JP2018117503A - 回転電機用ロータ及び回転電機用ロータの製造方法 - Google Patents

回転電機用ロータ及び回転電機用ロータの製造方法 Download PDF

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善也 中川
Yoshiya Nakagawa
善也 中川
正幸 池本
Masayuki Ikemoto
正幸 池本
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Abstract

【課題】ロータ軸とロータコアとを互いに固定するための構造によるコストの増大を抑制することが可能な技術を実現する。【解決手段】ロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとが接着剤20で固定された接着部30が、周方向Cの複数箇所に設けられる。周方向Cに隣接する2つの接着部30の間の周方向Cの領域を一般部40として、接着部30におけるロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとの間の径方向Rの間隔D1が、一般部40におけるロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとの間の径方向Rの間隔D2よりも大きい。【選択図】図3

Description

本発明は、ロータ軸と、ロータ軸が軸方向に挿通される挿通孔を備えたロータコアと、を備えた回転電機用ロータ、及び、その製造方法に関する。
回転電機用ロータの一例として、特開2016−93015号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。特許文献1に記載のロータ(1)は、シャフト(4)に形成された雄ねじ部(10)にナット(5)を締め付けることで、コア(2)にシャフト(4)を固定するように構成されている。具体的には、コア(2)には、シャフト(4)が挿入されるシャフト挿入孔(3a)が形成され、シャフト(4)には、コア(2)の一端面に当接してコア(2)を支持するためのフランジ(4a)が形成されている。そして、コア(2)がフランジ(4a)によって位置決めされた状態でナット(5)を締め付けることで、シャフト(4)がコア(2)に固定される。
しかしながら、特許文献1に記載のように、ナットを用いてロータ軸とロータコアとを互いに固定する構成では、ナットやワッシャが別途必要になると共に、ロータ軸にフランジ部やねじ部を形成するための加工を行う必要がある。そのため、特許文献1に記載の構成では、部品費や加工費の増大によって、回転電機用ロータのコストが増大しやすい。
特開2016−93015号公報(段落0020−0021)
そこで、ロータ軸とロータコアとを互いに固定するための構造によるコストの増大を抑制することが可能な技術の実現が望まれる。
上記に鑑みた、ロータ軸と、前記ロータ軸が軸方向に挿通される挿通孔を備えたロータコアと、を備えた回転電機用ロータの特徴構成は、前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面とが接着剤で固定された接着部が、周方向の複数箇所に設けられ、前記周方向に隣接する2つの前記接着部の間の前記周方向の領域を一般部として、前記接着部における前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間の径方向の間隔が、前記一般部における前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間の前記径方向の間隔よりも大きい点にある。
上記の特徴構成によれば、ロータ軸の外周面と挿通孔の内周面とを接着剤で固定することで、ロータ軸とロータコアとを互いに固定することができる。よって、ナットを用いてロータ軸とロータコアとを互いに固定する場合に比べて、ナットやワッシャが不要となる分、部品コストの低減を図ることが可能となり、また、フランジ部やねじ部をロータ軸に形成する必要がない分、加工費の低減を図ることも可能となる。この結果、ロータ軸とロータコアとを互いに固定するための構造によるコストの増大を抑制することが可能となる。
更に、上記の特徴構成によれば、接着部におけるロータ軸の外周面と挿通孔の内周面との間の径方向の間隔が、一般部におけるロータ軸の外周面と挿通孔の内周面との間の径方向の間隔よりも大きいため、ロータ軸の外周面と挿通孔の内周面との間の径方向の間隔が接着部と一般部とで互いに同一である場合に比べて、接着剤の配置スペースを接着部に適切に確保することができる。この結果、例えば、ロータ軸の外周面及び挿通孔の内周面の少なくとも一方における接着部を形成する部分に接着剤を付着させた後に、ロータ軸を挿通孔に挿通して回転電機用ロータを製造する場合に、接着部を形成する上記の部分に付着した接着剤が、ロータ軸を挿通孔に挿通する際に剥離することを抑制することが可能となる。よって、ロータ軸とロータコアとを、接着剤で適切に固定することができる。
上記に鑑みた、ロータ軸と、前記ロータ軸が軸方向に挿通される挿通孔を備えたロータコアと、を備え、周方向の複数箇所に設けられた接着部において、前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面とが接着剤で固定される回転電機用ロータの製造方法の特徴構成は、前記周方向に隣接する2つの前記接着部の間の前記周方向の領域を一般部として、前記ロータ軸及び前記ロータコアは、前記接着部における前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間の径方向の間隔が、前記一般部における前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間の前記径方向の間隔よりも大きくなるように形成され、前記ロータ軸、前記ロータコア、及び、加熱により発泡して膨張すると共に硬化する前記接着剤を準備する準備工程と、前記ロータ軸の外周面及び前記挿通孔の内周面の少なくとも一方における前記接着部を形成する部分に、前記接着剤を付着させる付着工程と、前記付着工程の後、前記ロータ軸を前記挿通孔に挿入する挿入工程と、前記挿入工程の後、前記接着剤を加熱して前記接着剤を膨張させると共に硬化させる加熱工程と、を備える点にある。
