JP2015047657A - 用紙加工装置及び用紙加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】裁断刃とローラ対との間のスペースが狭く構成された場合であっても、余白部の裁断片をスムーズに排出させる。
【解決手段】用紙加工装置は、余白部を裁断する裁断刃と、裁断刃の上流側に配置されて、上流駆動ローラと上流従動ローラとを有する上流側ローラ対と、裁断刃の下流側に配置されて、下流駆動ローラと下流従動ローラとを有する下流側ローラ対と、裁断刃と上流側ローラ対と下流側ローラ対との各動作を制御する制御部と、を備え、上流従動ローラが上流駆動ローラの軸心を中心に回動するように構成され、及び/又は、下流従動ローラが下流駆動ローラの軸心を中心にニップ状態で回動するように構成され、制御部は、余白部の裁断片の排出方向が、用紙搬送方向に対して斜め下向きとなるように、上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラを通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動させるように制御する。
【選択図】図7

Description

この発明は、用紙搬送方向と直交する方向に用紙の余白部を裁断する余白裁断加工部を有する用紙加工装置及び用紙加工方法に関する。
用紙加工装置では、用紙を2組のローラ対で搬送し、当該2組のローラ対の間に配置された裁断刃によって、用紙における余白部を用紙搬送方向と直交する方向に裁断することが行われている。(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1は、用紙搬送方向と直交する方向に用紙の余白部を裁断する際に発生する余白部の裁断片を掻き落としたり掃き落としたりすることによって、余白部の裁断片の滞留や詰まりを防止する余白部の裁断片排出機構を備える裁断装置を開示する。
特開2010−240820号公報
ところで、製品の短手が用紙搬送方向に延在するとともに製品の長手が用紙搬送方向と直交する方向に延在するような名刺サイズの製品が複数個並んで配置された用紙から名刺サイズの製品を裁断しようとする場合、すなわち名刺サイズの製品を横送り裁断しようとする場合、2組のローラ対の間隔(ピッチ)が狭くなる。例えば、2組のローラ対の間隔(ピッチ)が、50mm程度になる。裁断刃は、上流側ローラ対と下流側ローラ対との間に配置されるが、上記横送り裁断の場合には、上流側ローラ対及び下流側ローラ対と裁断刃との間の間隔(ピッチ)が狭くなってしまう。すなわち、各ローラ対が裁断刃に対して接近する。裁断刃の用紙搬送方向のサイズやローラ径に依存するものの、上流側ローラ対と裁断刃との間の間隔(ピッチ)が3mm程度になることもある。一般的には、裁断刃のうち下側にある刃が固定刃であるために、下側の固定刃が用紙搬送方向の上流側に突出する構成になるので、とりわけ固定刃の上流側においては、余白部の裁断片を排出するためのスペースを十分に確保することが困難である。
なお、裁断刃の下流側では、構成上、裁断幅を細かくして裁断することができるために、裁断刃の上流側よりも、余白部の裁断片を排出するためのスペースを確保しやすいという有利さがある。しかしながら、細かく裁断することは、裁断処理時間に要する時間が長くなってしまうので、効率的な処理とは言えない。したがって、裁断刃を挟んだ下流側においても、余白部の裁断片を排出するためのスペースが十分に確保されていることが望ましい。
特許文献1では、余白部の裁断片を掻き落としたり掃き落としたりするような排出機構が、上流側ローラ対と裁断刃との間のスペースに、又は、下流側ローラ対と裁断刃との間のスペースに、配置されている。特許文献1の裁断片排出機構を用いて余白部の裁断片を適切に排出させるためには、裁断片排出機構を裁断刃に対して隣接配置する必要がある。したがって、特許文献1の裁断片排出機構では、ローラ対と裁断刃との間のスペースが狭く構成された場合、裁断片排出機構の設置が物理的に困難になるとともに、静電気等によって余白部の裁断片をスムーズに排出させることが困難であるという問題がある。
したがって、この発明の解決すべき技術的課題は、裁断刃と該裁断刃を挟んで配置されるローラ対との間のスペースが狭く構成された場合であっても、余白部の裁断片をスムーズに排出させることができる用紙加工装置を提供することである。
上記技術的課題を解決するために、この発明によれば、以下の用紙加工装置が提供される。
すなわち、本発明の請求項1に係る用紙加工装置は、
用紙の余白部を裁断する裁断刃と、
前記裁断刃に対して用紙搬送方向の上流側に配置されて、上流駆動ローラと、該上流駆動ローラに対して従動する上流従動ローラと、を有する上流側ローラ対と、
前記裁断刃に対して用紙搬送方向の下流側に配置されて、下流駆動ローラと、該下流駆動ローラに対して従動する下流従動ローラと、を有する下流側ローラ対と、
前記裁断刃と前記上流側ローラ対と前記下流側ローラ対との動作をそれぞれ制御する制御部と、を備え、
前記上流従動ローラが前記上流駆動ローラの軸心を中心にして該上流駆動ローラに対してニップ状態で回動するように構成され、及び/又は、前記下流従動ローラが前記下流駆動ローラの軸心を中心にして該下流駆動ローラに対してニップ状態で回動するように構成され、
前記制御部は、余白部の裁断片の排出方向が、用紙搬送方向に対して斜め下向きとなるように、前記上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラを通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動させるように制御することを特徴とする。
本発明の請求項2に係る用紙加工装置では、前記制御部は、前記上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラが傾斜ニップ位置に留まっている時間を調整することを特徴とする。
本発明の請求項3に係る用紙加工装置では、前記制御部は、前記上流駆動ローラ及び/又は下流駆動ローラが逆回転することにより、余白部の裁断片を一旦用紙搬送方向と反対方向に送った後、前記上流駆動ローラ及び/又は下流駆動ローラが正回転することにより、余白部の裁断片を用紙搬送方向に送るように制御することを特徴とする。
本発明の請求項4に係る用紙加工装置では、前記制御部は、前記上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラが前記通常搬送ニップ位置と前記傾斜ニップ位置との間を繰り返し回動するように制御することを特徴とする。
