JP2018119605A - 二重シール弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】単一のアクチュエータで第1弁体及び第2弁体を昇降可能で、中間室に液溜まり部の形成を防止可能な二重シール弁を提供する。
【解決手段】二重シール弁1は、第1弁座11及び第1弁体12を備える第1バルブ本体10と、第2弁座21及び第2弁体22を備える第2バルブ本体20と、第1及び第2バルブ本体10,20間に配される中間室30と、第1弁体12を昇降させるアクチュエータ40とを有し、第1バルブ本体10は逆栓型の構造を有し、第2バルブ本体20は正栓型の構造を有し、第2弁体22は、閉鎖状態の第1弁体12から離間し、且つ、第1弁体12と当接した状態でアクチュエータ40が第1弁体12を昇降させることにより、第1弁体12に連動して昇降可能に配される。
【選択図】図1

Description

本発明は、第1弁座及び第1弁体を有する第1バルブ本体と、第2弁座及び第2弁体を有する第2バルブ本体とが中間室を介して接続される二重シール弁に関し、特に、サニタリー用の二重シール弁に関する。
食品、醸造、乳業、化学薬品等の分野において、品質管理は極めて重要であり、これらの分野における製造ラインには、衛生的であることが求められる。このため、液体、気体、蒸気等の流体を流す配管としては、衛生的なサニタリー配管等が用いられるとともに、流路の切換え、遮断、合流等を行うために、ダイヤフラムを備える複数の弁(バルブ)が流路に設置される。また、サニタリー仕様の配管や弁等では、無菌的に使用するために(アセプティック仕様とも言う)、CIP(Cleaning in Place:定置洗浄)やSIP(Sterilizing in Place:定置滅菌)等により配管設備を分解せずに洗浄及び滅菌を十分かつ効率的・経済的に行える構造が求められる。
CIPを行う場合、洗浄液と製品液が混ざり合わないようにすることが重要であることから、2つのシール構造を有する二重シール弁がサニタリー配管に用いられることがある。また、製品需要の増大に伴い大規模なサニタリー仕様の配管設備が必要とされる場合では、漏洩による異液の混入を防止するために二重シール弁が用いられることもある。
上述のような二重シール弁が用いられることにより、例えば第1弁体を備える第1バルブ本体(第1バルブボディ)と第2弁体を備える第2バルブ本体(第2バルブボディ)のいずれか一方のシール構造に破壊が生じた場合でも、他方のシール構造でシール状態を維持することができるため、異液の混入を安定して回避することができる。
また、二重シール弁では、第1バルブ本体と第2バルブ本体の間に、ドレン排出部を備える中間室が配される。このような中間室が設けられることにより、第1及び第2バルブ本体のうちの一方のシール構造に破壊が生じたときに、漏液をドレン排出部から排出することができる。またこの場合、ドレン排出部から排出される漏液を検知することも可能となるため、二重シール弁におけるシール構造の破壊を、外部から容易に発見することができるようになる。
なお、上述のような二重シール弁の中間室は、第1弁体及び第2弁体が開いているときには二重シール弁の導通経路の一部となる。このため、二重シール弁の無菌的な使用において、例えば、開いた状態の第1弁体及び第2弁体を閉鎖するときに、中間室に製品液が残存した状態(言い換えると、中間室が製品液により汚染された状態)になることもある。従って、二重シール弁の無菌的な使用では、第1弁体及び第2弁体を開動作させる前に、製品液が残存する中間室の洗浄及び滅菌を実施することが必要となる。
上述のような第1バルブ本体と、第2バルブ本体と、これらの間に配される中間室とを有する二重シール弁が、例えば特開2010−7842号公報(特許文献1)や特開2011−7277号公報(特許文献2)に開示されている。
例えば特許文献1に記載されている二重シール弁では、第1バルブ本体、第2バルブ本体、及び中間室内に、第1、第2、及び第3のアクチュエータによって別々に駆動される弁体がそれぞれ配されている。これにより、特許文献1では、第1バルブ本体、第2バルブ本体、及び中間室を小型化できるとしている。
特許文献2に記載されている二重シール弁は、第1バルブ本体、第2バルブ本体、及び中間室が分割構成されており、且つ、第1バルブ本体、第2バルブ本体、及び中間室が同軸上で直列に連結さるとともにクランプバンドにより緊締される構造を有する。これにより、特許文献2では、バルブ全体としてのポート数を3以上の広範囲で選択でき、また、第1バルブ本体、第2バルブ本体、及び中間室の向きを自在に設定できるため、配管構造の自由度が増大するとしている。
なお、この特許文献2の二重シール弁においても、第1バルブ本体及び第2バルブ本体には、各弁体(ダイヤフラム弁体)を移動させるための専用の駆動シリンダー(アクチュエータ)がそれぞれ取り付けられている。
特開2010−7842号公報 特開2011−7277号公報
特許文献1や特許文献2に記載されている二重シール弁では、第1バルブ本体と第2バルブ本体とが、正栓型の構造を有して中間室の上下に対称的に配されている。ここで、正栓型の構造とは、弁体を支持する弁棒が弁座に向けて押し込まれるときに、弁体が弁座に向けて近付くように移動する構造を言う。
また、特許文献1や特許文献2の二重シール弁では、弁体を全閉状態から全開状態までの距離(フルストローク)で移動させることが可能なアクチュエータが、第1バルブ本体と第2バルブ本体とについてそれぞれ別々に設けられている。このため、第1バルブ本体の弁体と、第2バルブ本体の弁体とを、それぞれの専用のアクチュエータによって互いに独立して昇降させることにより、それぞれの弁口を開閉させている。
従って、特許文献1や特許文献2のような従来の二重シール弁では、第1バルブ本体用と第2バルブ本体用の少なくとも2つのフルストロークでの昇降が可能なアクチュエータが、第1バルブ本体及び第2バルブ本体の上側と下側とにそれぞれ設置される必要がある。このため、2つ分のアクチュエータの設置スペースを確保する必要があり、二重シール弁の小型化を図ることが難しいという問題や、また、二重シール弁の重量の増大を招くという問題があった。
また従来の二重シール弁では、第1バルブ本体の弁体と第2バルブ本体の弁体とを別々のアクチュエータで作動させるため、互いに独立して制御することが可能であるものの、それぞれの弁体を同期して作動させる場合には高精度な制御が必要となり、配管設備のコスト増大に繋がることがある。更に、配管設備が大規模になると多数の二重シール弁を同時に制御することが必要となって、その制御が煩雑になるため、二重シール弁の制御をより簡略化することが求められることもあった。
更に、特許文献1や特許文献2の二重シール弁では、第1バルブ本体と第2バルブ本体の両方が正栓型の構造を有することにより、第1バルブ本体と第2バルブ本体の間に配される中間室の最も低い位置に弁体の表面が配されることとなる。その結果、中間室の底面部(下面部)に、水などの液体が溜まりやすい凹部が多少なりとも形成される。
このような凹部が中間室に形成されると、洗浄の際に洗浄水の滞留部となって洗浄の不完全部を生じさせる虞がある。また、滅菌のために蒸気(スチーム)を流入させる場合に、冷やされた凝縮水が中間室の凹部(液溜まり部)に溜まり易くなり、滅菌の不完全部を生じさせる虞もある。
なお、中間室の凹部に洗浄水や凝縮水が溜まる場合でも、高温の蒸気を長い時間流入させることにより十分な滅菌を行うことができるものの、省エネルギー化、合理化、低コスト化の観点から、中間室の底面部に液溜まり部が形成されない構造や、中間室の省スペース化が図れる構造を採用することが求められている。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、アクチュエータの設置数を減らして小型化やコストの削減を実現することが可能であり、更には、中間室に洗浄水や凝縮水等のドレン液が溜まる液溜まり部の形成を防止可能で、また、中間室の省スペース化を図ることが可能な二重シール弁を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供される二重シール弁は、第1弁口を備える第1弁座に対し、第1弁棒の先端部に配される第1弁体を離間・接触させることにより前記第1弁口を開閉する第1バルブ本体と、第2弁口を備える第2弁座に対し、第2弁棒の先端部に配される第2弁体を離間・接触させることにより前記第2弁口を開閉する第2バルブ本体と、前記第1及び第2バルブ本体間に配される中間室と、前記第1弁棒及び前記第1弁体を昇降させるアクチュエータとを有し、前記第2弁体は、前記第1弁体と同軸上に、前記第1弁体に対向して配される二重シール弁において、前記第1バルブ本体は、前記第1弁棒が前記第1弁座に向けて押し込まれることにより、前記第1弁体が前記第1弁座から離れる逆栓型の構造を有し、前記第2バルブ本体は、前記第2弁棒が前記第2弁座に向けて押し込まれることにより、前記第2弁体が前記第2弁座に近付く正栓型の構造を有し、前記第2弁体は、前記第1弁口を閉鎖状態の前記第1弁体から離間し、且つ、前記第1弁体と当接した状態で前記アクチュエータが前記第1弁体を昇降させることにより、前記第1弁体に連動して昇降可能に配されてなることを最も主要な特徴とするものである。
