JP2018118254A - 帯電防止フィルムの製造方法 - Google Patents

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総 松林
Satoshi Matsubayashi
総 松林
康平 神戸
Kohei Kanto
康平 神戸
吉田 一義
Kazuyoshi Yoshida
一義 吉田
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Abstract

【課題】帯電防止性に優れ且つ白化が抑制された帯電防止フィルムを高い生産性で安定に製造できる帯電防止フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の帯電防止フィルムの製造方法は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含有する導電性複合体が水系分散媒中に含まれる導電性高分子水分散液に、水分散性樹脂及びアルカリ化合物を混合して混合液を調製する調製工程と、前記混合液をフィルム基材の少なくとも一方の面に塗工して塗工フィルムを得る塗工工程と、前記塗工フィルムを加熱して乾燥させる共に延伸させる乾燥延伸工程と、を有し、前記アルカリ化合物として、無機アルカリ、アミン化合物、四級アンモニウム塩及び窒素含有芳香族性環式化合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、π共役系導電性高分子を含有する帯電防止フィルムの製造方法に関する。
電子部品を包装する際に使用するフィルムとしては、電子部品の故障の原因となる静電気の発生を防止する帯電防止フィルムが広く使用されている。また、食品等の包装フィルムにおいても、包装フィルムに埃が付着して食品等の見栄えを損ねることを防ぐために、帯電防止フィルムを使用することがある。
帯電防止フィルムとしては、例えば、フィルム基材の少なくとも一方の面に、界面活性剤を含む帯電防止層を設ける方法が知られている。しかし、界面活性剤を含む帯電防止層においては、帯電防止性に湿度依存性が生じる。
そこで、フィルム基材の少なくとも一方の面に、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む帯電防止層を設け、必要に応じて延伸する帯電防止フィルムの製造方法が提案されている(特許文献1〜4)。
特開2011−038002号公報 特開2006−282941号公報 特開2008−179809号公報 特許第3299616号公報
しかし、特許文献1に記載の帯電防止フィルムの製造方法では、得られる帯電防止フィルムの帯電防止性が充分に高くならないことがあった。さらに、特許文献1に記載の帯電防止フィルムの製造方法では、帯電防止フィルムの生産性が必ずしも充分ではなかった。
特許文献2に記載の帯電防止フィルムの製造方法では、延伸の際にπ共役系導電性高分子が追従できず、帯電防止フィルムを安定に製造できなかった。
特許文献3に記載の帯電防止フィルムの製造方法では、帯電防止層に含まれる糖アルコールが析出して白化したり、帯電防止性を低下させたりすることがあった。
特許文献4に記載の帯電防止フィルムの製造方法では、実質的に、帯電防止層に絶縁性の高いゴム状のラテックスを使用しているため、帯電防止性が充分に高くならないことがあった。
本発明は、帯電防止性に優れ且つ白化が抑制された帯電防止フィルムを高い生産性で安定に製造できる帯電防止フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含有する導電性複合体が水系分散媒中に含まれる導電性高分子水分散液に、水分散性樹脂及びアルカリ化合物を混合して混合液を調製する調製工程と、前記混合液をフィルム基材の少なくとも一方の面に塗工して塗工フィルムを得る塗工工程と、前記塗工フィルムを加熱して乾燥させる共に延伸させて帯電防止層を形成する乾燥延伸工程と、を有する、帯電防止フィルムの製造方法。
[2]前記フィルム基材として非晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用する、[1]に記載の帯電防止フィルムの製造方法。
[3]前記乾燥延伸工程後に、乾燥させた塗工フィルムを200℃以上に加熱した後に、前記ポリエチレンテレフタレートの結晶化温度まで冷却する、[2]に記載の帯電防止フィルムの製造方法。
本発明の帯電防止フィルムの製造方法によれば、帯電防止性に優れ且つ白化が抑制された帯電防止フィルムを高い生産性で安定に製造できる。
「帯電防止フィルム」
本発明の帯電防止フィルムの製造方法により製造される帯電防止フィルムは、フィルム基材と、該フィルム基材の少なくとも一方の面に形成された帯電防止層とを備える。
<フィルム基材>
フィルム基材としては、プラスチックフィルムを用いることができる。
プラスチックフィルムを構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアリレート、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどが挙げられる。これらの樹脂材料の中でも、透明性、可撓性、汚染防止性及び強度等の点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましく、非晶性ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
