JP2018168954A - 球面すべり軸受およびリンク作動装置 - Google Patents

球面すべり軸受およびリンク作動装置 Download PDF

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直樹 丸井
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Abstract

【課題】内輪と外輪との球面接触部にシールを設けることなく潤滑剤の散逸を防止することができ、簡易でコンパクトな構成の球面すべり軸受、およびこの球面すべり軸受を用いたリンク作動装置を提供する。【解決手段】球面すべり軸受1は、凹球面のすべり面2aを有する外輪2と、この外輪2のすべり面2aと摺動自在な凸球面のすべり面3aを有する内輪3とを備える。外輪2または内輪3の一部に、外輪2のすべり面2aと内輪3のすべり面3aとの間に介在する潤滑剤を保持する柔軟性構造体としての植毛部6が設けられている。例えば、外輪2のすべり面2aの縁部に、植毛部6が設けられる。【選択図】図1

Description

この発明は、球面すべり軸受、およびこの球面すべり軸受を用いたリンク作動装置に関する。
特許文献1に、パラレルリンク機構を具備する作業装置の一例が開示されている。この作業装置は、ツールを取り付けたトラベリングプレートの位置および姿勢をパラレルリンク機構により変更するようにしたものである。パラレルリンク機構は、下端にトラベリングプレートが連結された複数のリンクを備え、これらリンクの上部が自在継手により角度変更可能に支持されると共に、リンクごとに、自在継手よりも下方に位置する有効長さを変更可能とされている。
また、特許文献2に、他の形態のリンク作動装置が開示されている。このリンク作動装置に用いられるパラレルリンク機構は、基端側のリンクハブに対して先端側のリンクハブを、4節連鎖で3組以上のリンク機構によって連結した構成である。
特開2000−94245号公報 米国特許第5,893,296号明細書
特許文献1のパラレルリンク機構は、構成が比較的簡単であるが、各リンクの作動角が小さいため、トラベリングプレートの作動範囲を大きく設定すると、リンク長が長くなることにより、機構全体の寸法が大きくなって装置の大型化を招くという問題がある。また、機構全体の剛性が低く、トラベリングプレートに搭載されるツールの重量、つまりトラベリングプレートにおける可搬重量が小さいものに制限されるという問題もある。
特許文献2のパラレルリンク機構は、コンパクトでありながら、高速、高精度で、広範な作動範囲の動作が可能である。このため、三次元空間において精密で広範な作動範囲の動作を行う必要がある機器、例えば医療機器や産業機器に多く用いられるようになってきている。このパラレルリンク機構を備えるリンク作動装置を作業装置として使用する場合、基端側のリンクハブに対して先端側のリンクハブを任意の姿勢で固定できるように、基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとを構造体で連結して剛性を高めることが行われる。
前記構造体は、先端側のリンクハブの姿勢が変化しても、構造体が基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブと連結状態に保たれるように、構造体の両端が基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブと球面接触させてある。この球面接触部にはグリース等の潤滑剤を注入することが望ましいが、単に潤滑剤を注入しただけでは、動作時に潤滑剤が散逸してしまう。潤滑剤が散逸して球面接触部が潤滑剤不足となった場合、人手で潤滑剤を補給する必要がある。
そこで、球面接触部の潤滑剤を密封するためのシールを設けることが考えられる。しかし、シールを設けると、シールが構造体と干渉することにより、構造体の可動範囲が制限される可能性がある。構造体の可動範囲が制限されると、リンク作動装置の可動範囲も狭くなる。
この発明の目的は、内輪と外輪との球面接触部にシールを設けることなく潤滑剤の散逸を防止することができ、簡易でコンパクトな構成の球面すべり軸受を提供することである。
この発明の他の目的は、リンクハブと構造体との球面接触部にシールを設けることなく潤滑剤の散逸を防止することができ、広範な作動範囲を確保することができるリンク作動装置を提供することである。
この発明の球面すべり軸受は、凹球面のすべり面を有する外輪と、この外輪の前記すべり面と摺動自在な凸球面のすべり面を有する内輪とを備え、前記外輪または前記内輪の一部に、前記外輪のすべり面と前記内輪のすべり面との間に介在する潤滑剤を保持する柔軟性構造体が設けられていることを特徴とする。
この構成によると、外輪のすべり面と内輪のすべり面との間に介在する潤滑剤が外輪または内輪の一部に設けられた柔軟性構造体によって保持されることにより、潤滑剤の散逸が防止される。このため、シールが不要となり、簡易でコンパクトな構成とすることができる。
前記球面すべり軸受において、前記柔軟性構造体は、前記外輪の前記すべり面の縁部に設けられていてもよい。柔軟性構造体の位置は、外輪のすべり面の縁に対して内側であっても外側であってもよい。
外輪のすべり面の縁部に柔軟性構造体が設けられていると、外輪のすべり面に付着している潤滑剤がすべり面の外側へ移動することが規制される。また、内輪のすべり面の一部が外輪のすべり面から外れるまで動作する場合、内輪のすべり面に付着している潤滑剤のうち余分な潤滑剤が柔軟性構造体に保持されることで、前記余分な潤滑剤が内輪のすべり面から離脱することが抑制される。
また、前記柔軟性構造体は、前記内輪の前記すべり面の縁部に設けられていてもよい。柔軟性構造体の位置は、内輪のすべり面の縁に対して内側であっても外側であってもよい。
内輪のすべり面の縁部に柔軟性構造体が設けられていると、内輪のすべり面に付着している潤滑剤がすべり面の外側へ移動することが規制される。また、外輪のすべり面の一部が内輪のすべり面から外れるまで動作する場合、外輪のすべり面に付着している潤滑剤のうち余分な潤滑剤が柔軟性構造体に保持されることで、前記余分な潤滑剤が外輪のすべり面から離脱することが抑制される。
この発明のリンク作動装置は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有するパラレルリンク機構を備え、前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に制御する姿勢制御用アクチュエータが設けられている。
このリンク作動装置において、前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに形成された各被接触部に、両端に形成された各接触部が接触して、前記基端側のリンクハブと前記先端側のリンクハブとを互いに連結する構造体と、前記基端側のリンクハブに対して前記先端側のリンクハブを任意の姿勢で静止させるように、前記構造体を介して前記基端側のリンクハブと前記先端側のリンクハブとの間に力を発生させる力発生手段とが設けられ、
前記基端側のリンクハブまたは前記先端側のリンクハブの前記被接触部、および前記構造体の前記接触部は、互いにすべり接触する凹球面および凸球面のすべり面をそれぞれ有し、前記被接触部と前記接触部とで前記球面すべり軸受が構成されていることを特徴とする。
