JP2018121847A - 装着具、及び、動作支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被介護者による立ち上がりの失敗を抑制しながら被介護者の動作を支援する。【解決手段】装着具3は、被介護者の腰部に装着される腰パッド91と、被介護者の身体の胸部に装着され、被介護者の位置又は姿勢を変化させるための外力を受ける取付リング83L及び83Rと、腰パッド91と取付リング83L及び83Rとに接続され、腹部側方を斜めに横切るベルト84L及び84Rとを備える。【選択図】図10
Description
本発明は、装着具、及び、動作支援装置に関する。
自力で立ち上がることが困難な被介護者を、ベッド、車椅子及びトイレ等の間で移乗させる介護は介護者にとって重労働である。
特許文献1は、自力で立ち上がることが困難な被介護者による、自然な立ち上がりを実現させることを目的とした立ち上がり支援装置を開示している。
特許文献1が開示する立ち上がり支援装置は、被介護者の前方の上方に位置するリング(治具)により被介護者を引き上げる力を作用させる。しかしながら、この力の他にも被介護者に力が作用したり、被介護者が自ら身体のバランスを崩したりする場合に、被介護者による立ち上がりが失敗する、又は、立ち上がりの際に被介護者に苦痛が伴う可能性がある。
本発明は、被介護者による立ち上がりの失敗を抑制しながら被介護者の動作を支援する装着具及び動作支援装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る装着具は、被介護者の腰部に装着される腰パッドと、前記被介護者の身体の胸部に装着され、前記被介護者の位置又は姿勢を変化させるための外力を受ける受力部と、前記腰パッドと前記受力部とに接続され、腹部側方を斜めに横切る腰ベルトとを備える。
また、本発明の一態様に係る動作支援装置は、被介護者による起立又は着座の動作を支援する動作支援装置であって、上記の装着具と、前記被介護者の位置又は姿勢を変化させるための牽引装置であって、前記被介護者による起立又は着座のために前記装着具に対して力を作用させる牽引装置とを備える。
本発明により、装着具及び動作支援装置は、被介護者による立ち上がりの失敗を回避しながら被介護者の動作を支援することができる。
以下では、本発明の実施の形態に係る装着具等について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
本実施の形態において、被介護者による立ち上がりの失敗を回避しながら被介護者の動作を支援する装着具、動作支援装置及び動作支援システム等について説明する。
本実施の形態において、被介護者による立ち上がりの失敗を回避しながら被介護者の動作を支援する装着具、動作支援装置及び動作支援システム等について説明する。
まず、成人健常者と被介護者とのそれぞれの、座位姿勢から起立姿勢に移る動作における姿勢の変化について説明する。
図24A〜図24Fのそれぞれは、成人健常者19の座位姿勢から起立姿勢に移る動作を示す説明図である。具体的には、図24A〜図24Fは、腰掛部5に座っている成人健常者19が座位姿勢(図24A)から起立姿勢(図24F)に移る動作を示す。
図24Aから図24Bに示すように、成人健常者19は、座位姿勢から、上半身を前傾することで重心を前方へ移動する。次いで、図24Cに示すように、成人健常者19は、臀部を腰掛部5から離床させる。成人健常者19は、臀部離床後に、図24D〜図24Fに示すように、前方へ移動した重心を後方へ戻しながら、膝を伸ばして起立動作に移行する。
図25A〜図25Cのそれぞれは、被介護者7の座位姿勢から起立姿勢に移る動作を示す説明図である。
被介護者の多くは筋力低下のため動作速度が遅い。そのため、被介護者7は、起立動作初期時(着座姿勢の状態から臀部を離床させるとき)には、図25B及び図25Cに示すように、深い前傾姿勢をとって、重心を前方へ移動させる必要がある。
前傾姿勢が深い軌道となる場合、臀部の離床は可能だが、起立までの距離が長く、特に臀部を離床させた中腰の状態が長く続くため、被介護者7の下半身の負担が大きい。さらに、前傾姿勢が深い場合は、視線が地面に向いていることが多いため、起立動作時に視線が正面に移動するなど視線移動が起こり、被介護者7にめまい又はふらつきが起こりやすい。
そこで、成人健常者の動作に近い動作を被介護者にさせるように、動作支援システムにより動作支援することが望まれる。具体的には、動作初期時に被介護者の前傾姿勢をできるだけ浅くし、成人健常者の動作に近付けるよう支援することが望まれる。
図1A及び図1Bは、本実施の形態に係る動作支援システム1の外観斜視図である。なお、図1A及び図1Bに記載したx0軸、y0軸及びz0軸の座標軸は、他の図面においても共通に用いられる。
図1A及び図1Bに示されるように、動作支援システム1は、介護ベルト3と、アーム機構4と、歩行機構14と、本体カバー40とを備える。
介護ベルト3は、被介護者の上半身を保持するためのベルトである。
アーム機構4は、介護ベルト3を介して被介護者を支持し、また、被介護者の動作を支援するためのロボットアームである。アーム機構4の一端は被介護者に装着され、アーム機構4の他端は、本体カバー40内において矩形台などに固定される。アーム機構4は、モータなどを用いて関節部を回動させることで駆動し、被介護者の動作を支援する。なお、アーム機構4は、牽引装置に相当する。
歩行機構14は、被介護者による歩行動作にあわせて動作支援システム1を移動させるための移動機構である。
本体カバー40は、内部に動作支援システム1の構成要素の一部が収められるカバー部材である。本体カバー40の内部には、例えば、アーム機構4の一部、矩形台、モータ及びエンコーダなどが収められる。
以降において、動作支援システム1の構成を詳細に説明する。
図2A及び図2Bは、本実施の形態にかかる動作支援システム1が、被介護者7が座位姿勢から起立姿勢に移る際の動作を支援する様子を示す側面図及び正面図である。図2Cは、被介護者7が起立姿勢の状態に至ったときの動作支援システム1の正面図である。図3は、本実施の形態における動作支援システム1の詳細構成を示すブロック図である。図4A〜図4Cは、本実施の形態における動作支援システム1の動作の概要を示す図である。
図2Aにおいて、被介護者7は、床面13上の腰掛部5に座ることにより、座位姿勢をとっている。
図2A〜図3に示される動作支援システム1は、被介護者7の起立動作を支援する。動作支援システム1は、図3に示すように、動作支援システム1の外部に動作情報データベース8を備えるが、動作支援システム1内に動作情報データベース8を備えるようにしてもよい。
動作支援システム1は、床面13上に置かれており、本体機構2と、制御装置11と、入力インターフェース(入力IF)6とを備える。
本体機構2は、アーム機構4と、介護ベルト3と、歩行機構14とを備える。アーム機構4は、例えば、ロボットアームを有する。
《介護ベルト3》
介護ベルト3は、図2A〜図2Cに示すように、装着具3aと連結部3bとを備えて、被介護者7に装着可能である。装着具3aは、少なくとも、被介護者7の背中部7b及び腰部7cを含む領域R(図2D参照)を保持可能である。連結部3bは、装着具3aを装着したときに被介護者7の胸部7d付近に位置可能であり、かつ、装着具3aに連結されており、後述するアーム機構4の一端(後端)に着脱可能に連結され得る。装着具3aの具体的な構成は、後で詳しく説明する。なお、連結部3bは、アーム機構4により被介護者7の位置又は姿勢を変化させるための外力を受ける受力部に相当する。
介護ベルト3は、図2A〜図2Cに示すように、装着具3aと連結部3bとを備えて、被介護者7に装着可能である。装着具3aは、少なくとも、被介護者7の背中部7b及び腰部7cを含む領域R(図2D参照)を保持可能である。連結部3bは、装着具3aを装着したときに被介護者7の胸部7d付近に位置可能であり、かつ、装着具3aに連結されており、後述するアーム機構4の一端(後端)に着脱可能に連結され得る。装着具3aの具体的な構成は、後で詳しく説明する。なお、連結部3bは、アーム機構4により被介護者7の位置又は姿勢を変化させるための外力を受ける受力部に相当する。
《歩行機構14》
