JP2018123004A - クレーンおよびクレーン用カウンタウェイト - Google Patents

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Abstract

【課題】ウインチ、特に補巻装置の自己組立てのための解決策を提供する。【解決手段】下部走行体1と、下部走行体1に対して旋回可能であって、カウンタウェイト30とウインチ20を取り付けるための取付点とを有する上部旋回体10とを備えるクレーンに関する。カウンタウェイト30は、上部旋回体10に取り付けられるウインチ20を一時的に取り付けるための少なくとも1つのウインチ持上手段40を有する。ウインチ20は、鉛直軸回りに旋回可能となるようにウインチ持上手段40に取付可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、下部走行体と、下部走行体に対して旋回可能であってカウンタウェイトで安定化され得、かつウインチ、特に補巻装置を取り付けるための取付点を有する上部旋回体とを備えたクレーン、特に移動式クレーンに関する。
移動式クレーンは、通常、道路輸送のために少なくとも一部が分解され、個々の部品が工事現場へ個別に輸送される。このことは、所定の車軸荷重に従うために必要である。また、必要な場合にのみ、クレーンに特定のクレーン部品、例えば巻上装置などを取り付けることもできる。従来、そのような補巻装置は、クレーンそれ自体によって取り付けられていた。すなわち、補巻装置は、クレーンの巻上ケーブルによって持ち上げられ、そして上部旋回体の所望の取付位置まで運ばれる。
公知の取付方法では、補巻装置を、したがって、まずカウンタウェイト上に置き、続けてクレーン上部旋回体を、その取付点を補巻装置と並べるべく所望位置まで旋回させる。次のステップでは、補巻装置が、カウンタウェイトのバラストシリンダによって、クレーン上部旋回体における必要な取付高さへ運ばれる。しかしながら、この方法は、クレーン上部旋回体の大きな寸法の鋼構造が用いられるため、バラスト半径が可変な新しいクレーン構造に対して不適当であることが判明した。ここで、クレーン上部旋回体が旋回動作をする間に、カウンタウェイト上に置かれた補巻装置との衝突が生じるおそれがある。
この方法の別の欠点は、非常に強力なバラストシリンダが、置かれた補巻装置を伴う全バラストを持ち上げ、またそれをストッパに対して押し付けることである。さらに押し上げる際、補巻装置は、ボルト締め位置へと旋回する。不注意(バラストシリンダを過度に押し上げるか、補巻装置のウインチの下で忘れられた材木)のために、補巻装置は、不相応に上部旋回体の鋼構造に対して押し付けられ得る。このため、鋼構造の全ての関連する部品は、予防策として、この操作エラーによって生じる過重状態に対応して設計されてきた。すなわち、当該部品を、非常に強固にかつ非常に重たく寸法設定する必要がある。
本発明の課題は、ウインチ、特に補巻装置の自己組立てのための解決策を示すことである。
この課題は、請求項1の特徴に係るクレーンによって、また請求項11の特徴に係る方法によって解決される。クレーンおよび方法の有利な態様は、各請求項に従属する従属請求項の主題である。
本発明によると、上部旋回体に取り付けられるウインチの一時的な取付けのための少なくとも1つのウインチ持上手段がカウンタウェイトに設けられた一般的なクレーンが提示される。このウインチ持上手段は、取り付けられるウインチを個々の取付ステップの間に一時的に取り付けるのに役立つ。ウインチ持上手段は、当該手段に取り付けられるウインチがカウンタウェイトに対して鉛直軸回りに旋回可能となるように設計される。この可能性のために、ウインチは、まず上部旋回体の旋回半径の外側においてカウンタウェイト上に置かれ得る。しかしながら、旋回軸を介して、ウインチはその後、その取付位置へ旋回されることが可能であり、当該取付位置において当該ウインチはクレーン上部旋回体に容易に取り付けることができる。
旋回支持部は、ウインチ持上手段の一部であってもよい。また、旋回支持部の構成要素が、ウインチ持上手段と受けられるウインチとに分散されていてもよく、すなわちウインチ持上手段がウインチを旋回可能に支持してもよい。
