JP6332682B2 - ヒドロシラン化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒドロシラン化合物の製造方法に関し、より詳しくは水素ガスを水素原子源として触媒的にSi−H結合を形成するヒドロシラン化合物の製造方法に関する。
ヒドロシラン化合物は、シリコーン樹脂の原料や反応剤等の様々な用途に用いることができる非常に有用な化合物であり、アルコキシシランやハロゲン化シランと並び有機ケイ素化学における最も重要な化合物の1つである。
このようなヒドロシラン化合物を生成する反応として、近年、ルテニウム錯体を触媒として利用した方法が報告されている(非特許文献1及び2参照)。この反応では、下記式に示されるようにルテニウム触媒に水素分子が配位し、そこから1つ目の水素原子がプロトン(H)としてトリアルキルビニルオキシシランを活性化し、さらに2つ目の水素原子がヒドリドイオン(H)としてケイ素原子に対して求核置換反応を起こしてヒドロシラン化合物が生成するという反応機構が推定されている。この反応は、水素ガスを水素原子源として用いて触媒的にSi−O結合を切断し、Si−H結合を形成する反応である。
M.Hidai et al., Angew. Chem. Int. Ed. 1999, 38, 3047-3050. I.Takei et al. Journal of Organometallic Chemistry 2003, 679, 32-42.
前述のようにヒドロシラン化合物は、様々な用途に用いることができる非常に有用な化合物であり、このような化合物をより効率的に製造することができれば、シリコーン樹脂等のコスト低減に繋がる優れた技術になり得る。
即ち、本発明は、ヒドロシラン化合物の新たな製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ジアルキルベンゾイミ
ダゾール−2−イリデン配位子及びホスフィン配位子を有するイリジウム錯体と塩基を水素ガスと共存させることにより、シラン化合物に対して、ヒドリドイオン(H)の求核置換反応(ヒドリド還元)が進行して、効率良くヒドロシラン化合物が生成することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の通りである。
<1> 下記反応式(I)で表される置換反応を行う反応工程を含むヒドロシラン化合物の製造方法であって、
(式(I)中、Xは−OSO、−OCOR、−OR、ヨード基(−I)、ブロモ基(−Br)、又はクロロ基(−Cl)を、Rはフルオロ基(−F)、又は窒素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を、R及びRはそれぞれ独立して窒素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)
前記反応工程が、下記式(L1)で表されるジアルキルベンゾイミダゾール−2−イリデン配位子及び下記式(L2)で表されるホスフィン配位子を有するイリジウム錯体、並びに塩基の存在下で行われることを特徴とする、ヒドロシラン化合物の製造方法。
(式(L1)及び(L2)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜10の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜6の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜10の炭化水素基を、nは0〜4の整数を表す。)
本発明によれば、効率良くヒドロシラン化合物を製造することができる。
本発明のヒドロシラン化合物の製造方法を説明するに当たり、具体例を挙げて説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
<ヒドロシラン化合物の製造方法>
本発明の一態様であるヒドロシラン化合物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略す場合がある。)は、下記反応式(I)で表される置換反応を行う反応工程(以下、「反応工程」と略す場合がある。)を含む方法であり、反応工程が、下記式(L1)で表されるジアルキルベンゾイミダゾール−2−イリデン配位子及び下記式(L2)で表される
ホスフィン配位子を有するイリジウム錯体(以下、「イリジウム錯体」と略す場合がある。)、並びに塩基の存在下で行われることを特徴とする。
(式(I)中、Xは−OSO、−OCOR、−OR、ヨード基(−I)、ブロモ基(−Br)、又はクロロ基(−Cl)を、Rはフルオロ基(−F)、又は窒素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を、R及びRはそれぞれ独立して窒素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)
(式(L1)及び(L2)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜10の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜6の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜10の炭化水素基を、nは0〜4の整数を表す。)
