JP2018117166A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018117166A
JP2018117166A JP2018089423A JP2018089423A JP2018117166A JP 2018117166 A JP2018117166 A JP 2018117166A JP 2018089423 A JP2018089423 A JP 2018089423A JP 2018089423 A JP2018089423 A JP 2018089423A JP 2018117166 A JP2018117166 A JP 2018117166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
semiconductor device
chip mounting
mounting portion
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018089423A
Other languages
English (en)
Inventor
敬 谷口
Takashi Taniguchi
敬 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renesas Electronics Corp
Original Assignee
Renesas Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renesas Electronics Corp filed Critical Renesas Electronics Corp
Priority to JP2018089423A priority Critical patent/JP2018117166A/ja
Publication of JP2018117166A publication Critical patent/JP2018117166A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/4805Shape
    • H01L2224/4809Loop shape
    • H01L2224/48091Arched
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/42Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/47Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
    • H01L2224/481Disposition
    • H01L2224/48151Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/48221Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/48245Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being metallic
    • H01L2224/48247Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being metallic connecting the wire to a bond pad of the item
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/73Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
    • H01L2224/732Location after the connecting process
    • H01L2224/73251Location after the connecting process on different surfaces
    • H01L2224/73265Layer and wire connectors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/15Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/181Encapsulation

Landscapes

  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Abstract

【課題】半導体装置の信頼性を向上する。【解決手段】半導体装置の製造方法は、樹脂からなる封止体を形成する工程によって、チップ搭載部の下面に形成されている溝にも樹脂が入り込んだ場合、チップ搭載部の下面を洗浄する工程によって、溝に埋め込まれた樹脂は除去され、チップ搭載部の下面にめっき膜を形成する工程では、溝の内壁にもめっき膜が形成される。【選択図】図8

Description

本発明は、半導体装置の製造技術に関し、例えば、封止体からチップ搭載部の下面を露出した構造を有する半導体装置の製造技術に適用して有効な技術に関する。
特開2014−7363号公報(特許文献1)には、封止体から露出するダイパッドの下面に単一の溝を形成する技術が記載されている。
特開2012−94598号公報(特許文献2)には、封止体から露出するダイパッドに形成された樹脂バリを除去する技術が記載されている。
特開2014−7363号公報 特開2012−94598号公報
半導体装置のパッケージ形態として、半導体チップを搭載するチップ搭載部(ダイパッド、タブ)の下面を封止体から露出させるタブ露出型の半導体装置がある。このタブ露出型の半導体装置は、半導体チップで発生した熱を封止体から露出するダイパッドの下面から効率良く放散することができる利点を有している。
ところが、タブ露出型の半導体装置の製造工程においては、チップ搭載部の下面を露出しながら封止体を形成する工程が存在するが、実際の封止体を形成する工程では、チップ搭載部の下面に、封止体を構成する樹脂が漏れ出ることが不可避的に存在する。この樹脂漏れが多くなると、チップ搭載部の下面のうち樹脂で覆われている領域が大きくなり、露出するチップ搭載部からの放熱効率が低下するおそれがある。すなわち、折角、チップ搭載部の下面を露出するように設計しても、実際の製造工程では樹脂漏れが不可避的に存在するため、如何にして、チップ搭載部の下面への樹脂漏れを抑制できるかが、半導体装置の放熱効率を向上する観点から重要となってくる。つまり、チップ搭載部の下面を露出して放熱効率を向上させる半導体装置を製造するためには、実際の製造工程で不可避的に存在する樹脂漏れの増大を抑制する工夫が必要とされる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態における半導体装置の製造方法は、樹脂からなる封止体を形成する工程によって、チップ搭載部の下面に形成されている第1溝にも樹脂が入り込んだ場合、チップ搭載部の下面を洗浄する工程によって、第1溝に埋め込まれた樹脂は除去され、チップ搭載部の下面にめっき膜を形成する工程では、第1溝の内壁にもめっき膜が形成される。
一実施の形態によれば、半導体装置の信頼性を向上することができる。
関連技術におけるチップ搭載部を上面側から見た平面図である。 図1のA−A線で切断した断面図である。 図2に示す関連技術におけるチップ搭載部に対して、樹脂による封止工程を実施して封止体を形成した状態を示す模式的な断面図である。 (a)は、実施の形態における半導体装置を上面側から見た平面図であり、(b)は、実施の形態における半導体装置を下面側から見た平面図である。 実施の形態の半導体装置において、封止体の内部を透視して示す平面図である。 実施の形態における半導体装置を一断面で切断した断面図である。 チップ搭載部の角部近傍を上面側から見た部分拡大図である。 図7のA−A線で切断した断面図である。 実施の形態における半導体装置を実装基板に実装した状態を示す断面図である。 実施の形態における半導体装置の製造工程の流れを示すフローチャートである。 実施の形態における半導体装置の製造工程を示す平面図である。 図11に続く半導体装置の製造工程を示す図であって、(a)は、平面図であり、(b)は断面図である。 図12に続く半導体装置の製造工程を示す図であって、(a)は、平面図であり、(b)は断面図である。 図13に続く半導体装置の製造工程を示す図であって、(a)は、平面図であり、(b)は断面図である。 図14に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図15に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図16に続く半導体装置の製造工程を示す図であって、(a)は、上面側から見た平面図であり、(b)は下面側から見た平面図である。 チップ搭載部の下面に形成されている複数の溝によって、樹脂の入り込みが抑制されていることを示す模式図である。 図17に示す平面図に対応した断面図である。 図19に続く半導体装置の製造工程を示す図であって、(a)は、平面図であり、(b)は断面図である。 (a)は、図20に続く半導体装置の製造工程を示す断面図であって、(b)は、(a)の部分拡大図である。 図21に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 (a)は、変形例1を示す模式図であり、(b)は、変形例2を示す模式図である。 (a)は、(a)は、変形例3における半導体装置(個片モールドタイプ)を上面側から見た斜視図であり、(b)は、変形例3における半導体装置を下面側から見た斜視図である。 変形例3における半導体装置を示す断面図である。 (a)は、変形例3における半導体装置(一括モールドタイプ)を上面側から見た斜視図であり、(b)は、変形例3における半導体装置を下面側から見た斜視図である。 変形例3における半導体装置を示す断面図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