上記の特徴構成によれば、接着部におけるロータ軸の外周面と挿通孔の内周面との間の径方向の間隔が、一般部におけるロータ軸の外周面と挿通孔の内周面との間の径方向の間隔よりも大きくなるように形成されたロータ軸及びロータコアを用いて回転電機用ロータを製造することができるため、付着工程の後に挿入工程を実行する際に、接着部を形成する部分に付着した接着剤が剥離することを抑制することができる。そして、挿入工程の後に実行される加熱工程により、接着部を形成する部分に付着した接着剤を膨張させると共に硬化させることができるため、上記のように接着部におけるロータ軸の外周面と挿通孔の内周面との間の径方向の間隔を大きく確保して挿入工程での接着剤の剥離を抑制しつつ、加熱工程の実行により、ロータ軸の外周面と挿通孔の内周面とを接着剤により適切に固定することができる。
以上のように、上記の特徴構成によれば、ロータ軸とロータコアとが接着剤で適切に固定された回転電機用ロータを製造することができる。そして、このようにロータ軸の外周面と挿通孔の内周面とを接着剤で固定する構造とすることで、上述したように、ロータ軸とロータコアとを互いに固定するための構造によるコストの増大を抑制することが可能となる。
回転電機用ロータ及びその製造方法の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
実施形態に係る回転電機を示す図 実施形態に係るロータの軸方向に直交する断面図 図2の一部の拡大図 実施形態に係る付着工程の実行後のロータ軸の一部の斜視図 実施形態に係る挿入工程の実行後のロータの軸方向に直交する断面図 図5の一部の拡大図 実施形態に係るロータの製造方法を示すフローチャート その他の実施形態に係るロータの一部の軸方向に直交する断面図 その他の実施形態に係るロータの一部の軸方向に直交する断面図
回転電機用ロータ及びその製造方法の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、「軸方向L」、「径方向R」、及び「周方向C」は、回転電機用ロータ(以下、「ロータ2」という。)の回転軸心A(図1参照)を基準として定義している。回転軸心Aは仮想軸であり、ロータ2が回転軸心A回りに回転する。なお、本明細書では、寸法、配置方向、配置位置等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態も含む概念として用いている。
図1に示すように、ロータ2は、回転電機用のロータである。ロータ2は、ロータ軸6と、ロータ軸6が軸方向Lに挿通される挿通孔16(図2参照)を備えたロータコア15と、を備えている。ロータ2は、ステータ3と共に回転電機1に用いられる。図1に示す例では、回転電機1はケース4に収容されており、ステータ3のコアであるステータコア10が、ケース4(ここではケース4の内面)に固定され、ロータ2が、ケース4に対して回転可能に支持されている。具体的には、ロータ軸6が、軸方向Lの両側で軸受5によってケース4に対して回転可能に支持されており、ロータコア15が、ロータ軸6と一体回転するように連結されている。図2等では、ロータ軸6を中実の軸としているが、ロータ軸6を中空の軸(円筒状の軸)とすることも可能である。
ロータコア15は、ステータコア10に対して径方向Rに対向配置される。具体的には、ロータ2は、インナーロータ型の回転電機用のロータであり、ロータコア15は、ステータコア10よりも径方向Rの内側であって径方向Rに見てステータコア10と重複する位置に配置される。本実施形態では、回転電機1は回転界磁型の回転電機であり、ステータコア10にはコイル13が巻装される。そして、ステータ3から発生する磁界により、界磁としてのロータ2が回転する。このように、本実施形態では、ロータ2は、回転界磁型の回転電機用のロータであるが、ロータ2を、固定界磁型(回転電機子型)の回転電機用のロータとすることもできる。本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
ロータコア15は、例えば、円環板状の磁性体板(例えば、電磁鋼板等)を軸方向Lに複数積層して形成され、或いは、磁性材料の粉体である磁性粉体を加圧成形してなる圧粉材を主な構成要素として形成される。本実施形態では、ロータ2は、界磁として永久磁石を備えた回転界磁型の回転電機用のロータであり、ロータコア15には永久磁石が挿入される磁石挿入孔が形成されているが、図2等では、永久磁石や磁石挿入孔を省略してロータコア15を簡略化して示している。本実施形態では、ロータコア15は、軸方向Lに直交する断面形状が軸方向Lに沿って均一に(一様に)形成されている。また、本実施形態では、ロータ軸6における挿通孔16の内部に配置される部分は、軸方向Lに直交する断面形状が軸方向Lに沿って均一に形成されている。
ロータ軸6とロータコア15は、接着剤20によって互いに固定されている。具体的には、図2に示すように、ロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとが接着剤20で固定された接着部30が、周方向Cの複数箇所に設けられている。複数の接着部30は周方向Cに沿って等間隔で設けられ、本実施形態では4つの接着部30が周方向Cに沿って90度の間隔で設けられている。このように、ロータ軸6とロータコア15とを接着剤20によって互いに固定することで、ナットを用いてロータ軸6とロータコア15とを互いに固定する場合に比べて、ナットやワッシャが不要となる分、部品コストの低減を図ることが可能となり、また、フランジ部やねじ部をロータ軸6に形成する必要がない分、加工費の低減を図ることも可能となっている。また、ナットやフランジ部が不要な分、ロータ2の軸方向Lの長さを短縮することも可能となっている。