歩行機構14は、矩形台14eと、一対の前輪14aと、一対の後輪14bと、前輪ブレーキ14cと、後輪ブレーキ14dとを備え、床面13上に置かれる。一対の前輪14aは、矩形台14eの前端の一対の角部に回転自在に配置される。一対の後輪14bは、矩形台14eの後端の一対の角部に回転自在に配置される。前輪ブレーキ14cは、前輪14aにブレーキをかける。後輪ブレーキ14dは、後輪14bにブレーキをかける。歩行機構14の上部にはアーム機構4が備えられる。すなわち、矩形台14eの前部の中央部には、アーム機構4が起立支持される。一例として一対の前輪14aと一対の後輪14bとは、図4Cに示す状態で、被介護者7が前方方向(図4Cの左方向)に力を加えることで回転し、歩行器として被介護者7の歩行を支援することができる。
歩行機構14は、矩形台14eと、一対の前輪14aと、一対の後輪14bと、前輪ブレーキ14cと、後輪ブレーキ14dとを備え、床面13上に置かれる。一対の前輪14aは、矩形台14eの前端の一対の角部に回転自在に配置される。一対の後輪14bは、矩形台14eの後端の一対の角部に回転自在に配置される。前輪ブレーキ14cは、前輪14aにブレーキをかける。後輪ブレーキ14dは、後輪14bにブレーキをかける。歩行機構14の上部にはアーム機構4が備えられる。すなわち、矩形台14eの前部の中央部には、アーム機構4が起立支持される。一例として一対の前輪14aと一対の後輪14bとは、図4Cに示す状態で、被介護者7が前方方向(図4Cの左方向)に力を加えることで回転し、歩行器として被介護者7の歩行を支援することができる。
《アーム機構4》
アーム機構4は、歩行機構14の上部に備えられるとともに、先端が連結部3bを介して装着具3aに連結される。アーム機構4は、一例として、第1モータ41と、第1モータ41の回転軸の回転数(回転角度)を検出する第1エンコーダ43と、第2モータ42と、第2モータ42の回転軸の回転数(回転角度)を検出する第2エンコーダ44とを備える2自由度のロボットアームである。第1エンコーダ43と第2エンコーダ44とからの回転角度情報をアーム機構4の位置情報に変換した位置情報を基に第1モータ41と第2モータ42とを制御装置11で制御する。なお、第1エンコーダ43及び第2エンコーダ44のことを位置検出部(不図示)ともいう。
アーム機構4は、歩行機構14の上部に備えられるとともに、先端が連結部3bを介して装着具3aに連結される。アーム機構4は、一例として、第1モータ41と、第1モータ41の回転軸の回転数(回転角度)を検出する第1エンコーダ43と、第2モータ42と、第2モータ42の回転軸の回転数(回転角度)を検出する第2エンコーダ44とを備える2自由度のロボットアームである。第1エンコーダ43と第2エンコーダ44とからの回転角度情報をアーム機構4の位置情報に変換した位置情報を基に第1モータ41と第2モータ42とを制御装置11で制御する。なお、第1エンコーダ43及び第2エンコーダ44のことを位置検出部(不図示)ともいう。
この制御により、一例として、図4A〜図4Cに示すように、動作支援システム1を駆動して、座位姿勢にある被介護者7の臀部7eが腰掛部5からの離床を支援するため、装着具3aを、被介護者7の前方に向けて牽引動作可能で、かつ、その後、上方に向けて牽引動作可能となっている。
より詳しくは、アーム機構4は、第1アーム4cと、第2アーム4dと、第3アーム4eと、第4アーム4fと、第1駆動部4aと、第2駆動部4bとを備えるロボットアームで構成される。第1アーム4cは、矩形台14eの前部の中央において、矩形台14eから上方に向けて起立するように、下端が固定される。第1アーム4cの上端には、第1駆動部4aを内蔵する第1関節部を介して、第2アーム4dの前端が、x0z0面内で回動可能に連結される。第2アーム4dの後端は、第2駆動部4bを内蔵する第2関節部を介して、第3アーム4eの下端に回動可能に連結される。第3アーム4eの上端は、第4アーム4fの前端に、第3アーム4eと第4アーム4fとのそれぞれの軸方向が互いに直交してL字状に屈曲するように固定される。第4アーム4fの後端は、介護ベルト3の連結部3bに着脱可能に連結される。
第1駆動部4aは、第1アーム4cと第2アーム4dとの間の関節部に配置され、例えば、第1アーム4cに対して第2アーム4dを回転させる第1モータ41と、その回転角度情報を検出する第1エンコーダ43とで構成される。よって、後述する制御部12での制御の下に、第1アーム4cに対して第2アーム4dを所定角度だけ回動させるように駆動することができる。第2駆動部4bは、第2アーム4dと第3アーム4eとの間の関節部に配置され、例えば、第2アーム4dに対して第3アーム4eを回転させる第2モータ42と、その回転角度情報を検出する第2エンコーダ44とで構成される。なお、第1モータ41及び第2モータ42が配置される位置は、関節部でなくてもよい。つまり、第1モータ41及び第2モータ42が発生させる回動力が適切に関節部に伝達され、上記のようにアーム機構4を動作させることができるのであれば、第1モータ41及び第2モータ42は、どこに配置されてもよい。
第1エンコーダ43及び第2エンコーダ44からのそれぞれの回転角度情報は、アーム機構4の位置情報に変換されて、位置情報として制御部12で使用される。よって、後述する制御部12での制御の下に、第2アーム4dに対して第3アーム4eを所定角度だけ回動させて所望の位置に移動するように駆動することができる。
第4アーム4fの前部には、ボタンなどが配置された操作盤などの入力インターフェース(入力IF)6が下向きに突出して設けられる。このように入力IF6を配置すれば、座位姿勢での被介護者7に対して、アーム機構4の側面から、入力IF6が操作可能に配置されることになる。よって、被介護者7が入力IF6を使って種々の指令を入力することで(例えばボタンを押下するなどで)、動作支援システム1の車輪(前輪及び後輪)のブレーキON又はOFF、動作支援システム1の電源のON又はOFF、及び、立ち上がり開始ボタンのON又はOFFなどを入力することができる。さらに、第3アーム4eの中間部から後ろ向きに(被介護者7側に向けて)、持ち手15が突出して備えられており、被介護者7が、座位又は起立時に両手で握って持つことができる。
制御装置11は、データベース入出力部9と、タイマー16と、制御部12とを備える。制御装置11は、アーム機構4の第1駆動部4aと第2駆動部4bとをそれぞれ独立して駆動制御し、少なくとも、座位姿勢にある被介護者7の臀部7eが腰掛部5から離床するように、被介護者7の前方に向けて介護ベルト3を牽引動作するとともに、その後、被介護者7が起立姿勢となるまで、上方に向けて介護ベルト3を牽引動作するように制御して、被介護者7の起立動作を支援する。
より詳しくは、制御装置11の制御動作により、図4Aに矢印で示すように、装着具3aをアーム機構4で牽引するように制御装置11で制御して、被介護者7をその座位姿勢から前方に牽引する。このように装着具3aをアーム機構4で牽引するとき、被介護者7の領域Rを前方に牽引することにより、被介護者7は、背筋が反って伸びることで起立しやすくなる。
その後、図4Bに矢印で示すように上方に牽引して被介護者7の臀部7eを腰掛部5から離床させ、図4Cの起立姿勢に至るまで、一連の動作を支援する。ここで、制御動作を開始してから被介護者7の臀部7eを腰掛部5から離床させるまでが、第1の状態である。この第1の状態以降で被介護者7が起立姿勢に至るまでが、第2の状態である。
《タイマー16》
タイマー16は、ある一定時間(例えば、1msec毎)の経過後に、データベース入出力部9及び制御部12を実行させるための指令を、データベース入出力部9及び制御部12に出力する。
タイマー16は、ある一定時間(例えば、1msec毎)の経過後に、データベース入出力部9及び制御部12を実行させるための指令を、データベース入出力部9及び制御部12に出力する。
《入力IF6》
入力IF6は、例えばアーム機構4に配置され、動作支援システム1の電源の開始及び終了、前輪ブレーキ14c及び後輪ブレーキ14dのON/OFF、及び、立ち上がり開始及び終了を指示するための操作インターフェースで、例えばボタンなどで構成される。
入力IF6は、例えばアーム機構4に配置され、動作支援システム1の電源の開始及び終了、前輪ブレーキ14c及び後輪ブレーキ14dのON/OFF、及び、立ち上がり開始及び終了を指示するための操作インターフェースで、例えばボタンなどで構成される。
《動作情報データベース8》
動作情報データベース8は、アーム機構4の位置情報を時刻とともに示すデータベースである。
動作情報データベース8は、アーム機構4の位置情報を時刻とともに示すデータベースである。
