JP7033918B2 - キュービクル管理システム - Google Patents
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Description
本開示は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より高い精度で変圧器の余裕度や劣化情報を演算することの可能なキュービクル管理システムを提供することにある。
この構成によれば、現在から所定時間β前までの期間における変圧器の二次側電流及び周囲温度のそれぞれの平均値に係るデータと、変圧器の特性情報とに基づいて、現在の変圧器の余裕度を演算することができる。したがって、作業者の計測時点でのデータに基づいて変圧器の余裕度を演算する場合と比較すると、変圧器の余裕度を精度良く演算することができる。
また、上記請求項1に記載のキュービクル管理システムにおいて、変圧器の余裕度を表示可能な表示部を更に備えることが好ましい。
この構成によれば、ユーザが表示部を見ることにより変圧器の余裕度を確認することができるため、変圧器の余裕度をユーザが確認し易くなる。
この構成によれば、第1記憶部に記憶されている変圧器の劣化指数の時系列的なデータに基づいて現在の変圧器の劣化指数を演算することができる。したがって、作業者の計測時点でのデータに基づいて変圧器の劣化指数を演算する場合と比較すると、変圧器の劣化指数を精度良く演算することができる。
また、上記請求項3に記載のキュービクル管理システムにおいて、現在の変圧器の劣化指数と、変圧器の使用時間と、変圧器の特性情報とに基づいて変圧器の寿命を演算するようにしてもよい。
この構成を採用しても、変圧器の劣化状態を把握しやすくなる。
さらに、上記請求項4に記載のキュービクル管理システムにおいて、劣化指数及び寿命の少なくとも一方を表示可能な表示部を更に備えることが好ましい。
この構成によれば、ユーザが表示部を見ることにより変圧器の劣化指数及び寿命の少なくとも一方を確認することができるため、変圧器の劣化状態をユーザが確認し易くなる。
上記のキュービクル管理システムにおいて、計測部、演算部、第1記憶部、及び第2記憶部は、キュービクル内に配置された計測機器に設けられていることが好ましい。
<第1実施形態>
はじめに、図1を参照して、キュービクル管理システムの第1実施形態について説明する。図1に示されるように、キュービクル管理システム10は、クラウドシステムを利用したものであって、キュービクル20の内部に配置される計測機器30と、キュービクル20の外部に配置されるサーバ装置40と、データベース50と、端末装置60とを備えている。
電流センサ22は、二次側電路W2に設けられている。電流センサ22は、二次側電路W2を流れる二次側電流Iを検出するとともに、検出された二次側電流Iに応じた信号を計測機器30に出力する。
計測機器30は、電流センサ22及び温度センサ23のそれぞれの出力信号に基づいて変圧器21の二次側電流Iや周囲温度Tの情報を取得するとともに、取得した二次側電流Iや周囲温度T等をサーバ装置40に送信する。本実施形態では、変圧器21の二次側電流Iや周囲温度Tが変圧器21の状態量に相当する。計測機器30は、計測部31と、制御部32と、通信部33とを備えている。
制御部32は、CPUやROM、RAM等を有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。制御部32は、計測部31から変圧器21の二次側電流I及び周囲温度Tの情報を所定の周期で取得するとともに、所定時間α毎の二次側電流I及び周囲温度Tのそれぞれの平均値Iave,Taveをそれぞれ演算する。所定時間αは、例えば30分に設定される。制御部32は、所定時間α毎に二次側電流の所定時間平均値Iave及び周囲温度の所定時間平均値Taveを演算する都度、それらの情報を変圧器21の二次側電流Iave及び周囲温度Taveとして通信部33を通じてサーバ装置40に逐次送信する。したがって、サーバ装置40には、計測機器30から所定時間αの周期で変圧器21の二次側電流Iave及び周囲温度Taveが送信される。
通信部42は、ネットワーク回線を通じて計測機器30、データベース50、及び端末装置60との通信を可能とする部分である。本実施形態では、通信部42が第2通信部に相当する。
演算部41は、CPUやROM、RAM等を有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。演算部41は、計測機器30から送信される変圧器21の二次側電流Iave及び周囲温度Tave等の情報を通信部42により受信する都度、それらの情報を記憶部43に記憶させる。これにより、記憶部43には、現在から所定時間β前までの期間に計測機器30から取得した変圧器21の二次側電流Iave(1)~Iave(n)及び周囲温度Tave(1)~Tave(n)等の時系列的なデータが記憶されることになる。なお、所定時間βは、例えば一年間に設定される。また、「n」は、2以上の整数である。演算部41は、通信部42を通じてデータベース50から変圧器21の特性情報を取得するとともに、取得した変圧器21の特性情報と、記憶部43に記憶されている変圧器21の二次側電流Iave(1)~Iave(n)及び周囲温度Tave(1)~Tave(n)等の時系列的なデータに基づいて変圧器21の負荷の余裕度を演算する。
