JP2018117616A - ドーナツ用ミックス - Google Patents

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Abstract

【課題】国内産麦小麦粉を用いながらも、外国産麦小麦粉を用いたものと比べて遜色のない良好な食感のドーナツを製造し得るドーナツ用ミックスを提供すること。【解決手段】本発明のドーナツ用ミックスは、国内産麦小麦粉を含有し、その含有量は好ましくは50〜65質量%である。本発明のドーナツ用ミックスは、さらに、前記国内産麦小麦粉を熱処理してなる熱処理国内産麦小麦粉を含有することが好ましく、その含有量は好ましくは5〜30質量%である。本発明のドーナツ用ミックスは、さらに、加工澱粉、糖類、乳化剤を含有していてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、国内産麦小麦粉を用いたドーナツ用ミックスに関する。
国内産麦小麦粉は、一般的には、外国産麦小麦粉とは蛋白質や澱粉の性質が異なるため、麺類などに適性が限定されることが多いが、近年の消費者の自然志向、健康志向の高まりを背景に、国内産麦小麦粉が持つ安心感や健康的なイメージから、消費者の間には国内産麦小麦粉を用いた小麦粉含有食品のニーズが高まってきている。
また、小麦粉含有食品の一種であるドーナツは、小麦粉、砂糖、卵などを原料にして生地を調製し、調製した生地を油ちょうすることにより製造される揚げ菓子の一種であり、一般的には、過度の粘り(クチャつき)がなくてサクサクとして歯切れがよく、口どけのよい食感のドーナツが好まれる。また、ドーナツは食感のみならず外観も重要であり、例えば、オールドファッションなどと呼ばれるドーナツは、片面(表面)に割れ目が形成された独特の外観を持つことで特徴付けられ、食感が良好であることに加えてさらにそのような独特の外観を持つことが要求される。
特許文献1には、ベーキングパウダーなどの膨張剤を用いて生地を膨化させて製造されるケーキドーナツに関して、その製造時あるいは冷凍・解凍時におけるドーナツの割れや外観の悪化を防止するために、湿熱処理された小麦粉を用いることが記載されている。
特許文献2には、ドーナツに湿熱処理されたデュラム小麦粉を用いることで、食感が良好で、また、沈みや窪みなどがなく充分に膨らみ、且つ油ちょう後の色調が良好なドーナツが得られることが記載されている。尚、特許文献2には、従来の菓子類や揚げ衣用の小麦粉(薄力小麦粉)としては、アメリカ産のウエスタン・ホワイト・ホイートやオーストラリア産のソフトなど、外国産麦小麦粉が主に使用されている旨記載されており、また、特許文献2記載発明で使用するデュラム小麦についても、米国が主要生産地である旨記載されている(特許文献2の〔0020〕及び〔0021〕)。
特開2009−17802号公報 特開平9−220049号公報
近年、外国産麦小麦粉よりも安心感の高い国内産麦小麦粉を用いたドーナツに対するニーズが高まっているが、斯かるドーナツは、国内産麦小麦粉の特性に起因して、食したときにクチャつきがあってサクミに乏しく、口どけも良好とは言えず、食感の点で改善の余地がある。国内産麦小麦粉を用いながらも、食感が良好なドーナツを安定的に提供し得る技術は未だ提供されていない。
本発明の課題は、国内産麦小麦粉を用いながらも、外国産麦小麦粉を用いたものと比べて遜色のない良好な食感のドーナツを製造し得るドーナツ用ミックスを提供することにある。
本発明は、国内産麦小麦粉を含有するドーナツ用ミックスである。
本発明のドーナツ用ミックスによれば、国内産麦小麦粉を用いながらも、外国産麦小麦粉を用いたものと比べて遜色のない良好な食感のドーナツが得られる。本発明のドーナツ用ミックスを用いて得られたドーナツは、クチャつきがなくてサクミのある口どけのよい食感を有する。また、本発明のドーナツ用ミックスは、表面に独特の割れ目(クラック)が形成されたいわゆるオールドファッションドーナツの製造に適しており、裏面に意図しない割れ目が形成される現象(裏割れ)を抑制し、外観の良好なオールドファッションドーナツを提供することができる。