本発明の特定の好ましい態様によると、カウンタウェイトのウインチ持上手段は、カウンタウェイトの上側から鉛直方向に押し上げられ得る伸縮可能な管を有する。この伸縮可能な管は、各ウインチを収容または固定するための適当な固定点を備える。考えられるのは入れ子管としての設計であり、ここで当該管は、伸長位置において固定、特にボルト止めされてもよい。不使用時には、伸縮可能な管は、理想的には、全部または少なくとも一部がカウンタウェイト内に収めることができる。
本発明の特定の有利な態様によると、ウインチは、ウインチ持上手段の伸縮可能な管の対応する開口またはボアに差し込むことのできる対応する筒状の突出部を端面に有して設計された対向管を備えていてもよい。したがって、突出部は、形成される旋回支持部の軸を構成する。
伸縮可能な管および/またはウインチの対向管を対応するストッパを有して設計することも考えられ、形成される旋回接続の最大旋回範囲がそれにより少なくとも一方向において制限される。好ましくは、1つの旋回方向に対して1つのストッパが設けられる。旋回動作はクレーン操縦者によってほとんど手動で実行されるため、当該ストッパによって作業位置におけるウインチの正確な位置調節が実現され得る。同じことが、上部旋回体の半径の外側の位置についても言える。
必要に応じて旋回支持部を固定するためのある実現可能性が提供されてもよく、それにより当該支持部は、例えば、少なくとも対応する作業位置および/または上部旋回体の半径の外側の位置において固定され得る。ラッチングによる、好ましくは対応する溝に係合するラッチボルトによる固定が適当であることが見出された。
伸縮可能な管の長さは、固定可能、例えばボルト止め可能であり、それにより当該管が意図せずに押されることが阻止される。安全面の理由から、この目的のために使用されるボルトが、クレーン上部旋回体にウインチをボルト止めするためにも設計されていることが好ましい。それにより、クレーン操縦者は、ウインチを取り付けるために管のボルト接続を解除することを強制される。これにより、クレーン作業を開始するために伸縮可能な管が収縮されることが確保される。伸縮可能な管が、ボルトを解除した後に、好ましくはその自重によって自動的に収縮することが特に好ましい。
好ましくは、カウンタウェイトを取付位置に持ってくるための1つ以上のバラストシリンダがクレーン上部旋回体に設けられる。
本発明の好ましい態様では、クレーンの上部旋回体は、カウンタウェイトを受け持つための少なくとも1つ、好ましくは2つの旋回可能なコンソールを備える。1つ以上のコンソールの各々は、カウンタウェイトの自己組立てのための1つ以上のバラストシリンダを有する。バラストシリンダおよびそのピストンロッドは、下部走行体上に置かれたカウンタウェイトを受け持つために、下部走行体に向かって下方に延びていてもよい。この目的のために、カウンタウェイトは、特に当該カウンタウェイトの上側に、1つ以上のピストンロッド容器を有していてもよい。伸ばされたピストンロッドは、クレーン上部旋回体の横方向の旋回動作によってピストンロッド容器内に留められてもよく、それにより、続くピストンロッドの収縮動作によってカウンタウェイトが持ち上げられる。したがって、カウンタウェイト上に置かれたウインチも、バラストシリンダによって、クレーン上部旋回体の固定点に向けて持ち上げられ得る。
しかしながら、その代わりに、バラストシリンダは、上部旋回体に取り付けられてカウンタウェイト全体を持ち上げるものであってもよい。また、カウンタウェイト全体を押し上げるために、バラストシリンダを下部走行体に取り付けることも想定できる。また、バラストシリンダは、カウンタウェイト自体に設けられ、自身およびカウンタウェイトを上部旋回体に向かって引くように、上部旋回体に解除可能に接続できるものであってもよい。また、バラストシリンダが、カウンタウェイトに設けられるけれども下部走行体に対して支持しかつ当該下部走行体から上部旋回体に向かってカウンタウェイトを押し離すものであることも想定できる。
