JP2018118920A - 環状アルキル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法 - Google Patents

環状アルキル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機ケイ素化合物、特に環状アルキル基を有する有機ケイ素化合物を効率よく製造することができる有機ケイ素化合物の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】下記式(I)で表されるロジウム錯体の存在下、下記式(A)で表されるシクロアルケンと下記式(B)で表されるヒドロシランを反応させて有機ケイ素化合物を生成する反応工程を含むことにより、環状アルキル基を有する有機ケイ素化合物を効率よく製造することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、環状アルキル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法に関し、より詳しくはロジウム錯体を触媒として利用した環状アルキル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法に関する。
ヒドロシリル化反応は、ケイ素原子上にアルキル基を導入する優れた手法であり、白金触媒をはじめとする様々な触媒が開発されている。環状オレフィンを基質に用いるとケイ素原子上に環状アルキル基を導入することができる。歪みのために反応性が高いノルボルネンや電子求引基と共役したα,β−不飽和カルボニル化合物などの環状基質を用いた例は多いものの、シクロヘキセン等の単純な環状オレフィンを用いた例は比較的少ない。さらに、ケイ素原子上にアルコキシ基を有するヒドロシランを用いた環状オレフィンのヒドロシリル化となると、前例は限られているのが現状である(特許文献1及び非特許文献1参照)。白金触媒を用いる特許文献1では水銀灯照射が必要であり、ロジウム錯体を用いる非特許文献1では、芳香環と共役した環状オレフィンを用いた例は示されているが、非共役環状オレフィンの例は示されていない。
特開昭63-198692号公報
Y.Tsuchiya, H.Uchimura, K.Kobayashi, H.Nishiyama, Synlett 2004, 2099−2102.
本発明は、有機ケイ素化合物、特に環状アルキル基を有する有機ケイ素化合物を効率よく製造することができる有機ケイ素化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、フェニル−ビス(オキサゾリン)配位子を有する特定のロジウム錯体の存在下でシクロアルケンのヒドロシリル化反応が効率よく進行し、環状アルキル基を有する有機ケイ素化合物を製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の通りである。
<1> 下記式(I)で表されるロジウム錯体の存在下、下記式(A)で表されるシクロアルケンと下記式(B)で表されるヒドロシランを反応させて有機ケイ素化合物を生成する反応工程を含むことを特徴とする有機ケイ素化合物の製造方法。

(式(I)中、Rはそれぞれ独立して炭素原子数1〜20の炭化水素基を、R’はそれぞれ独立してハロゲン原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数0〜20のアミノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を、Xはそれぞれ独立してハロゲン原子、又は炭素原子数1〜10のアシロキシ基を、mはそれぞれ独立して0〜4の整数を、nは0〜3の整数を表す。)

(式(A)中、Rは炭素−炭素不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜10の直鎖状のアルキレン基を、Rはそれぞれ独立して酸素原子及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、又はハロゲン原子を、iは0〜(Rの炭素原子数+2)の間の整数を表す。)

(式(B)中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数1〜20の炭化水素基、又は炭素原子数1〜20のトリアルキルシロキシ基を表す。)
<2> 前記反応工程において、銀塩が添加される、<1>に記載の有機ケイ素化合物の製造方法。
本発明によれば、環状アルキル基を有する有機ケイ素化合物を効率よく製造することが
できる。
本発明の詳細を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
<有機ケイ素化合物の製造方法>
本発明の一態様である有機ケイ素化合物の製造方法は、下記式(I)で表されるロジウム錯体の存在下、下記式(A)で表されるシクロアルケンと下記式(B)で表されるヒドロシランを反応させて有機ケイ素化合物を生成する反応工程(以下、「反応工程」と略す場合がある。)を含むことを特徴とする。

(式(I)中、Rはそれぞれ独立して炭素原子数1〜20の炭化水素基を、R’はそれぞれ独立してハロゲン原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数0〜20のアミノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を、Xはそれぞれ独立してハロゲン原子、又は炭素原子数1〜10のアシロキシ基を、mはそれぞれ独立して0〜4の整数を、nは0〜3の整数を表す。)