タイマー16からの指令に基づいて制御部12が実行され、アーム機構4の位置情報(第1エンコーダ43及び第2エンコーダ44からのそれぞれの回転角度情報をアーム機構4の位置情報に変換した位置情報)が、タイマー16からの実行指令を利用してデータベース入出力部9及び制御部12を実行させて、ある一定時間毎(例えば、1msec毎)に生成される。これらの生成された位置情報が、時刻とともに動作情報としてデータベース入出力部9を介して動作情報データベース8に出力されて、動作情報として動作情報データベース8に記憶される。なお、動作情報は、入力IF6などにより、予め生成されて記憶される。
図5は、動作情報データベース8の情報内容の一例を示す。
図5の「時刻」の欄は、アーム機構4が動作している際の時刻に関する情報を示す。本実施の形態では、時刻についてはミリ秒(msec)単位系で示す。
図5の「位置」の欄は、アーム機構4の第1エンコーダ43及び第2エンコーダ44などで検出される角度情報を変換したアーム機構4の位置情報を示す。具体的には、動作支援システム1の進行方向(前後方向)x軸と上下方向z軸との2軸の位置である。なお、位置は、例えば、メートル(m)単位系で示される。
《データベース入出力部9》
データベース入出力部9は、動作情報データベース8と、制御部12との間で、データ(情報)の入出力を行う。
データベース入出力部9は、動作情報データベース8と、制御部12との間で、データ(情報)の入出力を行う。
《制御部12》
制御部12は、データベース入出力部9から入力された動作情報に追従するように、アーム機構4の第1モータ41と第2モータ42とをそれぞれ独立して動かす。加えて、入力IF6により入力された前輪ブレーキ14c及び後輪ブレーキ14dのON/OFFの指令に基づいて、前輪ブレーキ14c及び後輪ブレーキ14dのブレーキを制御する。
制御部12は、データベース入出力部9から入力された動作情報に追従するように、アーム機構4の第1モータ41と第2モータ42とをそれぞれ独立して動かす。加えて、入力IF6により入力された前輪ブレーキ14c及び後輪ブレーキ14dのON/OFFの指令に基づいて、前輪ブレーキ14c及び後輪ブレーキ14dのブレーキを制御する。
以下、制御部12で制御される動作支援システム1の動作について説明する。
図6A〜図6Eに動作支援システム1のアーム機構4の動作手順を示す。また、アーム機構4の動作に伴う被介護者7の動作を、図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、図6Aに示すように、被介護者7は、床面13上に配置された、ベッド、椅子、又は、トイレの便座などの腰掛部5に座る。次に、介護者などにより、動作支援システム1が、腰掛部5に座った被介護者7の正面に配置される。
ステップS101(図7)において、入力IF6は、動作支援システム1の電源をONにする操作を受け付ける。
ステップS102において、入力IF6は、前輪ブレーキ14c及び後輪ブレーキ14dをONにする操作を受け付ける。制御部12は、歩行機構14の前輪14aと後輪14bとがそれぞれ回転しないようにブレーキをかける。このようにすることにより、アーム機構4で連結部3bを介して装着具3aを牽引するときに歩行機構14が移動することを防止し、アーム機構4による力が連結部3bを介して装着具3aに確実に伝達される。
次に、被介護者7は、連結部3bを介してアーム機構4に連結された装着具3aを自身の身体に装着し、持ち手15を両手で把持する。
ステップS103において、入力IF6は、立ち上がりボタンの押下を受け付けると、アーム機構4の動作のための処理を開始する。ここでは、立ち上がりボタンが押し下げられている状態でのみアーム機構4が動作し、立ち上がり開始ボタンを離すとアーム機構4が動作を停止する動作形態を例として説明する。これ以降のステップS104〜ステップS106では、制御装置11が、アーム機構4の第1駆動部4aと第2駆動部4bとをそれぞれ独立して駆動制御することで、図4Aの被介護者7の座位姿勢から図4Bの被介護者7の臀部7eを腰掛部5から離床させるように、図4Cの起立動作を支援する。
ステップS104において、制御部12は、データベース入出力部9から動作情報を取得する。
ステップS105において、制御部12は、第1モータ41と第2モータ42とをそれぞれ独立して駆動制御することで、データベース入出力部9から取得した動作情報に追従するようにアーム機構4を駆動する。一例として、制御部12の制御の下で、図6Aから図6Bに示すように、前方方向(図6Aの左方向)にアーム機構4を移動させる。すると、図6Bに示すように、装着具3aが前方方向へアーム機構4により牽引される。このとき、アーム機構4により装着具3aを前方へ牽引することで、図6Bに破線で時計回りの矢印Aで示すように被介護者7の上半身の後屈を促し、また、反時計回りの矢印Bで示すように被介護者7の骨盤の前傾を促す。このように被介護者7の前傾をアーム機構4でアシストすることで、被介護者7の臀部7eの腰掛部5からの離床を促し、同時に被介護者7の上半身の後屈を促すことで、被介護者7が腰掛部5から立ち上がり易くなる。また、被介護者7の上半身の後屈を促すことで、被介護者7は、深い前傾姿勢を取ることなく、座位姿勢から立位姿勢へスムーズに移行することが可能となる。
次に、図6Cに示すように被介護者7の臀部7eの腰掛部5からの離床の段階(第1の状態の終了時点)で、図6Dに上向きの矢印で示すように、アーム機構4を上方へ移動するように制御部12でアーム機構4を駆動制御する。すると、アーム機構4の上向きの移動により被介護者7は上方にアシストされ、図6Eにて被介護者7は立ち上がりを完了する。この時点で、被介護者7は立位姿勢の状態となっている。
ステップS106において、入力IF6は、立ち上がりボタンの押下の解除を受け付ける。これにより、制御部12による立ち上がり動作の制御動作及びアーム機構4の駆動が停止する。
ステップS107において、入力IF6は、前輪ブレーキ14c及び後輪ブレーキ14dをOFFにする操作を受け付ける。
ステップS108において、入力IF6は、動作支援システム1の電源をOFFにする操作を受け付ける。被介護者7は、図6Eに示すように立位姿勢の状態となった後、被介護者7が前方へ力を加えることで、被介護者7の力により前輪14aと後輪14bとがそれぞれ自在に回転し、歩行機構14が歩行器として被介護者7の歩行を支援する。
《介護ベルト3の詳細》
以降において、介護ベルト3の形状及び機能について、より詳細に説明する。
以降において、介護ベルト3の形状及び機能について、より詳細に説明する。
まず、人にとって身体的な負担が比較的少ない立ち方について説明する。ここでは、人にとっての前方及び後方を、それぞれ、前方及び後方と表現する。
図8は、人の立ち方の説明図である。図8の(a)には、人が腰掛部5に着座しているときの上半身の一部、及び、下半身が模式的に示されている。図8の(b)には、人が腰掛部5に着座している状態から起立する際の上半身及び下半身の動きが示されている。
図8の(a)に示されるように、人は、腰掛部5に着座しているときには、骨盤71の真上に上半身72が配置される体勢をとる。この状態から人が起立する際には、人は、骨盤71を前傾させることで上半身72を前方に傾けて重心を前方に移動させ、足に体重を乗せる体勢をとる。また、これと同時に、上半身72を後屈させることで胸部及び頭部が前方に倒れすぎないようにすると、比較的小さい身体的負担で立ち上がることができる。仮に骨盤71の前傾がないとすれば、上半身72が前傾することがないので身体の重心が前方に移動せず、足に体重を乗せるのが困難になり不安定な体勢となる。また、仮に、上半身72の後屈がないとすれば、深い前傾姿勢から勢いよく上半身を引き起こすことになるので平衡感覚への負担が大きく、めまい又はふらつきが起こりやすい。
そこで、本実施の形態の介護ベルト3は、上記の身体的負担が比較的少ない起立の仕方を被介護者7にさせる構成を有する。介護ベルト3の構成について以下で説明する。
図9は、本実施の形態における介護ベルト3が被介護者7に作用させる力を示す模式図である。
図9において、被介護者7は、腰掛部5に座り、介護ベルト3(より具体的には装着具3a)を装着している。装着具3aは、連結部3bにより例えばアーム機構4に接続されており、アーム機構4により前方に引っ張られる力を受ける。