本発明の利点は、この解決策が可変バラスト半径を伴うクレーン構造に適していることのみでなく、バラストシリンダによって持ち上げられる巻上装置がストッパや鋼構造に対して押し付けられないことにもある。高さは、例えば、それが上部旋回体上の補巻装置の実際の取付位置よりも高くてもよいあるいは高くなければならないという事実によって決定され、それにより当該補巻装置を上部旋回体に上から引っ掛けることができる。したがって、バラストシリンダは互いに対して最大限に上昇することができるが、不注意によって損傷するリスクがない。補巻装置は、この高さにおいてのみ旋回させられるだろうし、それに続く鉛直下方への移動によって上部旋回体に取り付けられ得る。
本発明に係るクレーンに加えて、本発明は、また、本発明に係るクレーンのためのカウンタウェイトに関する。とりわけ、カウンタウェイトは、カウンタウェイトの具体的構成に関する上述した特徴によって特徴付けられる。これには、ウインチを旋回可能に受け持つための対応するウインチ持上手段をカウンタウェイトに組み込むことが含まれる。対応するカウンタウェイトの利点および特性は、本発明に係るクレーンに関連して既に上で詳述した利点および特性に明らかに対応する。
最後に、本発明は、本発明に係るクレーンのためのウインチ、特に補巻装置に関する。このウインチは、特に、本発明に係るカウンタウェイトに一時的に取付可能である。すなわち、ウインチは、カウンタウェイトのウインチ持上手段に一時的に旋回可能に取り付けることができる。
本発明に係る装置に加えて、本発明は、また、本発明に係るクレーンの上部旋回体にウインチを取り付けるための方法に関する。本発明に係る方法は、複数の方法ステップから構成される。最初の方法ステップでは、ウインチがウインチ持上手段に取り付けられ、ここでウインチは、クレーン上部旋回体の旋回半径の外側の初期取付位置にある。特に、ウインチの取付けはクレーンの実際の巻上装置を介して行われる。すなわち、クレーンは、自動的にウインチを持ち上げてそれをウインチ持上手段の領域へ動かしてもよい。
次のステップでは、クレーン上部旋回体が、カウンタウェイトを持ち上げるための位置へ旋回させられる。これは、上部旋回体および下部走行体の両縦軸が並ぶことを意味する。上部旋回体の旋回により、上部旋回体におけるウインチのための取付位置が、同時にウインチの領域へ旋回させられる。クレーン上部旋回体の旋回動作は容易に実行可能である。なぜなら、ウインチ持上手段に取り付けられたウインチが、旋回半径の外側に配置されているためである。上部旋回体の旋回後、ウインチは、その作業位置へ旋回させられ、上部旋回体に取り付けられて当該上部旋回体に接続、特にボルト止めされてもよい。これらの動作は、好ましくは、手動で開始されてもよく、または適当な駆動部を介して実行されてもよい。
方法の任意的な態様によると、カウンタウェイトを受け持つための旋回可能なコンソールが、クレーン上部旋回体の旋回後に、または旋回するクレーン上部旋回体の位置に到達する少し前に、旋回させられることが考えられる。コンソールを旋回させる前に、またはコンソールの最終位置に到達する少し前に、バラストシリンダが適当な長さに伸ばされ、そして当該バラストシリンダ、特にそのピストンロッドが、当該コンソールに横方向に対応するカウンタウェイトのピストンロッド容器のその後の旋回動作によって旋回させられる。それにより、カウンタウェイトは、バラストシリンダを駆動することで持ち上げられまたは下げられ得る。
ウインチを旋回させる前において、まずカウンタウェイトがバラストシリンダによって持ち上げられる場合が有利であり得る。カウンタウェイトまたは持ち上げられるウインチが、クレーン上部旋回体におけるウインチの実際の取付位置のわずかに上の高さまで持ち上げられる場合が特に好ましい。この位置では、妨げになる縁部なくして旋回動作が実現される。また、ウインチがクレーン上部旋回体に上から引っ掛けられる場合には、このことが何にせよ必要であり得る。この目的のために、ウインチは、ウインチの対応するフックがクレーン上部旋回体の取付点に係合するまで、バラストシリンダを調節することによって下げられる。