この構成によると、基端側のリンクハブと、先端側のリンクハブと、3組以上のリンク機構とで、基端側のリンクハブに対する先端側のリンクハブが直交2軸周りに回転自在な2自由度機構が構成される。この2自由度機構からなるパラレルリンク機構は、コンパクトでありながら、基端側のリンクハブに対する先端側のリンクハブの可動範囲を広くとれる。
基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとを互いに連結する構造体が設けられていることにより、リンク作動装置のガタつきを抑える効果、および剛性を高める効果が得られる。詳しくは、力発生手段により、基端側のリンクハブに対して先端側のリンクハブを任意の姿勢で静止させるように、構造体を介して基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとの間に力を発生させることで、リンク作動装置のガタが無くなり、剛性が向上する。その結果、基端側のリンクハブに対する先端側のリンクハブの姿勢調整精度が向上する。基端側のリンクハブまたは先端側のリンクハブの被接触部と構造体の接触部とが球面すべり軸受として構成されているため、先端側のリンクハブの姿勢が変化しても、構造体が基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブと連結状態に保たれる。
被接触部と接触部とで構成される球面すべり軸受は、被接触部と接触部との間に介在する潤滑剤が柔軟性構造体によって保持されることにより、潤滑剤の散逸が防止される。このため、シールが不要となる。また、シールが無いと、シールが構造体と干渉することがなくなり、構造体の可動範囲が制限されない。その結果、リンク作動装置の可動範囲も広くなる。
前記柔軟性構造体が設けられる箇所は、前記パラレルリンク機構が通常の動作時に動く範囲である通常可動範囲を超えて前記パラレルリンク機構が動作するときに、前記被接触部および前記接触部の両方またはどちらか一方が前記柔軟性構造体に接触する箇所であるとよい。
上記箇所に柔軟性構造体が設けられていると、通常可動範囲を超える作動域にパラレルリンク機構が動作するとき、柔軟性構造体に保持されている潤滑剤が、柔軟性構造体に対向する被接触部または接触部のすべり面に付着する。従って、被接触部と接触部間に潤滑剤不足が生じた場合、通常可動範囲を超える作動域にパラレルリンク機構を動作させるだけで、すべり面に潤滑剤を補充することができる。
前記柔軟性構造体は、前記被接触部および前記接触部の両方またはどちらか一方に形成された円周溝に植毛を施したものであってもよい。
円周溝に植毛が施されていると、円周溝に潤滑剤が溜まり易いため、柔軟性構造体に保持される潤滑剤の量が多くなる。
このリンク作動装置において、前記基端側のリンクハブと前記基端側の端部リンク部材の各回転対偶の中心軸、および前記基端側の端部リンク部材と前記中央リンク部材の各回転対偶の中心軸がそれぞれ交差する点を基端側の球面リンク中心と称し、前記先端側のリンクハブと前記先端側の端部リンク部材の各回転対偶の中心軸、および前記先端側の端部リンク部材と前記中央リンク部材の各回転対偶の中心軸がそれぞれ交差する点を先端側の球面リンク中心と称する場合、前記被接触部の前記すべり面の球面中心および前記接触部の前記すべり面の球面中心は、前記基端側の球面リンク中心または前記先端側の球面リンク中心と一致しているとよい。
この構成であると、先端側のリンクハブの姿勢変更に合わせて、構造体が滑らかに動作することができる。
前記構造体は、前記基端側のリンクハブの前記被接触部と接触する前記接触部を有する基端側構造体部分と、前記先端側のリンクハブの前記被接触部と接触する前記接触部を有する先端側構造体部分とを備え、これら基端側構造体部分および先端側構造体部分のうち一方は雄ねじ部を有し、他方は前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有し、これら雄ねじ部と雌ねじ部のねじ込み量を変えることで、前記基端側構造体部分および前記先端側構造体部分の各接触部の前記球面中心間の距離が変更される構成であってもよい。
この構成であると、構造体を介して基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとの間に発生させる力の大きさを容易に調整することができる。
前記構造体は、前記基端側のリンクハブの前記被接触部と接触する前記接触部を有する基端側構造体部分と、前記先端側のリンクハブの前記被接触部と接触する前記接触部を有する先端側構造体部分とを備え、これら基端側構造体部分および先端側構造体部分に、各接触部の前記球面中心間を結ぶ直線に沿って互いにスライド自在な基端側スライド部および先端側スライド部がそれぞれ設けられていてもよい。
この構成としても、前記同様に、構造体を介して基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとの間に発生させる力の大きさを容易に調整することができる。
前記基端側構造体部分と前記先端側構造体部分とで空間部が形成され、この空間部に流体を出し入れすることで、前記基端側スライド部および前記先端側スライド部が互いにスライドさせる構成としてもよい。
この場合も、前記同様に、構造体を介して基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとの間に発生させる力の大きさを容易に調整することができる。
前記リンク作動装置において、前記3組以上のリンク機構のすべてに前記姿勢制御用アクチュエータが設けられ、これら姿勢制御用アクチュエータが前記力発生手段であり、前記姿勢制御用アクチュエータにより前記基端側のリンクハブに対し前記先端側のリンクハブを任意の姿勢で静止させるとき、前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブの前記被接触部と前記構造体の前記接触部との間に作用する接触力が大きくなるように前記姿勢制御用アクチュエータを制御する制御手段が設けられているとよい。
制御手段により、基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブの被接触部と構造体の接触部との間に作用する接触力が大きくなるように、すなわち基端側のリンクハブと先端側のリンクハブとの間に力が発生するように、力発生手段である姿勢制御用アクチュエータを制御する。これにより、基端側の球面リンク中心と先端側の球面リンク中心間の距離を微小に変動して、被接触部に作用する接触力の大きさが変わる。接触力が大きくなると、この接触力に抗してリンク作動装置を一定の動作位置に保とうとするため、姿勢調整時におけるリンク作動装置全体の剛性が向上する。
この発明の球面すべり軸受は、凹球面のすべり面を有する外輪と、この外輪の前記すべり面と摺動自在な凸球面のすべり面を有する内輪とを備え、前記外輪または前記内輪の一部に、前記外輪のすべり面と前記内輪のすべり面との間に介在する潤滑剤を保持する柔軟性構造体が設けられているため、内輪と外輪との球面接触部にシールを設けることなく潤滑剤の散逸を防止することができ、簡易でコンパクトな構成となる。