(式(A)中、Rは炭素−炭素不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜10の直鎖状のアルキレン基を、Rはそれぞれ独立して酸素原子及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、又はハロゲン原子を、iは0〜(Rの炭素原子数+2)の間の整数を表す。)

(式(B)中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数1〜20の炭化水素基、又は炭素原子数1〜20のトリアルキルシロキシ基を表す。)
本発明者らは、環状アルキル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法を求め鋭意検討を重ねた結果、フェニル−ビス(オキサゾリン)配位子を有するロジウム錯体、即ち式(I)で表されるロジウム錯体の存在下で、式(A)で表されるシクロアルケンのヒドロシリル化反応が効率よく進行し、環状アルキル基を有する有機ケイ素化合物が製造できることを見出した。
なお、「有機ケイ素化合物」とは、炭素−ケイ素結合(C−Si)を少なくとも1つ有する有機化合物を意味するものとし、「式(A)で表されるシクロアルケン」と「式(B)で表されるヒドロシラン」の反応によって生成し得る化合物を意味する。
以下、「反応工程」等について詳細に説明する。
反応工程は、「式(I)で表されるロジウム錯体」の存在下、「式(A)で表されるシクロアルケン」と「式(B)で表されるヒドロシラン」を反応させて有機ケイ素化合物を生成する工程であるが、「式(I)で表されるロジウム錯体」、「式(A)で表されるシクロアルケン」、及び「式(B)で表されるヒドロシラン」の具体的種類は、製造目的である有機ケイ素化合物に応じて適宜選択されるべきである。以下、「式(I)で表されるロジウム錯体」、「式(A)で表されるシクロアルケン」、及び「式(B)で表されるヒドロシラン」について具体例を挙げて説明する。

式(I)中のRは、それぞれ独立して「炭素原子数1〜20の炭化水素基」を表しているが、「炭化水素基」は、分岐構造、環状構造のそれぞれを有していてもよく、飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基等の何れであってもよいものとする。
Rが炭化水素基である場合の炭素原子数は、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下であり、Rが芳香族炭化水素基である場合の炭素原子数は、通常6以上である。
Rとしては、メチル基(−CH,−Me)、エチル基(−C,−Et)、n−プロピル基(−,−Pr)、i−プロピル基(−,−Pr)、n−ブチル基(−,−Bu)、t−ブチル基(−,−Bu)、n−ペンチル基(−11)、n−ヘキシル基(−13,−Hex)、シクロヘキシル基(−11,−Cy)、フェニル基(−C,−Ph)等が挙げられる。この中でも、i−プロピル基、フェニル基が特に好ましい。
式(I)中のR’は、それぞれ独立して「ハロゲン原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基」、「炭素原子数1〜20のアルコキシ基」、「炭素原子数0〜20のアミノ基」、「ニトロ基」、又は「ハロゲン原子」を表しているが、「炭化水素基」は、Rの場合と同義である。また、「ハロゲン原子を含んでいてもよい」とは、炭化水素基の水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよいことを意味する。さらに、「炭素原
子数0」のアミノ基とは、第1級アミノ基(−NH)を意味する。
R’に含まれる官能基としては、フルオロ基(−F)、クロロ基(−Cl)、ブロモ基(−Br)、ヨード基(−I)等が挙げられる。
R’が炭化水素基である場合の炭素原子数は、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下であり、R’が芳香族炭化水素基である場合の炭素原子数は、通常6以上である。
R’としては、メチル基(−CH,−Me)、トリフルオロメチル基(−CF)、エチル基(−C,−Et)、n−プロピル基(−,−Pr)、i−プロピル基(−,−Pr)、n−ブチル基(−,−Bu)、t−ブチル基(−,−Bu)、n−ペンチル基(−11)、n−ヘキシル基(−13,−Hex)、シクロヘキシル基(−11,−Cy)、フェニル基(−C,−Ph)、メトキシ基(−OCH,−OMe)、エトキシ基(−OC,−OEt)、n−プロポキシ基(−O,−OPr)、i−プロポキシ基(−O,−OPr)、n−ブトキシ基(−O,−OBu)、t−ブトキシ基(−O,−OBu)、n−ペントキシ基(−O11)、n−ヘキソキシ基(−O13,−OHex)、フェノキシ基(−OC,−OPh)、ジメチルアミノ基(−N(CH,−NMe)、ニトロ基(−NO)、フッ素原子(フルオロ基,−F)、塩素原子(クロロ基,−Cl)、臭素原子(ブロモ基,−Br)、ヨウ素原子(ヨード基,−I)等が挙げられる。この中でも、メチル基、t−ブチル基が特に好ましい。
式(I)中のXは、それぞれ独立して「ハロゲン原子」、又は「炭素原子数1〜10のアシロキシ基」を表しているが、「アシロキシ基」とは、−OC(=O)R”で表される構造を意味し、「アシロキシ基」の「炭化水素基(R”)」もRの場合と同義である。
Xがアシロキシ基である場合のアシロキシ基の炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは4以下であり、アシロキシ基の炭化水素基が芳香族炭化水素基である場合の炭素原子数は、通常6以上である。
Xとしては、クロロ基(−Cl)、ブロモ基(−Br)、ヨード基(−I)、アセトキシ基(−OC(=O)CH,−OAc)等が挙げられる。この中でも、クロロ基、アセトキシ基が特に好ましい。
式(I)中のmは、それぞれ独立して0〜4の整数を、nは0〜3の整数を表しているが、mは1が好ましく、nは0又は1が好ましい
式(I)で表されるロジウム錯体としては、下記式で表される化合物が挙げられる。下記式で表される化合物であると、より効率よくヒドロシリル化反応が進行する。