方法の別の有利な態様によると、ウインチ持上手段または伸縮可能な管は、ウインチを正常に取り付けた後で、少なくとも一部がカウンタウェイト内に収められる。
方法の開始時において、管は、それに対応して、まず必要な長さに伸ばされて固定、特にボルト止めされる。取付点にウインチを留めた後で、当該固定、特にボルト接続が解除される。理想的には、取り外されたボルトがクレーン上部旋回体にウインチをボルト止めするのにも使用される。それにより、ウインチを正常に取り付けた後に、伸縮可能なウインチ持上手段のボルトが解除され、当該ウインチ持上手段が同時に収縮される。例えば、伸縮可能な管は、ボルト接続の解除後にカウンタウェイト内に自動的に下がり、それによりクレーン作業中におけるクレーン上部旋回体または伸縮可能な管の損傷を回避することができる。
以下、本発明の別の利点および特性を、図示の例示的な実施形態に関連して詳述する。
図1は、本発明に係るクレーンの上部旋回体の概略側面図である。 図2は、図1の平面図である。 図3aは、本発明に係るクレーンの補巻装置のための本発明に係る取付プロセスの詳細図である。 図3bは、本発明に係るクレーンの補巻装置のための本発明に係る取付プロセスの詳細図である。 図3cは、本発明に係るクレーンの補巻装置のための本発明に係る取付プロセスの詳細図である。 図3dは、本発明に係るクレーンの補巻装置のための本発明に係る取付プロセスの詳細図である。 図3eは、本発明に係るクレーンの補巻装置のための本発明に係る取付プロセスの詳細図である。 図3fは、本発明に係るクレーンの補巻装置のための本発明に係る取付プロセスの詳細図である。 図3gは、本発明に係るクレーンの補巻装置のための本発明に係る取付プロセスの詳細図である。 図3hは、本発明に係るクレーンの補巻装置のための本発明に係る取付プロセスの詳細図である。 図4は、クレーン上部旋回体またはウインチ持上手段における補巻装置の支持点の詳細図である。 図5は、クレーン上部旋回体の取付点を含む補巻装置の側面図である。 図6は、特定の実施形態の補巻装置の斜視図である。
図1は、本発明に係るクレーンの側面図、あるいはクレーンの上部旋回体10周辺の関連領域の詳細図を示している。クレーン上部旋回体10は、旋回リング11によって鉛直軸回りに下部走行体1に対して旋回可能である。また、上部旋回体10の後端部には、バラストコンソール12(図2を参照)が旋回可能に取り付けられており、それにより当該バラストコンソール12は、同様に鉛直軸回りに上部旋回体10に対して旋回可能である。これらのコンソール12は、バラストシリンダ13によってカウンタウェイト30を保持する機能を有する。
また、クレーンは、クレーン操作の必要に応じて、主巻装置21の後ろにおいて通常巻上装置21に加えてクレーン上部旋回体10に取付可能な補巻装置20を備える。ここで、必要な場合には、クレーンそれ自体が何らの補助なくして補巻装置20を取り付けられることが要求される。
図1および図2では、カウンタウェイト30が二通り描かれている。一方は、クレーン上部旋回体10上に取り付けられた位置(参照番号30)におけるものであり、もう一方は、上部旋回体10の前方で下部走行体1上に支持された位置(参照番号30’)におけるものである。コンソール12を旋回可能に支持することにより、下部走行体1上におけるカウンタウェイト30のより柔軟な載置、および場合によってはバラスト半径の変更が可能となる。しかしながら、コンソール12のこの構造は、クレーン上部旋回体10の全鋼構造の空間的広がりが大きくなることを意味しており、それによりその旋回半径、特に鋼構造の旋回半径が大きくなる。
分解された補巻装置20がカウンタウェイト30’上の所望の取付位置に置かれる場合、当該補巻装置20はクレーン上部旋回体10の旋回半径内に位置し、そしてコンソール12の支持点14がクレーン上部旋回体10の旋回動作の間に補巻装置20にぶつかるだろう。
