以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[断裁装置]
図1は断裁装置の待機状態における要部側面図、図2は図1に示したA−A線に沿う要部断面図である。
断裁装置100の本体上部には刃受け部材駆動部110が配置され、本体下部には断裁刃移動部120が配置されている。また、断裁刃121の近傍には、清掃部200が設けられている。
断裁装置100は、刃受け部材駆動部110の刃受け板116が垂直下降して、断裁刃移動部120の固定支持台127との間で、搬入された用紙束の小口部付近を挟み込む。この状態で断裁刃移動部120の断裁刃121が刃受け板116方向へ斜めに上昇して用紙束を断裁する。
本実施形態では、刃受け部材駆動部110が第2押圧部、固定支持台127が第1押圧部となる。固定支持台127の表面が用紙束を押圧する一方の面である第1押圧面127Aとなり、刃受け板116の表面が用紙束を押圧する他方の面である第2押圧面116Aとなる。刃受け部材駆動部110が移動することで、第2押圧面116Aが第1押圧面127Aに対して近接離間する。これにより、用紙束を挟持し、開放する。固定支持台127および刃受け板116は接地した導電性部材からなることが好ましい。
なお、移動する部材は上述の例に限られず、固定支持台127が移動して刃受け板116に対して近接離間することとしてもよいし、両者が移動することで互いに近接離間することとしてもよい。また、断裁刃121は、刃受け板116側に設けられていて固定支持台127方向へ断裁する構成でもよい。
刃受け部材駆動部110の上部には、両端支持された回転軸111が架設されている。回転軸111は、モーターM1により回転される。回転軸111は互いに反対方向の捩れ角を有するスクリュー部111A、111Bが設けられ、スクリュー部111Aにはネジ112Aが、スクリュー部111Bにはネジ112Bがそれぞれ螺合する。回転軸111の回転により、ネジ112Aを保持する移動体113Aと、ネジ112Bを保持する移動体113Bとは互いに逆方向に直線移動する。
移動体113Aの一部に揺動可能に支持された連結桿114Aの下端は、小口加圧部材115の図示左上部に係合し、昇降可能に支持している。同様に、移動体113Bの一部に揺動可能に支持された連結桿114Bの下端は、小口加圧部材115の図示右上部に係合し、昇降可能に支持している。
したがって、モーターM1の駆動回転によって、回転軸111が回転され、移動体113A、113Bが左右に移動し、連結桿114A、114Bの傾斜が変化して、小口加圧部材115は上下に平行移動する。
小口加圧部材115の下面には刃受け板116が固定されていて、小口加圧部材115と共に上下平行移動する。刃受け板116は、たとえば導電性を付与した樹脂材料である。
断裁刃移動部120は、断裁刃121、断裁刃ホルダ122、支持板123A、123B、間隔保持部材124、連結部材125とからなる固定部、固定支持台127等から構成されている。
上端縁に刃先が形成された断裁刃121は、ねじ部材121Aによって断裁刃ホルダ122に固定保持されている。断裁刃ホルダ122は平行配置された一対の支持板123A、123Bの対向面間に移動可能に支持されている。支持板123A、123Bの対向面間には、間隔保持部材124が挟着され、断裁刃ホルダ122が移動可能な間隔に保持される。
連結部材125は、支持板123A、123Bおよび中空円筒状をなす間隔保持部材124を貫通して支持板123A、123Bを所定間隔に保持して緊締する。
間隔保持部材124による支持板123A、123Bの対向する摺動面の間隔は、断裁刃ホルダ122の厚さに対して0.1〜0.5mmの範囲内に設定され、断裁刃ホルダ122が支障なく昇降可能な間隙とする。
連結部材125、間隔保持部材124からなる連結部は、支持板123A、123Bの複数箇所に配置され、所定間隔を強固に保持している。
断裁刃ホルダ122には、コロ128A、128Bが固定され、コロ128A、128Bは右下がりに傾斜配置されたガイド部材129A、129Bにそれぞれガイドされる。
モーターM2が駆動機構(不図示)により断裁刃ホルダ122に固定されたピン122Aを図示の左右に直線移動させる。断裁刃ホルダ122が左右に直線移動する。これにより断裁刃ホルダ122に固定されたコロ128A、128Bがガイド部材129A、129Bに沿って矢印J方向で示すように斜め上下方向に移動する。
断裁装置100に導入された用紙束は図示しない搬送部により小口部を先頭にして、固定支持台127上に搬送され、所定位置に停止する。この停止位置において用紙束は、固定支持台127と下降する刃受け板116に挟持され、上昇する断裁刃121によって小口部が断裁される。
以下、断裁装置100の断裁作動を説明する。
待機状態においては、移動体113Aは左端に、移動体113Bが右端に位置して、刃受け板116は上限位置にあり、断裁刃121は下限位置に待機している。