図3に示すように、本実施形態では、接着部30において、ロータ軸6の外周面6aに形成された平面部である第一平面部31と、挿通孔16の内周面16aに形成された平面部である第二平面部32とが、接着剤20を挟んで径方向Rに対向している。すなわち、本実施形態では、第一平面部31と第二平面部32とが接着剤20で固定されている。接着部30の周方向Cの中心において径方向Rに平行となる方向(図3において上下方向に平行な方向)を基準方向として、第一平面部31及び第二平面部32のそれぞれは、この基準方向に対して直交する平面である。すなわち、第一平面部31と第二平面部32は、互いに平行に配置される。また、第一平面部31及び第二平面部32のそれぞれは、一定の幅で軸方向Lに平行に延びるように形成されている。なお、図3では、軸方向Lに直交する方向の幅(図3における左右方向の幅)が第一平面部31と第二平面部32とで互いに同一の幅となる場合を例示しているが、第一平面部31と第二平面部32とで軸方向Lに直交する方向の幅を互いに異ならせることも可能である。
ここで、図2に示すように、周方向Cに隣接する2つの接着部30の間の周方向Cの領域を一般部40とする。図3に示すように、接着部30におけるロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとの間の径方向Rの間隔である第一間隔D1は、一般部40におけるロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとの間の径方向Rの間隔である第二間隔D2よりも大きい。本実施形態では、第一間隔D1は、第一平面部31と第二平面部32との間の間隔(径方向Rの間隔)である。なお、接着部30の周方向Cの中心からずれた位置では、径方向Rは第一平面部31や第二平面部32に対して交差する方向となるが、図3に示すように、ここでは上述した基準方向における第一平面部31と第二平面部32との間隔を、第一間隔D1としている。接着部30におけるロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとの間の径方向Rの間隔(ここでは、第一平面部31と第二平面部32との間の上記基準方向の間隔)が周方向Cに沿って均一でない場合には、各部での間隔の平均値、最小値、最大値等を第一間隔D1とすることができる。
図2及び図3に示すように、本実施形態では、軸方向Lに直交する断面における一般部40でのロータ軸6の外周面6a及び挿通孔16の内周面16aの双方の形状が、ロータ軸6の回転軸心A(図1参照)を中心とする円弧状に形成されている。よって、本実施形態では、第二間隔D2は、一般部40でのロータ軸6の外周面6aの径(外径)と、一般部40での挿通孔16の内周面16aの径(内径)との差に相当する。ロータ軸6の中心位置とロータコア15の中心位置とが合っている状態では、第二間隔D2は、設計上、接着部30の形成位置を除く周方向Cの全域に亘って一定の値となる。本実施形態では、一般部40での挿通孔16の内周面16aの径(内径)を、一般部40でのロータ軸6の外周面6aの径(外径)よりも大きな値としている。よって、図2及び図3に示すように、一般部40のそれぞれにおける周方向Cの全域に亘って、ロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとの間に隙間Gが形成される。すなわち、本実施形態では、第二間隔D2は0より大きな値となる。一般部40におけるロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとの間の径方向Rの間隔が周方向Cに沿って均一でない場合には、各部での間隔の平均値、最小値、最大値等を第二間隔D2とすることができる。
このように、第一間隔D1が第二間隔D2よりも大きく、更に、一般部40のそれぞれにおける周方向Cの全域に亘って隙間Gが形成されるため、ロータ軸6の中心位置とロータコア15の中心位置との位置関係は、接着部30のそれぞれにおけるロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとの位置関係に応じて定まる。そして、本実施形態では、接着剤20は、発泡成分を含む発泡接着剤であり、発泡成分の発泡後の状態でロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとを互いに固定している。このような構成とすることで、本開示に係るロータ2では、後述するように、ロータ軸6の中心位置とロータコア15の中心位置とを合わせる調整(芯出し)を容易に行うことが可能となっている。なお、接着剤20(発泡接着剤)は、発泡成分に加えて熱硬化成分を含む。すなわち、接着剤20は、加熱により発泡して膨張すると共に硬化する接着剤である。このような接着剤20として、例えば、エポキシ系樹脂を含む基材の中に加熱膨張するカプセルが配合されたものを用いることができる。このカプセルは、例えば、加熱によって気化する液体等が封入された熱可塑性樹脂のカプセルとされる。
上記のように、一般部40のそれぞれにおける周方向Cの全域に亘って隙間Gが形成される構成とすることで、ロータ軸6を支持する軸受5における電食の発生を抑制することも可能となっている。すなわち、本実施形態では、一般部40においてロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとが接触しないため、接着剤20として電気的絶縁性を有する接着剤を用いることで、ロータコア15とロータ軸6とを適切に電気的に絶縁することができる。この結果、回転電機1の駆動時(コイル13への通電時)には、コイル13とステータコア10との間のコンデンサ効果や、ステータコア10とロータコア15との間のコンデンサ効果によって、ロータコア15に漏れ電流が生じ得るが、ロータコア15とロータ軸6とを電気的に絶縁することで、ロータ軸6に漏れ電流が流れることを抑制して、ロータ軸6を支持する軸受5における電食の発生を抑制することが可能となる。
