JP2018123882A - 樹脂製管継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部流路での流体の良好な通流を実現することのできる樹脂製管継手を提供する。【解決手段】この発明の樹脂製管継手1は、流体を流動させる内部流路Pを有し、内部流路Pの中心軸線CLが円弧状に湾曲する湾曲部2と、前記湾曲部2の両端のそれぞれに設けられて、内部流路Pの中心軸線CLが直線状になり、他の樹脂製配管部材の溶着端部と突き合わせて溶着される溶着端部3a、3bとを備えるものであって、内部流路Pの中心軸線CLを含む縦断面で、前記湾曲部2の内面の湾曲方向内側及び外側のそれぞれの輪郭線Li、Loがともに、当該湾曲部2における中心軸線CLの円弧状と共通の中心Caを有する円弧状をなすとともに、内部流路Pが、当該樹脂製管継手1の全体にわたって一定の横断面積を有し、前記湾曲部2の内面から少なくとも一方の溶着端部3aの内面にかけて、円滑な表面に形成されてなるものである。【選択図】図1

Description

この発明は、流体を流動させる内部流路を有し、内部流路の中心軸線が湾曲する湾曲部と、前記湾曲部の両端のそれぞれに設けられて他の樹脂製配管部材の溶着端部と突き合わせて溶着される溶着端部とを備える樹脂製管継手に関するものであり、特には、内部流路での流体の良好な通流を実現することのできる技術を提案するものである。
様々な産業で用いられる薬液輸送ライン等の配管は、溶着機を用いて、熱可塑性樹脂等からなる樹脂製管継手と、樹脂製チューブ部材もしくは他の樹脂製管継手等の樹脂製配管部材とのそれぞれの端部を互いに突き合わせて溶着させることにより構成されることがある。
より詳細には、たとえば、溶着機の対をなすクランプ治具のそれぞれに、樹脂製管継手の端部と樹脂製チューブ部材の端部とが互いに対向する姿勢で、それらの樹脂製管継手及び樹脂製チューブ部材のそれぞれを保持させる。
次いで、クランプ治具に保持させた樹脂製管継手及び樹脂製チューブ部材の両端部を、ヒーターその他の加熱装置によって加熱することで、それらの端部を溶融させ、その状態で、樹脂製管継手及び樹脂製チューブ部材を互いに接近させて、それらの端部を、所要の圧力の作用により突き合わせて溶着させる。
この種の樹脂製管継手のうち、内部流路の中心軸線が湾曲ないし屈曲する、いわゆるエルボと称され得るものは、たとえば特許文献1、2に記載されているように、射出成形機の金型のキャビティにコアピンを配置した状態で、当該キャビティに樹脂材料を射出することにより成形することができる。
ここで、特許文献1、2に記載されたいずれの技術でも、金型内でキャビティに供給した樹脂材料が固化して樹脂製管継手が成形された後のコアピンの引抜き容易性を考慮して、樹脂製管継手の湾曲部のほぼ湾曲中心位置で分割されるとともに、湾曲方向の外側と内側にも分割された複数個の分割セグメントからなるコアピンを用いることとしている。
特表2006−506247号公報 米国特許第6399006号明細書
ところで、複数個の分割セグメントからなるコアピンを用いて樹脂製管継手を成形すると、樹脂製管継手の内面で、コアピンの分割セグメントどうしの接触箇所に対応する位置に、それらの分割セグメント間にできる隙間に起因して、内面から突き出る凸部のパーティングラインが形成されることになる。
そして特に、特許文献1、2に記載された方法では、樹脂製管継手の湾曲部の位置で分割された分割セグメントを用いることにより、樹脂製管継手の湾曲部の内面にパーティングラインが形成され、これが、樹脂製管継手の使用時に内部流路を流れる流体の圧力損失を増大させて、樹脂製管継手の内部流路での液体の円滑な通流を阻害するという問題があった。
また従来は、コアピンの引抜き容易性のため、湾曲部から各溶着端部側に向けて内部流路の横断面積が次第に大きくなるテーパを設けることがあるが、この場合もまた、内部流路の横断面積の変化により圧力損失の増大を招く。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、その目的とするところは、内部流路での流体の良好な通流を実現することのできる樹脂製管継手を提供することにある。
