JP2018119250A - 撥水剤組成物、撥水性繊維製品及び撥水性繊維製品の製造方法 - Google Patents

撥水剤組成物、撥水性繊維製品及び撥水性繊維製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】撥水性に優れた撥水性繊維製品を得ることができ、得られる製品はコーティングに対する十分な剥離強度を有することもできる非フッ素系ポリマーを提供すること。【解決手段】 塩化ビニル及び塩化ビニリデンのうち少なくともいずれか1種の単量体(VC)に由来する構成単位を含有する非フッ素系ポリマーであって、該非フッ素系ポリマーを構成する単量体成分の全量を基準として前記単量体(VC)の含有割合が50質量%以上である前記非フッ素系ポリマー(α)と、下記一般式(A−1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に由来する構成単位を含有する非フッ素系ポリマーであって、該非フッ素系ポリマーを構成する単量体成分の全量を基準として前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)の含有割合が50質量%以上である非フッ素系ポリマー(β)、及び/又は、シリコーン樹脂(γ)と、を含む撥水剤組成物。[式(A−1)中、R1は水素又はメチル基を表し、R2は置換基を有していてもよい炭素数12〜30の1価の炭化水素基を表す。]【選択図】なし

Description

本発明は、撥水剤組成物、それを用いた撥水剤組成物撥水性繊維製品及び撥水性繊維製品の製造方法に関する。
従来、フッ素基を有するフッ素系撥水剤が知られており、かかるフッ素系撥水剤を繊維製品等に処理することにより、その表面に撥水性が付与された繊維製品が知られている。このようなフッ素系撥水剤は一般にフルオロアルキル基を有する単量体(モノマー)を重合、若しくは共重合させることにより製造される。フッ素系撥水剤で処理された繊維製品は優れた撥水性を発揮するものの、フルオロアルキル基を有する単量体は環境負荷の懸念が明らかとなってきた。
そこで、近年、フッ素を含まない非フッ素系撥水剤について研究が進められている。例えば、下記特許文献1には、エステル部分の炭素数が12以上の(メタ)アクリル酸エステルを単量体単位として含む特定の非フッ素系ポリマーからなる撥水剤が開示されている。下記特許文献2にはアミノ変性シリコーンと多官能イソシアネートとを含有する柔軟撥水性剤が開示されている。
特開2006−328624号公報 特開2004−59609号公報
ところで、撥水処理した繊維製品等は、所定の部分にウレタン樹脂又はアクリル樹脂等をコーティングする加工が行われることがある。この場合の繊維製品は十分な撥水性を有しながらも、コーティングが施される部分はコーティング膜が剥がれにくいことが求められる。
しかし、特許文献1に記載の撥水剤や特許文献2に記載の柔軟撥水性剤においては、コーティングに対する剥離強度についての検討が十分になされておらず、撥水性と剥離強度とをより高いレベルで両立させるためには、さらなる改善の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、撥水性に優れた撥水性繊維製品を得ることができ、得られる製品はコーティングに対する十分な剥離強度を有することもできる撥水剤組成物、撥水性繊維製品及び撥水性繊維製品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、塩化ビニル及び塩化ビニリデンのうち少なくともいずれか1種の単量体(VC)に由来する構成単位を含有する非フッ素系ポリマーであって、該非フッ素系ポリマーを構成する単量体成分の全量を基準として単量体(VC)の含有割合が50質量%以上である非フッ素系ポリマー(α)と、下記一般式(A−1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に由来する構成単位を含有する非フッ素系ポリマーであって、該非フッ素系ポリマーを構成する単量体成分の全量を基準として(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)の含有割合が50質量%以上である非フッ素系ポリマー(β)、及び/又は、シリコーン樹脂(γ)と、を含む撥水剤組成物を提供する。
Figure 2018119250

[式(A−1)中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは置換基を有していてもよい炭素数12〜30の1価の炭化水素基を表す。]
本発明の撥水性組成物によれば、上記特定の非フッ素系ポリマー(α)と、上記特定の非フッ素系ポリマー(β)及び/又はシリコーン樹脂(γ)とが組み合わせて含まれることにより、撥水性に優れた撥水性繊維製品を得ることができ、得られる製品はコーティングに対する十分な剥離強度を有することもできる。
得られる繊維製品の撥水性、及び乳化重合又は分散重合時及び重合後の組成物中での乳化安定性の観点から、上記非フッ素系ポリマー(α)は、(B1)HLBが7〜18である下記一般式(I−1)で表される化合物、(B2)HLBが7〜18である下記一般式(II−1)で表される化合物、及び(B3)HLBが7〜18である、ヒドロキシル基及び重合性不飽和基を有する油脂に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物からなる群より選択される少なくとも1種の反応性乳化剤(B)に由来する構成単位を更に含有することができる。
Figure 2018119250

[式(I−1)中、Rは水素又はメチル基を表し、Xは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表し、Yは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を含む2価の基を表す。]
Figure 2018119250

[式(II−1)中、Rは重合性不飽和基を有する炭素数13〜17の1価の不飽和炭化水素基を表し、Yは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を含む2価の基を表す。]
本発明に係る撥水剤組成物は、得られる繊維製品の撥水性、及び乳化重合又は分散重合時及び重合後の組成物中での乳化安定性の観点から、上記非フッ素系ポリマー(β)を含み、非フッ素系ポリマー(β)が、(B1)HLBが7〜18である下記一般式(I−1)で表される化合物、(B2)HLBが7〜18である下記一般式(II−1)で表される化合物、及び(B3)HLBが7〜18である、ヒドロキシル基及び重合性不飽和基を有する油脂に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物からなる群より選択される少なくとも1種の反応性乳化剤(B)に由来する構成単位を更に含有することができる。
Figure 2018119250

[式(I−1)中、Rは水素又はメチル基を表し、Xは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表し、Yは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を含む2価の基を表す。]
Figure 2018119250

[式(II−1)中、Rは重合性不飽和基を有する炭素数13〜17の1価の不飽和炭化水素基を表し、Yは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を含む2価の基を表す。]
得られる繊維製品の耐久撥水性の観点から、上記非フッ素系ポリマー(α)が、上記一般式(A−1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に由来する構成単位を更に含有し、非フッ素系ポリマー(α)における(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)がアクリル酸エステル単量体(a1)とメタクリル酸エステル単量体(a2)とを含み、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に含まれるアクリル酸エステル単量体(a1)の質量とメタクリル酸エステル単量体(a2)の質量との比(a1)/(a2)が30/70〜90/10であることが好ましい。
また、本発明に係る撥水剤組成物は、得られる繊維製品の耐久撥水性の観点から、上記非フッ素系ポリマー(β)を含み、非フッ素系ポリマー(β)における(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)がアクリル酸エステル単量体(a1)とメタクリル酸エステル単量体(a2)とを含み、(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に含まれるアクリル酸エステル単量体(a1)の質量とメタクリル酸エステル単量体(a2)の質量との比(a1)/(a2)が30/70〜90/10であることが好ましい。
更に、本発明に係る撥水剤組成物は、得られる繊維製品の撥水性と風合いの観点から、上記シリコーン樹脂(γ)を含み、シリコーン樹脂(γ)が、アミノ変性シリコーン、シリコーンレジン、ジメチルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、及びアルキル変性シリコーンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明はまた、上記本発明に係る撥水剤組成物における、非フッ素系ポリマー(α)と、非フッ素系ポリマー(β)及び/又はシリコーン樹脂(γ)とが付着した繊維製品からなる撥水性繊維製品を提供する。
本発明の撥水性繊維製品は、十分な撥水性を有するとともに、所定の部分にウレタン樹脂又はアクリル樹脂等をコーティングする加工を行ったときにコーティングに対する十分な剥離強度を有することができる。
本発明はまた、繊維製品を上記本発明に係る撥水剤組成物が含まれる処理液で処理する工程を備える撥水性繊維製品の製造方法を提供する。
本発明の撥水性繊維製品の製造方法によれば、十分な撥水性を有するとともに、所定の部分にウレタン樹脂又はアクリル樹脂等をコーティングする加工を行ったときにコーティングに対する十分な剥離強度を有する撥水性繊維製品を得ることができる。
本発明によれば、撥水性に優れた撥水性繊維製品を得ることができ、得られる製品はコーティングに対する十分な剥離強度を有することもできる撥水剤組成物を提供することができる。
本発明の撥水剤組成物によれば、処理した基材にウレタン樹脂又はアクリル樹脂等をコーティングした場合でも、撥水性とコーティングに対する剥離強度を両立することができる。また、本発明の撥水剤組成物がシリコーン樹脂(γ)を含む場合には、繊維製品の風合いを向上しながら、撥水性とコーティングに対する剥離強度を両立する撥水性繊維製品を得ることができる。
また、本発明の撥水剤組成物は、フルオロアルキル基又はフッ素を有する化合物を含まない撥水剤組成物でありながらも優れた撥水性を示し、フッ素系撥水剤に代わるものとしての利用が可能であり、フッ素供給源や環境等への影響の懸念を解消することができる。なお、繊維製品等に撥水剤組成物を付着させた後は通常熱処理することが好ましいが、本発明の撥水剤組成物はフルオロアルキル基を有する単量体を用いていないため、130℃以下の温和な条件で熱処理した場合であっても高い撥水性を発揮させることができ、また、130℃を超える高温で熱処理した場合には、熱処理時間をフッ素系撥水剤の場合よりも短くすることできる。したがって、被処理物の熱による変質が抑えられるため、風合が柔軟となり、しかも熱処理にかかる熱量を削減できる等コスト面でも優れている。
さらには、本発明によれば、非フッ素系ポリマーの乳化又は分散重合に用いられる乳化分散剤として、一般的な界面活性剤の代わりに特定の反応性乳化剤を用いることによって、撥水剤組成物に含まれる界面活性剤の量を減らすことができる。その結果、得られる繊維製品等の撥水性の低下を抑えることができ、従来の非フッ素系撥水剤よりも高い撥水性を実現することができる。
本実施形態の撥水剤組成物は、第1の非フッ素系ポリマー(α)と、第2の非フッ素系ポリマー(β)及び/又はシリコーン樹脂(γ)と、を含む。
<非フッ素系ポリマー(α)>
非フッ素系ポリマー(α)は、塩化ビニル及び塩化ビニリデンのうち少なくともいずれか1種の単量体(VC)(以下、「(VC)成分」ともいう。)に由来する構成単位を含有する非フッ素系ポリマーであって、該非フッ素系ポリマーを構成する単量体成分の全量を基準として単量体(VC)の含有割合が50質量%以上である。
非フッ素系ポリマー(α)は、下記一般式(A−1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)(以下、「(A)成分」ともいう)に由来する構成単位を、非フッ素系ポリマー(α)を構成する単量体成分の全量を基準として(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)の含有割合が0〜50質量%未満となる範囲で含有することができる。
Figure 2018119250