これまで、こうした問題は、コンソール12を有しない従来の上部旋回体では生じなかった。はじめに言及した従来の取付方法は、したがって、カウンタウェイト30’上に補巻装置20を置き、続いて次の取付けのために補巻装置に向かって後方にクレーン上部旋回体10を旋回させる。しかしながら、このプロセスは、上述した理由のためにもはや実際的ではない。このため、本発明は、カウンタウェイト30に旋回可能なウインチ持上手段40を備えさせることを提示する。当該持上手段40の詳細については、図3a〜図3hを参照して後述する。これらの図3a〜図3hは、本発明に係る方法の時系列的な並びを示している。
図3aは、カウンタウェイト30の詳細図を示している。当該カウンタウェイト30からは、入れ子管41が鉛直方向において上方に延びていてもよい。入れ子管41は、その上端面に、適当な補巻装置20と相補的な支持相手との旋回可能な接続のための相補的な支持要素42を有する。管41の長さを固定するために、個々の部分はボルトAを挿入することによって固定される。
図3bに係る次のステップでは、補巻装置20が、まず主巻装置21のクレーンフック51のスリング50を介して持ち上げられ、そして入れ子管41の領域へ移動させられる。
補巻装置20は、対応する対向管22を有しており、当該対向管22の下端面には筒状の突出部23がある(図3h、図4を参照)。この突出部23は、持上手段40における補巻装置20の旋回支持のための支持軸23として機能する。突出部23は、伸縮管41の適当なボア42に挿入される。続けて、スリング50が取り外されてもよい。補巻装置は、まず、ウインチの駆動シャフトがクレーン縦軸上にほとんど平行に位置するように、すなわちウインチがクレーン上部旋回体から軸方向に遠ざかって延びるように、持上手段40において配置されることが見て取れる。ウインチは、それにより、上部旋回体半径の外側に位置し、そして衝突が回避される。
次のステップでは、クレーン上部旋回体10が旋回させられ、それによりコンソール12と補巻装置20のための取付点14とがカウンタウェイト30’の近くに移動させられる。続けて、バラストシリンダ13が伸ばされ(図3c)かつコンソール12が後方へ旋回させられ(図3d)、それによりピストンロッドの端部がカウンタウェイト30の対応する持上手段31内へ旋回させられる。よって、両バラストシリンダ13がカウンタウェイト30に固定され、そして当該カウンタウェイト30がバラストシリンダ13のピストンロッドの後退運動によって持ち上げられ得る。同時に、補巻装置20は、それにより、必要な取付高さまで持ち上げられる。補巻装置20のための取付高さは、カウンタウェイト30が上部旋回体10に取り付けられる高さよりも高くてもよい。
この位置において、補巻装置20は、妨げられることなく、入れ子管41を介して取付位置(図3fを参照)へと旋回させられ得る。ウインチ持上手段40の旋回支持部42,23はラッチボルト25によってそれぞれの端部位置に固定されているため、旋回動作を可能にするためには当該ラッチボルト25がまず解除される必要がある。
図3fに示すように、補巻装置20のフック24は、クレーン上部旋回体10の対応する取付点14のわずかに上に位置している。したがって、補巻装置20をクレーン上部旋回体10に取り付けるために必要な全ての接続手段24が、上部旋回体10における相手側接続手段の鉛直方向直上に配置される。接続のためには、鉛直方向の動きのみが必要である。
シリンダ13を伸ばすことにより、図3gのカウンタウェイト30が補巻装置20と共に下げられ、それによりフック24が上部旋回体10に上から引っ掛けられる。それにより、上部旋回体ないしクレーン上部旋回体10は補巻装置20の重さを引き受け、それにより支持軸23がボア42から引き抜かれ、ウインチ20がウインチ持上手段40から分離される。続けて、ウインチ持上手段40のボルトが取り外され、クレーン上部旋回体10に補巻装置20をボルト止めするために使用されてもよい。図5における補巻装置の側面図は、補巻装置の頂部および底部に設けられたフック24を示しており、当該フック24は、上部旋回体10の対応するしっかりと取り付けられたボルト14に引っ掛けられ得る。ウインチ持上手段40の取り外されたボルトは、補巻装置20の追加ボア26に差し込まれる。伸縮管41のボルトを解除することにより、当該伸縮管41は自動的にカウンタウェイト30内に収まる。