用紙束SS(図16参照)が断裁装置100に導入されると、モーターM1が起動して、移動体113A、113Bを駆動し、連結桿114A、114Bを介して小口加圧部材115が下降する。小口加圧部材115が検知部PSにより検知された位置で、モーターM1が停止し、小口加圧部材115が停止する。小口加圧部材115の停止位置は検知部PSの位置設定により決定され、検知部PSの位置は、用紙束SSを形成する用紙の枚数により決定される。したがって、後述する画像形成システムの操作部において、設定した用紙束SSを構成する用紙の枚数により、小口加圧部材115の下降位置が設定される。
小口加圧部材115は、断裁時に、多数枚重なった用紙に対して断裁刃121により横方向からの力が加わったときにもずれが生じないように大きな圧力で用紙束SSを押さえる。
用紙束SSの押さえが完了した段階で、モーターM2が起動して、断裁刃121を矢印Jの左上方に移動させる。断裁刃121のこの移動により、用紙束SSが断裁される。つまり断裁刃121は、第1押圧面127Aの、用紙束が突出する端部に沿って移動して小口部を断裁する。
このような断裁刃121の断裁作用は、刃のスライドによる断裁なので、比較的小さな駆動力による断裁が可能であり、しかも、断裁する用紙の枚数が多くなっても、断裁刃121の移動ストロークが変わるのみで、駆動力は変わらない。
用紙束SSのすべての用紙が断裁されると、断裁刃121の刃先が刃受け板116に接触して、断裁刃121の駆動力が増大する。この駆動力の増大、すなわち、モーターM1の負荷の増大によるモーター駆動電流の増大を検知して、制御部がモーターM2の駆動を停止させる。このようにして、用紙束SSを構成する用紙のすべてが断裁される。
小口断裁処理が完了すると、モーターM2が逆回転し、断裁刃121は図2の右斜め下方の所定位置に下降する。
断裁刃121の下降が完了すると、小口加圧部材115が初期位置まで上昇する。
小口加圧部材115の上昇完了後、用紙束SSの折り目部b近傍(図16参照)を挟持していた図示しない折り目押さえ部材および受け板が初期位置に戻ると、小口加圧部材115、刃受け板116が上昇し、用紙束SSの挟持が解除される。
以上述べた一連の動作により、用紙束SSの小口断裁処理が完了する。
(清掃部)
清掃部200について説明する。
図3は清掃部の斜視図、図4は清掃部の上面図(第1押圧面127Aを上から見る方向)、図5は清掃部の正面図(図4の矢B方向から見た図)である。なお、図3〜5においては清掃部200、および第1押圧面127Aを含む固定支持台127を示した(図4および5は断裁刃121も示した)。また、図3においては、清掃部200の構成を説明するために固定支持台127の一部を切り欠いて示した。
清掃部200は、固定支持台127の第1押圧面127Aを清掃する清掃部材201を備え、待機状態(用紙束が固定支持台127上にない状態)のときに、清掃部材201が第1押圧面127Aの上を清掃する。
清掃部200は、第1押圧面127Aの長手方向の両端に位置するプーリー205Aおよび205Bにベルト206が架け渡されており、ベルト206に清掃部材201が接続されている。清掃部材201は、片持ちでベルト206に接続されており、ベルト206に接続されていない側の端部が自由端(以下、先端ともいう)となっている。モーターM3の回転により複数ローラー210によって駆動力が伝達されてプーリー205Aが回転してベルト206が移動する。なお、清掃部材201を移動させるための駆動力の伝達は複数ローラー210に代えて、ベルト・プーリーやギアなどを用いてもよく、限定されない。
清掃部材201は、固定支持台127の第1押圧面127Aに接して清掃するモケット202と、ベルト206に接続されるアーム203からなる。モケット202は、羊毛糸や化繊糸をパイル糸として用い、添毛組織に織り、表面に長いけば糸を植えてビロード風にしたものである。モケット202に代えて、織物や不織布などをけば立たせたもの、ブラシ状のものなどを使用することもできる。また、モケット202(その他の材料を用いた場合も)は導電性を有することが好ましい(帯電防止処理を施したものでもよい)。モケット202を導電性部材とすることで、清掃部材201が第1押圧面127Aに接した際に、第1押圧面127Aと導通して静電気の発生を抑える。このため清掃部材201への断裁屑の静電付着を防止して、屑離れを良くする。
清掃部材201は、第1押圧面127Aの延長面と断裁刃121の移動面との交差線上を移動して第1押圧面127Aを清掃する。このとき清掃部材201は、第1押圧面127Aに接触しつつ、第1押圧面127Aの長手方向の一方端から他方端に往復移動する。
清掃部材201は、清掃時においては、断裁刃121の長手方向に交差する方向で、かつ、第1押圧面127Aおよび第2押圧面116Aの間に先端を向けて突出した状態、すなわち突出して延伸した状態である。このとき清掃部材201は、できるだけ多くの範囲を清掃できる角度となっていれば多少斜めになっていてもよい。好ましくは、清掃部材201は断裁刃121の長手方向(第1押圧面127Aの長手方向と同じ)に直交する方向に延伸された状態である。このように直交させることで、清掃部材201の長さを有効に利用できる。