本実施形態では、図3に示すように、ロータ2は、軸方向Lに直交する断面における接着部30での挿通孔16の内周面16aの形状が、一般部40において挿通孔16の内周面16aが形成する円弧と同径の円弧(回転軸心Aを中心とする円弧)よりも径方向Rの外側に窪んだ形状に形成される構成を備えている。具体的には、挿通孔16の内周面16aに形成される第二平面部32が、一般部40において挿通孔16の内周面16aが形成する円弧と同径の円弧よりも径方向Rの外側に形成されている。よって、挿通孔16の内周面16aにおける接着部30(第二平面部32)の周方向Cの両端部の位置に、周方向Cの内側(接着部30の周方向Cの中心に向かう側)を向く面(外側段差面52)を有する段差部が形成される。この結果、接着剤20の周方向Cの両端部を外側段差面52に接触させることができ、その分、ロータ軸6とロータコア15とが相対回転し難いように、ロータ軸6とロータコア15とをより強固に固定することが可能となっている。なお、本実施形態では、第一平面部31は、周方向Cの両側の一般部40においてロータ軸6の外周面6aが形成する円弧同士を接続する弦(円周上の2点を結ぶ線分)と同じ位置に形成されている。図3では、ロータ軸6の外周面6a(第一平面部31)と挿通孔16の内周面16a(第二平面部32)とが接着剤20で固定された状態で、接着剤20の周方向Cの両端部が外側段差面52に接触する構成(すなわち、接着剤20が、径方向Rの両側及び周方向Cの両側において、ロータ軸6又はロータコア15に接触する構成)を例として示したが、周方向Cの少なくとも一方側において、接着剤20と外側段差面52との間に隙間が形成される構成とすることもできる。周方向Cの両側において接着剤20と外側段差面52との間に隙間が形成される場合には、接着剤20は、第一平面部31及び第二平面部32のみに接触した状態で、ロータ軸6とロータコア15とが相対回転しないようにロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとを固定する。すなわち、この場合、接着剤20が、径方向Rの両側においてのみ、ロータ軸6又はロータコア15に接触する。
次に、本実施形態に係るロータ2の製造方法について説明する。図7に示すように、ロータ2の製造方法は、準備工程S1、付着工程S2、挿入工程S3、及び加熱工程S4を備えている。準備工程S1、付着工程S2、挿入工程S3、及び加熱工程S4が記載の順に実行されて、周方向Cの複数箇所に設けられた接着部30においてロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとが接着剤20で固定されたロータ2が製造される。
準備工程S1は、ロータ軸6、ロータコア15、及び、接着剤20を準備する工程である。準備工程S1では、上述したような第一間隔D1が第二間隔D2よりも大きくなるように形成されたロータ軸6及びロータコア15が準備される。また、準備工程S1では、加熱により発泡して膨張すると共に硬化する接着剤20(発泡接着剤)が準備される。
付着工程S2は、ロータ軸6の外周面6a及び挿通孔16の内周面16aの少なくとも一方における接着部30を形成する部分に、接着剤20を付着させる工程である(図4参照)。接着剤20の付着は、例えば塗布により行われる。本実施形態では、第一平面部31がロータ軸6の外周面6aにおける接着部30を形成する部分であり、第二平面部32が挿通孔16の内周面16aにおける接着部30を形成する部分である。本実施形態では、図4に示すように、付着工程S2では、ロータ軸6の外周面6aにおける接着部30を形成する部分(第一平面部31、図6参照)に、接着剤20を付着させる。本実施形態では、第一平面部31と第二平面部32との間に形成される接着剤20の配置スペースの大きさが、複数の接着部30の間で互いに同一とされている。よって、付着工程S2では、複数の第一平面部31(ここでは4つの第一平面部31)のそれぞれに対して、互いに同一の量の接着剤20が付着される。また、付着工程S2では、厚みが面内で均一になるように接着剤20が第一平面部31に付着される。なお、図6に示す例では、接着剤20の厚さは、挿入工程S3によってロータ軸6が挿通孔16に挿入された状態で、接着剤20の径方向外側部分における周方向Cの両端部が外側段差面52に対向する厚さとされている。
挿入工程S3は、付着工程S2の後に実行される工程であり、ロータ軸6を挿通孔16に挿入する工程である(図5、図6参照)。この状態では第一平面部31に付着している接着剤20は、発泡による膨張はしておらず、また、上述したように、第一間隔D1が第二間隔D2よりも大きくなるように形成されたロータ軸6及びロータコア15が用いられる(図3参照)。これにより、図6に示すように、挿入工程S3を実行する際に、第一平面部31に付着している接着剤20と第二平面部32との間に隙間を確保することができ、この結果、第一平面部31に付着している接着剤20が挿通孔16の内周面16a(第二平面部32)に接触して剥離することを抑制することが可能となっている。
なお、付着工程S2の後であって挿入工程S3の前に、接着剤20に含まれる発泡成分が発泡する温度よりも低い温度で接着剤20を乾燥させる乾燥工程を行っても良い。接着剤20の乾燥は、接着剤20に含まれる溶剤を揮発させることにより行う。乾燥工程は、例えば、空気を吹き付ける工程や、常温より高く発泡成分が発泡する温度よりも低い温度で接着剤20を加熱する工程とされる。
加熱工程S4は、挿入工程S3の後に実行される工程であり、接着剤20を加熱して接着剤20を膨張させると共に硬化させる工程である。本実施形態では、ロータ軸6が挿通孔16に挿入された状態のロータ2の全体を加熱することで、接着剤20を加熱する。接着剤20が加熱により膨張することで、図6に示すように接着剤20と第二平面部32との間に隙間が形成されている状態から、図3に示すように接着剤20と第二平面部32との間に隙間が形成されない状態へと変化して、第一平面部31と第二平面部32との間の隙間が接着剤20により充填された状態となる。そして、接着剤20が加熱による膨張に合わせて硬化することで、第一平面部31(ロータ軸6の外周面6a)と第二平面部32(挿通孔16の内周面16a)とが接着剤20により固定される。