[式(A−1)中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは置換基を有していてもよい炭素数12〜30の1価の炭化水素基を表す。]
ここで、「(メタ)アクリル酸エステル」とは「アクリル酸エステル」又はそれに対応する「メタクリル酸エステル」を意味し、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリルアミド」等においても同義である。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)にて使用される上記一般式(A−1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)は、置換基を有していてもよい炭素数が12〜30の1価の炭化水素基を有する。この炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基であってもよく、更には脂環式又は芳香族の環状を有していてもよい。これらの中でも環状炭化水素基が好ましい。この場合、剥離強度がより優れるものとなる。炭素数12〜30の1価の炭化水素基が置換基を有する場合、その置換基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基及び(メタ)アクリロイルオキシ基等のうちの1種以上が挙げられる。
上記の環状炭化水素基は、鎖状基(例えば、直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基)を有していてよい。環状炭化水素基としては、飽和又は不飽和である、単環基、多環基、橋かけ環基などが挙げられる。環状炭化水素基は、飽和であることが好ましく、飽和の環状脂肪族基であることがより好ましい。環状炭化水素基の炭素数は、4〜30であることが好ましく、6〜20であることがより好ましい。また、剥離強度の点で、環状炭化水素基の炭素数は、15以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。
環状炭化水素基としては、炭素数4〜20、好ましくは5〜12の環状脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族基、炭素数7〜20の芳香脂肪族基が挙げられる。環状炭化水素基の具体例としては、シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、アダマンチルが挙げられる。
環状炭化水素基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(A)成分は、架橋剤と反応可能なヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有することができる。この場合、得られる繊維製品の耐久撥水性を更に向上させることができる。イソシアネート基は、ブロック化剤で保護されたブロックドイソシアネート基を形成していてもよい。また、上記(A)成分がアミノ基を有する場合、得られる繊維製品の風合を更に向上させることができる。
上記(A)成分は、1分子内に重合性不飽和基を1つ有する単官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体であることが好ましい。
上記(A)成分は、1種を単独で用いてよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(A)成分は、得られる繊維製品の耐久撥水性の点で、アクリル酸エステル単量体(a1)とメタアクリル酸エステル単量体(a2)とを併用することが好ましい。配合する(a1)成分の質量と(a2)成分の質量との比(a1)/(a2)は、30/70〜90/10であることが好ましく、40/60〜85/15であることがより好ましく、50/50〜80/20であることがさらに好ましい。(a1)/(a2)が上記範囲内である場合は、得られる繊維製品の耐久撥水性がより良好となる。(a1)/(a2)が90/10を超える場合、もしくは30/70未満となる場合は、得られる繊維製品の耐久撥水性が低下する傾向にある。
本実施形態にて使用される塩化ビニル及び塩化ビニリデンのうち少なくともいずれか1種の単量体(VC)は、本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)の共重合成分として含まれ、得られる繊維製品の撥水性とコーティングに対する剥離強度の点で、塩化ビニルが好ましい。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)における(A)成分に由来する構成単位と(VC)成分に由来する構成単位との含有割合は、剥離強度と非フッ素系ポリマー(α)の製造しやすさの観点から、配合する(A)成分の質量と(VC)成分の質量との比(A)/(VC)が、40/60〜0/100であることが好ましく、35/65〜10/90であることがより好ましい。
また、配合する(A)成分の質量と(VC)成分の質量との合計質量は、非フッ素系ポリマー(α)を構成する単量体成分の全量に対して、80〜100質量%が好ましく、85〜99質量%がより好ましく、90〜98質量%がさらに好ましい。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)の重量平均分子量が等しい場合、非フッ素系(メタ)アクリル酸エステル単量体の配合割合が高い程、付着させた繊維製品の撥水性がより高くなる傾向にある。また、共重合可能な非フッ素系単量体を共重合させることにより、付着させた繊維製品の耐久撥水性や風合等の性能を向上させることができる。
<非フッ素系ポリマー(β)>
非フッ素系ポリマー(β)は、上記一般式(A−1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に由来する構成単位を含有する非フッ素系ポリマーであって、該非フッ素系ポリマーを構成する単量体成分の全量を基準として(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)の含有割合が50質量%以上である。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(β)にて使用される上記一般式(A−1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)は、置換基を有していてもよい炭素数が12〜30の1価の炭化水素基を有する。この炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基であってもよく、更には脂環式又は芳香族の環状を有していてもよい。これらの中でも、撥水性と風合いの観点から、直鎖状であるものが好ましく、直鎖状のアルキル基であるものがより好ましい。この場合、撥水性がより優れるものとなる。炭素数12〜30の1価の炭化水素基が置換基を有する場合、その置換基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基及び(メタ)アクリロイルオキシ基等のうちの1種以上が挙げられる。本実施形態では、上記一般式(A−1)において、Rは無置換の炭化水素基であることが好ましい。
上記炭化水素基の炭素数は、上記と同様の観点から、12〜24であることが好ましい。
上記炭化水素基の炭素数は、12〜21であることがより好ましい。炭素数がこの範囲である場合は、撥水性と風合が特に優れるようになる。炭化水素基として特に好ましいのは、炭素数が12〜18の直鎖状のアルキル基である。
上記(A)成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ヘンエイコシル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸セリル、(メタ)アクリル酸メリシルが挙げられる。
上記(A)成分は、架橋剤と反応可能なヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有することができる。この場合、得られる繊維製品の耐久撥水性を更に向上させることができる。イソシアネート基は、ブロック化剤で保護されたブロックドイソシアネート基を形成していてもよい。また、上記(A)成分がアミノ基を有する場合、得られる繊維製品の風合を更に向上させることができる。
上記(A)成分は、1分子内に重合性不飽和基を1つ有する単官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体であることが好ましい。
上記(A)成分は、1種を単独で用いてよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(A)成分は、得られる繊維製品の耐久撥水性の点で、アクリル酸エステル単量体(a1)とメタアクリル酸エステル単量体(a2)とを併用することが好ましい。配合する(a1)成分の質量と(a2)成分の質量との比(a1)/(a2)は、30/70〜90/10であることが好ましく、40/60〜85/15であることがより好ましく、50/50〜80/20であることがさらに好ましい。(a1)/(a2)が上記範囲内である場合は、得られる繊維製品の耐久撥水性がより良好となる。(a1)/(a2)が90/10を超える場合、もしくは30/70未満となる場合は、得られる繊維製品の耐久撥水性が低下する傾向にある。
非フッ素系ポリマー(β)は、塩化ビニル及び塩化ビニリデンのうち少なくともいずれか1種の単量体(VC)に由来する構成単位を、非フッ素系ポリマー(β)を構成する単量体成分の全量を基準として単量体(VC)の含有割合が0〜50質量%未満となる範囲で含有することができる。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(β)における(A)成分に由来する構成単位と(VC)成分に由来する構成単位との含有割合は、撥水剤組成物の乳化安定性及び得られる繊維製品のコーティングに対する剥離強度の点で、配合する(A)成分の質量と(VC)成分の質量との比(A)/(VC)が、60/40〜90/10であることが好ましく、60/40〜80/20であることがより好ましい。
また、配合する(A)成分の質量と(VC)成分の質量との合計質量は、非フッ素系ポリマー(β)を構成する単量体成分の全量に対して、80〜100質量%が好ましく、85〜99質量%がより好ましく、90〜98質量%がさらに好ましい。
<非フッ素系ポリマー(α)及び非フッ素系ポリマー(β)>
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には、非フッ素系ポリマー(α)は、得られる繊維製品の撥水性、及び本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には非フッ素系ポリマー(α)の乳化重合又は分散重合時及び重合後の組成物中での乳化安定性を向上できる点で、(VC)成分若しくは(A)成分、又は(VC)成分及び(A)成分に加えて、(B1)HLBが7〜18である下記一般式(I−1)で表される化合物、(B2)HLBが7〜18である下記一般式(II−1)で表される化合物、及び(B3)HLBが7〜18である、ヒドロキシル基及び重合性不飽和基を有する油脂に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物のうちから選ばれる少なくとも1種の反応性乳化剤(B)(以下、「(B)成分」ともいう)を単量体成分として含有していることが好ましい。
Figure 2018119250

[式(I−1)中、Rは水素又はメチル基を表し、Xは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表し、Yは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を含む2価の基を表す。]
Figure 2018119250