清掃部材201は、清掃終了後、退避位置に来る。退避位置において清掃部材201は、第1押圧面127Aの上から離れており、断裁刃121の長手方向と略平行する方向に延伸した状態で停止する。退避位置は往復移動の終端であって、断裁刃121の長手方向の両端にある。モーターM3に近い方を第1退避位置RP1、モーターM3から遠い方を第2退避位置RP2とする。略平行する方向に延伸して停止する際には、多少斜めでもよく、退避位置において、清掃部材201の第1押圧面127Aに最も近い部位が断裁時に第1押圧面127Aの端部127Bから突出した用紙束に当たらなければよい。これにより用紙束の搬入時に、清掃部材201が邪魔にならない。
退避位置と固定支持台127の間であって、清掃部材201の移動軌跡内に、清掃部材201に付着した紙粉やトナー屑などの断裁屑を払い落とす屑払い部材215が設けられている。屑払い部材215は、たとえば、腰のある可撓性の部材が好ましく、たとえば樹脂製(たとえばポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethyleneterephthalate))の板材である。屑払い部材215は固定されており、モケット202が屑払い部材215に接して通過することで、モケット202に付着した断裁屑が払い落とされる。屑払い部材215は導電性を付与されていて接地されていることが好ましい。これにより清掃部材201のモケット202に接触することで、屑払い部材215と清掃部材201とが導通して清掃部材201(モケット202)からの屑離れを良くする。
屑払い部材215の下には、屑受け216が設けられていて、払い落とされた断裁屑を受けて、飛散しないようにしている。屑受け216は外部から取り出し可能であることが好ましい。なお、この屑受けはなくてもよく、後述する後処理装置における断裁屑処理部140によって排出されるようにしてもよい。
ベルト206の清掃部材201が接続されている反対側となる位置に、コロ207が取り付けられている。コロ207は固定されているレール上を移動する。このコロ207とレールによって、清掃部材201を第1押圧面127Aに押さえ付ける。
図6は、清掃部材、ベルト、およびコロの関係を説明する側面図である。
清掃部材201が接続されている根本部分に当たるベルト走行面の一方206Aが支点となり、レールに乗っているコロ207が力点、清掃部材201の先端側が作用点となる。これにより、てこの原理が働いて、常に安定した力で第1押圧面127Aを押さえ付ける。したがって、ベルト206が移動する際に、ベルト206が多少撓んだり振動したりしても、清掃部材201は第1押圧面127Aを清掃することができる。
退避位置には、清掃部材201が退避位置にあることを検知する位置センサーが設けられている。第1退避位置RP1側に第1退避位置センサー221、第2退避位置RP2側に第2退避位置センサー222が設けられている。位置センサー221および222は、たとえば、清掃部材201が退避位置に来ることで接触してスイッチがオン、離れるとオフとなるスイッチなどでよいし、また光センサーなどの非接触センサーであってもよい。そのほかのものでもよく限定されない。
清掃部材201の長さは、最も汚れが残りやすい第1押圧面127A上における端部127Bの近傍を必ず清掃できるように、第1押圧面127Aの端部127Bから奥行きCD(図4参照)の半分程度までは届く長さとすることが好ましい。また、図4に示すように、第1押圧面127A上における端部127Bから奥行きCDすべてに届く長さが最も好ましい。第1押圧面127Aの端部127Bとは、断裁刃121が断裁時に移動する側の端部である。これは用紙束の切断時に小口部が突出する側の端部でもある。
この点、従来技術(特開2007−307656号公報)のように、断裁刃部分を叩くように回転するパドルでは、第1押圧面127Aの端部を叩くことはできるが、第1押圧面127Aの奥行き方向には入り込まないため、第1押圧面127Aを清掃することはできない。
清掃部材201の大きさの一例を、図4を参照して説明する。ここでは断裁可能幅としてA3用紙の短辺を裁断する断裁装置を例に説明する。
このような断裁装置は、最大通紙幅SW=331mmに設定されており、第1押圧面127Aの大きさは、幅CW(長手方向)=360mm、奥行きCD=30mmとなっている。
ベルト206から第1押圧面127Aの端部までの距離Hは、35mm程度である。この距離Hは、用紙束を断裁する際に、第1押圧面127Aの端部127Bから突出した用紙束がベルト206などの清掃部200の部材に当たらないようにする距離である。この距離Hは断裁する用紙束の枚数に依存するが、たとえば裁断可能枚数(断裁する最大用紙枚数)が100枚の場合、20mm程度あればよく、余裕を見て35mとしている。もちろんさらに多くの用紙を断裁する装置では、それに合わせて長くすることが好ましい。
清掃部材201の根本から先端までの長さCHは、CD+Hより長くすることが好ましい。ただし、あまり長くすると、筐体(不図示)などに接触するおそれがある。ここでは、これらを考慮して清掃部材201の長さCH=80mmとした。このような長さとすることで、清掃部材201の清掃軌跡範囲CTR内に最大通紙幅SWの範囲を含むようになる。
なお、図3〜5において1点鎖線で示した清掃部材201は、清掃部材201の動きを示すものであり、本実施形態において清掃部材201は1本である。しかし、複数の清掃部材201を設けてもよい。片道1回の移動で、2本(またはそれ以上)の清掃部材201が同じ方向へ動くなどである。
