JP2018119378A - 扉装置の枠体 - Google Patents

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Abstract

【課題】意匠性を維持することが可能となる、扉装置の枠体を提供すること。【解決手段】枠体10は、接続部品68を用いて複数の枠材を組み合わせることにより形成された枠体10であって、複数の枠材は上側横枠材13及び戸尻側縦枠材11を含み、上側横枠材13に設けられた第1上側接続片61及び第2上側接続片62と、戸尻側縦枠材11に形成された第1上側切込部71及び第2上側切込部72を備え、第1上側接続片61及び第2上側接続片62の各々は、組立状態において戸尻側縦枠材11を上側横枠材13に対して位置決めをする位置決め部65と、接続部品68を介して第1上側接続片61又は第2上側接続片62と戸尻側縦枠材11とを連結するための連結部とを備え、設置状態において開口部の中央側から見て上側横枠材13又は戸尻側縦枠材11によって第1上側切込部71及び第2上側切込部72が覆われる位置に、これら切込部を設けた。【選択図】図3

Description

本発明は、扉装置の枠体に関する。
従来、建物の開口部に設けられる扉装置において、扉装置が設置される現場で扉装置を構成する枠体を組み立てることができる扉装置が普及している。このような扉装置は、例えば、一対の横枠及び一対の縦枠を有する枠体を備えており、一対の縦枠の各々の上端には爪板が設けられており、一対の横枠のうち上方側に位置する横枠(以下、「上側横枠」と称する)には、爪板を嵌合するためのスリットが形成されている。また、このスリットの平面形状は、爪板の断面形状よりも大きな形状に形成されており(特に、スリットの左右方向の長さが爪板の左右方向の長さよりも長くなる形状に形成されており)、枠体が建物に設置された状態においてスリットが外部に露出するように設けられている。このような構成により、これら爪板をスリットに嵌合することにより、扉装置が設置される現場において枠体をスムーズに組み立てることができる。
特開平9−228738号公報
ここで、上記従来の枠体においては、上述したように、枠体が建物に設置された状態においてスリットが外部に露出するように設けられているので、枠体の意匠性を低下させるおそれがあった。よって、枠体の意匠性を維持する観点から改善の余地があった。
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、意匠性を維持することが可能となる、扉装置の枠体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の扉装置の枠体は、建物の開口部に設けられた扉装置を構成する枠体であり、接続部品を用いて複数の枠材を組み合わせることにより形成された枠体であって、前記複数の枠材は、第1枠材と、前記第1枠材に対して略直交するように設けられた第2枠材と、を含み、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方に設けられた接続片であり、前記第1枠材と前記第2枠材とを接続するための接続片と、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方に形成された切込部と、を備え、前記接続片は、当該枠体が組み立てられた組立状態において前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方に向けて突出するように設けられた位置決め部であり、当該位置決め部を前記切込部に挿通させることにより、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方を前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方に対して位置決めをするための位置決め部と、前記接続部品を介して前記接続片と前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方とを連結するための連結部と、を備え、当該枠体が前記開口部に設置された設置状態において、前記開口部の中央側から見て前記第1枠材又は前記第2枠材によって前記切込部が覆われる位置に、当該切込部を設けた。
請求項2に記載の扉装置の枠体は、請求項1に記載の扉装置の枠体において、前記設置状態において前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方に対して突き当てられる前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方の側部のうち、前記開口部の中央側に位置する中央側側部よりも前記開口部の中央側とは反対側の位置に、前記切込部及び前記位置決め部を設けた。
請求項3に記載の扉装置の枠体は、請求項1又は2に記載の扉装置の枠体において、前記接続片として、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方の側部のうち見込み方向側の側部の一方に固定された接続片である第1接続片と、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方の側部のうち見込み方向側の側部の他方に固定された接続片であり、前記第1接続片とは別体に形成された接続片である第2接続片と、を設けた。
請求項4に記載の扉装置の枠体は、請求項3に記載の扉装置の枠体において、前記切込部として、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方の部分のうち、前記組立状態において前記第1接続片の前記位置決め部と対応する部分に形成された第1切込部であり、当該位置決め部を挿通させることが可能な第1切込部と、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方の部分のうち、前記組立状態において前記第2接続片の前記位置決め部と対応する部分に形成された第2切込部であり、当該位置決め部を挿通させることが可能な第2切込部と、を設け、前記第1切込部及び前記第2切込部を一体に形成した。
請求項5に記載の扉装置の枠体は、請求項3又は4に記載の扉装置の枠体において、前記第1接続片及び前記第2接続片を、相互に同一の形状に形成した。
請求項6に記載の扉装置の枠体は、請求項1から5のいずれか一項に記載の扉装置の枠体において、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方及び前記連結部の各々に、前記接続部品を挿通する接続用挿通孔を形成し、前記組立状態において、前記接続用挿通孔が、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方の前記中央側側部よりも前記開口部の中央側とは反対側の位置であり、且つ、当該中央側側部の近傍に位置するように、当該接続用挿通孔を配置した。
請求項7に記載の扉装置の枠体は、請求項1から6のいずれか一項に記載の扉装置の枠体において、前記建物の壁に設けられた前記扉装置を構成する当該枠体であって、前記第1枠材は、前記開口部の上方側に位置する横枠材である上側横枠材を含み、前記第2枠材は、前記開口部の戸尻側に位置する縦枠材である戸尻側縦枠材を含み、前記上側横枠材における戸尻側の端部に、前記上側横枠材と前記戸尻側縦枠材とを接続するための前記接続片を設け、前記上側横枠材に対して取り付けられたヒンジ部であって、当該ヒンジ部を介して前記扉装置を構成する扉体を回動自在に軸支するためのヒンジ部を備え、前記接続片は、当該接続片を前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方に対して固定するための固定部を備え、前記接続片の前記固定部及び前記上側横枠材の各々に、前記接続片を前記上側横枠材に対して固定するための固定部品を挿通する固定用挿通孔を形成し、前記固定用挿通孔に挿通される前記固定部品を、前記ヒンジ部が設置される領域以外に配置した。
請求項8に記載の扉装置の枠体は、請求項1から6のいずれか一項に記載の扉装置の枠体において、前記建物の壁に設けられた前記扉装置を構成する当該枠体であって、前記第1枠材は、前記開口部の下方側に位置する横枠材であるくつずり横枠材を含み、前記第2枠材は、前記開口部の戸尻側に位置する縦枠材である戸尻側縦枠材と、前記開口部の戸先側に位置する縦枠材である戸先側縦枠材と、を含み、前記くつずり横枠材における戸尻側の端部に、前記くつずり横枠材と前記戸尻側縦枠材とを接続するための前記接続片であり、中空状に形成された前記接続片を設けると共に、前記くつずり横枠材における戸先側の端部に、前記くつずり横枠材と前記戸先側縦枠材とを接続するための前記接続片であり、中空状に形成された前記接続片を設け、前記中空状の接続片は、前記くつずり横枠材の内部に充填される充填材料が前記接続片の内部に流入することを抑制するための第1側部と、前記第1側部とは異なる位置に設けられた第2側部であり、前記連結部として機能する第2側部と、を備えた。
請求項9に記載の扉装置の枠体は、請求項1から6のいずれか一項に記載の扉装置の枠体において、前記建物の壁に設けられた前記扉装置を構成する当該枠体であって、前記第1枠材は、前記開口部の上方側に位置する横枠材である上側横枠材と、前記開口部の下方側に位置する横枠材であり、当該枠体を組み立てる際にのみ用いられる横枠材である捨て横枠材と、を含み、前記第2枠材は、前記開口部の戸尻側に位置する縦枠材である戸尻側縦枠材と、前記開口部の戸先側に位置する縦枠材である戸先側縦枠材と、を含み、前記上側横枠材における戸尻側の端部に、前記上側横枠材と前記戸尻側縦枠材とを接続するための前記接続片を設けると共に、前記上側横枠材における戸先側の端部に、前記上側横枠材と前記戸先側縦枠材とを接続するための前記接続片を設け、前記捨て横枠材、前記戸尻側縦枠材、及び前記戸先側縦枠材の各々に、前記捨て横枠材を前記戸尻側縦枠材又は前記戸先側縦枠材に対して取り付けるための取付部品を挿通する取付用挿通孔を形成し、前記戸尻側縦枠材及び前記戸先側縦枠材の各々の前記取付用挿通孔を、前記設置状態において前記建物の床面よりも下方側に位置するように配置した。
請求項1に記載の扉装置の枠体によれば、設置状態において、開口部の中央側から見て第1枠材又は第2枠材によって切込部が覆われる位置に、当該切込部を設けたので、従来技術(枠体が設置された状態において、上側横枠に形成されたスリットを外部に露出するように設けた技術)とは異なり、設置状態において切込部が外部に露出することを回避でき、枠体の意匠性を維持することが可能となる。
請求項2に記載の扉装置の枠体によれば、設置状態において第1枠材又は第2枠材のいずれか他方に対して突き当てられる第1枠材又は第2枠材のいずれか一方の側部のうち、開口部の中央側に位置する中央側側部よりも開口部の中央側とは反対側の位置に、切込部及び位置決め部を設けたので、設置状態において切込部が外部に露出することを一層回避でき、枠体の意匠性を一層維持できる。