図9に示されるように、装着具3aは、連結部3bが受ける力Fを装着具3aの全体に分散させて被介護者7に作用させる。具体的には、装着具3aは、被介護者7の身体の胸部を前方に引っ張る力F1と、被介護者7の腰部を前方に引っ張る力F2とを被介護者7に作用させる。なお、図9には、被介護者7に作用する力のうち主なものとして、力F1及びF2とを示しているが、これら以外にも被介護者7に作用する力はあり、装着具3aの全体に分散されている。
図9にように介護ベルト3が被介護者7の身体を前方に引っ張ることで、被介護者7が図8に示されるような身体的な負担が比較的小さい立ち方をするよう促される。
以降において介護ベルト3の構成について、より詳細に説明する。
図10は、本実施の形態における介護ベルト3の表面(おもてめん)81Aを示す外観図である。図11は、本実施の形態における介護ベルト3の裏面81Bを示す外観図である。なお、表面81Aは、被介護者7が装着した場合に被介護者7の身体に接しない方の面であり、裏面81Bは、表面81Aとは反対側の面であり、被介護者7が装着した場合に被介護者7の身体に接する方の面である。なお、ここでは、図10及び図11に示す上下左右の方向を用いて説明する。
図10に示されるように、介護ベルト3は、ベースシート81と、取付部82(82L及び82R)、82C並びに8B(8BL及び8BR)と、取付リング83(83L及び83R)と、ベルト84(84L及び84R)、85(85L及び85R)並びに86と、ベルト通し87(87L及び87R)と、調節機構8A(8AL及び8AR)と、骨格部材8Cと、腰パッド91とを備える。なお、符号の末尾の「L」及び「R」は、それぞれ、左及び右を示している。介護ベルト3は、概ね左右対称の形状を有しており、左右で形状及び機能が同じである構成要素については、左右の一方のみ説明する。また、その場合、符号の末尾の「L」及び「R」を省略することがある。
ベースシート81は、被介護者7の胴体を一周するように装着される長尺形状のシート体である。ベースシート81は、左右方向の中央が被介護者7の背骨に平行になるように、より具体的には、被介護者7の背骨の近傍に位置するように装着される。また、ベースシート81の上端は、被介護者7の腋下を通るように装着される。ベースシート81のことを単にシートともいう。
ベースシート81は、被介護者7の胴体に巻き回され、ベースシート81の一端が他端と重ね合わされて接続されることで装着される。ベースシート81は、ポリエステル布又はナイロン製メッシュなどの薄手のシート体である。ベースシート81の表面81A、つまり、ベースシート81が被介護者7に装着されたときに被介護者7の身体から遠い方の面には、後述する取付部82等及びベルト84等が配置される。また、ベースシート81の裏面81Bには、骨格部材8Cが配置される。
裏面81Bは、摩擦が比較的大きい素材で構成され、又は、摩擦が比較的大きい素材が一部に貼り付けられていてもよい。裏面81Bは、被介護者7の衣服と接触し、介護ベルト3が受ける外力を被介護者7の身体に伝える機能を有する。よって、裏面81Bの摩擦が大きいと、裏面81Bと被介護者7の衣服とが滑り合うことが抑制され、介護ベルト3が受ける外力を被介護者7の身体に適切に伝達することができる利点がある。
ベースシート81の表面81Aには、印88(88L及び88R)が付されている。印88は、ベースシート81に印刷により他の部分と異なる色が付されたものであってもよいし、他の素材が縫い付けられたものであってもよい。印88には、(1)取付リング83の配置位置を示す機能と、(2)被介護者7に装着される装着具3aの向きを示す機能との2つがある。
(1)取付リング83の配置位置を示す機能とは、取付部8Bがアーム機構4に接続されていないときに、取付部8Bを配置する位置を示す目印としての機能である。ベースシート81が被介護者7に装着される際に、ベースシート81の端部は重ね合わされる。仮に、ベースシート81のうち重ね合わされる部分(以降、「重ね合わせ部分」ともいう)に取付リング83を配置すると、重ね合わせにより取付リング83が介護ベルト3の内部に入り、アーム機構4に取り付けることができなくなる。そこで、取付部82のうち、重ね合わせ部分を除く位置に取付リング83を取り付けるようにすれば、重ね合わせにより取付リング83が介護ベルト3の内部に入ることが回避される。具体的には、取付部82のうち、印88Lより左側の部分はベースシート81が重ね合わされる可能性があり、印88Lより右側の部分はベースシート81が重ね合わされない部分である。よって、取付部82のうちの印88Lより右側の部分に取付リング83Lが配置されるべきであることを示すべく、印88Lが付されている。
(2)被介護者7に装着される装着具3aの向きを示す機能とは、装着具3aが被介護者7に装着される際に、装着具3aが被介護者7の適切な向きで配置されているか否かを示す目印としての機能である。装着具3aは、装着具3aの左右方向の中央が被介護者7の身体の中央(例えば背骨)に沿うように配置されるときに、適切に機能を発揮することが想定される。そこで、装着具3aの左右の中央から距離が等しい2つの位置それぞれに印88L及び88Rが付されている。被介護者7が装着具3aを装着すると、印88L及び88Rは、被介護者7の脇腹付近に配置される。このとき、被介護者7の前方から見て印88L及び88Rのそれぞれが、被介護者7の身体の中央から等しい距離になっていれば、装着具3aの中央が被介護者7の身体の中央(例えば背骨)に沿うように配置されていることが示される。このことは、被介護者7が自身からの見た目で判断することもできる。また、印88L及び88Rのそれぞれが、被介護者7の身体の中央から等しい距離になっていない場合には、等しい距離になるように被介護者7の胴体の周方向に装着具3aを回すことで調整することができる。
また、ベースシート81には、印89が付されている。上述のようにベースシート81は、被介護者7の胴体に巻き回され、ベースシート81の一端が他端と重ね合わされて接続されることで装着される。印89は、重ね合わせの際に、ベースシート81の両端のどちらを前にして重ね合わせるかを示す機能を有する。具体的には、図10のようにベースシート81の右側の端部に印89が付されている場合、印89が付された端部を前、言い換えれば、被介護者7の身体から遠くなるようにして(いわゆる「右前にして」)両端を重ね合わせることで介護ベルト3が被介護者7に装着される。印89は、後述する取付部8Dの裏側に当たる位置に付されているともいえる。なお、上記では、いわゆる「右前」の場合の印89の位置を示したが、「左前」で重ね合わされる場合には、左右反転した位置に印89が付される。
取付部82Lは、ベースシート81が装着される際に取付部8Dが取り付けられるための取付機構である。取付部82Lは、ベースシート81の長手方向の端部(左端)に配置される。また、取付部82Lは、取付リング83Lがアーム機構4に接続されていないときに、取付リング83Lを取り付ける機能を有する。なお、取付機構は、面を重ね合わせることで接続する機構、例えば面ファスナであり、以降でも同様とする。また、取付部82Lは、例えば、面ファスナのメス面である。
取付部82Rは、取付リング83Rがアーム機構4に接続されていないときに、取付リング83Rを取り付ける機能を有する。取付機構は、例えば面ファスナであり、取付部82Rは、例えば、面ファスナのメス面である。
取付部82Cは、腰パッド91をベースシート81に取り付けるための取付機構である。取付部82Cは、長尺形状を有し、長手方向を上下方向としてベースシート81に固定されている。腰パッド91は、取付部82Cのうちの任意の位置に取り付け可能である。取付部82Cを腰パッド91のどの位置に取り付けるかは、被介護者7の身長に応じて決定されてもよく、その場合、身長に応じて取付部82Cのどの位置に腰パッド91を取り付けると適切であるかを示す印が付されていてもよい(後述)。取付部82Cは、例えば、面ファスナのメス面である。
ベルト84(84L及び84R)、85(85L及び85R)並びに86は、長尺帯状のベルト体である。
ベルト84の一方の端部には、腰パッド91の左右方向の端部が接続される。また、ベルト84の、腰パッド91が取り付けられていない側の端部には、取付部8Bを介して取付リング83が取り付けられる。
ベルト84は、アーム機構4から取付リング83を介して受ける、被介護者7を前方向に引っ張る力を腰パッド91に伝えることで、被介護者7の背中部及び腰部を前方向に移動させる機能を有する。
