JP2018159402A - クラッチ内蔵プーリユニット - Google Patents

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政義 山田
Masayoshi Yamada
政義 山田
齋藤 隆英
Takahide Saito
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Abstract

【課題】クラッチ内蔵プーリユニットにおいて、シールドカバーにより水や異物の侵入防止性能をより高める。
【解決手段】プーリ5と、プーリ5の内側に組込まれたプーリハブ6と、プーリ5とプーリハブ6との間に組み込まれたクラッチ8と、プーリ5とプーリハブ6との間の環状空間の軸方向開口部を覆うシールドカバー20と、シールドカバー20によって前記環状空間の内外間に形成された微小間隙からなるラビリンスシール部Sとを備えたクラッチ内蔵プーリユニットにおいて、ラビリンスシール部Sに臨むシールドカバー20の表面に繊維材、軟質発泡材又は軟質樹脂からなる柔軟性構造体30が形成されているクラッチ内蔵プーリユニットPとした。プーリ5とプーリハブ6との間には転がり軸受10が組み込まれ、ラビリンスシール部Sは、シールドカバー20とプーリ5との間と、シールドカバー20と転がり軸受10の軸受外輪12の端面12aとの間にそれぞれ設けられる。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転トルクの伝達と遮断とを行なうクラッチを備えたクラッチ内蔵プーリに関するものである。
一般に、自動車等のエンジンのクランクシャフトの回転をベルトを介して各種補機類に伝達する補機駆動装置において、その補機類、例えば、パワーステアリング装置の油圧ポンプやエアコンディショナの圧縮機、あるいは、オルタネータ等の回転軸と、その回転軸に設けられたプーリとの間にクラッチが組込まれる。
このクラッチには一方向クラッチが採用され、クランクシャフトの回転の角速度が増加する時に、回転軸とプーリとを結合させて前記クランクシャフトの回転を回転軸に伝え、また、角速度が減少する時に、一方向クラッチをオーバランニングさせて、回転軸からクランクシャフトへの回転トルクの伝達を遮断し、ベルトの滑りを防止するように機能する。このようなクラッチを内蔵したプーリを、クラッチ内蔵プーリと称している。
また、自動車用エンジンの補機類以外の各種用途においても、同軸状の内方部材と外方部材とが相対回転可能に配置され、その内方部材と外方部材のうち、入力側の一方向への回転のみを出力側へ伝達し、入力側の反対方向への回転は出力側へ伝達しないようにしたクラッチ内蔵プーリユニットが用いられる。
クラッチとしては、外方部材の内周面と内方部材の外周面との間の空間に、多数の係合子が組み込まれたものが用いられる。この係合子としては、例えば、スプラグやローラ等が採用される(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2003−4123号公報 特開2002−21982号公報
上記のようなクラッチ内蔵プーリユニットを、例えば、自動車の補機駆動装置として用いる場合、車体の下方において外部に露出して取付けされる場合が多い。このため、走行中に、車輪によって跳ね上げられる水や異物が内部に侵入し、クラッチの寿命に影響を及ぼす可能性がある。
そこで、特許文献1,2に記載されたクラッチ内蔵プーリユニットでは、プーリとプーリハブとの間に形成される環状空間の軸方向開口部を閉じるシールドカバーを配置し、そのシールドカバーによって、クラッチの内部に水や異物が侵入するのを防止している。
しかし、上記のシールドカバーは、外輪やプーリとの間で微小間隙からなる非接触密封部、いわゆるラビリンスシール部を形成する構成であるため、シールドカバーによって環状空間を完全密閉することができない。このため、微小間隙から環状空間内に水や異物が侵入する可能性は排除できない。また、微小間隙の寸法をより小さくすることにより水や異物の侵入防止性能を高めることができるが、このような寸法の縮小は、製品を製造する上でのコスト、管理上のコストの増大にも繋がる。
そこで、この発明の課題は、クラッチ内蔵プーリユニットにおいて、シールドカバーによる水や異物の侵入防止性能をより高めることである。