本発明の主たる特徴の1つは、国内産麦小麦粉を主体的に使用する点にあるところ、近年、食の安全性に対する国民の意識の高まりにより、種々の小麦粉含有食品において、外国産麦小麦粉よりも国内産麦小麦粉を選択する気運が非常に高まっており、本発明はこうした国内産麦小麦粉に対するニーズにマッチした待望の技術であるといえる。
本発明のドーナツ用ミックスは、国内産(日本産)麦小麦粉を含有する。別の観点から言えば、本発明のドーナツ用ミックスは、外国産麦小麦粉を全く含有しないか、又は含有するとしてもごく少量である。小麦の品質は、栽培される土壌や気候などの影響を受けて大きく変化し、同じ品種の小麦でも産地が異なれば品質が異なる。国内産麦と外国産麦とにおいても品質に大きな違いがある。本発明のドーナツ用ミックスに含まれる全ての穀粉における国内産麦小麦粉の占める割合は、少なくとも25質量%以上であり、典型的には100質量%である。
本発明で用いる国内産麦小麦粉の原料となる小麦としては、現存する国内産小麦品種、及びそれらから派生した小麦品種(現存する国内産小麦品種の品種改良で生まれた小麦品種)の双方を用いることができる。本発明では、現存する国内産小麦品種及びその派生品種からなる群から選択される小麦品種を原料とする国内産麦小麦粉の1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記の現存する国内産小麦品種としては、現在までに日本で品種登録された小麦品種として下記のものを例示できる。
あおばの恋、あきたっこ、アブクマワセ、あやひかり、イワイノダイチ、キタカミコムギ、きたさちほ、キタノカオリ、きたほなみ、きたもえ、キタ力ミコムギ、きぬあかり、きぬあずま、きぬいろは、きぬの波、キヌヒメ、コユキコムギ、さとのそら、さぬきの夢2000、さぬきの夢2009、しゅんよう、シラサギコムギ、シラネコムギ、シロガネコムギ、せときらら、タイセツコムギ、タクネコムギ、ダブル8号、タマイズミ、チクゴイズミ、ちくしW2号、チホクコムギ、つるきち、つるぴかり、ナンブコムギ、ニシノカオリ、ニシホナミ、ネノリゴシ、ネバリゴシ、ハナマンテ、ハルイブ、はるきらり、はるひので、ハルユタカ、ハレイブキ、ハレユタカ、バンドウワセ、フウセツ、ふくあかり、ふくさやか、ふくはるか、ふくほのか、ホクシン、ホロシリコムギ、もち姫、ゆきちから、ゆきはるか、ゆめあかり、ユメアサヒ、ゆめかおり、ゆめきらり、ユメシホウ、ユメセイキ、ゆめちから、銀河のちから、香育21号、春のかがやき、春よ恋、長崎W2号、東海103号、東海104号、東山42号、農林61号、福井県大3号、利根3号、ダブレ8号、ミナミノカオリ。
国内産小麦品種は、品種の特性や製粉性等の観点から、薄力系又は中力系と強力系とに大別される。本発明で用いる国内産麦小麦粉の原料となる小麦は、中力系が好ましい。中力系の国内産小麦品種は通常、蛋白含量が7.5〜10.5質量%である。前記の国内産小麦品種のうち、中力系として本発明で好ましく用いられるものとして、きたほなみ、シロガネコムギ、チクゴイズミを例示できる。
国内産麦小麦粉の含有量は、本発明のドーナツ用ミックス中、該ミックスの全質量に対して、好ましくは50〜65質量%、さらに好ましくは52〜63質量%である。
本発明のドーナツ用ミックスは、国内産麦小麦粉に加えてさらに、国内産麦小麦粉を熱処理してなる熱処理国内産麦小麦粉を含有することが好ましい。ドーナツ用ミックスにおいて、国内産麦小麦粉とこれを熱処理してなる熱処理国内産麦小麦粉とを併用することで、国内産麦小麦粉に起因するドーナツのクチャついた食感が低減し、サクミのある口どけのよい食感がより一層確実に得られるようになる。
熱処理国内産麦小麦粉の製造において、処理対象たる国内産麦小麦粉に施す熱処理は、乾熱処理でも湿熱処理でもよいが、特に湿熱処理が好ましい。
乾熱処理は、処理対象(国内産麦小麦粉)を水分無添加の条件で加熱する処理であり、処理対象中の水分を積極的に蒸発させる処理である。乾熱処理は、例えば、オーブンでの加熱、焙焼窯での加熱、乾燥器を用いる加熱、熱風を吹き付ける熱風乾燥、高温低湿度環境での放置などによって実施することができる。