本発明の請求項5に係る用紙加工方法では、
用紙の余白部を裁断する裁断刃と、
前記裁断刃に対して用紙搬送方向の上流側に配置されて、上流駆動ローラと、該上流駆動ローラに対して従動する上流従動ローラと、を有する上流側ローラ対と、
前記裁断刃に対して用紙搬送方向の下流側に配置されて、下流駆動ローラと、該下流駆動ローラに対して従動する下流従動ローラと、を有する下流側ローラ対と、
前記裁断刃と前記上流側ローラ対と前記下流側ローラ対との動作をそれぞれ制御する制御部と、を備える用紙加工装置における用紙加工方法であって、
前記上流従動ローラが前記上流駆動ローラの軸心を中心にして該上流駆動ローラに対してニップ状態で回動するように構成され、及び/又は、前記下流従動ローラが前記下流駆動ローラの軸心を中心にして該下流駆動ローラに対してニップ状態で回動するように構成され、
前記制御部は、余白部の裁断片の排出方向が、用紙搬送方向に対して斜め下向きとなるように、前記上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラを通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動させるように制御することを特徴とする。
本発明の請求項6に係る用紙加工方法では、前記制御部は、前記上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラが傾斜ニップ位置に留まっている時間を調整することを特徴とする。
本発明の請求項7に係る用紙加工方法では、前記制御部は、前記上流駆動ローラ及び/又は下流駆動ローラが逆回転することにより、余白部の裁断片を一旦用紙搬送方向と反対方向に送った後、前記上流駆動ローラ及び/又は下流駆動ローラが正回転することにより、余白部の裁断片を用紙搬送方向に送るように制御することを特徴とする。
本発明の請求項8に係る用紙加工方法では、前記制御部は、前記上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラが前記通常搬送ニップ位置と前記傾斜ニップ位置との間を繰り返し回動するように制御することを特徴とする。
請求項1に係る発明では、従動ローラが通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動することにより、余白部の裁断片の排出方向が、用紙搬送方向(すなわち略水平方向)に対して斜め下向きに方向付けされているので、余白部の裁断片が重力による自由落下しやすくなる。したがって、ローラ対と裁断刃との間のスペースが狭く構成された場合であっても、余白部の裁断片がスムーズに排出されるという効果を奏する。
請求項2に係る本発明では、搬送用紙の種類や静電気の発生状況に応じて、裁断片が自由落下するためのスペース(時間)が確保されることにより、裁断片の排出がより確実に実行されるという効果を奏する。
請求項3に係る発明では、裁断片がローラ対で斜め下方に押し出されることにより斜め下向きへの運動エネルギ(勢い)が裁断片に与えられるので、裁断片の排出がより確実に実行されるという効果を奏する。
請求項4に係る発明では、振動(衝撃)が裁断片に与えられるので、裁断片の排出がより確実に実行されるという効果を奏する。
請求項5に係る発明では、従動ローラが通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動することにより、余白部の裁断片の排出方向が、用紙搬送方向(すなわち略水平方向)に対して斜め下向きに方向付けされているので、余白部の裁断片が重力による自由落下しやすくなる。したがって、ローラ対と裁断刃との間のスペースが狭く構成された場合であっても、余白部の裁断片がスムーズに排出されるという効果を奏する。
請求項6に係る本発明では、搬送用紙の種類や静電気の発生状況に応じて、裁断片が自由落下するためのスペース(時間)が確保されることにより、裁断片の排出がより確実に実行されるという効果を奏する。
請求項7に係る発明では、裁断片がローラ対で斜め下方に押し出されることにより斜め下向きへの運動エネルギ(勢い)が裁断片に与えられるので、裁断片の排出がより確実に実行されるという効果を奏する。
請求項8に係る発明では、振動(衝撃)が裁断片に与えられるので、裁断片の排出がより確実に実行されるという効果を奏する。
この発明の一実施形態に係る用紙加工装置の全体構成を模式的に示す縦断面図である。 図1に示した用紙加工装置のブロック図である。 上流従動ローラの回動機構を示す正面図である。 図3に示した回動機構の斜視図である。 図3に示した回動機構の要部拡大図である。 図3に示した回動機構の要部拡大図である。 用紙と、裁断刃と、回動機構を備える上流側ローラ対と、下流側ローラ対との関係を説明する模式図である。 用紙と、裁断刃と、上流側ローラ対と、回動機構を備える下流側ローラ対との関係を説明する模式図である。 第1実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、裁断刃による裁断動作を示す。 第1実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、下方に配置された上流従動ローラが傾斜ニップ位置に回動することを示す。 第1実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、上方に配置された上流駆動ローラが正回転することを示す。 第1実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、裁断片が自由落下することを示す。 第2実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、裁断刃による裁断動作を示す。 第2実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、上方に配置された上流駆動ローラが逆回転することを示す。 第2実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、下方に配置された上流従動ローラが傾斜ニップ位置に回動することを示す。 第2実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、上流駆動ローラが正回転して裁断片を排出することを示す。 