この発明のリンク作動装置は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有するパラレルリンク機構を備え、前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に制御する姿勢制御用アクチュエータが設けられ、前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに形成された各被接触部に、両端に形成された各接触部が接触して、前記基端側のリンクハブと前記先端側のリンクハブとを互いに連結する構造体と、前記基端側のリンクハブに対して前記先端側のリンクハブを任意の姿勢で静止させるように、前記構造体を介して前記基端側のリンクハブと前記先端側のリンクハブとの間に力を発生させる力発生手段とが設けられ、前記基端側のリンクハブまたは前記先端側のリンクハブの前記被接触部、および前記構造体の前記接触部は、互いにすべり接触する凹球面および凸球面のすべり面をそれぞれ有し、前記被接触部と前記接触部とで前記球面すべり軸受が構成されているため、リンクハブと構造体との球面接触部にシールを設けることなく潤滑剤の散逸を防止することができ、広範な作動範囲を確保することができる。
この発明の第1の実施形態にかかる球面すべり軸受の左半分を外形で表し、右半分を断面で表した図である。 この発明の第2の実施形態にかかる球面すべり軸受の左半分を外形で表し、右半分を断面で表した図である。 この発明の一実施形態にかかるリンク作動装置の一部を省略した正面図に制御系のブロック図を加えた図である。 同リンク作動装置の異なる状態を示す一部を省略した正面図である。 同リンク作動装置のパラレルリンク機構の斜視図である。 図3のVI−VI断面図である。 同パラレルリンク機構の1つのリンク機構を直線で表現した図である。 同リンク作動装置の一部の破断側面図である。 図8の部分拡大図であって、基端側のリンクハブと構造体の球面接触部を示す。 同リンク作動装置の構造体の断面図である。 他の構造体の断面図である。 さらに他の構造体の断面図である。 姿勢検出手段の一例の概略構成図である。 他の球面接触部の断面図である。 さら他の球面接触部の断面図に部分拡大図を加えた図である。 他のパラレルリンク機構の断面図である。 同パラレルリンク機構の球面接触部の断面図である。 他の球面接触部の断面図に部分拡大図を加えた図である。
この発明の実施形態にかかる球面すべり軸受を図面と共に説明する。
[球面すべり軸受の第1の実施形態]
図1は第1の実施形態を示す。この球面すべり軸受1は、凹球面のすべり面2aを有する外輪2と、凸球面のすべり面3aを有する内輪3とを備える。外輪2のすべり面2aと内輪3のすべり面3aは互いに摺動自在である。内輪2には貫通孔4が設けられ、この貫通孔4に軸5が嵌合している。この実施形態の場合、外輪2のすべり面2aよりも内輪3のすべり面3aの方が広いが、逆であってもよい。
外輪2のすべり面2aと内輪3のすべり面3aとの間には、グリース等の潤滑剤が介在させてある。この潤滑剤を両すべり面2a,3a間に保持するために、内輪3の両端面3b,3bにおける前記すべり面3aに隣接する縁部に、柔軟性構造体としての植毛部6,6が設けられている。植毛部6は、複数の繊維を植毛したものである。植毛部6に用いられる繊維の種類、植毛方法については、後で詳しく説明する。
この構成の球面すべり軸受1は、外輪2のすべり面2aと内輪3のすべり面3aとの間に介在する潤滑剤が内輪3に設けられた植毛部6によって保持されることにより、潤滑剤の散逸が防止される。詳しくは、内輪3のすべり面3aの縁部に設けられた植毛部6,6によって、すべり面3aに付着している潤滑剤がすべり面3aの外側へ移動することが規制される。また、外輪2のすべり面2aの一部が内輪3のすべり面3aから外れるまで動作した場合、外輪2のすべり面2aに付着している潤滑剤のうち余分な潤滑剤が植毛部6に保持されることで、前記余分な潤滑剤が外輪2のすべり面2aから離脱することが抑制される。
このように、植毛部6,6によって潤滑剤の散逸が防止されるため、潤滑剤を密封するためのシールが不要となり、球面すべり軸受1を簡易でコンパクトな構成とすることができる。図1の例では、植毛部6,6の設けられる位置が、内輪3のすべり面3aの縁部に隣接する端面3b,3bであるが、すべり面3a内の縁部に隣接する箇所であってもよい。
[球面すべり軸受の第2の実施形態]
図2は第2の実施形態を示す。この球面すべり軸受1は、外輪2の両端面2b,2bにおける前記すべり面2aに隣接する縁部に、植毛部7,7が設けられている。植毛部7,7の設けられる位置は、外輪2のすべり面2a内の縁部に隣接する箇所であってもよい。他は、第1の実施形態と同じである。
この構成の球面すべり軸受1も、前記同様に、外輪2のすべり面2aと内輪3のすべり面3aとの間に介在する潤滑剤が外輪2に設けられた植毛部7によって保持されることにより、前記同様に、潤滑剤の散逸が防止される。このため、潤滑剤を密封するためのシールが不要となり、球面すべり軸受1を簡易でコンパクトな構成とすることができる。
[植毛について]
柔軟性構造体としての前記植毛部6,7に用いられる繊維の種類、その植毛方法等について説明する。
植毛部は、短繊維を植毛して形成される。植毛方法としては、静電植毛、静電吹付け植毛等を採用できる。静電植毛は、加工素材に接着剤を塗布し、高電圧電極により静電界を作り、その静電吸引力で短繊維を接着剤に立毛させる技術である。静電植毛の特長は、複雑形状でも容易にかつ均一に加工することができること、金属、プラスチック、紙等の植毛対象物の材質を選ばないこと等が挙げられる。静電吹付け植毛は、静電植毛とほぼ同じ原理であるが、短繊維をエアで接着層に吹き付けることで、短繊維が基材表面に対して傾き、一定の角度で固定される特徴がある。静電吹付け植毛は、静電植毛と比べて植毛密度が低いことから、少量の短繊維で植毛することができる。このため、量産の場合、短繊維の削減と時間短縮によるコスト削減が期待できる。
植毛に用いる短繊維としては、植毛用短繊維として使用可能であれば特に限定されず、例えば、(1)ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンテフタレート等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、ビニロン等の合成樹脂繊維、(2)カーボン繊維、グラスファイバー等の無機繊維、(3)レーヨン、アセテート等の再生繊維や、綿、絹、麻、羊毛等の天然繊維が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの植毛用繊維のうち合成樹脂繊維は、油による膨潤や溶解等が生じ難く化学的に安定であり、均質な繊維を多量に生産することができ、安価に入手することができるため、植毛に用いるのに適する。中でも、ポリアミド繊維は、耐衝撃性や耐摩耗性に優れているため、より好ましい。
短繊維の形状としては、植毛部の形成箇所において、軸受機能に悪影響を与えるような他部材との干渉がない形状であれば特に限定されない。具体的な形状としては、例えば、長さ0.5〜2.0mm、太さ0.5〜50デシテックスのものが好ましく、植毛部の短繊維の密度としては、植毛した面積あたりに繊維の占める割合が1〜30%が好ましい。短繊維の形状としてストレートやベンド(先端部が曲がった形状)があり、断面形状は円形や多角形状がある。ベンド形状は、ストレート形状と比較して、油を多く保持することができる。多角形状断面の短繊維を利用することで、円形断面の短繊維よりも大きな表面積とすることができ、油の表面張力を大きくすることができる。それぞれの特性に合わせて、短繊維の形状を選定することが好ましい。