<関連技術の説明>
まず、タブ露出型の半導体装置に関する関連技術について説明し、その後、この関連技術に対する改善の検討を行なう。そして、関連技術に対する改善の検討によって想到された技術的思想について説明することにする。なお、本明細書でいう「関連技術」は、新規に発明者が見出した課題を有する技術であって、公知である従来技術ではないが、新規な技術的思想の前提技術(未公知技術)を意図して記載された技術である。
チップ搭載部とリードとを含むリードフレームは、例えば、酸化されやすい銅材から構成されており、酸化された銅材は、密着性が低下する。このことから、タブ露出型の半導体装置においては、半導体装置を実装基板に実装する際、接続信頼性を向上するため、露出するチップ搭載部の下面を覆うめっき膜を形成し、このめっき膜を介して、チップ搭載部を実装基板上の金属パターン(端子)に実装する。このとき、チップ搭載部の下面に形成されるめっき膜は、例えば、リードフレームに予め形成する場合と、半導体装置の製造工程中で形成する場合とが存在する。
近年では、環境に配慮する観点から、半導体装置に使用されるめっき膜の鉛フリー化が要求されている。この鉛フリー対策として、関連技術では、例えば、Ni(ニッケル)/Pd(パラジウム)/Au(金)の積層膜からなるめっき膜を使用し、かつ、予めリードフレームにNi/Pd/Au膜を形成することが行なわれている。
ここで、タブ露出型の半導体装置では、封止工程において、必然的に封止体を構成する樹脂がチップ搭載部の下面に漏れ出す。したがって、タブ露出型の半導体装置では、封止工程後に、チップ搭載部の下面に漏れ出た樹脂を除去する洗浄工程を実施することが考えられる。ところが、関連技術においては、チップ搭載部の下面に漏れ出た樹脂を除去する洗浄工程を実施していない。なぜなら、関連技術では、洗浄工程を実施すると、Ni/Pd/Au膜を構成するニッケルがチップ搭載部の下面にパイルアップするからである。つまり、チップ搭載部の下面にニッケルがパイルアップすると、このニッケルが酸化されやすいため、チップ搭載部と実装基板との接続信頼性が低下することになるからである。
つまり、Ni/Pd/Au膜は、酸化されやすい銅材から構成されるチップ搭載部を覆って、チップ搭載部と実装基板との接続信頼性を向上する機能を有している。ところが、チップ搭載部の下面に漏れ出た樹脂を除去する洗浄工程を実施すると、Ni/Pd/Au膜の最表面にニッケルがパイルアップし、このニッケルが酸化されやすいことから、チップ搭載部の下面にNi/Pd/Au膜を形成しても、チップ搭載部と実装基板との接続信頼性を向上することができないのである。すなわち、関連技術において、チップ搭載部の下面に漏れ出た樹脂を除去する洗浄工程を実施すると、Ni/Pd/Au膜の有する接続信頼性を向上するという機能が発揮されなくなるのである。
したがって、関連技術では、タブ露出型の半導体装置と実装基板との接続信頼性を向上する観点から、洗浄工程を実施することが困難となる。一方、封止工程においては、必然的に封止体を構成する樹脂がチップ搭載部の下面に漏れ出すことから、関連技術では、なるべく、チップ搭載部の下面に漏れ出す樹脂の量を少なくする必要がある。
具体的に、図1は、関連技術におけるチップ搭載部TABを上面側から見た平面図である。図1において、チップ搭載部TABの端部には、段差部DLが形成され、チップ搭載部TABの外周部に沿って溝DITが形成されている。ここで、段差部DLおよび溝DITは、チップ搭載部TABの下面に形成されているため、図1では、破線で示している。
図2は、図1のA−A線で切断した断面図である。図2に示すように、チップ搭載部TABの下面の端部には、段差部DLが形成されており、この段差部DLと離間した内側に単一の溝DITが形成されている。ここで、図2においては、チップ搭載部TABの厚さt1と、段差部DLの段差d1と、溝DITの深さd2とが示されている。
図3は、図2に示す関連技術におけるチップ搭載部TABに対して、樹脂RSによる封止工程を実施して封止体MRを形成した状態を示す模式的な断面図である。図3において、段差部DLは、チップ搭載部TABの下面への樹脂漏れの広がりを抑制するために設けられているが、段差部DLだけでは、樹脂漏れの広がりを完全に抑制することは困難である。このことから、関連技術では、段差部DLの離間した内側に溝DITを設けている。これにより、チップ搭載部TABの下面に漏れ出た樹脂RSは、溝DIT内に入り込むことによって堰き止められることになる。これにより、関連技術によれば、溝DITよりも内側の領域への樹脂漏れの広がりを抑制できることになる。つまり、関連技術では、段差部DLと溝DITとを設けることにより、チップ搭載部TABの下面に漏れ出す樹脂RSの広がりを抑制している。このことから、関連技術に設けられている溝DITは、できるだけ内部に樹脂RSを入り込ませて、溝DITよりも内側の領域への樹脂漏れの広がりを抑制する機能を有していることになる。つまり、関連技術において溝DITを設ける基本思想は、できるだけ溝DITの深さを深くして、溝DITによる樹脂RSの堰き止め機能を向上することにある。すなわち、関連技術では、チップ搭載部TABの下面に漏れ出た樹脂RSを除去することを前提としていないため、必然的に、溝DIT内に入り込んだ樹脂RSを除去することは想定していない。このことから、関連技術では、溝DITに埋め込まれた樹脂RSの除去のしやすさを考慮することなく、できるだけ溝DITの深さを深くして、溝DITによる樹脂RSの堰き止め機能を向上することに主眼が置かれている。したがって、関連技術では、溝DITによる樹脂RSの堰き止め機能を高めるため、例えば、図2に示すように、溝DITの深さd2をチップ搭載部TABの厚さt1の1/2以上としている。また、関連技術では、段差部DLの段差d1をチップ搭載部TABの厚さt1の1/2以上としている。
このように構成されている関連技術において、図3に示すように、チップ搭載部TABの下面の領域A1では、めっき膜PFが露出している一方、チップ搭載部TABの下面の領域B1は、下面に漏れ出た樹脂RSによって覆われていることになる。この結果、関連技術では、樹脂RSで覆われている領域B1での放熱特性が低下するとともに、領域B1を実装基板との接続に使用できないことから、チップ搭載部TABと実装基板との接続信頼性も低下することになる。すなわち、関連技術には、半導体装置の放熱特性の向上および接続信頼性の向上の観点から、改善の余地が存在するのである。
そこで、本実施の形態では、関連技術に存在する改善の余地を克服する工夫を施している。以下では、この工夫を施した本実施の形態における技術的思想について説明する。
<実施の形態における基本思想>
本実施の形態における基本思想は、タブ露出型の半導体装置において、チップ搭載部の下面に樹脂漏れの広がりを抑制する溝を設けることを前提として、樹脂による封止工程後、チップ搭載部の下面に漏れ出た樹脂とともに溝の内部に入り込んだ樹脂も除去する洗浄工程を実施し、洗浄工程後、溝の内部にもめっき膜を形成する思想である。
すなわち、本実施の形態における基本思想では、溝の内部で樹脂漏れの広がりを抑制する一方、溝の内部に入り込んだ樹脂を除去して、溝の内壁にめっき膜を形成する。これにより、本実施の形態における基本思想によれば、溝内を含むチップ搭載部の下面から樹脂を除去することによる半導体装置の放熱特性の向上と、溝の内壁にもめっき膜を形成することによる半導体装置と実装基板との接続信頼性の向上とを実現することができる。
本実施の形態における基本思想は、チップ搭載部の下面に溝を設ける点で、関連技術と共通するが、関連技術で設けられる溝は、溝の内部に入り込んだ樹脂を除去することを前提としていないのに対し、本実施の形態で設けられる溝は、溝の内部に入り込んだ樹脂を除去することを前提としている点で相違する。つまり、本実施の形態における溝と、関連技術に設けられる溝とは、チップ搭載部の下面での樹脂漏れの広がりを抑制する機能を有する点で共通する。ただし、関連技術で設けられる溝の設計思想は、溝の内部に入り込んだ樹脂を除去することを前提としないため、できるだけ溝の内部の容積を大きくして、樹脂漏れの堰き止め効果を高める観点に特化した基本思想になる。これに対し、本実施の形態で設けられる溝の設計思想は、溝の内部に入り込んだ樹脂を除去することを前提とするため、溝に対して、樹脂漏れの堰き止め機能だけでなく、溝の内部に入り込んだ樹脂の除去容易性も考慮する観点からの基本思想となる。このように、本実施の形態における基本思想は、関連技術における基本思想と方向性(観点)が相違することから、本実施の形態における基本思想を具現化した半導体装置の構成は、関連技術における半導体装置の構成と相違することになる。つまり、本実施の形態におけるチップ搭載部の下面構成は、関連技術におけるチップ搭載部の下面構成と相違することになる。
<半導体装置の構成>
以下では、本実施の形態における半導体装置の構成について説明する。
図4は、本実施の形態における半導体装置PKG1の構成を示す平面図である。特に、図4(a)は、本実施の形態における半導体装置PKG1を上面側(表面側)から見た平面図であり、図4(b)は、本実施の形態における半導体装置PKG1を下面側(裏面側)から見た平面図である。図4(a)において、本実施の形態における半導体装置PKG1は、例えば、矩形形状をした封止体MRを有し、この封止体MRの4つの側面から複数のリードLDが突出している。一方、図4(b)において、本実施の形態における半導体装置PKG1は、封止体MRからチップ搭載部TABの下面が露出しており、露出しているチップ搭載部TABには、チップ搭載部TABの外周部に沿って、2重の溝DIT1と溝DIT2が形成されている。このように、本実施の形態における半導体装置PKG1は、封止体MRからチップ搭載部TABの下面が露出した、いわゆるタブ露出型の半導体装置を構成し、特に、本実施の形態における半導体装置PKG1のパッケージ構造はQFP(Quad Flat Package)となっている。