ところで、加熱工程S4の実行時には、一般部40のそれぞれにおける周方向Cの全域に亘って隙間Gが形成された状態で、周方向Cの複数箇所に設けられた接着部30のそれぞれにおいて、ロータ軸6の外周面6a(第一平面部31)と挿通孔16の内周面16a(第二平面部32)との間で、接着剤20の発泡による径方向Rの押し付け力が発生する。そのため、各接着部30において接着剤20を均一に発泡させることで、接着部30のそれぞれにおいて発生する径方向Rの押し付け力によって、ロータ軸6の中心位置とロータコア15の中心位置とを合わせる調整(芯出し)を行うことが可能となっている。すなわち、ロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとを接着剤20で固定する際に、芯出しも併せて行うことが可能となっている。
〔その他の実施形態〕
次に、回転電機用ロータ及びその製造方法のその他の実施形態について説明する。
(1)上記の実施形態では、ロータ2が、軸方向Lに直交する断面における接着部30での挿通孔16の内周面16aの形状が、一般部40において挿通孔16の内周面16aが形成する円弧と同径の円弧よりも径方向Rの外側に窪んだ形状に形成される構成を備える場合を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、ロータ2が、このような構成に加えて、軸方向Lに直交する断面における接着部30でのロータ軸6の外周面6aの形状が、周方向Cの両側においてロータ軸6の外周面6aが形成する円弧同士を接続する弦よりも径方向Rの内側に窪んだ形状に形成される構成を更に備えても良い。このような構成の一例を図8に示す。
図8に示す例では、第二平面部32は上記の実施形態と同様に形成されている。一方、ロータ軸6の外周面6aに形成される第一平面部31は、上記実施形態とは異なり、周方向Cの両側の一般部40においてロータ軸6の外周面6aが形成する円弧同士を接続する弦よりも径方向Rの内側に形成されている。よって、挿通孔16の内周面16aにおける接着部30(第二平面部32)の周方向Cの両端部の位置に、周方向Cの内側を向く面(外側段差面52)を有する段差部が形成されることに加えて、ロータ軸6の外周面6aにおける接着部30(第一平面部31)の周方向Cの両端部の位置に、周方向Cの内側を向く面(内側段差面51)を有する段差部が形成される。この結果、接着剤20の周方向Cの両端部を外側段差面52及び内側段差面51の双方に接触させることができ、その分、ロータ軸6とロータコア15とが相対回転し難いように、ロータ軸6とロータコア15とをより強固に固定することが可能となる。なお、図8では、ロータ軸6の外周面6a(第一平面部31)と挿通孔16の内周面16a(第二平面部32)とが接着剤20で固定された状態で、接着剤20の周方向Cの両端部が外側段差面52及び内側段差面51に接触する構成(すなわち、接着剤20が、径方向Rの両側及び周方向Cの両側において、ロータ軸6又はロータコア15に接触する構成)を例として示したが、周方向Cの少なくとも一方側において接着剤20と外側段差面52との間に隙間が形成される構成や、周方向Cの少なくとも一方側において接着剤20と内側段差面51との間に隙間が形成される構成とすることもできる。周方向Cの両側において接着剤20と双方の段差面(外側段差面52及び内側段差面51)との間に隙間が形成される場合には、接着剤20は、第一平面部31及び第二平面部32のみに接触した状態で、ロータ軸6とロータコア15とが相対回転しないようにロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとを固定する。すなわち、この場合、接着剤20が、径方向Rの両側においてのみ、ロータ軸6又はロータコア15に接触する。
(2)上記の実施形態では、ロータ2が、軸方向Lに直交する断面における接着部30での挿通孔16の内周面16aの形状が、一般部40において挿通孔16の内周面16aが形成する円弧と同径の円弧よりも径方向Rの外側に窪んだ形状に形成される構成を備える場合を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、ロータ2が、このような構成に代えて、軸方向Lに直交する断面における接着部30でのロータ軸6の外周面6aの形状が、周方向Cの両側においてロータ軸6の外周面6aが形成する円弧同士を接続する弦よりも径方向Rの内側に窪んだ形状に形成される構成を備えても良い。このような構成の一例を図9に示す。
図9に示す例では、第一平面部31は、上述した図8に示す例と同様に形成されている。一方、挿通孔16の内周面16aに形成される第二平面部32は、上記実施形態とは異なり、一般部40において挿通孔16の内周面16aが形成する円弧と同径の円弧よりも径方向Rの内側に形成されている。具体的には、第二平面部32は、周方向Cの両側の一般部40において挿通孔16の内周面16aが形成する円弧同士を接続する弦と同じ位置に形成されている。このような構成によっても、接着剤20の周方向Cの両端部を内側段差面51に接触させることができ、その分、ロータ軸6とロータコア15とが相対回転し難いように、ロータ軸6とロータコア15とをより強固に固定することが可能となる。なお、図9では、ロータ軸6の外周面6a(第一平面部31)と挿通孔16の内周面16a(第二平面部32)とが接着剤20で固定された状態で、接着剤20の周方向Cの両端部が内側段差面51に接触する構成(すなわち、接着剤20が、径方向Rの両側及び周方向Cの両側において、ロータ軸6又はロータコア15に接触する構成)を例として示したが、周方向Cの少なくとも一方側において、接着剤20と内側段差面51との間に隙間が形成される構成とすることもできる。周方向Cの両側において接着剤20と内側段差面51との間に隙間が形成される場合には、接着剤20は、第一平面部31及び第二平面部32のみに接触した状態で、ロータ軸6とロータコア15とが相対回転しないようにロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとを固定する。すなわち、この場合、接着剤20が、径方向Rの両側においてのみ、ロータ軸6又はロータコア15に接触する。