第3実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、裁断刃による裁断動作を示す。 第3実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、下方に配置された上流駆動ローラが逆回転することを示す。 第3実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、上方に配置された上流従動ローラが傾斜ニップ位置に回動することを示す。 第3実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、上流駆動ローラが正回転して裁断片を排出することを示す。 第4実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、裁断刃による裁断動作を示す。 第4実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、下方に配置された上流駆動ローラが逆回転することを示す。 第4実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、上方に配置された上流従動ローラが傾斜ニップ位置に回動することを示す。 第4実施形態に係る、後端の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、上流駆動ローラが逆回転して裁断片を排出することを示す。 第5実施形態に係る、前端等の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、裁断刃による裁断動作を示す。 第5実施形態に係る、前端等の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、下方に配置された下流従動ローラが傾斜ニップ位置に回動することを示す。 第5実施形態に係る、前端等の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、上方に配置された下流駆動ローラが逆回転することを示す。 第5実施形態に係る、前端等の裁断片の排出動作を説明する模式図であって、裁断片が自由落下することを示す。 第1実施形態に係る、後端の余白部の裁断動作及び排出動作を行う制御を説明するフローチャートである。 第2実施形態に係る、後端の余白部の裁断動作及び排出動作を行う制御を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照しながら用紙加工装置1及び用紙加工方法を説明するが、説明の都合上、図1等に記載しているように、用紙搬送方向Tを「前方」又は「下流側」と、用紙搬送方向Tの反対方向を「後方」又は「上流側」と呼んでいる。また、用紙搬送経路を挟んだ上下を、「上側」又は「下側」と呼んでいる。また、用紙幅方向(用紙搬送方向Tと直交する水平方向)を「左右方向」と呼び、後方から見た状態で「右方」と「左方」を規定している。さらに、用紙Pを用紙搬送方向Tに搬送するように上流駆動ローラ41,下流駆動ローラ51が回転する回転方向を正回転と、用紙Pを用紙搬送方向Tの反対方向に搬送するように駆動ローラ41,51が回転する回転方向を逆回転と呼んでいる。
(用紙加工装置の全体構成)
図1は、この発明の一実施形態に係る用紙加工装置1の全体構成を模式的に説明する縦断面図である。この用紙加工装置1は、積載された多数枚の用紙P(用紙束Q)から用紙Pを1枚ずつ用紙搬送方向Tに送り出す給紙装置7と、給紙装置7から送り出された用紙Pを搬送しながら加工する加工装置本体2と、排紙トレイ18と、を備えている。給紙装置7から排紙トレイ18に至る経路においては、複数個のローラ対4と、上流側ローラ対40及び下流側ローラ対50と、からなる搬送手段によって、用紙搬送経路10が形成されている。用紙搬送経路10の途中に適宜に設けられた用紙検出センサによって、搬送中の用紙Pの位置が検出される。
給紙装置7は、給紙ユニット3と、吸着搬送機構8と、斜行搬送機構9と、を備えている。給紙ユニット3は、多数枚の用紙Pが積載されるとともに昇降可能に構成された給紙台30を備えている。給紙台30は、給紙台昇降モータを駆動源とする昇降装置を用いて電動で昇降する。給紙台30の上限位置及び下限位置は、それぞれ上限リミッタスイッチ及び下限リミッタスイッチによって検知されていて、当該リミッタスイッチは万が一のための安全装置として機能する。
用紙搬送経路10上には、給紙装置7の側から順に、少なくとも、第1加工ユニット5A、第2加工ユニット5B、及び余白裁断加工部(裁断刃)5Cが設けられている。第1加工ユニット5A、第2加工ユニット5B、及び余白裁断加工部5Cは、加工装置本体2に対して着脱自在なユニットとして設けられたり、加工装置本体2に対して固設されたりすることができる。それらがユニットとして用いる場合には、いずれの設置場所にも着脱できるように、外観上同じ寸法や形状を有するように構成される。また、第1加工ユニット5A、第2加工ユニット5B、及び余白裁断加工部5Cには、駆動手段(図示せず)が連結されている。なお、第1加工ユニット5A、第2加工ユニット5Bは、2つの加工ユニットだけを意味するのでなく、2つ以上の加工ユニットを含むことができる。加工ユニットとして、縦裁断用ユニット、横裁断用ユニット、縦折り型用ユニット、横折り型用ユニット、丸め加工用ユニット又はミシン目加工用ユニット等を例示することができる。加工用途に応じて、これらの各種加工ユニットの中から必要とされる加工ユニットが選択され、選択された加工ユニットが加工装置本体2内での適宜の位置に組み込まれる。更に、用紙加工装置1は、用紙Pの裁断によって発生する裁断屑を回収するためのゴミ箱5を加工装置本体2内の底部に有している。
(用紙加工装置の電気的構成)
図2は、用紙加工装置1の電気的構成を示すブロック図である。用紙加工装置1は、装置の各種動作を制御する制御部(CPU:中央演算処理装置)6を加工装置本体2に備えている。ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、EEPROM(電気的に消去書き込み可能なメモリ)、操作パネル上のスイッチ類、メインモータ等のモータ、及び各種センサが、I/Oポートを介して、制御部(CPU)6に接続されている。操作パネルを用いて、用紙加工条件や設定情報が入力されたり、情報が表示されたりする。操作パネルには、一連の用紙加工動作を開始するためのスタートボタンが設けられている。