なお、「式(I)で表されるロジウム錯体」は、例えばH.Nishiyama et
al.,Pure and Applied Chemistry 80,743−749.等に記載の方法で調製することができる。
反応工程における「式(I)で表されるロジウム錯体」の使用量(仕込量)は、後述する「式(B)で表されるヒドロシラン」に対して物質量換算で、通常0.001倍以上、
好ましくは0.01倍以上、より好ましくは0.04倍以上であり、通常0.2倍以下、好ましくは0.1倍以下、より好ましくは0.06倍以下である。前記範囲内であると、より効率良くヒドロシリル化が進行する。

式(A)中のRは、「炭素−炭素不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜10の直鎖状のアルキレン基」を表しているが、「炭素−炭素不飽和結合を含んでいてもよい」とは、「アルキレン基」内の炭素−炭素単結合が、炭素−炭素二重結合及び/又は炭素−炭素三重結合に置き換わっていてもよいことを意味する。
の炭素原子数は、好ましくは8以下、より好ましくは7以下、さらに好ましくは6以下である。
としては、メチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)、n−プロピレン基(−CHCHCH−)、n−ブチレン基(−CHCHCHCH−)、ブト−2−エン−1,4−ジイル基(−CHCH=CHCH−)、n−ペンチレン基(−CHCHCHCHCH−)、ペント−2−エン−1,5−ジイル基(−CHCH=CHCHCH−)、n−ヘキシレン基(−CHCHCHCHCHCH−)、ヘキサ−3−エン−1,6−ジイル基(−CHCHCH=CHCHCH−)等が挙げられる。
式(A)中のRは、それぞれ独立して「酸素原子及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基」、又は「ハロゲン原子」を表しているが、「炭化水素基」は、Rの場合と同義である。また、「酸素原子及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい」とは、炭化水素基の水素原子が酸素原子、ハロゲン原子等を含む1価の官能基で置換されていてもよいほか、炭化水素基の炭素骨格内部の炭素原子が酸素原子を含む2価以上の官能基(連結基)で置換されていてもよいことを意味する。
に含まれる官能基としては、エーテル基(オキサ基,−O−)、フルオロ基(−F)、クロロ基(−Cl)、ブロモ基(−Br)、ヨード基(−I)等が挙げられる。
が炭化水素基である場合の炭素原子数は、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下であり、R’が芳香族炭化水素基である場合の炭素原子数は、通常6以上である。
としては、メチル基(−CH,−Me)、フルオロメチル基(−CHF)、トリフルオロメチル基(−CF)、メトキシメチル基(−CHOCH)エチル基(−C,−Et)、2−クロロエチル基(−CHCHCl)、n−プロピル基(−,−Pr)、i−プロピル基(−,−Pr)、n−ブチル基(−,−Bu)、t−ブチル基(−,−Bu)、n−ペンチル基(−11)、n−ヘキシル基(−13,−Hex)、シクロヘキシル基(−11,−Cy)、フェニル基(−C,−Ph)、フッ素原子(フルオロ基,−F)、塩素原子(クロロ基,−Cl)、臭素原子(ブロモ基,−Br)、ヨウ素原子(ヨード基,−I)等が挙げられる。この中でも、メチル基、t−ブチル基が特に好ましい。
式(A)中のiは、「0〜(Rの炭素原子数+2)の間の整数」を表しているが、例
えばRが炭素原子数3のn−プロピレン基である場合、式(A)で表されるシクロアルケンの環状構造は五員環のシクロペンテンとなり、iは0〜5となる。
式(A)で表されるシクロアルケンとしては、下記式で表される化合物が挙げられる。下記式で表される化合物であると、より効率よくヒドロシリル化反応が進行する。
反応工程における「式(A)で表されるシクロアルケン」の使用量(仕込量)は、後述する「式(B)で表されるヒドロシラン」に対して物質量換算で、通常1倍以上、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上であり、通常100倍以下、好ましくは50倍以下、より好ましくは30倍以下である。前記範囲内であると、より効率良くヒドロシリル化が進行する。