ベルト85の一方の端部には、取付部8Bを介して取付リング83が取り付けられる。また、ベルト85の、取付部8Bが取り付けられていない側の端部は、調節機構8Aを介してベルト86に連結されている。ベルト85は、被介護者7の腋下を通る位置に、ベルト86とともに被介護者7の胴体を適度に締め付けるようにして装着される。
ベルト85及び86は、アーム機構4から取付リング83を介して受ける、被介護者7を上方向に引き揚げる力を被介護者7の腋下に作用させることで、被介護者7を上方に移動させる機能を有する。
なお、ベルト84L及び85Lは、腰パッド91の左端に接続された一本のベルト体のうち、取付部8BLにより分割される2つの部分として構成されてもよい。その場合、取付部8BLは、上記一本のベルト体を通す挿通孔を有し、上記一本のベルト体に沿って移動可能に構成されてもよい。ベルト84R及び85Rについても同様である。つまり、胸ベルトと腰ベルトとが受力部を貫通して接続されているともいえる。このようにすることにより、胸を引き寄せる力F1と腰を引き寄せる力F2を同程度にバランスさせることができる。
ベルト通し87(87L及び87R)は、ベルト86を通す挿通孔を有する帯状部材である。ベルト86は、ベルト通し87に挿通されており、ベースシート81に対して滑動可能である。
取付リング83(83L及び83R)は、介護ベルト3をアーム機構4等に取り付けるための取付機構である。取付リング83は、取付部8Bを介してベルト84及び85に連結され、ベルト85を介してベースシート81と連結されている。なお、取付リング83は、連結部3bに相当し、また、アーム機構4などにより加えられる外力を受ける受力部に相当する。
取付部8Bは、取付リング83と、ベルト84及び85とを連結する帯状部材である。取付部8Bの一端には取付リング83が接続され、他端には、ベルト84及び85が接続される。また、取付部8Bは、取付部8Bを取付部82に取り付けるための取付機構(例えば、面ファスナのオス面)を有する。
調節機構8A(8AL及び8AR)は、ベルト85の長さを調節するための調節機構である。調節機構8Aは、ベルト85及び86が被介護者7の胴体をちょうど一周する長さになるようにベルト85の長さを調節する。なお、ベルト85及び86が被介護者7の胴体を一周する長さより長い場合、被介護者7が介護ベルト3を装着しアーム機構4と接続されたときに、アーム機構4と介護ベルト3との間に隙間が生じ得る。隙間が生じると、アーム機構4から受ける力が適切にベルト85及び腰パッド91等に伝達されない、又は、被介護者7がアーム機構4に衝突する、などの事象が生じ得る。そこで、調節機構8Aにより上記隙間を生じないようにしておくことで、上記事象の発生を未然に回避することができる。
骨格部材8Cは、ベースシート81の裏面81Bに取り付けられる、ベースシート81より剛性が高く可撓性を有する長尺部材である。骨格部材8Cは、長手方向を上下方向として、ベースシート81に取り付けられる。骨格部材8Cの材料は、比較的軽量の樹脂、又は、アルミニウム等の金属である。
骨格部材8Cは、ベースシート81に生じ得るしわ又は浮きの発生を未然に抑制する効果を奏する。ベースシート81は、被介護者7の背中部から腰部に装着され、被介護者7を上下又は左右に、引っ張り又は押す力を連結部3bから受ける。この力により、ベースシート81にしわ又は浮きが生じ得る。
取付部8Dは、ベースシート81の裏面81Bの、ベースシート81の長手方向の端部のうちの取付部82Lと反対側の端部(右端)に配置され、ベースシート81が被介護者7の胴体に巻き回されるときに取付部82Lに取り付けられる取付機構である。取付部8Dは、印89の裏側の位置に配置されている。取付部8Dは、例えば、面ファスナのオス面である。下端が被介護者7の上後腸骨棘よりも下に位置するように装着され、被介護者7を前方に引っ張る力をこの位置に作用させることで、被介護者7の骨盤71を前傾させるとともに、上半身72を後屈させる。腰パッド91について以降で詳しく説明する。
なお、連結部3bの一端から被介護者7の両腋下を通過して被介護者7の胴体を一周して連結部3bの他端に接続されるベルト、つまり、ベルト85L、86及び85Rを胸ベルトともいう。また、連結部3bの一端から腰パッド91を経由して被介護者7の胴体を一周して連結部3bの他端に接続されるベルト、つまり、ベルト84L及び84Rを腰ベルトともいう。ここで、胸ベルトと腰ベルトとのうち、装着具3aに必須であるのは腰ベルトである。なお、胸ベルトは必須ではないが、装着具3aが胸ベルトを備えていると、連結部3bが受けた力が胸ベルトに伝達され、被介護者の上半身の後屈がなされるとともに、被介護者7の腋下に作用することで、被介護者7の身体を上方に持ち上げることができる利点がある。
なお、被介護者7は、胸部周囲を締め付けられると胸式呼吸による胸部の拡縮が阻害されて息苦しさを感じ、また、腹部周囲を締め付けられると腹式呼吸による腹部の拡縮が阻害されて息苦しさを感じ得る。装着具3aによれば、腰ベルトは胸部前面から腰部にかけて胴体を斜めに一周することになるため上記のどちらの拡縮を阻害することもなく、しっかりと締めても被介護者が息苦しくならない利点がある。
なお、装着具3aを被介護者7の身体の正しい位置に装着するために、上記のとおり被介護者7の胴体に巻き回されたベースシート81で位置を決めることができ、ベストのように肩にかける部材によって位置を合わせる必要がない。仮に肩にかける部材を備える場合、被介護者7が装着具3aを装着又は取り外す行為が複雑化し、迅速な介護の妨げになるおそれがあるからである。
図12は、本実施の形態における腰パッド91の表面(おもてめん)91Aを示す外観図である。図13は、本実施の形態における腰パッド91の裏面91Bを示す外観図である。
図12に示されるように、腰パッド91は、取付部92と、リング93(93L及び93R)と、固定部94(94L及び94R)とを備える。
取付部92は、腰パッド91をベースシート81に取り付けるための取付機構である。取付部92は、長尺形状を有し、長手方向を上下方向として腰パッド91の裏面91Bに固定されている。取付部92がベースシート81の取付部82Cに取り付けられることで、腰パッド91がベースシート81に取り付けられる。取付部92は、例えば、面ファスナのオス面である。
固定部94(94L及び94R)は、ベルト84と腰パッド91とを固定的に接続する固定部である。固定部94は、例えば、一部が腰パッド91の表面91Aに縫い付けられることで固定されており、他の一部がリング93(93L及び93R)を介してベルト84に接続されている。
次に、腰パッド91のベースシート81への取り付け位置について説明する。上記のとおり、ベースシート81は、その上端が被介護者7の腋下を通る位置に装着される。そのため、被介護者7の身長によっては、腰パッド91が腰部に配置されないことがある。
図14A〜図14Cは、それぞれ、本実施の形態におけるベースシート81に配置される腰パッド91の位置の第一例〜第三例を示す外観である。
図14Aに示されるように、ベースシート81の取付部82Cには、印8EA、8EB及び8ECが付されている。印8EA等は、被介護者7の身長に応じて、取付部82Cの複数の取付位置を示している。例えば、印8EA、8EB及び8ECは、それぞれ、比較的高い身長(例えば165cm程度)、中程度の身長(例えば160cm程度)、及び、比較的低い身長(例えば155cm程度)の被介護者7のための腰パッド91の取り付け位置を示している。
そして、比較的高い身長の被介護者7が介護ベルト3を使用する場合には、図14Aに示されるように、印8EAに腰パッド91の上端が配置される位置に、腰パッド91をベースシート81に取り付ける。同様に、中程度、及び、比較的低い身長の被介護者7が介護ベルト3を使用する場合には、それぞれ、図14B及び図14Cに示されるように、印8EB及び印8ECに腰パッド91の上端が配置される位置に、腰パッド91をベースシート81に取り付ける。
このようにすることで、さまざまな身長の被介護者7が装着具3aを適切に装着することができる。
次に、介護ベルト3の装着手順について説明する。
図15A〜図15Dは、それぞれ、本実施の形態における介護ベルト3の装着手順を示す第一〜第四の説明図である。