(余白裁断加工部の全体構成)
余白裁断加工部としての裁断刃5Cは、用紙搬送経路10の下流側において、加工装置本体2に対して着脱自在に又は固定的に配設されている。裁断刃5Cは、用紙搬送経路10に対して上方に配置される可動刃21と、用紙搬送経路に対して下方に配置される固定刃22と、から構成されている。可動刃21及び固定刃22は、それぞれ用紙幅方向に延びている。可動刃21は、動力伝達機構を介して可動刃駆動モータ等の駆動源に連結されている。可動刃21は、略水平方向に対して、刃先部から刃元部に行くに従って低くなるように傾斜しており、可動刃駆動モータ等の駆動力により、傾斜状態を保ちながら上下方向に平行移動する。後端又は前端等の余白部(いわゆるドブ)を裁断するために可動刃21が下降し、可動刃21が所定の裁断位置に達しているか否かについては、可動刃下限検出センサによって検出される。
(上流側ローラ対の構成)
図3乃至6を参照しながら、上流側ローラ対40について詳細に説明する。上流側ローラ対40は、裁断刃5Cに対して用紙搬送方向Tの上流側に配置されている。上流側ローラ対40は、用紙搬送経路10の上方に配置された上流駆動ローラ41と、用紙搬送経路10の下方に配置されるとともに上流駆動ローラ41に対して従動する上流従動ローラ42と、によって構成される。上流駆動ローラ41は、駆動ローラ用プーリー48を含む動力伝達機構(図示しない)を介して、上流側ローラ駆動モータ(図示しない)に連結されている。なお、上流側ローラ対40は、用紙搬送経路10の上方に配置されるとともに上流駆動ローラ41に対して従動する上流従動ローラ42と、用紙搬送経路10の下方に配置された上流駆動ローラ41と、によって構成することもできる。
上流従動ローラ42は、従動ローラ用スプリング66によって、上流駆動ローラ41の外周に圧接され、上流駆動ローラ41と上流従動ローラ42との間にニップ領域を形成している。上流駆動ローラ41が軸心O1を中心にして回転するのに伴って、上流従動ローラ42が軸心O2を中心にして従動回転する。なお、押圧ローラ用スプリング67で上流従動ローラ42に向けて付勢された押圧ローラ44は、上流従動ローラ42の中央部分を押圧して、上流駆動ローラ41と上流従動ローラ42との間に形成されるニップ領域全体の均等化を図っている。
(上流従動ローラの回動機構)
上流駆動ローラ41及び回転板駆動ローラ43は、それぞれ、シャフトに取り付けられた支持ベアリング56,55を介して、装置本体2の側壁やユニットボックス等に回転可能に支持されている。板状のアーム61は、長手方向の大略中央部分において、上流駆動ローラ41のシャフトが挿通されるボス穴69を有し、上流駆動ローラ41のシャフトの軸心O1を中心にして回動する。上流従動ローラ42のシャフトの両端は、一対の支持体65によって支持されている。一対の支持体65は、アーム61のガイド溝64において、上流駆動ローラ41の軸心O1の方向に従動ローラ用スプリング66で付勢されながらスライドするように構成されている。したがって、アーム61が上流駆動ローラ41の軸心O1を中心にして回動すると、上流従動ローラ42が上流駆動ローラ41の軸心O1を中心にしてニップ状態で回動する。
アーム61において、ボス穴69を挟んでガイド溝64の反対側には、アーム61の厚み方向に延びる押圧受け部62が形成されているとともに、半円状の回転板49が回転可能に押圧受け部62に隣接配置されている。回転板49は、押圧受け部62に係合するベアリング63を有する。回転板49は、ベルト46及び回転板駆動用プーリー47を含む動力伝達機構を介して、回転板駆動モータ45に連結されている。タイミング検出センサ57が、回転板49の外周部分に配設されており、上流駆動ローラ41の回動すべきタイミングを検出するために用いられる。
ガイド溝64の側の側端にはアーム用スプリング68が取り付けられている。アーム用スプリング68は、傾斜ニップ位置に回動したアーム61(すなわち上流従動ローラ42)が、ホーム位置(すなわち通常搬送位置)に戻るように付勢する。ホーム位置検出センサ58が、アーム61の下端に配設されており、アーム61(すなわち上流従動ローラ42)のホーム位置(すなわち通常搬送位置)を検出する。
図6では、アーム61(すなわち上流従動ローラ42)が、ホーム位置(すなわち通常搬送位置)に存在している。図6において、回転板駆動モータ45が動作すると、回転板49が回転し、回転板49のベアリング63が押圧受け部62を右側に押圧する。それによって、アーム61は、上流駆動ローラ41の軸心O1を中心にして時計回りに回転する。そして、アーム61の下側部分に配置された上流従動ローラ42が、上流駆動ローラ41の軸心O1を中心にしてニップ状態で回転して、ホーム位置(すなわち通常搬送位置)から傾斜ニップ位置(図示しない)に移動する。回転板49がさらに回転すると、ベアリング63が、押圧受け部62から離間して押圧受け部62を押圧することが無くなる。このとき、アーム用スプリング68の引っ張り力がアーム61に作用することによって、アーム61(すなわち上流従動ローラ42)が、軸心O1を中心にして反時計回りに回転しながら、ホーム位置に引き戻される。したがって、回転板49の回転で、アーム61が軸心O1を中心にして往復回動運動を行い、上流従動ローラ42が、ホーム位置(すなわち通常搬送位置)と傾斜ニップ位置との間を、上流駆動ローラ41の軸心O1を中心にしてニップ状態で往復移動する。
(後端の余白部の裁断動作)
用紙Pにおける、後端の余白部Sの裁断動作について、図7及び図14を参照しながら説明する。
図7に示すように、可動刃21及び固定刃22を有する裁断刃5Cを挟んで、用紙搬送方向Tの上流側に上流側ローラ対40が配設され、用紙搬送方向Tの下流側に下流側ローラ対50が配設されている。そして、上流側ローラ対40は、上流従動ローラ42の回動機構を有して、上流従動ローラ42は、軸心O1を中心にして反時計回り(点線の矢印で示す方向)にニップ状態で回動すると、実線で示した通常搬送位置から、点線で示した傾斜ニップ位置に移動するように構成されている。
裁断刃5Cにおいて、可動刃21は固定刃22に対して用紙搬送方向Tの下流側に位置している。可動刃21の下端部には、しのぎ面(刃先部において斜めになった面)23が用紙搬送方向Tの下流側に形成され、固定刃22の上端部には、しのぎ面(刃先部において斜めになった面)24が用紙搬送方向Tの上流側に形成されている。そして、可動刃21が下動することで、可動刃21の用紙搬送方向Tの上流側の面を固定刃22の用紙搬送方向Tの下流側の面とを擦り合わせることにより、用紙Pを用紙幅方向に裁断する。