上述のような本発明に係る二重シール弁において、前記第1バルブ本体は前記中間室の下側に接続されるとともに、前記第2バルブ本体は前記中間室の上側に接続され、前記中間室の底面は、前記第1弁体が接触する前記第1弁座の着座面と、前記着座面の外側に配される外周面とを有し、前記外周面は、前記着座面から外側に向けて水平に又は下り傾斜して配されることが好ましい。
また、本発明に係る二重シール弁において、前記第1バルブ本体は前記中間室の上側に接続されるとともに、前記第2バルブ本体は前記中間室の下側に接続され、前記第2弁体は、前記第2弁口の閉鎖時に前記第2弁座よりも上方に突出する突出部を有し、前記中間室の底面は、前記第2弁体の前記突出部の外側に配されるとともに前記第2弁座により形成される外周面を有し、前記外周面は、前記第2弁体との境界位置から外側に向けて水平に又は下り傾斜して配されていても良い。
この場合、前記中間室は、前記中間室に生じるドレン液を排出するドレン排出部と、前記ドレン排出部を開閉するドレンバルブ部とを備えるドレンバルブ機構を有し、前記ドレン排出部は、前記中間室の前記底面における前記外周面の高さ位置で前記中間室に開口していることが好ましい。
更に、前記中間室は、前記ドレンバルブ機構と同じバルブ機構となる供給バルブ機構を更に有し、前記供給バルブ機構は、前記中間室における前記ドレンバルブ機構の対向する位置に配され、且つ、前記中間室にCIP用洗浄液及びSIP用蒸気を供給可能に形成されていることが好ましい。
また本発明の二重シール弁は、前記第1弁体を前記第1弁座から離れる方向に微小に移動させて前記第1弁口を微開させることが可能な第1ディスクリフト機構、及び/又は、前記第2弁体を前記第2弁座から離れる方向に微小に移動させて前記第2弁口を微開させることが可能な第2ディスクリフト機構を備えていることが好ましい。
本発明に係る二重シール弁は、逆栓型の構造を有する第1バルブ本体と、中間室と、正栓型の構造を有する第2バルブ本体と、第1弁棒及び第1弁体を昇降させるアクチュエータとを有する。中間室は、第1バルブ本体と第2バルブ本体との間に、第1バルブ本体の内部空間と第2バルブ本体の内部空間とに連通して配されている。
第2バルブ本体の第2弁体は、第1バルブ本体の第1弁体と同軸上で、且つ、第1弁口を閉鎖している状態の第1弁体に対して離間した位置に、第1弁体に対向して配される。更に、第2弁体は、アクチュエータが第1バルブ本体の第1弁体を昇降させるときに、第1弁体と当接可能に配されている。そして、この第2弁体は、第1弁体と第2弁体とが当接した状態でアクチュエータが第1弁体を昇降させることにより、第1弁体に連動して昇降可能に配されている。
このような本発明の二重シール弁では、逆栓型の構造を有する第1バルブ本体の第1弁体と、正栓型の構造を有する第2バルブ本体の第2弁体とを、単一のアクチュエータによって、連動させて昇降させることができる。これにより、本発明の二重シール弁では、第1バルブ本体及び第2バルブ本体に対してそれぞれ別々のアクチュエータを設ける必要がないため、特許文献1及び2のような従来の二重シール弁に比べて、アクチュエータの設置数を減少させることができる。その結果、小型且つ軽量で、安価な二重シール弁を容易に提供することが可能となる。
また、第1バルブ本体の第1弁体と、第2バルブ本体の第2弁体とを単一のアクチュエータによって作動させるため、従来のような高精度な制御を行うための高価な制御装置を用いなくても、第1弁体の動作と第2弁体の動作とを、連動によって容易に同期させることができる。このため、制御装置の簡略化や配管設備のコスト削減を容易に実現することができる。
更に、本発明の二重シール弁では、第1弁体で第1弁口を閉じているとともに、第2弁体で第2弁口を閉じている状態のときに、第2弁体が第1弁体から離れて配されている。このため、第1弁口の閉鎖状態と第2弁口の閉鎖状態とを、それぞれ別々に、独立して維持することができ、それによって、二重シール弁の良好なシール性を安定して確保することができる。
このような本発明の二重シール弁において、第1バルブ本体は、鉛直方向における中間室の下側に接続されるとともに、第2バルブ本体は、鉛直方向における中間室の上側に接続される。また、中間室の底面(下面)は、下側に配される第1バルブ本体の第1弁体が接触する第1弁座の着座面と、その着座面の外側に配される外周面とを有する。更に、中間室の底面に形成される上記外周面は、第1弁座の着座面から外側に向けて水平に又は下り傾斜して配されている。
このような本発明の二重シール弁であれば、洗浄水や凝縮水等の液体が溜まりやすい凹状の液溜まり部が中間室の底面(下面)に設けられることなく、中間室を小さな大きさで形成することができる。それにより、中間室に洗浄の不完全部や滅菌の不完全部が生じることを防止して、CIPによる洗浄やSIPによる滅菌を、従来よりも少ないエネルギーで効率的に且つ経済的に実施することができる。このため、従来の二重シール弁に比べて、省エネルギー化、合理化、及び低コスト化を容易に実現することができる。
一方、本発明の二重シール弁では、第1バルブ本体が、鉛直方向における中間室の上側に接続されるとともに、第2バルブ本体が、鉛直方向における中間室の下側に接続されていても良い。この場合、下側に配される第2バルブ本体の第2弁体は、第2弁口の閉鎖時に第2弁座よりも上方に突出する突出部を有する。また、中間室の底面(下面)は、第2弁体の突出部の外側に配されるとともに第2弁座により形成される外周面を有しており、その外周面は、第2弁体との境界位置から外側に向けて水平に又は下り傾斜して配されている。
このような本発明の二重シール弁であっても、洗浄水や凝縮水等の液体が溜まりやすい凹状の液溜まり部が中間室の底面(下面)に設けられることなく、中間室を形成することが可能である。従って、中間室に洗浄の不完全部や滅菌の不完全部が生じることを防止して、CIPによる洗浄やSIPによる滅菌を従来よりも少ないエネルギーで効率的に且つ経済的に実施することが可能となる。
また、上述のような構造を有する本発明の二重シール弁において、二重シール弁の中間室は、その中間室に生じるドレン液を排出するドレン排出部と、ドレン排出部を開閉するドレンバルブ部とを備えるドレンバルブ機構を有する。また、中間室のドレン排出部は、中間室の底面に形成される上記外周面の高さ位置で中間室に開口している。これにより、小さな中間室を安定して形成できるとともに、中間室に溜まるドレン液を、ドレン排出部から容易に且つ安定して排出することができる。このため、二重シール弁のCIPによる洗浄やSIPによる滅菌をより効率気に行うことができ、また、二重シール弁(特に中間室)をより安定して無菌的に使用することができる。
更にこの場合、中間室は、CIP用洗浄液及びSIP用蒸気を中間室に供給可能な供給バルブ機構を有することができる。この供給バルブ機構は、ドレン排出部及びドレンバルブ部を備える上述のドレンバルブ機構と同じバルブ機構(構造)で形成されており、例えば洗浄液や蒸気を中間室に供給する外部供給部と、外部供給部を開閉する供給バルブ部とを有する。また、供給バルブ機構は、上述のドレンバルブ機構に対して中間室の対向位置に配されている。
この場合、ドレンバルブ機構と供給バルブ機構とを互いに中間室の直近に配置することが可能となり、それによって、二重シール弁全体のラインとは別に、中間室のCIPによる洗浄とSIPによる滅菌を順番に効率的に行うことや、任意のタイミングで行うことができる。また、中間室内の体積を小さくして中間室を形成することが可能となるため、例えば洗浄及び滅菌を行う際に中間室内に残存する製品液の残存量を低減して、製品液の歩留まりの向上を図ることができる。また、供給バルブ機構がドレンバルブ機構と同じバルブ機構で形成されることにより、供給バルブ機構を中間室に容易に設置できる。