次に、図5は、本実施の形態の半導体装置PKG1において、封止体MRの内部を透視して示す平面図である。図5に示すように、封止体MRの内部の中心部には、矩形形状のチップ搭載部TABが配置されており、このチップ搭載部TABの上面上に矩形形状の半導体チップCHPが搭載されている。この半導体チップCHPには、例えば、集積回路が形成されており、集積回路は、半導体基板に形成された複数の電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタの上方に形成された多層配線から構成され、この多層配線の最上層に図5に示す複数のパッドPDが形成されている。これらの複数のパッドPDは、例えば、矩形形状をした半導体チップCHPの外周部に沿って配置されており、半導体チップCHPに形成されているパッドPDとリードLDとは、例えば、金線からなるワイヤ(導電性部材)Wによって電気的に接続されている。
続いて、図6は、本実施の形態における半導体装置PKG1を一断面で切断した断面図である。図6に示すように、本実施の形態における半導体装置PKG1は、例えば、樹脂からなる封止体MRを有し、封止体MRからチップ搭載部TABの下面が露出している。そして、チップ搭載部TABの上面上には、半導体チップCHPが搭載されており、この半導体チップCHPの表面に形成されたパッド(図6では図示せず)とリードLDとが、ワイヤWで接続されている。ここで、本実施の形態では、封止体MRから露出するチップ搭載部TABの下面において、外縁部(外端部)に段差部DLが形成され、この段差部DLよりも内側に溝DIT1が形成され、かつ、溝DIT1の内側に溝DIT2が形成されている。このとき、本実施の形態における半導体装置PKG1では、段差部DLには、封止体MRを構成する樹脂が埋め込まれている一方、溝DIT1および溝DIT2の内部には、樹脂が形成されていない。
図7は、チップ搭載部TABの角部近傍を上面側から見た部分拡大図である。図7において、チップ搭載部TABの下面には、段差部DLが形成され、この段差部DLの内側に溝DIT1が形成され、かつ、溝DIT1の内側に溝DIT2が形成されていることがわかる。そして、図7に示すように、溝DIT1および溝DIT2は、チップ搭載部TABの外周部に沿って形成されており、特に、チップ搭載部TABの角部近傍において、溝部DIT1および溝DIT2は、テーパ状に形成されている。
次に、図8は、図7のA−A線で切断した断面図である。図8に示すように、チップ搭載部TABの下面は、樹脂RSから構成される封止体MRから露出しており、露出しているチップ搭載部TABの下面には、段差部DLと溝DIT1と溝DIT2とが形成されている。このとき、段差部DLの内部には、樹脂RSが充填されている一方、溝DIT1および溝DIT2の内部には、樹脂RSが形成されていないとともに、めっき膜PFが形成されている。すなわち、チップ搭載部TABの下面には、図8に示す領域A2にわたってめっき膜PFが形成されていることになる。ここで、本実施の形態では、図8に示すように、チップ搭載部TABの厚さt1、段差部DLの段差d1、溝DIT1および溝DIT2の深さd2との関係として、d1≦1/2×t1、d2≦1/2×t1の関係が成立している。また、本実施の形態では、図8に示すように、段差部DLの段差と溝DIT1の中心部との間の距離L1と、溝DIT1の中心部と溝DIT2の中心部との間の距離L2
とは、L1<L2の関係が成立している。
本実施の形態における半導体装置は、上記のように構成されており、そのさらなる詳細な構成をまとめると以下のようになる。
(1)本実施の形態における半導体装置PKG1は、下面に溝DIT1が形成されたチップ搭載部TABと、チップ搭載部TABの上面に搭載された半導体チップCHPと、ワイヤWを介して、半導体チップCHPのパッドPDと電気的に接続されたリードLDと、半導体チップCHPする封止体MRとを備える。そして、チップ搭載部TABの下面は、封止体MRから露出し、かつ、溝DIT1内を含む下面には、めっき膜PFが形成されている。
(2)溝DIT1内には、封止体MRを構成する樹脂RSが形成されていない。
(3)溝DIT1は、チップ搭載部TABの外周部に沿って形成されている。
(4)溝DIT1の深さd2は、チップ搭載部TABの厚さt1の1/2以下である。
(5)溝DIT1の断面形状は、V字形状である。
(6)チップ搭載部TABの下面には、さらに、溝DIT1と離間して溝DIT2が形成されている。
(7)溝DIT2は、溝DIT1よりもチップ搭載部TABの内側に形成されている。
(8)溝DIT1の深さd2、および、溝DIT2の深さd2は、ともに、チップ搭載部TABの厚さt1の1/2以下である。
(9)溝DIT2の内壁にも、めっき膜PFが形成されている。
(10)溝DIT2内には、封止体MRを構成する樹脂RSが形成されていない。
(11)チップ搭載部TABの下面の外端部には、溝DITと離間する段差部DLが形成されている。
(12)溝DIT1は、段差部DLよりも内側に形成されている。
(13)溝DIT1の深さd2は、段差部DLの段差d1よりも浅い。
(14)チップ搭載部TABの下面には、溝DIT1よりも内側に溝DIT2が形成され、断面視において、段差部DLの段差位置と溝DIT1の中心位置との距離L1は、溝DIT1の中心位置と溝DIT2の中心位置との距離L2よりも小さい。
(15)段差部DLの内部には、封止体MRを構成する樹脂RSが形成されている。
(16)チップ搭載部TABは、第1方向に延在する第1辺と、第1辺と交差する第2辺と、第1辺と第2辺との交差点である角部と、を有する。そして、溝DIT1は、第1辺と並行する第1部分と、第2辺と並行する第2部分と、第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分と、を有する。このとき、溝DIT1の第3部分と角部との間の距離は、溝DIT1の第1部分と第1辺との間の距離よりも長く、かつ、溝DIT1の第2部分と第2辺との間の距離よりも長い。
(17)溝DIT1の第3部分と第1部分とのなす角は、鈍角であり、かつ、溝DIT1の第3部分と第2部分とのなす角は、鈍角である。
次に、本実施の形態における半導体装置PKG1を実装基板MBに実装した状態について説明する。図9は、本実施の形態における半導体装置PKG1を実装基板MBに実装した状態を示す断面図である。図9において、実装基板MBの上面には、端子TE1と端子TE2とが形成されており、この実装基板MBの上面上に、本実施の形態における半導体装置PKG1が搭載されている。具体的には、図9に示すように、封止体MRから露出するチップ搭載部TABの下面と実装基板MBの端子TE2とが半田材SLによって電気的に接続され、かつ、封止体MRから突き出たリードLDの一部(アウタリード)と実装基板MBの端子TE1とが半田材SLによって電気的に接続されている。このようにして、本実施の形態における半導体装置PKG1は、実装基板MBに実装されることになる。
<実施の形態における構造上の特徴>
続いて、本実施の形態における構造上の特徴点について説明する。本実施の形態における構造上の特徴点は、例えば、図8に示すように、溝DIT1の内部および溝DIT2の内部に樹脂RSが形成されておらず、溝DIT1の内壁および溝DIT2の内壁にわたってめっき膜PFが形成されている点にある。つまり、本実施の形態における構造上の特徴点は、図8に示すように、チップ搭載部TABの下面のうち、溝DIT1および溝DIT2を含む領域A2にわたってめっき膜PFが形成されている点にある。
これにより、図9に示すように、溝DIT1および溝DIT2を含む領域(図8の領域A2)全体を実装基板MBの端子TE2との電気的な接続に使用することができる。このため、本実施の形態によれば、半導体装置PKG1と実装基板MBとの接続信頼性を向上することができる。さらに、めっき膜PFを介して溝DIT1および溝DIT2を実装基板MBの端子TE2と接触させることができることから、チップ搭載部TABからの放熱効率を向上させることができる。すなわち、本実施の形態によれば、溝DIT1および溝DIT2を含む領域A2全体を熱の放散経路として使用することができるため、半導体チップCHPで発生した熱をチップ搭載部TABの下面から効率良く放散させることができる。このことから、本実施の形態によれば、半導体装置PKG1と実装基板MBとの接続信頼性を向上することができるだけでなく、放熱効率の向上による半導体装置PKG1の誤動作を抑制することができることになり、これらの相乗効果によって、半導体装置PKG1の大幅な信頼性向上を図ることができる。
例えば、関連技術においては、図3に示すように、溝DITの内部に樹脂RSが残存しており、溝DITの内壁にめっき膜PFが形成されておらず、チップ搭載部TABの下面のうち、溝DITを含む領域B1には、樹脂RSが形成されている。このことから、関連技術では、領域B1を実装基板との接続に使用できず、溝DITよりも内側の領域A1だけしか実装基板との接続に使用できないことになる。したがって、関連技術では、導電部材(めっき膜PF)による半導体装置と実装基板との接触面積が少なる結果、チップ搭載部TABと実装基板との接続信頼性が低下することになるとともに、放熱効率の増大に寄与する領域も少なくなることから、放熱効率も低下することになる。このことは、関連技術によれば、溝DITの内部に樹脂RSが残存していることに起因して、半導体装置と実装基板との接続信頼性の低下と、半導体装置からの放熱効率の低下とを招くことになり、これらの相乗要因によって、関連技術における半導体装置の信頼性が低下することになる。