また、図4は、伸縮管41の端面端部の詳細図を示している。そこには、支持軸23を受けるためのボア42が見て取れる。また、2つのストッパ43,44と、対応する凹溝45とが見て取れる。当該ストッパ43,44を介して、持ち上げられる補巻装置20の最大旋回半径が制限される。2つの凹溝45は、ラッチボルト25によって支持部を固定する機能を有しており、当該ラッチボルト25は、各端部位置において当該溝45に係合する。旋回動作を可能とするためには、ラッチボルト25はまず取り外される必要がある。
右の詳細図には、補巻装置20における対向管22の支持部が示されている。対向管22は、同様に、補巻装置20に、特に鉛直および/または水平軸回りに、旋回可能に取り付けられていてもよい。
図6は、補巻装置20の特定の実施形態を示している。補巻装置20は、ウインチ持上手段40に保持されている。補巻装置20の重心は、旋回軸から比較的離れていて、よって旋回支持部42,43に大きな支持力を生じさせる。これらの力によって、旋回動作が不必要に困難になる。
また、旋回軸から補巻装置20の重心までの距離は、位置決め精度を低下させる歪みを生じさせる。
この問題を解決するために、支持部110が設けられる。支持部110は、支持点、特にローラ111を備えていてもよい。ローラ111は、カウンタウェイト30上のパス112に沿って転動してもよく、当該パス112は、ローラ111のための転動面として形成されている。ここで、滑り止め面または補強を形成するためにサンドカバーが設けられてもよい。パス112は、補巻装置20の旋回軸上に位置する中心を有していてもよい。補巻装置20の旋回軸上の中心を有する円形パスに対してローラ111が正接的に向けられる場合、ローラ111のための支持部の可動性が省略されてもよい。

Claims (16)

  1. 下部走行体と、
    上記下部走行体に対して旋回可能であって、カウンタウェイトと、ウインチ、特に補巻装置の取付けのための取付点とを有する上部旋回体とを備えたクレーン、特に移動式クレーンであって、
    上記カウンタウェイトは、上記上部旋回体に取り付けられるウインチの一時的な取付けのための少なくとも1つのウインチ持上手段を有し、
    上記ウインチは、該ウインチが鉛直軸回りに旋回可能となるように上記ウインチ持上手段に取付可能である
    ことを特徴とするクレーン。
  2. 請求項1において、
    上記ウインチ持上手段は、旋回支持部を有し、
    または、
    上記ウインチは、上記ウインチ持上手段に旋回可能に取付可能である
    ことを特徴とするクレーン。
  3. 請求項1または2において、
    上記ウインチ持上手段によって、上記ウインチは、上記上部旋回体の半径の外側の位置から上記ウインチの取付位置へと旋回可能である
    ことを特徴とするクレーン。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    上記ウインチ持上手段は、ウインチを解除可能に取り付けるための適当な固定点を有する少なくとも1つの伸縮可能な管を備え、
    上記カウンタウェイトの上側において、上記管は、鉛直方向に伸縮可能であって、理想的には不使用時に上記カウンタウェイト内に全部または少なくとも一部を収めることができる
    ことを特徴とするクレーン。
  5. 請求項4において、
    上記ウインチは、適当な対向管であって、上記カウンタウェイトの上記伸縮可能な管の支持手段において上記対向管を旋回可能に支持するための相補的な支持手段を有する対向管を備える
    ことを特徴とするクレーン。
  6. 請求項5において、
    上記相補的な支持手段は、上記伸縮可能な管の上端面の対応するボアに挿入可能な筒状の突出部を有し、
    さらに好ましくは、上記支持手段の一方に旋回範囲を制限するための1つ以上のストッパが設けられており、上記支持は、制限された旋回範囲端の一方において固定手段を介して少なくとも固定可能である
    ことを特徴とするクレーン。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項において、