本発明者らは、ヒドロシラン化合物の製造方法、特に水素ガスを水素原子源として触媒的にSi−H結合を形成する反応について検討を重ねた結果、ジアルキルベンゾイミダゾール−2−イリデン配位子及びホスフィン配位子を有するイリジウム錯体と塩基を水素ガスと共存させることにより、トリフルオロメチルスルホニル基(−OTf)等の脱離能の高い置換基を有したシラン化合物に対して、ヒドリドイオン(H)の求核置換反応(ヒドリド還元)が進行して、効率良くヒドロシラン化合物が生成することを見出したのである。かかる反応のメカニズムは、十分に明らかとなっていないが、下記式で示される触媒サイクルによって進行するものと考えられる。即ち、水素分子(H)が中心金属であるイリジウムに配位した後、塩基が水素分子からプロトン(H)を引き抜いてヒドリド錯体が形成され、このヒドリドイオンが原料化合物であるシラン化合物に求核置換反応を起こして、Si−H結合が形成されるものと考えられる。
なお、反応式(I)中の波線は、その先の構造が任意であることを意味しており、製造物であるヒドロシラン化合物は、Si−H結合を少なくとも1つ有するものであれば、その他は特に限定されないことを意味する(同様に原料化合物であるシラン化合物もSi−X結合を少なくとも有するものであれば、その他は特に限定されない。)。
従って、例えば原料化合物であるシラン化合物がテトラブロモシラン(SiBr)である場合、製造物であるヒドロシラン化合物は、4つのブロモ基が全て置換されたテトラヒドロシラン(SiH)のみならず、1つ置換されたトリブロモシラン(SiHBr)、2つ置換されたジブロモシラン(SiHBr)、3つ置換されたモノブロモシラン(SiHBr)、さらにこれらの混合物の何れもがヒドロシラン化合物に該当するものとする。
本発明の製造方法が対象とするヒドロシラン化合物は、特に限定されず、製造目的に応じて適宜選択することができる。例えば下記式(P1)〜(P4)で表されるヒドロシラン化合物が挙げられる。
(式(P1)〜(P4)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
の炭素数は、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。また、Rは直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種を有していてもよい。)。
としては、メチル基(−CH)、エチル基(−C)、n−プロピル基(−CHCHCH)、i−プロピル基(−CH(CH)、n−ブチル基(−CHCHCHCH)、t−ブチル基(−C(CH)、フェニル基(−C)等が挙げられる。
本発明の製造方法に使用する原料化合物は、特に限定されず、製造物であるヒドロシラン化合物に応じて適宜選択すべきである。例えば下記式(R1)〜(R4)で表されるシラン化合物が挙げられる。
(式(R1)〜(R4)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を、Xは−OSO、−OCOR、−OR、ヨード基(−I)、ブロモ基(−Br)、又はクロロ基(−Cl)を、Rはフルオロ基(−F)、又は窒素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を、R及びRはそれぞれ独立して窒素原子、酸素原子、及びハロゲン
原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表す。)
の炭素数は、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。また、Rは直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種を有していてもよい。)。
としては、メチル基(−CH)、エチル基(−C)、n−プロピル基(−CHCHCH)、i−プロピル基(−CH(CH)、n−ブチル基(−CHCHCHCH)、t−ブチル基(−C(CH)、フェニル基(−C)等が挙げられる。
Xは−OSO、−OCOR、−OR、ヨード基(−I)、ブロモ基(−Br)、又はクロロ基(−Cl)を表しているが、−OSOCF(−OTf)、ヨード基(−I)が好ましく、−OSOCFが特に好ましい。
なお、R〜Rにおける「窒素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい」とは、ニトロ基(−NO)、フルオロ基(−F)等の窒素原子、酸素原子、又はハロゲン原子を含む官能基を含んでいてもよいことを意味するほか、イミド基(−NH−)、エーテル基(−O−)等の窒素原子、又は酸素原子を含む連結基を炭素骨格の内部又は末端に含んでいてもよいことを意味する。従って、「窒素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい」炭化水素基には、例えば−CH−CH−OHのようにヒドロキシル基を含んでいる炭素数2の炭化水素基、及び−CH−O−CHのようにエーテル基を炭素骨格の内部に含んでいる炭素数2の炭化水素基等が含まれる。なお、R〜Rに含まれる置換基としては、ニトロ基(−NO)、フルオロ基(−F)等が挙げられる。
としては、フルオロ基(−F)、メチル基(−CH)、トリフルオロメチル基(−CF)、ノナフルオロブチル基(−C)、p−トリル基(−CCH)、m−ニトロフェニル基(−CNO)等が挙げられる。
としては、メチル基(−CH)、エチル基(−C)、n−プロピル基(−CHCHCH)、i−プロピル基(−CH(CH)、n−ブチル基(−CHCHCHCH)、t−ブチル基(−C(CH)、フェニル基(−C)、トリフルオロメチル基(−CF)等が挙げられる。
としては、メチル基(−CH)、エチル基(−C)、n−プロピル基(−CHCHCH)、i−プロピル基(−CH(CH)、n−ブチル基(−CHCHCHCH)、t−ブチル基(−C(CH)、フェニル基(−C)等が挙げられる。