これに対し、本実施の形態における半導体装置PKG1によれば、図8に示すように、溝DIT1の内部および溝DIT2の内部には、樹脂RSは形成されておらず、めっき膜PFが形成されている。このことは、本実施の形態によれば、溝DIT1および溝DIT2の形成領域も実装基板MBとの接続に使用できることを意味する。そして、溝DIT1および溝DIT2を含む領域A2は、関連技術における領域A1よりも広くなることから、本実施の形態における半導体装置PKG1によれば、関連技術に比べて、半導体装置PKG1と実装基板MBとの接続面積を大きくすることができることになる。この結果、本実施の形態によれば、関連技術に比べて、半導体装置PKG1と実装基板MBとの接続信頼性を向上することができるとともに、半導体装置PKG1からの放熱効率を向上させることができる。したがって、本実施の形態によれば、関連技術に比べて、半導体装置の信頼性を向上することができる。
<半導体装置の製造方法>
本実施の形態における半導体装置PKG1は、上記のように構成されており、以下に、その製造方法について、図面を参照しながら説明する。
まず、図10は、本実施の形態における半導体装置の製造工程の流れを示すフローチャートであり、このフローチャートに基づいて、本実施の形態における半導体装置の製造工程の流れを簡単に説明する。図10において、例えば、リードとチップ搭載部とを備えるリードフレームを準備する(S101)。このとき、準備されるリードフレームのチップ搭載部の下面には、予め、段差部と溝が形成されている。
次に、リードフレームのチップ搭載部上に半導体チップを搭載する(チップマウント工程)(S102)。その後、半導体チップの表面に形成されているパッドと、リードフレームに設けられているリードとを導電性部材(ワイヤ)で電気的に接続する(ワイヤボンディング工程)(S103)。続いて、半導体チップとリードの一部分(インナーリード部)とを覆い、かつ、チップ搭載部の下面を露出するように樹脂からなる封止体を形成する(モールド工程)(S104)。そして、チップ搭載部の下面を洗浄する(洗浄工程)(S105)。このとき、チップ搭載部の下面に漏れ出た樹脂が存在する場合、この洗浄工程によって、チップ搭載部の下面から樹脂が除去される。
その後、封止体から露出するチップ搭載部の下面およびリードの他部分(アウターリード部)にめっき膜を形成する(めっき工程)(S106)。次に、リードを成形した後(成型工程)(S107)、半導体装置を個片化する(個片化工程)(S108)。このようにして、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。製造された半導体装置は、例えば、実装基板に実装される(実装工程)(S109)。具体的には、封止体から露出するチップ搭載部の下面と実装基板の端子とを半田材を介して接続するとともに、封止体から露出するリードの部分と実装基板の端子とを半田材を介して接続する。以上のようにして、タブ露出型の半導体装置が実装基板に実装されることになる。
続いて、本実施の形態における半導体装置の製造工程について、図面を参照しながら、さらに説明する。まず、図11に示すように、製品領域PRがアレイ状に配置されたリードフレームLFを準備する。ここで、図12(a)は、製品領域PRを拡大して示す平面図であり、図12(b)は、製品領域PRの一断面を示す断面図である。図12(a)に示すように、製品領域PRの中央部には、矩形形状をしたチップ搭載部TABが配置されており、このチップ搭載部TABの周囲に複数のリードLDが配置されている。また、図12(b)に示すように、チップ搭載部TABの下面には、予め、互いに離間するように、段差部DLと溝DIT1と溝DIT2とが形成されている。具体的に、溝DIT1は、段差部DLよりも内側に形成され、溝DIT2は、溝DIT2よりも内側に形成されている。そして、溝DIT1の深さおよび溝DIT2の深さは、段差部DLの段差よりも浅くなっている。また、断面視において、段差部DLの段差位置と溝DIT1の中心位置との距離は、溝DIT1の中心位置と溝DIT2の中心位置との距離よりも小さくなっている。
このとき、段差部DLと溝DIT1と溝DIT2は、例えば、プレス法によって形成され、段差部DLには、垂直段差が形成されている一方、溝DIT1および溝DIT2の断面形状は、V字形状をしている。
さらに、図12(b)に示すように、リードLDの配置位置は、チップ搭載部TABの配置位置よりも高くなっている。言い換えれば、チップ搭載部TABの配置位置は、リードLDの配置位置よりも低くなっている。
次に、表面にパッドが形成された半導体チップCHPを用意する。そして、図13(a)および図13(b)に示すように、チップ搭載部TABの上面上に半導体チップCHPを搭載する。その後、図14(a)および図14(b)に示すように、半導体チップCHPに形成されているパッドと、リードLDとをワイヤWで電気的に接続する。
続いて、図15に示すように、リードフレームを下金型BMと上金型UMとによって空間CAVを形成しながら挟み込む。具体的には、半導体チップCHPを搭載したチップ搭載部TABを下金型BM上に配置するとともに、リードLDを下金型BMと上金型UMで挟む。これにより、下金型BMと上金型UMとにより密閉された空間CAVに、半導体チップCHPを搭載したチップ搭載部TABが配置されることになる。この状態で、図16に示すように、下金型BMと上金型UMとにより密閉された空間CAV内に樹脂RSを注入する。このとき、本実施の形態では、チップ搭載部TABの外端部に段差部DLが形成されているため、図16に示すように、チップ搭載部TABの側面から注入される樹脂RSによる注入圧力が分散される。この結果、下金型BM上に配置されているチップ搭載部TABの下面に樹脂RSが侵入しにくくなる。すなわち、本実施の形態において、チップ搭載部TABの外端部に形成されている段差部DLは、樹脂RSによる注入圧力を分散させて、チップ搭載部TABの下面に樹脂RSが入り込むことを抑制する機能を有する。以上のようにして、リードLDの一部およびチップ搭載部TABの下面を露出しながら、半導体チップCHPを樹脂RSで封止する工程を実施することができる。
このように、本実施の形態では、チップ搭載部TABの下面に樹脂RSが入り込むことを抑制するために、チップ搭載部TABの外端部に段差部DLを設けているが、段差部DLを設けただけでは、チップ搭載部TABの下面に樹脂RSが入り込むことを確実に抑制することは困難である。つまり、チップ搭載部TABの下面を露出しながら、半導体チップCHPを樹脂RSで封止する工程では、たとえ、樹脂RSの漏れを防止する段差部DLを設けたとしても、チップ搭載部TABの下面に樹脂RSが入り込む場合がある。
具体的に、図17は、リードフレームの製品領域PRに樹脂RSからなる封止体MRを形成した後の状態を示す図である。特に、図17(a)は、封止体MRの上面側から見た平面図であり、図17(b)は、封止体MRの下面側から見た平面図である。
図17(b)に示すように、封止体MRの下面からチップ搭載部TABの下面が露出しているが、図17(b)では、このチップ搭載部TABの下面に樹脂RSが入り込んでいる場合が示されている。図17(b)に示すように、チップ搭載部TABの下面には、チップ搭載部TABの外周部に沿って、互いに離間した溝DIT1と溝DIT2が形成されていることがわかる。つまり、チップ搭載部TABの外周部に沿って、外側に溝DIT1が形成され、溝DIT1の内側に溝DIT2が形成されている。
ここで、図17(b)に示すように、チップ搭載部TABの下面に樹脂RSが入り込んでいるが、この樹脂RSは、チップ搭載部TABの下面に形成されている溝DIT1および溝DIT2によって堰き止められており、溝DIT2よりも内側の領域には、樹脂RSが入り込んでいないことがわかる。すなわち、本実施の形態では、チップ搭載部TABの下面において、段差部DLの内側に溝DIT1および溝DIT2を設けられているため、段差部DLによって防ぐことができなかった樹脂RSの入り込みが、溝DIT1および溝DIT2によって堰き止められていることがわかる。つまり、チップ搭載部TABの下面に樹脂RSが入り込む場合であっても。本実施の形態によれば、段差部DLの内側に溝DIT1および溝DIT2を設けているため、内側の溝DIT2よりもさらに内側領域への樹脂RSの入り込みが抑制されていることがわかる。
具体的に、図18は、チップ搭載部TABの下面に形成されている溝DIT1および溝DIT2によって、樹脂RSの入り込みが抑制されていることを示す模式図である。特に、図18に示すように、本実施の形態では、溝DIT2よりもさらに内側領域への樹脂RSの入り込みが抑制されていることがわかる。このとき、図18からも明らかなように、チップ搭載部TABの下面に形成されている溝DIT1および溝DIT2にも樹脂RSが入り込んだ場合、溝DIT1に入り込んだ樹脂RSの量は、溝DIT2に入り込んだ樹脂RSの量よりも多くなっていることがわかる。つまり、まず、外側に形成されている溝DIT1によって、樹脂RSの入り込みが抑制されるが、この溝DIT1で堰き止められなかった樹脂RSが、内側に形成されている溝DIT2で堰き止められる。このことから、図18に示すように、溝DIT1に入り込んだ樹脂RSの量は、溝DIT2に入り込んだ樹脂RSの量よりも多くなることになる。
以上のようにして、リードLDの一部およびチップ搭載部TABの下面を露出しながら、半導体チップCHPを樹脂RSで封止する工程を実施することができる。このとき、図19には、チップ搭載部TABの下面に形成されている溝DIT1および溝DIT2に樹脂RSが埋め込まれている状態が示されている。
次に、図20(a)および図20(b)に示すように、チップ搭載部TABの下面を洗浄する。これにより、溝DIT1および溝DIT2に埋め込まれた樹脂RSが除去される。例えば、チップ搭載部TABの下面を洗浄する工程は、電解バリ取り(電気分解)と水圧バリ取り(高圧水噴射)との組み合わせによって実施することができる。つまり、本実施の形態における洗浄工程では、電解バリ取りによって、付着した樹脂RSを浮かせた後、水圧バリ取りによって、浮かせた樹脂RSを吹き飛ばすことにより除去する。