接着剤としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等を主成分とする接着剤が挙げられる。例えば、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、エポキシ樹脂溶剤系接着剤、酢酸ビニル樹脂溶剤系接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル酸エステル‐酢酸ビニル共重合体系エマルジョン接着剤、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ポリエステル系エマルジョン接着剤、エチレン‐酢酸ビニル共重合体系接着剤等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の各実施形態においては、柔軟性構造体として、植毛部6,7が形成されている例を示したが、柔軟性構造体として、軟質発泡材または軟質樹脂材を用いてもよい。軟質発泡材としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、フェノール、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのゴムを発泡したものが挙げられる。軟質樹脂材としては、コルク材、ゴム板材、ポリエチレンや塩化ビニルなどの軟質シートが挙げられる。
[リンク作動装置]
次に、図3〜図12と共に、この発明の球面すべり軸受を備えたリンク作動装置について説明する。
図3、図4はこのリンク作動装置の互いに異なる状態を示す正面図である。リンク作動装置11は、基台12と、この基台12に基端側が支持されたパラレルリンク機構13と、このパラレルリンク機構13を動作させる姿勢制御用アクチュエータ14とを備え、パラレルリンク機構13の先端側に、医療用アクチュエータ等の駆動装置が装着される。リンク作動装置11は、他に、パラレルリンク機構13の基端側のリンクハブ22と先端側のリンクハブ23とを連結する構造体15、および制御手段16(図3)を備える。
基台12は、ベース部材17、モータ取付部材18、およびリンク取付部材19からなる3層構造である。下層のベース部材17は、下端に設けた円板等の板状部17aにより、水平な設置面F上に設置される。中層のモータ取付部材18は、下端に円板等の板状部18aを有し、ベース部材17の上に設置される。上層のリンク取付部材19は、円板等の板状であり、モータ取付部材18の上に設置される。
図5はパラレルリンク機構13を三次元的に表わした斜視図である。このパラレルリンク機構13は、基端側のリンクハブ22に対し先端側のリンクハブ23を3組のリンク機構24を介して姿勢変更可能に連結したものである。なお、図3、図4では、1組のリンク機構24のみが示されている。リンク機構24の数は、4組以上であってもよい。
図5において、各リンク機構24は、基端側の端部リンク部材25、先端側の端部リンク部材26、および中央リンク部材27で構成され、4つの回転対偶からなる4節連鎖のリンク機構をなす。基端側および先端側の端部リンク部材25,26はL字状をなし、一端がそれぞれ基端側のリンクハブ22および先端側のリンクハブ23に回転自在に連結されている。中央リンク部材27は、両端に基端側および先端側の端部リンク部材25,26の他端がそれぞれ回転自在に連結されている。
パラレルリンク機構13は、2つの球面リンク機構を組み合わせた構造であって、リンクハブ22,23と端部リンク部材25,26の各回転対偶、および端部リンク部材25,26と中央リンク部材27の各回転対偶の中心軸が、基端側と先端側においてそれぞれの球面リンク中心PA,PB(図3、図4)で交差している。また、基端側と先端側において、リンクハブ22,23と端部リンク部材25,26の各回転対偶とそれぞれの球面リンク中心PA,PBからの距離も同じであり、端部リンク部材25,26と中央リンク部材27の各回転対偶とそれぞれの球面リンク中心PA,PBからの距離も同じである。端部リンク部材25,26と中央リンク部材27との各回転対偶の中心軸は、ある交差角γ(図5)を持っていてもよいし、平行であってもよい。
図6は図3のVI−VI断面図であって、同図に、基端側のリンクハブ22と基端側の端部リンク部材25の各回転対偶の中心軸O1と、中央リンク部材27と基端側の端部リンク部材25の各回転対偶の中心軸O2と、基端側の球面リンク中心PAとの関係が示されている。つまり、中心軸O1と中心軸O2とが交差する点が球面リンク中心PAである。先端側のリンクハブ23および先端側の端部リンク部材26の形状ならびに位置関係も図6と同様である(図示せず)。図示例では、リンクハブ22(23)と端部リンク部材25(26)の各回転対偶の中心軸O1と、端部リンク部材25(26)と中央リンク部材27の各回転対偶の中心軸O2とが成す角度αが90°とされているが、前記角度αは90°以外であってもよい。
3組のリンク機構24は、幾何学的に同一形状をなす。幾何学的に同一形状とは、図7に示すように、各リンク部材25,26,27を直線で表現した幾何学モデル、すなわち各回転対偶と、これら回転対偶間を結ぶ直線とで表現したモデルが、中央リンク部材27の中央部に対する基端側部分と先端側部分が対称を成す形状であることを言う。図7は、一組のリンク機構24を直線で表現した図である。この実施形態のパラレルリンク機構1は回転対称タイプで、基端側のリンクハブ22および基端側の端部リンク部材25と、先端側のリンクハブ23および先端側の端部リンク部材26との位置関係が、中央リンク部材27の中心線Cに対して回転対称となる位置構成になっている。各中央リンク部材27の中央部は、共通の軌道円上に位置している。
基端側のリンクハブ22と先端側のリンクハブ23と3組のリンク機構24とで、基端側のリンクハブ22に対し先端側のリンクハブ23が直交2軸周りに回転自在な2自由度機構が構成される。言い換えると、基端側のリンクハブ22に対して先端側のリンクハブ23を、回転が2自由度で姿勢変更自在な機構である。この2自由度機構は、コンパクトでありながら、基端側のリンクハブ22に対する先端側のリンクハブ23の可動範囲を広くとれる。
例えば、球面リンク中心PA,PBを通り、リンクハブ22,23と端部リンク部材25,26の各回転対偶の中心軸O1(図6)と直角に交わる直線をリンクハブ22,23の中心軸QA,QBとした場合、基端側のリンクハブ22の中心軸QAと先端側のリンクハブ23の中心軸QBの折れ角θ(図5)の最大値を約±90°とすることができる。また、基端側のリンクハブ22に対する先端側のリンクハブ23の旋回角φ(図5)を0°〜360°の範囲に設定できる。折れ角θは、基端側のリンクハブ22の中心軸QAに対して先端側のリンクハブ23の中心軸QBが傾斜した垂直角度のことであり、旋回角φは、基端側のリンクハブ22の中心軸QAに対して先端側のリンクハブ23の中心軸QBが傾斜した水平角度のことである。
基端側のリンクハブ22に対する先端側のリンクハブ23の姿勢変更は、基端側のリンクハブ22の中心軸QAと先端側のリンクハブ23の中心軸QBの交点Oを回転中心として行われる。図3は、基端側のリンクハブ22の中心軸QAと先端側のリンクハブ3の中心軸QBが同一線上にある状態を示し、図4は、基端側のリンクハブ22の中心軸QAに対して先端側のリンクハブ23の中心軸QBが或る作動角をとった状態を示す。姿勢が変化しても、基端側と先端側の球面リンク中心PA,PB間の距離Lは変化しない。
各リンク機構24が次の各条件を満たす場合、幾何学的対称性から基端側のリンクハブ22および基端側の端部リンク部材25と、先端側のリンクハブ23および先端側の端部リンク部材26とは同じに動く。