(3)上記の実施形態では、付着工程S2において、ロータ軸6の外周面6aにおける接着部30を形成する部分(上記実施形態の例では第一平面部31)に接着剤20を付着させる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、付着工程S2において、挿通孔16の内周面16aにおける接着部30を形成する部分(上記実施形態の例では第二平面部32)に接着剤20を付着させる構成とし、或いは、付着工程S2において、ロータ軸6の外周面6a及び挿通孔16の内周面16aの双方における接着部30を形成する部分(上記実施形態の例では第一平面部31及び第二平面部32)に接着剤20を付着させる構成とすることもできる。
(4)上記の実施形態では、接着部30において、ロータ軸6の外周面6aに形成された平面部(第一平面部31)と、挿通孔16の内周面16aに形成された平面部(第二平面部32)とが、接着剤20を挟んで径方向Rに対向する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、接着部30において接着剤20を挟んで径方向Rに対向するロータ軸6の外周面6a及び挿通孔16の内周面16aの少なくとも一方が、曲面状に形成される構成とすることもできる。
(5)上記の実施形態では、一般部40のそれぞれにおける周方向Cの全域に亘って、ロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとの間に隙間Gが形成される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、一般部40における周方向Cの少なくとも一部の領域で、ロータ軸6の外周面6aと挿通孔16の内周面16aとが接触する構成とすることもできる。
(6)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した回転電機用ロータ及びその製造方法の概要について説明する。
ロータ軸(6)と、前記ロータ軸(6)が軸方向(L)に挿通される挿通孔(16)を備えたロータコア(15)と、を備えた回転電機用ロータ(2)であって、前記ロータ軸(6)の外周面(6a)と前記挿通孔(16)の内周面(16a)とが接着剤(20)で固定された接着部(30)が、周方向(C)の複数箇所に設けられ、前記周方向(C)に隣接する2つの前記接着部(30)の間の前記周方向(C)の領域を一般部(40)として、前記接着部(30)における前記ロータ軸(6)の外周面(6a)と前記挿通孔(16)の内周面(16a)との間の径方向(R)の間隔(D1)が、前記一般部(40)における前記ロータ軸(6)の外周面(6a)と前記挿通孔(16)の内周面(16a)との間の前記径方向(R)の間隔(D2)よりも大きい。
上記の構成によれば、ロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)とを接着剤(20)で固定することで、ロータ軸(6)とロータコア(15)とを互いに固定することができる。よって、ナットを用いてロータ軸(6)とロータコア(15)とを互いに固定する場合に比べて、ナットやワッシャが不要となる分、部品コストの低減を図ることが可能となり、また、フランジ部やねじ部をロータ軸(6)に形成する必要がない分、加工費の低減を図ることも可能となる。この結果、ロータ軸(6)とロータコア(15)とを互いに固定するための構造によるコストの増大を抑制することが可能となる。
更に、上記の構成によれば、接着部(30)におけるロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)との間の径方向(R)の間隔が、一般部(40)におけるロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)との間の径方向(R)の間隔よりも大きいため、ロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)との間の径方向(R)の間隔が接着部(30)と一般部(40)とで互いに同一である場合に比べて、接着剤(20)の配置スペースを接着部(30)に適切に確保することができる。この結果、例えば、ロータ軸(6)の外周面(6a)及び挿通孔(16)の内周面(16a)の少なくとも一方における接着部(30)を形成する部分に接着剤(20)を付着させた後に、ロータ軸(6)を挿通孔(16)に挿通して回転電機用ロータ(2)を製造する場合に、接着部(30)を形成する上記の部分に付着した接着剤(20)が、ロータ軸(6)を挿通孔(16)に挿通する際に剥離することを抑制することが可能となる。よって、上記の構成によれば、ロータ軸(6)とロータコア(15)とを、接着剤(20)で適切に固定することができる。
ここで、前記一般部(40)のそれぞれにおける前記周方向(C)の全域に亘って、前記ロータ軸(6)の外周面(6a)と前記挿通孔(16)の内周面(16a)との間に隙間(G)が形成されていると好適である。
この構成によれば、接着部(30)のそれぞれにおけるロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)との位置関係に応じて、ロータ軸(6)の中心位置とロータコア(15)の中心位置との位置関係が定まる。よって、一般部(40)においてロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)とが接触する場合に比べて、ロータ軸(6)の中心位置とロータコア(15)の中心位置とを合わせる調整(芯出し)を行うことが容易となる。