図6を参照して、アーム203と第1押圧面127Aとの隙間A1Hは、アーム203が第1押圧面127Aに接触しない程度であればよく、たとえば1〜5mm程度である。この隙間A1Hにモケット202が存在する。モケット202の厚さは隙間A1Hより長い。たとえば、10〜15mm程度である。このような隙間A1Hとモケット202の厚さによって、前述したコロ207の働きと共に確実に第1押圧面127Aを清掃する。
アーム203の厚さAHは、清掃部材201の形状を保つことができる剛性があればよく、とくに限定されない。たとえばアルミニウムやステンレスなどの金属製の場合、2〜20mm程度が好ましい。
清掃部200の動作を説明する。
図7は、断裁装置の動作手順を示すフローチャートである。この手順は、たとえば、後述する後処理装置の制御部(後処理制御部)によって実行される。
まず、後処理制御部は、後処理装置において、作製した用紙束を固定支持台127上に搬入する(S11)。
続いて、小口加圧部材115を下降させ、第1押圧面127Aと第2押圧面116Aで用紙束を挟持し、押圧する(S12)。
続いて、断裁刃121により用紙束の小口部を断裁する(S13)。
続いて、小口加圧部材115を上昇させ、用紙束を開放する(S14)。
続いて、後処理装置において、用紙束を固定支持台127上から搬出する(S15)。
続いて、第1退避位置センサー221がオンか否かを判断する(S16)。第1退避位置センサー221がオンであれば清掃部材201が第1退避位置RP1にあるので(S16:YES)、清掃部材201を第2退避位置RP2の方向へ移動するようにモーターM3を回転させる(S17)。
その後、第2退避位置センサー222がオンか否かを判断する(S18)。ここで第2退避位置センサー222がオンでなければ(S18:NO)、継続してモーターM3を回転させる(S17)。第2退避位置センサー222がオンであれば(S18:YES)、清掃部材201が第2退避位置RP2に到達したことになるので、モーターM3を停止させる(S19)。
S16において、第1退避位置センサー221がオンでなければ(S16:NO)、清掃部材201が第2退避位置RP2にあるので、清掃部材201が第1退避位置RP1の方向へ移動するようにモーターM3を回転させる(S20)。
その後、第1退避位置センサー221がオンか否かを判断する(S21)。ここで第1退避位置センサー221がオンでなければ(S21:NO)、継続してモーターM3を回転させる(S20)。第1退避位置センサー221がオンであれば(S21:YES)、清掃部材201が第1退避位置RP1に到達したことになるので、モーターM3を停止させる(S19)。
モーターM3が停止して一連の手順が終了する。その後は、次の断裁動作になり、この動作手順がS11から繰り返される。
この動作手順からわかるとおり、本実施形態では、基本的に1回の断裁後に、片道1回の清掃移動を行っている。
なお、このような清掃動作は、断裁後だけでなく、たとえば電源投入後、最初の用紙束断裁前にも、少なくとも1回(片道移動)の清掃を行うようにしてもよい。この清掃動作は、たとえば、後処理制御部が電源投入によって、1回清掃部材を移動させるように制御する。
また、清掃部200は、このような後処理装置の制御部による制御だけでなく、断裁装置自体に制御部を設けて制御してもよい。また、制御部(たとえば、CPUやシーケンサーなど)を設けずとも、各センサーやスイッチだけでモーターM3の回転方向を切り替えて動作させてもよい。
次に、清掃効果を説明する。
図8は(a)第1押圧面の清掃前の図面代用写真と(b)その説明模式図である。図8の写真は、第1押圧面127Aの端部127B側上方から第1押圧面127Aを奥行き方向に撮影した写真である。図9は第1押圧面に付着している断裁屑などの汚れを拡大した図面代用写真である。図10は第1押圧面の汚れが付着した用紙束表面を示した写真である。
図8および9に示すように、第1押圧面127Aの表面には、断裁屑が多く付着していることがわかる。また第1押圧面127Aと端部127Bとの接線となるエッジにおいても、断裁屑が多く付着していることがわかる。
これは、第1押圧面127Aは上向きであるため、断裁時に舞い上がった細かな紙粉やトナー屑などが降り注ぐことになって、断裁屑が付着しやすいためである。このような第1押圧面127Aに用紙束が来て第1押圧面127Aと第2押圧面116Aによって挟持、加圧されると、図10に示したように、断裁後の用紙束の表面に、断裁屑が付着して汚してしまうことになる。とくに、カラー画像を形成した用紙の断裁後は、色トナーが断裁屑に含まれる。色トナーを含む断裁屑が用紙束に付着すると、非常に目立ち、出来上がった冊子の見栄えが悪いものとなる。
図11は(a)第1押圧面の清掃後図面代用写真と(b)その説明模式図である。図11の写真は、第1押圧面127Aの端部127B側上方から第1押圧面127Aを奥行き方向に撮影した写真である。
図11に示すように、本実施形態同様の装置構成からなる清掃部を用いて清掃した後の第1押圧面127Aは、わずかに、微小な屑が認められるものの、図8の清掃前と比較して、断裁屑はほとんどないことがわかる。とくに、エッジ部分には全く断裁屑が付着していない。したがって、断裁後の清掃によって、第1押圧面127Aの汚れはほとんどなくなるため、清掃後に断裁する用紙束へ汚れが付着することはない。