請求項3に記載の扉装置の枠体によれば、接続片として、第1枠材又は第2枠材のいずれか一方の側部のうち見込み方向側の側部の一方に固定された第1接続片と、第1枠材又は第2枠材のいずれか一方の側部のうち見込み方向側の側部の他方に固定された接続片であり、第1接続片とは別体に形成された接続片である第2接続片と、を設けたので、第1接続片及び第2接続片を一体に形成した場合に比べて、第1枠材又は第2枠材のいずれか一方の形状又は大きさが異なる様々な枠体に対して接続でき、第1接続片及び第2接続片の設置性を向上させることが可能となる。
請求項4に記載の扉装置の枠体によれば、第1切込部及び第2切込部を一体に形成したので、第1切込部及び第2切込部の加工を効率的に行うことができ、第1枠材又は第2枠材のいずれか他方の製造性を向上させることが可能となる。
請求項5に記載の扉装置の枠体によれば、第1接続片及び第2接続片を、相互に同一の形状に形成したので、第1接続片及び第2接続片の形状の統一化を図ることができ、第1接続片及び第2接続片の製造性を向上させることが可能となる。
請求項6に記載の扉装置の枠体によれば、組立状態において、接続用挿通孔が、第1枠材又は第2枠材のいずれか一方の中央側側部よりも開口部の中央側とは反対側の位置であり、且つ、当該中央側側部の近傍に位置するように、当該接続用挿通孔を配置したので、開口部の中央側の側部から離れた位置に接続用挿通孔を配置した場合に比べて、組立状態において第1枠材と第2枠材との相互間に隙間が生じることを抑制でき、枠体の意匠性をさらに一層維持できる。
請求項7に記載の扉装置の枠体によれば、固定用挿通孔に挿通される固定部品を、ヒンジ部が設置される領域以外に配置したので、ヒンジ部を第1枠材又は第2枠材のいずれか一方に対して取り付けた場合でも、固定部品によって扉体の回動が阻害されることを回避でき、扉装置の使用性を確保できる。
請求項8に記載の扉装置の枠体によれば、中空状の接続片が、くつずり横枠材の内部に充填される充填材料が接続片の内部に流入することを抑制するための第1側部と、第1側部とは異なる位置に設けられた第2側部であり、連結部として機能する第2側部と、を備えたので、くつずり横枠材の内部に充填材料が充填されている場合に、接続片の内部に充填材料が流入することを回避しながら、接続部品を用いて第2側部と第1枠材又は第2枠材のいずれか他方とを確実に連結することができ、枠体の設置性を維持できる。
請求項9に記載の扉装置の枠体によれば、戸尻側縦枠材及び戸先側縦枠材の各々の取付用挿通孔を、設置状態において建物の床面よりも下方側に位置するように配置したので、設置状態において戸尻側縦枠材及び戸先側縦枠材の各々の取付用挿通孔が外部に露出することを回避できるので、枠体の意匠性をさらに一層維持できる。
本発明の実施の形態1に係る扉装置であって、全閉状態を示す正面図である。 図1の扉装置の背面図である。 枠体を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は右側面図、(e)は(a)のA−A矢視断面図である。 図3(d)の上方領域の拡大図である。 図3(e)の下方領域の拡大図である。 戸尻側縦枠材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図である。 戸先側縦枠材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図である。 上側横枠材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。 くつずり横枠材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は左側面図である。 第1上側接続片を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)右側面図である。 第2上側接続片を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)右側面図である。 下側接続片を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)右側面図である。 第1上側接続片及び第2上側接続片の変形例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)右側面図である。 第1上側接続片又は第2上側接続片の変形例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)右側面図である。 第1上側接続片又は第2上側接続片の変形例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)右側面図である。 枠体の変形例を示す右側面図である。 くつずり横枠材の変形例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)底面図、(d)左側面図である。 下側接続片の変形例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)右側面図である。 実施の形態2に係る戸尻側縦枠材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図である。 上側横枠材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図である。 実施の形態3に係る枠体を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は右側面図、(e)は(a)のB−B矢視断面図である。 捨て横枠材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)左側面図である。 枠体の変形例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は右側面図、(e)は(a)のC−C矢視断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る扉装置の枠体の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部に設けられた扉装置を構成する枠体であり、接続部品を用いて複数の枠材を組み合わせることにより形成された枠体に関するものである。
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、天井、床等)において出入口を設置するために形成された開口部である。また、「扉装置」は、開口部に設置される構造体であって、開口部の出入りを抑制又は制限するための構造体を意味する。また、扉装置の取り付け位置や用途は任意であるが、例えば玄関に設置される「玄関扉」、勝手口や通用口に設置される「勝手口扉」、あるいは建物内部に設置される「室内扉」等を含む。また、扉装置の開閉構造は任意であり、例えば、片開式の開き戸や両開式の開き戸(いわゆる親子扉)等の「開き戸」や「引き戸」として構成することができる。以下、実施の形態では、扉装置が、戸建て住宅の如き建物の玄関の壁に設けられた片開式の開き戸である場合について説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る扉装置の枠体について説明する。この実施の形態1は、後述する扉装置の扉体が、後述するヒンジ部を介して後述する枠体の戸尻側縦枠材に対して固定された形態である。
(構成)
最初に、実施の形態1に係る枠体を備える扉装置の構成について説明する。以下の説明では、図1のX方向を扉装置の左右方向又は見付け方向(−X方向を扉装置の左方向、+X方向を扉装置の右方向)、図3のY方向を扉装置の前後方向又は見込み方向(+Y方向を扉装置の前方向(建物の屋外側の方向)、−Y方向を扉装置の後方向(建物の屋内側の方向))、図1のZ方向を扉装置の上下方向又は見付け方向(+Z方向を扉装置の上方向、−Z方向を扉装置の下方向)と称する。
図1、図2に示すように、この扉装置1は、概略的に、枠体10、扉体20、及びヒンジ部50を備えて構成されている。ただし、扉装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。なお、後述する扉装置1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
(構成−枠体)
枠体10は、建物の躯体2に形成された開口部3の周縁に設置されるものであり、鋼製(一例として、スチール、ステンレス等)の左右一対の縦枠材11、12及び上下一対の横枠材13、14(すなわち、複数の枠材)を備えている。これら縦枠材11、12及び横枠材13、14は、それぞれ開口部3の周縁における建物の躯体2に対して公知の方法で直接的に固定されており、相互に組み合わせられることによって、正面形状が略矩形環状となるように形成されている。以下では、必要に応じて、左右一対の縦枠材11、12のうち、開口部3の戸尻側に位置する縦枠材11を「戸尻側縦枠材11」と称し、開口部3の戸先側に位置する縦枠材12を「戸先側縦枠材12」と称する。また、上下一対の横枠材13、14のうち、開口部3の上方側に位置する横枠材13を「上側横枠材13」と称し、開口部3の下方側に位置する横枠材14を「くつずり横枠材14」と称する。なお、上述した「上側横枠材13」、「くつずり横枠材14」は、特許請求の範囲における「第1枠材」に対応し、上述した「戸尻側縦枠材11」、「戸先側縦枠材12」は、特許請求の範囲における「第2枠材」に対応する。
また、この戸先側縦枠材12には、デッドボルト受け及びラッチ受けが設けられている(いずれも図示省略)。デッドボルト受けは、扉体20によって開口部3が閉鎖された状態(以下、「全閉状態」と称する)において、扉体20に設けられた後述する公知のデッドボルトを受けるためのデッドボルト受容手段であり、後述するデッドボルトと対応する位置に配置されている。ラッチ受けは、扉体20に設けられた後述するラッチを受けるためのラッチ受容手段であり、ラッチと対応する位置に配置されている。
(構成−扉体)
扉体20は、建物の開口部3を開閉するための平板状の開閉体であり、図1、図2に示すように、扉フレーム(図示省略)及び表面材41、42を備えている。
(構成−扉体−扉フレーム)
扉フレームは、扉体20の剛性を主として担うものである。この扉フレームは、鋼製(一例として、スチール、ステンレス等)の左右一対の縦力骨(図示省略)及び上下一対の横力骨(図示省略)を組み合わせることによって、正面形状が略矩形環状となるように形成されている。
(構成−扉体−表面材)
表面材41は、扉体20の2つの主側面(扉体20の側面のうち、面積が最も大きな側面)のいずれか一方を構成するものであって、少なくとも扉フレームにおける見込み方向(前後方向)の一方側の側面(例えば、建物の屋外側の側面)の略全体を覆うものであり、表面材42は、扉体20の2つの主側面のいずれか他方を構成するものであって、少なくとも扉フレームにおける見込み方向の他方側の側面(例えば、建物の屋内側の側面)の略全体を覆うものである。また、これら表面材41、42は、例えば薄厚な鋼材(具体的には、スチール、ステンレス)等を用いて構成されており、扉フレームを建物の屋外側及び屋内側から覆うように設けられ、扉フレームに対して溶接又は固定具等によって固定されている。
(構成−扉体−その他の構成)