また、上記の構成によれば、一般部(40)においてロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)とが接触しないため、接着剤(20)として電気的絶縁性を有する接着剤を用いることで、ロータコア(15)とロータ軸(6)とを適切に電気的に絶縁することができる。よって、回転電機(1)の駆動時にロータ軸(6)に漏れ電流が流れることを抑制して、ロータ軸(6)を支持する軸受(5)における電食の発生を抑制することができる。
また、前記接着剤(20)は、発泡成分を含む発泡接着剤であり、前記発泡成分の発泡後の状態で前記ロータ軸(6)の外周面(6a)と前記挿通孔(16)の内周面(16a)とを互いに固定していると好適である。
この構成によれば、回転電機用ロータ(2)の製造時に、接着剤(20)を発泡させることで接着部(30)においてロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)とを固定する構成とする場合に、接着剤(20)の発泡により接着部(30)のそれぞれにおいて発生するロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)との間の径方向(R)の押し付け力によって、ロータ軸(6)の中心位置とロータコア(15)の中心位置とを合わせる調整(芯出し)を行うことが可能となる。すなわち、ロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)とを接着剤(20)で固定する際に芯出しも併せて行うことが可能となる。よって、ロータ軸(6)とロータコア(15)とを接着剤(20)により一体化した後にロータ(2)の回転バランスの調整を行う必要性をなくし、或いは、このような回転バランスの調整を行う場合であっても当該調整作業の簡素化を図ることができる。
また、前記軸方向(L)に直交する断面における前記一般部(40)での前記ロータ軸(6)の外周面(6a)及び前記挿通孔(16)の内周面(16a)の双方の形状が、前記ロータ軸(6)の回転軸心(A)を中心とする円弧状に形成され、(1)前記軸方向(L)に直交する断面における前記接着部(30)での前記ロータ軸(6)の外周面(6a)の形状が、前記周方向(C)の両側において前記ロータ軸(6)の外周面(6a)が形成する円弧同士を接続する弦よりも前記径方向(R)の内側に窪んだ形状に形成される構成、及び(2)前記軸方向(L)に直交する断面における前記接着部(30)での前記挿通孔(16)の内周面(16a)の形状が、前記一般部(40)において前記挿通孔(16)の内周面(16a)が形成する円弧と同径の円弧よりも前記径方向(R)の外側に窪んだ形状に形成される構成、の少なくとも一方を備えると好適である。
回転電機用ロータ(2)が上記(1)の構成を備える場合には、接着剤(20)の周方向(C)の両端部がロータ軸(6)の周方向(C)の内側を向く面(51)に接触し、回転電機用ロータ(2)が上記(2)の構成を備える場合には、接着剤(20)の周方向(C)の両端部がロータコア(15)の周方向(C)の内側を向く面(52)に接触する構成とすることができる。上記の構成によれば、回転電機用ロータ(2)が上記(1)及び(2)の少なくとも一方の構成を備えるため、接着剤(20)の周方向(C)の両端部が、ロータ軸(6)の周方向(C)の内側を向く面(51)及びロータコア(15)の周方向(C)の内側を向く面(52)のいずれとも接触しない場合に比べて、ロータ軸(6)とロータコア(15)とが相対回転し難いように、ロータ軸(6)とロータコア(15)とをより強固に固定することが可能となる。
また、前記接着部(30)において、前記ロータ軸(6)の外周面(6a)に形成された平面部(31)と前記挿通孔(16)の内周面(16a)に形成された平面部(32)とが、前記接着剤(20)を挟んで前記径方向(R)に対向していると好適である。
この構成によれば、接着部(30)におけるロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)との接着強度を適切に確保することができる。また、接着剤(20)が発泡成分を含む発泡接着剤である場合には、上述した径方向(R)の押し付け力を、ロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)との間で適切に発生させることができる。
ロータ軸(6)と、前記ロータ軸(6)が軸方向(L)に挿通される挿通孔(16)を備えたロータコア(15)と、を備え、周方向(C)の複数箇所に設けられた接着部(30)において、前記ロータ軸(6)の外周面(6a)と前記挿通孔(16)の内周面(16a)とが接着剤(20)で固定される回転電機用ロータ(2)の製造方法であって、前記周方向(C)に隣接する2つの前記接着部(30)の間の前記周方向(C)の領域を一般部(40)として、前記ロータ軸(6)及び前記ロータコア(15)は、前記接着部(30)における前記ロータ軸(6)の外周面(6a)と前記挿通孔(16)の内周面(16a)との間の径方向(R)の間隔(D1)が、前記一般部(40)における前記ロータ軸(6)の外周面(6a)と前記挿通孔(16)の内周面(16a)との間の前記径方向(R)の間隔(D2)よりも大きくなるように形成され、前記ロータ軸(6)、前記ロータコア(15)、及び、加熱により発泡して膨張すると共に硬化する前記接着剤(20)を準備する準備工程(S1)と、前記ロータ軸(6)の外周面(6a)及び前記挿通孔(16)の内周面(16a)の少なくとも一方における前記接着部(30)を形成する部分に、前記接着剤(20)を付着させる付着工程(S2)と、前記付着工程(S2)の後、前記ロータ軸(6)を前記挿通孔(16)に挿入する挿入工程(S3)と、前記挿入工程(S3)の後、前記接着剤(20)を加熱して前記接着剤(20)を膨張させると共に硬化させる加熱工程(S4)と、を備える。