続いて、図21(a)および図21(b)に示すように、封止体MRから露出するリードLDの部分と、封止体MRから露出するチップ搭載部TABの下面にめっき膜PFを形成する。具体的に、本実施の形態における外装めっき工程では、例えば、電解めっき法により、純錫(Sn)からなるめっき膜PFが形成される。なお、めっき膜PFは、鉛を含有しない材料(鉛フリー材料)から構成されていればよく、純錫に限らず、錫−ビスマスや錫−銅からなる材料を使用してもよい。
以上のことから、本実施の形態では、封止体MRを形成する工程によって、チップ搭載部TABの下面に形成されている溝DIT1および溝DIT2にも樹脂RSが入り込んだ場合(図18参照)、洗浄工程によって、溝DIT1および溝DIT2に埋め込まれた樹脂RSは除去される(図20参照)。そして、外装めっき工程では、溝DIT1の内壁および溝DIT2の内壁にもめっき膜PFが形成される(図21参照)。
その後、図22に示すように、例えば、封止体MRから突出するリードLDをガルウィング形状に成形した後、半導体装置PKG1を個片化する。以上のようにして、本実施の形態における半導体装置PKG1を製造することができる。
<実施の形態における製法上を含む特徴>
本実施の形態における基本思想は、タブ露出型の半導体装置において、チップ搭載部の下面に樹脂漏れの広がりを抑制する溝を設けることを前提として、樹脂による封止工程後、チップ搭載部の下面に漏れ出た樹脂とともに溝の内部に入り込んだ樹脂も除去する洗浄工程を実施し、洗浄工程後、溝の内部にもめっき膜を形成する思想である。
そして、本実施の形態では、上述した基本思想を具現化する特徴点を有しており、以下では、本実施の形態における製法上を含む特徴点について説明する。
本実施の形態における第1特徴点は、準備されるリードフレームLFに、予め、めっき膜PFを形成しておくのではなく、半導体装置の製造工程中にめっき膜を形成する点にある。さらに言えば、本実施の形態における第1特徴点は、例えば、図20および図21に示すように、封止体MRから露出するチップ搭載部TABの下面を洗浄する工程を実施した後の工程で、チップ搭載部TABの下面にめっき膜PFを形成する点にある。これにより、本実施の形態によれば、例えば、図21(b)に示すように、溝DIT1の内壁および溝DIT2の内壁にめっき膜PFを形成することができる。つまり、本実施の形態における第1特徴点によれば、封止体MRを形成する工程によって、チップ搭載部TABの下面に形成されている溝DIT1および溝DIT2にも樹脂RSが入り込んだ場合、チップ搭載部TABの下面を洗浄する工程によって、溝DIT1および溝DIT2に埋め込まれた樹脂RSを除去する。そして、外装めっき工程では、溝DIT1の内壁および溝DIT2の内壁にもめっき膜PFを形成することができる。この結果、本実施の形態によれば、例えば、図9に示すように、溝DIT1および溝DIT2を含む領域(図8の領域A2)全体を実装基板MBの端子TE2との電気的な接続に使用することができる。このことから、本実施の形態によれば、半導体装置PKG1と実装基板MBとの接続信頼性を向上することができる。さらに、めっき膜PFを介して溝DIT1および溝DIT2を実装基板MBの端子TE2と接触させることができることから、チップ搭載部TABからの放熱効率を向上させることができる。すなわち、本実施の形態によれば、溝DIT1および溝DIT2を含む領域を熱の放散経路として使用することができるため、半導体チップCHPで発生した熱をチップ搭載部TABの下面から効率良く放散させることができる。このことから、本実施の形態によれば、半導体装置PKG1と実装基板MBとの接続信頼性を向上することができるだけでなく、放熱効率の向上による半導体装置PKG1の誤動作を抑制することができることになり、これらの相乗効果によって、半導体装置PKG1の信頼性向上を図ることができる。
例えば、関連技術では、鉛フリー対策として、Ni(ニッケル)/Pd(パラジウム)/Au(金)の積層膜からなるめっき膜PFを使用し、かつ、予めリードフレームにNi/Pd/Au膜を形成している。ところが、このように構成されている関連技術においては、チップ搭載部TABの下面に漏れ出た樹脂RSを除去する洗浄工程を実施することが困難になる。なぜなら、関連技術では、予めリードフレームLFにめっき膜PFが形成されていることから、関連技術では、洗浄工程を実施すると、必然的に、めっき膜PFに悪影響が及ぶことになるからである。具体的に、関連技術では、洗浄工程を実施すると、Ni/Pd/Au膜を構成するニッケルがチップ搭載部TABの下面にパイルアップする。そして、チップ搭載部TABの下面にニッケルがパイルアップすると、このニッケルが酸化されやすいため、チップ搭載部TABと実装基板MBとの接続信頼性が低下することになる。したがって、関連技術では、チップ搭載部TABの下面に漏れ出た樹脂RSを除去する洗浄工程を実施することが困難になるのである。
これに対し、本実施の形態によれば、関連技術のように、予め準備されるリードフレームLFに、Ni(ニッケル)/Pd(パラジウム)/Au(金)の積層膜からなるめっき膜PFを形成しておくのではなく、半導体装置の製造工程中(外装めっき工程)で、例えば、純錫からなるめっき膜PFを形成している。これにより、本実施の形態によれば、外装めっき工程よりも前の工程で封止体MRが形成され、この封止体MRを形成する工程と外装めっき工程との間に、チップ搭載部TABの下面を洗浄する工程を挿入することができる。なぜなら、この構成によれば、洗浄工程を実施した後に外装めっき工程が実施されることから、めっき膜PFに対して洗浄工程による影響が及ぶことがないからである。
以上のことから、本実施の形態における第1特徴点は、半導体装置の製造工程中に、鉛フリー材料からなるめっき膜PFを形成する点にある。さらに言えば、本実施の形態における第1特徴点は、めっき膜PFを形成する外装めっき工程が、封止体MRを形成する工程よりも後の工程で実施される点にある。そして、この第1特徴点によって、外装めっき工程よりも前の工程に、チップ搭載部TABの下面を洗浄する工程を挿入することができるのである。この結果、本実施の形態によれば、チップ搭載部TABの下面に形成されている溝DIT1および溝DIT2にも樹脂RSが入り込んだ場合であっても、チップ搭載部TABの下面を洗浄する工程によって、溝DIT1および溝DIT2に埋め込まれた樹脂RSが除去され、外装めっき工程では、溝DIT1の内壁および溝DIT2の内壁にもめっき膜PFが形成される。これにより、溝DIT1の内部および溝DIT2の内部も半導体基板PKG1と実装基板MBとの接続に寄与することになり、これによって、本実施の形態によれば、半導体装置PKG1と実装基板MBとの接続信頼性を向上することができるとともに、半導体装置PKG1の放熱特性を向上することができるのである。
本実施の形態における基本思想は、チップ搭載部の下面に溝を設ける点で、関連技術と共通するが、関連技術で設けられる溝は、溝の内部に入り込んだ樹脂を除去することを前提としていないのに対し、本実施の形態で設けられる溝は、溝の内部に入り込んだ樹脂を除去することを前提としている点で相違する。つまり、本実施の形態における溝と、関連技術に設けられる溝とは、チップ搭載部の下面での樹脂漏れの広がりを抑制する機能を有する点で共通する。ただし、関連技術で設けられる溝の設計思想は、溝の内部に入り込んだ樹脂を除去することを前提としないため、できるだけ溝の内部の容積を大きくして、樹脂漏れの堰き止め効果を高める観点に特化した基本思想になる。これに対し、本実施の形態で設けられる溝の設計思想は、溝の内部に入り込んだ樹脂を除去することを前提とするため、溝に対して、樹脂漏れの堰き止め機能だけでなく、溝の内部に入り込んだ樹脂の除去容易性も考慮する観点からの基本思想となる。このように、本実施の形態における基本思想は、関連技術における基本思想と方向性(観点)が相違することから、本実施の形態における基本思想を具現化した半導体装置の構成は、関連技術における半導体装置の構成と相違することになる。つまり、本実施の形態におけるチップ搭載部の下面構成は、関連技術におけるチップ搭載部の下面構成と相違することになる。
以下に、この基本思想を具現化した本実施の形態における第2特徴点について説明する。本実施の形態における第2特徴点は、溝DIT1の内部および溝DIT2の内部に入り込んだ樹脂RSを除去しやすくするために、溝DIT1の形状および溝DIT2の形状に工夫を施した点にある。具体的には、例えば、図8に示すように、溝DIT1および溝DIT2は、溝DIT1の深さd2および溝DIT2の深さd2のそれぞれが、チップ搭載部TABの厚さt1の1/2以下となるように構成されている。これにより、本実施の形態によれば、溝DIT1の深さd2および溝DIT2の深さd2を浅くすることができる。このことは、溝DIT1および溝DIT2の内部に入り込んだ樹脂RSを除去しやすくなることを意味する。この結果、本実施の形態における第2特徴点によれば、チップ搭載部TABの下面を洗浄する洗浄工程によって、確実に、溝DIT1および溝DIT2に入り込んだ樹脂RSを除去することができる。
この点に関し、関連技術では、例えば、図3に示すように、溝DITの深さは、チップ搭載部TABの厚さの1/2よりも大きくなっている。これは、関連技術では、溝DITの内部に入り込んだ樹脂RSを除去することを前提としないため、できるだけ溝DITの内部の容積を大きくして、樹脂漏れの堰き止め効果を高める観点にだけ着目しているからである。これに対し、本実施の形態で設けられる溝DIT1(溝DIT2)は、溝DIT1(溝DIT2)の内部に入り込んだ樹脂RSを除去することを前提とするため、溝DIT1(溝DIT2)に対して、樹脂漏れの堰き止め機能だけでなく、溝DIT1(溝DIT2)の内部に入り込んだ樹脂RSの除去容易性も考慮している。この結果,本実施の形態では、入り込んだ樹脂RSの除去特性を向上させるため、溝DIT1(溝DIT2)の深さd2が、チップ搭載部TABの厚さt1の1/2以下となるように構成している。