    上記伸縮可能な管は、必要な伸長長さにおいて固定可能、好ましくはボルト止め可能であり、ここで使用されるボルトは、上記クレーンの上部旋回体の上記取付点に上記ウインチをボルト止めするのにも適している
    ことを特徴とするクレーン。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、
    上記カウンタウェイトを上記クレーンの上部旋回体における取付位置に移動させるための1つ以上のバラストシリンダが設けられ、
    特に、上記クレーンの上部旋回体は、上記カウンタウェイトを受け持つための少なくとも1つの、好ましくは2つの旋回可能なコンソールを有し、
    上記少なくとも1つのコンソールは、上記カウンタウェイトを鉛直方向において持ち上げるために上記カウンタウェイトの対応するピストンロッド容器内へ旋回可能な1つ以上のバラストシリンダを有する
    ことを特徴とするクレーン。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のクレーンのためのカウンタウェイトであって、
    請求項1〜8の特徴に係るウインチ持上手段を備える
    ことを特徴とするカウンタウェイト。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のクレーンのためのウインチ、特に補巻装置であって、請求項9に記載のカウンタウェイトに一時的に取付可能である
    ことを特徴とするウインチ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のクレーンの上部旋回体にウインチを取り付ける方法であって、
    上記ウインチ持上手段に上記ウインチを取り付けるステップaであって、上記ウインチを上記クレーンの上部旋回体の旋回半径の外側に配置するステップaと、
    上記クレーンの上部旋回体を旋回させて、上記クレーンの上部旋回体における上記ウインチのための固定点を上記ウインチの領域内に移動させるステップbと、
    上記ウインチ持上手段を介して上記クレーンの上部旋回体の上記取付位置へ上記ウインチを旋回させ、上記ウインチを上記クレーンの上部旋回体に取り付けるステップcとを含む
    ことを特徴とする方法。
  12. 請求項11において、
    上記クレーンの上部旋回体を旋回させた後に上記上部旋回体の上記コンソールを旋回させ、ここで、上記バラストシリンダを、好ましくは、旋回の前または所望の旋回コンソール位置に到達する少し前に伸ばして、上記コンソールをさらに旋回させる間に上記カウンタウェイトの上記ピストンロッド容器内へ上記バラストシリンダを導入する
    ことを特徴とする方法。
  13. 請求項11または12において、
    上記ウインチを上記取付位置へ旋回させる前に、上記カウンタウェイトを上記コンソールの上記バラストシリンダを介して持ち上げる
    ことを特徴とする方法。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項において、
    上記ウインチを旋回させた後で、上記バラストシリンダを介して上記カウンタウェイトを下げ、それにより上記ウインチを上記クレーンの上部旋回体の上記取付点に留める
    ことを特徴とする方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項において、
    上記ウインチ持上手段の上記伸縮可能な管を、必要な伸長長さにおいて固定、特にボルト止めし、
    上記ウインチを上記取付点に留めた後で、上記ボルトを使用して上記ウインチをボルト止めする
    ことを特徴とする方法。
  16. 請求項11〜15のいずれか1項において、
    上記ウインチを正常に取り付けた後で、上記ウインチ持上手段を上記カウンタウェイト内に収める
    ことを特徴とする方法。
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