式(B)中のRは、それぞれ独立して「水素原子」、「炭素原子数1〜20のアルコキシ基」、「炭素原子数1〜20の炭化水素基」、又は「炭素原子数1〜20のトリアルキルシロキシ基」を表しているが、「炭化水素基」はRの場合と同義である。「トリアルキルシロキシ基」とは、−OSiR”で表される構造を意味し、「アルキル基」は「アリール基」を含むものとする。
がアルコキシ基、炭化水素基、又はトリアルキルシロキシ基である場合の炭化水素基の炭素原子数は、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8
以下であり、炭化水素基が芳香族炭化水素基である場合の炭素原子数は、通常6以上である。
としては、水素原子、メトキシ基(−OCH,−OMe)、エトキシ基(−OC,−OEt)、n−プロポキシ基(−O,−OPr)、i−プロポキシ基(−O,−OPr)、n−ブトキシ基(−O,−OBu)、t−ブトキシ基(−O,−OBu)、フェノキシ基(−OC,−OPh)、メチル基(−CH,−Me)、エチル基(−C,−Et)、n−プロピル基(−,−Pr)、i−プロピル基(−,−Pr)、n−ブチル基(−,−Bu)、t−ブチル基(−,−Bu)、n−ペンチル基(−11)、n−ヘキシル基(−13,−Hex)、シクロヘキシル基(−11,−Cy)、フェニル基(−C,−Ph)、トリメチルシロキシ基(−OSi(CH,−OSiMe)等が挙げられる。この中でも、メトキシ基、メチル基、フェニル基、トリメチルシロキシ基が特に好ましい。
式(B)で表されるヒドロシランとしては、下記式で表される化合物が挙げられる。下記式で表される化合物であると、より効率よくヒドロシリル化反応が進行する。
反応工程は、その他については特に限定されないが、銀塩が添加されることが好ましい。なお、「銀塩」とは、銀イオン(Ag)と陰イオンによって形成される塩を意味する。「銀塩」は、反応工程において「式(I)で表されるロジウム錯体」の陰イオン交換剤として作用するものと考えられる。
銀塩としては、テトラフルオロホウ酸銀(I)(AgBF)、酢酸銀(I)(AgOAc)、トリフルオロ酢酸銀(AgOCOCF)等が挙げられる。
反応工程における「銀塩」の使用量(添加量)は、「式(B)で表されるヒドロシラン」に対して物質量換算で、通常0.001倍以上、好ましくは0.01倍以上、より好ましくは0.04倍以上であり、通常0.2倍以下、好ましくは0.1倍以下、より好ましくは0.06倍以下である。前記範囲内であると、より効率良くヒドロシリル化が進行する。
反応工程における「銀塩」の使用量(添加量)は、「式(I)で表されるロジウム錯体」に対して物質量換算で、通常0.01倍以上、好ましくは0.1倍以上、より好ましくは0.5倍以上であり、通常100倍以下、好ましくは10倍以下、より好ましくは5倍以下である。前記範囲内であると、より効率良くヒドロシリル化が進行する。
反応工程は、溶媒を使用しても、無溶媒であってもよい。溶媒の種類は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができるが、具体的にはヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒等が挙げられる。
反応工程の反応温度は、通常0℃以上、好ましくは15℃以上であり、通常100℃以下、好ましくは60℃以下である。
反応工程の反応時間は、通常3時間以上、好ましくは10時間以上であり、通常48時間以下、好ましくは36時間以下である。
反応工程は、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
前記範囲内であると、より効率良くヒドロシリル化が進行する。
反応工程によって生成する有機ケイ素化合物の具体的種類は、特に限定されず、製造目的に応じて適宜選択することができるが、下記式(C−1)又は(C−2)で表される化合物が挙げられる。