この本実施の形態における第2特徴点は、以下に示すように、別の表現で表すこともできる。すなわち、例えば、図8に示すように、溝DIT1(溝DIT2)は、溝DIT1(溝DIT2)の深さd2が、段差部DLの段差d1よりも小さくなるように構成されているということもできる。これにより、本実施の形態によれば、溝DIT1(溝DIT2)の深さd2を浅くすることができる。このことは、溝DIT1(溝DIT2)の内部に入り込んだ樹脂RSを除去しやすくなることを意味する。この結果、本実施の形態における第2特徴点によれば、チップ搭載部TABの下面を洗浄する洗浄工程によって、確実に、溝DIT1(溝DIT2)に入り込んだ樹脂RSを除去することができる。
すなわち、段差部DLには、樹脂RSが埋め込まれており、この埋め込まれた樹脂RSを除去することを前提としていない。一方、溝DIT1(溝DIT2)は、入り込んだ樹脂RSを除去することを前提としている。したがって、段差部DLと溝DIT1(溝DIT2)とは、樹脂RSを除去するか否かの点で相違することになり、深さが浅いほど樹脂RSを除去しやすくなることから、本実施の形態では、溝DIT1(溝DIT2)の深さd2が、段差部DLの段差d1よりも小さくなるように構成されているのである。
この点に関し、関連技術では、例えば、図3に示すように、溝DITの深さは、段差部DLの段差と同程度となっている。これは、関連技術では、溝DITの内部に入り込んだ樹脂RSを除去することを前提としないため、できるだけ溝DITの内部の容積を大きくして、樹脂漏れの堰き止め効果を高める観点にだけ着目しているからである。一方、本実施の形態では、溝DIT1(溝DIT2)に入り込んだ樹脂RSを除去することを前提としているため、図8に示すように、埋め込まれた樹脂RSを除去することを前提としていない段差部DLの段差よりも溝DIT1(溝DIT2)の深さd2が小さくなっている。
本実施の形態における第2特徴点のさらなる工夫点としては、例えば、図8に示すように、溝DIT1の形状および溝DIT2の形状をV字形状としている点にある。これにより、本実施の形態によれば、溝DIT1(溝DIT2)に入り込んだ樹脂RSの除去容易性を向上することができる。なぜなら、図3に示す関連技術における半円形状の溝DITと比較すると、本実施の形態におけるV字形状の溝DIT1(溝DIT2)によれば、半円形状の溝DITと同じ深さと幅であっても容積が小さくなることから、溝DIT1(溝DIT2)に入り込んだ樹脂RSの除去容易性が向上すると考えられるからである。
なお、例えば、V字形状の溝DIT1(溝DIT2)を形成するには、プレス法を使用することができる。以上のことから、本実施の形態における第2特徴点は、具体的に、溝DIT1(溝DIT2)の深さd2を浅くする第1工夫点と、V字形状にして容積を小さくする第2工夫点とを有している。そして、この第1工夫点と第2工夫点との相乗効果によって、本実施の形態によれば、溝DIT1(溝DIT2)に入り込んだ樹脂RSの除去特性を大幅に向上できるのである。
次に、本実施の形態における第3特徴点は、例えば、図7および図8に示すように、チップ搭載部TABの下面に複数の溝(例えば、溝DIT1および溝DIT2)を設ける点にある。これは、本実施の形態における溝DIT1が、溝DIT1の内部に入り込んだ樹脂RSを除去することを前提として、溝DIT1に対して、樹脂漏れの堰き止め機能だけでなく、溝DIT1の内部に入り込んだ樹脂RSの除去容易性を考慮しているからこそ有用な構成である。すなわち、本実施の形態では、溝DIT1の内部に入り込んだ樹脂RSの除去容易性を考慮しており、この樹脂RSの除去容易性の向上の観点から、上述した第2特徴点が想到されている。そして、この本実施の形態における第2特徴点によれば、溝DIT1の深さd2を浅くする第1工夫点と、V字形状にして容積を小さくする第2工夫点とによって、溝DIT1に入り込んだ樹脂RSの除去容易性を向上することができる。一方、溝DIT1に入り込んだ樹脂RSの除去容易性を向上できるということは、裏を返せば、溝DIT1での堰き止め機能が低下することを意味するとも言える。したがって、本実施の形態では、溝DIT1に入り込んだ樹脂RSの除去容易性を向上する構成の副作用として顕在化する堰き止め機能の低下を抑制するため、チップ搭載部TABの下面に複数の溝(例えば、溝DIT1および溝DIT2)を設けている(第3特徴点)。これにより、例えば、図18に示すように、溝DIT1で堰き止められなかった樹脂RSを溝DIT1の内側に設けられた溝DIT2で堰き止めることが可能となる。つまり、本実施の形態における第3特徴点によれば、堰き止め機能の低下という第2特徴点の副作用を抑制して、堰き止め機能を充分に発揮させることができるのである。
このように、本実施の形態によれば、上述した第2特徴点と第3特徴点とを組み合わせることにより、チップ搭載部TABの下面での樹脂漏れの堰き止め機能の向上と、溝DIT1(溝DIT2)の内部に入り込んだ樹脂RSの除去容易性の向上とを高次元で両立することができるのである。
本実施の形態における第3特徴点は、チップ搭載部TABの下面を洗浄して、溝DIT1(溝DIT2)の内部に入り込んだ樹脂RSを除去するという第1特徴点を前提としているからこそ有用な構成となる。以下に、この点について説明する。
例えば、図3に示す関連技術では、溝DITに埋め込まれた樹脂RSは除去することを想定していない。したがって、関連技術では、チップ搭載部TABの下面に互い離間して配置される複数の溝DITを採用することは困難となる。なぜなら、関連技術において、チップ搭載部TABの下面に複数の溝DITを設けると、内側の溝DITまでの領域に樹脂RSが残存することになるからである。つまり、関連技術で、チップ搭載部TABの下面に複数の溝DITを設けて、樹脂漏れの堰き止め機能の向上を図る場合、チップ搭載部TABの下面に漏れ出た樹脂RSがそのまま残存することから、樹脂RSが残存する領域が大きくなる。このことは、半導体装置と実装基板との接続信頼性の低下を招くとともに、半導体装置の放熱特性の低下も招くことを意味する。したがって、関連技術では、チップ搭載部TABの下面に複数の溝DITを設けることは、半導体装置と実装基板との接続信頼性の向上と半導体装置の放熱特性の向上を図る観点から採用することが困難な構成となるのである。すなわち、溝DITに埋め込まれた樹脂RSは除去することを想定していない関連技術では、チップ搭載部TABの下面に複数の溝DITを設けて、樹脂漏れの堰き止め機能の向上を図る構成よりも、単一の溝DITを設け、できるだけ単一の溝DITの内部の容積を大きくして、樹脂漏れの堰き止め効果を高める構成が有用なのである。
これに対し、本実施の形態では、チップ搭載部TABの下面を洗浄して、溝DIT1(溝DIT2)の内部に入り込んだ樹脂RSを除去することを前提としている。この場合、複数の溝DIT1および溝DIT2を設ける構成は、溝DIT1および溝DIT2のそれぞれに入り込んだ樹脂RSが除去されることから、関連技術と異なり、半導体装置と実装基板との接続信頼性の低下や半導体装置の放熱特性の低下も招くこともなく、樹脂漏れの堰き止め機能の向上を図ることできる構成となる。一方、本実施の形態では、単一の溝を設け、できるだけ単一の溝の内部の容積を大きくして、樹脂漏れの堰き止め効果を高める構成は、入り込んだ樹脂RSの除去容易性を著しく低下させることになることから、本実施の形態で採用することが困難な構成となるのである。ここで、本実施の形態では、チップ搭載部TABの下面を洗浄して、溝DIT1(溝DIT2)の内部に入り込んだ樹脂RSを除去することを前提としている。このことから、本実施の形態では、チップ搭載部TABの下面に単一の溝DITを設け、できるだけ単一の溝DITの内部の容積を大きくして、樹脂漏れの堰き止め効果を高める構成よりも、チップ搭載部TABの下面に複数の溝(溝DIT1と溝DIT2)を設けて、樹脂漏れの堰き止め機能の向上を図る構成の方が有用なのである。
このように、本実施の形態と関連技術とは、方向性(観点)が相違している。このため、チップ搭載部TABの下面に互いに離間して複数の溝(溝DIT1と溝DIT2)を設けるという本実施の形態における第3特徴点は、チップ搭載部TABの下面を洗浄して、溝DIT1(溝DIT2)の内部に入り込んだ樹脂RSを除去するという第1特徴点を前提としているからこそ有用な技術的意義を有する構成となるのである。
続いて、本実施の形態における第4特徴点は、なるべくチップ搭載部TABの下面の外周部で樹脂RSの入り込みを抑制する工夫を施している点にある。なぜなら、なるべくチップ搭載部TABの下面の外周部で樹脂RSの入り込みを抑制することができれば、チップ搭載部TABの下面のうち、樹脂RSが入り込む面積を小さくできる結果、下面に入り込んだ樹脂RSの除去容易性を向上することができるからである。
本実施の形態における第4特徴点の具体的な第1工夫点は、例えば、図8に示すように、断面視において、段差部DLの段差位置と溝DIT1の中心位置との距離L1は、溝DIT1の中心位置と溝DIT2の中心位置との距離L2よりも小さくなっている点にある。これにより、外側に配置される溝DIT1の配置位置をチップ搭載部TABの外周部に近づけることができる。すなわち、外側に配置される溝DIT1の配置位置がチップ搭載部TABの外周部に近いほど、チップ搭載部TABの下面に入り込む樹脂RSの面積を低減することができるのである。これにより、本実施の形態における第4特徴点によれば、チップ搭載部TABの下面に入り込んだ樹脂RSの除去容易性を向上することができる。