プラスチックフィルムは未延伸のフィルムでもよいし、一軸延伸のフィルムでもよいし、二軸延伸のフィルムでもよい。機械的物性に優れる点では、プラスチックフィルムは二軸延伸のフィルムが好ましい。
フィルム基材の平均厚みとしては、10〜500μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましい。フィルム基材の平均厚みが前記下限値以上であれば、破断しにくくなり、前記上限値以下であれば、フィルムとして充分な可撓性を確保できる。
<帯電防止層>
帯電防止層は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体と、バインダ樹脂と、アルカリ化合物とを含む。該帯電防止層は、後述する製造方法において、フィルム基材に塗工された、導電性複合体とアルカリ化合物と水分散性樹脂と水系分散媒とを含む混合液が乾燥されることにより形成される。
帯電防止層の平均厚みとしては、10〜500μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましい。帯電防止層の平均厚みが前記下限値以上であれば、充分に高い帯電防止性を発揮でき、前記上限値以下であれば、帯電防止層を容易に形成できる。
(導電性複合体)
[π共役系導電性高分子]
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば本発明の効果を有する限り特に制限されず、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン類及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、透明性の面から、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。
ポリピロール系導電性高分子としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)が挙げられる。
上記π共役系導電性高分子の中でも、導電性、透明性、耐熱性の点から、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
前記π共役系導電性高分子は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[ポリアニオン]
ポリアニオンとは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させる。
ポリアニオンのアニオン基としては、スルホ基、またはカルボキシ基であることが好ましい。
このようなポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリメタクリルオキシベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を有する高分子が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらポリアニオンのなかでも、帯電防止性をより高くできることから、スルホン酸基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
前記ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万〜100万であることが好ましく、10万〜50万であることがより好ましい。
導電性複合体中の、ポリアニオンの含有割合は、π共役系導電性高分子100質量部に対して1〜1000質量部の範囲であることが好ましく、10〜700質量部であることがより好ましく、100〜500質量部の範囲であることがさらに好ましい。ポリアニオンの含有割合が前記下限値未満であると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがあり、また、導電性複合体の水分散性が低くなる。一方、ポリアニオンの含有量が前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
ポリアニオンが、π共役系導電性高分子に配位することによって導電性複合体を形成する。
ただし、ポリアニオンにおいては、全てのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープせず、余剰のアニオン基を有している。この余剰のアニオン基は親水基であるため、導電性複合体は水分散性を有する。
(バインダ樹脂)
帯電防止層に含まれるバインダ樹脂は、π共役系導電性高分子及びポリアニオン以外の樹脂であり、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを結着させ、塗膜強度を高める樹脂である。
本発明において、バインダ樹脂としては、水分散性を有するものが使用される。
バインダ樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
(アルカリ化合物)
帯電防止層に含まれるアルカリ化合物としては、無機アルカリ、アミン化合物、四級アンモニウム塩、窒素含有芳香族性環式化合物等が挙げられる。
無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等が挙げられる。