(変形例)
この変形例は、第1押圧面127Aと共に刃受け板116の第2押圧面116Aも清掃する。
図12は、第1押圧面127Aと第2押圧面116Aを共に清掃する清掃部200の構成を説明する概略側面図である。
第1押圧面127Aと第2押圧面116Aの両面を清掃するためには、清掃部材201のアーム203の上下にモケット202Aおよび202Bを設ける。これにより1回の清掃動作(清掃部材201の片道移動)で第1押圧面127Aと第2押圧面116Aの両面を清掃できる。
待機状態においてアーム203の上下に設けられたそれぞれのモケット202Aおよび202Bが第1押圧面127Aと第2押圧面116Aを清掃できるように、アーム203の厚さを調整する。たとえば、裁断可能枚数が100枚の断裁装置の場合、待機状態では第1押圧面127Aと第2押圧面116Aの間隔ABHが約20mmである。アーム203の下面から第1押圧面127Aまでの隙間A1Hと、アーム203の上面から第2押圧面116Aまでの隙間B1Hがおおむね同じになるようにする。たとえば、A1H=B1H=1〜5mm程度になるようにする。このためアーム203の厚さAHは、18〜10mmとすればよい。モケット202Aおよび202Bの厚みはいずれも、たとえば、10〜15mm程度とする。
その他の構成は上述した実施形態と同様であるので説明は省略する。
図13は、刃受け板の部分拡大図ある。
刃受け板116の第2押圧面116Aは下を向いている。このため、断裁屑の付着は少ない。しかし、第2押圧面116Aは、いわゆるまな板であり、断裁刃121が当たるため、その部分にへこみ160ができる。このへこみ160に舞い上がった断裁屑が付着してしまうと、断裁刃121が当たるたびに押し込まれてしまうことがある。これが繰り返されると、へこみ160に断裁屑が蓄積して固着して、用紙束を押圧したときに用紙束表面を汚してしまう。
本変形例では、第2押圧面116Aも清掃することとしたので、舞い上がった断裁屑がへこみ160に付着したとしても、その直後に清掃されるため、次回の断裁時に押し込まれることがなくなる。このため、用紙束表面を汚してしまうことを防げる。
以上説明した本実施形態(変形例含む。以下同様)の断裁装置によれば以下の効果を奏する。
本実施形態の断裁装置は、清掃部材201が押圧面(第1押圧面127A、第2押圧面116Aのいずれか一方、または両方。以下同様)を断裁刃121が移動する側の端部から、押圧面の長手方向に対して交差する方向(端部から見て奥行き方向)、とくに直交する方向に延伸した状態で、長手方向に移動して清掃する。これにより押圧面上の断裁屑が除去されるので、次回断裁する用紙束が断裁屑によって汚れてしまうことを防止できる。
また、退避位置の手前で屑払い部材215によって清掃部材201に付着した断裁屑を払い落とすので、清掃部材201に付着した断裁屑が次の清掃時に押圧面に再付着してしまうことがない。
また、清掃部材201は、押圧面の上を押圧面の長手方向において往復移動させて、退避位置で停止させるので、清掃部材201に付着した断裁屑をまき散らしてしまうこともない。
以上本実施形態として断裁装置の一例を説明したが、断裁装置はこのような構成に限定されない。たとえば、上述した断裁装置では、清掃部材201が押圧面の長手方向に往復移動することとした。しかし、これに限らず、清掃部材201が押圧面の長手方向において一方向に移動するようにしてもよい。たとえば、清掃部材201が第1退避位置から押圧面を一方向に移動して第2退避位置に到達したのち、押圧面以外の部分を通って(この間に断裁動作を行ってもよい)、第1退避位置に戻る。そして次の断裁後にこれを繰り返す。このようにする場合、モーターを逆転させる必要がなくなるので、モーターや駆動機構に係る負荷が少なくなりまた制御も簡単にできる。
また、清掃部200以外の構成についても、さまざまな形態が可能であり、たとえば、断裁刃121を第2押圧面116A側から降ろすようにしてもよい。
また、第1押圧面127Aと第2押圧面116Aは、いずれも水平でなくてもよい。とくに変形例のように第1押圧面127Aと第2押圧面116Aを共に清掃する場合は、第1押圧面127Aと第2押圧面116Aがどのような向きであってもよい。
[画像形成システム]
次に、上述した断裁装置を備えた画像形成システムについて説明する。
図14は画像形成システムの全体構成図である。
本実施形態の画像形成システム1000は、図14に示すように、用紙に画像を形成する画像形成装置500と、断裁装置100を有する後処理装置600とからなる。したがって、画像形成装置500から断裁装置100まではインラインで接続されていて、画像形成から用紙束の整合、断裁までの一連の処理が自動で行われる。
(画像形成装置)
画像形成装置500は、画像読取部501、画像処理部502、画像書込形成部520、給紙カセット504、給紙部506A、自動両面給紙部(ADU:Auto Duplex Unit)506B、定着部507、排紙部508、等を備えている。また、図示していないが、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)や大容量給紙装置などが備えられていてもよい。