湿熱処理は、処理対象(国内産麦小麦粉)の水分を維持しながら、又は処理対象に水分を加えながら、処理対象を加熱する処理である。湿熱処理において、処理対象に加える水分としては、水、水蒸気を用いることができ、水蒸気としては飽和水蒸気が好ましく用いられる。湿熱処理における加熱方法は特に制限されず、例えば、熱風などの熱媒体を処理対象に直接接触させる方法、処理対象を高湿度雰囲気下において間接的に加熱する方法が挙げられる。湿熱処理の実施装置は特に制限されず、例えば、オートクレーブ、スチームオーブン、一軸又は二軸型エクストルーダーが挙げられる。
熱処理国内産麦小麦粉の製造方法(国内産麦小麦粉の湿熱処理方法)の好ましい一例として、温度120〜125℃の飽和水蒸気を導入した加圧状態の密閉容器に処理対象(国内産麦小麦粉)を導入する方法が挙げられる。斯かる方法において、密閉容器中での処理対象の滞留時間は、好ましくは2〜60秒間、さらに好ましくは4〜20秒間であり、また、密閉容器から排出された直後の処理対象の品温は、好ましくは85〜115℃、さらに好ましくは100〜110℃である。
前記の密閉容器内に飽和水蒸気を導入する湿熱処理は、例えば、特開平3−83567号公報に記載されているような密閉系撹拌機を用いて実施し得る。この密閉系撹拌機は、処理対象(国内産麦小麦粉)の投入口及び排出口並びにこれらを結ぶ処理対象の移送路を有する密閉式の円筒形圧力容器と、該移送路内に飽和水蒸気を導入する機構とを具備し、該移送路内に、処理対象の移送方向に延びる撹拌軸と該撹拌軸の周囲に螺旋状に植設された撹拌羽根とを含んで構成される攪拌機が設けられ、該攪拌機によって該移送路内の処理対象を撹拌可能になされている。この撹拌機は、あくまで前記移送路内の処理対象を撹拌するための部材であって、処理対象を前記排出口へ押し出すための押出具ではなく、前記密閉系撹拌機は、そのような押出具(エクストルーダーが備えるスクリューに相当する部材)は具備していない。前記密閉系撹拌機を用いた国内産麦小麦粉の湿熱処理は、該小麦粉を攪拌しながら移送する攪拌移送過程で該小麦粉に飽和水蒸気を直接当てる工程を含むものであり、斯かる湿熱処理においては、小麦粉流量3000kg/hの時に、水蒸気流量を210〜260kg/hとすることが好ましい。
本発明で用いる熱処理国内産麦小麦粉の好ましい一例として、グルテンバイタリティーが35〜47%、好ましくは38〜42%である熱処理国内産麦小麦粉を例示できる。この好ましい熱処理国内産麦小麦粉は、前記の密閉容器内に飽和水蒸気を導入する湿熱処理を利用した製造方法によって得られる。
本明細書でいうグルテンバイタリティーは下記方法により測定される。下記のグルテンバイタリティーの測定方法は、(1)小麦粉の可溶性粗蛋白質含量の測定、(2)小麦粉の全粗蛋白質含量の測定、(3)グルテンバイタリティーの算出の順で行われる。
<グルテンバイタリティーの測定方法>
(1)小麦粉の可溶性粗蛋白質含量の測定:
(a)100mL容のビーカーに試料(小麦粉)を2g精秤して入れる。
(b)前記ビーカーに0.05規定酢酸40mLを加えて、室温で60分間攪拌して懸濁液を調製する。
(c)前記(b)で得た懸濁液を遠沈管に移して、5000rpmで5分間遠心分離を行った後、濾紙を用いて濾過し、濾液を回収する。
(d)前記ビーカーを0.05規定酢酸40mLで洗い、その洗液を遠沈管に移して、5000rpmで5分間遠心分離を行った後、濾紙を用いて濾過し、濾液を回収する。
(e)前記(c)及び(d)で回収した濾液を一緒にして0.05規定酢酸で100mLにメスアップする。(f)ティケーター社(スウェーデン)のケルテックオートシステムのケルダールチューブに前記(e)で得られた液体の25mLをホールピペットで入れて、分解促進剤(日本ゼネラル株式会社製「ケルタブC」;硫酸カリウム:硫酸銅=9:1(重量比)1錠及び濃硫酸15mLを加える。
(g)前記ケルテックオートシステムに組み込まれているケルテック分解炉(DIGESTION SYSTEM 20 1015型) を用いて、ダイヤル4で1時間分解処理を行い、さらにダイヤル9又は10で1時間分解処理を自動的に行った後、この分解処理に続いて連続的に且つ自動的に、同じケルテックオートシステムに組み込まれているケルテック蒸留滴定システム(KJELTEC AUTO 1030型) を用いて、その分解処理を行った液体を蒸留及び滴定して(滴定には0.1規定硫酸を使用)、下記数式(1)により、試料(小麦粉)の可溶性粗蛋白質含量を求める。