発明者は鋭意検討の結果、樹脂製管継手の形状を、内部流路の中心軸線を含む縦断面で、前記湾曲部の内面の湾曲方向内側及び外側のそれぞれの輪郭線がともに、当該湾曲部における中心軸線の円弧状と共通の中心を有する円弧状として、湾曲部を緩やかな円弧状とすることにより、従来技術のような、湾曲部の位置で分割された分割セグメントを用いることなしに、また湾曲部から各溶着端部側に向けて内部流路の横断面積が次第に大きくなるテーパを設けることなしに、樹脂製管継手を成形できることを見出した。
上記の知見の下、この発明の樹脂製管継手は、流体を流動させる内部流路を有し、内部流路の中心軸線が円弧状に湾曲する湾曲部と、前記湾曲部の両端のそれぞれに設けられて、内部流路の中心軸線が直線状になり、他の樹脂製配管部材の溶着端部と突き合わせて溶着される溶着端部とを備えるものであって、内部流路の中心軸線を含む縦断面で、前記湾曲部の内面の湾曲方向内側及び外側のそれぞれの輪郭線がともに、当該湾曲部における中心軸線の円弧状と共通の中心を有する円弧状をなすとともに、内部流路が、当該樹脂製管継手の全体にわたって一定の横断面積を有し、前記湾曲部の内面から少なくとも一方の溶着端部の内面にかけて、円滑な表面に形成されてなるものである。
ここで、「円滑な表面」とは、パーティングライン等に起因する内面の凸部や凹部が存在せず、滑らかな表面であることを意味する
この発明の樹脂製管継手では、内部流路の横断面形状が円形であり、内部流路が、樹脂製管継手の全体にわたって等しい直径を有することが好ましい。
この場合においては、内部流路の直径に対する溶着端部の軸線方向の長さの比が、0.1〜1.0であることが好適である。
また、この場合においては、少なくとも溶着端部における内部流路の横断面の真円度が、0.3以下であることが好ましい。
この発明の樹脂製管継手では、溶着端部の軸線方向の長さが、1.0mm〜2.0mmであることが好ましい。
また、この発明の樹脂製管継手では、溶着端部を構成する周壁部が周方向に均一な軸線方向の長さを有することが好ましい。
この発明の樹脂製管継手では、前記湾曲部の内面から一方の溶着端部の内面にかけて円滑な表面に形成されるとともに、前記湾曲部の内面と他方の溶着端部の内面との間に凸部及び/又は凹部が存在する場合がある。但し、前記湾曲部の内面と他方の溶着端部の内面との間にも凸部及び/又は凹部が存在せず、樹脂製管継手の内面の全体にわたって円滑な表面に形成されていることが好ましい。
この発明の樹脂製管継手では、内部流路の中心軸線を含む縦断面で、前記湾曲部の内面の湾曲方向内側及び外側のそれぞれの輪郭線がともに、当該湾曲部における中心軸線の円弧状と共通の中心を有する円弧状をなす形状とすることにより、当該樹脂製管継手を成形する際に、湾曲部の位置で分割されていないコアピンを用いても、射出成形後にコアピンを引き抜くことが可能になる。その結果として、前記湾曲部の内面から少なくとも一方の溶着端部の内面にかけて円滑な表面となり、内部流路での流体の通流時に、圧力損失の増大を有効に抑制することができる。
またここでは、上記の形状としたことにより、コアピンの引抜き容易性のための先述のテーパも不要となって、当該樹脂製管継手の全体にわたって一定の横断面積を有する内部流路としたので、流体の通流時の圧力損失の増大をさらに抑制することができる。
したがって、この発明の樹脂製管継手によれば、内部流路での流体の良好な通流を実現することができる。
この発明の一の実施形態の樹脂製管継手を示す、内部流路の中心軸線を含む縦断面図である。 図1に示す樹脂製管継手の平面図である。 図1の樹脂製管継手を製造する方法の一例を示す、図1と同様の位置での金型の断面図である。 図3に続く工程を示す同様の断面図である。 図1の樹脂製管継手の一方の溶着端部を拡大して示す同様の縦断面図である。 図1の樹脂製管継手の他方の溶着端部を拡大して示す同様の縦断面図である。 実施例で用いた試験装置を示す模式図である。
以下に図面に示すところに基き、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1及び2にそれぞれ縦断面図及び平面図で例示する実施形態の樹脂製管継手1は、その内側に流体を流動させる内部流路Pを有するものであり、当該内部流路Pの中心軸線CLが少なくとも一部で湾曲し、これを用いて構成される図示しない配管内の流体の送る向きを変更するためのエルボと称され得るものである。この樹脂製管継手1は、流体の送る向きをほぼ90°変更するよう湾曲するものとしたが、たとえば20°〜140°の範囲内で湾曲するものであってもよい。後述する樹脂製管継手の製造時の成形後の金型からの取出しを考慮すると、この範囲内で湾曲するものとすることができる。