[式(II−1)中、Rは重合性不飽和基を有する炭素数13〜17の1価の不飽和炭化水素基を表し、Yは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を含む2価の基を表す。]
「反応性乳化剤」とは、ラジカル反応性を有する乳化分散剤、すなわち、分子内に1つ以上の重合性不飽和基を有する界面活性剤のことであり、(メタ)アクリル酸エステルのような単量体と共重合させることができるものである。
また、「HLB」とは、エチレンオキシ基を親水基、それ以外を全て親油基と見なし、グリフィン法により算出したHLB値のことである。
本実施形態にて使用される上記(B1)〜(B3)の化合物のHLBは、7〜18であり、本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には非フッ素系ポリマー(α)の乳化重合又は分散重合時及び重合後の組成物中での乳化安定性(以降、単に乳化安定性という)の点で、9〜15が好ましい。さらには、撥水剤組成物の貯蔵安定性の点で上記範囲内の異なるHLBを有する2種以上の反応性乳化剤(B)を併用することがより好ましい。
本実施形態にて使用される上記一般式(I−1)で表される反応性乳化剤(B1)において、Rは水素又はメチル基であり、(A)成分及び/又は(VC)成分との共重合性の点でメチル基であることがより好ましい。Xは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基であり、本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には非フッ素系ポリマー(α)の乳化安定性の点で、炭素数2〜3の直鎖アルキレン基がより好ましい。Yは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を含む2価の基である。Yにおけるアルキレンオキシ基の種類、組み合わせ及び付加数については、上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができる。また、アルキレンオキシ基が2種以上の場合、それらはブロック付加構造又はランダム付加構造を有することができる。
上記一般式(I−1)で表される化合物としては、下記一般式(I−2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2018119250

[式(I−2)中、Rは水素又はメチル基を表し、Xは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を表し、mは上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができ、具体的には、1〜80の整数が好ましく、mが2以上のときm個のAOは同一であっても異なっていてもよい。]
上記一般式(I−2)で表される化合物において、Rは水素又はメチル基であり、(A)成分との共重合性の点でメチル基であることがより好ましい。Xは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基であり、本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には非フッ素系ポリマー(α)の乳化安定性の点で、炭素数2〜3の直鎖アルキレン基がより好ましい。AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基である。AOの種類及び組み合わせ、並びにmの数については、上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができる。本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には非フッ素系ポリマー(α)の乳化安定性の点で、mは1〜80の整数が好ましく、1〜60の整数であることがより好ましい。mが2以上のときm個のAOは同一であっても異なっていてもよい。また、AOが2種以上の場合、それらはブロック付加構造又はランダム付加構造を有することができる。
上記一般式(I−2)で表される反応性乳化剤(B1)は、従来公知の方法で得ることができ、特に限定されるものではない。また、市販品より容易に入手することができ、例えば、花王株式会社製の「ラテムルPD−420」、「ラテムルPD−430」、「ラテムルPD−450」等を挙げることができる。
本実施形態にて使用される上記一般式(II−1)で表される反応性乳化剤(B2)において、Rは重合性不飽和基を有する炭素数13〜17の1価の不飽和炭化水素基であり、トリデセニル基、トリデカジエニル基、テトラデセニル基、テトラジエニル基、ペンタデセニル基、ペンタデカジエニル基、ペンタデカトリエニル基、ヘプタデセニル基、ヘプタデカジエニル基、ヘプタデカトリエニル基等が挙げられる。本実施形態の非フッ素系ポリマーの乳化安定性の点で、Rは炭素数14〜16の1価の不飽和炭化水素基がより好ましい。
は炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を含む2価の基である。Yにおけるアルキレンオキシ基の種類、組み合わせ及び付加数については、上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができる。また、アルキレンオキシ基が2種以上の場合、それらはブロック付加構造又はランダム付加構造を有することができる。本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には非フッ素系ポリマー(α)の乳化安定性の点で、アルキレンオキシ基はエチレンオキシ基がより好ましい。
上記一般式(II−1)で表される化合物としては、下記一般式(II−2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2018119250

[式(II−2)中、Rは重合性不飽和基を有する炭素数13〜17の1価の不飽和炭化水素基を表し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を表し、nは上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができ、具体的には、1〜50の整数が好ましく、nが2以上のときn個のAOは同一であっても異なっていてもよい。]
上記一般式(II−2)で表される化合物におけるRは、上述した一般式(II−1)におけるRと同様のものが挙げられる。
Oは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基である。本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には非フッ素系ポリマー(α)の乳化安定性の点で、AOの種類及び組み合わせ、並びにnの数については、上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができる。本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には非フッ素系ポリマー(α)の乳化安定性の点で、AOはエチレンオキシ基がより好ましく、nは1〜50の整数が好ましく、5〜20の整数がより好ましく、8〜14の整数がさらに好ましい。nが2以上のときn個のAOは同一であっても異なっていてもよい。また、AOが2種以上の場合、それらはブロック付加構造又はランダム付加構造を有することができる。
本実施形態にて使用される上記一般式(II−2)で表される反応性乳化剤(B2)は、従来公知の方法で対応する不飽和炭化水素基を有するフェノールにアルキレンオキサイドを付加することにより合成することができ、特に限定されるものではない。例えば、苛性ソーダ、苛性カリウム等のアルカリ触媒を用い、加圧下、120〜170℃にて、所定量のアルキレンオキサイドを付加することにより合成することができる。
上記対応する不飽和炭化水素基を有するフェノールには、工業的に製造された純品または混合物のほか、植物等から抽出・精製された純品又は混合物として存在するものも含まれる。例えば、カシューナッツの殻等から抽出され、カルダノールと総称される、3−[8(Z),11(Z),14−ペンタデカトリエニル]フェノール、3−[8(Z),11(Z)−ペンタデカジエニル]フェノール、3−[8(Z)−ペンタデセニル]フェノール、3−[11(Z)−ペンタデセニル]フェノール等が挙げられる。
本実施形態にて使用される反応性乳化剤(B3)は、HLBが7〜18である、ヒドロキシル基及び重合性不飽和基を有する油脂に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物である。ヒドロキシル基及び重合性不飽和基を有する油脂としては、ヒドロキシ不飽和脂肪酸(パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸等)を含んでいてもよい脂肪酸のモノ又はジグリセライド、少なくとも1種のヒドロキシ不飽和脂肪酸(リシノール酸、リシノエライジン酸、2−ヒドロキシテトラコセン酸等)を含む脂肪酸のトリグリセライドを挙げることができる。本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には非フッ素系ポリマー(α)の乳化安定性の点で、少なくとも1種のヒドロキシ不飽和脂肪酸を含む脂肪酸のトリグリセライドのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ヒマシ油(リシノール酸を含む脂肪酸のトリグリセライド)の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物がより好ましく、ヒマシ油のエチレンオキサイド付加物がさらに好ましい。さらに、アルキレンオキサイドの付加モル数は、上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができ、本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には非フッ素系ポリマー(α)の乳化安定性の点で、20〜50モルがより好ましく、25〜45モルがさらに好ましい。また、アルキレンオキサイドが2種以上の場合、それらはブロック付加構造又はランダム付加構造を有することができる。
本実施形態にて使用される反応性乳化剤(B3)は、従来公知の方法でヒドロキシル基及び重合性不飽和基を有する油脂にアルキレンオキサイドを付加することにより合成することができ、特に限定されるものではない。例えば、リシノール酸を含む脂肪酸のトリグリセライド、すなわちヒマシ油に苛性ソーダ、苛性カリウム等のアルカリ触媒を用い、加圧下、120〜170℃にて、所定量のアルキレンオキサイドを付加することにより合成することができる。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)における上記(B)成分の単量体の構成割合は、得られる繊維製品の撥水性、及び本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)の乳化重合又は分散重合時及び重合後の組成物中での乳化安定性を向上できる観点で、非フッ素系ポリマー(α)又は(β)を構成する単量体成分の全量に対して、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態の撥水剤組成物に含まれる非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には非フッ素系ポリマー(β)は、得られる繊維製品の耐久撥水性を向上できる点で、(VC)成分若しくは(A)成分、又は(VC)成分及び(A)成分に加えて、下記(C1)、(C2)、(C3)及び(C4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の第2の(メタ)アクリル酸エステル単量体(C)(以下、「C成分」ともいう)を単量体成分として含有していることが好ましい。
(C1)下記一般式(C−1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体
Figure 2018119250

[式(C−1)中、Rは水素又はメチル基を表し、Rはヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基及び(メタ)アクリロイルオキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する炭素数1〜11の1価の鎖状炭化水素基を表す。ただし、分子内における(メタ)アクリロイルオキシ基の数は2以下である。]
(C2)下記一般式(C−2)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体
Figure 2018119250

[式(C−2)中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜11の1価の環状炭化水素基を表す。]
(C3)下記一般式(C−3)で表されるメタクリル酸エステル単量体
Figure 2018119250

[式(C−3)中、Rは無置換の炭素数1〜4の1価の鎖状炭化水素基を表す。]
(C4)下記一般式(C−4)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体
Figure 2018119250