〔数1〕
可溶性粗蛋白質含量(%)
=0.14×(T−B)×F×N×(100/S)×(1/25) …(1)
前記数式(1)中、
T=滴定に要した0.1規定硫酸の量(mL)
B=ブランクの滴定に要した0.1規定硫酸の量(mL)
F=滴定に用いた0.1規定硫酸の力価(用時に測定するか又は力価の表示のある市販品を用いる)
N=窒素蛋白質換算係数(5.70)
S=試料の秤取量(g)
(2)小麦粉の全粗蛋白質含量の測定:
(a)前記(1)で用いたのと同じティケーター社のケルテックオートシステムのケルダールチューブに、試料(小麦粉)を0.5g精秤して入れ、これに前記(1)の(f)で用いたのと同じ分解促進剤1錠及び濃硫酸5mLを加える。
(b)前記(1)で用いたのと同じケルテックオートシステムのケルテック分解炉を用いて、ダイヤル9又は10で1時間分解処理を自動的に行った後、この分解処理に続いて連続的にかつ自動的に、同じケルテックオートシステムに組み込まれている前記(1)で用いたのと同じケルテック蒸留滴定システムを用いて、前記で分解処理を行った液体を蒸留及び滴定して(滴定には0.1規定硫酸を使用)、下記数式(2)により、試料(小麦粉)の全粗蛋白質含量を求める。
〔数2〕
全粗蛋白質含量(%)=(0.14×T×F×N)/S …(2)
前記数式(2)中、
T=滴定に要した0.1規定硫酸の量(mL)
F=滴定に用いた0.1規定硫酸の力価(用時に測定)
N=窒素蛋白質換算係数(5.70)
S=試料の秤取量(g)
(3)グルテンバイタリティーの算出:
前記(1)で求めた試料(小麦粉)の可溶性粗蛋白質含量及び前記(2)で求めた試料(小麦粉)の全粗蛋白質含量から、下記数式(3)により、試料(小麦粉)のグルテンバイタリティーを求める。
〔数3〕
グルテンバイタリティー(%)
=(可溶性粗蛋白質含量/全粗蛋白質含量)×100 …(3)
本発明のドーナツ用ミックス中、熱処理国内産麦小麦粉の含有量は、該ミックスの全質量に対して、好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは7〜10質量%である。ドーナツ用ミックスにおける熱処理国内産麦小麦粉の含有量が少なすぎると、これを用いる意義に乏しく、逆に熱処理国内産麦小麦粉の含有量が多すぎると、該ミックスを用いて得られたドーナツに裏割れ、吸油過多が生じるおそれがある。
本発明のドーナツ用ミックスは、国内産麦小麦粉に加えてさらに、加工澱粉を含有することが好ましい。ドーナツ用ミックスにおいて、国内産麦小麦粉と共に加工澱粉を併用することで、国内産麦小麦粉に起因するドーナツのクチャついた食感が低減し、サクミのある口どけのよい食感がより一層確実に得られるようになる。
加工澱粉としては、原料澱粉に、例えば架橋、酸化等の加工を施したものを用いることができる。原料澱粉としては、例えば、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの加工澱粉の中でも特に、リン酸架橋澱粉が好ましい。
本発明のドーナツ用ミックス中、加工澱粉の含有量は、該ミックスの全質量に対して、好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは3〜7質量%である。ドーナツ用ミックスにおける加工澱粉の含有量が少なすぎると、これを用いる意義に乏しく、逆に加工澱粉の含有量が多すぎると、該ミックスを用いて得られたドーナツに裏割れ、吸油過多が生じるおそれがある。
本発明のドーナツ用ミックスには、甘味や風味付け、あるいは口どけのさらなる向上等の観点から、国内産麦小麦粉に加えてさらに、糖類を含有させることができる。糖類としては、広く食用に用いられる糖類を特に制限なく用いることができ、例えば、砂糖、ぶどう糖、オリゴ糖、麦芽糖、トレハロース、果糖が挙げられ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの糖類の中でも特に、砂糖が好ましい。本発明のドーナツ用ミックス中、糖類の含有量は、該ミックスの全質量に対して、好ましくは25〜35質量%、さらに好ましくは27〜32質量%である。