また本発明の二重シール弁は、第1弁体を第1弁座から離れる方向に微小に移動させて第1弁口を微開させることが可能な第1ディスクリフト機構、及び/又は、第2弁体を第2弁座から離れる方向に微小に移動させて第2弁口を微開させることが可能な第2ディスクリフト機構を備えている。ここで、第1弁口を微開させるとは、第1弁体を第1弁座から少しだけ離間させる(例えば、第1弁体を、第1弁口の全閉状態から全開状態まで移動させる移動長さの20%以下、好ましくは10%以下の長さで移動させる)ことによって、第1弁口を流体がわずかに通過可能な大きさで開くことを言う。また、第2弁口の微開についても同様である。
上述のような第1ディスクリフト機構や第2ディスクリフト機構は、例えば小さなサブシリンダーの設置等によって容易に設けることが可能であり、それによって、上述したアクチュエータの通常の動作によって第1弁体や第2弁体を移動させることなく、第1弁口及び/又は第2弁口を容易に微開させることができる。それによって、例えば第1弁口の閉鎖状態で第1弁体と第1弁座の間に製品液が挟まれて残存する場合や、第2弁口の閉鎖状態で第2弁体と第2弁座の間に製品液が挟まれて残存する場合であっても、CIPによる洗浄工程やSIPによる滅菌工程において第1弁口や第2弁口をそれぞれ独立して微開させることが可能となる。その結果、製品液を残存させていた第1弁体及び第1弁座や、第2弁体及び第2弁座を効率的に且つ安定して洗浄・滅菌することができる。
更にこの場合、CIPによる洗浄工程やSIPによる滅菌工程において、中間室の圧力が過剰に上昇することを防いで、微開させる弁口と反対側の弁口が不適切に開くことを防止できる。それによって、二重シール弁において、第1弁口及び第2弁口の一方を微小に開いたときに、クロスコンタミネーションが生じることを効果的に防止できる。
本発明の実施例1に係る二重シール弁を、部分的に断面にして模式的に示す概略側面図である。 二重シール弁の要部を拡大して示す拡大断面図である。 実施例1の変形例に係る二重シール弁の要部を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の実施例2に係る二重シール弁を、部分的に断面にして模式的に示す概略側面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
例えば、以下の実施例1及び2に係る二重シール弁において、第1バルブ本体及び第2バルブ本体には、サニタリー配管等に接続される接続ポートが1つずつ設けられているが、本発明において、第1バルブ本体及び第2バルブ本体に設けられる接続ポートの数は限定されるものではない。すなわち、本発明の第1バルブ本体及び第2バルブ本体には、1つ又は複数の接続ポートを設けることが可能である。また、接続ポートの設置数は、第1バルブ本体と第2バルブ本体との間で同じにしても良いし、異ならせても良い。
図1は、本実施例1に係る二重シール弁を、部分的に断面にして模式的に示す概略側面図である。図2は、その二重シール弁の要部(中間室とその近傍)を拡大して示す拡大断面図である。
本実施例1の二重シール弁1は、サニタリー配管に接続され、無菌的な使用に供されるサニタリー仕様の二重シール弁1として形成されている。この二重シール弁1は、第1弁座11及び第1弁体12(第1ディスクとも言う)を有する第1バルブ本体10(第1バルブボディとも言う)と、第1バルブ本体10の上側に接続される中間室30と、第2弁座21及び第2弁体(第2ディスク)22を有するとともに中間室30の上側に配される第2バルブ本体(第2バルブボディ)20と、第1バルブ本体10の下側に接続されるとともに第1弁体12を昇降させるエアー式アクチュエータ40と、第2バルブ本体20の上側に接続されるとともに第2弁体22を第2弁座21に向けて付勢する付勢力を作用させるシリンダー部50とを有する。
この場合、中間室30と第2バルブ本体20とが一体的に形成されている。また、第1バルブ本体10の第1弁体12及び第1弁口13と、第2バルブ本体20の第2弁体22及び第2弁口23とは同軸状に配されている。
本実施例1の二重シール弁1は、下から上に向けて、アクチュエータ40と、第1バルブ本体10と、中間室30及び第2バルブ本体20と、シリンダー部50とが、上下方向(鉛直方向)に沿って順番に直列に連結されるとともに、上下に隣接する構成部分同士が金属製のクランプバンド5で締結されることによって形成されている。
従って、この二重シール弁1は、各クランプバンド5を取り外すことにより、アクチュエータ40と、第1バルブ本体10と、中間室30及び第2バルブ本体20と、シリンダー部50とに分解することが可能であり、また、これらを再度順番に連結してクランプバンド5で固定することにより、図1に示した二重シール弁1を容易に組み立てることが可能である。
これにより、二重シール弁1の部品交換や洗浄等を容易に、また短時間で行うことができるため、本実施例1の二重シール弁1は、メンテナンス性が求められるサニタリー配管に好適に用いられる。なお本発明では、中間室30と第2バルブ本体20とを別々に形成するとともに、クランプバンド5で締結することによって中間室30と第2バルブ本体20を連結する構造を採用することも可能である。
また本実施例1の二重シール弁1では、第1バルブ本体10と中間室30との間に、4フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂により形成されるパッキン6が装着される。このようなパッキン6が配されることにより、第1バルブ本体10と中間室30との間を気密的及び液密的にシールするとともに、第1バルブ本体10と中間室30の一方に熱膨張が生じる場合でも、その熱膨張を吸収してシール状態を安定して維持することができる。
更に本実施例1の二重シール弁1では、第1バルブ本体10と、中間室30及び第2バルブ本体20とを所定の向きに回転させた状態で連結することができる。このため、第1バルブ本体10の後述する第1接続ポート14の向きや、中間室30の後述するドレン排出部33及びドレンバルブ部34の向きと第2バルブ本体20の後述する第2接続ポート24の向きを、任意の方向に容易に変更することができる。
本実施例1において、第1バルブ本体10は、鉛直方向において中間室30の下側に直接連結される部分である。この第1バルブ本体10は、上下方向(鉛直方向)に沿って配される略円筒状の第1ハウジング部15と、第1ハウジング部15から水平方向(図1では右方向)に延びる第1接続ポート14とを有する。これらの第1ハウジング部15及び第1接続ポート14は、ステンレスで形成されている。
また、第1バルブ本体10は、第1ハウジング部15の上端部に配される第1弁座11と、第1ハウジング部15内に上下方向に沿って挿通される第1弁棒16と、第1弁棒16の上端部(先端部)に形成される第1弁体12とを有する。また、第1弁座11は、第1弁体12の昇降方向に対して直交して配されるとともに第1弁体12を上方から当接させる弁座上面を備える。この弁座上面は、第1バルブ本体10と中間室30の間に取り付けられるパッキン6の上面と、中間室30の中間ハウジング部31の一部とともに、中間室30の後述する底面(下面)35を形成している。
第1弁座11の略中央部には、上方側から見ると円形状を呈する第1弁口13が形成されており、この第1弁口13によって、第1バルブ本体10の内部空間と中間室30の内部空間とが連通されている。第1弁棒16と第1弁体12とは、一体的に形成されているとともに、アクチュエータ40の作動軸41に連結されている。第1弁体12は、中間室30の内部に昇降可能に配されており、この第1弁体12を、アクチュエータ40によって昇降させることにより、第1弁体12の高さ位置が調整され、また、第1弁座11に対して離間・接触させて第1弁口13が開閉される。
特に、本実施例1の第1バルブ本体10は、アクチュエータ40によって第1弁棒16が第1弁座11に向けて押し込まれること(すなわち、第1弁棒16が上昇すること)により、第1弁体12が第1弁座11から離れる逆栓型の構造に形成されている。