上記の課題を解決するために、この発明は、プーリと、前記プーリの内側に組込まれたプーリハブと、前記プーリと前記プーリハブとの間に組み込まれたクラッチと、前記プーリと前記プーリハブとの間の環状空間の軸方向開口部を覆うシールドカバーと、前記シールドカバーによって前記環状空間の内外間に形成された微小間隙からなるラビリンスシール部とを備えたクラッチ内蔵プーリユニットにおいて、前記ラビリンスシール部に臨む前記シールドカバーの表面に繊維材、軟質発泡材又は軟質樹脂からなる柔軟性構造体が設けられているクラッチ内蔵プーリユニットを採用した。
前記ラビリンスシール部は、前記シールドカバーと前記プーリとの間に設けられ、前記柔軟性構造体は、前記プーリに対向して設けられる構成を採用することができる。
また、前記プーリと前記プーリハブとの間に組み込まれた転がり軸受を備え、前記ラビリンスシール部は、前記シールドカバーと前記転がり軸受の軸受外輪の端面との間に設けられ、前記柔軟性構造体は、前記軸受外輪の端面に対向して設けられる構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記シールドカバーは、前記環状空間の軸方向開口部に対して軸方向に対向する基板と、前記基板から軸方向内側へ伸びる立上り部と、前記立上り部から外径方向へ伸びる外径方向張出し部とを備え、前記ラビリンスシール部は、前記外径方向張出し部と前記プーリの端面との間に設けられ、前記柔軟性構造体は、前記プーリの端面に対向する前記外径方向張出し部に設けられる構成を採用することができる。
このとき、前記シールドカバーが、前記外径方向張出し部の内径側端よりも軸方向内側へ伸びる軸方向張出し部を備える態様において、前記ラビリンスシール部は、前記軸方向張出し部と前記プーリの内径面との間に設けられ、前記柔軟性構造体は、前記プーリの内径面に対向する前記軸方向張出し部に設けられる構成を採用することができる。
また、前記シールドカバーが、前記外径方向張出し部の内径側端よりも軸方向内側へ伸びる軸方向張出し部を備える態様において、前記ラビリンスシール部は、前記軸方向張出し部と前記軸受外輪の端面との間に設けられ、前記柔軟性構造体は、前記軸受外輪の端面に対向する前記軸方向張出し部に設けられる構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記柔軟性構造体は、前記シールドカバーの表面に形成された接着剤層と、その接着剤層に植え付けられた多数の繊維材で構成することができる。
前記繊維材は、前記シールドカバーの表面の根本部から伸びてその先端部が前記ラビリンスシール部の対向面に至る構成を採用することができる。
この発明は、ラビリンスシール部に臨むシールドカバーの表面に繊維材、軟質発泡材又は軟質樹脂からなる柔軟性構造体を設けたので、シールドカバーによる水や異物の侵入防止性能をより高めることができる。
この発明の一実施形態を示し、(a)は、一部縦断面図、(b)は(a)の要部拡大図 同実施形態のクラッチ内蔵プーリユニットの分解図 (a)はシールドカバーの内面側からの斜視図、(b)はシールドカバーの外面側からの斜視図 (a)(b)は、それぞれ植毛部の例を示す要部拡大図
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、一実施形態のクラッチ内蔵プーリユニットPの要部を、図2は、その全体図を示している。図2では、クラッチ内蔵プーリユニットPのシールドカバー20を取り外した状態を示している。以下、クラッチ内蔵プーリユニットPを、単にプーリユニットPと称する。
図1及び図2に示すように、プーリ5は、ベルトの当たり面である外周面に、複列のV溝を備えている。また、プーリ5の内側に、クラッチ8を介して軸状の又は円筒状のプーリハブ6が組込まれている。
この実施形態のプーリハブ6は、その軸心に軸方向の孔7を備え、回転軸を挿通できるようになっている。また、その外面全周にやや大径のカムリング部を一体に備えている。さらに、プーリハブ6は、カムリング部の軸方向両側に一対の円筒面を備えている。一対の円筒面のそれぞれとプーリ5の内径面5bとの間に、転がり軸受10が組み込まれている。
転がり軸受10は、プーリユニットPの軸方向外側寄りの端部にのみ、シールリング15を備えた片シール付きタイプとなっている。対の転がり軸受10によって、プーリ5とプーリハブ6とが相対的に軸周り回転自在となっている。この実施形態では、転がり軸受10は、軸受内輪11と軸受外輪12との間に転動体13としてボールを配置した深溝玉軸受となっているが、深溝玉軸受以外の他の形式の転がり軸受10を採用してもよい。