本発明のドーナツ用ミックスは、国内産麦小麦粉に加えてさらに、乳化剤を含有することが好ましい。ドーナツ用ミックスにおいて、国内産麦小麦粉と共に乳化剤を併用することで、国内産麦小麦粉に起因するドーナツのクチャついた食感が低減し、サクミのある口どけのよい食感がより一層確実に得られるようになる。
乳化剤としては、広く食用に用いられる乳化剤を特に制限なく用いることができ、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、有機酸モノグリセリド、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウムが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの乳化剤の中でも特に、レシチンが好ましい。
本発明のドーナツ用ミックス中、乳化剤の含有量は、該ミックスの全質量に対して、好ましくは0.1〜2.5質量%、さらに好ましくは0.3〜0.7質量%である。ドーナツ用ミックスにおける乳化剤の含有量が少なすぎると、これを用いる意義に乏しく、逆に乳化剤の含有量が多すぎると、該ミックスを用いて得られたドーナツに裏割れ、吸油過多が生じるおそれがある。
本発明のドーナツ用ミックスは、前記成分(国内産麦小麦粉、熱処理国内産麦小麦粉、加工澱粉、糖類、乳化剤)に加えて、必要に応じて、ドーナツ用ミックスの製造に通常用いられ得るその他の原料、例えば、未加工澱粉、油脂、卵粉、食塩、大豆粉、香料、乳原料、増粘剤、膨張剤等を含有していてもよく、製造するドーナツの種類等に応じて、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて適宜の量で用いることができる。
本発明のドーナツ用ミックスを用いたドーナツの製造は常法に従う。本発明のドーナツ用ミックスは、ベーキングパウダーなどの膨張剤を用いたケーキドーナツに適用できる。本発明のドーナツ用ミックスは特に、片面に独特の割れ目(クラック)を有し、サクミの強い独特の食感が特徴的なオールドファッションドーナツの製造に適している。オールドファッションドーナツは、典型的には、ドーナツ用ミックスから常法に従って調製され所望の形状に成形された生地を高温の油に落とし、該生地の一面側(ドーナツ裏面側)が油中に没し且つ他面側(ドーナツ表面側)が油上に浮かんだ状態で、該一面側を油ちょうした後、該生地を反転させて該他面側を油ちょうする方法によって製造されるところ、斯かる製造方法において、生地の他面側即ち生地反転後に油ちょうされるドーナツ表面側から、該生地に含まれる膨張剤などから発生したガスが噴出することで、製造結果物たるオールドファッションドーナツの表面に独特の割れ目が形成される。
本発明のドーナツ用ミックスは、国内産麦小麦粉を主体とするため、該ミックスを前記のオールドファッションドーナツの製造に用いた場合には、最初に油ちょうされる生地のドーナツ裏面側に意図しない割れ目が形成される、いわゆる裏割れの発生が懸念される。ドーナツの裏割れについて本発明者らが種々検討した結果、前述した本発明のドーナツ用ミックスの組成は、主として、サクミ、クチャつきのなさ、口どけなどのドーナツ喫食時の特性の向上の観点から決定されたものであるが、この喫食時の特性を主に考慮して決定されたドーナツ用ミックスの組成をベースとして、そのベースとなる組成を、糖類の含有量を低減し且つ国内産麦小麦粉の含有量を増加する方向で調整することで、裏割れが効果的に防止され得ることを知見した。具体的には、本発明のドーナツ用ミックスにおける国内産麦小麦粉及び糖類の含有量の好ましい範囲はそれぞれ前述した通りであるが、さらにオールドファッションドーナツの製造時における裏割れの発生防止を考慮すると、国内産麦小麦粉の含有量を、ドーナツ用ミックスの全質量に対して、好ましくは52〜57質量%、さらに好ましくは52.5〜55質量とし、且つ糖類の含有量を、ドーナツ用ミックスの全質量に対して、好ましくは26〜30質量%、さらに好ましくは28〜29質量%とすることが、裏割れの発生防止に有効である。斯かる好ましい含有量の範囲は、後述する実施例5〜7が、他の実施例に比して裏割れの発生が抑制されている点からも裏付けられる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜7、比較例1及び参考例1〕