四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラフェニルアンモニウム塩、テトラベンジルアンモニウム塩、テトラナフチルアンモニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド等が挙げられる。
窒素含有芳香族性環式化合物としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール、ピリジン等が挙げられる。
上記アルカリ化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(ヒドロキシ基含有化合物)
帯電防止層には、ヒドロキシ基を3つ以上有するヒドロキシ基含有化合物が含まれてもよい。帯電防止層に前記ヒドロキシ基含有化合物が含まれると、帯電防止性をより向上させることができる。帯電防止層に、ヒドロキシ基の数が3つ未満のヒドロキシ基含有化合物を含有させた場合には、帯電防止性の向上効果は充分に得られない。
ヒドロキシ基含有化合物としては、糖アルコール化合物、芳香環に3つ以上のヒドロキシ基が結合した芳香族系ヒドロキシ基含有化合物等が挙げられる。このヒドロキシ基含有化合物は重合体ではない。
糖アルコール化合物としては、ソルビトール(融点95℃)、キシリトール(融点92〜96℃)、マルチトール(融点145℃)、エリスリトール(融点121℃)、マンニトール(融点166〜168℃)、イノシトール(融点225〜227℃)、ラクチトール(融点150℃)等が挙げられる。
芳香族系ヒドロキシ基含有化合物としては、ピロガロール(融点131〜134℃)、没食子酸(融点250℃)、没食子酸プロピル(融点150℃)等が挙げられる。
前記ヒドロキシ基含有化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ヒドロキシ基含有化合物は、融点が150℃以下のものが好ましく、135℃以下のものがより好ましく、100℃以下のものがさらに好ましい。ヒドロキシ基含有化合物の融点が前記上限値以下であれば、帯電防止層の帯電防止性がより高くなる。一方、ヒドロキシ基含有化合物の融点は50℃以上であることが好ましい。
なお、ヒドロキシ基含有化合物の融点は、示差熱分析(DSC)により求めることができる。
(添加剤)
帯電防止層には、公知の添加剤が含まれてもよい。
添加剤としては、本発明の効果を有する限り特に制限されず、例えば、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。ただし、添加剤は、ポリアニオン及び前記ヒドロキシ基含有化合物以外の化合物からなる。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。なお、金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンレジン等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類、ビタミン類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
「帯電防止フィルムの製造方法」
本発明の帯電防止フィルムの製造方法は、調製工程と塗工工程と乾燥延伸工程とを有する。
<調製工程>
調製工程は、導電性高分子水分散液に水分散性樹脂及びアルカリ化合物を混合して混合液を調製する工程である。
ここで、導電性高分子水分散液は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含有する導電性複合体が水系分散媒に含まれる分散液のことである。また、導電性高分子水分散液は、帯電防止性をより向上させるために、ヒドロキシ基含有化合物を含有してもよく、また、上記添加剤を含有してもよい。
アルカリ化合物の添加によって導電性高分子水分散液のpH(25℃)は、3〜10に調整されることが好ましく、5〜9に調整されることがより好ましい。導電性高分子水分散液のpHが前記範囲内であれば、帯電防止層の帯電防止性をより向上させ、白化をより抑制できる。
(水系分散媒)
水系分散媒は、水、又は、水と水溶性有機溶媒との混合物である。水系分散媒における水の含有割合は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。一方、水系分散媒における水の含有割合は、95質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶媒としては、溶解度パラメータが10以上の溶剤が挙げられ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等の窒素原子含有極性溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール溶媒、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価脂肪族アルコール溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル溶媒、ジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル溶媒、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよい。このうち、安定性の観点から、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びジメチルスルホキシドからなる群より選択される少なくとも1つが好ましい。