また、図1、図2に示すように、扉体20の戸先側には、ユーザが扉体20の開閉操作を行うための把手21と、扉体20を施錠するための施錠装置(図示省略)と、施錠装置による施錠の有無に関わらず、全閉状態の位置に扉体20を維持するためのラッチ(図示省略)とが設けられている。また、図2に示すように、扉体20における建物の屋内側の上方には、扉体20が開かれた場合に、扉体20を安全な速度で自動的に閉じるためのものであると共に、扉体20の回動状態が扉体20によって開口部3全体が開放された状態(以下、「全開状態」と称する)以上の状態になることを規制するためのドアクローザ22が設けられている。
(構成−ヒンジ部)
ヒンジ部50は、扉体20を戸尻側縦枠材11に対して回動自在に軸支するためのものである。このヒンジ部50は、公知の旗蝶番等を用いて構成されており、戸尻側の端部において、相互に間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設されている。また、このヒンジ部50の固定方法については任意であるが、例えば、まず、ヒンジ部50の上支持片(図示省略)、表面材41、及び戸尻側の縦力骨の各々に形成された取付孔(図示省略)を介して、上支持片を戸尻側の縦力骨に対して固定具により固定する。次に、下支持片に形成された取付孔(図示省略)、戸尻側縦枠材11に形成された図6の複数の取付孔11a、及び戸尻側縦枠材11の内部に設けられた図6の第1ライナ11bに形成された取付孔11fを介して、ヒンジ部50の下支持片(図示省略)を戸尻側縦枠材11に対して固定具により固定する。そして、この下支持片と接続された下軸52を、この上支持片と接続された上軸受51に差し込むことにより、このヒンジ部50を介して扉体20と戸尻側縦枠材11とを接続する。
(構成−枠体−戸尻側縦枠材及び戸先側縦枠材の構成の詳細)
次に、枠体10の戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の構成の詳細について説明する。ただし、戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態1において、図3、図6、図7に示すように、戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々は、縦枠材本体15及び固定材16を備えている。
縦枠材本体15は、戸尻側縦枠材11(又は戸先側縦枠材12)の基本構造体である。この縦枠材本体15は、X−Y平面に沿った断面形状が左右方向の外側に向けて開放された略コ字状となるように形成された中空状体であり、開口部3の上下方向の略全長にわたって形成されている。また、縦枠材本体15の具体的な構成については任意であるが、例えば、図6、図7に示すように、縦枠材本体15における扉体20に対応する部分を左右方向の外側に向けて凹ませることにより、扉体20を収容しながら縦枠材本体15と扉体20との干渉を回避することが可能な空間が形成されている。なお、枠体10の意匠性の観点から、戸尻側縦枠材11の縦枠材本体15及び戸先側縦枠材12の縦枠材本体15が相互に同一の形状及び大きさに形成されている。
固定材16は、縦枠材本体15を建物の躯体2に対して固定すると共に、縦枠材本体15を補強するためのものである。この固定材16は、板状体にて形成されており、具体的には、図6、図7に示すように、当該固定材16の前後方向の長さが縦枠材本体15のコ字状の開放端部における前後方向の長さと略同一(又はそれ以上の長さ)であり、当該固定材16の上下方向の長さが縦枠材本体15の上下方向の長さよりも短くなるように形成されている。また、この固定材16は、縦枠材本体15のコ字状の開放端部側(縦枠材本体15の上下方向の外側の端部側)において、所定間隔を隔てて上下方向に沿って複数並設配置されており、縦枠材本体15及び建物の躯体2に対して溶接等によって固定されている。
(構成−枠体−上側横枠材及びくつずり横枠材の構成の詳細)
図3に戻り、次に、枠体10の上側横枠材13及びくつずり横枠材14の構成の詳細について説明する。ただし、上側横枠材13及びくつずり横枠材14は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。実施の形態1において、図3、図8、図9に示すように、上側横枠材13及びくつずり横枠材14の各々は、横枠材本体17及び固定材18を備えている。
横枠材本体17は、上側横枠材13(又はくつずり横枠材14)の基本構造体である。この横枠材本体17は、Y−Z平面に沿った断面形状が上下方向の外側に向けて開放された略U字状となるように形成された中空状体であり、開口部3の左右方向の略全長にわたって形成されている。また、横枠材本体17の具体的な構成については任意であるが、例えば、上側横枠材13の横枠材本体17については、図8に示すように、横枠材本体17における扉体20に対応する部分を上下方向の外側に向けて凹ませることにより、扉体20を収容しながら横枠材本体17と扉体20との干渉を回避することが可能な空間が形成されている。また、くつずり横枠材14の横枠材本体17については、図3、図4、図9に示すように、上側横枠材13の横枠材本体17の凹部分に対応する位置に設けられている(つまり、くつずり横枠材14の前後方向の長さが上側横枠材13の前後方向の長さよりも小さくなるように、くつずり横枠材14が形成されている)。
固定材18は、横枠材本体17を建物の躯体2に対して固定すると共に、横枠材本体17を補強するためのものである。この固定材18は、板状体にて形成されており、具体的には、図8、図9に示すように、当該固定材18の前後方向の長さが横枠材本体17のコ字状の開放端部における前後方向の長さと略同一(又はそれ以上の長さ)であり、当該固定材18の左右方向の長さが横枠材本体17の左右方向の長さよりも短くなるように形成されている。また、この固定材18は、横枠材本体17のコ字状の開放端部側(横枠材本体17の上下方向の外側の端部側)において、所定間隔を隔てて左右方向に沿って複数並設配置されており、横枠材本体17及び建物の躯体2に対して溶接等によって固定されている。
(構成−枠体の接続構造)
図3に戻り、次に、枠体10の接続構造について説明する。この枠体10は、接続部品68(例えば、ネジやビス等の着脱自在な接続手段等)を用いて枠体10の各種枠材同士を接続するための接続構造を備えており、この接続構造は、第1戸尻側接続構造、第1戸先側接続構造、第2戸尻側接続構造、及び第2戸先側接続構造を備えている。以下では、これら各種の接続構造について順次説明する。
(構成−枠体の接続構造−第1戸尻側接続構造)
まず、第1戸尻側接続構造について説明する。第1戸尻側接続構造は、戸尻側縦枠材11と上側横枠材13とを接続するための接続構造であり、図3、図4、図6、図8に示すように、第1上側接続片61(第1接続片)と、第2上側接続片62(第2接続片)と、第1上側切込部71(第1切込部)と、第2上側切込部72(第2切込部)とを備えている。
(構成−枠体の接続構造−第1戸尻側接続構造−第1上側接続片、第2上側接続片)
第1上側接続片61及び第2上側接続片62は、戸尻側縦枠材11と上側横枠材13とを接続するための接続片である。これら第1上側接続片61及び第2上側接続片62は、図3、図8、図10、図11に示すように、相互に異なる形状であり、且つそれぞれ別体に形成されており、上側横枠材13の戸尻側の端部に設けられている。具体的には、図3、図8に示すように、第1上側接続片61の略全体及び第2上側接続片62の略全体(ただし、後述する位置決め部65を除く)が上側横枠材13の内部に収容されており、第1上側接続片61は、上側横枠材13の側部のうち見込み方向側の側部の一方(図3、図4、図8では、上側横枠材13の上側側部13fの前方部分13c)に設けられており、第2上側接続片62は、上側横枠材13の側部のうち見込み方向側の側部の他方(図3、図4、図8では、上側横枠材13の上側側部13fの後方部分13d)に設けられている(なお、実施の形態1では、これら前方部分13c及び後方部分13dが略同一の高さとなるように、上側横枠材13が形成されている)。また、これら第1上側接続片61及び第2上側接続片62の各々は、図8、図10、図11に示すように、接続片本体63、固定部64、位置決め部65、及び連結部66を備えている。
接続片本体63は、第1上側接続片61(又は第2上側接続片62)の基本構造体である。この接続片本体63は、略平坦状の板状体であり、図8、図10、図11に示すように、上側横枠材13の上側側部13fよりも下方側の位置において、前後方向及び左右方向に沿って設けられている。
固定部64は、第1上側接続片61(又は第2上側接続片62)を上側横枠材13に対して固定するためのものである。この固定部64は、略平坦状の板状体であり、図8、図10、図11に示すように、接続片本体63よりも前後方向の外側の位置において、上側横枠材13の上側側部13fと対向するように設けられている。また、固定部64を上側横枠材13に対して固定する方法については任意であるが、例えば、図8、図10、図11に示すように、まず、固定部64及び上側横枠材13の各々に形成された挿通孔64a(以下、「固定用挿通孔64a」と称する)を介して、固定部64を上側横枠材13に対して固定部品67(例えば、ネジやビス等の着脱自在な固定手段等)により固定する。またさらに、固定部64に形成されたダボ部64bを、上側横枠材13に形成された挿通孔13a(以下、「ダボ用挿通孔13a」と称する)を挿通する。このような固定により、第1上側接続片61(又は第2上側接続片62)が固定部品67を中心軸として回転することを防止しながら、固定部64を上側横枠材13に対して固定することができる。
位置決め部65は、当該位置決め部65を第1上側切込部71(又は第2上側切込部72)に挿通させることにより、戸尻側縦枠材11を上側横枠材13に対して位置決めするためのものである。ここで、「位置決め部65を挿通させる」とは、例えば、位置決め部65と戸尻側縦枠材11とが接触した状態で、位置決め部65を第1上側切込部71(又は第2上側切込部72)に挿通させること、又は、位置決め部65と戸尻側縦枠材11とが接触しない状態で、位置決め部65を第1上側切込部71(又は第2上側切込部72)に挿通させること等が該当する。この位置決め部65は、略平坦状の板状体であり、図3、図8、図10、図11に示すように、枠体10が組み立てられた状態(以下、「組立状態」と称する)において接続片本体63から戸尻側縦枠材11に向けて突出するように設けられている。
連結部66は、接続部品68を介して第1上側接続片61(又は第2上側接続片62)と戸尻側縦枠材11とを連結するためのものである。この連結部66は、略平坦状の板状体であり、図8、図10、図11に示すように、接続片本体63から下方に向けて突出するように設けられていると共に、戸尻側縦枠材11の側部のうち左右方向の内側の側部(図3では、戸尻側縦枠材11の左側側部11d)と対向するように設けられている。また、連結部66を戸尻側縦枠材11に対して接続する方法については任意であるが、例えば、図8、図10、図11に示すように、連結部66及び戸尻側縦枠材11の各々に形成された挿通孔66a(以下、「接続用挿通孔66a」と称する)を介して、連結部66を戸尻側縦枠材11に対して接続部品68により接続する。
