JP2018123867A - 等速自在継手 - Google Patents

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Yuichiro Kitamura
裕一郎 北村
武美 此本
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武美 此本
慎吾 吉永
Shingo Yoshinaga
慎吾 吉永
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Abstract

【課題】 簡便な手段によりブーツとシャフトとの接触部位での摩耗を容易に抑制する。
【解決手段】 外側継手部材12と、その外側継手部材12との間でボール14を介して角度変位を許容しながら回転トルクを伝達する内側継手部材13とを備え、外側継手部材12の開口部11と内側継手部材13から延びるシャフト17との間にブーツ23を装着した等速自在継手であって、シャフト17の外周面30とブーツ23の内周面29との接触部位の表面に、多数の繊維が植設された植毛部31を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械などの動力伝達系、例えば、自動車のドライブシャフトやプロペラシャフトにおいて使用される等速自在継手に関する。
例えば、自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達する手段として使用される等速自在継手には、固定式等速自在継手と摺動式等速自在継手の二種がある。これら両者の等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し得る構造を備えている。
エンジンから車輪に動力を伝達するドライブシャフトは、エンジンと車輪との相対的位置関係の変化による角度変位と軸方向変位に対応する必要がある。そのため、ドライブシャフトは、一般的に、エンジン側(インボード側)に摺動式等速自在継手を、車輪側(アウトボード側)に固定式等速自在継手をそれぞれ装備し、両者の等速自在継手をシャフトで連結した構造を具備する。
この種の等速自在継手は、カップ状の外側継手部材、内側継手部材、トルク伝達部材で主要部が構成され、外側継手部材の内部空間にグリース等の潤滑剤を封入した構造を具備する。この潤滑剤の封入により、継手作動時において、継手内部の摺動部位での潤滑性を確保するようにしている。
外側継手部材は、軸方向に延びるトラック溝が内周面に形成されている。内側継手部材は、外側継手部材のトラック溝と対をなして軸方向に延びるトラック溝が外周面に形成されている。ボールは、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝間に介在して回転トルクを伝達する。
潤滑剤が封入された等速自在継手は、継手内部からの潤滑剤の漏洩を防止すると共に継手外部からの異物侵入を防止するため、外側継手部材と内側継手部材から延びるシャフトとの間に、ゴム製あるいは樹脂製の蛇腹状ブーツを装着した構造を具備する(例えば、特許文献1参照)。
ブーツは、外側継手部材の外周面にブーツバンドにより締め付け固定された大径端部と、シャフトの外周面にブーツバンドにより締め付け固定された小径端部と、大径端部と小径端部とを繋ぎ、大径端部から小径端部へ向けて縮径した伸縮自在な蛇腹部とで構成されている。
特開2010−32002号公報
ところで、前述した等速自在継手では、外側継手部材とシャフトとの間に蛇腹状ブーツを装着することにより、継手内部からの潤滑剤の漏洩を防止すると共に継手外部からの異物侵入を防止するようにしている。
一方、等速自在継手の作動時、特に、外側継手部材に対してシャフトが高作動角をとった場合、外側継手部材に対してシャフトが傾斜した側に位置するブーツの蛇腹部は小さく圧縮し、その反対側に位置するブーツの蛇腹部は大きく伸長する。
この際、圧縮された側に位置するブーツの蛇腹部の内周面がシャフトの外周面に接触し易い。このような接触が繰り返されると、ブーツの蛇腹部の内周面に摩耗が発生する可能性がある。その結果、ブーツにおける耐久性が低下するおそれがある。
この耐久性の低下を防止するため、特許文献1で開示された等速自在継手では、ブーツの蛇腹部とシャフトとの接触部位における表面粗さを規定している。この表面粗さの規定により、蛇腹部とシャフトとの接触部位での摩耗を抑制するようにしている。
しかしながら、蛇腹部とシャフトとの接触部位での摩耗を抑制するための最適な表面粗さを規定することは困難である。そのため、蛇腹部とシャフトとの接触部位での摩耗を抑制する別の手段が要望されている。