(水分散性樹脂)
水分散性樹脂は、導電性高分子水分散液中に分散可能な樹脂であり、帯電防止層においてはバインダ樹脂となる。
水分散性樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂であって、カルボキシ基やスルホ基等の酸基又はその塩を有するもの等の親水性樹脂が挙げられる。
水分散性樹脂の他の具体例としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂等であって、エマルションにされたものが挙げられる。
上記の中でも、帯電防止性をより高くできることから、水分散性樹脂としては、酸基又はその塩を有するポリエステル樹脂、酸基又はその塩を有するポリウレタン樹脂、エマルション状のポリエステル樹脂、エマルション状のポリウレタン樹脂が好ましい。
前記水分散性樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電防止層の物性の点からは、水分散性樹脂のガラス転移温度は0℃以上であることが好ましい。なお、ガラス転移温度は示差熱分析(DSC)により求めることができる。
ポリエチレングリコールやポリアルキレンオキシド等のポリエーテル樹脂は水分散性を有する樹脂であるが、白化及び帯電防止性の低下を招くことがあるため、好ましくない。
したがって、水分散性樹脂としてポリエーテル樹脂を使用せず、帯電防止層にはポリエーテル樹脂が含まれないことが好ましい。
(ポリビニルアルコール)
混合液には、ポリビニルアルコールが含まれてもよい。ポリビニルアルコールは、導電性複合体及び水分散性樹脂の分散剤として機能する。混合液にポリビニルアルコールが含まれると、乾燥延伸工程において塗工フィルムを延伸する場合、延伸性が高くなる。
ポリビニルアルコールのけん化度は、70〜100%であることが好ましい。ポリビニルアルコールのけん化度が前記下限値以上であれば、水に簡単に溶解することができる。
(含有割合)
混合液における水分散性樹脂の含有割合は、導電性複合体の固形分100質量部に対して、100〜10000質量部であることが好ましく、100〜5000質量部であることがより好ましく、100〜1000質量部であることがさらに好ましい。水分散性樹脂の含有割合が前記下限値以上であれば、製膜性と膜強度を向上させることができる。しかし、水分散性樹脂の含有割合が前記上限値を超えると、導電性複合体の含有割合が低下するため、帯電防止性が低下することがある。
混合液における水系分散媒の含有割合は、混合液の総質量に対して、50〜90質量%であることが好ましく、70〜90質量%であることがより好ましい。水系分散媒の含有割合が前記下限値以上であれば、各成分を容易に分散させて、塗工性を向上させることができ、前記上限値以下であれば、固形分濃度が高くなるため、1回の塗工で厚みを容易に確保できる。
混合液がヒドロキシ基含有化合物を含む場合、混合液におけるヒドロキシ基含有化合物の含有割合は、導電性複合体の固形分100質量部に対して、10〜1000質量部であることが好ましく、10〜500質量部であることがより好ましく、10〜200質量部であることがさらに好ましい。ヒドロキシ基含有化合物の含有割合が前記下限値以上であれば、帯電防止性をより向上させることができる。しかし、ヒドロキシ基含有化合物の含有割合が前記上限値を超えると、導電性複合体の含有割合が相対的に低下するため、帯電防止性がかえって低下することがある。
混合液がポリビニルアルコールを含む場合、混合液におけるポリビニルアルコールの含有割合は、混合液の総質量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。ポリビニルアルコールの含有割合が前記下限値以上であれば、塗工フィルムの延伸性をより高くでき、前記上限値以下であれば、帯電防止性の低下を抑制できる。
(高分散化処理)
導電性高分子水分散液には、剪断力を付与して、水系分散媒中の導電性複合体の分散性を向上させる高分散化処理を施してもよい。
高分散化処理においては、分散機を用いることが好ましい。分散機としては、例えば、ホモジナイザ、高圧ホモジナイザ、ビーズミル等が挙げられ、中でも、高圧ホモジナイザが好ましい。
高圧ホモジナイザは、例えば、高分散化処理する導電性高分子水分散液などを加圧する高圧発生部と、分散を行う対向衝突部やオリフィス部あるいはスリット部とを備える装置である。高圧発生部としては、プランジャーポンプ等の高圧ポンプが好適に用いられる。
高圧ポンプには、一連式、二連式、三連式などの各種の形式があるが、いずれの形式も本発明において採用できる。
高圧ホモジナイザの具体例としては、吉田機械興業製の商品名ナノマイザー、マイクロフルイディスク製の商品名マイクロフルイダイザー、スギノマシン製のアルティマイザーなどが挙げられる。
(水分散性樹脂の混合)
水分散性樹脂の混合では、高分散化処理した導電性高分子水分散液に水分散性樹脂を混合して混合液を得ることが好ましい。混合に際しては、高分散化処理した導電性高分子水分散液に水分散性樹脂を添加している最中又は添加した後に、攪拌することが好ましい。