また、この接続用挿通孔66aの設置方法については任意であるが、例えば、図3、図4、図6に示すように、組立状態において、接続用挿通孔66aが、上側横枠材13の側部のうち、開口部3の中央側に位置する側部よりも開口部3の中央側とは反対側の位置(図3、図4、図6では、上側横枠材13の下側側部13bよりも上方側の位置)であり、且つ、当該側部の近傍に位置するように設けている。ここで、「開口部3の中央」とは、開口部3の左右方向の略中心位置であり、開口部3の前後方向の略中心位置であり、且つ開口部3の上下方向の略中心位置である位置を意味する。このような設置により、開口部3の中央側の側部から離れた位置に接続用挿通孔66aを配置した場合に比べて、組立状態において上側横枠材13と戸尻側縦枠材11との相互間に隙間が生じることを抑制でき、枠体10の意匠性を一層維持できる。ただし、これに限られず、例えば、製造上の都合により、接続用挿通孔66aを開口部3の中央側に位置する側部の近傍に位置させることが難しい場合には、当該側部から離れた位置に設けてもよい。なお、上述した「上側横枠材13の下側側部13b」は、特許請求の範囲における「中央側側部」に対応する。
このように構成された第1上側接続片61及び第2上側接続片62は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、鋼製(一例として、スチール、ステンレス等)の板状体を折り曲げ成形することにより、接続片本体63、固定部64、位置決め部65、及び連結部66を一体に成形し、この折り曲げ成形の前後のいずれかの時点で、固定用挿通孔64a及び接続用挿通孔66aを孔加工することで製造してもよい。
(構成−枠体の接続構造−第1戸尻側接続構造−第1上側切込部、第2上側切込部)
図3に戻り、第1上側切込部71は、組立状態において第1上側接続片61の位置決め部65を挿通させるための切込部であり、第2上側切込部72は、組立状態において第2上側接続片62の位置決め部65を挿通させるための切込部である。これら第1上側切込部71及び第2上側切込部72は、戸尻側縦枠材11の一部を切り欠くことにより形成されている。具体的には、第1上側切込部71については、戸尻側縦枠材11における左右方向の内側の側部(図3、図4では、戸尻側縦枠材11の左側側部11d)のうち、組立状態において第1上側接続片61の位置決め部65と対応する部分を切り欠くことにより形成されている。また、第2上側切込部72については、戸尻側縦枠材11における左右方向の内側の側部(図3、図4では、戸尻側縦枠材11の左側側部11d)のうち、組立状態において第2上側接続片62の位置決め部65と対応する部分を切り欠くことにより形成されている。
また、第1上側切込部71及び第2上側切込部72の設置方法については、実施の形態1では、枠体10が開口部3に設置された状態(以下、「設置状態」と称する)において、開口部3の中央側から見て戸尻側縦枠材11又は上側横枠材13によって第1上側切込部71及び第2上側切込部72が覆われる位置に設けている。具体的には、図3、図4に示すように、設置状態において戸尻側縦枠材11に対して突き当てられる上側横枠材13の側部のうち、開口部3の中央側に位置する側部よりも開口部3の中央側とは反対側の位置(図3、図4では、上側横枠材13の下側側部13bよりも上方側の位置)に設けており、より具体的には、戸尻側縦枠材11の左側側部11dの上端部11c及びその近傍部分に設けている(すなわち、第1上側切込部71及び第2上側切込部72がスリット状に形成されている)。この場合において、第1上側接続片61及び第2上側接続片62の各々の位置決め部65の設置方法については、実施の形態1では、図3、図4に示すように、設置状態において戸尻側縦枠材11に対して突き当てられる上側横枠材13の側部のうち、開口部3の中央側に位置する側部よりも開口部3の中央側とは反対側の位置(図3、図4では、上側横枠材13の下側側部13bよりも上方側の位置)に設けており、具体的には、上側横枠材13の上端部よりも若干下方側の位置(又は同一の位置)に設けている。このような設置により、従来技術(枠体10が設置された状態において、上側横枠に形成されたスリットを外部に露出するように設けた技術)とは異なり、設置状態において第1上側切込部71及び第2上側切込部72が外部に露出することを回避できるので、枠体10の意匠性を維持することが可能となる。
また、第1上側切込部71及び第2上側切込部72の形成方法については任意であるが、例えば、図3、図4、図6に示すように、第1上側切込部71及び第2上側切込部72を一体に形成している。この場合において、第1上側切込部71及び第2上側切込部72の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、例えば、枠体10が組み立てられる際に、第1上側切込部71及び第2上側切込部72の各々の位置決め部65が第1上側切込部71(又は第2上側切込部72)に挿通された状態で、これら位置決め部65の一部(一例として、位置決め部65の前後方向の外側の端部、又は位置決め部65の下端部)が戸尻側縦枠材11と接触するような形状及び大きさに形成されてもよく、あるいは、これら位置決め部65が戸尻側縦枠材11と許容範囲内の微小な隙間を介して接触しないような形状及び大きさに形成されてもよい。このような構成により、第1上側切込部71及び第2上側切込部72の加工を効率的に行うことができ、戸尻側縦枠材11の製造性を向上させることが可能となる。ただし、これに限られず、例えば、第1上側接続片61と第2上側接続片62との相互間の距離が比較的長い場合には、第1上側切込部71及び第2上側切込部72をそれぞれ別体に形成してもよい。
以上のような第1戸尻側接続構造により、枠体10の意匠性を維持しながら、戸尻側縦枠材11と上側横枠材13とを接続することができる。
(構成−枠体の接続構造−第1戸先側接続構造)
図3に戻り、次に、第1戸先側接続構造について説明する。第1戸先側接続構造は、戸先側縦枠材12と上側横枠材13とを接続するための接続構造であり、図3、図7、図8に示すように、上側横枠材13の戸先側の端部に設けられた第1上側接続片61及び第2上側接続片62と、戸先側縦枠材12に形成された第1上側切込部71及び第2上側切込部72とを備えている。なお、この第1戸先側接続構造は、第1戸尻側接続構造と略同一に構成されているので、その詳細な説明を省略する。なお、実施の形態1においては、第1戸先側接続構造の第1上側接続片61の形状及び大きさは、第1戸尻側接続構造の第2上側接続片62の形状及び大きさと略同一に設定されているが、これに限られず、例えば、第1戸尻側接続構造の第2上側接続片62の形状及び大きさと異なるように設定されてもよい。また、第1戸先側接続構造の第2上側接続片62の形状及び大きさは、第1戸尻側接続構造の第1上側接続片61の形状及び大きさと略同一に設定されているが、これに限られず、例えば、第1戸尻側接続構造の第1上側接続片61の形状及び大きさと異なるように設定されてもよい。
(構成−枠体の接続構造−第2戸尻側接続構造)
図3に戻り、次いで、第2戸尻側接続構造について説明する。第2戸尻側接続構造は、戸尻側縦枠材11とくつずり横枠材14とを接続するための接続構造であり、図3、図5、図6、図9に示すように、下側接続片80と、下側切込部90とを備えている。
(構成−枠体の接続構造−第2戸尻側接続構造−下側接続片)
下側接続片80は、戸尻側縦枠材11とくつずり横枠材14とを接続するための接続片である。この下側接続片80は、くつずり横枠材14の戸尻側の端部に設けられており、具体的には、図3、図9に示すように、下側接続片80の略全体(ただし、後述する位置決め部86を除く)がくつずり横枠材14の内部に収容されるように設けられている。また、この下側接続片80は、中空状に形成されており、図9、図12に示すように、第1側部81、第2側部82、第3側部83、第4側部84、及び第5側部85を備えている。
第1側部81は、くつずり横枠材14の内部に充填される充填材料(例えば、公知の建築用の充填材料(一例としてモルタル等))が下側接続片80の内部に流入することを抑制するためのものであり、図9、図12に示すように、第5側部85における左右方向の内側の端部(図9、図12では、第5側部85の左端部)から上方に向けて張り出すように設けられている。また、第1側部81の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、くつずり横枠材14の内部において、下側接続片80よりも左右方向の内側に設けられた空間92(以下、「充填空間92」と称する)に充填される充填材料が流入しないように設定されており、例えば、図9に示すように、くつずり横枠材14のY−Z断面形状と略同一の形状及び大きさに設定されている。
第2側部82は、接続部品68を介して下側接続片80と戸尻側縦枠材11とを連結するためのものであり(すなわち、下側接続片80の連結部66として機能するものである)、図9、図12に示すように、第5側部85における左右方向の外側の端部(図9、図12では、第5側部85の右端部)から上方に向けて張り出すように設けられていると共に、戸尻側縦枠材11の側部のうち左右方向の内側の側部(図3では、戸尻側縦枠材11の左側側部11d)と対向するように設けられており(すなわち、第1側部81とは異なる位置に設けている)。また、第2側部82を戸尻側縦枠材11に対して接続する方法については任意であるが、例えば、図9に示すように、第2側部82及び戸尻側縦枠材11の各々に形成された図6、図12の接続用挿通孔82aを介して、第2側部82を戸尻側縦枠材11に対して接続部品68により接続する。
また、図3、図5、図9、図12に示すように、この第2側部82の下端部には、位置決め部86が設けられている。位置決め部86は、当該位置決め部86を下側切込部90に挿通させることにより、戸尻側縦枠材11をくつずり横枠材14に対して位置決めするためのものであり、図3、図5、図9、図12に示すように、組立状態において第2側部82から戸尻側縦枠材11に向けて突出するように設けられている。
第3側部83は、下側接続片80をくつずり横枠材14に対して固定するためのものであり(すなわち、下側接続片80の固定部64として機能するものである)、図9、図12に示すように、第5側部85における建物の屋外側の端部(図9、図12では、第5側部85の前端部)から上方に向けて張り出すように設けられていると共に、くつずり横枠材14の側部のうち建物の屋外側の側部(図9では、くつずり横枠材14の前側側部14b)と対向するように設けられている。また、第3側部83をくつずり横枠材14に対して固定する方法については任意であるが、例えば、図9に示すように、第3側部83及びくつずり横枠材14の各々に形成された図12の複数の固定用挿通孔83aを介して、第3側部83をくつずり横枠材14に対して固定部品67により固定する。
第4側部84は、下側接続片80をくつずり横枠材14に対して固定するためのものであり(すなわち、下側接続片80の固定部64として機能するものである)、図9、図12に示すように、第5側部85における建物の屋内側の端部(図9、図12では、第5側部85の後端部)から上方に向けて張り出すように設けられていると共に、くつずり横枠材14の側部のうち建物の屋内側の側部(図9では、くつずり横枠材14の後側側部14c)と対向するように設けられている。また、第4側部84をくつずり横枠材14に対して固定する方法については任意であるが、例えば、図9に示すように、第4側部84及びくつずり横枠材14の各々に形成された複数の固定用挿通孔(図示省略)を介して、第4側部84をくつずり横枠材14に対して固定部品67により固定する。