クラッチ8は、一方向クラッチである。クラッチ8は、プーリ5の内径面に圧入された外方部材2と、内方部材1として機能する前記カムリング部、内方部材1と外方部材2との間に配置された複数の係合子3とを備えている。
この実施形態のクラッチ8は、ローラ式クラッチである。外方部材2の内径面2aは円筒面である。内方部材1のカムリング部は、その外径面1aに、外方部材2の内径面2aとの間で周方向へのくさび状空間を形成する複数のカム面を、周方向に沿って間隔をおいて備えている。係合子3としてはローラを採用している。ローラからなる係合子3は、内方部材1と外方部材2との間の環状空間に周方向に沿って複数配置され、保持器4によって周方向に保持されている。保持器4には、各カム面に対向してポケットが形成されているので、各ポケット内に係合子3が保持される。また、係合子3は、弾性部材によって、くさび状空間の狭小部に向けて付勢されている。
クラッチ8がスプラグ式クラッチで構成される場合もある。スプラグ式のクラッチ8では、外方部材2の内径面2a、内方部材1の外径面1aがそれぞれ円筒面である。係合子3としては、内径側、外径側にそれぞれカム面を備えたスプラグを採用している。スプラグからなる係合子3は、内方部材1と外方部材2との間の環状空間に周方向に沿って複数配置され、保持器4のポケット内に保持される。また、係合子3は、弾性部材によって係合方向に付勢されている。
軸方向両側の転がり軸受10,10間において、環状空間内には潤滑材としてグリースが封入されている。転がり軸受10,10とクラッチ8は、この潤滑材で潤滑されている。
このプーリユニットPは、例えば、プーリ5を備えた外方部材2が駆動側、プーリハブ6の内方部材1が従動側である場合に、各係合子3は、プーリ5と共に外方部材2が内方部材1に対して軸周り一方向へ相対回転したとき、内径面1aと外径面2aに係合して外方部材2の回転トルクを内方部材1に伝達する。また、各係合子3は、外方部材2が内方部材1に対して軸周り他方向に相対回転したり、あるいは、軸周り一方向に回転する外方部材2に対して同方向に回転する内方部材1の回転速度が外方部材2の回転速度を上回った場合に、内径面1aと外径面2aに対する係合を解除して、内方部材1から外方部材2への回転伝達を遮断するようになっている。
このようなプーリユニットPを、例えば、オルタネータの回転軸に取付けて、クランクシャフトに取付けられたプーリと、その回転軸上のプーリ間にベルトを掛け渡してオルタネータを駆動する。クランクシャフトの角速度増加時、クラッチ8が係合状態となり、クランクシャフトの回転がオルタネータの回転軸に伝達される。また、クランクシャフトの角速度減少時、クラッチ8が空転状態となって、オルタネータの回転軸からクランクシャフトへの回転伝達が遮断されることになる。このため、プーリ5とこれにかかるベルトの相互間で滑りが生じるのが防止され、ベルトの摩耗を抑制することができる。
プーリユニットPには、自動車補機の回転軸に対する組付け状態で軸方向外側となる端面に、合成樹脂の成形品からなるシールドカバー20が取り付けられている。このシールドカバー20は円板状であり、その外径は、プーリ5の軸方向端部の内周部を全体にわたって覆うことができる大きさとなっている。このため、シールドカバー20は、プーリ5とプーリハブ6との間の環状空間の軸方向開口部を覆うことができるようになっている。
シールドカバー20によって、プーリ5とプーリハブ6との間の環状空間の軸方向開口部を覆うので、環状空間内に水や異物が侵入することを防止している。また、シールドカバー20によって、環状空間の内外間を結ぶ微小間隙が形成されており、この微小間隙によってラビリンスシール部Sを構成している。このラビリンスシール部Sによっても、環状空間内への水や異物の侵入が防止されている。
シールドカバー20は、環状空間の軸方向開口部に対して軸方向に対向する基板21を備える。基板21は、プーリハブ6の軸心から環状空間の軸方向開口部付近、あるいは、軸方向開口部よりも外径側に至る円板状の部材である。基板21の中央には、孔7内に嵌合される嵌合用突出部22が設けられている。また、嵌合用突出部22のやや外径側には、プーリハブ6の外周に係合する係合部23が設けられている。係合部23の爪が、プーリハブ6の外周に設けた係止凹部に係合することで、嵌合用突出部22とともに抜け止めの機能を果たしている。