条件1:各リンク機構24におけるリンクハブ22,23と端部リンク部材25,26との回転対偶の中心軸O1の角度および長さが互いに等しい。
条件2:リンクハブ22,23と端部リンク部材25,26との回転対偶の中心軸O1および端部リンク部材25,26と中央リンク部材27との回転対偶の中心軸O2が、基端側および先端側において球面リンク中心PA,PBで交差する。
条件3:基端側の端部リンク部材25と先端側の端部リンク部材26の幾何学的形状が等しい。
条件4:中央リンク部材27における基端側部分と先端側部分の幾何学的形状が等しい。
条件5:中央リンク部材27の対称面に対して、中央リンク部材27と端部リンク部材25,26との角度位置関係が基端側と先端側とで同じである。
図5に示すように、基端側のリンクハブ22および先端側のリンクハブ23は、外周面を構成する6つの側面30のうちの1つ置きに離れた3つの側面30に、基端側および先端側の端部リンク部材25,26がそれぞれ回転自在に連結されている。
図6に示すように、基端側のリンクハブ22の側面30から軸部31が突出し、この軸部31の外周に2つの軸受32の内輪(図示せず)が嵌合し、基端側の端部リンク部材25の基端側の端部の内周に軸受32の外輪(図示せず)が嵌合している。つまり、内輪は基端側のリンクハブ22に固定され、外輪が基端側の端部リンク部材25と共に回転する構造である。軸受32は、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受等の玉軸受であって、ナット33による締付けでもって所定の予圧量を付与して固定されている。軸受32としては、図示例のように玉軸受を複列で配列する以外に、ローラ軸受や滑り軸受を用いてもよい。先端側のリンクハブ23と先端側の端部リンク部材26の連結部も、同様の構造である。
また、基端側の端部リンク部材25と中央リンク部材27の回転対偶部も2個の軸受35を介して互いに回転自在に連結されている。すなわち、基端側の端部リンク部材25に軸受35の外輪(図示せず)が外嵌し、中央リンク部材27に設けた軸部36に軸受35の内輪(図示せず)が外嵌している。軸受35は、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受等の玉軸受であって、ナット37による締付けでもって所定の予圧量を付与して固定されている。軸受35としては、図示例のように玉軸受を複列で配列する以外に、ローラ軸受や滑り軸受を用いてもよい。先端側の端部リンク部材26と中央リンク部材27の連結部も、同様の構造である。
図3、図4において、前記姿勢制御用アクチュエータ14は、基端側のリンクハブ22に対して基端側の端部リンク部材25を回動させることで、基端側のリンクハブ22に対する先端側のリンクハブ23の姿勢を変更させる。先端側のリンクハブ23の姿勢制御だけであれば、3組のリンク機構24のうち2組に姿勢制御用アクチュエータ14が設けられていればよい。しかし、この実施形態では、姿勢制御用アクチュエータ14が、基端側のリンクハブ22に対して先端側のリンクハブ23を任意の姿勢で静止させるように構造体15に力を発生させる力発生手段としても用いられるため、3組のリンク機構24のすべてに姿勢制御用アクチュエータ14が設けられている。
各姿勢制御用アクチュエータ14は、ロータリアクチュエータからなり、ブレーキ装置39が付設されている。ブレーキ装置39は、例えば電磁ブレーキであって、姿勢制御用アクチュエータ14の回転軸の回転をロックする機構である。姿勢制御用アクチュエータ14およびブレーキ装置39は、前記モータ取付部材18の板状部18aに縦向きに取付けられている。
図8に示すように、姿勢制御用アクチュエータ14の出力軸14aは上方に突出し、この出力軸14aとピニオン軸41とが、カップリング42を介して互いに連結されている。ピニオン軸41は、出力軸14aと同軸上に配置され、前記リンク取付部材19に設けた2個の軸受43により回転自在に支持されている。詳しくは、リンク取付部材19に形成されたホルダ嵌合孔19aに筒状のピニオン軸支持ホルダ44が嵌合し、このピニオン軸支持ホルダ44内に2個の軸受43が収容されている。ピニオン軸支持ホルダ44は、ボルト45によりリンク取付部材19に固定されている。2個の軸受43は、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受等の玉軸受であり、ピニオン軸41のつば部41aと、ピニオン軸41のねじ部41bに螺合するナット46とにより、内輪(図示せず)の軸方向位置が位置決めされ、軸支持ホルダ44のつば部44aと、前記ボルト45により軸支持ホルダ44と共にリンク取付部材19に固定された位置決め部材47とにより、外輪(図示せず)の軸方向位置が位置決めされている。
ピニオン軸41の前記つば部41aよりも上側の部分は、外周に螺旋状のギヤ歯が形成されたピニオン50とされている。一方、基端側のリンクハブ22の軸部31との回転対偶部に連結部材51が固定して取付けられ、この連結部材51に、前記ピニオン50と噛み合う螺旋状のギヤ歯が形成された扇形ギヤ52が設けられている。扇形ギヤ52の中心軸は、軸部31の中心軸と一致する。ピニオン50の中心軸と扇形ギヤ52の中心軸とは、正面視で直角の角度を持ち、かつ互いに前後にオフセットされている。すなわち、ピニオン50および扇形ギヤ52はハイポイドギヤであり、両者で力伝達機構53を構成する。ハイポイドギヤからなる力伝達機構53は、高い減速比をとることができ、正逆両方向に力の伝達が可能である。なお、連結部材51は、図6に示すように、ボルト54,55により先端側の端部リンク部材25に固定されている。
前記構造体15は、両端の接触部を基端側のリンクハブ22および先端側のリンクハブ23の被接触部にそれぞれ接触させて、基端側のリンクハブ22と先端側のリンクハブ23との間に力を発生させるものである。図9は、基端側のリンクハブ22の被接触部と構造体15の接触部との球面接触部を示す。この球面接触部は、球面すべり軸受として構成されている。図示は省略するが、先端側のリンクハブ23の被接触部も同様である。
具体的には、基端側のリンクハブ22における先端側のリンクハブ(図示せず)と対向する側の端面に、円すい状に先狭まりとなる凹部56が形成されており、この凹部56の最奥部が被接触部57とされている。被接触部57の表面は、凹球面のすべり面57aである。また、構造体15は両端部分が接触部58とされている。接触部58は、表面が凸球面のすべり面58aであり、被接触部57に摺動自在に嵌っている。被接触部57および接触部58の各すべり面57a,58aの中心は、前記基端側(先端側)の球面リンク中心PAと一致する。
前記凹部56の円すい面の傾斜角εは、基端側のリンクハブ22の中心軸QAと先端側のリンクハブ23の中心軸QBの最大折れ角をθmaxとした場合、ε=θmax/2としてある。最大折れ角をθmaxは、リンク作動装置11を通常の作業で使用した場合における折れ角θ(図5)の最大値である。パラレルリンク機構13の機構上の限界となる最大可動範囲における折れ角は、通常使用時の最大折れ角をθmaxよりも大きい。なお、図9では、凹部56の円すい面の傾斜角εを、直接示すのではなく、凹部56の円すい面に平行になったときの端部リンク部材25の角度で示している。