次に、本実施の形態における第4特徴点のさらなる具体的な第2工夫点は、例えば、図7に示すように、チップ搭載部TABの下面の外周部に沿って延在して配置されている溝DIT1(溝DIT2)が、チップ搭載部TABの角部近傍にテーパ形状を有している点にある。言い換えれば、チップ搭載部TABは、第1方向に延在する第1辺と、第1辺と交差する第2辺と、第1辺と第2辺との交差点である角部とを有する。そして、溝DIT1(溝DIT2)は、第1辺と並行する第1部分と、第2辺と並行する第2部分と、第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分とを有する。ここで、溝DIT1(溝DIT2)の第3部分と角部との間の距離は、溝DIT1(溝DIT2)の第1部分と第1辺との間の距離よりも長く、かつ、溝DIT1(溝DIT2)の第2部分と第2辺との間の距離よりも長くなっている。特に、第3部分と第1部分とのなす角は、鈍角であり、第3部分と第2部分とのなす角も、鈍角である。
これにより、本実施の形態における第4特徴点のさらなる具体的な第2工夫点によれば、溝DIT1(溝DIT2)をチップ搭載部TABの外周部近傍にできるだけ近づけて配置することができる。なぜなら、設計レイアウト制約によって、チップ搭載部TABの角部から溝DIT1(溝DIT2)を一定距離だけ離さなければならないが、テーパ形状を有することにより、角部とテーパ形状との距離を確保しながら、テーパ形状を有さない場合に比べて、溝DIT1(溝DIT2)をチップ搭載部TABの外周部近傍にできるだけ近づけて配置することが可能となるからである。この結果、本実施の形態によれば、チップ搭載部TABの下面に入り込む樹脂RSの面積を低減することができ、これによって、チップ搭載部TABの下面に入り込んだ樹脂RSの除去容易性を向上することができる。
以上のことから、本実施の形態における第4特徴点によれば、上述した第1工夫点と第2工夫点との相乗効果によって、溝DIT1(溝DIT2)をチップ搭載部TABの外周部近傍にできるだけ近づけて配置することができる。この結果、チップ搭載部TABの下面に入り込む樹脂RSの量を低減することができ、これによって、チップ搭載部TABの下面に入り込んだ樹脂RSの除去容易性を大幅に向上することができる。
次に、本実施の形態における第5特徴点は、例えば、図8に示すように、段差部DLの段差d1が、チップ搭載部TABの厚さt1の1/2以下になっている点にある。ここで、チップ搭載部TABの下面への樹脂RSの入り込みを効果的に抑制する観点からは、段差部DLの段差は大きい方が望ましいと考えることができる。この点からは、例えば、図3に示す関連技術のように、段差部DLの段差をチップ搭載部TABの厚さの1/2よりも大きくすることが望ましいと考えることができるが、本実施の形態では、段差部DLの段差d1をチップ搭載部TABの厚さt1の1/2以下としている。
これは、以下に示す理由による。すなわち、段差部DLは、例えば、プレス法によって形成されるが、段差部DLの段差が大きくなるほど、潰し量が大きくなる結果、チップ搭載部TABの上面の平坦性が低下するのである。そして、チップ搭載部TABの上面の平坦性が低下すると、チップ搭載部TABの上面に搭載される半導体チップCHPのマウント性が低下することになる。そこで、本実施の形態では、段差部DLの段差d1をチップ搭載部TABの厚さt1の1/2以下としている。この場合、プレス法で段差部DLを形成する際の潰し量を低減することができるため、チップ搭載部TABの上面の平坦性の低下を抑制することができる。このことから、本実施の形態における第5特徴点によれば、チップ搭載部TABの上面に搭載される半導体チップCHPのマウント性の低下を抑制できることになる。
そして、本実施の形態における第5特徴点によれば、単独の段差部DLによるチップ搭載部TABの下面への樹脂RSの入り込みを抑制する効果は低減することになる。しかし、本実施の形態によれば、段差部DLの内側に溝DIT1が設けられ、かつ、溝DIPT1の内側に溝DIT2が設けられていることを考慮すると、段差部DLと溝DIT1と溝DIT2との組み合わせにより、チップ搭載部TABの下面への樹脂RSの入り込みは、充分に抑制されることになる。つまり、段差部DLと溝DIT1と溝DIT2との組み合わせにより、チップ搭載部TABの下面への樹脂RSの入り込みは最小限に抑えられることになることから、さらに、チップ搭載部TABの上面の平坦性を向上する観点からは、本実施の形態における第5特徴点を採用することが有用なのである。
<変形例1>
図23(a)は、本変形例1におけるチップ搭載部TABの一部を拡大して示す図である。図23(a)に示すように、本変形例1におけるチップ搭載部TABの下面には、外端部に段差部DLが設けられており、この段差部DLの内側に離間して溝DIT1が形成され、かつ、この溝DIT1の内側に離間して溝DIT2が形成されている。
ここで、本変形例1では、溝DIT1の深さと溝DIT2の深さとが異なっている。具体的には、溝DIT1の深さは、溝DIT2の深さよりも深くなっている。言い換えれば、溝DIT2の深さは、溝DIT1の深さよりも浅くなっている。さらに、詳細には、図23(a)に示すように、段差部DLの段差d1と、溝DIT1の深さd2aと、溝DIT2の深さd2bとの間には、d1>d2a>d2bの関係が成立している。
これは、以下に示す理由による。すなわち、段差部DLには、樹脂が埋め込まれ、段差部DLに埋め込まれた樹脂は除去することを前提としていない。一方、溝DIT1(溝DIT2)は、入り込んだ樹脂を除去することを前提としている。したがって、段差部DLと溝DIT1(溝DIT2)とは、樹脂を除去するか否かの点で相違することになり、深さが浅いほど樹脂を除去しやすくなることから、本変形例1でも、溝DIT1の深さd2aおよび溝DIT2の深さd2bが、段差部DLの段差d1よりも小さくなっている。
さらに、本変形例1では、以下の点も考慮している。例えば、図18に示すように、チップ搭載部TABの下面に形成されている溝DIT1および溝DIT2にも樹脂RSが入り込んだ場合、溝DIT1に入り込んだ樹脂RSの量は、溝DIT2に入り込んだ樹脂RSの量よりも多くなっている。つまり、まず、外側に形成されている溝DIT1によって、樹脂RSの入り込みが抑制されるが、この溝DIT1で堰き止められなかった樹脂RSが、内側に形成されている溝DIT2で堰き止められる。このことから、図18に示すように、溝DIT1に入り込んだ樹脂RSの量は、溝DIT2に入り込んだ樹脂RSの量よりも多くなる。このことから、本変形例1では、溝DIT1の深さd2aを溝DIT2の深さd2bよりも深くしているのである。これにより、本変形例1によれば、外側に配置されている溝DIT1において、段差部DLの段差d1よりも深さd2aが小さいことから除去容易性を確保することができる一方、溝DIT2の深さd2bよりも溝DIT1の深さd2aを深くすることにより、堰き止め機能を充分に確保している。言い換えれば、本変形例1によれば、内側に配置されている溝DIT2は、溝DIT1よりも樹脂の堰き止め効果は要求されないことから、溝DIT2の深さd2bを溝DIT1の深さd2aよりも浅くして、樹脂の除去容易性を高めているということもできる。
<変形例2>
図23(b)は、本変形例2におけるチップ搭載部TABの一部を拡大して示す図である。図23(b)に示すように、本変形例2におけるチップ搭載部TABの下面には、外端部に段差部DLが設けられており、この段差部DLの内側に離間して溝DIT1が形成され、かつ、この溝DIT1の内側に離間して溝DIT2が形成されている。
ここで、本変形例2では、溝DIT1の形状および溝DIT2の形状が半円形状をしている。つまり、実施の形態では、例えば、図8に示すように、溝DIT1の形状および溝DIT2の形状をV字形状から形成する例について説明したが、これに限らず、図23(b)に示す本変形例2のように、溝DIT1の形状および溝DIT2の形状を半円形状としてもよい。この場合、例えば、溝DIT1および溝DIT2は、エッチング加工により形成することができるため、プレス法のように潰し量が発生しないため、チップ搭載部TABの上面の平坦性を確保しやすくなる利点を得ることができる。
<変形例3>
実施の形態では、半導体装置PKG1のパッケージ形態として、QFPを例に挙げて説明したが、実施の形態における技術的思想は、これに限らず、例えば、パッケージ形態がQFN(Quad Flat Non-Leaded Package)の半導体装置にも適用することができる。
(個片モールドタイプ)
図24(a)は、本変形例3における半導体装置PKG2を上面側から見た外観図であり、図24(b)は、本変形例3における半導体装置PKG2を下面側から見た外観図である。図24(b)に示すように、封止体MRの下面の外周部には、複数のリードLDが配置されており、封止体MRの下面の中央部においては、封止体MRからチップ搭載部TABの下面が露出している。そして、露出しているチップ搭載部TABの下面には、溝DIT1および溝DIT2が形成されている。
図25は、本変形例3における半導体装置PKG2を示す断面図である。図25に示すように、本変形例3における半導体装置PKG2においても、封止体MRから露出しているチップ搭載部TABの下面に溝DIT1と溝DIT2とが形成されていることがわかる。このようにして、本変形例3における半導体装置PKG2でも、実施の形態における技術的思想を具現化することができる。
(一括モールドタイプ)
図26(a)は、本変形例3における半導体装置PKG3を上面側から見た外観図であり、図26(b)は、本変形例3における半導体装置PKG3を下面側から見た外観図である。図26(b)に示すように、封止体MRの下面の外周部には、複数のリードLDが配置されており、封止体MRの下面の中央部においては、封止体MRからチップ搭載部TABの下面が露出している。そして、露出しているチップ搭載部TABの下面には、溝DIT1および溝DIT2が形成されている。