そこで、本発明は前述の課題に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、簡便な手段により、ブーツとシャフトとの接触部位での摩耗を容易に抑制し得る等速自在継手を提供することにある。
本発明に係る等速自在継手は、外側継手部材と、その外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながら回転トルクを伝達する内側継手部材とを備え、外側継手部材の開口部と内側継手部材から延びる軸部材との間にブーツを装着した構造を具備する。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、軸部材とブーツとの接触部位の表面に、繊維材、軟質発泡材または軟質樹脂材からなる柔軟性構造体を形成したことを特徴とする。
本発明では、軸部材とブーツとの接触部位の表面に柔軟性構造体を形成したことにより、継手作動時、外側継手部材に対して軸部材が高作動角をとる状態が繰り返されても、軸部材とブーツとの接触部位での摩耗が柔軟性構造体によって抑制される。また、継手内部に封入された潤滑剤が柔軟性構造体によって保持される。
この軸部材とブーツとの接触部位における摩耗の抑制や潤滑剤の保持力向上により、等速自在継手における耐久性および潤滑性の向上が図れる。
なお、軸部材とブーツとの接触部位は、軸部材の外周面およびブーツの内周面で構成される。その場合、柔軟性構造体は、軸部材の外周面およびブーツの内周面の少なくとも一方に形成されていればよい。
本発明における柔軟性構造体は、軸部材とブーツとの接触部位の表面に対して垂直な状態で短繊維が植設された植毛部である構造が望ましい。この構造は、静電植毛により実現することが可能である。
このような構造を採用すれば、軸部材とブーツとの接触部位の表面に対して、多量の短繊維を短時間で密に植毛することができる。
本発明における柔軟性構造体は、軸部材とブーツとの接触部位の表面に対して一定の角度に傾斜した状態で短繊維が植設された植毛部である構造が望ましい。この構造は、静電吹付け植毛により実現することが可能である。
このような構造を採用すれば、吹付けしない静電植毛と比べて植毛密度を減少させることで、少量の短繊維で広い面積を覆うことができる。その結果、短繊維量の削減と時間短縮によるコスト低減が図れる。
本発明によれば、継手作動時、軸部材とブーツとの接触部位での摩耗が柔軟性構造体によって抑制される。また、継手内部に封入された潤滑剤が柔軟性構造体によって保持される。この軸部材とブーツとの接触部位における摩耗の抑制および潤滑剤の保持力向上により、等速自在継手における耐久性および潤滑性の向上が図れる。その結果、高品質で長寿命の等速自在継手を提供できる。
本発明の実施形態で、等速自在継手の全体構成を示す断面図である。 図1の等速自在継手が高作動角をとった状態を示す断面図である。 本発明の他の実施形態で、等速自在継手の全体構成を示す断面図である。 図3の等速自在継手が高作動角をとった状態を示す断面図である。 図4のX部分を示す要部拡大断面図である。 静電植毛の概略要領を説明するための構成図である。 (A)は静電植毛により形成された植毛部の拡大断面図、(B)は静電吹付け植毛により形成された植毛部の拡大断面図である。
本発明に係る等速自在継手の実施形態を、図面に基づいて以下に詳述する。この実施形態の特徴的な構成を説明する前に等速自在継手の全体構成を説明する。
以下の実施形態では、自動車用ドライブシャフトに組み込まれ、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達する固定式等速自在継手の一つであるツェッパ型等速自在継手を例示する。
なお、本発明は、ツェッパ型等速自在継手以外に、アンダーカットフリー型等速自在継手など他の固定式等速自在継手にも適用可能である。また、ダブルオフセット型やクロスグルーブ型等速自在継手などの摺動式等速自在継手にも適用可能である。さらに、自動車用プロペラシャフトに組み込まれる固定式等速自在継手や摺動式等速自在継手にも適用可能である。
この実施形態の固定式等速自在継手(以下、単に等速自在継手と称す)は、図1に示すように、開口部11を有するカップ状の外側継手部材12、内側継手部材13、トルク伝達部材である複数個のボール14、およびケージ15で主要部が構成されている。
内側継手部材13の軸孔16には、軸部材であるシャフト17の一端がスプライン嵌合によりトルク伝達可能に連結されている。この内側継手部材13から延びるシャフト17は、止め輪18により内側継手部材13に対して抜け止めされている。