この場合、第1弁棒16及び第1弁体12は、アクチュエータ40の作動軸41に取着されるステンレス製の第1軸本体部17と、第1軸本体部17を包み込むように第1軸本体部17の周囲に形成されるフッ素樹脂製の第1表面部18とを有する。
第1弁棒16の基端部(下端部)には、略円錐台状の第1ダイヤフラム19が第1バルブ本体10の第1ハウジング部15に密着して配されている。この第1ダイヤフラム19により、第1バルブ本体10の内部空間がアクチュエータ40によって作動する作動部分から隔離され、内部空間のシール性が確保される。
第1ダイヤフラム19は、合成ゴム製のバックアップゴム部と、バックアップゴム部の上面を被覆するとともに第1弁体12及び第1弁棒16の第1表面部18と一体的に形成される薄肉状の皮膜部とを有する。また、第1弁体12及び第1弁棒16の第1表面部18と、第1ダイヤフラム19の皮膜部とは、4フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂により形成される。
本実施例1の中間室30は、中間室30の内部空間を取り囲むように形成される中間ハウジング部31と、中間ハウジング部31から下方に延出して第1バルブ本体10の一部を内側に嵌入して第1バルブ本体10と連結される連結部32と、中間室30内に生じるドレン液を排出するドレン排出部33と、ドレン排出部33の開閉を行うドレンバルブ部34とを有する。
また、本実施例1の中間室30は、第1弁体12が着座する底面(下面)35と、底面35の外周縁部から立ち上がるように配される側壁面と、その側壁面から湾曲面を介して連続して形成されるとともに底面35と対向するように配される天井面とを有し、中間室30の内部空間は、中間室30の底面35、側壁面、及び天井面に囲まれて形成される。
この中間室30の底面35は、上述したように、第1弁座11の弁座上面と、パッキン6の上面と、中間ハウジング部31の一部の表面(底面35)とにより形成される。また、底面35の中央部には、上述した第1弁口13が開口している。一方、中間室30の天井面の中央部には、第2バルブ本体20の第2弁口23が開口している。
本実施例1における中間室30の底面35は、第1弁口13の周縁部に配され、第1弁体12を当接させる第1着座面と、第1着座面の外側に配される外周面とを有しており、第1着座面と外周面とは、上方から見たときにドーナツ状を呈する形状をそれぞれ有する。また、中間室30の底面35における第1着座面と外周面とは、水平方向に平行で、且つ平坦な単一の平面に形成されている。
このように第1着座面とその外周面とが、水平な平坦面に形成されていることにより、中間室30の底面35に、洗浄水や凝縮水等の液体が溜まりやすい凹状の液溜まり部が形成されなくなるため、ドレン排出部33を開いたときに中間室30の底面35に液体が残存することを防止できる。これによって、二重シール弁1にCIPによる洗浄やSIPによる滅菌を行う際に、中間室30の底面35に洗浄の不完全部や滅菌の不完全部が生じることを効果的に防止できるため、CIPによる洗浄やSIPによる滅菌を効率的に且つ経済的に実施することが可能となる。なお本実施例1では、中間室30の底面35における上記外周面の一部又は全部が、上記第1着座面から外側に向けて、第1弁口13の半径方向に沿って下り傾斜する傾斜面に形成されていても良い。
本実施例1の中間室30には、ドレン排出部33とドレンバルブ部34とを有するドレンバルブ機構36が設置されている。ドレンバルブ機構36のドレン排出部33は、図2に示すように、中間室30の側壁面に開口する排出口33aと、その排出口33aに連通するとともに、外側に向けて下り傾斜するように形成される排出流路33bとを有する。このドレン排出部33には、排出口33aを開閉することが可能なドレンバルブ部34が配されており、ドレンバルブ部34に供給される空気圧力とドレンバルブ部34内に設置されるスプリングの付勢力との作用を利用して、バルブ作動軸の先端部をドレン排出部33の排出口33aに対して離間・接触させることができる。これにより、ドレン排出部33の排出口33aを開閉することができる。
また、本実施例1におけるドレン排出部33の排出口33aは、中間室30の底面35に対して段差が形成されないように、中間室30の底面35の高さ位置(特に底面35の外周縁の高さ位置)で中間室30に開口している。言い換えると、ドレン排出部33の排出口33aの下端縁は、中間室30の水平で平坦に形成された底面35と同じ高さ位置に配されている。このようにドレン排出部33の排出口33aが形成されることにより、中間室30の底面35上に生じる液体(ドレン液)が、ドレン排出部33の排出口33aに、遮られることなく円滑に流れ込み、同排出口33aから排出流路33bに流入することができる。このため、中間室30の液体を底面35上に残存させることなく、ドレン排出部33を介して安定して排出することができる。
本実施例1の第2バルブ本体20は、鉛直方向において中間室30の上側に配されるとともに、その中間室30と一体的に形成されている。この第2バルブ本体20は、上下方向(鉛直方向)の長さが比較的短い円筒状の第2ハウジング部25と、第2ハウジング部25から水平方向(図1では手前方向)に延びる第2接続ポート24とを有する。これらの第2ハウジング部25及び第2接続ポート24と、上述した中間室30の中間ハウジング部31とは、ステンレスで形成されている。
また、第2バルブ本体20は、第2ハウジング部25の下端部に配されるとともに第2バルブ本体20と中間室30を区画する第2弁座21と、第2ハウジング部25内に上下方向に沿って挿通される第2弁棒26と、第2弁棒26の下端部(先端部)に形成される第2弁体22とを有する。また、第2弁座21は、第2弁体22の昇降方向に対して直交して配されるとともに、第2弁体22を上方から当接させる弁座上面を備える。
第2弁座21の略中央部には、上方側から見ると円形状を呈する第2弁口23が形成されており、この第2弁口23によって、第2バルブ本体20の内部空間と中間室30の内部空間とが連通される。第2弁棒26と第2弁体22とは、一体的に形成されているとともに、シリンダー部50に連結されている。第2弁体22は、第2バルブ本体20の内部に昇降可能に配されるともに、シリンダー部50に設置されるスプリング53の付勢力により第2弁座21に向けて付勢されている。この第2弁体22は、シリンダー部50の付勢力とアクチュエータ40から第1弁体12を介して加えられる押圧力とを利用して昇降可能に配されており、また、第2弁体22を第2弁座21に対して離間・接触させることにより第2弁口23が開閉される。
特に、本実施例1の第2バルブ本体20は、シリンダー部50の付勢力により第2弁棒26が第2弁座21に向けて押し込まれること(すなわち、第2弁棒26が下降すること)により、第2弁体22が第2弁座21に近付く正栓型の構造に形成されている。
また、本実施例1の第2弁体22は、第1弁体12と同軸上に、第2弁体22の先端(下端)と第1弁体12の先端(上端)とが向かい合うように第1弁体12と対向して配されている。更に、第2弁体22は、第2弁座21に当接して第2弁口23を閉じている状態において、第1弁座11に当接して第1弁口13を閉じている第1弁体12に対して離間して配されている。
このように第1弁口13を閉鎖状態にしている第1弁体12と、第2弁口23を閉鎖状態にしている第2弁体22とが互いに離れて配されることにより、第1弁口13の閉鎖状態と第2弁口23の閉鎖状態とをそれぞれ独立して維持することができる。それによって、例えば二重シール弁1の寸法精度や組立精度に多少のバラツキがあったとしても、二重シール弁1の良好なシール性を安定して確保することができる。
本実施例1の第2弁棒26及び第2弁体22は、シリンダー部50の後述するピストン部52に連結されるステンレス製の第2軸本体部27と、第2軸本体部27を包み込むように第2軸本体部27の周囲に形成されるフッ素樹脂製の第2表面部28とを有する。また、第2弁棒26の基端部(上端部)には、略円錐台状の第2ダイヤフラム29が第2バルブ本体20の第2ハウジング部25に密着して配されており、この第2ダイヤフラム29により、第2バルブ本体20の内部空間のシール性が確保される。