まず、被介護者7は、ベースシート81の上端を腋下に当てるとともに、腰パッド91を背中部及び腰部に当て、ベースシート81の左右の端部を両手で把持して身体の前面側に引っ張る。次に、左側の端部(左手で把持している方の端部)を身体の前面に当て、右側の端部(右手で把持している方の端部)をベースシート81上の取付部82に取り付ける。このようにして、ベースシート81が被介護者7の胴体に装着される(図15B)。この後、被介護者7は、取付リング83を把持して身体の前面側に引っ張り、取付リング83をアーム機構4(不図示)に接続する。ベースシート81が被介護者7の胴体に装着されると、腰パッド91が背中部及び腰部に当てられた状態となり、ベルト84及び85を介してアーム機構4などから受ける力を被介護者7の背中部及び腰部に作用させ得る状態になる(図15C及び図15D)。
図16は、本実施の形態における介護ベルト3のアーム機構4への接続を示す説明図である。
アーム機構4の、介護ベルト3に接続される一端は、当接部52と、取付部53(53L及び53R)とを有する。
当接部52は、アーム機構4が介護ベルト3に接続されるときに介護ベルト3を介して被介護者7の身体の前面に当接する部分である。当接部52のうち、介護ベルト3に当接する面は、平坦に、かつ、広い面積を有する形状を有するよう構成されてもよい。当接部52はアーム機構4が動作するときに被介護者7に対して身体を押す力を加える部分であるので、上記形状により、当接する面の全体にこの力を分散させることで、被介護者7がこの力を加えられることで感じ得る痛みを軽減することができる。
取付部53(53L及び53R)は、介護ベルト3の取付リング83が取り付けられる取付機構である。取付部53は、上向きの凸部を有する形状を有し、取付リング83に下から挿入されることで取り付けられる。調節機構8Aによりベルト85の長さが、被介護者7の胴体を一周する長さに調整されていることにより、取付部53に取付リング83が取り付けられるとアーム機構4と介護ベルト3とが隙間なく当接し、アーム機構4が与える力を被介護者7に適切に伝えることができる。
図17は、本実施の形態におけるアーム機構4の介護ベルト3との接続部分の別形態を示す説明図である。
図17に示されるアーム機構4は、当接部52の介護ベルト3と当接する側の面に配置されるクッション材54を有する。上記の通り、当接部52は、被介護者7の身体の前面に当接する部分であるので、アーム機構4から被介護者7が受ける力により痛みを感じ得る。そこで、クッション材54を介してアーム機構4を介護ベルト3に接続することで、被介護者7が感じ得る痛みを軽減することができる。
次に、装着具3aがアーム機構4に接続されていないときの取付リング83の配置位置について説明する。
取付リング83は、装着具3aがアーム機構4に接続されていないときは自重により下方向へ垂れさがり、被介護者7の動作の邪魔になり得る。そこで、取付リング83が被介護者7の動作の邪魔にならない位置に配置される工夫について説明する。
図18は、本実施の形態におけるアーム機構4に接続されていないときの取付リング83の配置位置についての説明図である。
上記のとおり、取付リング83には取付部8Bが接続されている。取付部8Bは、取付部82に取り付けられる。このとき、印88よりベースシート81の端部に近い側の部分である取付部8Fと、ベースシート81の端部から遠い側の部分である取付部8Gとに分けた場合に、取付部8Bは、取付部8Gに取り付けられる。印88は、被介護者7に介護ベルト3が装着されるためにベースシート81の端部が重ね合わされた場合に、その重ね合わせ部分に取付リング83が入り込むことが回避される。
次に、装着具3aのクッション材8Hについて説明する。図19は、本実施の形態における装着具3aのクッション材8Hについての説明図である。
上記のとおり、ベルト85は、アーム機構4から受ける、被介護者7を上方向に引き揚げる力を被介護者7の腋下に作用させる。このとき、ベルト85の厚さが小さいと、ベルト85が被介護者7の腋下に食い込むことで、被介護者7が痛みを感じ得る。そこで、ベースシート81は、ベースシート81及びベルト85の一方又は両方と腋下との間に位置するクッション材8Hを備えてもよい。クッション材8Hは、例えば、ベースシート81の表面81Aから縁を跨いで裏面81Bに至るようにベースシート81に固定的に配置されてもよい。クッション材8Hの材料は、例えば、可撓性を有する合成樹脂又はゴムなどの弾性体である。クッション材8Hにより、ベルト85から受ける力によって被介護者7が感じ得る腋下の痛みを軽減することができる。
次に、被介護者7のベースシート81を長尺方向(左右方向)に延長する延長シート101について説明する。被介護者7の胴回りがベースシート81の長尺方向の長さより大きい場合、ベースシート81を被介護者7の胴体を一周するように装着させることができない。このような場合にもベースシート81を被介護者7の胴体に装着させることができる延長シート101について説明する。
図20Aは、本実施の形態における介護ベルト3の延長シート101の表面(おもてめん)101Aを示す外観図である。図20Bは、本実施の形態における介護ベルト3の延長シート101の裏面101Bを示す外観図である。図21は、本実施の形態における介護ベルト3の延長シート101の使用方法の説明図である。
図21に示されるように、延長シート101は、ベースシート81に連結され、ベースシート81とともに被介護者7の胴体を一周するように装着されるシート体である。延長シート101の材料は、ベースシート81と同様のものを採用し得る。
延長シート101は、表面101Aに取付部103を有する。取付部103は、ベースシート81の取付部8Dに取り付けられる取付機構である。取付部103は、例えば、面ファスナのメス面である。
また、延長シート101の表面101Aには印102が付されている。印102の用途及び機能は、印89と同様であり、重ね合わせの際に上にする端部を示す機能を有する。
延長シート101は、裏面101Bに取付部104を有する。取付部104は、ベースシート81の取付部82Lに取り付けられる取付機構である。取付部103は、例えば、面ファスナのオス面である。
このように、延長シート101を用いれば、胴回りがベースシート81の左右方向の長さより大きい被介護者7に装着具3aを装着させることが可能となる。
次に、介護ベルト3のアーム機構4からの離脱を容易にすることができる着脱機構8I及び8Jについて説明する。図22は、本実施の形態における介護ベルト3の着脱機構8I及び8Jの説明図である。
上記のとおり、ベルト85及び86は、調節機構8Aにより、被介護者7の胴体を一周する長さに調節されるので、被介護者7に装着された状態ではベルト85及び86に長さの余裕がない。被介護者7が介護ベルト3を装着してアーム機構4に接続されているときに、何らかの事情により急きょ、被介護者7を介護ベルト3から離脱させる必要が生じることがある。被介護者7を介護ベルト3から離脱させるには、介護ベルト3の取付リング83を取付部53から外す必要があるが、ベルト85及び86に長さの余裕がないことにより、又は、被介護者7の体勢若しくは周囲の状況により、取付リング83を取付部53から外すことが困難であることもある。
そこで、介護ベルト3は、ベルト85L上に、ベルト85Lを2つの部分に分離することができる着脱機構8I及び8Jを備える。被介護者7が介護ベルト3を装着してアーム機構4に接続されているときに、着脱機構8I及び8Jによりベルト85Lを2つの部分に分離すると、ベルト85及び86による被介護者7への締め付けが緩み、長さに余裕が生まれ、被介護者7を介護ベルト3から容易に離脱させることができる。着脱機構8I及び8Jは、例えば、差込バックルのオスとメスとである。
なお、着脱機構8I及び8Jは、上記の他、ベルト84、85及び86のうちの任意の位置に備えられていてもよく、その場合にも同様の効果を奏する。
なお、介護ベルト3は、アーム機構4に接続されてアーム機構4から受ける力を被介護者7に作用させることに限定されない。例えば、介護ベルト3は、介護者により把持されるなどして介護者から受ける力を被介護者7に作用させることにも用いられ得る。
図23A〜図23Dは、それぞれ、本実施の形態における介護ベルト3を介護者18が扱う場合の起立動作支援を説明する第一〜第四の説明図である。
図23Aに示すように、被介護者7は介護ベルト3を身に付けて上半身を保持し、介護者18が介護ベルト3の連結部3bを握って、介護者18の手前に引く。介護者18が手前に引くことによって、介護者18からの力が介護ベルト3に伝達され、図23Bの点線の反時計回りの矢印Bのように被介護者7の臀部の腰掛部5からの離床を促すとともに、図23Bの点線の時計回りの矢印Aのように被介護者7の上半身の後屈を促す。図23Bに矢印で示すように、介護ベルト3を介護者18が牽引することにより、被介護者7をその座位姿勢から前方に牽引する。