被接触部57のすべり面57aと接触部58のすべり面58aとの間には、グリース等の潤滑剤が介在させてある。この潤滑剤の散逸を防止するために、リンクハブ22(23)の凹部56の円すい面における被接触部57のすべり面57aに隣接する箇所に、環状の植毛部60が設けられている。植毛部60に用いられる繊維の種類や植毛方法は、前記球面すべり軸受1の植毛部6,7と同様である。後述する各植毛部80,81,83,85についても同様である。
図10に示すように、構造体15は、基端側のリンクハブ22(図示せず)の被接触部57(図示せず)に嵌る接触部58を有する基端側構造体部分62と、先端側のリンクハブ23(図示せず)の被接触部57(図示せず)に嵌る接触部58を有する先端側構造体部分63とでなり、基端側構造体部分62の雌ねじ部62aと先端側構造体部分63の雄ねじ部63aとが螺合している。これら雄ねじ部62aと雌ねじ部63aのねじ込み量を変えることで、基端側構造体部分62および先端側構造体部分63の各接触部58の中心間距離Mが変更される。基端側構造体部分62に雄ねじ部(図示せず)を設け、先端側構造体部分63に雌ねじ部(図示せず)を設けた構成としてもよい。
[構造体の他の例]
構造体15は、基端側構造体部分62と先端側構造体部分63とが互いにスライドさせることで、前記中心間距離Mを変更する構成であってもよい。
図11に示す構造体15は、基端側構造体部分62に筒状の基端側スライド部62bを設け、先端側構造体部分63に前記基端側スライド部62bにスライド自在な先端側スライド部63bを設けて、基端側構造体部分62および先端側構造体部分63を互いにスライド可能としている。基端側スライド部62bと先端側スライド部63bとで形成された空間部64には空気、水、油等の流体が封入されており、この流体の圧力により、基端側のリンクハブ22と先端側のリンクハブ23との間に発生する力を制御している。空間部64には、管継手65を介して外部から流体を供給可能である。空間部64内に流体を出し入れすることで、基端側スライド部62bおよび先端側スライド部63bを互いに摺動させて、前記中心間距離Mを変更する。基端側スライド部62bと先端側スライド部63bとの接触面は、例えば滑り軸受構造になっている。両スライド部62b,63bの隙間が小さいほど、空間部64からの流体の漏れが少ないため、大きな力を発生できる。
図12に示す構造体15も、前記同様に、基端側構造体部分62に筒状の基端側スライド部62bを設け、先端側構造体部分63に前記基端側スライド部62bにスライド自在な先端側スライド部63bを設けて、基端側構造体部分62および先端側構造体部分63を互いにスライド可能としている。基端側スライド部62bと先端側スライド部63bとの間の空間に、圧電アクチュエータ66が設けられている。圧電アクチュエータ66は、配線67により外部の電源に繋がっている。圧電アクチュエータ66に電圧をかけることにより、この圧電アクチュエータ66が伸縮し、前記中心間距離Mが変更する。
構造体15が図10、図11、図12のいずれの構成であっても、構造体15を介して基端側のリンクハブ22と先端側のリンクハブ23との間に発生させる力の大きさを容易に調整することができる。
[制御装置]
図3において、制御手段16は、コンピュータによる数値制御式のものであり、基端側のリンクハブ22に対する先端側のリンクハブ23の姿勢を設定する姿勢設定手段70と、基端側のリンクハブ22に対する先端側のリンクハブ23の姿勢を検出する姿勢検出手段71と、姿勢制御用アクチュエータ14のトルクを検出するトルク検出手段72とからの信号に基づき、姿勢制御用アクチュエータ14および電磁ブレーキ39に出力指令を与える。姿勢設定手段70は、例えば折れ角θ(図5)および旋回角φ(図5)を規定することで、先端側のリンクハブ23の姿勢を設定する。姿勢検出手段71は、例えば基端側の端部リンク部材25の回転角βn(図5におけるβ1,β2)を検出する。折れ角θおよび旋回角φと、各回転角βnとは相互関係があり、一方の値から他方の値を導くことができる。
基端側のリンクハブ22に対し先端側のリンクハブ23を任意の姿勢で静止させる場合は、基端側のリンクハブ22および先端側のリンクハブ23の各被接触部57と構造体15の接触部58との間に作用する接触力が大きくなるように各姿勢制御用アクチュエータ14を制御する。言い換えると、基端側のリンクハブ22と先端側のリンクハブ23間に力が発生するように各姿勢制御用アクチュエータ14を制御する。それにより、基端側のリンクハブ22および先端側のリンクハブ23の球面リンク中心PA,PB間の距離Lが微小に変動し、基端側のリンクハブ22および先端側のリンクハブ23の被接触部57に作用する接触力の大きさが変わる。具体的には、接触力が大きくなる。この接触力に抗して先端側のリンクハブ23を一定の姿勢に保とうとするため、姿勢調整時におけるパラレルリンク機構13の剛性が向上する。
また、上記各姿勢制御用アクチュエータ14の制御において、それぞれが発生する力が互いに干渉し合う方向に各姿勢制御用アクチュエータ14を駆動させる。各姿勢制御用アクチュエータ14の発生する力が互いに干渉し合えば、基端側のリンクハブ22に対する先端側のリンクハブ23の姿勢変化が抑制され、パラレルリンク機構13に力が作用する。それにより、球面リンク中心PA,PB間の距離Lの変動が抑えられて、パラレルリンク機構13の剛性がより一層向上する。
基端側のリンクハブ22に対し先端側のリンクハブ23を姿勢変更する場合は、姿勢設定手段70により設定された先端側のリンクハブ23の姿勢に応じて、基端側の端部リンク部材25の回転角βnの制御目標値を計算する。上記回転角βnは、姿勢制御用アクチュエータ14の動作位置を意味する。βnの計算は、下記の式1を逆変換することで行われる。逆変換とは、折れ角θおよび旋回角φから基端側の端部リンク部材25の回転角βnを算出する変換のことである。
cos(θ/2)sinβn−sin(θ/2)sin(φ+δn)cosβn+sin(γ/2)=0
…(式1)
ここで、γ(図5)は、基端側の端部リンク部材25に回転自在に連結された中央リンク部材27の連結端軸と、先端側の端部リンク部材26に回転自在に連結された中央リンク部材27の連結端軸とが成す角度である。δn(図5におけるδ1,δ2,δ3)は、基準となる基端側の端部リンク部材25に対する各基端側の端部リンク部材25の円周方向の離間角である。
回転角βnの制御目標値を計算したなら、3つの姿勢制御用アクチュエータ14のうち2つの姿勢制御用アクチュエータ14については、前記回転角βnが制御目標値となるように、姿勢検出手段71の信号を利用してフィードバック制御する。残りの1つの姿勢制御用アクチュエータ14については、この姿勢制御用アクチュエータ14の発生するトルクが定められた制御目標値となるように、トルク検出手段72の信号を利用してフィードバック制御する。
このように、2つの姿勢制御用アクチュエータ14を位置制御することにより、基端側のリンクハブ22に対する先端側のリンクハブ23の姿勢が決定される。残りの姿勢制御用アクチュエータ14はトルク制御とすることで、前記2つの姿勢制御用アクチュエータ14の駆動力を低減することができ、姿勢制御用アクチュエータ14を小型・コンパクト化できる。すべての姿勢制御用アクチュエータ14を位置制御した場合、すべての姿勢制御用アクチュエータ14の位置を協調させながら駆動する必要があるため、動作速度が遅くなるが、2つの姿勢制御用アクチュエータ14だけを位置制御させるのであれば、姿勢制御用アクチュエータ14のスムーズな動作が可能になり、動作速度が速くなる。