本実施例1のアクチュエータ40は、内部の図示を省略しているが、エアシリンダー方式によって作動軸41を上下方向に沿って昇降させる従来の一般的なアクチュエータと同様に形成されている。すなわち、本実施例1のアクチュエータ40は空気圧力が供給されるエアシリンダー部と、エアシリンダー部のピストン上部に配され、下方への付勢力を作用させるスプリングと、上下方向に往復動可能な作動軸41とを有する。このアクチュエータ40では、エアシリンダー部に供給される空気圧力とスプリングの付勢力との作用により作動軸41を上下方向に移動させることができ、それによって、アクチュエータ40の作動軸41に連結される第1弁棒16及び第1弁体12を昇降させることができる。
本実施例1のシリンダー部50は、シリンダー本体51と、シリンダー本体51に対して上下に移動可能に配されるピストン部52と、ピストン部52を下方に向けて付勢するスプリング53とを有する。このシリンダー部50によって、ピストン部52に連結される第2弁棒26及び第2弁体22が、第2弁口23を閉じる方向となる下方に向けて付勢され、また、アクチュエータ40からの押圧力を受けないときは、第2弁体22が第2弁座21に当接した状態(閉鎖状態)が維持される。
次に、上述のような構造を有する本実施例1の二重シール弁1の動作について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1及び図2に示した二重シール弁1では、第1弁体12が第1弁座11に接触して第1弁口13が閉鎖されているとともに、第2弁体22が第2弁座21に接触して第2弁口23が閉鎖されている状態(第1及び第2弁口13,23の全閉状態)を示している。
このとき、第1弁体12は、アクチュエータ40内の図示しないスプリングによって付勢され、第1弁座11に当接した状態(第1弁口13の閉鎖状態)が維持されており、第2弁体22は、シリンダー部50のスプリング53によって付勢され、第2弁座21に当接した状態(第2弁口23の閉鎖状態)が維持されている。また、第1及び第2弁口13,23の閉鎖状態において、中間室30のドレンバルブ部34のバルブ作動軸がドレン排出部33の排出口33aから離間し、ドレン排出部33の排出口33aが開いた状態で維持されている。
このように第1及び第2弁口13,23の両方が閉鎖されている場合、例えば第1バルブ本体10に流通させる流体が第2バルブ本体20に漏洩することや、また、第2バルブ本体20に流通させる流体が第1バルブ本体10に漏洩することを確実に防止できる。更に、第1及び第2弁口13,23が閉鎖状態時に、中間室30のドレン排出部33を上述のように開口させておくことにより、第1及び第2バルブ本体10,20のうちの一方のシール構造が破壊されて漏液(ドレン)が発生しても、その漏液を中間室30からドレン排出部33を介して容易に排出でき、その漏液が第1及び第2バルブ本体10,20のうちの他方に流入することを防止できる。またこの場合、例えばドレン排出部33に漏液検知部を設けることにより、ドレン排出部33を介して排出される漏液を検知でき、それによって、二重シール弁1に発生したシール構造の破壊を、外部から容易に発見することが可能となる。
次に、上述のような本実施例1の二重シール弁1において、第1及び第2弁口13,23の両方が閉じている状態から、第1弁体12と第2弁体22とを上昇させて、第1及び第2弁口13,23を開く場合について説明する。
この場合、先ず、ドレンバルブ部34を作動させてドレン排出部33の排出口33aを閉鎖する。次に、二重シール弁1のアクチュエータ40に空気圧力を供給することにより、アクチュエータ40内の図示しないスプリングの付勢力に抗して、アクチュエータ40の作動軸41を第1バルブ本体10に向けて前進させる(上昇させる)。これにより、第1バルブ本体10の第1弁棒16が第1弁座11に向けて押し込まれて上昇するとともに、第1弁体12も第1弁座11に対する当接位置(第1弁口13の閉鎖位置)から第1弁棒16とともに上方に移動する。このため、第1弁体12が第1弁座11から離間して第1弁口13が少しずつ開く。
また、アクチュエータ40によって第1弁体12を更に上昇させると、第1弁座11から離間した第1弁体12が、第2弁口23の閉鎖位置に保持されている第2弁体22に当接する。そして、第2弁体22に当接した第1弁体12が続けて上昇することにより、第2弁体22を、第1弁体12に連動させて、第2弁座21の閉鎖位置から上方に移動させることができる。これにより、第2弁体22を第2弁座21から離間させて第2弁口23を少しずつ開くことができる。
その後、アクチュエータ40に供給する空気圧力を増大させることにより、第1弁体12と第2弁体22とを互いに当接した状態で一緒に上昇させて、例えば図2に仮想線で示したような第1弁口13及び第2弁口23のそれぞれの全開位置まで移動させることができる。なおこの場合、第1弁体12の全開位置は、第1弁体12が中間室30の天井面(第2弁座21)に接触しない位置に設定される。これにより、第1バルブ本体10、中間室30、及び第2バルブ本体20の各内部空間が互いに連通される。
従って、上述のように第1弁体12及び第2弁体22が全開位置で保持されている状態で、例えば流体として洗浄液を流すことにより、二重シール弁1の第1バルブ本体10、中間室30、及び第2バルブ本体20にCIPによる洗浄を行うことができる。また洗浄後に、流体として蒸気(ピュアスチーム)を流すことにより、二重シール弁1の第1バルブ本体10、中間室30、及び第2バルブ本体20にSIPによる滅菌を行うことができる。
一方、上述のように第1弁体12及び第2弁体22が全開位置で保持されている状態で、例えば流体として製品液を流すことにより、製品液を、第1バルブ本体10の第1接続ポート14から第2バルブ本体20の第2接続ポート24に向けて(又は第2接続ポート24から第1接続ポート14に向けて)、円滑に流通させることができる。
一方、上述のように全開状態にした第1及び第2弁口13,23を閉じる場合には、先ず、二重シール弁1のアクチュエータ40を作動して、第1弁体12を下降させるとともに、その第1弁体12が当接している第2弁体22を、第1弁体12に連動させて下降させる。そして、第2弁体22を第2弁座21に当接させることにより、第2弁口23が閉鎖される。
また、第2弁体22が第2弁座21に当接した後、第1弁体12を更に下降させることにより、第1弁体12を第2弁体22から離間させて第1弁座11に当接させることができ、それによって、第1弁口13が閉鎖される。更に、第1及び第2弁口13,23の両方を閉鎖した後、必要に応じてドレンバルブ部34を作動させてドレン排出部33の排出口33aを開く。これにより、二重シール弁1を図1及び図2に示した状態に保持することができる。
なお、例えば第1バルブ本体10の第1弁口13を閉じるとともに、第2バルブ本体20の第2弁口23と中間室30のドレン排出部33の排出口33aとを開いた状態で、CIPによる洗浄工程やSIPによる滅菌工程を行うことがある。この場合、洗浄工程や滅菌工程の終了時に第2バルブ本体20の第2弁口23を閉じて、第1弁口13と第2弁口23の両方を全閉状態にしたときに、洗浄工程で流した洗浄水や、滅菌工程で流した蒸気が冷やされて生じる凝縮水等の液体(ドレン液)が、中間室30に生じることがある。
このとき、第1及び第2弁口13,23の両方が全閉状態で、上述のようにドレン排出部33の排出口33aが開かれていることにより、中間室30に生じる液体をドレン排出部33から容易に排出することができる。特に本実施例1では、中間室30の底面35が、上述したように凹状の液溜まり部が存在しない水平な平坦面に形成されているとともに、中間室30の底面35とドレン排出部33の排出口33aとの間に液体を堰き止めるような段差が形成されていない。
このため、中間室30のドレン液を中間室30の底面35上に溜めることなく、ドレン排出部33に流して円滑に排出できるため、液溜まりの発生に起因して洗浄や滅菌の不完全部が中間室30に生じることを有効に防止できる。その結果、CIPによる洗浄工程やSIPによる滅菌工程を、従来の一般的な二重シール弁に比べて、より少ないエネルギーで効率的に且つ経済的に実施することが可能となる。
また、例えば第1及び第2弁体12,22が全開位置で保持されている状態で製品液を流通させた後に、第1弁口13及び第2弁口23を閉じて製品液の流通を停止させる場合には、中間室30内に製品液(ドレン液)が残存することがある。この場合も、第1弁口13及び第2弁口23が閉鎖された後にドレンバルブ部34を作動させてドレン排出部33の排出口33aを開くことにより、中間室30内の製品液を、中間室30の水平で平坦な底面35上に溜めることなく、ドレン排出部33から円滑に排出することができる。