反応工程は、下記式(L1)で表されるジアルキルベンゾイミダゾール−2−イリデン配位子及び下記式(L2)で表されるホスフィン配位子を有するイリジウム錯体の存在下で行われることを特徴とするが、以下、ジアルキルベンゾイミダゾール−2−イリデン配位子及びホスフィン配位子について詳細に説明する。
(式(L1)及び(L2)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜10の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜6の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜10の炭化水素基を、nは0〜4の整数を表す。)
の炭素数は、好ましくは4以下、より好ましくは1以下である。また、Rは直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種を有していてもよい。)。
としては、メチル基(−CH)、エチル基(−C)、n−プロピル基(−CHCHCH)、i−プロピル基(−CH(CH)、n−ブチル基(−CHCHCHCH)、t−ブチル基(−C(CH)、フェニル基(−C)等が挙げられる。
の炭素数は、好ましくは3以下、より好ましくは1以下である。また、Rは直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種を有していてもよい。)。
としては、メチル基(−CH)、エチル基(−C)、n−プロピル基(−CHCHCH)、i−プロピル基(−CH(CH)、n−ブチル基(−CHCHCHCH)、t−ブチル基(−C(CH)等が挙げられる。
式(L1)で表されるジアルキルベンゾイミダゾール−2−イリデン配位子としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
の炭素数は、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。また、Rは直鎖状の飽和炭化水素基に限られず、分岐構造、環状構造、炭素−炭素不飽和結合のそれぞれを有していてもよい(分岐構造、環状構造、及び炭素−炭素不飽和結合からなる群より選択される少なくとも1種を有していてもよい。)。
としては、メチル基(−CH)、エチル基(−C)、n−プロピル基(−CHCHCH)、i−プロピル基(−CH(CH)、n−ブチル基(−CHCHCHCH)、t−ブチル基(−C(CH)、シクロヘキシル基、フェニル基(−C)等が挙げられる。
式(L2)で表されるホスフィン配位子としては、トリメチルホスフィン(P(CH)、トリフェニルホスフィン(P(C)等が挙げられる。
反応工程は、前述の式(L1)で表されるジアルキルベンゾイミダゾール−2−イリデン配位子及び式(L2)で表されるホスフィン配位子を有するイリジウム錯体の存在下で行われることを特徴とするが、イリジウム錯体はこれらの配位子を有するものであれば、その他は特に限定されない。以下、イリジウム錯体について詳細に説明する。
イリジウム錯体のイリジウム原子の酸化数は、通常0〜6の何れかであり、好ましくは3〜5である。
イリジウム錯体における式(L1)で表されるジアルキルベンゾイミダゾール−2−イリデン配位子の数は、通常1である。
イリジウム錯体における式(L2)で表されるホスフィン配位子の数は、通常2又は1、好ましくは2である。
イリジウム錯体における式(L1)で表されるジアルキルベンゾイミダゾール−2−イリデン配位子及び式(L2)で表されるホスフィン配位子以外の配位子としては、ヒドリド配位子、ヨード配位子、ブロモ配位子、クロロ配位子等が挙げられる。
イリジウム錯体が錯陽イオンである場合の対イオンとしては、BF 等の周期表第13族元素のハロゲン化アニオン、PF 、AsF 、SbF 等の周期表第15族元素のハロゲン化アニオン、Cl、Br、I、(I )等のハロゲン陰アニオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオン等のボレートアニオン、ClO 等のハロゲン酸アニオン、AlCl 、FeCl 、SnCl 等の金属ハロゲン化物アニオン、硝酸アニオン(NO )、硫酸アニオン(SO 2−)、p−トルエンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、CHSO 、CFSO 等の有機スルホン酸アニオン、CFCOO、CCOO等のカルボン酸アニオン等が挙げられる。
イリジウム錯体としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
イリジウム錯体の調製方法としては、例えば下記式で表されるプレ触媒と配位子となるホスフィンを反応容器内で接触させ、さらに反応容器に水素ガスを充填することによって調製することができる。
反応工程におけるイリジウム錯体の使用量は、原料化合物に対して、通常0.01mol%以上、好ましくは0.5mol%以上であり、通常100mol%以下、好ましくは50mol%以下、より好ましくは10mol%以下、さらに好ましくは5mol%以下である。
反応工程は、塩基の存在下で行われることを特徴とするが、塩基とはいわゆるブレンステット塩基として作用する化合物であれば、具体的種類は特に限定されない。
塩基としては、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(i−PrEtN)、1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン等のアミン類が挙げられる。