図示の樹脂製管継手1は、より詳細には、内部流路Pの中心軸線CLが円弧状に湾曲する湾曲部2と、湾曲部2の両端のそれぞれに設けられて、内部流路Pの中心軸線CLが直線状をなす溶着端部3a、3bとを備えてなる。
ここで、樹脂製管継手1の溶着端部3a、3bは、樹脂製管継手1を含む配管を構成する際に、図示しない溶着機等を用いて、直管ないし曲管状等の樹脂製チューブ部材または他の樹脂製管継手等の樹脂製配管部材の溶着端部と突き合わせて溶着されるものである。この溶着は、たとえば、溶着機の対をなすクランプ治具のそれぞれに、樹脂製管継手1の溶着端部3a、3bと樹脂製配管部材の端部とが互いに対向する姿勢で、それらの樹脂製管継手1及び樹脂製配管部材のそれぞれを保持させ、その後、樹脂製管継手1及び樹脂製配管部材のそれぞれの端部を、ヒーターその他の加熱装置によって加熱して溶融させた状態で、樹脂製管継手1及び樹脂製配管部材を互いに接近させ、それらの端部を、所要の圧力の作用により突き合わせることにより行うことができる。
ここにおいて、この発明では、樹脂製管継手1の内部流路Pの中心軸線CLを含む平面による図1に示す縦断面で、湾曲部2の内面の湾曲方向内側(図1では左斜め下側)の輪郭線Li及び湾曲方向外側(図1では右斜め上側)の輪郭線Loがともに、湾曲部2における中心軸線CLの円弧状の中心Caと共通の中心を有する円弧状をなすものとする。これにより、内部流路Pが湾曲部2で緩やかに湾曲する形状となるので、後述するように樹脂製管継手1を射出成形により製造する場合に、コアピンを容易かつ確実に引き抜くことが可能になる。
またここでは、内部流路Pが、樹脂製管継手1の全体、すなわち湾曲部2及び両溶着端部3a、3bの全体にわたって一定の横断面積を有するものとする。つまり、内部流路Pは、樹脂製管継手1のいずれの部分においても変化せずに均一な横断面積を有する。
それにより、従来技術のような湾曲部から溶着端部に向けて横断面積が漸増するテーパ状の内部流路を有するものと比較して、配管を流れる液体の、樹脂製管継手1の箇所での圧力損失の増大が防止されるので、液体の円滑な通流に寄与することができる。このような内部流路Pの一定の横断面積は、上述したように湾曲部2で緩やかに湾曲する形状としたことに起因して、射出成形時のコアピンの引抜きが可能になったことにより実現することができる。
なお内部流路Pは、中心軸線CLに直交する横断面で、矩形その他の多角形等の様々な形状をなすものとすることも可能であるが、この種の樹脂製管継手1では一般に円形をなすことが多い。横断面形状が円形の内部流路Pの場合は、樹脂製管継手1の全体にわたって等しい直径Dを有する。
上述したような樹脂製管継手は、図3〜4に例示するような工程を経て射出成形により製造することができる。
すなわち、はじめに、図3(a)に示すように、射出成形機の金型11の、樹脂製管継手1の外面形状に対応する内面形状を有するキャビティ12に、樹脂製管継手1の内面形状に対応する外面形状を有するコアピン13を配置する。ここでは、コアピン13として、一方の溶着端部3aの内面から湾曲部2の内面に対応する領域まで延びる相対的に長い分割セグメント13aと、他方の溶着端部3bの内面に対応する領域に延びる相対的に短い分割セグメント13bとを有するものを用いており、たとえば、いずれか一方の分割セグメント13aの先端面に設けた突出部分を、他方の分割セグメント13bの先端面に設けた窪み部分内に挿入することにより、それらの分割セグメント13a、13bを相互に連結可能とする。
次いで、金型11のキャビティ12に、図3(b)に示すように、所定の樹脂材料を溶融状態で供給する。それにより、キャビティ12の、コアピン13を除く部分に、溶融樹脂材料が充填される。そして、これを冷却により固化させて、キャビティ12内に樹脂製管継手1を成形する。