(式(C−1)及び(C−2)中、Rは炭素−炭素不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜10の直鎖状のアルキレン基を、Rはそれぞれ独立して酸素原子及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、又はハロゲン原子を、iは0〜(Rの炭素原子数+2)の間の整数を、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数1〜20の炭化水素基、又は炭素原子数1〜20のトリアルキルシロキシ基を表す。)
なお、R、R、Rは、「式(A)で表されるシクロアルケン」及び「式(B)で表されるヒドロシラン」で挙げたものと同様のものが挙げられる。
また、「式(A)で表されるシクロアルケン」が、2以上の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物である場合、有機ケイ素化合物は、少なくとも1つの炭素−炭素不飽和結合がヒドロシリル化されていればよく、例えば「式(A)で表されるシクロアルケン」が、1,5−シクロオクタジエンである場合、有機ケイ素化合物としては下記式で表される化合物が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1、2>
下記式で表されるRh(Phebox−Pr)ClOH(4.9mg,0.010mmol)(Phebox=2,6−bis(2−oxyazolylinyl)phenyl)のシクロヘキセン溶液(0.5mL)に、表1に記載のヒドロシラン(表1に記載の量)を加えた。50℃で12時間撹拌した後、ペンタデカン(42.5mg,55.2μL,0.20mmol)を加え、GC(ガスクロマトグラフィー)を測定することにより各生成物の収率を決定した。結果、実施例1(n=1)の生成物が収率35%で、実施例2(n=0)の生成物が収率22%で得られた。
<実施例3〜6>
下記式で表されるRh(Phebox−Pr)ClOH(表2に記載の量)と表2に記載の銀塩(表2に記載の量)のTHF懸濁液(実施例3:2mL、実施例4:1.5mL、実施例5、6:1mL)を1時間撹拌した。その後、溶媒を減圧留去し、シクロヘキセン(表2に記載の量)、表2に記載のヒドロシラン(表2に記載の量)を加え、50℃で12時間撹拌した。この溶液にペンタデカン(実施例3:85.0mg,110μL,0.40mmol、実施例4、5、6:42.5mg,55.2μL,0.20mmol)を加え、GCを測定することにより、各生成物の収率を決定した。結果、実施例3(n=1、X=BF)の生成物が収率58%で、実施例4(n=1、X=OAc)の生成物が収率55%で、実施例5(n=0、X=BF)の生成物が収率44%で、実施例
6(n=0、X=OAc)の生成物が収率62%で得られた。
<実施例7、8>
下記式で表されるRh(Phebox−Pr)(OAc)OH(5.4mg,0.010mmol)のシクロヘキセン溶液(0.5mL)に、表3に記載のヒドロシラン(表3に記載の量)を加えた。50℃で12時間撹拌した後、ペンタデカン(42.5mg,55.2μL,0.20mmol)を加え、GCを測定することにより各生成物の収率を決定した。結果、実施例7(n=1)の生成物が収率59%で、実施例8(n=0)の生成物が収率73%で得られた。
<実施例9、10>