画像形成装置500の図示の左側面の排紙部508側には、断裁装置100を有する後処理装置600が連結されている。
操作部509は画像形成装置500および後処理装置600からなる画像形成システム1000の処理機能を選択、設定する。
画像形成装置500の主制御部10Aは、通信部10C、10D、通信回線10Eを介して、後処理装置600の後処理制御部10Bに接続している。
この画像形成装置500は、カラー画像を形成する。このため、画像書込形成部520はイエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kのそれぞれの色に対応した画像書込形成部521Y、521M、521C、521Kが備えられている。画像書込形成部521Y、521M、521C、521Kにより中間転写ベルト522上に順次各色のトナー画像が重ねられる。各色のトナー画像は、中間転写ベルト522から2次転写ローラー523により用紙S上にカラー画像として転写される。
カラー画像が転写された用紙Sは、定着部507により画像の定着が行われて排紙部508から排紙されて後処理装置600へ渡される。
(後処理装置)
後処理装置は、画像形成装置500から出力された複数枚の用紙を整合して製本する。
図15は後処理装置の中折り、中綴じ処理工程の用紙搬送を示す模式図である。図16は後処理装置の左側面図である。
図15、図16に示すように、操作部509(図14参照)において中折り、中綴じの製本処理が設定されると、画像形成装置500から排出された用紙Sは、後処理装置600の入口部11に導入され、入口ローラー12により挟持され、搬送路切換部G1の下方の用紙搬送路r1に搬送される。
用紙搬送路r1に搬送された用紙Sは、略垂直に下降し、第1停止位置Q1に一時停止して収納される。この第1停止位置Q1において、後続の複数枚の用紙Sが重ね合わせられて収容される。
収容された用紙Sは、搬送ローラー対18A、18B、第1搬送ローラー対18C、18D、および図示しない案内板によって直角方向に移動されて、後処理装置600内部の前面側Bfに回り込む用紙搬送路r2を用紙面を直立させた状態で通過し、第2停止位置Q2において一時停止する。
次に、用紙Sは第2搬送ローラー対18Eによって垂直上方に搬送された後、水平方向に偏向された後、用紙搬送路r3に沿って移動される。
用紙搬送路r3の用紙搬送方向下流側に配置され、用紙先端部を当接させて位置決めして用紙揃え(整合)を行い第3停止位置Q3で一時停止する。
第3停止位置Q3の用紙搬送方向下流側には、中折り部30が配置されている。中折り部30は折りローラー、折り板等から構成され、中折り処理を行う。
中折り部30によって二つ折り処理が行われて折り目部bを形成した折丁SAは、元の水平搬送路に戻される。折丁SAは引き続き、搬送部40の搬送ベルト41、搬送爪42および折丁ガイド部50の導入ガイド部材51によって、折り目部bの延長線方向の用紙搬送路r4に搬送され、中綴じ部60に送り込まれる。
このように、中折り部30は、1乃至3枚の少数枚の用紙Sを中折り処理して、折り目部bをしっかり付け、逐次、中綴じ部60に送り込むことにより、折り目部bの膨らみが少ない用紙束SSを作製することができる。
したがって、中折り部30、搬送部40、折丁ガイド部50、中綴じ部60によって用紙束作製部が構成される。
中折り部30において中折り処理された折丁SAは、搬送部40によって、用紙搬送路r4方向に進行し、中綴じ部60の鞍掛集積部61上に載置される。後続の中折り処理された折丁SAも引き続き用紙搬送路r4を通過して鞍掛集積部61上に積載される。
鞍掛集積部61は、略直交する2枚のガイド板から成り、後処理装置600の本体に固定されている。鞍掛集積部61の頂部近傍には、バネ付勢されて昇降可能な押圧部材61Aが受針機構64に支持された状態で配置されている。
押圧部材61Aの頂部は、上方に略直角な凸形状をなし、その頂部稜線上に中折り処理された折丁SAの折り目部bが載置される。
鞍掛集積部61および押圧部材61A上に載置された複数枚の折丁SAは、幅整合部62によって位置揃えされる。
押圧部材61Aの上方には、打針機構63が固定配置されている。鞍掛集積部61の内部には、押圧部材61Aと受針機構64が上下方向に移動可能に支持されている。
打針機構63と受針機構64とからなる二分割構造の綴じ部は、用紙折り目部方向に2組配置されている。操作部において、中綴じ処理が設定されると、受針機構64が上昇して中綴じ処理を行う。すなわち、2組の綴じ部は押圧部材61A上の折丁SAの折り目部bに沿って、中央振り分け2箇所に綴じ針SPを打針する。
中綴じ部60において中綴じ処理された用紙束SSは、冊子取出部70のアーム部材71の先端部に固定された支持部材72に保持され、アーム部材71によって1点鎖線矢印方向に揺動されて冊子搬送部80に搬送される。
冊子搬送部80に搬送された用紙束SSは、搬送ベルト82上に載置される。搬送ベルト82の回動により用紙束SSは斜め下方に搬送され、さらに、傾斜状態に保持されて、回動する搬送ベルト83により移送されて所定位置に停止する。その後、搬送ベルト83は揺動して水平状態に支持される。