[式(C−4)中、R10は水素又はメチル基を表し、pは2以上の整数を表し、Sは(p+1)価の有機基を表し、Tは重合性不飽和基を有する1価の有機基を表す。]
上記(C1)の単量体は、エステル部分にヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基及び(メタ)アクリロイルオキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する炭素数1〜11の1価の鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体である。架橋剤と反応可能な点から、上記炭素数1〜11の1価の鎖状炭化水素基は、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。これらの架橋剤と反応可能な基を有する(C1)の単量体を含有する非フッ素系ポリマー(α)又は(β)、特には非フッ素系ポリマー(β)を、架橋剤とともに繊維製品に処理した場合に、得られる繊維製品の風合を維持したまま、耐久撥水性を向上することができる。イソシアネート基は、ブロック化剤で保護されたブロックドイソシアネート基であってもよい。
上記鎖状炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基であってもよい。また、鎖状炭化水素基は、上記官能基の他に置換基を更に有していてもよい。中でも得られる繊維製品の耐久撥水性を向上できる点で、直鎖状であること、及び/又は、飽和炭化水素基であることが好ましい。
具体的な(C1)の単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等が挙げられる。これら単量体は、1種を単独で用いてよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも得られる繊維製品の耐久撥水性を向上できる点で、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートが好ましい。さらに得られる繊維製品の風合を向上させる点で、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルが好ましい。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)における上記(C1)の単量体の構成割合は、得られる繊維製品の撥水性及び風合の観点で、非フッ素系ポリマー(α)又は(β)を構成する単量体成分の全量に対して、1〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
上記(C2)の単量体は、エステル部分に炭素数1〜11の1価の環状炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体であり、環状炭化水素基としては、イソボルニル基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基等が挙げられる。これら環状炭化水素基はアルキル基等の置換基を有していてもよい。ただし、置換基が炭化水素基の場合、置換基及び環状炭化水素基の炭素数の合計が11以下となる炭化水素基が選ばれる。また、これら環状炭化水素基は、エステル結合に直接結合していることが、耐久撥水性向上の観点から好ましい。環状炭化水素基は、脂環式であっても芳香族であってもよく、脂環式の場合、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基であってもよい。具体的な単量体としては、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等が挙げられる。これら単量体は、1種を単独で用いてよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも得られる繊維製品の耐久撥水性を向上できる点で、(メタ)アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシルが好ましく、メタクリル酸イソボルニルがより好ましい。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)における上記(C2)の単量体の構成割合は、得られる繊維製品の撥水性及び風合の観点で、非フッ素系ポリマー(α)又は(β)を構成する単量体成分の全量に対して、1〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
上記(C3)の単量体は、エステル部分のエステル結合に、無置換の炭素数1〜4の1価の鎖状炭化水素基が直接結合したメタクリル酸エステル単量体である。炭素数1〜4の鎖状炭化水素基としては、炭素数1〜2の直鎖炭化水素基、及び、炭素数3〜4の分岐炭化水素基が好ましい。炭素数1〜4の鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。具体的な化合物としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチルが挙げられる。これら単量体は、1種を単独で用いてよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも得られる繊維製品の耐久撥水性を向上できる点で、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸t−ブチルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)における上記(C3)の単量体の構成割合は、得られる繊維製品の撥水性及び風合の観点で、非フッ素系ポリマー(α)又は(β)を構成する単量体成分の全量に対して、1〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
上記(C4)の単量体は、1分子内に3以上の重合性不飽和基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体である。本実施形態では、上記一般式(C−4)におけるTが(メタ)アクリロイルオキシ基である、1分子内に3以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体が好ましい。式(C−4)において、p個のTは同一であっても異なっていてもよい。具体的な化合物としては、例えば、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。これら単量体は、1種を単独で用いてよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも得られる繊維製品の耐久撥水性を向上できる点で、テトラメチロールメタンテトラアクリレート及びエトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートがより好ましい。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)における上記(C4)の単量体の構成割合は、得られる繊維製品の撥水性及び風合の観点で、非フッ素系ポリマー(α)又は(β)を構成する単量体成分の全量に対して、1〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)における上記の(C)成分の単量体の合計構成割合は、得られる繊維製品の撥水性及び風合の観点で、非フッ素系ポリマー(α)又は(β)を構成する単量体成分の全量に対して、1〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態の撥水剤組成物に含まれる非フッ素系ポリマー(α)又は(β)は、(A)成分、(VC)成分、(B)成分及び(C)成分の他に、これらと共重合可能な単官能の単量体(D)を、本発明の効果を損なわない範囲において含有することができる。
上記(D)の単量体としては、例えば、(メタ)アクリロイルモルホリン、(A)成分及び(C)成分以外の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、フマル酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、エチレン、スチレン等のフッ素を含まない(VC)成分以外のビニル系単量体等が挙げられる。なお、(A)成分及び(C)成分以外の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、炭化水素基に、ビニル基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基、ブロックドイソシアネート基等の置換基を有していてもよく、第4級アンモニウム基等の架橋剤と反応可能な基以外の置換基を有していてもよく、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はウレタン結合等を有していてもよい。(A)成分及び(C)成分以外の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも得られる繊維製品のコーティングに対する剥離強度を向上できる点で、(メタ)アクリロイルモルホリンがより好ましい。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)における上記(D)の単量体の構成割合は、得られる繊維製品の撥水性及び風合の観点で、非フッ素系ポリマー(α)又は(β)を構成する単量体成分の全量に対して、10質量%以下であることが好ましい。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)は、架橋剤と反応可能なヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有することが、得られる繊維製品の耐久撥水性を向上させることから好ましい。イソシアネート基は、ブロック化剤で保護されたブロックドイソシアネート基を形成していてもよい。また、非フッ素系ポリマー(α)又は(β)は、アミノ基を有することが、得られる繊維製品の風合も向上させることから好ましい。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)の重量平均分子量は10万以上であることが好ましい。重量平均分子量が10万未満であると、得られる繊維製品の撥水性が不十分となる傾向がある。さらに、非フッ素系ポリマー(α)の重量平均分子量は、50万以上であることがより好ましい。この場合、得られる繊維製品は、より十分に撥水性を発揮させることができる。非フッ素系ポリマー(α)の重量平均分子量の上限は500万程度が好ましい。
本実施形態の非フッ素系ポリマー(β)の重量平均分子量は10万以上であることが好ましい。重量平均分子量が10万未満であると、得られる繊維製品の撥水性が不十分となる傾向がある。さらに、非フッ素系ポリマー(β)の重量平均分子量は、50万以上であることがより好ましい。この場合、得られる繊維製品は、より十分に撥水性を発揮させることができる。非フッ素系ポリマー(β)の重量平均分子量の上限は500万程度が好ましい。
非フッ素系ポリマーの重量平均分子量とは、GPC装置(東ソー(株)製GPC「HLC−8020」)により、カラム温度40℃、流量1.0ml/分の条件下で、溶離液にテトラヒドロフランを用いて測定し、標準ポリスチレン換算での値をいう。なお、カラムは、東ソー(株)製の商品名TSK−GEL G5000HHR、G4000HHR、G3000HHRの3本を接続したものを用いる。
本実施形態において、非フッ素系ポリマー(α)の105℃における溶融粘度は1000Pa・s以下であることが好ましい。105℃における溶融粘度が1000Pa・sを超えると、得られる繊維製品の風合が粗硬になる傾向にある。また、非フッ素系ポリマー(α)の溶融粘度が高すぎると、非フッ素系ポリマー(α)を乳化又は分散して撥水剤組成物とした場合、非フッ素系ポリマー(α)が析出したり沈降したりすることがあり、撥水剤組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にある。なお、105℃における溶融粘度は、500Pa・s以下であることがより好ましい。この場合、得られる繊維製品等は、十分に撥水性を発揮しつつ、風合もより優れたものとなる。
本実施形態において、非フッ素系ポリマー(β)の105℃における溶融粘度は1000Pa・s以下であることが好ましい。105℃における溶融粘度が1000Pa・sを超えると、得られる繊維製品の風合が粗硬になる傾向にある。また、非フッ素系ポリマー(β)の溶融粘度が高すぎると、非フッ素系ポリマー(β)を乳化又は分散して撥水剤組成物とした場合、非フッ素系ポリマー(β)が析出したり沈降したりすることがあり、撥水剤組成物の貯蔵安定性が低下する傾向にある。なお、105℃における溶融粘度は、500Pa・s以下であることがより好ましい。この場合、得られる繊維製品等は、十分に撥水性を発揮しつつ、風合もより優れたものとなる。
「105℃における溶融粘度」とは、高架式フローテスター(例えば、島津製作所製CFT−500)を用い、ダイ(長さ10mm、直径1mm)を取り付けたシリンダー内に非フッ素系ポリマーを1g入れ、105℃で6分間保持し、プランジャーにより100kg・f/cmの荷重を加えて測定したときの粘度をいう。
<シリコーン樹脂(γ)>
シリコーン樹脂としては、シリコーンレジン、シリコーンオイルを挙げることができる。シリコーンレジンとは、構成成分としてMQ、MDQ、MT、MTQ、MDT又はMDTQを含み、25℃にて固形状であり、三次元構造を有するオルガノポリシロキサンである。ここで、M、D、T及びQは、それぞれ(R’’)SiO0.5単位、(R’’)SiO単位、R’’SiO1.5単位及びSiO単位を表す。R’’は、炭素数1〜10の1価の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6〜15の1価の芳香族炭化水素基を表す。
シリコーンレジンは、一般に、MQレジン、MTレジン又はMDTレジンとして知られており、MDQ、MTQ又はMDTQと示される部分を有することもある。
シリコーンレジンは、これを適当な溶媒に溶解させた溶液としても入手することができる。溶媒としては、例えば、比較的低分子量のメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、n−ヘキサン、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン及びこれらの溶媒の混合物等が挙げられる。