下記式で表されるRh(Phebox−Ph)(OAc)OH(6.1mg,0.010mmol)のシクロヘキセン溶液(0.5mL)に、表4に記載のヒドロシラン(表4に記載の量)を加えた。50℃で12時間撹拌した後、ペンタデカン(42.5mg,55.2μL,0.20mmol)を加え、GCを測定することにより各生成物の収率を決定した。結果、実施例9(n=1)の生成物が収率57%で、実施例10(n=0)の生成物が収率67%で得られた。
<実施例11、12>
下記式で表されるRh(Phebox−Pr)(OAc)OH(5.4mg,0.010mmol)のシクロヘキセン溶液(0.5mL)に、表5に記載のヒドロシラン(表5に記載の量)を加えた。25℃で12時間撹拌した後、ペンタデカン(42.5mg,55.2μL,0.20mmol)を加え、GCを測定することにより各生成物の収率を決定した。結果、実施例11(n=1)の生成物が収率65%で、実施例12(n=0)の生成物が収率72%で得られた。
<実施例13>
下記式で表されるRh(Phebox−Pr)(OAc)OH(5.4mg,0.010mmol)のシクロペンテン溶液(0.5mL)に、表6に記載のヒドロシラン(表6に記載の量)を加え、25°Cで12時間撹拌した。この反応溶液にPhSiMe(30.1mg,34.6μL,0.20mmol)を加えた後、この溶液0.3mLにCr(acac)(20mg)(acac=アセチルアセトナート)を加え、29SiNMRを測定することにより生成物の収率を決定した。実施例13(n=1)の生成物が収率91%で得られた。
本発明の製造方法によって提供される有機ケイ素化合物は、シリコーンポリマーや機能性シロキサン化合物等の原料として有用である。

Claims (2)

  1. 下記式(I)で表されるロジウム錯体の存在下、下記式(A)で表されるシクロアルケンと下記式(B)で表されるヒドロシランを反応させて有機ケイ素化合物を生成する反応工程を含むことを特徴とする有機ケイ素化合物の製造方法。

    (式(I)中、Rはそれぞれ独立して炭素原子数1〜20の炭化水素基を、R’はそれぞれ独立してハロゲン原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数0〜20のアミノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を、Xはそれぞれ独立してハロゲン原子、又は炭素原子数1〜10のアシロキシ基を、mはそれぞれ独立して0〜4の整数を、nは0〜3の整数を表す。)

    (式(A)中、Rは炭素−炭素不飽和結合を含んでいてもよい炭素原子数1〜10の直鎖状のアルキレン基を、Rはそれぞれ独立して酸素原子及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、又はハロゲン原子を、iは0〜(Rの炭素原子数+2)の間の整数を表す。)

    (式(B)中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数1〜20の炭化水素基、又は炭素原子数1〜20のトリアルキルシロキシ基を表す。)
  2. 前記反応工程において、銀塩が添加される、請求項1に記載の有機ケイ素化合物の製造方法。
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