次に、図23Cに示すように、介護者18は、被介護者7の臀部の腰掛部5からの離床を確認したタイミングで、上方で且つ少し後方へ引き上げるように、介護ベルト3に連結部3bを介して力を加える。そのとき、介護者18は、介護ベルト3で被介護者7の脇7gを引き上げることで、被介護者7は起立姿勢に移行する(図23D)。
なお、装着具3aは、取付リング83の代わりに、バックルによりアーム機構4に取付けられてもよい。
《実施の形態の効果》
以上のように、本実施の形態における装着具3aは、被介護者の腰部に装着される腰パッド91と、被介護者の身体の胸部に装着され、被介護者の位置又は姿勢を変化させるための外力を受ける連結部3bと、腰パッド91と連結部3bとに接続され、腹部側方を斜めに横切る腰ベルト(ベルト84L及び84R)とを備える。
以上のように、本実施の形態における装着具3aは、被介護者の腰部に装着される腰パッド91と、被介護者の身体の胸部に装着され、被介護者の位置又は姿勢を変化させるための外力を受ける連結部3bと、腰パッド91と連結部3bとに接続され、腹部側方を斜めに横切る腰ベルト(ベルト84L及び84R)とを備える。
これによれば、連結部3bが受けた力が腰ベルトを介して腰パッド91に伝達される。腰パッド91に伝達された力が被介護者7の背中部及び腰部に作用することにより、被介護者7の身体の位置又は姿勢の変化として、骨盤の前傾がなされる。このように、被介護者による立ち上がりの失敗を抑制しながら被介護者の動作を支援する。また、腰ベルトをしっかり締めても呼吸が苦しくならないという利点がある。
また、装着具3aは、さらに、連結部3bに接続され、被介護者の腋下を通って胴体を一周するように装着される胸ベルト(ベルト85L、86及び85R)とを備えてもよい。
これによれば、連結部3bが受けた力が胸ベルトに伝達され、被介護者の上半身の後屈がなされるとともに、被介護者7の腋下に作用することで、被介護者7の身体を上方に持ち上げることができる。このようにして、装着具3aは、被介護者7による立ち上がりの失敗を回避しながら被介護者7の動作を支援することができる。
また、胸ベルトと腰ベルトが連結部3bを貫通して接続されていてもよい。
これによれば、骨盤を前傾させる力と上半身を後屈させる力が釣り合うことにより、どちらか一方の力が他方より極端に強くなることが抑制される。
また、装着具3aは、さらに、腰パッド91、連結部3b、胸ベルト及び腰ベルトより被介護者の身体に近い側に、被介護者の胴体を一周するように装着されるシートを備えてもよい。
これによれば、腰ベルトと胸ベルトの衣服に対する摩擦を大きくすることができ、また身体に対する位置をあらかじめ決定することができるようになる。よって、手間をかけずに確実に、腰ベルト及び胸ベルトを被介護者7に装着することができるようになる。
また、シートは、長尺形状を有し、長手方向の両端に配置される2つの接続機構を有し、長手方向を被介護者の胴体を周回する方向にして被介護者に装着され、2つの接続機構は、被介護者の身体の前面において互いに重ね合わされて接続されてもよい。
これによれば、ベースシート81は、両端部が重ねあわされることで容易に被介護者7に装着される。
また、シートには、シートより剛性が高い長尺形状の骨格部材が配置され、骨格部材は、長手方向をシートの短手方向に平行にして配置されてもよい。
これによれば、連結部3bが受けた力によりベースシート81が前後左右に移動される場合に、ベースシート81に生じ得るしわ又は浮きを未然に防止することができる。
また、腰パッド91は、装着具3aを装着する人の身長に対応して予め定められたシート上の複数の位置のうち、被介護者の身長に対応する位置に配置されてもよい。
これによれば、腰パッド91が、装着具3a上の被介護者7の身長に応じた適切な位置に配置される。装着具3aは、上端が被介護者7の腋下に位置するように装着されるので、被介護者7の身長が異なると、腰パッド91が適切な位置に配置されない可能性がある。そこで、腰パッド91が、装着具3a上の適切な位置に配置されることで、さまざまな身長の被介護者7に装着され、適切に機能し得る。
また、シートは、被介護者の腋下に当接する部分に配置されるクッション材を有してもよい。
これによれば、装着具3aの上端と被介護者7の腋下とが当たることで被介護者7が感じ得る痛みを軽減することができる。
また、シートは、接続される際に重ね合わされる部分のうち、重ね合わされた状態において被介護者の身体から遠い方に位置する部分に配置された印を有してもよい。
これによれば、被介護者7は、装着具3aを装着するときに、両端部のどちらを前にして両端部を重ね合わせればよいかを直観的に知ることができる。
また、装着具3aは、胸ベルト及び腰ベルトとして機能する左ベルト及び右ベルトを備え、腰パッド91の左右の両端には、左ベルトの一端及び右ベルトの一端が接続されており、シートには、左ベルトの他端及び右ベルトの他端が接続されており、左ベルトは、左ベルト上を移動可能なリングを有し、右ベルトは、右ベルト上を移動可能なリングを有し、左ベルトのリング、及び、右ベルトのリングのそれぞれは、連結部3bに接続され、左ベルトのうちの連結部3bとシートとを結ぶ部分、及び、右ベルトのうちの連結部3bとシートとを結ぶ部分が胸ベルトとして機能し、左ベルトのうちの連結部3bと腰パッド91とを結ぶ部分、及び、右ベルトのうちの連結部3bと腰パッド91とを結ぶ部分が腰ベルトとして機能し、左ベルトのリング、及び、右ベルトのリングは、連結部3bとして機能してもよい。
これによれば、装着具3aの胸ベルト及び腰ベルトは、左ベルト及び右ベルトを用いてより具体的に構成される。
また、左ベルトは、左ベルトの長さを調整可能である調節機構を有し、右ベルトは、右ベルトの長さを調整可能である調節機構を有してもよい。
これによれば、左ベルト及び右ベルトの長さを被介護者7の体型にあわせて調節することで、胸ベルト及び腰ベルトそれぞれを、ちょうど被介護者7の胴体を一周する長さに調整することができる。
また、左ベルト及び右ベルトの少なくとも一方は、当該一方を2つの部分に分離可能である着脱機構を有してもよい。
これによれば、被介護者7が装着具3aを装着しているときに、着脱機構8I及び8Jにより胸ベルト及び腰ベルトによる被介護者7への締め付けが緩み、長さに余裕が生まれ、被介護者7を装着具3aから容易に離脱させることができる。
また、連結部3bは、被介護者の位置又は姿勢を変化させるためのアーム機構4から外力を受け、装着具3aは、さらに、アーム機構4と被介護者の身体の前面との間に配置されるクッション材54を有してもよい。
これによれば、アーム機構4と被介護者7の身体との間にクッション材54が介在された状態で、被介護者7の身体がアーム機構4に接続される。これにより、アーム機構4が被介護者7に作用させる力により被介護者7が感じ得る痛みを軽減することができる。
また、シートは、シートの被介護者の身体の前面に装着される部分のうち、シートの長手方向の中央から距離が等しい2つの位置に付された印を有してもよい。
これによれば、被介護者7が装着具3aを装着した状態において、被介護者7の前方から見て印88L及び88Rのそれぞれが、被介護者7の身体の中央から等しい距離になっているか否かに基づいて、装着具3aの中央が被介護者7の身体の中央(例えば背骨)に沿うように配置されているか否かを知ることができる。
また、シートは、シートの被介護者の身体の前面に装着される部分のうち、2つの接続機構が重ねあわされる部分を除く位置を示す印を有してもよい。
これによれば、取付リング83が取り付けられる位置として、被介護者7に装着されるときに装着具3aが重ね合わされる部分を除く位置を示すことができる。この位置に取付リング83が配置されることで、装着具3aの重ね合わせ部分に取付リング83が入り込むことが回避される。
また、前記装着具は、さらに、シートの長手方向の端部に連結され、シートとともに被介護者の胴体を一周するように装着される延長シートを備えてもよい。
これによれば、被介護者7の胴回りがベースシート81の長尺方向の長さより大きい場合にも、ベースシート81と延長シート101とをともに用いて被介護者7の胴体を一周するように装着させることができる。
以上のように、本実施の形態における動作支援装置は、被介護者による起立又は着座の動作を支援する動作支援装置であって、上記の装着具3aと、被介護者の位置又は姿勢を変化させるためのアーム機構4であって、被介護者による起立又は着座のために装着具3aに対して力を作用させるアーム機構4とを備える。