水分散性樹脂は固形物のまま導電性高分子水分散液に混合してもよいし、水溶液又は水分散液(スラリーあるいはエマルション)の形態で導電性高分子水分散液に混合してもよい。
<塗工工程>
塗工工程は、前記混合液をフィルム基材の少なくとも一方の面に塗工して塗工フィルムを得る工程である。
混合液を塗工する方法としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等のコーターを用いた塗工方法、エアスプレー、エアレススプレー、ローターダンプニング等の噴霧器を用いた噴霧方式、ディップ等の浸漬方法等を適用することができる。
前記混合液の基材への塗工量は特に制限されないが、固形分として、0.1〜2.0g/mの範囲であることが好ましい。
<乾燥延伸工程>
乾燥延伸工程は、前記塗工フィルムを加熱して乾燥させると共に延伸させる工程である。塗工された混合液を乾燥させることにより、帯電防止層を形成することができる。また、塗工フィルムを延伸させることにより、塗工面積を小さくしても大面積の帯電防止フィルムを得ることができ、帯電防止フィルムの生産性を向上させることができる。
乾燥延伸工程における塗工フィルムの加熱温度は、水系分散媒の沸点以上とすることが好ましい。
塗工フィルムの加熱方法としては、例えば、熱風加熱や、赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。
乾燥延伸工程では、塗工フィルムを乾燥させると同時に延伸させてもよいし、乾燥の後に延伸させてもよい。乾燥と同時に延伸、又は、乾燥後に延伸すれば、乾燥のために塗工フィルムに付与した熱を利用してフィルム基材を軟化させることができる。そのため、帯電防止フィルムを得るためのエネルギーの効率を高めることができる。
フィルム基材として一軸延伸フィルムを用いた場合には、延伸されている方向とは垂直な方向に延伸することが好ましい。例えば、長手方向に沿って延伸された一軸延伸フィルムをフィルム基材として用いた場合には、幅方向に沿って延伸することが好ましい。
塗工フィルムの延伸倍率は2〜5倍にすることが好ましい。延伸倍率を前記下限値以上にすれば、帯電防止フィルムの生産性をより高くでき、前記上限値以下であれば、フィルムの破断を防止できる。
<結晶化工程>
フィルム基材として非晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用した場合には、乾燥延伸工程後に結晶化工程を有してもよい。
結晶化工程では、乾燥させた塗工フィルムを、200℃以上に加熱した後に、ポリエチレンテレフタレートの結晶化温度未満の温度まで冷却する。
200℃以上に加熱すると、フィルム基材を構成する非晶性ポリエチレンテレフタレートの少なくとも一部が融解し始める。その融解後、ポリエチレンテレフタレートの結晶化温度未満の温度まで冷却した際には、融解した一部の非晶性ポリエチレンテレフタレートが結晶化すると共に固化する。これにより、フィルム基材を結晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムにすることができる。結晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムからなるフィルム基材は、引張強度等の機械的物性に優れる。
<作用効果>
上記帯電防止フィルムの製造方法では、帯電防止に寄与する導電性成分としてπ共役系導電性高分子を使用しているため、帯電防止性が湿度等に影響されにくい。また、上記製造方法では、フィルム基材に塗布する混合液にアルカリ化合物を含有させることで、得られる帯電防止フィルムの帯電防止性が優れたものとなり、帯電防止層の白化を抑制できる。
また、上記製造方法では、フィルム基材に塗布する混合液にアルカリ化合物を含有させることで、塗工フィルムの延伸性を向上させることができる。したがって、上記製造方法では、塗工面積よりも大面積の帯電防止フィルムを容易に製造でき、生産性に優れ、生産の安定性にも優れる。
さらに、上記の工程を有する帯電防止フィルムの製造方法では、ロール状のフィルム基材からフィルム基材を繰り出し、その繰り出したフィルム基材を走行させながら前記混合液を連続塗工し、該連続塗工に続いて加熱乾燥すると共に延伸することができる。すなわち、上記製造方法では、フィルム基材から帯電防止フィルムを連続的に製造することができる。連続製造した場合には、帯電防止フィルムの生産性をより高くできる。
(調製例1)ポリスチレンスルホン酸の調製
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。
得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。
さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色のポリスチレンスルホン酸の固形物を得た。
(調製例2)PEDOT−PSSの水分散液の調製
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、約1.2質量%の青色のPEDOT−PSSの水分散液を得た。
(製造例1)
PEDOT−PSS水分散液10gと水80gにイミダゾール0.045gを添加した後に、高圧分散機を用いて高分散化処理した。得られた液に、水分散性ポリエステル(互応化学工業社製、プラスコートZ−880、固形分濃度25質量%)10gとポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA210)0.5gを添加して、混合液を得た。25℃における混合液のpHは7であった。