この水平状態になった搬送ベルト83上に載置された用紙束SSの折り目部bの反対側の自由端部である小口部aは、用紙束SSの用紙枚数によって不揃いになっている。この小口部aを断裁装置100の断裁刃121と刃受け板116とにより断裁して切り揃える。
断裁処理されて作製された冊子SSSは、逆回転する搬送ベルト83に載置され、搬送ベルト83に固定された可動整合部材84により冊子SSSの後端部が押圧された状態で搬送され、搬送ベルト83の先端部から矢示方向に落下する。したがって、断裁装置100への用紙束の搬入、搬出はスイッチバック式である。
落下した冊子SSSは、回動する排出ベルト85により後処理装置600の前面側Bfの外方に配置された排紙トレイ86に排出される。
冊子搬送部80と断裁装置100の下方には、断裁屑処理部140が配置されている。断裁装置100の断裁刃121、刃受け板116によって小口部aが断裁された断裁屑SBは、回動する断裁屑搬送ベルト141上に落下して移送され、断裁屑容器142内に収容される。
(画像形成システムにおける断裁動作)
画像形成システム1000では、第1押圧面127Aの汚れの程度を予測して清掃動作を制御する。
図17は、画像形成システム1000における断裁装置の動作設定の手順を示すフローチャートである。図18は画像形成システム1000における断裁装置の動作手順を示すフローチャートである。
画像形成システム1000の主制御部10Aは、断裁屑が発生しやすい条件か否かを判断する(S31)。この判断は、画像を形成する複数枚の用紙のカバレッジが所定値以上の場合、断裁する小口部分の用紙枚数が所定枚数以上の場合、用紙種が再生紙の場合、用紙の目が用紙繊維を断裁する方向の場合のうち、少なくともいずれか1つの場合に、断裁屑が発生しやすい条件であるとする。
カバレッジは、紙面の面積に対する全面ベタ相当のトナー濃度領域のことである。カラーで表現される色については各色の合計となる(つまり、シアン(C)何%+イエロー(Y)何%+マゼンタ(M)何%+ブラック(K)何%などとなる)。具体的にはたとえば、C100%+Y100%=カバレッジ200%ということになる。しかし、冊子を作製する場合、ベタ画像(たとえば全面写真画像)が、用紙束とするすべてのページになることは少ない。一方、通常の文字のみの画像形成においては、カバレッジは2〜5%程度である。冊子を形成する場合、このようなベタ画像のページや文字のページあるいは写真と文字が混合されたページなどの用紙から用紙束が構成される。このため用紙束全体のカバレッジは、たとえば、平均10%程度、最大でも60%程度になる。断裁屑が発生しやすいカバレッジの所定値としては、用紙束全体でカバレッジ10%以上の場合を断裁屑が発生しやすいとする。
断裁する小口部分の用紙枚数は、所定枚数として、たとえば裁断可能枚数の半分とする。たとえば裁断可能枚数100枚の断裁装置の場合、50枚以上で断裁屑が発生しやすいものとする。
紙種は、たとえば、再生紙の場合、断裁時に紙粉が発生しやすいので、再生紙の使用時には断裁屑が発生しやすいものとする。なお、再生紙とは、再生パルプ100%の用紙だけでなく、再生パルプを純パルプに混合させて製紙した用紙を含む。
用紙の目方向とは、用紙の繊維を切断する方向に断裁するか否かを判断するもので、用紙の繊維を切断する方向に切る場合に断裁屑が発生しやすいものとする。なお、用紙の目は用紙の仕様などとして提供されている。
このS31の判断において、断裁屑が発生しやすいとなった場合(S31:YES)、清掃動作条件設定として、清掃部材201の動作回数を増加させるか、または動作速度を低速にする(S32)。清掃部材201の動作回数を増加させるというのは、たとえば、断裁1回につき往復1回にする。さらに多くの動作回数としてもよい。ただし、あまり動作回数を多くすると清掃に時間がかかり次の断裁が遅くなって生産性が低下してしまうので、往復1回程度が好ましい。また、動作速度を低速にするというのは、清掃部材201の移動速度を通常速度より遅くするのである。このとき動作回数は断裁1回に片道1回のままとしておく。清掃部材201の移動速度を遅くすることで、断裁屑をとらえやすくなり、清掃効果が上がる。
複数回の移動と動作速度を低速にすることを組み合わせてもよい。
清掃部材201の通常速度は、あらかじめ断裁屑が発生しやすい条件ではないときに、片道1回の清掃で用紙束が汚れないように清掃できる速度を設定しておくことが好ましい。
一方、S31の判断において、断裁屑が発生しやすい条件ではない場合(S31:NO)、生産性優先か否かを判断する(S33)。生産性優先である場合(S33:YES)は、清掃動作条件設定として、清掃部材201の動作回数を減らす。具体的にはたとえば清掃部材201の動作回数を断裁複数回ごとに片道1回の動作とする(S34)。このとき動作速度は通常速度である。たとえば1回の断裁枚数が少ない場合、複数枚の整合にかかる時間よりも清掃動作にかかる時間が長くなってしまうことがある。そのような場合、断裁待ちが発生する。そこで、生産性優先とすることで、このような断裁待ちを減らすことができる。生産性優先とするか否かは操作部からの入力によって行われるようにしてもよいし、断裁する枚数(冊子とするページ数)から、複数枚の整合にかかる時間よりも清掃動作にかかる時間が長くなってしまう場合に生産性優先となるように、主制御部に自動判断させてもよい。