第5側部85は、第1側部81から第4側部84を連結するためのものであると共に、くつずり横枠材14の内部に充填される充填材料が下側接続片80の内部に流入することを抑制するためのものである。図9、図12に示すように、くつずり横枠材14の側部のうち開口部3の中央側の側部(図9では、くつずり横枠材14の上側側部14a)と対向するように略水平に設けられている。
このように構成された下側接続片80は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、まず、鋼製(一例として、スチール、ステンレス等)の板状体を折り曲げ成形することにより第1側部81及び第5側部85を一体に成形すると共に、鋼製(一例として、スチール、ステンレス等)の板状体を折り曲げ成形することにより第2側部82、第3側部83、第4側部84、及び位置決め部86を一体に成形する。そして、これら折り曲げ成形の前後のいずれかの時点で、第2側部82を含む板状体を、第1側部81を含む板状体に対して溶接等により接続すると共に、複数の固定用挿通孔83a及び接続用挿通孔82aを孔加工することで製造してもよい。なお、上述した「第1側部81」、「第5側部85」は、特許請求の範囲における「第1側部」に対応する。また、上述した「第2側部82」は、特許請求の範囲における「第2側部」に対応する。
(構成−枠体の接続構造−第2戸尻側接続構造−下側切込部)
図3に戻り、下側切込部90は、組立状態において下側接続片80の位置決め部86を挿通させるための切込部である。この下側切込部90は、戸尻側縦枠材11の一部を切り欠くことにより形成されており、具体的には、戸尻側縦枠材11における左右方向の内側の側部(図3、図5では、戸尻側縦枠材11の左側側部11d)のうち、組立状態において下側接続片80の位置決め部86と対応する部分を切り欠くことにより形成されている。
また、下側切込部90の設置方法については、実施の形態1では、設置状態において、開口部3の中央側から見て戸尻側縦枠材11又はくつずり横枠材14によって下側切込部90が覆われる位置に設けている。具体的には、図3、図5に示すように、設置状態において戸尻側縦枠材11に対して突き当てられるくつずり横枠材14の側部のうち、開口部3の中央側に位置する側部よりも開口部3の中央側とは反対側の位置(図3、図5では、くつずり横枠材14の上側側部14aよりも下方側の位置)に設けており、より具体的には、戸尻側縦枠材11の左側側部11dの下端部11g及びその近傍部分に設けている(すなわち、下側切込部90がスリット状に形成されている)。この場合において、下側接続片80の位置決め部86の設置方法については、実施の形態1では、図3、図5に示すように、設置状態において戸尻側縦枠材11に対して突き当てられるくつずり横枠材14の側部のうち、開口部3の中央側に位置する側部よりも開口部3の中央側とは反対側の位置(図3、図5では、くつずり横枠材14の上側側部14aよりも下方側の位置)に設けており、具体的には、くつずり横枠材14の下端部よりも若干上方側の位置に設けている。このような設置により、設置状態において下側切込部90が外部に露出することを回避できるので、枠体10の意匠性を維持することが可能となる。なお、上述した「くつずり横枠材14の上側側部14a」は、特許請求の範囲における「中央側側部」に対応する。
以上のような第2戸尻側接続構造により、枠体10の意匠性を維持しながら、戸尻側縦枠材11とくつずり横枠材14とを接続することができる。特に、中空状の下側接続片80が、くつずり横枠材14の内部に充填される充填材料が下側接続片80の内部に流入することを抑制するための第1側部81と、第1側部81とは異なる位置に設けられた第2側部82であり、連結部66として機能する第2側部82と、を備えているので、くつずり横枠材14の内部に充填材料が充填されている場合に、下側接続片80の内部に充填材料が流入することを回避しながら、接続部品68を用いて第2側部82と戸尻側縦枠材11とを確実に連結することができ、枠体10の設置性を維持できる。
(構成−枠体の接続構造−第2戸先側接続構造)
図3に戻り、次に、第2戸先側接続構造について説明する。第2戸先側接続構造は、戸先側縦枠材12とくつずり横枠材14とを接続するための接続構造であり、図3、図7、図9に示すように、くつずり横枠材14の戸先側の端部に設けられた下側接続片80と、戸先側縦枠材12に形成された下側切込部90とを備えている。なお、この第2戸先側接続構造は、第2戸尻側接続構造と略同一に構成されているので、その詳細な説明を省略する。
(設置方法)
続いて、このように構成された扉装置1の設置方法について説明する。
まず、工場等において、扉体20を公知の方法で製造する。また、第1上側接続片61及び第2上側接続片62を上側横枠材13に対して固定部品67によって固定すると共に、下側接続片80をくつずり横枠材14に対して固定部品67によって固定する。また、第1上側切込部71、第2上側切込部72、及び下側切込部90を戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々に形成する。
次に、扉装置1が設置される現場において、接続部品68を用いて、戸尻側縦枠材11、戸先側縦枠材12、上側横枠材13、及びくつずり横枠材14を組み合わせることにより、枠体10を組み立てる。この場合において、上側横枠材13に固定された第1上側接続片61及び第2上側接続片62の各々の位置決め部65を戸尻側縦枠材11(又は戸先側縦枠材12)の第1上側切込部71又は第2上側切込部72に挿入した後に、接続部品68を用いて第1上側接続片61及び第2上側接続片62の各々の連結部66と戸尻側縦枠材11とを接続する。これにより、戸尻側縦枠材11(又は戸先側縦枠材12)を上側横枠材13に対する位置決めを簡易且つ正確に行うことができ、戸尻側縦枠材11(又は戸先側縦枠材12)と上側横枠材13との接続作業を効率的に行うことができる(なお、戸尻側縦枠材11(又は戸先側縦枠材12)とくつずり横枠材14との接続作業についても同様とする)。次いで、組み立てられた枠体10を開口部3に配置した後、枠体10(具体的には、枠体10の固定材16、18)を建物の躯体2に対して溶接等により固定する。続いて、扉体20を、ヒンジ部50を介して枠体10(具体的には、枠体10の戸尻側縦枠材11)に対して接続する。これにて、扉装置1の設置が終了する。このような設置方法により、扉装置1が設置される現場で枠体10を組み立てる場合において、当該現場で行う作業を簡易且つ効率良く行うことができる。
(構成−その他の構成)
また、この他にも、枠体10の各種接続構造は、できる限りにおいて任意の構造にて構成可能である。
具体的には、実施の形態1では、第1上側接続片61及び第2上側接続片62がそれぞれ別体に形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、図13に示すように、第1上側接続片61及び第2上側接続片62が一体に形成されてもよい。このような構成により、第1上側接続片61及び第2上側接続片62を別体に形成した場合に比べて、第1上側接続片61及び第2上側接続片62を上側横枠材13に対して固定する作業を簡易且つ迅速に行うことができる。
また、実施の形態1では、第1上側接続片61及び第2上側接続片62が相互に異なる形状で形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、第1上側接続片61及び第2上側接続片62が、相互に同一の形状に形成されてもよい。一例として、図14、図15に示すように、図10の第1上側接続片61と、図10の第1上側接続片61の後端部を対象軸として第1上側接続片61の線対称となる形状を有する接続片とが一体に形成されたもの(より具体的には、図14の接続片は、一対の連結部66が一体に形成されたものであり、図15の接続片は、一対の連結部66が別体に形成されたものである)が、第1上側接続片61、第2上側接続片62として形成されてもよい。このような構成により、第1上側接続片61及び第2上側接続片62の形状の統一化を図ることができ、第1上側接続片61及び第2上側接続片62の製造性を向上させることが可能となる。
また、実施の形態1では、図3に示すように、上側横枠材13の上側側部13fの前方部分13cが上側横枠材13の上側側部13fの後方部分13dと略同一の高さとなるように、上側横枠材13が形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、図16に示すように、上側横枠材13の上側側部13fの前方部分13cが上側横枠材13の上側側部13fの後方部分13dと異なる高さとなるように、上側横枠材13が形成されてもよい。この場合には、図13に示すような第1上側接続片61及び第2上側接続片62を一体に形成したものを採用することが難しいことから、図16に示すように、第1上側接続片61及び第2上側接続片62をそれぞれ別体に形成したものが採用される。
また、実施の形態1では、図3、図4、図9に示すように、くつずり横枠材14の前後方向の長さが上側横枠材13の前後方向の長さよりも小さくなるように、くつずり横枠材14が形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、図17に示すように、くつずり横枠材14の前後方向の長さが上側横枠材13の前後方向の長さと略同一となるように、くつずり横枠材14が形成されてもよい。この場合において、下側接続片80の形状については、例えば、図12の下側接続片80とは異なる形状にて形成されてもよく、一例として、図18に示すように、X−Y平面に沿った断面形状が略Z字状に形成された第2側部82を有する中空状体にて形成されてもよい。
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、設置状態において、開口部3の中央側から見て戸尻側縦枠材11、戸先側縦枠材12、上側横枠材13、又はくつずり横枠材14によって、第1上側切込部71、第2上側切込部72、及び下側切込部90が覆われる位置に、第1上側切込部71、第2上側切込部72、及び下側切込部90を設けたので、従来技術(枠体10が設置された状態において、上側横枠に形成されたスリットを外部に露出するように設けた技術)とは異なり、設置状態において第1上側切込部71、第2上側切込部72、及び下側切込部90が外部に露出することを回避でき、枠体10の意匠性を維持することが可能となる。
また、設置状態において戸尻側縦枠材11又は戸先側縦枠材12に対して突き当てられる上側横枠材13又はくつずり横枠材14の側部のうち、開口部3の中央側に位置する中央側側部よりも開口部3の中央側とは反対側の位置に、第1上側切込部71、第2上側切込部72、及び下側切込部90、並びに位置決め部65、86を設けたので、設置状態において第1上側切込部71、第2上側切込部72、及び下側切込部90が外部に露出することを一層回避でき、枠体10の意匠性を一層維持できる。
また、接続片として、上側横枠材13の側部のうち見込み方向側の側部の一方に固定された第1上側接続片61と、上側横枠材13の側部のうち見込み方向側の側部の他方に固定された接続片であり、第1上側接続片61とは別体に形成された接続片である第2上側接続片62と、を設けたので、第1上側接続片61及び第2上側接続片62を一体に形成した場合に比べて、上側横枠材13の形状又は大きさが異なる様々な枠体10に対して接続でき、第1上側接続片61及び第2上側接続片62の設置性を向上させることが可能となる。