用紙Pは、上流側ローラ対40と下流側ローラ対50とによってニップされている。用紙Pが用紙搬送方向Tに搬送されて用紙Pが所定の裁断位置に移動するように、上流駆動ローラ41及び下流駆動ローラ51が同期して回転するように両者の回転を制御部6が制御する。用紙Pが所定の裁断位置に達すると、上流駆動ローラ41及び下流駆動ローラ51の回転が停止するように、制御部6が制御する(ステップ#10)。この停止状態で、可動刃21が下降する(ステップ#12)ことによって、用紙Pにおいて、後端の余白部(裁断片)Sが裁断される。裁断された後端の余白部(裁断片)Sは、以下に詳細に説明するように、制御部6が上流駆動ローラ41及び上流従動ローラ42の動作を適切に制御して後端の裁断片Sを排出する排出動作に供せられる。
(第1実施形態に係る、後端の余白部の排出動作)
図7に示された用紙Pを裁断した後での、後端の余白部(裁断片)Sの排出動作の第1実施形態について、図9A乃至図9D、及び図14のフローチャートを参照しながら説明する。
図9Aに示すように、可動刃下限検出センサによって可動刃21の下限位置が検出されるまで、可動刃21が下降する(ステップ#14)。それによって、用紙Pは、上流側ローラ対40によって通常搬送ニップ位置にニップされた後端の裁断片Sと、下流側ローラ対50でニップされた製品Gと、に裁断される。後端の裁断片Sは前端部S1及び後端部S2を有し、前端部S1が固定刃22のしのぎ面24に係留されながら、後端の裁断片Sが全体として用紙搬送方向T(すなわち略水平方向)に延在している。
図9Bに示すように、制御部6は、可動刃21が上昇し(ステップ#16)、遅延タイマーによって例えば10msが経過した(ステップ#18)後、上流側ローラ対40において、上流従動ローラ42が、上流駆動ローラ41の軸心O1を中心にしてニップ状態で、通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動する(ステップ#20)ように制御する。その結果、後端の裁断片Sが、全体として、用紙搬送方向Tである略水平方向から斜め下向きに延在するように、後端の裁断片Sの排出方向Iが変更される。すなわち、制御部6は、後端の裁断片Sの排出方向Iを略水平方向から斜め下向きに変更する動作を行う。また、制御部6は、下流駆動ローラ51が正回転して、ニップされた製品Gを用紙搬送方向Tに向けて搬送するように制御する。
図9Cに示すように、制御部6は、遅延タイマーによって例えば30msが経過した(ステップ#22)後、後端の裁断片Sが全体として斜め下向きに延在している状態で、上流駆動ローラ41が正回転する(ステップ#24)ように制御する。その結果、ニップされていた後端の裁断片Sが、前端部S1を先頭にして斜め下向きに放出され、固定刃22のしのぎ面24等に沿って落下する。
図9Dに示すように、後端の裁断片Sは、例えば、全体として斜め下向きに延在する姿勢を保ちながら、重力によって自由落下する。後端の裁断片Sが、全体として斜め下向きに延在するように方向付けされているので、揚力の発生を抑え、後端の裁断片Sが重力によって自由落下しやすくなる。したがって、上流側ローラ対40と裁断刃5Cとの間のスペースが狭く構成された場合であっても、後端の裁断片Sがスムーズに落下して排出される。なお、当該第1実施形態では、上流従動ローラ42が固定刃22から遠ざかるように移動(すなわち退避)して、上流従動ローラ42と固定刃22との間のスペースが広がっているので、後端の裁断片Sがさらに落下しやすくなっている。
制御部6は、後端の裁断片Sの排出動作を終えると、上流従動ローラ42が傾斜ニップ位置から通常搬送ニップ位置に戻るように回動する(ステップ#26)ように制御する。そして、制御部6は、上流駆動ローラ41及び下流駆動ローラ51の回転が停止する(ステップ#10)ように制御することで、後端の余白部(裁断片)Sについての一連の裁断・排出動作が完了する。
(第2実施形態に係る、後端の余白部の排出動作)
図7に示された用紙Pを裁断した後での、後端の余白部(裁断片)Sの排出動作の第2実施形態について、図10A乃至図10D、及び図15のフローチャートを参照しながら説明する。
上流側ローラ対40と下流側ローラ対50とによってニップされている用紙Pが、用紙搬送方向Tに搬送されて用紙Pが所定の裁断位置に移動するように、上流駆動ローラ41及び下流駆動ローラ51が同期して回転するように両者の回転を制御部6が制御する。用紙Pが所定の裁断位置に達すると、上流駆動ローラ41及び下流駆動ローラ51の回転が停止するように、制御部6が制御する(ステップ#50)。この停止状態で、可動刃21が下降する(ステップ#52)動作が開始する。
図10Aに示すように、可動刃下限検出センサによって可動刃21の下限位置が検出されるまで、可動刃21が下降する(ステップ#54)。それによって、用紙Pは、上流側ローラ対40によって通常搬送ニップ位置にニップされた後端の裁断片Sと、下流側ローラ対50でニップされた製品Gと、に裁断される。後端の裁断片Sは前端部S1及び後端部S2を有し、前端部S1が固定刃22のしのぎ面24に係留されながら、後端の裁断片Sが全体として用紙搬送方向T(すなわち略水平方向)に延在している。
図10Bに示すように、制御部6は、可動刃21が上昇し(ステップ#56)、遅延タイマーによって例えば10msが経過した(ステップ#58)後、略水平方向に延在している後端の裁断片Sをニップする上流駆動ローラ41が逆回転する(ステップ#60)ように制御する。その結果、ニップされていた後端の裁断片Sが、用紙搬送方向Tの反対側すなわち上流側に搬送され、上流側ローラ対40におけるニップ位置が、前端部S1の側にシフトする。また、制御部6は、下流駆動ローラ51が正回転して、ニップされた製品Gを用紙搬送方向Tに向けて搬送するように制御する。
図10Cに示すように、制御部6は、遅延タイマーによって例えば10msが経過した(ステップ#62)後、上流従動ローラ42が、上流駆動ローラ41の軸心O1を中心にしてニップ状態で、通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動する(ステップ#64)ように制御する。その結果、略水平方向に延在するようにニップされた後端の裁断片Sが、後端の裁断片Sが全体として斜め下向きに延在するように、後端の裁断片Sの排出方向Iが変更される。すなわち、制御部6は、排出方向Iを略水平方向から斜め下向きに変更する動作を行う。