一方、S33の判断において、生産性優先でない場合(S33:NO)、通常動作となるように、断裁1回に片道1回の動作とする(S35)。
続いて、主制御部10Aは、設定された清掃動作条件を後処理装置600の後処理制御部10Bへ転送する。
続いて図18を参照して後処理装置における動作手順を説明する。
既に説明した断裁装置の動作手順(図8参照)と同様のステップは同じステップ番号(S番号)を付し説明を省略する。
後処理制御部10Bは、主制御部10Aからの清掃動作条件を受信する(S51)。その後S11〜S15までは既に説明した断裁装置の動作手順と同じである。
その後、S56において、第1退避位置センサー221がオンであれば(S56:YES)、清掃動作条件に従って、清掃部材201が第2退避位置RP2の方向へ移動するようにモーターM3を回転させる(S57)。ここでは、清掃動作条件に従って清掃部材201の移動速度を変更してモーターM3を回転させる。
その後、第2退避位置センサー222がオンか否かを判断する(S58)。第2退避位置センサー222がオンでなければ(S58:NO)、S57へ戻り、モーターM3の回転を継続する。
一方、第2退避位置センサー222がオンであれば(S58:YES)、清掃動作条件を満たすか否かを判断する(S59)。ここでは、清掃動作条件に従った回数、清掃部材201を移動させたか否かを判断する。片道1回を1清掃とカウントする。往復移動が設定されていれば2回の清掃で清掃動作条件を満たすことになる。清掃動作条件を満たしていなければ(S58:NO)、この段階で清掃部材201は第2退避位置RP2に到達しているので、モーターM3を清掃部材201が第1退避位置RP1の方向へ移動するように回転させる(S60)。S60の後は後述するが、S62で清掃動作条件を満たすならばモーターM3を停止させる(S19)。
一方、S58で、清掃動作条件を満たすならば(S59:YES)、モーターM3を停止させる(S19)。
S56において、第1退避位置センサー221がオンでなければ(S56:NO)、清掃動作条件に従って、清掃部材201が第1退避位置RP1の方向へ移動するようにモーターM3を回転させる(S60)。
その後、第1退避位置センサー221がオンか否かを判断する(S61)。第1退避位置センサー221がオンでなければ(S61:NO)、S60へ戻り、モーターM3の回転を継続する。
一方、第1退避位置センサー221がオンであれば(S61:YES)、清掃動作条件を満たすか否かを判断する(S62)。清掃動作条件を満たしていなければ(S62:NO)、この段階で清掃部材201は第1退避位置RP1に到達しているので、モーターM3を、清掃部材201が第2退避位置RP2の方向へ移動するように回転させる(S57)。その後は、S57からS58を経てS59に入り、ここで清掃動作条件を満たしていればモーターM3を停止させる(S19)。
一方、清掃動作条件を満たすならば(S62:YES)、モーターM3を停止させる(S19)。
以上本実施形態の画層形成システムによれば、以下の効果を奏する。
本実施形態の画層形成システムによれば、断裁における断裁屑の発生しやすさを予測して押圧面を清掃することにした。これにより、断裁屑が出やすい場合にも確実に押圧面から断裁屑を除去して、用紙束の汚れを防ぐことができる。一方、断裁屑が出やすいという条件ではない場合、生産性を低下させることなく清掃動作を行うことができる。
なお、画像形成システムとしては、断裁後の清掃動作を汚れの程度を予測してその回数や動作速度を制御することとしたが、これに代えて、画像形成システムにおいても、単純に断裁1回に片道1回の清掃動作としてもよい。
以上、本実施形態の画像形成システム1000の一例として、画像形成装置500に接続した中折り、中綴じ機能を有する後処理装置600について説明したが、中綴じを先行処理した後に中折り処理する後処理装置の断裁装置にも適用可能である。または、後処理装置が糊付け製本装置等の用紙束作製装置であってもよい。
また、軽印刷機に接続された製本装置に本実施形態の断裁装置を備えた後処理装置を選択的に接続して、多目的、多機能の後処理を一貫して処理することも可能である。
また、軽印刷機、プリンタ、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に接続して使用する後処理装置にも適用することにより、同様な効果を得ることができる。
また、前述した実施形態では、記録方式として電子写真方式を例示したが、これに限定されるものではなく、たとえば、インクジェット方式等の他の記録方式であってもよい。
また、画像形成装置から分離した単独の形態の後処理装置として各種折り処理、綴じ処理、断裁処理を実施することも可能である。
以上本発明を適用した実施形態(変形例含む)を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。本発明は特許請求の範囲に記載された構成に基づきさまざまな改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。