しかる後、コアピン13の相対的に短い分割セグメント13bを、図4(a)に矢印で示すように、樹脂製管継手1の他方の溶着端部3b内から引き抜くとともに、相対的に長い分割セグメント13aを、図4(b)に矢印で示すように、樹脂製管継手1の内部流路Pの湾曲部2での中心軸線CLの中心Caの周りに回動変位させて、樹脂製管継手1の湾曲部2及び一方の溶着端部3a内から引き抜く。
ここでは、先述したように、内部流路Pが湾曲部2で緩やかに湾曲する形状としたことから、樹脂製管継手1を大きく変形させることなしに、相対的に長い分割セグメント13aを容易かつ確実に引き抜くことができる。それ故に、従来技術のような、コアピンの引抜き容易性のための、湾曲部から溶着端部に向けて内部流路の横断面積が漸増するテーパ形状を設けることを要しない。
このようにして製造された実施形態の樹脂製管継手1では、一方の溶着端部3aの内面から湾曲部2の内面に対応する領域まで延びる相対的に長い分割セグメント13aを用いて成形したことにより、湾曲部2及び一方の溶着端部3aの内面には、図5に拡大して示すように、コアピン13の分割箇所の凹凸に起因するパーティングラインが存在せず、その全長及び全周にわたって、凹部及び凸部のない円滑な表面に形成される。
したがって、この実施形態では、湾曲部にパーティングラインの凹部ないし凸部が形成されることによる圧力損失の増大を有効に防止することができる。これにより、樹脂製管継手1の内部流路Pで液体が円滑に流れることになる。その結果として、直管状等の樹脂製チューブ部材に事後的に曲げ加工を施した場合とほぼ同等の圧力損失の性能が得られるので、そのような曲げ加工を施す場合に比して、配管の製造を効率的に行うことができる。
この一方で、他方の溶着端部3bの内面には、相対的に長い分割セグメント13aと相対的に短い分割セグメント13bの相互の連結箇所に対応する箇所、すなわち、中心軸線CLが円弧状の湾曲部2との境界となる箇所に、たとえば全周にわたる環状の凸部及び/又は凹部、一般には凸部4が形成される。但し、いずれの溶着端部3a、3bも、先述したように他の樹脂製配管部材の溶着端部との溶着に供されるものであり、他の樹脂製配管部材の溶着端部と溶着された後は、このような微小な凸部4はほぼ存在しなくなるので、溶着端部3bのかかる凸部4は、液体の通流に大きな影響を及ぼさないものとなる。
なお図示は省略するが、上述したような緩やかに湾曲する樹脂製管継手は、一方の溶着端部の内面から湾曲部の内面を経て他方の溶着端部まで延びる、分割なしのコアピンを用いて製造することも可能であり、この場合は、一方の溶着端部の内面から湾曲部を経て他方の溶着端部に至るまで樹脂製管継手の内面の全体にわたって円滑な表面を有する樹脂製管継手が得られる。
横断面形状が円形をなす内部流路Pの樹脂製管継手1の場合、内部流路Pの直径Dに対する溶着端部3a、3bの軸線方向の長さLeの比(Le/D)は、0.1〜1.0であることが好ましい。
これはすなわち、内部流路Pの直径Dに対して溶着端部3a、3bの軸線方向の長さLeが長すぎると、製造時に金型11内で成形した樹脂製管継手1からコアピン13を引き抜くに当って、直線状の溶着端部3aないし3bにコアピン13の湾曲部分を通過させることが困難となるおそれがあり、また、内部流路Pの直径Dに対して溶着端部3a、3bの軸線方向の長さLeが短すぎる場合、溶け代・潰し代が取れなくなる等の溶着不具合が生じることが懸念される。
より詳細には、内部流路Pの直径Dが2.02mm〜2.32mmである場合は、上記の比Le/Dは、0.46〜0.92であることがより好ましく、内部流路Pの直径Dが4.2mm〜4.5mmである場合は、上記の比Le/Dは、0.23〜0.46であることがより好ましく、内部流路Pの直径Dが7.38mm〜7.68mmである場合は、上記の比Le/Dは、0.13〜0.27であることがより好ましい。
また具体的に、溶着端部3a、3bの軸線方向の長さLeは、1.0mm〜2.0mmであることが好適である。なお、溶着端部3a、3bの軸線方向の長さLeは、湾曲部2との境界位置から、中心軸線CLに沿って、溶着端部3a、3bの最も軸線方向外側の端縁まで測った距離を意味する。
また、横断面形状が円形をなす内部流路Pの樹脂製管継手1の場合、少なくとも溶着端部3a、3bにおける内部流路Pの横断面の真円度は、好ましくは0.3以下である。真円度は値が小さいほど好ましいので好適な下限値は特にない。一般に0.5以上となることがある。特に、溶着部3a、3bのみならず樹脂製管継手1の全体で、内部流路Pの横断面の真円度が上記の範囲内にあることが好適である。