シリコーンレジンの溶液としては、例えば、信越化学工業(株)より市販されているKF7312J(トリメチルシリル基含有ポリシロキサン:デカメチルシクロペンタシロキサン=50:50混合物)、KF7312F(トリメチルシリル基含有ポリシロキサン:オクタメチルシクロテトラシロキサン)、KF9021L(トリメチルシリル基含有ポリシロキサン:低粘度メチルポリシロキサン=50:50混合物)、KF7312L(トリメチルシリル基含有ポリシロキサン:低粘度メチルポリシロキサン=50:50混合物)等が挙げられる。
シリコーンレジン単独としては、例えば、東レダウコーニング(株)より市販されているMQ−1600 solid Resin(トリメチルシリル基含有ポリシロキサン)、MQ−1640 Flake Resin(トリメチルシリル基含有ポリシロキサン、ポリプロピルシルセスキオキサン)などが挙げられる。上記市販品は、トリメチルシリル基含有ポリシロキサンを含み、MQ、MDQ、MT、MTQ、MDT又はMDTQを含むものである。
シリコーンオイルとは、直鎖状のオルガノポリシロキサンであり、オルガノポリシロキサンの側鎖及び末端の少なくともいずれかに有機基を有するものであってもよい。このようなシリコーンオイルとしては、前記の疎水化シリコーンオイル、官能基化シリコーンオイルと同じものを使用することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル;アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、アルキルアラルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪族アミド変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルなどを挙げることができる。
このようなシリコーン樹脂の中でも、撥水性と撥水剤組成物の水性媒体への分散性の観点から、シリコーンオイルが好ましく、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アルキルアラルキル変性シリコーンオイルがより好ましい。
アミノ変性シリコーンオイルとしては、オルガノポリシロキサンの側鎖及び末端の少なくともいずれかにアミノ基及び/又はイミノ基を含む有機基を有する化合物が挙げられる。このような有機基としては、−R−NHで表される有機基、−R−NH−R’−NH2で表される有機基が挙げられる。R及びR’としては、エチレン基、プロピレン基等の2価の基が挙げられる。アミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部が、封鎖されたアミノ基及び/又はイミノ基であってもよい。封鎖されたアミノ基及び/又はイミノ基は、例えば、アミノ基及び/又はイミノ基を封鎖剤で処理することにより得られる。封鎖剤としては、例えば、炭素数2〜22の脂肪酸、炭素数2〜22の脂肪酸の酸無水物、炭素数2〜22の脂肪酸の酸ハライド、炭素数1〜22の脂肪族モノイソシアネートなどが挙げられる。
アミノ変性シリコーンオイルの官能基当量は、撥水性の観点から、100〜20000g/molが好ましく、150〜12000g/molがより好ましく、200〜4000g/molがより好ましい。
アミノ変性シリコーンオイルは25℃で液状であることが好ましい。アミノ変性シリコーンオイルの25℃における動粘度は、10〜100,000mm/sであることが好ましく、10〜30,000mm/sであることがより好ましく、10〜5,000mm/sであることがさらに好ましい。25℃における動粘度が100,000mm/sより大きい場合、粘度が高すぎて作業性が悪くなる傾向にある。25℃における動粘度とは、JIS K 2283:2000(ウベローデ粘度計)に記載の方法で測定した値を意味する。
アミノ変性シリコーンオイルとしては、市販品としても容易に入手することが可能である。市販品としては、例えば、KF8005、KF−868、KF−864、KF−393、KF−8021(いずれも、信越化学工業(株)製、商品名)、TSF−4709、XF42−B1989(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(合)製、商品名)、BY16−872、SF−8417、BY16−853U、BY16−892(いずれも、東レ・ダウコーニング(株)製、商品名)などが挙げられる。
また、アミノ変性シリコーンオイル以外のシリコーンオイルも同様に市販品として容易に入手することが可能である。市販品としては、例えば、KF−101(信越化学工業(株)製、商品名、エポキシ変性シリコーンオイル)、X−22−3701E(信越化学工業(株)製、商品名、カルボキシル変性シリコーンオイル)、SF8428(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名、カルビノール変性シリコーンオイル)、KF−9901(信越化学工業(株)製、商品名、メチルハイドロジェンシリコーンオイル)、X−22−715(信越化学工業(株)製、商品名、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル)、KF−96−3000cp(信越化学工業(株)製、商品名、ジメチルシリコーンオイル)、SF8416(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名、アルキル変性シリコーンオイル)、SH203(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名、アルキルアラルキル変性シリコーンオイル)、SF8410(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名、ポリエーテル変性シリコーンオイル)などが挙げられる。
シリコーン樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の撥水剤組成物に含まれる、非フッ素系ポリマー(α)、非フッ素系ポリマー(β)及びシリコーン樹脂(γ)の含有量は、得られる繊維製品の撥水性及び繊維製品のコーティングに対する剥離強度の点で、非フッ素系ポリマー(α)の質量と、非フッ素系ポリマー(β)及びシリコーン樹脂(γ)の合計の質量との比率(α)/[(β)+(γ)]が、2.5/97.5〜40/60であることが好ましく、2.5/97.5〜35/65であることがより好ましく、5/95〜25/75であることがさらにより好ましく、10/90〜20/80であることがさらにより一層好ましい。
また、得られる繊維製品の風合いをより向上させる観点から、本実施形態の撥水剤組成物はシリコーン樹脂(γ)を含有することが好ましい。この場合、非フッ素系ポリマー(α)及び非フッ素系ポリマー(β)の合計の質量と、シリコーン樹脂(γ)の質量との比率[(α)+(β)]/(γ)が、95/5〜20/80であることが好ましく、90/10〜30/70であることがより好ましく、80/20〜40/60であることがさらにより好ましく、80/20〜50/50であることがさらにより一層好ましい。
本実施形態の撥水剤組成物には、親水化剤と疎水化剤とにより改質されたシリカ(シリカ表面に親水性基と疎水性基とを有するシリカ)を併用することもできる。このようなシリカ表面に親水性基と疎水性基とを有するシリカとしては、例えば、レオロシールHG−09((株)トクヤマ製、商品名)、AEROSIL NA50H、RA200H、RA200HS(以上、日本アエロジル(株)製、商品名)等が挙げられる。
本実施形態の撥水剤組成物には必要に応じて添加剤等を加えることも可能である。添加剤としては、他の撥水剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、抗菌剤、防黴剤、着色剤、酸化防止剤、消臭剤、各種有機溶剤、キレート剤、帯電防止剤、触媒、架橋剤、抗菌防臭剤、難燃剤、柔軟剤、防皺剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、公知の非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤を使用することができる。界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
消泡剤としては、例えば、ヒマシ油、ゴマ油、アマニ油、動植物油などの油脂系消泡剤;ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸などの脂肪酸系消泡剤;ステアリン酸イソアミル、こはく酸ジステアリル、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸ブチルなどの脂肪酸エステル系消泡剤;ポリオキシアルキレンモノハイドリックアルコールジ−t−アミルフェノキシエタノール、3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノールなどのアルコール系消泡剤;ジ−t−アミルフェノキシエタノール3−ヘプチルセロソルブノニルセロソルブ3−ヘプチルカルビトールなどのエーテル系消泡剤;トリブチルオスフェート、トリス(ブトキシエチル)フオスフェートなどのリン酸エステル系消泡剤;ジアミルアミンなどのアミン系消泡剤;ポリアルキレンアミド、アシレートポリアミンなどのアミド系消泡剤;ラウリル硫酸エステルナトリウムなどの硫酸エステル系消泡剤;鉱物油等が挙げられる。消泡剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
pH調整剤としては、乳酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、シュウ酸、ギ酸、クエン酸、リンゴ酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸;塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、ホウ酸等の無機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、アンモニア、アルカノールアミン、ピリジン、モルホリン等の塩基が挙げられる。pH調整剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等の炭素数1〜8の脂肪族アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、メチルターシャリーブチルエーテル、ブチルカルビトール等のエーテル類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル,3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエステル類;ホルムアミド、アセトアミド、ベンズアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアニリド等のアミドが挙げられる。有機溶剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
帯電防止剤としては、撥水性の性能を阻害しにくいものを使用するのがよい。帯電防止剤としては、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩、硫酸化油、スルホン酸塩、第4級アンモニウム塩、イミダゾリン型4級塩などのカチオン系界面活性剤、ポリエチレングリコール型、多価アルコールエステル型などの非イオン系界面活性剤、イミダゾリン型4級塩、アラニン型、ベタイン型などの両性界面活性剤、高分子化合物タイプの制電性重合体、ポリアルキルアミンなどが挙げられる。帯電防止剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
次に、本実施形態の撥水剤組成物の製造方法について説明する。
非フッ素系ポリマー(α)又は(β)を含む組成物は、ラジカル重合法により製造することができる。また、このラジカル重合法の中でも、得られる撥水剤の性能及び環境の面から乳化重合法又は分散重合法で重合することが好ましい。
例えば、媒体中で、上記(VC)成分の存在下、上記一般式(A−1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)を乳化重合又は分散重合させることにより非フッ素系ポリマー(α)又は(β)を得ることができる。より具体的には、例えば、媒体中に(A)成分、(VC)成分、及び必要に応じて上記(B)成分、上記(C)成分及び上記(D)成分、並びに乳化補助剤又は分散補助剤を加え、この混合液を乳化又は分散させて、乳化物又は分散物を得る。得られた乳化物又は分散物に、重合開始剤を加えることにより、重合反応が開始され、単量体及び反応性乳化剤を重合させることができる。なお、上述した混合液を乳化又は分散させる手段としては、ホモミキサー、高圧乳化機又は超音波等が挙げられる。
上記乳化補助剤又は分散補助剤等(以下、「乳化補助剤等」ともいう)としては、上記反応性乳化剤(B)以外のノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上を使用することができる。乳化補助剤等の含有量は、全単量体100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることがさらに好ましい。上記乳化補助剤等の含有量が0.5質量部未満であると、乳化補助剤等の含有量が上記範囲にある場合と比較して、混合液の分散安定性が低下する傾向にあり、乳化補助剤等の含有量が30質量部を超えると、乳化補助剤等の含有量が上記範囲にある場合と比較して、得られる非フッ素系ポリマーの撥水性が低下する傾向にある。
カチオン界面活性剤としては、炭素数8〜24のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩、炭素数8〜24のジアルキルジメチルアンモニウム塩、炭素数8〜24のモノアルキルアミン酢酸塩、炭素数8〜24のジアルキルアミン酢酸塩、炭素数8〜24のアルキルイミダゾリン4級塩、などが挙げられる。これらの中でも乳化性と加工安定性の観点から、炭素数12〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩、炭素数12〜18のジアルキルジメチルアンモニウム塩が好ましい。
これらのカチオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非イオン界面活性剤としては、アルコール類、多環フェノール類、アミン類、アミド類、脂肪酸類、多価アルコール脂肪酸エステル類、油脂類及びポリプロピレングリコールの、アルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アルコール類としては、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8〜24のアルコール又はアルケノールや下記一般式(AL−1)又は下記一般式(AL−2)で表されるアセチレンアルコールなどが挙げられる。
Figure 2018119250