また、演算部41は、記憶部43に記憶されている変圧器21の周囲温度Tave(1)~Tave(n)に基づいて、周囲温度Taveの年間の平均値TA、周囲温度Tの日間平均気温の年間変動幅TB、並びに周囲温度Tの日間変動幅TCを演算するとともに、これらの値TA,TB,TCに基づいて等価周囲温度TDを演算する。なお、等価周囲温度TDの演算方法としては、例えば『電気学会技術報告 第143号「油入変圧器運転指針」、(社)電気学会、1989年11月』に記載されている方法を用いることができる。
Mc=(Ka-Km1)×Rc (f2)
演算部41は、例えば端末装置60に対するユーザの操作により端末装置60から送信される要求に基づいて、演算された変圧器21の余裕度Mcを端末装置60に送信する。端末装置60では、変圧器21から送信される余裕度Mcをディスプレイ61に表示する。これにより、ユーザは、端末装置60のディスプレイ61を見ることにより、変圧器21の余裕度Mcを任意のタイミングで確認することができる。
(1)演算部41は、記憶部43に記憶されている変圧器21の状態量、具体的には変圧器21の二次側電流Iave(1)~Iave(n)及び周囲温度Tave(1)~Tave(n)等の時系列的なデータに基づいて変圧器21の余裕度Mcを演算することができる。これにより、作業者の計測時点の変圧器21の状態量に基づいて変圧器21の余裕度を演算する場合と比較すると、変圧器21の余裕度を精度良く演算することができる。
次に、キュービクル管理システム10の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態のキュービクル管理システム10との相違点を中心に説明する。
本実施形態のサーバ装置40の演算部41は、変圧器21の余裕度に代えて、変圧器21の劣化の指標値である劣化指数を演算する。本実施形態では、この劣化指数が変圧器21の劣化情報に相当する。
Km2=Iave/(Rc/V) (f3)
すなわち、計測負荷Km2は、所定時間α毎の変圧器21の計測負荷を示すものである。
DI=V1/V0 (f4)
変圧器21の劣化指数DIは、「1」を基準として、その値が「1」よりも大きければ標準よりも劣化が進んでいることを示し、その値が「1」よりも小さければ標準よりも劣化が遅れていることを示す。
DIc={DI(1)+DI(2)+・・・+DI(n)}/n (f5)
演算部41は、例えば端末装置60に対するユーザの操作により端末装置60から送信される要求に基づいて、演算された変圧器21の劣化指数DIcを端末装置60に送信する。端末装置60では、変圧器21から送信される劣化指数DIcをディスプレイ61に表示する。これにより、ユーザは、端末装置60のディスプレイ61を見ることにより、変圧器21の劣化指数DIcを任意のタイミングで確認することができる。
(3)演算部41は、記憶部43に記憶されている変圧器21の状態量、具体的には変圧器21の劣化指数DI(1)~DI(n)の時系列的なデータに基づいて変圧器21の現在の劣化指数DIcを演算することができる。これにより、作業者の計測時点の変圧器21の状態量に基づいて変圧器21の劣化指数を演算する場合と比較すると、変圧器21の劣化指数を精度良く演算することができる。
(変形例)
次に、第2実施形態のキュービクル管理システム10の変形例について説明する。
具体的には、計測機器30の制御部32は、電流センサ22を通じて取得される変圧器21の二次側電流Iに基づいて変圧器21の使用時間Tuをカウンタ等により計測している。制御部32は、変圧器21の使用時間Tuの情報を、変圧器21の二次側電流Iave及び周囲温度Tave等と共に通信部33を通じてサーバ装置40に逐次送信している。
サーバ装置40の演算部41は、データベース50から取得する変圧器21の基準寿命LSbと、計測機器30から送信される変圧器21の使用時間Tuと、上記の式f5により演算される劣化指数DIcとから以下の式f6に基づいて変圧器21の残りの推定寿命LSを演算する。
演算部41は、例えば端末装置60に対するユーザの操作により端末装置60から送信される要求に基づいて、演算された変圧器21の寿命LSを端末装置60に送信する。端末装置60では、変圧器21から送信される寿命LSをディスプレイ61に表示する。これにより、ユーザは、端末装置60のディスプレイ61を見ることにより、変圧器21の寿命LSを任意のタイミングで確認することができる。