外側継手部材12は、軸方向に延びる円弧状トラック溝19が球面状内周面20の円周方向複数箇所に等間隔で形成されている。内側継手部材13は、外側継手部材12のトラック溝19と対をなして軸方向に延びる円弧状トラック溝21が球面状外周面22の円周方向複数箇所に等間隔で形成されている。
ボール14は、外側継手部材12のトラック溝19と内側継手部材13のトラック溝21との間に介在して回転トルクを伝達する。ケージ15は、外側継手部材12の内周面20と内側継手部材13の外周面22との間に配されてボール14を保持する。なお、ボール14は、6個、8個あるいはそれ以外でもよく、その個数は任意である。
以上の構成からなる等速自在継手では、外側継手部材12の内部空間にグリース等の潤滑剤(図示せず)を封入することにより、継手作動時において、継手内部の摺動部位、つまり、外側継手部材12に対して、内側継手部材13、ボール14およびケージ15からなる内部部品の摺動部位での潤滑性を確保する。
この等速自在継手は、継手内部に封入された潤滑剤の漏洩を防止すると共に継手外部からの異物侵入を防止するため、外側継手部材12の開口部11とシャフト17との間に、樹脂製あるいはゴム製の蛇腹状ブーツ23を装着した構造を具備する。
ブーツ23は、外側継手部材12の開口部11の外周面にブーツバンド27により締め付け固定された大径端部24と、内側継手部材13から延びるシャフト17の外周面にブーツバンド28により締め付け固定された小径端部25と、大径端部24と小径端部25とを繋ぎ、大径端部24から小径端部25へ向けて縮径した伸縮自在な蛇腹部26とで構成されている。
ブーツ23が樹脂製の場合、その表面硬さがHDD38〜50であるのが好ましい。ブーツ23の素材としては、例えば、エステル系、オレフィン系、ウレタン系、アミド系、スチレン系等の熱可塑性エラストマーなどがある。
なお、表面硬さがHDD38より小さいと、耐熱性の低下、ブーツ23のコストアップおよび強度低下を招来する。逆に、表面硬さがHDD50より大きいと、疲労性、柔軟性および組付性の低下を招来する。
ブーツ23がゴム製の場合、その表面硬さがHs50〜70であるのが好ましい。ブーツ23の素材としては、例えば、クロロプレンゴムやシリコンゴムなどがある。
なお、表面硬さがHs50より小さいと、ブーツ23の強度低下を招来する。逆に、表面硬さがHs70より大きいと、疲労性の低下を招来する。
この実施形態における等速自在継手の全体構成は、前述のとおりであるが、この実施形態における等速自在継手の特徴的な構成について、以下に詳述する。
図2に示すように、この等速自在継手の作動時、特に、外側継手部材12に対してシャフト17が高作動角をとった場合、外側継手部材12に対してシャフト17が傾斜した側に位置するブーツ23の蛇腹部26は小さく圧縮し、その反対側に位置するブーツ23の蛇腹部26は大きく伸長する。この際、圧縮された側に位置するブーツ23の蛇腹部26(谷部)の内周面29がシャフト17の外周面30に接触し易い。
そこで、この実施形態の等速自在継手では、図1に示すように、シャフト17の外周面30に、繊維材、軟質発泡材または軟質樹脂材からなる柔軟性構造体、例えば、多数の繊維が植設された植毛部31を形成する。この植毛部31は、ブーツ23の蛇腹部26の内周面29が接触する可能性がある領域(図中で示す軸方向寸法Lの領域)に形成することが好ましい。
図2に示すように、外側継手部材12に対してシャフト17が高作動角をとった時、シャフト17の外周面30とブーツ23の蛇腹部26の内周面29とが接触するが、シャフト17の外周面30とブーツ23の蛇腹部26の内周面29との接触部位に植毛部31が介在する。これにより、シャフト17の外周面30に存在する植毛部31に、ブーツ23の蛇腹部26の内周面29が接触することになる。
このシャフト17の外周面30とブーツ23の蛇腹部26の内周面29との接触部位に存在する植毛部31には、継手内部に封入された潤滑剤が付着して保持されている。その結果、この植毛部31で潤滑剤が保持されることから、シャフト17の外周面30とブーツ23の蛇腹部26の内周面29との接触部位で潤滑剤の保持力が向上する。
この潤滑剤の保持力向上により、シャフト17の外周面30とブーツ23の蛇腹部26の内周面29との接触部位での潤滑性が向上し、外側継手部材12に対してシャフト17が高作動角をとる状態が繰り返されても、ブーツ23の蛇腹部26の内周面29が摩耗することを抑制でき、耐久性の向上が図れる。
図1および図2に示す実施形態では、シャフト17の外周面30に植毛部31を形成した場合を例示したが、図3および図4に示す構造であってもよい。図5は図4のX部分の拡大である。なお、図3および図4において、図1および図2と同一部分には同一参照符号を付して重複説明は省略する。