これによれば、装着具3aと同様の効果を奏する。
(その他)
以上、本発明に係る装着具及び動作支援装置等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
以上、本発明に係る装着具及び動作支援装置等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
なお、上記実施の形態に係る包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意の組み合わせで実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
3a 装着具
3b 連結部(受力部)
4 アーム機構(牽引装置)
54、8H クッション材
81 ベースシート(シート)
83、83L、83R 取付リング
84、84L、84R、85、85L、85R、86 ベルト
88、88L、88R、89、8EA、8EB、8EC、102 印
8A、8AL、8AR 調節機構
8C 骨格部材
8I、8J 着脱機構
91 腰パッド
93、93L、93R リング
101 延長シート
3b 連結部(受力部)
4 アーム機構(牽引装置)
54、8H クッション材
81 ベースシート(シート)
83、83L、83R 取付リング
84、84L、84R、85、85L、85R、86 ベルト
88、88L、88R、89、8EA、8EB、8EC、102 印
8A、8AL、8AR 調節機構
8C 骨格部材
8I、8J 着脱機構
91 腰パッド
93、93L、93R リング
101 延長シート
Claims (17)
- 被介護者の腰部に装着される腰パッドと、
前記被介護者の身体の胸部に装着され、前記被介護者の位置又は姿勢を変化させるための外力を受ける受力部と、
前記腰パッドと前記受力部とに接続され、腹部側方を斜めに横切る腰ベルトとを備える
装着具。 - 前記装着具は、さらに、
前記受力部に接続され、前記被介護者の腋下を通って胴体を一周するように装着される胸ベルトとを備える
請求項1に記載の装着具。 - 前記胸ベルトと前記腰ベルトが前記受力部を貫通して接続された
請求項2に記載の装着具。 - 前記装着具は、さらに、
前記腰パッド、前記受力部、前記胸ベルト及び前記腰ベルトより前記被介護者の身体に近い側に、前記被介護者の胴体を一周するように装着されるシートを備える
請求項2又は3に記載の装着具。 - 前記シートは、長尺形状を有し、長手方向の両端に配置される2つの接続機構を有し、長手方向を前記被介護者の胴体を周回する方向にして前記被介護者に装着され、
前記2つの接続機構は、前記被介護者の身体の前面において互いに重ね合わされて接続される
請求項4に記載の装着具。 - 前記シートには、前記シートより剛性が高い長尺形状の骨格部材が配置され、
前記骨格部材は、長手方向を前記シートの短手方向に平行にして配置される
請求項5に記載の装着具。 - 前記腰パッドは、前記装着具を装着する人の身長に対応して予め定められた前記シート上の複数の位置のうち、前記被介護者の身長に対応する位置に配置される
請求項5又は6に記載の装着具。 - 前記シートは、前記被介護者の腋下に当接する部分に配置されるクッション材を有する
請求項4〜7のいずれか1項に記載の装着具。 - 前記シートは、接続される際に重ね合わされる部分のうち、重ね合わされた状態において被介護者の身体から遠い方に位置する部分に配置された印を有する
請求項4又は5に記載の装着具。 - 前記装着具は、前記胸ベルト及び前記腰ベルトとして機能する左ベルト及び右ベルトを備え、
前記腰パッドの左右の両端には、前記左ベルトの一端及び前記右ベルトの一端が接続されており、
前記シートには、前記左ベルトの他端及び前記右ベルトの他端が接続されており、
前記左ベルトは、前記左ベルト上を移動可能なリングを有し、
前記右ベルトは、前記右ベルト上を移動可能なリングを有し、
前記左ベルトの前記リング、及び、前記右ベルトの前記リングのそれぞれは、前記受力部に接続され、
前記左ベルトのうちの前記受力部と前記シートとを結ぶ部分、及び、前記右ベルトのうちの前記受力部と前記シートとを結ぶ部分が前記胸ベルトとして機能し、
前記左ベルトのうちの前記受力部と前記腰パッドとを結ぶ部分、及び、前記右ベルトのうちの前記受力部と前記腰パッドとを結ぶ部分が前記腰ベルトとして機能し、
前記左ベルトの前記リング、及び、前記右ベルトの前記リングは、前記受力部として機能する
請求項4〜9のいずれか1項に記載の装着具。 - 前記左ベルトは、前記左ベルトの長さを調整可能である調節機構を有し、
前記右ベルトは、前記右ベルトの長さを調整可能である調節機構を有する
請求項10に記載の装着具。 - 前記左ベルト及び前記右ベルトの少なくとも一方は、当該一方を2つの部分に分離可能である着脱機構を有する
請求項10又は11に記載の装着具。 - 前記受力部は、前記被介護者の位置又は姿勢を変化させるための牽引装置から前記外力を受け、
前記装着具は、さらに、
前記牽引装置と前記被介護者の身体の前面との間に配置されるクッション材を有する
請求項4〜12のいずれか1項に記載の装着具。 - 前記シートは、前記シートの前記被介護者の身体の前面に装着される部分のうち、前記シートの長手方向の中央から距離が等しい2つの位置に付された印を有する
請求項4〜7、9のいずれか1項に記載の装着具。 - 前記シートは、前記シートの前記被介護者の身体の前面に装着される部分のうち、前記2つの接続機構が重ねあわされる部分を除く位置を示す印を有する
請求項5に記載の装着具。 - 前記装着具は、さらに、
前記シートの長手方向の端部に連結され、前記シートとともに前記被介護者の胴体を一周するように装着される延長シートを備える
請求項4又は5に記載の装着具。 - 被介護者による起立又は着座の動作を支援する動作支援装置であって、
請求項1〜16のいずれか1項に記載の装着具と、
前記被介護者の位置又は姿勢を変化させるための牽引装置であって、前記被介護者による起立又は着座のために前記装着具に対して力を作用させる牽引装置とを備える
動作支援装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017015963A JP2018121847A (ja) | 2017-01-31 | 2017-01-31 | 装着具、及び、動作支援装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017015963A JP2018121847A (ja) | 2017-01-31 | 2017-01-31 | 装着具、及び、動作支援装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018121847A true JP2018121847A (ja) | 2018-08-09 |
Family
ID=63110618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017015963A Pending JP2018121847A (ja) | 2017-01-31 | 2017-01-31 | 装着具、及び、動作支援装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018121847A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020168307A (ja) * | 2019-04-05 | 2020-10-15 | オージー技研株式会社 | 身体保持装具、これを用いる移乗装置、及び移乗方法 |
-
2017
- 2017-01-31 JP JP2017015963A patent/JP2018121847A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020168307A (ja) * | 2019-04-05 | 2020-10-15 | オージー技研株式会社 | 身体保持装具、これを用いる移乗装置、及び移乗方法 |
JP7273401B2 (ja) | 2019-04-05 | 2023-05-15 | オージー技研株式会社 | 身体保持装具、これを用いる移乗装置、及び移乗方法 |
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