また、第1上側切込部71及び第2上側切込部72を一体に形成したので、第1上側切込部71及び第2上側切込部72の加工を効率的に行うことができ、戸尻側縦枠材11又は戸先側縦枠材12の製造性を向上させることが可能となる。
また、組立状態において、接続用挿通孔66aが、上側横枠材13の中央側側部よりも開口部3の中央側とは反対側の位置であり、且つ、当該中央側側部の近傍に位置するように、当該接続用挿通孔66aを配置したので、開口部3の中央側の側部から離れた位置に接続用挿通孔66aを配置した場合に比べて、組立状態において上側横枠材13と戸尻側縦枠材11(又は戸先側縦枠材12)との相互間に隙間が生じることを抑制でき、枠体10の意匠性をさらに一層維持できる。
また、中空状の下側接続片80が、くつずり横枠材14の内部に充填される充填材料が下側接続片80の内部に流入することを抑制するための第1側部81と、第1側部81とは異なる位置に設けられた第2側部82であり、連結部66として機能する第2側部82と、を備えたので、くつずり横枠材14の内部に充填材料が充填されている場合に、下側接続片80の内部に充填材料が流入することを回避しながら、接続部品68を用いて第2側部82と戸尻側縦枠材11とを確実に連結することができ、枠体10の設置性を維持できる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る扉装置の枠体について説明する。この実施の形態2は、扉体がヒンジ部を介して枠体の上側横枠材に対して固定された形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態2に係る枠体を備える扉装置の構成について説明する。実施の形態2に係る扉装置については、実施の形態1に係る扉装置1とほぼ同様に構成されている。ただし、ヒンジ部50の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
(構成−ヒンジ部の構成の詳細)
次いで、ヒンジ部50の構成の詳細について説明する。実施の形態2において、ヒンジ部50は、扉体20を上側横枠材13及び戸尻側縦枠材11に対して回動自在に軸支するためのものである。図19、図20に示すように、例えばピボットヒンジ等を用いて構成されており、扉体20の戸尻側における上方及び下方の各々に設けられている。ここで、上方側に位置するヒンジ部50を介して扉体20を上側横枠材13に対して固定する方法については任意であるが、例えば、ヒンジ部50の扉体側取付片(図示省略)を固定具等によって接続すると共に、ヒンジ部50の枠体側取付片(図示省略)を図18の第2ライナ13eを介して上側横枠材13に対して固定具等によって接続する。また、下方側に位置するヒンジ部50を介して扉体20を上側横枠材13に対して固定する方法については任意であるが、例えば、ヒンジ部50の扉体側取付片(図示省略)を固定具等によって接続すると共に、ヒンジ部50の枠体側取付片(図示省略)を図19の第3ライナ11eを介して戸尻側縦枠材11に対して固定具等によって接続する。
また、この場合において、第1上側接続片61及び第2上側接続片62を上側横枠材13に対して固定するための固定部品67の設置方法については任意であるが、実施の形態2においては、第1上側接続片61、第2上側接続片62、及び上側横枠材13の各々の固定用挿通孔64aに挿通される固定部品67を、図20に示すヒンジ部50が設置される領域53以外に配置しており、具体的には、図20に示すように、ヒンジ部50が設置される領域53よりも若干戸尻側の位置に配置している。このような設置により、ヒンジ部50を上側横枠材13に対して取り付けた場合でも、固定部品67によって扉体20の回動が阻害されることを回避できるので、扉装置の使用性を確保できる。
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、固定用挿通孔64aに挿通される固定部品67を、ヒンジ部50が設置される領域53以外に配置したので、ヒンジ部50を上側横枠材13に対して取り付けた場合でも、固定部品67によって扉体20の回動が阻害されることを回避でき、扉装置の使用性を確保できる。
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3に係る扉装置の枠体について説明する。この実施の形態3は、枠体が後述する捨て横枠材を備える形態である。ただし、この実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態3に係る枠体を備える扉装置の構成について説明する。実施の形態3に係る扉装置については、実施の形態1に係る扉装置1とほぼ同様に構成されている。ただし、枠体の構成の詳細、及び枠体の接続構造の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
(構成−枠体の構成の詳細)
次に、枠体10の構成の詳細について説明する。実施の形態3においては、枠体10は、図21に示すように、戸尻側縦枠材11、戸先側縦枠材12、上側横枠材13、及び捨て横枠材19を備えている。このうち、捨て横枠材19は、当該枠体10を組み立てる際にのみ用いられる横枠材であり、図21に示すように、開口部3の下方側に設けられている。また、図21、図22に示すように、この捨て横枠材19は、Y−Z平面に沿った断面形状が建物の屋外側に向けて開放された略コ字状となるように形成された板状体であり、開口部3の左右方向の略全長にわたって形成されている。
また、この捨て横枠材19を戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々に対して固定する方法については任意であるが、実施の形態3では、図21に示すように、捨て横枠材19、戸尻側縦枠材11、及び戸先側縦枠材12に形成された図22の挿通孔19a(以下、「取付用挿通孔19a」と称する)を介して、捨て横枠材19を戸尻側縦枠材11又は戸先側縦枠材12に対して取付部品91(例えば、ネジやビス等の着脱自在な取付手段等)により固定する。また、戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々の取付用挿通孔19aの設置方法については任意であるが、実施の形態3では、設置状態において建物の床面よりも下方側に位置するように配置しており、具体的には、図21に示すように、戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々の下端部の近傍位置に配置している。このような設置により、設置状態において戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々の取付用挿通孔19aが外部に露出することを回避できるので、枠体10の意匠性を一層維持できる。なお、上述した「捨て横枠材19」は、特許請求の範囲における「第1枠材」に対応する。
このように構成された捨て横枠材19は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、鋼製(一例として、スチール、ステンレス等)の板状体を折り曲げ成形し、この折り曲げ成形の前後のいずれかの時点で、取付用挿通孔19aを孔加工することで製造してもよい。
(構成−枠体の接続構造の構成の詳細)
次いで、枠体10の接続構造の構成の詳細について説明する。実施の形態3においては、上述したように、枠体10がくつずり横枠材14に代えて捨て横枠材19を備えていることから、枠体10の接続構造は、第1戸尻側接続構造及び第1戸先側接続構造のみを備えている。なお、これら第1戸尻側接続構造及び第1戸先側接続構造は、実施の形態1の第1戸尻側接続構造及び第1戸先側接続構造と略同一に構成されているので、その詳細な説明を省略する。
(設置方法)
続いて、このように構成された扉装置の設置方法について説明する。
まず、工場等において、扉体20を公知の方法で製造する。また、第1上側接続片61及び第2上側接続片62を上側横枠材13に対して固定部品67によって固定する。また、第1上側切込部71及び第2上側切込部72を戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々に形成すると共に、取付用挿通孔19aを捨て横枠材19に形成する。
次に、扉装置が設置される現場において、接続部品68及び取付部品91を用いて、戸尻側縦枠材11、戸先側縦枠材12、上側横枠材13、及び捨て横枠材19を組み合わせることにより、枠体10を組み立てる。次いで、組み立てられた枠体10を開口部3に配置して、枠体10(具体的には、枠体10の固定材16、18)を建物の躯体2に対して溶接等により固定した後、捨て横枠材19を取り外す。続いて、扉体20を、ヒンジ部50を介して枠体10(具体的には、枠体10の戸尻側縦枠材11)に対して接続する。これにて、扉装置の設置が終了する。このような設置方法により、枠体10が捨て横枠材19を備える場合において、枠体10を簡易且つ効率良く設置することができる。
(実施の形態3の効果)
このように実施の形態3によれば、戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々の取付用挿通孔19aを、設置状態において建物の床面よりも下方側に位置するように配置したので、設置状態において戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々の取付用挿通孔19aが外部に露出することを回避でき、枠体10の意匠性をさらに一層維持できる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(枠体について)
上記実施の形態1、2では、枠体10の戸尻側縦枠材11及び戸先側縦枠材12の各々が縦枠材本体15及び固定材16を備えていると共に、枠体10の上側横枠材13及びくつずり横枠材14の各々が横枠材本体17及び固定材18を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、戸尻側縦枠材11、戸先側縦枠材12、上側横枠材13、及びくつずり横枠材14の各々は、縦枠材本体15(又は横枠材本体17)及び固定材16(又は固定材18)に加えて、全閉状態において、扉体20に密接することにより、戸尻側縦枠材11(あるいは、戸先側縦枠材12、上側横枠材13、又はくつずり横枠材14)と扉体20との相互間の気密性を高めるための気密部を備えてもよい。この場合において、戸尻側縦枠材11、戸先側縦枠材12、上側横枠材13、及びくつずり横枠材14の具体的な構成については任意であるが、例えば、図23に示すように、戸尻側縦枠材11、戸先側縦枠材12、上側横枠材13、及びくつずり横枠材14の各々に、気密部の一部を収容するための凹部を設けてもよい。この凹部の形成方法については任意であるが、例えば、戸尻側縦枠材11、戸先側縦枠材12、上側横枠材13、及びくつずり横枠材14の各々における扉体20における建物の屋内側の側部と対応する部分を建物の屋内側に向けて凹ませることにより形成する。
(接続構造について)