なお、上述のように中間室30に生じるドレン液をドレン排出部33から排出した場合は、次回の製品液を流通させる前に、例えば第1及び第2弁体12,22を上述したようにアクチュエータ40によって上昇させて第1弁口13及び第2弁口23を全開にした状態で、CIPによる洗浄工程とSIPによる滅菌工程を順番に行うことにより、二重シール弁1を無菌的に安定して使用することができる。
以上のように、本実施例1の二重シール弁1では、単一のアクチュエータ40を用いることによって、第1バルブ本体10の第1弁体12を昇降させることができるとともに、第2バルブ本体20の第2弁体22を、その第1弁体12の移動に連動させて昇降させることができる。
例えば特許文献1や特許文献2に記載されている従来の二重シール弁の場合、前述したように、第1バルブ本体の第1弁体を昇降させるためのアクチュエータと、第2バルブ本体の第2弁体を昇降させるためのアクチュエータとが、それぞれ別々に独立して設置されている。
このような従来の二重シール弁に比べて、本実施例1の二重シール弁1では、単一のアクチュエータ40で第1弁体12と第2弁体22の2つを連動させて昇降できるため、アクチュエータ40の設置数を減少させて、二重シール弁1の小型化、軽量化、低価格化(低コスト化)を実現することができる。
また、本実施例1の二重シール弁1では、第1弁体12と第2弁体22を昇降させるアクチュエータ40が1つであるため、従来の二重シール弁のように2つのアクチュエータを制御する場合に比べて、アクチュエータ40の動作制御を簡便に行うことができ、また、第1弁体12の動作と第2弁体22の動作の同期を容易に実現することができる。
更に、本実施例1の二重シール弁1では、上述のように第1バルブ本体10が逆栓型の構造に形成されているとともに、第2バルブ本体20が正栓型の構造に形成されていることにより、以下のような効果が得られる。
例えば第1バルブ本体及び第2バルブ本体が両方とも正栓型の構造に形成される場合(特許文献1や特許文献2の二重シール弁の場合)、前述したように、中間室の底面部(下面部)に、ドレンが溜まりやすい凹状の液溜まり部が多少なりとも形成されるが、本実施例1では、下側に配される第1バルブ本体10が逆栓型の構造を有するため、中間室30の最も下端に配される底面35を、凹状の液溜まり部が設けられない水平で平坦な平面に容易に形成することができる。
一方、例えば第1バルブ本体及び第2バルブ本体が、両方とも弁棒が弁座に向けて押し込まれるときに弁体が弁座から離れる逆栓型の構造に形成される場合、中間室内で第1弁体と第2弁体の昇降が行われる。この場合、第1弁口と第2弁口の両方を全開にするときに、第1及び第2弁体が互いに当接しないように中間室の内部空間の高さをある程度確保する必要がある。その結果、中間室の大きさ(特に高さ寸法)が必然的に大きくなる。
これに対して、本実施例1では、第1バルブ本体10及び第2バルブ本体20がそれぞれ逆栓型及び正栓型の構造を有するとともに、第1弁体12を第2弁体22に意図的に当接させて第2弁体22の昇降を第1弁体12に連動させている。これにより、中間室30の大きさ(特に高さ寸法)を大幅に小さくできるため、二重シール弁1の小型化が容易になる。また、中間室30内に残存して排出される製品液の量を低減できるため、製品液の歩留まりを向上させることが可能となる。
なお、上述した実施例1の二重シール弁1では、中間室30にドレン排出部33とドレンバルブ部34とを有するドレンバルブ機構36が設けられているが、実施例1では、例えば図3にその変形例を示すように、この中間室30に、CIP用の洗浄液やSIP用の蒸気を供給可能な供給バルブ機構37が、二重シール弁1のラインとは別に更に設けられていても良い。なおこの場合、例えば互いに同じ構造を有する2つのバルブ機構を中間室30に装備させておくことにより、一方のバルブ機構をドレンバルブ機構36として利用し、他方のバルブ機構を、洗浄液等の供給が行える供給バルブ機構37として利用することが可能である。
図3の供給バルブ機構37は、ドレンバルブ機構36に対して中間室30の対向する位置に配されている。また、供給バルブ機構37は、断面視において、ドレンバルブ機構36に対して対称的な構造を有して形成されており、洗浄液や蒸気を中間室30に供給する外部供給部38と、外部供給部38を開閉する供給バルブ部39とを有する。この供給バルブ部39のバルブ作動軸の先端部を、中間室30に開口する外部供給部38の供給口に対して離間・接触させることにより、その供給口を開閉することができる。
このように中間室30に、CIP用の洗浄液やSIP用の蒸気を供給可能な供給バルブ機構37を設けることにより、第1バルブ本体10の第1弁口13と第2バルブ本体20の第2弁口23とが閉鎖状態で、二重シール弁1の全体ではなく、中間室30のみに洗浄液又は蒸気を供給して、中間室30内の洗浄及び滅菌を行うことができる。
すなわち、例えば製品液が中間室30内に残存している場合、その中間室30内の製品液をドレン排出部33から排出した後、中間室30に接続した供給バルブ機構37から洗浄液と蒸気とを順番に供給することが可能となり、その結果、中間室30内のCIP洗浄及びSIP滅菌を任意のタイミングで効率的に行うことが可能となり、中間室30を安定して無菌状態にすることができる。
更に、本実施例1では、二重シール弁1のアクチュエータ40に、第1弁体12を第1弁座11から離れる方向に微小に移動させて第1弁口13を微開させることが可能な図示しない第1ディスクリフト機構を設けることが可能である。また、二重シール弁1のシリンダー部50に、第2弁体22を第2弁座21から離れる方向に微小に移動させて第2弁口23を微開させることが可能な図示しない第2ディスクリフト機構を設けることが可能である。
第1ディスクリフト機構に関しては、例えばアクチュエータ40に対し、第1弁体12をフルストロークで昇降させるためにアクチュエータ40に空気を供給する主空気供給部とは別に、例えば第1弁体12を全閉位置から微小に上昇させるために必要な空気を供給可能な小さなリフト用空気供給部又はサブシリンダー部を設けることにより、第1ディスクリフト機構を備えさせることが可能である。
第1ディスクリフト機構が設けられることにより、例えば第1弁体12が全閉位置に保持されている状態でCIPによる洗浄工程やSIPによる滅菌工程を行う場合等に、第1ディスクリフト機構を作動させて第1弁体12を少し上昇させて第1弁口13を微開状態にすることができる。それによって、例えば第1弁体12が全閉位置に保持されている状態で第1弁体12と第1弁座11との間に製品液が挟まれて残存している場合でも、その挟まれていた製品液を容易に除去して、第1弁体12及び第1弁座11に洗浄及び滅菌を安定して行うことができる。このとき、ドレン排出部33の排出口33aは、ドレンバルブ部34によって開かれていることが好ましい。
第2ディスクリフト機構に関しては、例えばシリンダー部50の下端部に、第2弁体22を全閉位置から微小に上昇させるために必要な空気を供給可能な小さなリフト用空気供給部又はサブシリンダー部を設けることにより、第2ディスクリフト機構を備えさせることが可能である。
第2ディスクリフト機構が設けられることにより、アクチュエータ40を作動させることなく、第2弁体22を、第1弁体12から独立して少し上昇させて、第2弁口23を微開状態にすることができる。これにより、第1ディスクリフト機構の場合と同様に、例えば第2弁体22と第2弁座21との間に製品液が挟まれて残存している場合でも、その挟まれていた製品液を容易に除去して、第2弁体22及び第2弁座21に洗浄及び滅菌を安定して行うことができる。
図4は、本実施例2に係る二重シール弁を、部分的に断面にして模式的に示す概略側面図である。なお、本実施例2に関する説明及び図面において、前述の実施例1の二重シール弁と実質的に同じ構成を有する部分又は部材については同じ符号を用いて表すことによって、その詳しい説明を省略することとする。