基板21の外径寄りの部分には、軸方向内側へ、すなわち、クラッチ8側へ伸びる立上り部24を備えている。立上り部24は、軸周り全周に亘って連続的に設けられている円筒状部材である。
また、シールドカバー20は、その立上り部24から外径方向へ伸びる外径方向張出し部25を備えている。さらに、シールドカバー20は、外径方向張出し部25の内径側端よりも軸方向内側へ伸びる軸方向張出し部26を備えている。軸方向張出し部26は、立上り部24に連続する円筒状部材となっている。
ラビリンスシール部Sは、シールドカバー20とプーリ5との間に設けられていてもよいし、シールドカバー20と転がり軸受10の軸受外輪12との間に設けられていてもよい。あるいは、ラビリンスシール部Sは、この実施形態のように、シールドカバー20とプーリ5との間と、シールドカバー20と転がり軸受10の軸受外輪12との間の両方に設けられていてもよい。
この実施形態では、図1(b)に示すように、ラビリンスシール部Sは、シールドカバー20の外径方向張出し部25の内側面25aと、プーリ5の端面5aとの間の微小間隙aによって構成されている。また、そのラビリンスシール部Sは、軸方向張出し部26の外径面26aと、プーリ5の内径面5bとの間の微小間隙bによっても構成されている。さらに、ラビリンスシール部Sは、軸方向張出し部26の軸方向端面26bと、軸受外輪12の端面12aとの間の微小間隙cによっても構成されている。微小間隙a,b,cが互いに屈曲した状態で接続されていることから、そのラビリンスシール部Sのシール効果が高められている。
このラビリンスシール部Sの微小間隙に臨むシールドカバー20の表面に、繊維材、軟質発泡材又は軟質樹脂からなる柔軟性構造体30が設けられている。この実施形態の柔軟性構造体30は、部材の対象面に接着剤層31を形成し、その接着剤層31に繊維材32が植え付けられて、接着剤層31の固化により繊維材32を固定した植毛部である。以下、この実施形態の柔軟性構造体30を、植毛部30と称する。
植毛部30を設けたことによって、ラビリンスシール部Sの微小間隙を、より小さく設定した場合と同じ効果が期待できる。これにより、ラビリンスシール部Sのシール効果を高めることができる。一般に、ラビリンスシール部Sの微小間隙の寸法の縮小は、製造上のコストや管理上のコストの増大に繋がりやすいが、植毛部30の形成により、実質的に微小間隙の寸法の縮小と同じ効果が期待できるので、コストの上昇を伴うことなくシール性の向上を実現できる。
この実施形態では、図1(b)に示すように、ラビリンスシール部Sは、シールドカバー20とプーリ5との間に設けられているので、植毛部30は、プーリ5に対向して設けられている。具体的には、植毛部30は、プーリ5の端面5aに対向する外径方向張出し部25の内側面25aに設けられている。また、植毛部30は、プーリ5の内径面5bに対向する軸方向張出し部26の外径面26aにも設けられている。
また、この実施形態では、ラビリンスシール部Sは、シールドカバー20と転がり軸受10の軸受外輪12の端面12aとの間にも設けられているので、植毛部30は、軸受外輪12の端面12aに対向する軸方向張出し部26の軸方向端面26bにも設けられている。
このように、植毛部30を設ける箇所の母材の面方向が、ラビリンスシール部Sの流路の方向に沿って屈曲しているので、より高いシール性能が期待できる。
これらの植毛部30における繊維材32の長さや太さ、植毛する繊維材32の密度等は、ラビリンスシール部Sに求められるシール性能に基づいて適宜設定できる。例えば、繊維材32を、シールドカバー20の表面の根本部から伸びて、その先端部がラビリンスシール部Sの対向面に至る長さに設定すれば、微小間隙の壁面間に繊維材32が架け渡された状態になるので、さらに高いシール性能が期待できる。
また、植毛部30の形成方法としては、例えば、高電圧電極による静電界を作り、その静電気の吸引力により、植毛部30を設ける対象面に短繊維の植毛を行う静電植毛の手法を採用することができる。例えば、付着させたい多数の短繊維を電極板上に置き、少し距離を隔てて、植毛の対象面を有する母材を配置する。母材(例えば、プラス側)と電極板(例えば、マイナス側)との間に高電圧を印加すると、その高電圧により電界が発生し、短繊維に分極が発生する。その結果、短繊維のマイナス電荷がプラス側である母材に引きつけられて、繊維材32が接着剤層31に付着する。このとき、繊維材32は、対象面に対して直角となるように接着剤層31に突き刺さった状態に固定される。