図10Dに示すように、制御部6は、遅延タイマーによって例えば30msが経過した(ステップ#66)後、後端の裁断片Sが全体として斜め下向きに延在している状態で、上流駆動ローラ41が正回転する(ステップ#68)ように制御する。その結果、ニップされていた後端の裁断片Sが、前端部S1を先頭にして斜め下向きに勢いよく押し出されながら放出され、固定刃22等に沿って落下する。すなわち、後端の裁断片Sは、重力及び上流側ローラ対40の回転押し出し力によって自由落下する。後端の裁断片Sが、全体として斜め下向きに延在するように方向付けされ且つ上流側ローラ対40の回転押し出し力が加えられているので、後端の裁断片Sがさらに自由落下しやすくなっている。したがって、上流側ローラ対40と裁断刃5Cとの間のスペースが狭く構成された場合であっても、後端の裁断片Sがスムーズに落下して排出される。なお、当該第2実施形態においても、上流従動ローラ42が固定刃22から遠ざかるように移動(すなわち退避)して、上流従動ローラ42と固定刃22との間のスペースが広がっているので、後端の裁断片Sがさらに落下しやすくなっている。
制御部6は、後端の裁断片Sの排出動作を終えると、上流従動ローラ42が傾斜ニップ位置から通常搬送ニップ位置に戻るように回動する(ステップ#70)ように制御する。そして、制御部6は、上流駆動ローラ41及び下流駆動ローラ51の回転が停止する(ステップ#72)ように制御することで、後端の余白部(裁断片)Sについての一連の裁断・排出動作が完了する。
(第3実施形態に係る、後端の余白部の排出動作)
図7に示された用紙Pを裁断した後での、後端の余白部(裁断片)Sの排出動作の第3実施形態について、図11A乃至図11D、及び図15を参照しながら説明するが、上記第2実施形態との相違点を中心に説明する。
第3実施形態は、上記第2実施形態との比較で、上流側ローラ対40が、用紙搬送経路10の上方に配置されるとともに上流駆動ローラ41に対して従動する上流従動ローラ42と、用紙搬送経路10の下方に配置された上流駆動ローラ41と、によって構成されていることを特徴としている。そして、上流従動ローラ42が上流駆動ローラ41の軸心O1を中心にしてニップ状態で、通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動するとき、上流従動ローラ42が可動刃21に近づくように移動する。
図11Aに示すように、可動刃下限検出センサによって可動刃21の下限位置が検出されるまで、可動刃21が下降する。それによって、用紙Pは、上流側ローラ対40によって通常搬送ニップ位置にニップされた後端の裁断片Sと、下流側ローラ対50でニップされた製品Gと、に裁断される。後端の裁断片Sは前端部S1及び後端部S2を有し、前端部S1が固定刃22のしのぎ面24に係留されながら、後端の裁断片Sが全体として用紙搬送方向T(すなわち略水平方向)に延在している。
図11Bに示すように、制御部6は、可動刃21が上昇し、遅延タイマーによって例えば10msが経過した後、略水平方向に延在している後端の裁断片Sをニップする上流駆動ローラ41が逆回転するように制御する。その結果、ニップされていた後端の裁断片Sが、用紙搬送方向Tの反対側すなわち上流側に搬送され、上流側ローラ対40におけるニップ位置が、前端部S1の側にシフトする。また、制御部6は、下流駆動ローラ51が正回転して、ニップされた製品Gを用紙搬送方向Tに向けて搬送するように制御する。
図11Cに示すように、制御部6は、遅延タイマーによって例えば10msが経過した後、上流従動ローラ42が、上流駆動ローラ41の軸心O1を中心にしてニップ状態で、通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動するように制御する。このとき、上流従動ローラ42が、可動刃21に近づく。略水平方向に延在するようにニップされた後端の裁断片Sは、全体として斜め下向きに延在するように、後端の裁断片Sの排出方向Iが変更される。すなわち、制御部6は、排出方向Iを略水平方向から斜め下向きに変更する動作を行う。
図11Dに示すように、制御部6は、遅延タイマーによって例えば30msが経過した後、後端の裁断片Sが全体として斜め下向きに延在している状態で、上流駆動ローラ41が正回転するように制御する。その結果、ニップされていた後端の裁断片Sが、前端部S1を先頭にして斜め下向きに勢いよく押し出されながら放出され、固定刃22等に沿って落下する。すなわち、後端の裁断片Sは、例えば、斜め下向きに延在する姿勢を保ちながら、重力及び上流側ローラ対40の回転押し出し力によって自由落下する。後端の裁断片Sが、全体として斜め下向きに延在するように方向付けされ且つ上流側ローラ対40の回転押し出し力が加えられているので、後端の裁断片Sがさらに自由落下しやすくなっている。したがって、上流側ローラ対40と裁断刃5Cとの間のスペースが狭く構成された場合であっても、後端の裁断片Sがスムーズに落下して排出される。
(第4実施形態に係る、後端の余白部の排出動作)
図7に示された用紙Pを裁断した後での、後端の余白部(裁断片)Sの排出動作の第4実施形態について、図12A乃至図12Dを参照しながら説明するが、上記第3実施形態との相違点を中心に説明する。
第4実施形態は、上記第3実施形態との比較で、用紙搬送経路10の上方に配置された上流従動ローラ42が、用紙搬送経路10の下方に配置された上流駆動ローラ41の軸心O1を中心にしてニップ状態で、通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動するとき、上流従動ローラ42が可動刃21から遠ざかるように移動する。
図12Aに示すように、可動刃下限検出センサによって可動刃21の下限位置が検出されるまで、可動刃21が下降する。それによって、用紙Pは、上流側ローラ対40によって通常搬送ニップ位置にニップされた後端の裁断片Sと、下流側ローラ対50でニップされた製品Gと、に裁断される。後端の裁断片Sは前端部S1及び後端部S2を有し、前端部S1が固定刃22のしのぎ面24に係留されながら、後端の裁断片Sが全体として用紙搬送方向T(すなわち略水平方向)に延在している。