上記実施の形態1から3では、第1戸尻側接続構造において、第1上側接続片61及び第2上側接続片62が上側横枠材13に設けられ、第1上側切込部71及び第2上側切込部72が戸尻側縦枠材11に形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、第1上側接続片61及び第2上側接続片62が戸尻側縦枠材11に設けられ、第1上側切込部71及び第2上側切込部72が上側横枠材13に形成されてもよい(なお、第1戸先側接続構造、第2戸尻側接続構造、及び第2戸先側接続構造についても同様とする)。
また、上記実施の形態1から3では、第1戸尻側接続構造が、2つの接続片(第1上側接続片61及び第2上側接続片62)を備えていると説明したが、これに限られない。例えば、1つの接続片のみを備えてもよく、あるいは、3つ以上の接続片を備えてもよい(なお、第1戸先側接続構造、第2戸尻側接続構造、第2戸先側接続構造についても同様とする)。
(接続片について)
上記実施の形態1から3では、各種の接続片が、上側横枠材13又はくつずり横枠材14と別体に形成されていると説明したが、これに限られず、例えば、上側横枠材13又はくつずり横枠材14と一体に形成されてもよい。この場合には、各種の接続片は、固定部64(又は第3側部83及び第4側部84)を省略できる。
上記実施の形態1から3では、第1上側接続片61及び第2上側接続片62が、固定部品67を用いて固定されていると説明したが、これに限られず、例えば、溶接によって固定されてもよい(なお、下側接続片80についても同様とする)。
上記実施の形態1、2は、下側接続片80の位置決め部86が、第2側部82に設けられていると説明したが、これに限られず、例えば、第5側部85に設けられてもよい。
(切込部について)
上記実施の形態1から3では、各種の切込部が、戸尻側縦枠材11(又は戸先側縦枠材12)の端部及びその近傍部分を切り欠くことにより形成されている(すなわち、スリット状に形成されている)と説明したが、これに限られない。例えば、戸尻側縦枠材11(又は戸先側縦枠材12)の端部以外の部分を切り欠くことにより形成されてもよい(すなわち、貫通孔状に形成されている)。
(付記)
付記1の扉装置の枠体は、建物の開口部に設けられた扉装置を構成する枠体であり、接続部品を用いて複数の枠材を組み合わせることにより形成された枠体であって、前記複数の枠材は、第1枠材と、前記第1枠材に対して略直交するように設けられた第2枠材と、を含み、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方に設けられた接続片であり、前記第1枠材と前記第2枠材とを接続するための接続片と、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方に形成された切込部と、を備え、前記接続片は、当該枠体が組み立てられた組立状態において前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方に向けて突出するように設けられた位置決め部であり、当該位置決め部を前記切込部に挿通させることにより、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方を前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方に対して位置決めをするための位置決め部と、前記接続部品を介して前記接続片と前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方とを連結するための連結部と、を備え、当該枠体が前記開口部に設置された設置状態において、前記開口部の中央側から見て前記第1枠材又は前記第2枠材によって前記切込部が覆われる位置に、当該切込部を設けた。
付記2の扉装置の枠体は、付記1に記載の扉装置の枠体において、前記設置状態において前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方に対して突き当てられる前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方の側部のうち、前記開口部の中央側に位置する中央側側部よりも前記開口部の中央側とは反対側の位置に、前記切込部及び前記位置決め部を設けた。
付記3の扉装置の枠体は、付記1又は2に記載の扉装置の枠体において、前記接続片として、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方の側部のうち見込み方向側の側部の一方に固定された接続片である第1接続片と、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方の側部のうち見込み方向側の側部の他方に固定された接続片であり、前記第1接続片とは別体に形成された接続片である第2接続片と、を設けた。
付記4の扉装置の枠体は、付記3に記載の扉装置の枠体において、前記切込部として、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方の部分のうち、前記組立状態において前記第1接続片の前記位置決め部と対応する部分に形成された第1切込部であり、当該位置決め部を挿通させることが可能な第1切込部と、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方の部分のうち、前記組立状態において前記第2接続片の前記位置決め部と対応する部分に形成された第2切込部であり、当該位置決め部を挿通させることが可能な第2切込部と、を設け、前記第1切込部及び前記第2切込部を一体に形成した。
付記5の扉装置の枠体は、付記3又は4に記載の扉装置の枠体において、前記第1接続片及び前記第2接続片を、相互に同一の形状に形成した。
付記6の扉装置の枠体は、付記1から5のいずれか一項に記載の扉装置の枠体において、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方及び前記連結部の各々に、前記接続部品を挿通する接続用挿通孔を形成し、前記組立状態において、前記接続用挿通孔が、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方の前記中央側側部よりも前記開口部の中央側とは反対側の位置であり、且つ、当該中央側側部の近傍に位置するように、当該接続用挿通孔を配置した。
付記7の扉装置の枠体は、付記1から6のいずれか一項に記載の扉装置の枠体において、前記建物の壁に設けられた前記扉装置を構成する当該枠体であって、前記第1枠材は、前記開口部の上方側に位置する横枠材である上側横枠材を含み、前記第2枠材は、前記開口部の戸尻側に位置する縦枠材である戸尻側縦枠材を含み、前記上側横枠材における戸尻側の端部に、前記上側横枠材と前記戸尻側縦枠材とを接続するための前記接続片を設け、前記上側横枠材に対して取り付けられたヒンジ部であって、当該ヒンジ部を介して前記扉装置を構成する扉体を回動自在に軸支するためのヒンジ部を備え、前記接続片は、当該接続片を前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方に対して固定するための固定部を備え、前記接続片の前記固定部及び前記上側横枠材の各々に、前記接続片を前記上側横枠材に対して固定するための固定部品を挿通する固定用挿通孔を形成し、前記固定用挿通孔に挿通される前記固定部品を、前記ヒンジ部が設置される領域以外に配置した。
付記8の扉装置の枠体は、付記1から6のいずれか一項に記載の扉装置の枠体において、前記建物の壁に設けられた前記扉装置を構成する当該枠体であって、前記第1枠材は、前記開口部の下方側に位置する横枠材であるくつずり横枠材を含み、前記第2枠材は、前記開口部の戸尻側に位置する縦枠材である戸尻側縦枠材と、前記開口部の戸先側に位置する縦枠材である戸先側縦枠材と、を含み、前記くつずり横枠材における戸尻側の端部に、前記くつずり横枠材と前記戸尻側縦枠材とを接続するための前記接続片であり、中空状に形成された前記接続片を設けると共に、前記くつずり横枠材における戸先側の端部に、前記くつずり横枠材と前記戸先側縦枠材とを接続するための前記接続片であり、中空状に形成された前記接続片を設け、前記中空状の接続片は、前記くつずり横枠材の内部に充填される充填材料が前記接続片の内部に流入することを抑制するための第1側部と、前記第1側部とは異なる位置に設けられた第2側部であり、前記連結部として機能する第2側部と、を備えた。
付記9の扉装置の枠体は、付記1から6のいずれか一項に記載の扉装置の枠体において、前記建物の壁に設けられた前記扉装置を構成する当該枠体であって、前記第1枠材は、前記開口部の上方側に位置する横枠材である上側横枠材と、前記開口部の下方側に位置する横枠材であり、当該枠体を組み立てる際にのみ用いられる横枠材である捨て横枠材と、を含み、前記第2枠材は、前記開口部の戸尻側に位置する縦枠材である戸尻側縦枠材と、前記開口部の戸先側に位置する縦枠材である戸先側縦枠材と、を含み、前記上側横枠材における戸尻側の端部に、前記上側横枠材と前記戸尻側縦枠材とを接続するための前記接続片を設けると共に、前記上側横枠材における戸先側の端部に、前記上側横枠材と前記戸先側縦枠材とを接続するための前記接続片を設け、前記捨て横枠材、前記戸尻側縦枠材、及び前記戸先側縦枠材の各々に、前記捨て横枠材を前記戸尻側縦枠材又は前記戸先側縦枠材に対して取り付けるための取付部品を挿通する取付用挿通孔を形成し、前記戸尻側縦枠材及び前記戸先側縦枠材の各々の前記取付用挿通孔を、前記設置状態において前記建物の床面よりも下方側に位置するように配置した。
(付記の効果)
付記1に記載の扉装置の枠体によれば、設置状態において、開口部の中央側から見て第1枠材又は第2枠材によって切込部が覆われる位置に、当該切込部を設けたので、従来技術(枠体が設置された状態において、上側横枠に形成されたスリットを外部に露出するように設けた技術)とは異なり、設置状態において切込部が外部に露出することを回避でき、枠体の意匠性を維持することが可能となる。
付記2に記載の扉装置の枠体によれば、設置状態において第1枠材又は第2枠材のいずれか他方に対して突き当てられる第1枠材又は第2枠材のいずれか一方の側部のうち、開口部の中央側に位置する中央側側部よりも開口部の中央側とは反対側の位置に、切込部及び位置決め部を設けたので、設置状態において切込部が外部に露出することを一層回避でき、枠体の意匠性を一層維持できる。
付記3に記載の扉装置の枠体によれば、接続片として、第1枠材又は第2枠材のいずれか一方の側部のうち見込み方向側の側部の一方に固定された第1接続片と、第1枠材又は第2枠材のいずれか一方の側部のうち見込み方向側の側部の他方に固定された接続片であり、第1接続片とは別体に形成された接続片である第2接続片と、を設けたので、第1接続片及び第2接続片を一体に形成した場合に比べて、第1枠材又は第2枠材のいずれか一方の形状又は大きさが異なる様々な枠体に対して接続でき、第1接続片及び第2接続片の設置性を向上させることが可能となる。
付記4に記載の扉装置の枠体によれば、第1切込部及び第2切込部を一体に形成したので、第1切込部及び第2切込部の加工を効率的に行うことができ、第1枠材又は第2枠材のいずれか他方の製造性を向上させることが可能となる。