得られた混合液を、#4のバーコーターを用いて、非晶性ポリエチレンテレフタレートフィルム(A−PETフィルム、ガラス転移温度72℃)の上に塗工した。この塗工により得た塗工フィルムを、フィルム二軸延伸装置(井本製作所製IMC−11A9)を用いて、130℃の温度で加熱して乾燥しながら、フィルムの幅方向に2倍延伸した。これにより、帯電防止層を有する帯電防止フィルムを得た。
(製造例2)
水分散性ポリエステル(プラスコートZ−880)を水分散性ポリエステル(互応化学工業社製、プラスコートZ−565、固形分濃度25質量%)に変更した以外は製造例1と同様にして、帯電防止フィルムを得た。
(製造例3)
水分散性ポリエステル(プラスコートZ−880)を水分散性ポリエステル(互応化学工業社製、プラスコートZ−690、固形分濃度25質量%)に変更した以外は製造例1と同様にして、帯電防止フィルムを得た。
(製造例4)
水分散性ポリエステル(プラスコートZ−880)を水分散性ポリエステル(互応化学工業社製、プラスコートZ−3310、固形分濃度25質量%)に変更した以外は製造例1と同様にして、帯電防止フィルムを得た。
(製造例5)
水分散性ポリエステル(プラスコートZ−880)を水分散性ポリエステル(互応化学工業社製、プラスコートZ−570、固形分濃度25質量%)に変更した以外は製造例1と同様にして、帯電防止フィルムを得た。
(製造例6)
PEDOT−PSS水分散液の量を30gに、水の量を60gに変更したこと以外は製造例1と同様にして帯電防止フィルムを得た。
(製造例7)
イミダゾール0.045gの代わりに炭酸水素ナトリウム0.12gを添加したこと以外は製造例6と同様にして帯電防止フィルムを得た。
(製造例8)
製造例1で得た帯電防止フィルムを240℃に再加熱した後、130℃まで徐々に温度を下げ、非晶性ポリエチレンテレフタレートを結晶化してA−PETフィルムを結晶性PETフィルムにした。
(製造例9)
イミダゾールを添加せずに混合液を調製したこと以外は製造例1と同様にして帯電防止フィルムを得た。
(製造例10)
イミダゾールを添加せずに混合液を調製したこと以外は製造例2と同様にして帯電防止フィルムを得た。
(製造例11)
イミダゾールを添加せずに混合液を調製したこと以外は製造例3と同様にして帯電防止フィルムを得た。
(製造例12)
イミダゾールを添加せずに混合液を調製したこと以外は製造例4と同様にして帯電防止フィルムを得た。
(製造例13)
イミダゾールを添加せずに混合液を調製したこと以外は製造例5と同様にして帯電防止フィルムを得た。
(製造例14)
イミダゾールを添加せずに混合液を調製したこと以外は製造例6と同様にして帯電防止フィルムを得た。
<評価>
各例の帯電防止フィルムの表面抵抗値を、ハイレスタ(三菱化学製)を用いて測定した。測定結果を表1に示す。表面抵抗値が小さい程、帯電防止性に優れる。
また、帯電防止フィルムを目視観察し、白化度合いを下記の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
○:白化した。
△:わずかに白化した。
×:完全に白化した。
Figure 2018118254
アルカリ化合物を含む混合液をフィルム基材に塗布した製造例1〜8では、帯電防止フィルムの表面抵抗値が小さく、実用可能な程度の帯電防止性を確保できていた。また、得られた帯電防止フィルムの白化が抑制されていた。
アルカリ化合物を含まない混合液をフィルム基材に塗布した製造例9〜14では、得られた帯電防止フィルムに白化が見られた。
本発明において得られた帯電防止フィルムは、電子部品包装用フィルム、食品包装用フィルム等に好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含有する導電性複合体が水系分散媒中に含まれる導電性高分子水分散液に、水分散性樹脂及びアルカリ化合物を混合して混合液を調製する調製工程と、
    前記混合液をフィルム基材の少なくとも一方の面に塗工して塗工フィルムを得る塗工工程と、
    前記塗工フィルムを加熱して乾燥させる共に延伸させて帯電防止層を形成する乾燥延伸工程と、を有し、
    前記アルカリ化合物として、無機アルカリ、アミン化合物、四級アンモニウム塩及び窒素含有芳香族性環式化合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いる、帯電防止フィルムの製造方法。
  2. 前記調製工程では、前記混合液におけるpH(25℃)が3〜10になるように前記導電性高分子水分散液に前記アルカリ化合物を混合する、請求項1に記載の帯電防止フィルムの製造方法。
  3. 前記フィルム基材として非晶性ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用する、請求項1又は2に記載の帯電防止フィルムの製造方法。
  4. 前記乾燥延伸工程後に、乾燥させた塗工フィルムを200℃以上に加熱した後に、前記ポリエチレンテレフタレートの結晶化温度まで冷却する、請求項3に記載の帯電防止フィルムの製造方法。
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