下記表1に示す原料を適宜混合・攪拌して、各実施例、比較例及び参考例のドーナツ用ミックスを製造した。使用した原料の詳細は下記の通り。
・国内産麦小麦粉:中力系(日清製粉製、商品名「薫風」)
・外国産麦小麦粉:薄力系(日清製粉製、商品名「フラワー」)70質量%と強力系(日清製粉製、商品名「ミリオン」)30質量%とのブレンド粉
・糖類:砂糖(三井精糖製、商品名「グラニュ糖GS」)
・加工澱粉:リン酸架橋澱粉(王子コーンスターチ製、商品名「げっこう200」)
・油脂:月島食品工業製の商品名「TショートSP」)
・乳化剤:レシチン(辻製油製)
また、各実施例で使用した熱処理国内産麦小麦粉は、処理対象としての前記の国内産麦小麦粉に対し、前記の密閉系撹拌機を用いた飽和水蒸気による湿熱処理を施すことによって製造されたもので、グルテンバイタリティーが40%である熱処理国内産麦小麦粉である。湿熱処理の条件は下記の通り。
・飽和水蒸気の温度:120〜125℃
・密閉系撹拌機中での処理対象の滞留時間:10秒間
・密閉系撹拌機から排出された直後の処理対象の品温:85〜115℃
・密閉系撹拌機における小麦粉流量:3000kg/h
・密閉系撹拌機における水蒸気流量:210〜260kg/h
〔試験例〕
各実施例、比較例及び参考例のドーナツ用ミックスを用いて、下記方法によりオールドファッションドーナツを製造した。製造後室温で30分放置した後、ドーナツを10名のパネラーに食してもらい、食感(サクミ、クチャつきのなさ、口どけ)を下記評価基準で評価してもらうと共に、外観(裏割れの程度)を下記評価基準で評価してもらった。その結果を10名の評価点の平均値として下記表1に示す。
(オールドファッションドーナツの製造)
ドーナツ用ミックス1500gと脱脂粉乳30gとを混合し、その混合物1500gに、水270g、卵150g、サラダ油150gを加え、撹拌混合して品温20℃の生地を調製する。生地からドーナツカッターを用いてドーナツ1個当たり50gを切り出し、180℃に加熱したフライヤーに落として該生地の一面側を油ちょうし、1分30秒後に該生地を反転させて他面側を油ちょうして、目的のオールドファッションドーナツを得る。
<サクミの評価基準>
5点:非常にサクサクしていて、歯もろく、極めて良好。
4点:サクサクしており、良好。
3点:サクミが不足している。
2点:サクミがほとんどなく、しなり気味であり、不良。
1点:サクミが全くなく、しなっており、極めて不良。
<クチャつきのなさの評価基準>
5点:クチャつきが全くなく、極めて良好。
4点:クチャつきがほとんどなく、良好。
3点:わずかにクチャつきがある。
2点:クチャつきがあり、不良。
1点:非常にクチャクチャし、極めて不良。
<口どけの評価基準>
5点:極めて良好。
4点:良好。
3点:やや劣る。
2点:劣る。
1点:口の中でだんごになり、非常に劣る。
<外観の評価基準>
5点:裏割れ(ドーナツの裏面側の割れ目)、ひびが全く無く、極めて良好。
4点:わずかなひび割れが一部に生じている程度で、裏割れが無く、良好。
3点:裏割れが一部に生じており、やや劣る。
2点:裏割れが複数箇所に生じており、不良。
1点:裏割れが全体におよんでおり、極めて不良。
Figure 2018117616

Claims (6)

  1. 国内産麦小麦粉を含有するドーナツ用ミックス。
  2. さらに、前記国内産麦小麦粉を熱処理してなる熱処理国内産麦小麦粉を含有する請求項1に記載のドーナツ用ミックス。
  3. 前記熱処理国内産麦小麦粉の含有量が5〜30質量%である請求項2に記載のドーナツ用ミックス。
  4. 前記国内産麦小麦粉の含有量が50〜65質量%である請求項1〜3の何れか1項に記載のドーナツ用ミックス。
  5. さらに、加工澱粉を1〜10質量%含有する請求項1〜4の何れか1項に記載のドーナツ用ミックス。
  6. さらに、乳化剤を0.1〜2.5質量%含有する請求項1〜5の何れか1項に記載のドーナツ用ミックス。
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