この実施形態のように、正逆両方向に力の伝達が可能な力伝達機構53が設けられている場合、上記制御に代えて、以下のように制御してもよい。すなわち、3つの姿勢制御用アクチュエータ14のうち2つの姿勢制御用アクチュエータ14については、前記同様に位置制御し、残りの1つの姿勢制御用アクチュエータ14については、フィードバック制御機能をオフした状態であるサーボオフ状態で動作させる。位置制御される2つの姿勢制御用アクチュエータ14で駆動される基端側の端部リンク部材25のトルクが、力伝達機構53を介して残りの1つの姿勢制御用アクチュエータ14に伝達されるため、残りの1つの姿勢制御用アクチュエータ14をサーボオフ状態でも動作させることが可能である。
姿勢変更中の先端側のリンクハブ23を静止させるときは、ブレーキ装置39により姿勢制御用アクチュエータ14の回転軸にブレーキをかけて、各姿勢制御用アクチュエータ14を回転停止させる。それにより、姿勢制御用アクチュエータ14にトルクが伝達されても一定の角度を保てるため、姿勢調整時におけるリンク作動装置1全体の剛性が向上する。
図14は、前記姿勢検出手段71の一例の概略構成図である。この姿勢検出手段71は、パラレルリンク機構13の3つの基端側の端部リンク部材25のうち2つ以上に設けられた回転角検出手段91を有する。図例では、2つの回転角検出手段91により、2つの基端側の端部リンク部材25の回転角を検出する。例えば、回転角検出手段91はロータリエンコーダであり、その回転軸91aが、基端側のリンクハブ22の軸部31に設けた孔94に固定状態で挿入されている。
上記2つの回転角検出手段91の出力信号は、角度算出手段95に送られる。角度算出手段95は、上記出力信号より、先端側のリンクハブ23の位置および姿勢を表す折れ角θ(図5)および旋回角φ(図5)を算出し、それを制御手段16に送る。
なお、上記角度算出手段95による折れ角θおよび旋回角φの算出は、前記式1を順変換することで行われる。順変換とは、基端側の端部リンク部材25の回転角度から折れ角θおよび旋回角φを算出する変換のことである。
[リンク作動装置の作用]
このリンク作動装置1は、基端側のリンクハブ22に対し先端側のリンクハブ23が直交2軸方向に移動自在な2自由度機構として構成されており、コンパクトでありながら、先端側のリンクハブ23の可動範囲を広くとれる。そのため、先端側のリンクハブ23に搭載される医療用アクチュエータ等の駆動装置の操作性が良い。また、3組のリンク機構24のすべてに姿勢変更用アクチュエータ14を設けたことにより、構造体15により基端側のリンクハブ22と先端側のリンクハブ23との間に力を発生させた場合に、パラレルリンク機構13に予圧がかかった状態となり、パラレルリンク機構13のガタつきが少なく、かつ剛性が高い。構造体15により基端側のリンクハブ22と先端側のリンクハブ23との間に力を発生させない場合でも、先端側のリンクハブ23に力が作用したときに、角度制御されていないフリーのリンク機構24が存在しないため、パラレルリンク機構13の剛性が高く、先端側のリンクハブ23の姿勢調整精度が良い。
また、このリンク作動装置11には、基端側のリンクハブ22および先端側のリンクハブ23の被接触部57にそれぞれ接触して基端側のリンクハブ22と先端側のリンクハブ23を連結する構造体15が設けられているため、この構造体15により基端側のリンクハブ22と先端側のリンクハブ23との間に力を発生、すなわち予圧を与えることにより、パラレルリンク機構13のガタを無くし、剛性を向上させることができる。その結果、基端側のリンクハブ22に対する先端側のリンクハブ23の姿勢調整精度が向上する。構造体15は、両端の各接触部58の中心間距離Mを変更可能であるため、上記予圧量を容易に調整できる。
基端側のリンクハブ22および先端側のリンクハブ23の外周面から軸部31が突出し、この軸部31と、基端側および先端側の端部リンク部材25,26とを互いに回転可能に連結させたため、基端側のリンクハブ22および先端側のリンクハブ23の中央部に広いスペースを確保することができる。そのため、その広いスペースに被接触部57を容易に形成することができる。
リンクハブ22,23の被接触部57と構造体15の接触部58は球面すべり軸受として構成されているため、基端側のリンクハブ22に対する先端側のリンクハブ23の姿勢が変わっても、被接触部57と接触部58が常に接触する状態に維持され、リンク作動装置1の動作に影響を与えない。
被接触部57のすべり面57aと接触部58のすべり面58aとの間にグリース等の潤滑剤が注入されているため、被接触部57と接触部58との摺動が滑らかに行われる。リンクハブ22,23の凹部56の円すい面における被接触部57のすべり面57aに隣接する箇所に植毛部60が設けられているため、潤滑剤の散逸を防止することができる。
すなわち、被接触部57のすべり面57aの縁部に設けられた植毛部60によって、すべり面57aに付着している潤滑剤がすべり面57aの外側へ移動することが規制される。また、接触部58のすべり面58aの一部が被接触部57のすべり面57aから外れるまで動作した場合、接触部58のすべり面58aに付着している潤滑剤のうち余分な潤滑剤が植毛部60に保持されることで、前記余分な潤滑剤が接触部58のすべり面58aから離脱することが抑制される。
このように、植毛部60によって潤滑剤の散逸が防止されるため、潤滑剤の散逸を防止するためのシールが不要である。シールが無いと、シールが構造体15と干渉することがなくなり、構造体15の可動範囲が制限されない。その結果、リンク作動装置1の可動範囲を広くすることができる。
[他の球面接触部]
図14は、図9とは異なる箇所に植毛部が設けられた球面接触部を示す。この球面接触部は、構造体15における接触部58に隣接する部分の表面部に、全周にわたって植毛部80が設けられている。構造体15における接触部58に隣接する部分は丸棒状である。植毛部80の構造体15の長さ方向の植毛範囲は、すべり面58aとの境界位置aから、構造体15が凹部56の円すい面に当たるまで傾いた状態における凹部56の縁との当接位置bの付近までとされている。また、この植毛範囲に植え付けられる繊維の長さは、境界位置a付近では長く、境界位置aから離れるに従って短くなり、当接位置bでは長さが殆どなくなる。構造体15が凹部56の円すい面に当たるまで傾いた状態での構造体15の傾斜角ζは、凹部56の円すい面の傾斜角ε(=θmax/2)よりも大きく、パラレルリンク機構13の機構上の限界となる最大可動範囲の折れ角よりも小さい。
図9の球面接触部によると、図14のように、パラレルリンク機構13が通常の動作時に動く範囲である通常可動範囲を超えて動作するとき、すなわち構造体15の傾斜角がθmax/2よりも大きくなったとき、植毛部80に保持されている潤滑剤が、被接触部57のすべり面57aに付着する。従って、被接触部57と接触部58間に潤滑剤不足が生じた場合、通常可動範囲を超える作動域にパラレルリンク機構13を動作させるだけで、すべり面57aに潤滑剤を補充することができる。
図15は、さらに異なる球面接触部を示す。この球面接触部の植毛部81は、接触部58のすべり面58aの縁部に円周溝82が形成され、この円周溝82に植毛が施されている。このように、円周溝82に植毛が施されていると、円周溝82に潤滑剤が溜まり易いため、植毛部81に保持される潤滑剤の量が多くなる。被接触部57のすべり面57aの縁部に円周溝を形成し、この円周溝に植毛を施してもよい(図示せず)。