図12Bに示すように、制御部6は、可動刃21が上昇し、遅延タイマーによって例えば10msが経過した後、略水平方向に延在している後端の裁断片Sをニップする上流駆動ローラ41が逆回転するように制御する。その結果、ニップされていた後端の裁断片Sが、用紙搬送方向Tの反対側すなわち上流側に搬送され、上流側ローラ対40におけるニップ位置が、前端部S1の側にシフトする。また、制御部6は、下流駆動ローラ51が正回転して、ニップされた製品Gを用紙搬送方向Tに向けて搬送するように制御する。
図12Cに示すように、制御部6は、遅延タイマーによって例えば10msが経過した後、上流従動ローラ42が、上流駆動ローラ41の軸心O1を中心にしてニップ状態で、通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動するように制御する。このとき、上流従動ローラ42が、可動刃21から遠ざかる。略水平方向に延在するようにニップされた後端の裁断片Sが、全体として斜め下向きに延在するように、後端の裁断片Sの排出方向Iが変更される。すなわち、制御部6は、後端の裁断片Sの排出方向Iを略水平方向から斜め下向きに変更する動作を行う。
図12Dに示すように、制御部6は、遅延タイマーによって例えば30msが経過した後、後端の裁断片Sが全体として斜め下向きに延在している状態で、上流駆動ローラ41が逆回転するように制御する。その結果、ニップされていた後端の裁断片Sが、後端部S2を先頭にして斜め下向きに勢いよく押し出されながら放出され、裁断刃5Cの反対側に落下する。すなわち、後端の裁断片Sは、斜め下向きに延在する姿勢を保ちながら、重力及び上流側ローラ対40の回転押し出し力によって自由落下する。後端の裁断片Sが、全体として斜め下向きに延在するように方向付けされ且つ上流側ローラ対40の回転押し出し力が加えられているので、後端の裁断片Sがさらに自由落下しやすくなっている。したがって、上流側ローラ対40と裁断刃5Cとの間のスペースが狭く構成された場合であっても、その影響を受けること無く、後端の裁断片Sがスムーズに落下して排出される。
(第5実施形態に係る、前端等の余白部の裁断動作)
第5実施形態に係る、用紙Pにおける、前端等の余白部Jの裁断動作について、図8を参照しながら説明する、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。なお、裁断対象としての前端等の余白部Jという文言は、用紙Pにおいて用紙搬送方向Tの最前端に形成される余白部に加えて、用紙Pにおいて用紙搬送方向Tに配置された製品Gと製品Gとの間に形成される中間的な余白部も含む。
図8に示すように、第5実施形態は、上記第1実施形態との比較で、下流側ローラ対50が、用紙搬送経路10の上方に配置された下流駆動ローラ51と、用紙搬送経路10の下方に配置されるとともに下流駆動ローラ51に対して従動する下流従動ローラ52と、によって構成され、下流側ローラ対50が、下流従動ローラ52の回動機構を有することを特徴としている。すなわち、下流従動ローラ52は、下流駆動ローラ51の軸心O3を中心にして時計回り(点線の矢印で示す方向)にニップ状態で回動すると、実線で示した通常搬送ニップ位置から点線で示した傾斜ニップ位置に移動するように構成されている。下流従動ローラ52が傾斜ニップ位置に移動するとき、下流従動ローラ52が固定刃22から遠ざかって退避している。図3乃至6に図示した上流従動ローラ42の回動機構と同様の回動機構が、当該下流側ローラ対50にも適用される。下流駆動ローラ51は、軸心O3を中心にして回動し、下流従動ローラ52は軸心O4を中心にして従動回転する。
(第5実施形態に係る、前端等の裁断片の排出動作)
前端等の余白部(裁断片)Jの排出動作の第5実施形態について、図13A乃至図13Dを参照しながら説明する。
図13Aに示すように、可動刃下限検出センサによって可動刃21の下限位置が検出されるまで、可動刃21が下降する。それによって、用紙Pは、上流側ローラ対40によって通常搬送ニップ位置にニップされた製品Gと、下流側ローラ対50でニップされた前端等の裁断片Jと、に裁断される。前端等の裁断片Jは前端部J1及び後端部J2を有し、後端部J2が可動刃21のしのぎ面23等に当接しながら、前端等の裁断片Jは全体として用紙搬送方向T(すなわち略水平方向)に延在している。
図13Bに示すように、制御部6は、可動刃21が上昇し、遅延タイマーによって例えば10msが経過した後、下流側ローラ対50において、下流従動ローラ52が、下流駆動ローラ51の軸心O3を中心にしてニップ状態で、通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動するように制御する。その結果、前端等の裁断片Jが全体として略水平方向から斜め下向きに延在するように、前端等の裁断片Jの排出方向Iが変更される。すなわち、制御部6は、前端等の裁断片Jの排出方向Iを略水平方向から斜め下向きに変更する動作を行う。
図13Cに示すように、制御部6は、遅延タイマーによって例えば30msが経過した後、前端等の裁断片Jが全体として斜め下向きに延在している状態で、下流駆動ローラ51が逆回転するように制御する。その結果、図13Dに示すように、ニップされていた前端等の裁断片Jが、後端部J2を先頭にして斜め下向きに放出され、重力によって自由落下する。前端等の裁断片Jが、全体として斜め下向きに延在するように方向付けされているので、揚力の発生を抑え、前端等の裁断片Jが重力によって自由落下しやすくなる。したがって、下流側ローラ対50と裁断刃5Cとの間のスペースが狭く構成された場合であっても、前端等の裁断片Jがスムーズに落下して排出される。なお、当該第5実施形態においても、下流従動ローラ52が固定刃22から遠ざかるように移動(すなわち退避)して、下流従動ローラ52と固定刃22との間のスペースが広がっているので、前端等の裁断片Jがさらに落下しやすくなっている。
なお、図3乃至6に示した従動ローラの回動機構は、上流従動ローラ42及び/又は下流従動ローラ52に適用することもできる。この場合、上流駆動ローラ41が軸心O1を中心にして回動し、上流従動ローラ42が、軸心O2を中心にして従動回転するともに軸心O1を中心にして上流駆動ローラ41にニップ状態で回動する。それとともに、下流駆動ローラ51が軸心O3を中心にして回動し、下流従動ローラ52が軸心O4を中心にして従動回転するともに軸心O3を中心にして下流駆動ローラ51にニップ状態で回動する。そして、上流従動ローラ42及び/又は下流従動ローラ52の傾斜ニップ位置への回動動作によって、後端の余白部(裁断片)S及び/又は前端等の余白部(裁断片)Jの排出動作がスムーズに行われる。