反応工程における塩基の使用量は、原料化合物に対して、通常100mol%以上、好ましくは120mol%以上であり、通常1000mol%以下、好ましくは500mol%以下、より好ましくは200mol%以下である。
反応工程の反応条件は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。
反応温度は、通常0℃以上、好ましくは20℃以上であり、通常150℃以下、好ましくは100℃以下である。
雰囲気ガスは、水素ガスを含むものであれば、その他については特に限定されず、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを含んでいてもよい。
反応圧力は、通常50kPa以上、好ましくは100kPa以上であり、通常10000kPa以下、好ましくは5000kPa以下、より好ましくは1000kPa以下である。
反応時間は、通常1時間以上、好ましくは2時間以上であり、通常480時間以下、好ましくは240時間以下である。
溶媒は、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭素水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、デカン等の脂肪族飽和炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
ヤングコック付きNMR管中に、下記式で表されるイリジウム錯体(precatalyst)6.93mgとトリフェニルホスフィン(PPh)1.36mg、またNMRでの内部標準としてビストリメチルシリルベンゼンを11.1mg入れ、トルエン−d(0.5mL)に溶解させた。この溶液に、トリメチルシリルトリフラート(原料化合物)22.1mgとジイソプロピルエチルアミン(塩基)14.1mgを加えた。その後、このNMR管を液体窒素につけて溶液を凍結させ、ヤングコックを開き真空ポンプにより管内を7Paまで減圧にし、その後コックを閉じて溶液を融解させるという操作を4回繰り返すことで脱気し、それを1気圧の水素で置換した。NMR管を激しく撹拌することで反応を開始し、NMRにより反応を追跡した。NMR管は時折撹拌し、反応が進行しなくなった段階でNMR管内に1気圧の水素を追加して反応を継続した。H−NMRで、トリメチルシリルトリフラートのシグナルが見られなくなった段階を反応の終点として、内部標準として加えたビストリメチルシリルベンゼンのトリメチルシリル基に対応するシグナルと生成したトリメチルシランのトリメチルシリルに対応するシグナルの積分比から収率(94%)を求めた。なお、結果を表1に示す。
<実施例2〜7>
原料化合物、塩基、反応温度、反応時間をそれぞれ表1に記載のものに変更した以外、実施例1と同様の方法により反応を行った。結果を表1に示す。
本発明の製造方法によって得られたヒドロシラン化合物は、シリコーン樹脂の原料や反応剤等に用いることができる。

Claims (3)

  1. 下記反応式(I)で表される置換反応を行う反応工程を含むヒドロシラン化合物の製造方法であって、
    (式(I)中、Xは−OSO 、ヨード基(−I)、ブロモ基(−Br)、又はクロロ基(−Cl)を、Rはフルオロ基(−F)、又は炭素数1〜10のパーフルオロアルキルを表す。)
    原料化合物が下記式(R1)〜(R4)で表されるシラン化合物であり、
    (式(R1)〜(R4)中、R はそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Xは式(I)中のXとそれぞれ同一である。)
    生成物が下記式(P1)〜(P4)で表されるヒドロシラン化合物を含み、
    (式(P1)〜(P4)中、R は式(R1)〜(R4)中のR とそれぞれ同一である。)
    前記反応工程が、下記式(L1)で表されるジアルキルベンゾイミダゾール−2−イリデン配位子及び下記式(L2)で表されるホスフィン配位子を有するイリジウム錯体、並びに塩基の存在下で行われることを特徴とする、ヒドロシラン化合物の製造方法。
    (式(L1)及び(L2)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜10の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜6の炭化水素基を、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜10の炭化水素基を、nは0〜4の整数を表す。)
  2. 前記式(R1)〜(R4)及び前記式(P1)〜(P4)中のR が、それぞれ独立してメチル基(−CH )、エチル基(−C )、n−プロピル基(−CH CH CH )、i−プロピル基(−CH(CH )、n−ブチル基(−CH CH CH CH )、t−ブチル基(−C(CH )及びフェニル基(−C )からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のヒドロシラン化合物の製造方法。
  3. 前記式(R1)〜(R4)において、Xは−OSO CF (−OTf)及びヨード基(−I)からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のヒドロシラン化合物の製造方法。
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