前記各実施形態の球面接触部は、被接触部57のすべり面57aが凹球面で、接触部58のすべり面58aが凸球面であるが、逆であってもよい。図16はその一例であって、基端側のリンクハブ22および先端側のリンクハブ23に、凸球面のすべり面57aを有する被接触部57が設けられ、かつ構造体15の両端に、凹球面のすべり面58aを有する接触部58が設けられ、被接触部57と接触部58とがすべり接触している。この場合も、前記同様に構造体15が作用して、パラレルリンク機構13の剛性を向上させることができる。
上記のように、被接触部57のすべり面57aが凸球面である場合、図17に示すように、被接触部57のすべり面57aの縁部に植毛部83を設けるとよい。また、図18に示すように、被接触部57のすべり面57aの縁部に円周溝84を形成し、この円周溝84に植毛を施すことで、植毛部85を設けてもよい。いずれであっても、前記同様に、潤滑剤の散逸が防止することができる。特に図18の構成であると、植毛部75に保持される潤滑剤の量が多くなる。
以上、実施例に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、ここで開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…球面すべり軸受
2…外輪
2a…すべり面
3…内輪
3a…すべり面
6,7…植毛部(柔軟性構造体)
11…リンク作動装置
13…パラレルリンク機構
14…姿勢制御用アクチュエータ(力発生手段)
15…構造体
22…基端側のリンクハブ
23…先端側のリンクハブ
24…リンク機構
25…基端側の端部リンク部材
26…先端側の端部リンク部材
27…中央リンク部材
57…接触部
57a…すべり面
58…接触部
58a…すべり面
60,80,81,83,85…植毛部(柔軟性構造体)
62…基端側構造体部分
62a…雌ねじ部
62b…基端側スライド部
63…先端側構造体部分
63a…雄ねじ部
63b…先端側スライド部
64…空間部
82,84…円周溝
PA…基端側のリンクハブの球面リンク中心
PB…先端側のリンクハブの球面リンク中心

Claims (11)

  1. 凹球面のすべり面を有する外輪と、この外輪の前記すべり面と摺動自在な凸球面のすべり面を有する内輪とを備え、前記外輪または前記内輪の一部に、前記外輪のすべり面と前記内輪のすべり面との間に介在する潤滑剤を保持する柔軟性構造体が設けられていることを特徴とする球面すべり軸受。
  2. 請求項1に記載の球面すべり軸受において、前記柔軟性構造体が前記外輪の前記すべり面の縁部に設けられている球面すべり軸受。
  3. 請求項1に記載の球面すべり軸受において、前記柔軟性構造体が前記内輪の前記すべり面の縁部に設けられている球面すべり軸受。
  4. 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有するパラレルリンク機構を備え、前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に制御する姿勢制御用アクチュエータが設けられたリンク作動装置において、
    前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに形成された各被接触部に、両端に形成された各接触部が接触して、前記基端側のリンクハブと前記先端側のリンクハブとを互いに連結する構造体と、前記基端側のリンクハブに対して前記先端側のリンクハブを任意の姿勢で静止させるように、前記構造体を介して前記基端側のリンクハブと前記先端側のリンクハブとの間に力を発生させる力発生手段とが設けられ、
    前記基端側のリンクハブまたは前記先端側のリンクハブの前記被接触部、および前記構造体の前記接触部は、互いにすべり接触する凹球面および凸球面のすべり面をそれぞれ有し、前記被接触部と前記接触部とで請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の球面すべり軸受が構成されていることを特徴とするリンク作動装置。
  5. 請求項4に記載のリンク作動装置において、前記柔軟性構造体が設けられる箇所は、前記パラレルリンク機構が通常の動作時に動く範囲である通常可動範囲を超えて前記パラレルリンク機構が動作するときに、前記被接触部および前記接触部の両方またはどちらか一方が前記柔軟性構造体に接触する箇所であるリンク作動装置。
  6. 請求項5に記載のリンク作動装置において、前記柔軟性構造体は、前記被接触部および前記接触部の両方またはどちらか一方に形成された円周溝に植毛を施したものであるリンク作動装置。
  7. 請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載のリンク作動装置において、前記基端側のリンクハブと前記基端側の端部リンク部材の各回転対偶の中心軸、および前記基端側の端部リンク部材と前記中央リンク部材の各回転対偶の中心軸がそれぞれ交差する点を基端側の球面リンク中心と称し、前記先端側のリンクハブと前記先端側の端部リンク部材の各回転対偶の中心軸、および前記先端側の端部リンク部材と前記中央リンク部材の各回転対偶の中心軸がそれぞれ交差する点を先端側の球面リンク中心と称する場合、前記被接触部の前記すべり面の球面中心および前記接触部の前記すべり面の球面中心は、前記基端側の球面リンク中心または前記先端側の球面リンク中心と一致するリンク作動装置。
  8. 請求項7に記載のリンク作動装置において、前記構造体は、前記基端側のリンクハブの前記被接触部と接触する前記接触部を有する基端側構造体部分と、前記先端側のリンクハブの前記被接触部と接触する前記接触部を有する先端側構造体部分とを備え、これら基端側構造体部分および先端側構造体部分のうち一方は雄ねじ部を有し、他方は前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有し、これら雄ねじ部と雌ねじ部のねじ込み量を変えることで、前記基端側構造体部分および前記先端側構造体部分の各接触部の前記球面中心間の距離が変更されるリンク作動装置。
  9. 請求項7に記載のリンク作動装置において、前記構造体は、前記基端側のリンクハブの前記被接触部と接触する前記接触部を有する基端側構造体部分と、前記先端側のリンクハブの前記被接触部と接触する前記接触部を有する先端側構造体部分とを備え、これら基端側構造体部分および先端側構造体部分に、各接触部の前記球面中心間を結ぶ直線に沿って互いにスライド自在な基端側スライド部および先端側スライド部がそれぞれ設けられたリンク作動装置。
  10. 請求項9に記載のリンク作動装置において、前記基端側構造体部分と前記先端側構造体部分とで空間部が形成され、この空間部に流体を出し入れすることで、前記基端側スライド部および前記先端側スライド部が互いにスライドさせるリンク作動装置。
  11. 請求項4ないし請求項10のいずれか1項に記載のリンク作動装置において、前記3組以上のリンク機構のすべてに前記姿勢制御用アクチュエータが設けられ、これら姿勢制御用アクチュエータが前記力発生手段であり、前記姿勢制御用アクチュエータにより前記基端側のリンクハブに対し前記先端側のリンクハブを任意の姿勢で静止させるとき、前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブの前記被接触部と前記構造体の前記接触部との間に作用する接触力が大きくなるように前記姿勢制御用アクチュエータを制御する制御手段が設けられたリンク作動装置。
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