また、制御部6は、遅延タイマーによって規定される、上流従動ローラ42及び/又は下流従動ローラ52が傾斜ニップ位置に留まっている時間(遅延時間)を調整することができる。搬送される用紙Pの種類や静電気の発生状況に応じて、後端の余白部(裁断片)S及び/又は前端等の余白部(裁断片)Jが自由落下するためのスペース(時間)が確保されることにより、後端の余白部(裁断片)S及び/又は前端等の余白部(裁断片)Jの排出がより確実に実行される。
また、制御部6は、上流従動ローラ42及び/又は下流従動ローラ52が通常搬送ニップ位置と傾斜ニップ位置との間を繰り返し回動するように制御することができる。振動(衝撃)が後端の余白部(裁断片)S及び/又は前端等の余白部(裁断片)Jに与えられるので、後端の余白部(裁断片)S及び/又は前端等の余白部(裁断片)Jの排出がより確実に実行される。
1 用紙加工装置
2 装置本体
3 給紙ユニット
4 ローラ
5 ゴミ箱
5A 第1加工ユニット
5B 第2加工ユニット
5C 余白裁断加工部(裁断刃)
6 制御部(CPU)
7 給紙装置
10 用紙搬送経路
18 排紙トレイ
21 可動刃
22 固定刃
23 しのぎ面
24 しのぎ面
40 上流側ローラ対
41 上流駆動ローラ
42 上流従動ローラ
43 回転板駆動ローラ
44 押圧ローラ
45 回転板駆動モータ
46 ベルト
47 回転板駆動用プーリー
48 駆動ローラ用プーリー
49 回転板
50 下流側ローラ対
51 下流駆動ローラ
52 下流従動ローラ
55 支持ベアリング
56 支持ベアリング
57 タイミング検出センサ
58 ホーム位置検出センサ
61 アーム
62 押圧受け部
63 ベアリング
64 ガイド溝
65 支持体
66 従動ローラ用スプリング
67 押圧ローラ用スプリング
68 アーム用スプリング
69 ボス穴
G 製品
J 前端等の余白部(裁断片)
I 裁断片の排出方向
O1 上流駆動ローラの軸心
O2 上流従動ローラの軸心
O3 下流駆動ローラの軸心
O4 下流従動ローラの軸心
P 用紙
Q 用紙束
S 後端の余白部(裁断片)
T 用紙搬送方向

Claims (8)

  1. 用紙の余白部を裁断する裁断刃と、
    前記裁断刃に対して用紙搬送方向の上流側に配置されて、上流駆動ローラと、該上流駆動ローラに対して従動する上流従動ローラと、を有する上流側ローラ対と、
    前記裁断刃に対して用紙搬送方向の下流側に配置されて、下流駆動ローラと、該下流駆動ローラに対して従動する下流従動ローラと、を有する下流側ローラ対と、
    前記裁断刃と前記上流側ローラ対と前記下流側ローラ対との動作をそれぞれ制御する制御部と、を備え、
    前記上流従動ローラが前記上流駆動ローラの軸心を中心にして該上流駆動ローラに対してニップ状態で回動するように構成され、及び/又は、前記下流従動ローラが前記下流駆動ローラの軸心を中心にして該下流駆動ローラに対してニップ状態で回動するように構成され、
    前記制御部は、余白部の裁断片の排出方向が、用紙搬送方向に対して斜め下向きとなるように、前記上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラを通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動させるように制御する、用紙加工装置。
  2. 請求項1に記載の用紙加工装置において、前記制御部は、前記上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラが傾斜ニップ位置に留まっている時間を調整する、用紙加工装置。
  3. 請求項1に記載の用紙加工装置において、前記制御部は、前記上流駆動ローラ及び/又は下流駆動ローラが逆回転することにより、余白部の裁断片を一旦用紙搬送方向と反対方向に送った後、前記上流駆動ローラ及び/又は下流駆動ローラが正回転することにより、余白部の裁断片を用紙搬送方向に送るように制御する、用紙加工装置。
  4. 請求項1に記載の用紙加工装置において、前記制御部は、前記上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラが前記通常搬送ニップ位置と前記傾斜ニップ位置との間を繰り返し回動するように制御する、用紙加工装置。
  5. 用紙の余白部を裁断する裁断刃と、
    前記裁断刃に対して用紙搬送方向の上流側に配置されて、上流駆動ローラと、該上流駆動ローラに対して従動する上流従動ローラと、を有する上流側ローラ対と、
    前記裁断刃に対して用紙搬送方向の下流側に配置されて、下流駆動ローラと、該下流駆動ローラに対して従動する下流従動ローラと、を有する下流側ローラ対と、
    前記裁断刃と前記上流側ローラ対と前記下流側ローラ対との動作をそれぞれ制御する制御部と、を備える用紙加工装置における用紙加工方法であって、
    前記上流従動ローラが前記上流駆動ローラの軸心を中心にして該上流駆動ローラに対してニップ状態で回動するように構成され、及び/又は、前記下流従動ローラが前記下流駆動ローラの軸心を中心にして該下流駆動ローラに対してニップ状態で回動するように構成され、
    前記制御部は、余白部の裁断片の排出方向が、用紙搬送方向に対して斜め下向きとなるように、前記上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラを通常搬送ニップ位置から傾斜ニップ位置に回動させるように制御する、用紙加工方法。
  6. 請求項5に記載の用紙加工方法において、前記制御部は、前記上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラが傾斜ニップ位置に留まっている時間を調整する、用紙加工方法。
  7. 請求項5に記載の用紙加工方法において、前記制御部は、前記上流駆動ローラ及び/又は下流駆動ローラが逆回転することにより、余白部の裁断片を一旦用紙搬送方向と反対方向に送った後、前記上流駆動ローラ及び/又は下流駆動ローラが正回転することにより、余白部の裁断片を用紙搬送方向に送るように制御する、用紙加工方法。
  8. 請求項5に記載の用紙加工方法において、前記制御部は、前記上流従動ローラ及び/又は下流従動ローラが前記通常搬送ニップ位置と前記傾斜ニップ位置との間を繰り返し回動するように制御する、用紙加工方法。
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