射出成形後のコアピン13の引抜き時には、直線状の溶着端部3aないし3b内をコアピン13の湾曲部分が通過することになり、このコアピン13の通過によって溶着端部3a、3bに変形が生じるが、このような変形によっても、溶着端部3a、3bが所定の高い真円度を維持していることが品質上、望ましいからである。
この真円度は、三次元測定機により測定する。
ところで、仮に樹脂製管継手の全体を円弧状に構成し、直線状端部が存在しないものとした場合、縦断面視での円弧の径差に起因して、円弧状の溶着端部を構成する周壁部の軸線方向の長さが、湾曲方向内側から外側に向けて増大するので、溶着端部の周壁部の軸線方向の長さが湾曲方向内側と外側で異なる不均一なものとなる。この場合、他の樹脂製配管部材との溶着時に、平坦な加熱面を有するヒーター等で当該溶着端部を均一に溶融させることが困難になるという問題があった。
これに対し、この実施形態では、湾曲部2の両端のそれぞれに直線状の溶着端部3a、3bを設け、さらに、溶着端部3a、3bの周壁部5が周方向に均一な軸線方向の長さを有するものとしたことから、平坦な加熱面を有するヒーター等で溶着端部3a、3bを均一に溶融させることが可能になる。なおここで、周壁部5の軸線方向の長さが周方向に均一か否かの判断に際しては、周壁部5の軸線方向の長さを、周方向の各部分にて、周壁部5の径方向の等しい位置で確認するものとする。たとえば、周壁部5の径方向の最も内側である溶着端部3a、3bの内面位置で確認する場合、当該内面位置における、湾曲方向内側の周壁部5の軸線方向長さLwiと、湾曲方向外側の周壁部5の軸線方向長さLwoとを比較する。
なお、樹脂製管継手1の溶着端部3a、3bと他の樹脂製配管部材の溶着端部とを突き合わせて溶着する場合、それらの溶着端部どうしが溶融状態で、所定の圧力の作用により押圧されることによる溶融樹脂の潰れに起因して、樹脂製管継手1と他の樹脂製配管部材との溶着部で、樹脂が内面より内周側に盛り上がった状態で硬化し、その内面に、いわゆる内ビードと称され得る隆起部が形成されることが知られている。
このような内ビードの発生を防止するため、図示の実施形態では、溶着端部3a、3bの端面を、中心軸線CLに直交する平面に対して傾斜して内周側に向かうに従って軸線方向の内側に入り込む傾斜面6としている。これにより、溶着時の内周側への樹脂の潰れを有効に抑制することができる。なお、傾斜面6を設けた部分は、他の樹脂製配管部材の溶着端部と溶着されるので、配管時に内部流路Pを構成しない。
樹脂製管継手1を構成する材料としては、たとえば、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等を挙げることができるが、ここで挙げた材料以外のものを用いることも可能である。
次に、この発明の樹脂製管継手を試作し、その性能を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は、単なる例示を目的としたものであり、それに限定されることを意図するものではない。
表1に示す比較例1、比較例2及び実施例1のそれぞれの継手を準備した。比較例1の継手は、チューブ部材の端部と機械的に連結される、いわゆるメカニカル継手であり、比較例2及び実施例1の継手は、チューブ部材の端部と突き合わせて溶着される溶着継手である。なお、いずれの継手もPFAからなる。
比較例1の継手は、内面に型抜きのためのテーパを設けたことにより、端部よりも中央部で内径が小さいものであった。比較例2の継手もまた型抜きのテーパを設けたので、端部よりも中央部で内径が小さかった。
一方、実施例1の継手はテーパがなく、継手の全体にわたって一定の内径であった。
比較例1の継手の内面を確認したところ、チューブ端部(A)や筒状シール部(B)を嵌合させた際の芯ずれの段差や微小なポケットが生じていた。比較例2の継手では、チューブ端部と溶着により連結されるものであるので、比較例1の継手のような端部の段差やポケットは生じない。また、比較例1及び2の継手では、成形時のコアピンの二個のほぼ同形状の分割セグメントの接触箇所に対応する内面の中央位置に、凸状のパーティングラインが形成されていた。