上記の構成によれば、接着部(30)におけるロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)との間の径方向(R)の間隔が、一般部(40)におけるロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)との間の径方向(R)の間隔よりも大きくなるように形成されたロータ軸(6)及びロータコア(15)を用いて回転電機用ロータ(2)を製造することができるため、付着工程(S2)の後に挿入工程(S3)を実行する際に、接着部(30)を形成する部分に付着した接着剤(20)が剥離することを抑制することができる。そして、挿入工程(S3)の後に実行される加熱工程(S4)により、接着部(30)を形成する部分に付着した接着剤(20)を膨張させると共に硬化させることができるため、上記のように接着部(30)におけるロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)との間の径方向(R)の間隔を大きく確保して挿入工程(S3)での接着剤(20)の剥離を抑制しつつ、加熱工程(S4)の実行により、ロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)とを接着剤(20)により適切に固定することができる。
以上のように、上記の構成によれば、ロータ軸(6)とロータコア(15)とが接着剤(20)で適切に固定された回転電機用ロータ(2)を製造することができる。そして、このようにロータ軸(6)の外周面(6a)と挿通孔(16)の内周面(16a)とを接着剤(20)で固定する構造とすることで、上述したように、ロータ軸(6)とロータコア(15)とを互いに固定するための構造によるコストの増大を抑制することが可能となる。
本開示に係る回転電機用ロータ及びその製造方法は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。
2:ロータ(回転電機用ロータ)
6:ロータ軸
6a:外周面
15:ロータコア
16:挿通孔
16a:内周面
20:接着剤
30:接着部
31:第一平面部(平面部)
32:第二平面部(平面部)
40:一般部
A:回転軸心
C:周方向
D1:第一間隔(間隔)
D2:第二間隔(間隔)
G:隙間
L:軸方向
R:径方向
S1:準備工程
S2:付着工程
S3:挿入工程
S4:加熱工程

Claims (6)

  1. ロータ軸と、前記ロータ軸が軸方向に挿通される挿通孔を備えたロータコアと、を備えた回転電機用ロータであって、
    前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面とが接着剤で固定された接着部が、周方向の複数箇所に設けられ、
    前記周方向に隣接する2つの前記接着部の間の前記周方向の領域を一般部として、前記接着部における前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間の径方向の間隔が、前記一般部における前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間の前記径方向の間隔よりも大きい回転電機用ロータ。
  2. 前記一般部のそれぞれにおける前記周方向の全域に亘って、前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間に隙間が形成されている請求項1に記載の回転電機用ロータ。
  3. 前記接着剤は、発泡成分を含む発泡接着剤であり、前記発泡成分の発泡後の状態で前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面とを互いに固定している請求項1又は2に記載の回転電機用ロータ。
  4. 前記軸方向に直交する断面における前記一般部での前記ロータ軸の外周面及び前記挿通孔の内周面の双方の形状が、前記ロータ軸の回転軸心を中心とする円弧状に形成され、
    (1)前記軸方向に直交する断面における前記接着部での前記ロータ軸の外周面の形状が、前記周方向の両側において前記ロータ軸の外周面が形成する円弧同士を接続する弦よりも前記径方向の内側に窪んだ形状に形成される構成、及び
    (2)前記軸方向に直交する断面における前記接着部での前記挿通孔の内周面の形状が、前記一般部において前記挿通孔の内周面が形成する円弧と同径の円弧よりも前記径方向の外側に窪んだ形状に形成される構成、
    の少なくとも一方を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機用ロータ。
  5. 前記接着部において、前記ロータ軸の外周面に形成された平面部と前記挿通孔の内周面に形成された平面部とが、前記接着剤を挟んで前記径方向に対向している請求項1から4のいずれか一項に記載の回転電機用ロータ。
  6. ロータ軸と、前記ロータ軸が軸方向に挿通される挿通孔を備えたロータコアと、を備え、周方向の複数箇所に設けられた接着部において、前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面とが接着剤で固定される回転電機用ロータの製造方法であって、
    前記周方向に隣接する2つの前記接着部の間の前記周方向の領域を一般部として、前記ロータ軸及び前記ロータコアは、前記接着部における前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間の径方向の間隔が、前記一般部における前記ロータ軸の外周面と前記挿通孔の内周面との間の前記径方向の間隔よりも大きくなるように形成され、
    前記ロータ軸、前記ロータコア、及び、加熱により発泡して膨張すると共に硬化する前記接着剤を準備する準備工程と、
    前記ロータ軸の外周面及び前記挿通孔の内周面の少なくとも一方における前記接着部を形成する部分に、前記接着剤を付着させる付着工程と、
    前記付着工程の後、前記ロータ軸を前記挿通孔に挿入する挿入工程と、
    前記挿入工程の後、前記接着剤を加熱して前記接着剤を膨張させると共に硬化させる加熱工程と、を備える回転電機用ロータの製造方法。
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