人的、物的、金銭的な負担の激減を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、管理システム401において、受信したセンシング値に含まれている絶縁油の水位と機器の内圧との値に基づいて、油温上限値定義データ431(図8参照)から規定バンド幅の上限値を検索して設定する。したがって、油温管理をより厳密に行うことができ、現場での監視よりも遠隔地での監視が重要視されがちとなる遠隔監視システムにあっても、より適正な油入変圧器11の管理を行なうことができる。
更に、送信機101は、油入変圧器11の周辺の外気温度もセンシングして他のセンシング値と共に送信出力し、管理システム401は、受信したセンシング値に含まれている外気温度に基づいて、外気温度係数定義データ441から対応する係数を検索し、検索した係数で油温上限値定義データ431から検索した規定バンド幅の上限値を修正する。これにより、油温管理を更に厳密に行うことができ、より適正な油入変圧器11の管理を行なうことができる。
11 油入変圧器(油入電気機器)
101 送信機
102 油温センサ(センサ)
103 水位センサ(センサ)
104 圧力センサ(センサ)
105 温度センサ(センサ)
201 データ中継機
301 公衆回線網(通信回線)
401 管理システム(管理装置)
431 油温上限値定義データ
441 外気温度係数定義データ

Claims (3)

  1. 機器の内部に絶縁油を密閉的に収容する複数個の油入電気機器と、
    個々の前記油入電気機器にそれぞれ設けられ、前記油入電気機器が収容する絶縁油の油温及び水位と当該油入電気機器の内圧とをそれぞれセンサでセンシングし、センシング値を機器識別コードと共に無線で送信出力する送信機と、
    前記送信機が無線で送信出力するセンシング値及び機器識別コードを受信し、通信回線を介して受信したセンシング値を機器識別コードと共に送信出力するデータ中継機と、
    前記データ中継機が送信出力した前記油入電気機器のセンシング値及び機器識別コードを受信し、受信したセンシング値に含まれている絶縁油の水位と機器の内圧との値に基づいて、絶縁油の油温の規定バンド幅の上限値を絶縁油の水位と機器の内圧との関係から定義する油温上限値定義データから規定バンド幅の上限値を検索して設定し、受信したセンシング値に含まれている絶縁油の値が設定した規定バンド幅の上限値を超えているかどうかを監視する管理装置と、
    を備える油入電気機器の異常監視システム。
  2. 前記データ中継機は、2以上の前記送信機からセンシング値及び機器識別コードを受信するよう割り付けられている、請求項1記載の油入電気機器の異常監視システム。
  3. 前記送信機は、前記油入電気機器の周辺の外気温度もセンシングして他のセンシング値と共に送信出力し、
    前記管理装置は、受信したセンシング値に含まれている外気温度に基づいて、外気温度と規定バンド幅の上限値に対する係数との関係を定義する外気温度係数定義データから対応する係数を検索し、検索した係数で油温上限値定義データから検索した規定バンド幅の上限値を修正する、
    請求項1又は2記載の油入電気機器の異常監視システム。
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