本実施例2の二重シール弁2は、前述の実施例1の二重シール弁1と同様に、無菌的な使用に供されるサニタリー仕様の二重シール弁2として形成されている。また、本実施例2の二重シール弁2は、中間室80に対する第1バルブ本体60及びアクチュエータ40の位置と、第2バルブ本体70及びシリンダー部50の位置とが、前述の実施例1の二重シール弁1の場合とは反対にされて形成されている。
より具体的に説明すると、本実施例2の二重シール弁2は、第1バルブ本体60と、第1バルブ本体60の下側に接続される中間室80と、中間室80の下側に配されるとともに中間室80と一体的に形成される第2バルブ本体70と、第1バルブ本体60の上側に接続されるアクチュエータ40と、第2バルブ本体70の下側に接続されるシリンダー部50とを有する。この二重シール弁2は、上から下に向けて、アクチュエータ40と、第1バルブ本体60と、中間室80及び第2バルブ本体70と、シリンダー部50とが、クランプバンド5を用いて、順番に直列に連結されて形成されている。
この場合、第1バルブ本体60の第1弁体62及び第1弁口63と、第2バルブ本体70の第2弁体72及び第2弁口73とは同軸状に配されている。また、第1バルブ本体60と中間室80との間には、フッ素樹脂により形成されるパッキン6が装着されている。なお、本実施例2のアクチュエータ40及びシリンダー部50自体は、前述の実施例1のアクチュエータ40及びシリンダー部50と実質的に同様の構造に形成されている。また、本実施例2では、アクチュエータ40に前述した第1ディスクリフト機構を設けることや、シリンダー部50に前述した第2ディスクリフト機構を設けることも可能である。
本実施例2の第1バルブ本体60は、第1ハウジング部65と、第1ハウジング部65から水平方向(図4では左方向)に延びる第1接続ポート64と、第1ハウジング部65から下方に延出して中間室80の一部を形成するとともに中間室80の後述する中間ハウジング部81と連結される連結部65aとを有する。
この第1バルブ本体60は、第1ハウジング部65の下端部に配される第1弁座61と、アクチュエータ40の作動軸41に連結される第1弁棒66と、第1弁棒66の下端部(先端部)に形成される第1弁体62とを有する。第1弁座61の下面は、第1弁体62の昇降方向に対して傾斜して配されており、この第1弁座61の下面は、第1弁体62が接触する着座面を形成するとともに、中間室80の天井面を形成する。第1弁座61の略中央部には、第1弁口63が形成されている。
また、この第1バルブ本体60は、アクチュエータ40によって第1弁棒66が第1弁座61に向けて押し込まれること(すなわち、第1弁棒66が下降すること)により、第1弁体62が第1弁座61から離れる逆栓型の構造に形成されている。
第1弁棒66及び第1弁体62は、ステンレス製の第1軸本体部67と、第1軸本体部67の周囲に形成されるフッ素樹脂製の第1表面部68とを有する。また、第1弁棒66の基端部(上端部)には、略円錐台状の第1ダイヤフラム69が第1ハウジング部65に密着して配されている。
本実施例2の中間室80は、第1バルブ本体60の上述した連結部65aを内側に嵌入して連結させる中間ハウジング部81と、中間室80内に生じるドレン液を排出するドレン排出部33と、ドレン排出部33の開閉を行うドレンバルブ部34とを有する。なお、本実施例2の中間室80には、前述の実施例1の場合と同様に、外部供給部と外部供給部を開閉する供給バルブ部とを設けることにより、CIP用の洗浄液やSIP用の蒸気を中間室80に供給可能な供給バルブ機構が設置されていても良い。
また、本実施例2の中間室80は、第2弁体72の後述する突出部72aの外側にドーナツ状に配される底面(下面)85と、底面85の外周縁部から立ち上がるように配される側壁面と、その側壁面から湾曲面を介して連続して形成されるとともに底面85と対向するように配される天井面とを有する。この場合、中間室80の天井面の中央部には、上述した第1弁口63が開口しており、中間室80の底面85の中央部には、後述する第2弁口73が開口している。また中間室80の側壁面及び天井面は、第1バルブ本体60の上述した連結部65aによって形成されている。
この中間室80の底面85は、第2弁口73の周縁部に配される外周面を有し、この外周面は、水平方向に平行で、且つ平坦な単一の平面に形成されている。このように中間室80の外周面が水平な平坦面に形成されていることにより、ドレン液が溜まりやすい凹状の液溜まり部が中間室80の底面85(外周面)に形成されることを防止できる。
なお本実施例2では、中間室80の上述した外周面の一部又は全部が、第2弁口73から外側に向けて、第2弁口73の半径方向に沿って下り傾斜する傾斜面に形成されていても良い。また本実施例2では、中間室80の底面85の一部に、中間室80に生じるドレン液をドレン排出部33に向けて案内する案内凹部86が、ドレン排出部33に向けて凹設されている。
この場合、ドレン排出部33の排出口33aは、案内凹部86の底面の高さ位置で中間室80に開口している。言い換えると、ドレン排出部33の排出口33aの下端縁は、中間室80に凹設した案内凹部86の底面と同じ高さ位置に配されている。これにより、中間室80に生じるドレン液を、ドレン排出部33の排出口33aに、遮られることなく円滑に流し込んで排出することができる。
本実施例2の第2バルブ本体70は、鉛直方向において中間室80の下側に配されるとともに、その中間室80と一体的に形成されている。この第2バルブ本体70は、上下方向(鉛直方向)の長さが比較的短い円筒状の第2ハウジング部75と、第2ハウジング部75から水平方向(図4では手前方向)に延びる第2接続ポート74とを有する。
この第2バルブ本体70は、第2ハウジング部75の上端部に配されるとともに第2バルブ本体70と中間室80とを区画する第2弁座71と、第2ハウジング部75内に上下方向に沿って挿通される第2弁棒76と、第2弁棒76の上端部(先端部)に形成される第2弁体72とを有する。また、第2弁座71の略中央部には、第2弁口73が形成されている、この第2弁口73の外側に配される第2弁座71の下面は、第2弁体72の昇降方向に対して傾斜して形成されるとともに、第2弁体72が接触する着座面となる。
また、本実施例2の第2バルブ本体70は、シリンダー部50の付勢力により第2弁棒76が第2弁座71に向けて押し込まれること(すなわち、第2弁棒76が上昇すること)により、第2弁体72が第2弁座71に近付く正栓型の構造に形成されている。
また、第2弁体72は、第1弁体62と同軸上に、第2弁体72の先端(上端)と第1弁体62の先端(下端)とが向かい合うように第1弁体62と対向して配されている。更に、第2弁体72は、第2弁座71に当接して第2弁口73を閉じている状態において、第1弁座61に当接して第1弁口63を閉じている第1弁体62に対して離間して配されている。これにより、例えば二重シール弁2の寸法精度や組立精度に多少のバラツキがあったとしても、前述の実施例1の場合と同様に、二重シール弁2の良好なシール性を安定して確保することができる。
更に、本実施例2の第2弁体72は、第2弁口73の全閉状態において、中間室80の水平で平坦な底面85の高さ位置よりも上方に突出する突出部72aを有する。第2弁体72がこのような突出部72aを有することにより、第2弁体72と中間室80の底面85(外周面)との間に、ドレン液が溜まりやすい凹状の液溜まり部が形成されることをより効果的に防止できる。
また、本実施例2の第2弁棒76及び第2弁体72は、一体的に形成されており、シリンダー部50のピストン部52に連結されるステンレス製の第2軸本体部77と、第2軸本体部77を包み込むように第2軸本体部77の周囲に形成されるフッ素樹脂製の第2表面部78とを有する。また、第2弁棒76の基端部(下端部)には、略円錐台状の第2ダイヤフラム79が第2バルブ本体70の第2ハウジング部75に密着して配されている。
次に、上述のような本実施例2の二重シール弁2において、図4に示すように第1及び第2弁口63,73の全閉状態から、第1弁体62と第2弁体72とを下降させて、第1及び第2弁口63,73を開く場合について説明する。
この場合、先ず、ドレンバルブ部34を作動させてドレン排出部33の排出口33aを閉鎖する。次に、アクチュエータ40を作動させて第1弁棒66を第1弁座61に向けて押し込む(下降させる)。これにより、第1弁体62が下降して第1弁座61から離間するため、第1弁口63が少しずつ開く。続いて、第1弁体62をアクチュエータ40によって更に下降させることにより、第1弁体62を第2弁体72に当接させ、その第1弁体62が当接した第2弁体72を第1弁体62に連動させて、第2弁口73の閉鎖位置から下降させることができる。