[式中、R21及びR22はそれぞれ独立に、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルケニル基を表す。]
Figure 2018119250

[式中、R23は、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルケニル基を表す。]
多環フェノール類としては、炭素数1〜12の炭化水素基を有していてもよいフェノールやナフトールなどの1価のフェノール類又はそれらのスチレン類(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン)付加物若しくはそれらのベンジルクロライド反応物などが挙げられる。アミン類としては、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8〜44の脂肪族アミンなどが挙げられる。
アミド類としては、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8〜44の脂肪酸アミドなどが挙げられる。
脂肪酸類としては、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8〜24の脂肪酸などが挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステル類としては、多価アルコールと直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8〜24の脂肪酸との縮合反応物が挙げられる。
油脂類としては、植物性油脂、動物性油脂、植物性ロウ、動物性ロウ、鉱物ロウ、硬化油などが挙げられる。
これらの中でも、撥水撥油性への影響が少ない、耐光性への影響が少ない、共重合体の乳化性が良好になるといった観点から、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8〜24のアルコール又はアルケノール、上記一般式(6)で表されるアセチレンアルコールが好ましく、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8〜24のアルコール、上記一般式(6)で表されるアセチレンアルコールがより好ましい。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン等が挙げられる。撥水撥油性への影響が少ない、共重合体の乳化性が良好になるといった観点から、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイドがより好ましい。
アルキレンオキサイドの付加モル数は1〜200が好ましく、より好ましくは3〜100であり、更により好ましくは5〜50である。アルキレンオキサイドの付加モル数が上記範囲内であると、撥水撥油性及び製品安定性を高水準で得られやすくなる。なお、アルキレンオキサイドの付加モル数が1モルより少ないと、製品安定性低下および撥水撥油性低下の傾向にあり、200モルを超えると撥水撥油性が低下する傾向にある。
本実施形態に係る共重合体においては、非イオン界面活性剤として、HLBが7〜18の非イオン界面活性剤を使用した場合、より良好な水分散液が得られる。ここでHLBとはグリフィンのHLBに準じたものであり、グリフィンの式を下記の式に変更したものである。ここで、親水基とはエチレンオキサイド基を指す。
HLB=(親水基×20)/分子量
本実施形態にて使用される上記非イオン界面活性剤のHLBは7〜18であり、本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)又は(β)の乳化重合又は分散重合時及び重合後の組成物中での乳化安定性(以降、単に乳化安定性という)の点で、9〜15が好ましい。さらには、撥水剤組成物の貯蔵安定性の点で上記範囲内の異なるHLBを有する2種以上の非イオン界面活性剤を併用することがより好ましい。また、乳化安定性と撥水性の観点から、カチオン界面活性剤とノニオン界面活性剤を併用することが好ましい。
乳化重合又は分散重合の媒体としては、水が好ましく、必要に応じて水と有機溶剤とを混合してもよい。このときの有機溶剤としては、水と混和可能な有機溶剤であれば特に制限はないが、例えば、メタノールやエタノールなどのアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテルなどのエーテル類等、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。なお、水と有機溶剤の比率は特に限定されるものではない。
上記重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系、又はレドックス系等の公知の重合開始剤を適宜使用できる。重合開始剤の含有量は、全単量体100質量部に対して、重合開始剤0.01〜2質量部であることが好ましい。重合開始剤の含有量が上記範囲であると、重量平均分子量が10万以上である非フッ素系ポリマー(α)又は(β)を効率よく製造することができる。
また、重合反応において、分子量調整を目的として、ドデシルメルカプタン、t−ブチルアルコール等の連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤の含有量は、全単量体100質量部に対して0.3質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以下であることがより好ましい。連鎖移動剤の含有量が0.1質量部を超えると、分子量の低下を招き、重量平均分子量が10万以上である非フッ素系ポリマー(α)又は(β)を効率よく製造することが困難となる傾向にある。
なお、分子量調整のためには重合禁止剤を使用してもよい。重合禁止剤の添加により所望の重量平均分子量を有する非フッ素系ポリマーを容易に得ることができる。
重合反応の温度は、20℃〜150℃が好ましい。温度が20℃未満であると、温度が上記範囲にある場合と比較して、重合が不十分になる傾向にあり、温度が150℃を超えると、反応熱の制御が困難になる場合がある。
重合反応において、得られる非フッ素系ポリマー(α)又は(β)の重量平均分子量は、上述した重合開始剤、連鎖移動剤、重合禁止剤の含有量の増減により調整することができ、105℃における溶融粘度は、多官能単量体の含有量、及び、重合開始剤の含有量の増減により調整することができる。なお、105℃における溶融粘度を低下させたい場合は、重合可能な官能基を2つ以上有する単量体の含有量を減らしたり、重合開始剤の含有量を増加させたりすればよい。
乳化重合又は分散重合により得られるポリマー乳化液又は分散液における非フッ素系ポリマー(α)又は(β)の含有量は、組成物の貯蔵安定性及びハンドリング性の観点から、乳化液又は分散液の全量に対して10〜50質量%とすることが好ましく、20〜40質量%とすることがより好ましい。
本実施形態の撥水剤組成物は、上記の方法で得られた非フッ素系ポリマー(α)を含む組成物と、上記の方法で得られた非フッ素系ポリマー(β)を含む組成物及び/又は市販品等のシリコーン樹脂(γ)とを混合することにより、調製することができる。
本実施形態の撥水性繊維製品は、上述した本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)と、非フッ素系ポリマー(β)及び/又はシリコーン樹脂(γ)とが付着した繊維製品からなるものである。
本実施形態の撥水性繊維製品の製造方法について説明する。
本実施形態の撥水性繊維製品は、繊維製品を上述した撥水剤組成物が含まれる処理液で処理することにより、繊維製品に非フッ素系ポリマー(α)と、非フッ素系ポリマー(β)及び/又はシリコーン樹脂(γ)とを付着させることで得られる。かかる繊維製品の素材としては特に制限はなく、綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリプロピレンなどの合成繊維及びこれらの複合繊維、混紡繊維などが挙げられる。繊維製品の形態は繊維、糸、布、不織布、紙などのいずれの形態であってもよい。
繊維製品を上記処理液で処理する方法としては、例えば、浸漬、噴霧、塗布等の加工方法が挙げられる。また、撥水剤組成物が水を含有する場合は、繊維製品に付着させた後に水を除去するために乾燥させることが好ましい。
撥水剤組成物の繊維製品への付着量は、要求される撥水性の度合いに応じて適宜調整可能であるが、撥水性と風合いの観点から、繊維製品100gに対して、撥水剤組成物に含まれる非フッ素系ポリマー(α)及び(β)並びにシリコーン樹脂(γ)の合計の付着量が0.01〜10gとなるように調整することが好ましく、0.05〜5gとなるように調整することがより好ましい。
また、本実施形態の非フッ素系ポリマー(α)と、非フッ素系ポリマー(β)及び/又はシリコーン樹脂(γ)を繊維製品に付着させた後は、適宜熱処理することが好ましい。温度条件は特に制限はないが、本実施形態の撥水剤組成物を用いると、100〜130℃の温和な条件により繊維製品に十分良好な撥水性を発現させることができる。温度条件は130℃以上(好ましくは200℃まで)の高温処理であってもよいが、かかる場合は、フッ素系撥水剤を用いた従来の場合よりも処理時間を短縮することが可能である。したがって、本実施形態の撥水性繊維製品によれば、熱による繊維製品の変質が抑えられ、撥水処理時の繊維製品の風合が柔軟となり、しかも温和な熱処理条件、すなわち低温キュア条件下で繊維製品に十分な撥水性を付与できる。
特に、耐久撥水性を向上させたい場合には、撥水剤組成物が含まれる処理液で繊維製品を処理する上述の工程と、メラミン樹脂、グリオキザール樹脂、イソシアネート基又はブロックドイソシアネート基を1個以上有する化合物に代表される架橋剤を、繊維製品に付着させてこれを加熱する工程とを含む方法によって、繊維製品を撥水加工することが好ましい。更に、耐久撥水性をより向上させたい場合には、撥水剤組成物が、上述の架橋剤と反応可能な官能基を有する単量体を共重合した非フッ素系ポリマー(α)又は(β)を含むことが好ましい。
メラミン樹脂としては、メラミン骨格を有する化合物を用いることができ、例えば、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどのポリメチロールメラミン;ポリメチロールメラミンのメチロール基の一部又は全部が、炭素数1〜6のアルキル基を有するアルコキシメチル基となったアルコキシメチルメラミン;ポリメチロールメラミンのメチロール基の一部又は全部が、炭素数2〜6のアシル基を有するアシロキシメチル基となったアシロキシメチルメラミンなどが挙げられる。これらのメラミン樹脂は、単量体、あるいは2量体以上の多量体のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。さらに、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用できる。このようなメラミン樹脂としては、例えば、DIC株式会社製のベッカミンAPM、ベッカミンM−3、ベッカミンM−3(60)、ベッカミンMA−S、ベッカミンJ−101、及びベッカミンJ−101LF、ユニオン化学工業株式会社製のユニカレジン380K、三木理研工業株式会社製のリケンレジンMMシリーズなどが挙げられる。
グリオキザール樹脂としては、従来公知のものを使用することができる。グリオキザール樹脂としては、例えば、1,3−ジメチルグリオキザール尿素系樹脂、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素系樹脂、ジメチロールジヒドロキシプロピレン尿素系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の官能基は、他の官能基で置換されていてもよい。このようなグリオキザール樹脂としては、例えば、DIC株式会社製のベッカミンN−80、ベッカミンNS−11、ベッカミンLF−K、ベッカミンNS−19、ベッカミンLF−55Pコンク、ベッカミンNS−210L、ベッカミンNS−200、及びベッカミンNF−3、ユニオン化学工業株式会社製のユニレジンGS−20E、三木理研工業株式会社製のリケンレジンRGシリーズ、及びリケンレジンMSシリーズなどが挙げられる。
メラミン樹脂及びグリオキザール樹脂には、反応を促進させる観点から触媒を使用することが好ましい。このような触媒としては、通常用いられる触媒であれば特に制限されず、例えば、ホウ弗化アンモニウム、ホウ弗化亜塩等のホウ弗化化合物;塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等の中性金属塩触媒;燐酸、塩酸、ホウ酸等の無機酸などが挙げられる。これら触媒には、必要に応じて、助触媒として、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸等の有機酸などを併用することもできる。このような触媒としては、例えば、DIC株式会社製のキャタリストACX、キャタリスト376、キャタリストO、キャタリストM、キャタリストG(GT)、キャタリストX−110、キャタリストGT−3、及びキャタリストNFC−1、ユニオン化学工業株式会社製のユニカキャタリスト3−P、及びユニカキャタリストMC−109、三木理研工業株式会社製のリケンフィクサーRCシリーズ、リケンフィクサーMXシリーズ、及びリケンフィクサーRZ−5などが挙げられる。
イソシアネート基又はブロックドイソシアネート基を1個以上有する化合物としては、ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、トリルイソシアネート、ナフタレンイソシアネートなどの単官能(モノ)イソシアネート化合物や、多官能イソシアネート化合物を使用することができる。
多官能イソシアネート化合物としては、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であれば特に限定されず、公知のポリイソシアネート化合物を用いることができる。多官能イソシアネート化合物としては、例えば、アルキレンジイソシアネート、アリールジイソシアネート及びシクロアルキルジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物、これらのジイソシアネート化合物の二量体又は三量体などの変性ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。アルキレンジイソシアネートの炭素数は、1〜12であることが好ましい。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、2,4又は2,6−トリレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレン又はナフチレンジイソシアネート、4,4’−メチレン−ビス(フェニルイソシアネート)、2,4’−メチレン−ビス(フェニルイソシアネート)、3,4’−メチレン−ビス(フェニルイソシアネート)、4,4’−エチレン−ビス(フェニルイソシアネート)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルシクロヘキサン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルシクロヘキサン、1−メチル−2,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)、3−イソシアネート−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、酸−ジイソシアネート二量体、ω,ω’−ジイソシアネートジエチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネートジメチルトルエン、ω,ω’−ジイソシアネートジエチルトルエン、フマル酸ビス(2−イソシアネートエチル)エステル、1,4−ビス(2−イソシアネート−プロプ−2−イル)ベンゼン、及び、1,3−ビス(2−イソシアネート−プロプ−2−イル)ベンゼンが挙げられる。