これに対し、実施例1の継手では、図3、4に示すような長短の分割セグメントを用いて成形したことにより、配管時に流路となる部分にはパーティングラインは存在せず、円滑な内面であった。
なお、比較例1及び2の継手は、直角に折れ曲る形状を有するが、実施例1の継手は、滑らかに湾曲する形状を有するものであった。
これらの継手を用いて下記の試験を行った。
図7に示す試験装置の10ヶ所の曲り部のそれぞれに比較例1の継手をセットした状態で、液体を流量2L/minで流した。その際の圧力計の圧力P1の値を読み取ったところ、圧力P1は0.08MPaであった。次いで、曲り部の全ての比較例1の継手を比較例2の継手に交換し、上記の圧力P1となるように液体を流し、そのときの流量を確認した。その後、曲り部の全ての比較例2の継手を実施例1の継手に交換し、同様に、上記の圧力P1となるように液体を流し、流量を確認した。
その結果も表1に示す。表1の試験結果は、比較例1の継手、比較例2の継手および実施例1の継手を三個ずつ用意し、それらの三個の各継手について上記の試験を行って得られた流量の平均値である。
表1に示すところから、同じ内圧の作用の下、実施例1の継手は、比較例1及び2の継手に比して流量が多いことが明らかである。これは、実施例1の継手では、内面に、比較例1及び2のような型抜きのためのテーパがなく、比較例1のような段差やポケット及び、比較例2のようなパーティングラインも存在せず、滑らかな表面であったこと、ならびに、滑らかに湾曲する形状であったことによるものと考えられる。
以上より、実施例1の継手では、比較例1及び2の継手よりも圧力損失が低減されて、液体をより円滑に流せることが解かった。
1 樹脂製管継手
2 湾曲部
3a、3b 溶着端部
4 凸部
5 周壁部
6 傾斜面
11 金型
12 キャビティ
13 コアピン
13a、13b 分割セグメント
P 内部流路
CL 内部流路の中心軸線
Lo 湾曲部内面の湾曲方向外側の輪郭線
Li 湾曲部内面の湾曲方向内側の輪郭線
Ca 湾曲部での中心軸線の円弧中心
D 直径
Le 溶着端部の軸線方向の長さ
Lwi 湾曲方向内側の溶着端部の周壁部の軸線方向長さ
Lwo 湾曲方向外側の溶着端部の周壁部の軸線方向長さ

Claims (7)

  1. 流体を流動させる内部流路を有し、内部流路の中心軸線が円弧状に湾曲する湾曲部と、前記湾曲部の両端のそれぞれに設けられて、内部流路の中心軸線が直線状になり、他の樹脂製配管部材の溶着端部と突き合わせて溶着される溶着端部とを備える樹脂製管継手であって、
    内部流路の中心軸線を含む縦断面で、前記湾曲部の内面の湾曲方向内側及び外側のそれぞれの輪郭線がともに、当該湾曲部における中心軸線の円弧状と共通の中心を有する円弧状をなすとともに、内部流路が、当該樹脂製管継手の全体にわたって一定の横断面積を有し、前記湾曲部の内面から少なくとも一方の溶着端部の内面にかけて、円滑な表面に形成されてなる樹脂製管継手。
  2. 内部流路の横断面形状が円形であり、内部流路が、樹脂製管継手の全体にわたって等しい直径を有してなる請求項1に記載の樹脂製管継手。
  3. 内部流路の直径に対する溶着端部の軸線方向の長さの比が、0.1〜1.0である請求項2に記載の樹脂製管継手。
  4. 少なくとも溶着端部における内部流路の横断面の真円度が、0.3以下である請求項2又は3に記載の樹脂製管継手。
  5. 溶着端部の軸線方向の長さが、1.0mm〜2.0mmである請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂製管継手。
  6. 溶着端部を構成する周壁部が周方向に均一な軸線方向の長さを有してなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂製管継手。
  7. 前記湾曲部の内面から一方の溶着端部の内面にかけて円滑な表面に形成されるとともに、前記湾曲部の内面と他方の溶着端部の内面との間に凸部及び/又は凹部が存在してなる請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂製管継手。
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