付記5に記載の扉装置の枠体によれば、第1接続片及び第2接続片を、相互に同一の形状に形成したので、第1接続片及び第2接続片の形状の統一化を図ることができ、第1接続片及び第2接続片の製造性を向上させることが可能となる。
付記6に記載の扉装置の枠体によれば、組立状態において、接続用挿通孔が、第1枠材又は第2枠材のいずれか一方の中央側側部よりも開口部の中央側とは反対側の位置であり、且つ、当該中央側側部の近傍に位置するように、当該接続用挿通孔を配置したので、開口部の中央側の側部から離れた位置に接続用挿通孔を配置した場合に比べて、組立状態において第1枠材と第2枠材との相互間に隙間が生じることを抑制でき、枠体の意匠性をさらに一層維持できる。
付記7に記載の扉装置の枠体によれば、固定用挿通孔に挿通される固定部品を、ヒンジ部が設置される領域以外に配置したので、ヒンジ部を第1枠材又は第2枠材のいずれか一方に対して取り付けた場合でも、固定部品によって扉体の回動が阻害されることを回避でき、扉装置の使用性を確保できる。
付記8に記載の扉装置の枠体によれば、中空状の接続片が、くつずり横枠材の内部に充填される充填材料が接続片の内部に流入することを抑制するための第1側部と、第1側部とは異なる位置に設けられた第2側部であり、連結部として機能する第2側部と、を備えたので、くつずり横枠材の内部に充填材料が充填されている場合に、接続片の内部に充填材料が流入することを回避しながら、接続部品を用いて第2側部と第1枠材又は第2枠材のいずれか他方とを確実に連結することができ、枠体の設置性を維持できる。
付記9に記載の扉装置の枠体によれば、戸尻側縦枠材及び戸先側縦枠材の各々の取付用挿通孔を、設置状態において建物の床面よりも下方側に位置するように配置したので、設置状態において戸尻側縦枠材及び戸先側縦枠材の各々の取付用挿通孔が外部に露出することを回避できるので、枠体の意匠性をさらに一層維持できる。
1 扉装置
2 躯体
3 開口部
10 枠体
11 縦枠材、戸尻側縦枠材
11a 取付孔
11b 第1ライナ
11c 左側側部の上端部
11d 左側側部
11e 第3ライナ
11f 取付孔
11g 左側側部の下端部
12 縦枠材、戸先側縦枠材
13 横枠材、上側横枠材
13a ダボ用挿通孔
13b 下側側部
13c 上側側部の前方部分
13d 上側側部の後方部分
13e 第2ライナ
13f 上側側部
14 横枠材、くつずり横枠材
14a 上側側部
14b 前側側部
14c 後側側部
15 縦枠材本体
16 固定材
17 横枠材本体
18 固定材
19 捨て横枠材
19a 取付用挿通孔
20 扉体
21 把手
22 ドアクローザ
41 表面材
42 表面材
50 ヒンジ部
51 上軸受
52 下軸
53 ヒンジ部が設置される領域
61 第1上側接続片
62 第2上側接続片
63 接続片本体
64 固定部
64a 固定用挿通孔
64b ダボ部
65 位置決め部
66 連結部
66a 接続用挿通孔
67 固定部品
68 接続部品
71 第1上側切込部
72 第2上側切込部
80 下側接続片
81 第1側部
82 第2側部
82a 接続用挿通孔
83 第3側部
83a 固定用挿通孔
84 第4側部
85 第5側部
86 位置決め部
90 下側切込部
91 取付部品
92 充填空間

Claims (9)

  1. 建物の開口部に設けられた扉装置を構成する枠体であり、接続部品を用いて複数の枠材を組み合わせることにより形成された枠体であって、
    前記複数の枠材は、第1枠材と、前記第1枠材に対して略直交するように設けられた第2枠材と、を含み、
    前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方に設けられた接続片であり、前記第1枠材と前記第2枠材とを接続するための接続片と、
    前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方に形成された切込部と、を備え、
    前記接続片は、
    当該枠体が組み立てられた組立状態において前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方に向けて突出するように設けられた位置決め部であり、当該位置決め部を前記切込部に挿通させることにより、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方を前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方に対して位置決めをするための位置決め部と、
    前記接続部品を介して前記接続片と前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方とを連結するための連結部と、を備え、
    当該枠体が前記開口部に設置された設置状態において、前記開口部の中央側から見て前記第1枠材又は前記第2枠材によって前記切込部が覆われる位置に、当該切込部を設けた、
    扉装置の枠体。
  2. 前記設置状態において前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方に対して突き当てられる前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方の側部のうち、前記開口部の中央側に位置する中央側側部よりも前記開口部の中央側とは反対側の位置に、前記切込部及び前記位置決め部を設けた、
    請求項1に記載の扉装置の枠体。
  3. 前記接続片として、
    前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方の側部のうち見込み方向側の側部の一方に固定された接続片である第1接続片と、
    前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方の側部のうち見込み方向側の側部の他方に固定された接続片であり、前記第1接続片とは別体に形成された接続片である第2接続片と、を設けた、
    請求項1又は2に記載の扉装置の枠体。
  4. 前記切込部として、
    前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方の部分のうち、前記組立状態において前記第1接続片の前記位置決め部と対応する部分に形成された第1切込部であり、当該位置決め部を挿通させることが可能な第1切込部と、
    前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方の部分のうち、前記組立状態において前記第2接続片の前記位置決め部と対応する部分に形成された第2切込部であり、当該位置決め部を挿通させることが可能な第2切込部と、を設け、
    前記第1切込部及び前記第2切込部を一体に形成した、
    請求項3に記載の扉装置の枠体。
  5. 前記第1接続片及び前記第2接続片を、相互に同一の形状に形成した、
    請求項3又は4に記載の扉装置の枠体。
  6. 前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか他方及び前記連結部の各々に、前記接続部品を挿通する接続用挿通孔を形成し、
    前記組立状態において、前記接続用挿通孔が、前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方の前記中央側側部よりも前記開口部の中央側とは反対側の位置であり、且つ、当該中央側側部の近傍に位置するように、当該接続用挿通孔を配置した、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の扉装置の枠体。
  7. 前記建物の壁に設けられた前記扉装置を構成する当該枠体であって、
    前記第1枠材は、前記開口部の上方側に位置する横枠材である上側横枠材を含み、
    前記第2枠材は、前記開口部の戸尻側に位置する縦枠材である戸尻側縦枠材を含み、
    前記上側横枠材における戸尻側の端部に、前記上側横枠材と前記戸尻側縦枠材とを接続するための前記接続片を設け、
    前記上側横枠材に対して取り付けられたヒンジ部であって、当該ヒンジ部を介して前記扉装置を構成する扉体を回動自在に軸支するためのヒンジ部を備え、
    前記接続片は、当該接続片を前記第1枠材又は前記第2枠材のいずれか一方に対して固定するための固定部を備え、
    前記接続片の前記固定部及び前記上側横枠材の各々に、前記接続片を前記上側横枠材に対して固定するための固定部品を挿通する固定用挿通孔を形成し、
    前記固定用挿通孔に挿通される前記固定部品を、前記ヒンジ部が設置される領域以外に配置した、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の扉装置の枠体。
  8. 前記建物の壁に設けられた前記扉装置を構成する当該枠体であって、
    前記第1枠材は、前記開口部の下方側に位置する横枠材であるくつずり横枠材を含み、
    前記第2枠材は、前記開口部の戸尻側に位置する縦枠材である戸尻側縦枠材と、前記開口部の戸先側に位置する縦枠材である戸先側縦枠材と、を含み、
    前記くつずり横枠材における戸尻側の端部に、前記くつずり横枠材と前記戸尻側縦枠材とを接続するための前記接続片であり、中空状に形成された前記接続片を設けると共に、前記くつずり横枠材における戸先側の端部に、前記くつずり横枠材と前記戸先側縦枠材とを接続するための前記接続片であり、中空状に形成された前記接続片を設け、
    前記中空状の接続片は、
    前記くつずり横枠材の内部に充填される充填材料が前記接続片の内部に流入することを抑制するための第1側部と、
    前記第1側部とは異なる位置に設けられた第2側部であり、前記連結部として機能する第2側部と、を備えた、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の扉装置の枠体。
  9. 前記建物の壁に設けられた前記扉装置を構成する当該枠体であって、
    前記第1枠材は、前記開口部の上方側に位置する横枠材である上側横枠材と、前記開口部の下方側に位置する横枠材であり、当該枠体を組み立てる際にのみ用いられる横枠材である捨て横枠材と、を含み、
    前記第2枠材は、前記開口部の戸尻側に位置する縦枠材である戸尻側縦枠材と、前記開口部の戸先側に位置する縦枠材である戸先側縦枠材と、を含み、
    前記上側横枠材における戸尻側の端部に、前記上側横枠材と前記戸尻側縦枠材とを接続するための前記接続片を設けると共に、前記上側横枠材における戸先側の端部に、前記上側横枠材と前記戸先側縦枠材とを接続するための前記接続片を設け、
    前記捨て横枠材、前記戸尻側縦枠材、及び前記戸先側縦枠材の各々に、前記捨て横枠材を前記戸尻側縦枠材又は前記戸先側縦枠材に対して取り付けるための取付部品を挿通する取付用挿通孔を形成し、
    前記戸尻側縦枠材及び前記戸先側縦枠材の各々の前記取付用挿通孔を、前記設置状態において前記建物の床面よりも下方側に位置するように配置した、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の扉装置の枠体。
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