トリイソシアネート化合物としては、例えば、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート、トリス(イソシアナートフェニル)−チオフォスファートなどが挙げられる。
ジイソシアネート化合物から誘導される変性ポリイソシアネート化合物としては、2つ以上のイソシアネート基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビウレット構造、イソシアヌレート構造、ウレタン構造、ウレトジオン構造、アロファネート構造、三量体構造などを有するポリイソシアネート、トリメチロールプロパンの脂肪族イソシアネートのアダクト体などを挙げることができる。また、ポリメリックMDI(MDI=ジフェニルメタンジイソシアネート)も多官能イソシアネート化合物として使用することができる。
多官能イソシアネート化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
多官能イソシアネート化合物が有するイソシアネート基は、そのままでもよく、ブロック剤によりブロックされたブロックイソシアネート基であってもよい。ブロック剤としては、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチル−4−ニトロピラゾール、3,5−ジメチル−4−ブロモピラゾール、ピラゾールなどのピラゾール類;フェノール、メチルフェノール、クロルフェノール、iso−ブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、iso−アミルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム類;マロン酸ジメチルエステル、マロン酸ジエチルエステル、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン化合物類;ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等のオキシム類;イミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物類;重亜硫酸ソーダなどが挙げられる。これらの中でも、撥水性の観点から、ピラゾール類及びオキシム類が好ましい。
多官能イソシアネート化合物としては、ポリイソシアネート構造に親水基を導入して界面活性効果を持たせることにより、ポリイソシアネートに水分散性を付与した水分散性イソシアネートを用いることもできる。また、反応を促進するため、有機錫、有機亜鉛等の公知の触媒を併用することもできる。
架橋剤や触媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤は、例えば、架橋剤を有機溶剤に溶解するか、水に乳化分散させた処理液に被処理物(繊維製品)を浸漬し、被処理物に付着した処理液を乾燥する方法により、被処理物に付着させることができる。そして、被処理物に付着した架橋剤を加熱することにより、架橋剤と被処理物及び非フッ素系ポリマー(α)又は(β)との反応を進行させることができる。架橋剤の反応を十分に進行させてより効果的に洗濯耐久性を向上させるために、このときの加熱は110〜180℃で1〜5分間行うのがよい。架橋剤の付着及び加熱の工程は、上述の撥水剤組成物が含まれる処理液で処理する工程と同時に行ってもよい。同時に行う場合、例えば、撥水剤組成物及び架橋剤を含有する処理液を被処理物に付着させ、水を除去した後、更に、被処理物に付着している架橋剤を加熱する。撥水加工工程の簡素化や、熱量の削減、経済性を考慮した場合、撥水剤組成物の処理工程と同時に行うことが好ましい。
また、架橋剤を過度に使用すると風合を損ねるおそれがある。上記架橋剤は、被処理物(繊維製品)に対して0.1〜50質量%の量で用いることが好ましく、0.1〜10質量%の量で用いることが特に好ましい。
こうして得られる本実施形態の撥水性繊維製品は、屋外で長期間使用した場合であっても、十分に撥水性を発揮することができ、また、上記撥水性繊維製品はフッ素系の化合物を使用していないことから、環境にやさしいものとすることができる。
本実施形態の撥水性繊維製品は、所定の部分にコーティング加工を行うことができる。コーティング加工としては、スポーツ用途やアウトドア用途での透湿防水加工や防風加工等が挙げられる。加工方法としては、例えば、透湿防水加工の場合、ウレタン樹脂やアクリル樹脂等と媒体とを含むコーティング液を、撥水処理された繊維製品の片面に塗布し、乾燥することにより加工することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の撥水剤組成物に含まれる非フッ素系ポリマー(α)及び(β)を製造する場合において、上記実施形態では、重合反応をラジカル重合により行っているが、紫外線、電子線、γ線のような電離性放射線などを照射する光重合により重合反応を行ってもよい。
また、本発明においては、撥水剤組成物を繊維製品に処理して撥水性繊維製品としているが、撥水剤組成物で処理される製品としては、繊維製品用途に限らず、金属、ガラス、樹脂等の物品であってもよい。
また、かかる場合、撥水剤組成物を上記物品に付着させる方法や撥水剤の付着量は、被処理物の種類などに応じて、任意に定めることができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
<ポリマー分散液の調整>
表1及び2に示される組成(表中、数値は(g)を示す)を有する混合液を、以下に示す手順により重合して、ポリマー分散液を得た。
(合成例1)
オートクレーブに、アクリル酸イソボルニル2g、ノイゲンXL−100(第一工業製薬株式会社製、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB=14.7)0.2g、ノイゲンXL−60(第一工業製薬株式会社製、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB=12.5)1.3g、ノイゲンXL−40(第一工業製薬株式会社製、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB=10.5)0.5g,ステアリルトリメチルンモニウム硫酸塩1g、トリプロピレングリコール25g及び水144.7gを入れ、45℃にて混合攪拌し混合液とした。この混合液に超音波を照射して全単量体を乳化分散させた。次いで、アゾビス(イソブチルアミジン)二塩酸塩0.3gを混合液に添加し、窒素雰囲気下で、塩化ビニル25gをオートクレーブの内圧が0.3MPaを保つよう継続的に圧入しながら、60℃にて6時間ラジカル重合させて、非フッ素系ポリマー(α)を13.5質量%含む非フッ素系ポリマー(α)分散液を得た。
(合成例2〜11)
表1に記載の材料を用いた以外は、実施例1と同様に重合を行い、非フッ素系ポリマー(α)を13.5質量%含む非フッ素系ポリマー分散液をそれぞれ得た。
(合成例12〜17)
表2に記載の材料を用いた以外は、実施例1と同様に重合を行い、非フッ素系ポリマー(β)を26.7質量%含む非フッ素系ポリマー分散液をそれぞれ得た。
Figure 2018119250
Figure 2018119250
なお、合成例1〜17で得られたポリマー分散液中の各ポリマーは、ガスクロマトグラフ(GC−15APTF、(株)島津製作所製)により、いずれも全単量体の98%以上が重合していることが確認された。
表1及び2に示される材料の詳細は以下のとおりである。
ノイゲンXL−100(14.7)(第一工業製薬株式会社製、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB=14.7)
ノイゲンXL−60(12.5)(第一工業製薬株式会社製、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB=12.5)
ノイゲンXL−40(10.5)(第一工業製薬株式会社製、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、HLB=10.5)
<シリコーン樹脂を含む分散液の調製>
(調製例1)
シリコーン樹脂としてTSF−4709(アミノ変性シリコーンオイル、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名)20質量部と、グリコール酸0.3質量部と、炭素数12〜14の分岐アルコールのエチレンオキサイド5モル付加物4質量部と、ブチルジグリコール5質量部を混合した。次いで、得られた混合物に、水70.7質量部を少量ずつ混合しながら添加し、シリコーン樹脂を20質量%含む分散液を得た。
(調製例2〜5)
シリコーン樹脂として下記の樹脂を用いたこと以外は調製例1と同様にして、シリコーン樹脂を20質量%含むシリコーン樹脂分散液を得た。
(調製例2)BY 16−872(アミノシリコーン、東レ・ダウコーニング(株)製、商品名)
(調製例3)KF−9901(メチルハイドロジェンシリコーン、信越化学工業(株)製、商品名)
(調製例4)KF−96−3000cs(ジメチルシリコーン、信越化学工業(株)製、商品名)
(調製例5)SF 8416(アルキルシリコーン、東レ・ダウコーニング(株)製、商品名)
(調製例6)
KF8005(アミノ変性シリコーン、信越化学工業(株)製、商品名)18.5質量部と、蟻酸0.15質量部と、炭素数12〜14の分岐アルコールのエチレンオキサイド5モル付加物0.5質量部とを混合した。次いで、得られた混合物に、水80.85質量部を少量ずつ混合しながら添加し、アミノ変性シリコーンを18.5質量%含む分散液を得た。
MQ−1600(シリコーンレジン=トリメチルシリル基含有ポリシロキサン、東レ・ダウコーニング(株)製、商品名)15質量部に、ジメチルシリコーン(6cs、東レ・ダウコーニング(株)製、商品名)15質量部を添加し、シリコーンレジンが溶解するまで混合して、混合物を得た。得られた混合物18.5質量部と、炭素数12〜14の分岐アルコールのエチレンオキサイド5モル付加物0.5質量部とを混合した。次いで、水81質量部を少量ずつ混合しながら添加し、シリコーンレジンとジメチルシリコーンとを合計で18.5質量%含む分散液を得た。
上記アミノ変性シリコーン分散液と、シリコーンレジンとジメチルシリコーンとを含む分散液とを、100:117の割合で混合させ、シリコーン樹脂(γ)としてアミノ変性シリコーンとシリコーンレジンとジメチルシリコーンとを質量比で9.2:5.4:5.4で含む、20質量%シリコーン樹脂分散液を得た。
(調製例7)
親水化剤と疎水化剤とにより改質されたシリカ(シリカ表面に親水性基と疎水性基とを有するシリカ)としてレオロシールHG−09(アミノ基とトリメチルシリル基を有するシリカ、(株)トクヤマ製)10質量部、酸成分として90%酢酸1質量部、及び水89質量部を混合した。次いで、超音波乳化機US−600E(株式会社日本精機製作所)を使用して60℃を維持しながら10分間分散した。その後冷却し、レオロシールHG−09を10質量%含む分散液を得た。
<撥水剤組成物の調製>
(実施例1〜29及び比較例1〜4)
表3〜7に示される比率(表中、数値は(質量部)を示す)で、非フッ素系ポリマー(α)分散液、非フッ素系ポリマー(β)分散液、シリコーン樹脂分散液を混合し、撥水剤組成物をそれぞれ得た。
<撥水剤組成物の評価>
上記で得られた撥水剤組成物について、下記の評価を行った。
(繊維製品の撥水性評価)
JIS L 1092(2009)のスプレー法に準じてシャワー水温を20℃として試験をした。本試験においては、染色を行ったポリエステル100%布又はナイロン100%布を、実施例及び比較例の撥水剤組成物を非フッ素系ポリマー(α)、非フッ素系ポリマー(β)及びシリコーン樹脂の合計の含有量が3質量%となるように水で希釈した処理液に浸漬処理(ピックアップ率60質量%)した後、130℃で2分間乾燥し、更に170℃で30秒の条件で熱処理して、得られた布の撥水性を評価した。結果は目視にて下記の等級で評価した。なお、特性がわずかに良好な場合は等級に「+」をつけ、特性がわずかに劣る場合は等級に「−」をつけた。結果を表3〜7に示す。
撥水性:状態
5:表面に付着湿潤のないもの
4:表面にわずかに付着湿潤を示すもの
3:表面に部分的湿潤を示すもの
2:表面に湿潤を示すもの
1:表面全体に湿潤を示すもの
0:表裏両面が完全に湿潤を示すもの
(繊維製品の風合評価)
風合は、染色を行ったポリエステル100%布を、実施例及び比較例の撥水剤組成物を非フッ素系ポリマー(α)、非フッ素系ポリマー(β)及びシリコーン樹脂の合計の含有量が3質量%となるように水で希釈した処理液に浸漬処理(ピックアップ率60質量%)した後、130℃で2分間乾燥し、更に170℃で30秒間熱処理したものを用いて評価した。結果はハンドリングにて下記に示す5段階で評価した。結果を表3〜7に示す。
1:硬い 〜 5:柔らかい
(繊維製品の耐久撥水性評価)
JIS L 1092(2009)のスプレー法に準じてシャワー水温を20℃として試験をした。本試験においては、染色を行ったポリエステル100%布を、非フッ素系ポリマー(α)、非フッ素系ポリマー(β)及びシリコーン樹脂の合計の含有量が3質量%、ブロックドイソシアネート系架橋剤としてNKアシストNY−50が1質量%、浸透剤としてテキスポートBG−290が1質量%、帯電防止剤としてナイスポールFE−26が0.5質量%となるように、実施例及び比較例の撥水剤組成物及び上記各薬剤を水で希釈した処理液に浸漬処理(ピックアップ率60質量%)した後、130℃で2分間乾燥し、更に170℃で60秒間熱処理して得られた布(L−0)、及びJIS L 0217(1995)の103法による洗濯を10回(L−10)行った後の布の撥水性を上記撥水性評価方法と同様に評価した。また、ナイロン100%布の場合も、熱処理温度を170℃から160℃に変えたこと以外は、ポリエステル100%布の場合と同様に評価した。結果を表3〜7に示す。
(繊維製品のコーティングに対する剥離強度)
JIS K 6404−5(1999)に準拠して試験を行った。本試験においては、染色を行ったナイロン100%布を、実施例及び比較例の撥水剤組成物を非フッ素系ポリマー(α)、非フッ素系ポリマー(β)及びシリコーン樹脂の合計の含有量が3質量%となるように水で希釈した処理液に、浸漬処理(ピックアップ率60質量%)した後、130℃で2分間乾燥し、更に170℃で30秒熱処理して得られたものを基布とした。その得られた基布に、熱圧着装置を用いて、ホットメルト接着テープ(サン化成株式会社製「MELCOテープ」)を150℃で1分間熱接着させ、基布とシームテープとの層間の剥離強度をオートグラフ(AG−IS、島津製作所(株)製)にて測定した。掴み具の移動速度を100mm/minで引っ張り、応力の平均値を剥離強度[N/inch]とした。結果を表3〜7に示す。
Figure 2018119250
Figure 2018119250
Figure 2018119250
Figure 2018119250
Figure 2018119250
実施例1〜29の撥水剤組成物を処理した繊維製品は、十分な撥水性、耐久撥水性を発揮しながらも、非フッ素系ポリマー(α)を含まない比較例2〜4の撥水剤組成物を用いた場合よりも、コーティングに対する剥離強度により優れることが確認された。
非フッ素系ポリマー(β)及びシリコーン樹脂(γ)を含まない比較例1の撥水剤組成物を処理した繊維製品は、撥水性、耐久撥水性に劣る結果が示された。