図3および図4に示す実施形態の等速自在継手は、ブーツ23の蛇腹部26(谷部)の内周面29に植毛部32を形成した構造を具備する。この実施形態では、ブーツ23の蛇腹部26において、一つの谷部の内周面29に植毛部32を形成しているが、隣接する複数の谷部あるいは全ての谷部に植毛部を形成してもよい。
この実施形態においても、外側継手部材12に対してシャフト17が高作動角をとった場合、シャフト17の外周面30と接触するブーツ23の蛇腹部26の内周面29に植毛部32が形成されていることにより、蛇腹部26の内周面29に存在する植毛部32に、シャフト17の外周面30が接触する(図5参照)。
このシャフト17の外周面30とブーツ23の蛇腹部26の内周面29との接触部位に存在する植毛部32には、継手内部に封入された潤滑剤が付着して保持されている。その結果、この植毛部32で潤滑剤が保持されることから、シャフト17の外周面30とブーツ23の蛇腹部26の内周面29との接触部位で潤滑剤の保持力が向上する。
この潤滑剤の保持力向上により、シャフト17の外周面30とブーツ23の蛇腹部26の内周面29との接触部位での潤滑性が向上し、外側継手部材12に対してシャフト17が高作動角をとる状態が繰り返されても、ブーツ23の蛇腹部26の内周面29が摩耗することを抑制でき、耐久性の向上が図れる。
以上で説明した植毛部31,32は、短繊維41(図6参照)をシャフト17の外周面30あるいはブーツ23の蛇腹部26の内周面29に植設することにより形成される。その植毛方法としては、静電植毛や静電吹付け植毛を採用することができる。これらの方法は、シャフト17の外周面30あるいはブーツ23の蛇腹部26の内周面29に、多量の繊維を短時間で密に植毛することができる点で好ましい。
静電植毛は、接着剤塗布工程、静電植毛工程、乾燥工程、仕上げ工程等がある。静電植毛工程を図6に示す。静電植毛では、植毛対象物であるシャフト17の外周面30あるいはブーツ23の蛇腹部26の内周面29(便宜上、平坦面として表す)に接着剤の塗布により接着層40を形成する。そして、高電圧電極42により静電界を作り、その静電吸引力で短繊維41を接着層40に立毛させる。その後、接着層40の接着剤を乾燥させる乾燥工程を行い、次に、除毛等を行う仕上げ加工を行うことになる。
静電植毛工程は、所定寸に切断された短繊維41(表面に電解質や界面活性剤の被膜を形成したもの、すなわち、電着処理剤をコーティングしたもの)を高電圧電極42の近傍に投入する。この投入で、クーロン力によって、短繊維41は高電圧電極42に引き付けられる。短繊維41が高電圧電極42に触れた瞬間に電極と同電位に帯電され、クーロン力によってはじかれる。短繊維41は高い電位が付与されているので、アース側に向かって飛翔する。
この際、アース側のシャフト17の外周面30あるいはブーツ23の蛇腹部26の内周面29には接着層40が形成されているので、この接着層40に短繊維41が突き刺さることになる。このようにして、短繊維41がシャフト17の外周面30あるいはブーツ23の蛇腹部26の内周面29に植設され、植毛部31,32がシャフト17の外周面30あるいはブーツ23の蛇腹部26の内周面29に形成される。
図7(A)は、静電植毛により形成された植毛部31,32を例示する。また、図7(B)は、静電吹付け植毛により形成された植毛部31,32を例示する。なお、同図では、植毛対象物であるシャフト17の外周面30あるいはブーツ23の蛇腹部26の内周面29は曲面状であるが、便宜上、平坦面として表している。
静電植毛では、図7(A)に示すように、シャフト17の外周面30あるいはブーツ23の蛇腹部26の内周面29に対して短繊維41が垂直な状態で植設される。これに対して、静電吹付け植毛では、図7(B)に示すように、短繊維41が垂直に植毛される静電植毛と異なり、短繊維41をエアで接着剤塗布面に吹き付けることで、シャフト17の外周面30あるいはブーツ23の蛇腹部26の内周面29に対して短繊維41が一定の角度に傾斜した状態で植設される。
このため、静電吹付け植毛によれば、吹付けしない静電植毛と比べて植毛密度を減少させることで、少量の短繊維41で広い面積を覆うことができる。特に、植毛に保持される潤滑剤の量が多くなり、より効果的に滑り抵抗を低減できる。
植毛に用いられる短繊維41としては、植毛用短繊維として使用可能であれば特に限定されず、例えば、(1)ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、ビニロンなどの合成樹脂繊維、(2)カーボン繊維、グラスファイバーなどの無機繊維、(3)レーヨン、アセテートなどの再生繊維や、綿、絹、麻、羊毛などの天然繊維が挙げられる。
これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。油による潤滑や溶解などが生じにくく化学的に安定であり、均質な繊維を多量に生産することができ、安価に入手することができる。そのため、前述の(1)〜(3)の中でも(1)の合成樹脂繊維を用いることが好ましい。
短繊維41の具体的な形状としては、例えば、長さ0.5〜2.0mm、太さ0.5〜50デシテックスのものが好ましく、植毛部31,32の短繊維41の密度としては、植毛した面積あたりに繊維の占める割合が10〜30%が好ましい。
短繊維41の形状としてストレートやベンド(先端部が曲がった形状)があり、断面形状は円形や多角形状がある。ベンド形状ではストレート形状と比較して潤滑剤をより強く保持することができる。断面多角形状の短繊維41を利用することで、断面円形よりも大きな表面積とすることができ、潤滑剤の表面張力を大きくすることができる。それぞれの特性に合わせて、短繊維41の形状を選定することが好ましい。
接着層40としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などを主成分とする接着剤が挙げられる。例えば、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、エポキシ樹脂溶剤系接着剤、酢酸ビニル樹脂溶剤系接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン接着剤、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ポリエステル系エマルジョン接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、以上の実施形態では、柔軟性構造体を繊維材で構成した場合、つまり、多数の短繊維41が植設された植毛部31,32について説明したが、柔軟性構造体を軟質発泡材または軟質樹脂材で構成してもよい。その場合、柔軟性構造体をシャフト17の外周面30あるいはブーツ23の蛇腹部26の内周面29に接着剤などにより固定すればよい。
軟質発泡材としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、フェノール、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのゴムを発泡したものが挙げられる。軟質樹脂材としては、コルク材、ゴム板材、ポリエチレンや塩化ビニルなどの軟質シートが挙げられる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
12 外側継手部材
13 内側継手部材
14 トルク伝達部材(ボール)
17 軸部材(シャフト)
23 ブーツ
29 ブーツの内周面
30 軸部材(シャフト)の外周面
31,32 柔軟性構造体(植毛部)
41 短繊維

Claims (4)

  1. 外側継手部材と、前記外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながら回転トルクを伝達する内側継手部材とを備え、前記外側継手部材の開口部と前記内側継手部材から延びる軸部材との間にブーツを装着した等速自在継手であって、
    前記軸部材と前記ブーツとの接触部位の表面に、繊維材、軟質発泡材または軟質樹脂材からなる柔軟性構造体を形成したことを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記軸部材と前記ブーツとの接触部位は、軸部材の外周面およびブーツの内周面で構成され、前記柔軟性構造体は、軸部材の外周面およびブーツの内周面の少なくとも一方に形成されている請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記柔軟性構造体は、前記接触部位の表面に対して垂直な状態で短繊維が植設された植毛部である請求項1又は2に記載の等速自在継手。
  4. 前記柔軟性構造体は、前記接触部位の表面に対して一定の角度に傾斜した状態で短繊維が植設された植毛部である請求項1又は2に記載の等速自在継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020000586A (ja) * 2018-06-29 2020-01-09 株式会社三洋物産 遊技機
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JP2020108425A (ja) * 2018-12-28 2020-07-16 株式会社三洋物産 遊技機
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