また、繊維材32をエアによって接着剤層に吹き付ける手法(静電吹き付け植毛)を採用することもできる。すなわち、帯電した繊維を静電吸引力で対象面の接着剤層に付着させるときに、エアで繊維を吹き付けるようにすると、繊維は、対象面の面方向に対して一定の角度で傾いて接着剤層31に固定されるようになる。このため、例えば、図4(a)に示すように、繊維材32は、対象面の面方向に対して垂直に立ち上がるように接着剤層31に固定されるようにもできるし、また、図4(b)に示すように、繊維材32は、対象面の面方向に対して傾いた状態に接着剤層31に固定されるようにもできる。図4(b)では、根本部から先端部へ向かう立ち上がり方向が異なる2種類の繊維材32を混在させて、それらを繊維材32の中ほどで交差させているが、全ての繊維材32の立ち上がり方向を同一方向に沿うようにすることもできる。
植毛部30に用いられる繊維材32としては、(1)合成樹脂繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンテフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ビニロン樹脂、等の合成樹脂からなる繊維)、(2)無機繊維(例えば、カーボン繊維、グラスファイバーなど)、(3)再生繊維(レーヨン、アセテートなど)、(4)天然繊維(綿、絹、麻、羊毛など)を用いることができるが、合成樹脂繊維を用いると好ましい。繊維材32として合成樹脂繊維を用いると、作動油による繊維材の膨潤や溶解を防止することができ、かつ低コストである。
繊維材32の太さは、10〜50デシテックスの範囲で設定することができる。また、繊維の植毛密度(柔軟性構造体33に占める繊維材35の面積割合)は10〜30%の範囲に設定することができる。繊維は、ストレート形状(全長にわたって直線形状)またはベンド形状(曲がった形状)のものを採用することができる。また、繊維材32は、円形断面または多角形断面を有するものを採用することができる。ベンド形状の繊維材32はストレート形状の繊維に比べて、潤滑剤を保持する能力が高い。また、多角形断面形状の繊維材32は、円形断面の繊維材32に比べて表面積が大きいことから、潤滑剤を保持する能力が高い。このため、潤滑油の円滑な流れを期待する場合、繊維材32は、ストレート形状で円形断面であることが望ましい。
接着剤層31は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂を主成分とする接着剤で形成されている。接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、エポキシ樹脂溶剤系接着剤、酢酸ビニル樹脂溶剤系接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン接着剤、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ポリエステル系エマルジョン接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤などが挙げられる。
なお、この実施形態では、柔軟性構造体30を繊維材32で構成した場合、つまり、毛材が植設された植毛部30からなる柔軟性構造体30について説明したが、柔軟性構造体30を繊維材32以外、例えば、軟質発泡材又は軟質樹脂材で構成してもよい。軟質発泡材としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、フェノール、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴム等のゴムを発泡したものが挙げられる。軟質樹脂材としては、コルク材、ゴム板材、ポリエチレンや塩化ビニル等の軟質シートが挙げられる。
上記の実施形態では、クラッチ8として一方向クラッチを採用したが、プーリユニットPの用途や仕様によっては、クラッチ8として一方向クラッチ以外を採用する場合も考えられる。例えば、クラッチ8として、二方向クラッチ、特に、係合方向を切替可能な二方向クラッチ等を採用することができる。