Claims (8)

  1. 塩化ビニル及び塩化ビニリデンのうち少なくともいずれか1種の単量体(VC)に由来する構成単位を含有する非フッ素系ポリマーであって、該非フッ素系ポリマーを構成する単量体成分の全量を基準として前記単量体(VC)の含有割合が50質量%以上である非フッ素系ポリマー(α)と、
    下記一般式(A−1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に由来する構成単位を含有する非フッ素系ポリマーであって、該非フッ素系ポリマーを構成する単量体成分の全量を基準として前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)の含有割合が50質量%以上である非フッ素系ポリマー(β)、及び/又は、シリコーン樹脂(γ)と、
    を含む、撥水剤組成物。
    Figure 2018119250

    [式(A−1)中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは置換基を有していてもよい炭素数12〜30の1価の炭化水素基を表す。]
  2. 前記非フッ素系ポリマー(α)が、(B1)HLBが7〜18である下記一般式(I−1)で表される化合物、(B2)HLBが7〜18である下記一般式(II−1)で表される化合物、及び(B3)HLBが7〜18である、ヒドロキシル基及び重合性不飽和基を有する油脂に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物からなる群より選択される少なくとも1種の反応性乳化剤(B)に由来する構成単位を更に含有する、請求項1に記載の撥水剤組成物。
    Figure 2018119250

    [式(I−1)中、Rは水素又はメチル基を表し、Xは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表し、Yは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を含む2価の基を表す。]
    Figure 2018119250

    [式(II−1)中、Rは重合性不飽和基を有する炭素数13〜17の1価の不飽和炭化水素基を表し、Yは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を含む2価の基を表す。]
  3. 前記撥水剤組成物が前記非フッ素系ポリマー(β)を含み、
    前記非フッ素系ポリマー(β)が、(B1)HLBが7〜18である下記一般式(I−1)で表される化合物、(B2)HLBが7〜18である下記一般式(II−1)で表される化合物、及び(B3)HLBが7〜18である、ヒドロキシル基及び重合性不飽和基を有する油脂に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物からなる群より選択される少なくとも1種の反応性乳化剤(B)に由来する構成単位を更に含有する、請求項1又は2に記載の撥水剤組成物。
    Figure 2018119250

    [式(I−1)中、Rは水素又はメチル基を表し、Xは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表し、Yは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を含む2価の基を表す。]
    Figure 2018119250

    [式(II−1)中、Rは重合性不飽和基を有する炭素数13〜17の1価の不飽和炭化水素基を表し、Yは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を含む2価の基を表す。]
  4. 前記非フッ素系ポリマー(α)が、前記一般式(A−1)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に由来する構成単位を更に含有し、
    前記非フッ素系ポリマー(α)における前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)がアクリル酸エステル単量体(a1)とメタクリル酸エステル単量体(a2)とを含み、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に含まれる前記アクリル酸エステル単量体(a1)の質量と前記メタクリル酸エステル単量体(a2)の質量との比(a1)/(a2)が30/70〜90/10である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の撥水剤組成物。
  5. 前記撥水剤組成物が前記非フッ素系ポリマー(β)を含み、
    前記非フッ素系ポリマー(β)における前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)がアクリル酸エステル単量体(a1)とメタクリル酸エステル単量体(a2)とを含み、前記(メタ)アクリル酸エステル単量体(A)に含まれる前記アクリル酸エステル単量体(a1)の質量と前記メタクリル酸エステル単量体(a2)の質量との比(a1)/(a2)が30/70〜90/10である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の撥水剤組成物。
  6. 前記撥水剤組成物が前記シリコーン樹脂(γ)を含み、
    前記シリコーン樹脂(γ)が、アミノ変性シリコーン、シリコーンレジン、ジメチルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、及びアルキル変性シリコーンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の撥水剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の撥水剤組成物における、前記非フッ素系ポリマー(α)と、前記非フッ素系ポリマー(β)及び/又は前記シリコーン樹脂(γ)とが付着した繊維製品からなる、撥水性繊維製品。
  8. 繊維製品を、請求項1〜6のいずれか一項に記載の撥水剤組成物が含まれる処理液で処理する工程、を備える、撥水性繊維製品の製造方法。
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