その後、第1弁体62と第2弁体72とを互いに当接した状態で一緒に下降させることにより、第1弁体62及び第2弁体72を、第1弁口63及び第2弁口73のそれぞれの全開位置まで移動させることができる。これにより、第1バルブ本体60、中間室80、及び第2バルブ本体70が互いに連通されて、第1バルブ本体60から第2バルブ本体70に(又は第2バルブ本体70から第1バルブ本体60に)流体を流通させることができる。このため、CIPによる洗浄、SIPによる滅菌、製品液の流通などを円滑に行うことができる。
一方、本実施2の二重シール弁2において、全開状態の第1及び第2弁口63,73を閉じる場合には、アクチュエータ40を作動して第1弁体62を上昇させるとともに、第2弁体72を第1弁体62に連動させて上昇させる。そして、第2弁体72を第2弁座71に当接させることにより、第2弁口73が閉鎖される。また、第2弁体72が第2弁座71に当接した後、第1弁体62をアクチュエータ40によって更に上昇させることにより、第1弁体62を第2弁体72から離間させて、第1弁体62を第1弁座61に当接させる。これにより、第1弁口63が閉鎖される。更に、第1及び第2弁口63,73の両方を閉鎖した後、必要に応じてドレンバルブ部34を作動させてドレン排出部33の排出口33aを開く。これにより、二重シール弁2を図4に示した状態に保持することができる。
以上のように、本実施例2の二重シール弁2では、前述の実施例1の二重シール弁1と同様に、単一のアクチュエータ40を用いることによって、第1バルブ本体60の第1弁体62を昇降させることができるとともに、第2バルブ本体70の第2弁体72を、その第1弁体62の移動に連動させて昇降させることができる。従って、本実施例2の二重シール弁2では、前述の実施例1の場合と同様に、従来の二重シール弁に比べてアクチュエータ40の設置数を減少させることができるため、二重シール弁2の小型化、軽量化、低価格化(低コスト化)を実現することができる。また、アクチュエータ40の動作制御を簡便に行うことができるとともに、第1弁体62の動作と第2弁体72の動作の同期を容易に実現することができる。
1,2 二重シール弁
5 クランプバンド
6 パッキン
10 第1バルブ本体(第1バルブボディ)
11 第1弁座
12 第1弁体(第1ディスク)
13 第1弁口
14 第1接続ポート
15 第1ハウジング部
16 第1弁棒
17 第1軸本体部
18 第1表面部
19 第1ダイヤフラム
20 第2バルブ本体(第2バルブボディ)
21 第2弁座
22 第2弁体(第2ディスク)
23 第2弁口
24 第2接続ポート
25 第2ハウジング部
26 第2弁棒
27 第2軸本体部
28 第2表面部
29 第2ダイヤフラム
30 中間室
31 中間ハウジング部
32 連結部
33 ドレン排出部
33a 排出口
33b 排出流路
34 ドレンバルブ部
35 底面(下面)
36 ドレンバルブ機構
37 供給バルブ機構
38 外部供給部
39 供給バルブ部
40 アクチュエータ
41 作動軸
50 シリンダー部
51 シリンダー本体
52 ピストン部
53 スプリング
60 第1バルブ本体
61 第1弁座
62 第1弁体
63 第1弁口
64 第1接続ポート
65 第1ハウジング部
65a 連結部
66 第1弁棒
67 第1軸本体部
68 第1表面部
69 第1ダイヤフラム
70 第2バルブ本体
71 第2弁座
72 第2弁体
72a 突出部
73 第2弁口
74 第2接続ポート
75 第2ハウジング部
76 第2弁棒
77 第2軸本体部
78 第2表面部
79 第2ダイヤフラム
80 中間室
81 中間ハウジング部
85 底面(下面)
86 案内凹部

Claims (6)

  1. 第1弁口(13,63) を備える第1弁座(11,61) に対し、第1弁棒(16,66) の先端部に配される第1弁体(12,62) を離間・接触させることにより前記第1弁口(13,63) を開閉する第1バルブ本体(10,60) と、第2弁口(23,73) を備える第2弁座(21,71) に対し、第2弁棒(26,76) の先端部に配される第2弁体(22,72) を離間・接触させることにより前記第2弁口(23,73) を開閉する第2バルブ本体(20,70) と、前記第1及び第2バルブ本体(10,60,20,70) 間に配される中間室(30,80) と、前記第1弁棒(16,66) 及び前記第1弁体(12,62) を昇降させるアクチュエータ(40)とを有し、前記第2弁体(22,72) は、前記第1弁体(12,62) と同軸上に、前記第1弁体(12,62) に対向して配される二重シール弁(1,2) において、
    前記第1バルブ本体(10,60) は、前記第1弁棒(16,66) が前記第1弁座(11,61) に向けて押し込まれることにより、前記第1弁体(12,62) が前記第1弁座(11,61) から離れる逆栓型の構造を有し、
    前記第2バルブ本体(20,70) は、前記第2弁棒(26,76) が前記第2弁座(21,71) に向けて押し込まれることにより、前記第2弁体(22,72) が前記第2弁座(21,71) に近付く正栓型の構造を有し、
    前記第2弁体(22,72) は、前記第1弁口(13,63) を閉鎖状態の前記第1弁体(12,62) から離間し、且つ、前記第1弁体(12,62) と当接した状態で前記アクチュエータ(40)が前記第1弁体(12,62) を昇降させることにより、前記第1弁体(12,62) に連動して昇降可能に配されてなる、
    ことを特徴とする二重シール弁。
  2. 前記第1バルブ本体(10)は前記中間室(30)の下側に接続されるとともに、前記第2バルブ本体(20)は前記中間室(30)の上側に接続され、
    前記中間室(30)の底面(35)は、前記第1弁体(12)が接触する前記第1弁座(11)の着座面と、前記着座面の外側に配される外周面とを有し、
    前記外周面は、前記着座面から外側に向けて水平に又は下り傾斜して配されてなる、
    請求項1記載の二重シール弁。
  3. 前記第1バルブ本体(60)は前記中間室(80)の上側に接続されるとともに、前記第2バルブ本体(70)は前記中間室(80)の下側に接続され、
    前記第2弁体(72)は、前記第2弁口(73)の閉鎖時に前記第2弁座(71) よりも上方に突出する突出部(72a) を有し、
    前記中間室(80)の底面(85)は、前記第2弁体(72)の前記突出部(72a) の外側に配されるとともに前記第2弁座(71)により形成される外周面を有し、
    前記外周面は、前記第2弁体(72)との境界位置から外側に向けて水平に又は下り傾斜して配されてなる、
    請求項1記載の二重シール弁。
  4. 前記中間室(30,80) は、前記中間室(30,80) に生じるドレン液を排出するドレン排出部(33)と、前記ドレン排出部(33)を開閉するドレンバルブ部(34)とを備えるドレンバルブ機構(36)を有し、
    前記ドレン排出部(33)は、前記中間室(30,80) の前記底面(35,85) における前記外周面の高さ位置で前記中間室(30,80) に開口してなる、
    請求項2又は3記載の二重シール弁。
  5. 前記中間室(30,80) は、前記ドレンバルブ機構(36)と同じバルブ機構となる供給バルブ機構(37)を更に有し、
    前記供給バルブ機構(37)は、前記中間室(30,80) における前記ドレンバルブ機構(36)の対向する位置に配され、且つ、前記中間室(30,80) にCIP用洗浄液及び/又はSIP用蒸気を供給可能に形成されてなる、
    請求項4記載の二重シール弁。
  6. 前記第1弁体(12,62) を前記第1弁座(11,61) から離れる方向に微小に移動させて前記第1弁口(13,63) を微開させることが可能な第1ディスクリフト機構、及び/又は、前記第2弁体(22,72) を前記第2弁座(21,71) から離れる方向に微小に移動させて前記第2弁口(23,73) を微開させることが可能な第2ディスクリフト機構を備えてなる請求項1〜5のいずれかに記載の二重シール弁。
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