1 内方部材
1a 外径面
2 外方部材
2a 内径面
3 係合子
4 保持器
5 プーリ
5a 端面
5b 内径面
6 プーリハブ
7 孔
8 クラッチ
10 転がり軸受
11 軸受軌道輪(軸受内輪)
12 軸受軌道輪(軸受外輪)
13 転動体
14 転動体保持器
15 シールリング
20 シールドカバー
21 基板
22 嵌合用突出部
23 係合部
24 立上り部
25 外径方向張出し部
25a 内側面
26 軸方向張出し部
26a 外径面
26b 軸方向端面
30 柔軟性構造体(植毛部)
P クラッチ内蔵プーリユニット
S ラビリンスシール部

Claims (8)

  1. プーリ(5)と、
    前記プーリ(5)の内側に組込まれたプーリハブ(6)と、
    前記プーリ(5)と前記プーリハブ(6)との間に組み込まれたクラッチ(8)と、
    前記プーリ(5)と前記プーリハブ(6)との間の環状空間の軸方向開口部を覆うシールドカバー(20)と、
    前記シールドカバー(20)によって前記環状空間の内外間に形成された微小間隙からなるラビリンスシール部(S)と、
    を備えたクラッチ内蔵プーリユニットにおいて、
    前記ラビリンスシール部(S)に臨む前記シールドカバー(20)の表面に繊維材、軟質発泡材又は軟質樹脂からなる柔軟性構造体(30)が設けられている
    クラッチ内蔵プーリユニット。
  2. 前記ラビリンスシール部(S)は、前記シールドカバー(20)と前記プーリ(5)との間に設けられ、
    前記柔軟性構造体(30)は、前記プーリ(5)に対向して設けられる
    請求項1に記載のクラッチ内蔵プーリユニット。
  3. 前記プーリ(5)と前記プーリハブ(6)との間に組み込まれた転がり軸受(10)を備え、
    前記ラビリンスシール部(S)は、前記シールドカバー(20)と前記転がり軸受(10)の軸受外輪(12)の端面(12a)との間に設けられ、
    前記柔軟性構造体(30)は、前記軸受外輪(12)の端面(12a)に対向して設けられる
    請求項1又は2に記載のクラッチ内蔵プーリユニット。
  4. 前記シールドカバー(20)は、
    前記環状空間の軸方向開口部に対して軸方向に対向する基板(21)と、
    前記基板(21)から軸方向内側へ伸びる立上り部(24)と、
    前記立上り部(24)から外径方向へ伸びる外径方向張出し部(25)とを備え、
    前記ラビリンスシール部(S)は、前記外径方向張出し部(25)と前記プーリ(5)の端面(5a)との間に設けられ、
    前記柔軟性構造体(30)は、前記プーリ(5)の端面(5a)に対向する前記外径方向張出し部(25)に設けられる
    請求項1〜3のいずれか一つに記載のクラッチ内蔵プーリユニット。
  5. 前記シールドカバー(20)は、前記外径方向張出し部(25)の内径側端よりも軸方向内側へ伸びる軸方向張出し部(26)を備え、
    前記ラビリンスシール部(S)は、前記軸方向張出し部(26)と前記プーリ(5)の内径面(5b)との間に設けられ、
    前記柔軟性構造体(30)は、前記プーリ(5)の内径面(5b)に対向する前記軸方向張出し部(26)に設けられる
    請求項4に記載のクラッチ内蔵プーリユニット。
  6. 前記シールドカバー(20)は、前記外径方向張出し部(25)の内径側端よりも軸方向内側へ伸びる軸方向張出し部(26)を備え、
    前記ラビリンスシール部(S)は、前記軸方向張出し部(26)と前記軸受外輪(12)の端面(12a)との間に設けられ、
    前記柔軟性構造体(30)は、前記軸受外輪(12)の端面(12a)に対向する前記軸方向張出し部(26)に設けられる
    請求項4に記載のクラッチ内蔵プーリユニット。
  7. 前記柔軟性構造体(30)は、前記シールドカバー(20)の表面に形成された接着剤層(31)と、その接着剤層(31)に植え付けられた多数の繊維材(32)で構成される請求項1から6のいずれか一つに記載のクラッチ内蔵プーリユニット。
  8. 前記繊維材(32)は、前記シールドカバー(20)の表面の根本部から伸びてその先端部が前記ラビリンスシール部(S)の対向面に至る請求項7に記載のクラッチ内蔵プーリユニット。
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