<第3実施形態>
次に、キュービクル管理システム10の第3実施形態について説明する。以下、第1実施形態のキュービクル管理システム10との相違点を中心に説明する。
制御部32は、所定時間α毎に二次側電流の所定時間平均値Iave及び周囲温度の所定時間平均値Taveを演算する都度、それらの情報を第1記憶部35に記憶する。すなわち、第1記憶部35には、第1実施形態のサーバ装置40の記憶部43に記憶されている情報と実質的に同一の情報が記憶されている。
以上説明した本実施形態のキュービクル管理システム10によれば、以下の(5)~(7)に示される作用及び効果を得ることができる。
(7)計測部31、制御部32、第1記憶部35、及び第2記憶部36が計測機器30にまとめられているため、第1実施形態のキュービクル管理システム10と比較すると、キュービクル管理システム10全体の構成をコンパクトにまとめることができる。
なお、各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・第3実施形態の制御部32は、第2実施形態の演算部41と同様に、変圧器21の劣化指数DIcや寿命LSを演算してもよい。
・各実施形態のキュービクル管理システム10の構成は任意に組み合わせ可能である。例えばサーバ装置40の演算部41は、変圧器21の余裕度Mc、劣化指数DIc、及び寿命LSの少なくとも一つを演算するとともに、演算された情報を端末装置60に表示するものであってもよい。
20:キュービクル
21:変圧器
30:計測機器
31:計測部
32:制御部(演算部)
33:通信部(第1通信部)
34:表示部
35:第1記憶部
36:第2記憶部
40:サーバ装置
41:演算部
42:通信部(第2通信部)
43:記憶部(第1記憶部)
50:データベース(第2記憶部)
60:端末装置(表示部)
Claims (7)
- 所定の周期でキュービクルの変圧器の二次側電流及び周囲温度を計測する計測部と、
所定のデータが時系列的に記憶される第1記憶部と、
前記変圧器の既知の特性情報が記憶される第2記憶部と、
所定時間α毎に、前記変圧器の二次側電流及び周囲温度のそれぞれの平均値を演算するとともに、その変圧器の二次側電流及び周囲温度のそれぞれの平均値を前記データとして前記第1記憶部に記憶させる一方、
現在から所定時間β前までの期間における前記変圧器の二次側電流及び周囲温度のそれぞれの平均値に係るデータと、前記変圧器の特性情報とに基づいて、現在の前記変圧器の余裕度を演算する演算部と、
を備えるキュービクル管理システム。 - 前記変圧器の余裕度を表示可能な表示部を更に備える
請求項1に記載のキュービクル管理システム。 - 所定の周期でキュービクルの変圧器の二次側電流及び周囲温度を計測する計測部と、
所定のデータが時系列的に記憶される第1記憶部と、
前記変圧器の既知の特性情報が記憶される第2記憶部と、
所定時間α毎に、前記変圧器の二次側電流及び周囲温度のそれぞれの平均値を演算し、その平均値から前記変圧器の計測負荷を演算するとともに、当該計測負荷と前記変圧器の特性情報とに基づいて前記変圧器の巻線温度の推定値を演算し、更にその推定値から前記変圧器の寿命損失を演算して前記寿命損失から前記変圧器の劣化の指標値である劣化指数を演算し、前記劣化指数を前記データとして前記第1記憶部に記憶させる一方、
現在から所定時間β前までの期間における前記劣化指数に基づいて、現在の前記変圧器の劣化指数を演算する演算部と、
を備えるキュービクル管理システム。 - 前記演算部は、現在の前記変圧器の劣化指数と、前記変圧器の使用時間と、前記変圧器の特性情報とに基づいて前記変圧器の寿命を演算する
請求項3に記載のキュービクル管理システム。 - 前記劣化指数及び前記寿命の少なくとも一方を表示可能な表示部を更に備える
請求項4に記載のキュービクル管理システム。 - 前記第1記憶部、及び前記演算部は、前記キュービクルの外部に配置されるサーバ装置に設けられ、
前記計測部は、前記キュービクルの内部に配置される計測機器に設けられ、
前記計測機器は、前記計測部により計測された前記変圧器の二次側電流及び周囲温度を前記サーバ装置に送信する第1通信部を更に有し、
前記サーバ装置は、前記第1通信部から送信される前記変圧器の二次側電流及び周囲温度を受信する第2通信部を更に有し、
前記演算部は、前記第2通信部により受信した前記変圧器の二次側電流及び周囲温度を前記第1記憶部に記憶させる
請求項1~5のいずれか一項に記載のキュービクル管理システム。 - 前記計測部、前記演算部、前記第1記憶部、及び前記第2記憶部は、前記キュービクル内に配置された計測機器に設けられている
請求項1~5のいずれか一項に記載のキュービクル管理システム。
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