図27は、本変形例3における半導体装置PKG3を示す断面図である。図27に示すように、本変形例3における半導体装置PKG3においても、封止体MRから露出しているチップ搭載部TABの下面に溝DIT1と溝DIT2とが形成されていることがわかる。このようにして、本変形例3における半導体装置PKG3でも、実施の形態における技術的思想を具現化することができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
前記実施の形態は、以下の形態を含む。
(付記1)
下面に第1溝が形成されたチップ搭載部と、
前記チップ搭載部の上面に搭載された半導体チップと、
導電性部材を介して、前記半導体チップのパッドと電気的に接続されたリードと、
前記半導体チップを封止する封止体と、
を備え、
前記チップ搭載部の前記下面は、前記封止体から露出し、
前記第1溝内を含む前記下面には、めっき膜が形成されている、半導体装置。
(付記2)
付記1に記載の半導体装置において、
前記第1溝内には、前記封止体を構成する樹脂が形成されていない、半導体装置。
(付記3)
付記1に記載の半導体装置において、
前記第1溝は、前記チップ搭載部の外周部に沿って形成されている、半導体装置。
(付記4)
付記1に記載の半導体装置において、
前記第1溝の深さは、前記チップ搭載部の厚さの1/2以下である、半導体装置。
(付記5)
付記1に記載の半導体装置において、
前記第1溝の断面形状は、V字形状である、半導体装置。
(付記6)
付記1に記載の半導体装置において、
前記チップ搭載部の前記下面には、さらに、前記第1溝と離間して第2溝が形成されている、半導体装置。
(付記7)
付記6に記載の半導体装置において、
前記第2溝は、前記第1溝よりも前記チップ搭載部の内側に形成されている、半導体装置。
(付記8)
付記6に記載の半導体装置において、
前記第1溝の深さ、および、前記第2溝の深さは、ともに、前記チップ搭載部の厚さの1/2以下である、半導体装置。
(付記9)
付記7に記載の半導体装置において、
前記第1溝の深さは、前記第2溝の深さよりも深い、半導体装置。
(付記10)
付記6に記載の半導体装置において、
前記第2溝の内壁にも、前記めっき膜が形成されている、半導体装置。
(付記11)
付記6に記載の半導体装置において、
前記第2溝内には、前記封止体を構成する樹脂が形成されていない、半導体装置。
(付記12)
付記1に記載の半導体装置において、
前記チップ搭載部の下面の外端部には、前記第1溝と離間する段差部が形成されている、半導体装置。
(付記13)
付記12に記載の半導体装置において、
前記第1溝は、前記段差部よりも内側に形成されている、半導体装置。
(付記14)
付記12に記載の半導体装置において、
前記第1溝の深さは、前記段差部の段差よりも浅い、半導体装置。
(付記15)
付記12に記載の半導体装置において、
前記チップ搭載部の前記下面には、前記第1溝よりも内側に第2溝が形成され、
断面視において、前記段差部の段差位置と前記第1溝の中心位置との距離は、前記第1溝の中心位置と前記第2溝の中心位置との距離よりも小さい、半導体装置。
(付記16)
付記12に記載の半導体装置において、
前記段差部の内部には、前記封止体を構成する樹脂が形成されている、半導体装置。
(付記17)
付記1に記載の半導体装置において、
前記チップ搭載部は、
第1方向に延在する第1辺と、
前記第1辺と交差する第2辺と、
前記第1辺と前記第2辺との交差点である角部と、
を有し、
前記第1溝は、
前記第1辺と並行する第1部分と、
前記第2辺と並行する第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分と、
を有し、
前記第1溝の前記第3部分と前記角部との間の距離は、前記第1溝の前記第1部分と前記第1辺との間の距離よりも長く、かつ、前記第1溝の前記第2部分と前記第2辺との間の距離よりも長い、半導体装置。
(付記18)
付記17に記載の半導体装置において、
前記第3部分と前記第1部分とのなす角は、鈍角であり、
前記第3部分と前記第2部分とのなす角は、鈍角である、半導体装置。
CHP 半導体チップ
DIT1 溝
DIT2 溝
DL 段差部
LD リード
LF リードフレーム
MR 封止体
PF めっき膜
RS 樹脂
TAB チップ搭載部
W ワイヤ
関連技術におけるチップ搭載部を上面側から見た平面図である。 図1のA−A線で切断した断面図である。 図2に示す関連技術におけるチップ搭載部に対して、樹脂による封止工程を実施して封止体を形成した状態を示す模式的な断面図である。 (a)は、実施の形態における半導体装置を上面側から見た平面図であり、(b)は、実施の形態における半導体装置を下面側から見た平面図である。 実施の形態の半導体装置において、封止体の内部を透視して示す平面図である。 実施の形態における半導体装置を一断面で切断した断面図である。 チップ搭載部の角部近傍を上面側から見た部分拡大図である。 図7のA−A線で切断した断面図である。 実施の形態における半導体装置を実装基板に実装した状態を示す断面図である。 実施の形態における半導体装置の製造工程の流れを示すフローチャートである。 実施の形態における半導体装置の製造工程を示す平面図である。 図11に続く半導体装置の製造工程を示す図であって、(a)は、平面図であり、(b)は断面図である。 図12に続く半導体装置の製造工程を示す図であって、(a)は、平面図であり、(b)は断面図である。 図13に続く半導体装置の製造工程を示す図であって、(a)は、平面図であり、(b)は断面図である。 図14に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図15に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図16に続く半導体装置の製造工程を示す図であって、(a)は、上面側から見た平面図であり、(b)は下面側から見た平面図である。 チップ搭載部の下面に形成されている複数の溝によって、樹脂の入り込みが抑制されていることを示す模式図である。 図17に示す平面図に対応した断面図である。 図19に続く半導体装置の製造工程を示す図であって、(a)は、平面図であり、(b)は断面図である。 (a)は、図20に続く半導体装置の製造工程を示す断面図であって、(b)は、(a)の部分拡大図である。 図21に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 (a)は、変形例1を示す模式図であり、(b)は、変形例2を示す模式図である。 (a)は、変形例3における半導体装置(個片モールドタイプ)を上面側から見た斜視図であり、(b)は、変形例3における半導体装置を下面側から見た斜視図である。 変形例3における半導体装置を示す断面図である。 (a)は、変形例3における半導体装置(一括モールドタイプ)を上面側から見た斜視図であり、(b)は、変形例3における半導体装置を下面側から見た斜視図である。 変形例3における半導体装置を示す断面図である。
(1)本実施の形態における半導体装置PKG1は、下面に溝DIT1が形成されたチップ搭載部TABと、チップ搭載部TABの上面に搭載された半導体チップCHPと、ワイヤWを介して、半導体チップCHPのパッドPDと電気的に接続されたリードLDと、半導体チップCHPを封止する封止体MRとを備える。そして、チップ搭載部TABの下面は、封止体MRから露出し、かつ、溝DIT1内を含む下面には、めっき膜PFが形成されている。
続いて、本実施の形態における半導体装置の製造工程について、図面を参照しながら、さらに説明する。まず、図11に示すように、製品領域PRがアレイ状に配置されたリードフレームLFを準備する。ここで、図12(a)は、製品領域PRを拡大して示す平面図であり、図12(b)は、製品領域PRの一断面を示す断面図である。図12(a)に示すように、製品領域PRの中央部には、矩形形状をしたチップ搭載部TABが配置されており、このチップ搭載部TABの周囲に複数のリードLDが配置されている。また、図12(b)に示すように、チップ搭載部TABの下面には、予め、互いに離間するように、段差部DLと溝DIT1と溝DIT2とが形成されている。具体的に、溝DIT1は、段差部DLよりも内側に形成され、溝DIT2は、溝DITよりも内側に形成されている。そして、溝DIT1の深さおよび溝DIT2の深さは、段差部DLの段差よりも浅くなっている。また、断面視において、段差部DLの段差位置と溝DIT1の中心位置との距離は、溝DIT1の中心位置と溝DIT2の中心位置との距離よりも小さくなっている。
ここで、図17(b)に示すように、チップ搭載部TABの下面に樹脂RSが入り込んでいるが、この樹脂RSは、チップ搭載部TABの下面に形成されている溝DIT1および溝DIT2によって堰き止められており、溝DIT2よりも内側の領域には、樹脂RSが入り込んでいないことがわかる。すなわち、本実施の形態では、チップ搭載部TABの下面において、段差部DLの内側に溝DIT1および溝DIT2を設けられているため、段差部DLによって防ぐことができなかった樹脂RSの入り込みが、溝DIT1および溝DIT2によって堰き止められていることがわかる。つまり、チップ搭載部TABの下面に樹脂RSが入り込む場合であっても本実施の形態によれば、段差部DLの内側に溝DIT1および溝DIT2を設けているため、内側の溝DIT2よりもさらに内側領域への樹脂RSの入り込みが抑制されていることがわかる。

Claims (18)

  1. 下面に第1溝が形成されたチップ搭載部と、
    前記チップ搭載部の上面に搭載された半導体チップと、
    導電性部材を介して、前記半導体チップのパッドと電気的に接続されたリードと、
    前記半導体チップを封止する封止体と、
    を備え、
    前記チップ搭載部の前記下面は、前記封止体から露出し、
    前記第1溝内を含む前記下面には、めっき膜が形成されている、半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第1溝内には、前記封止体を構成する樹脂が形成されていない、半導体装置。
  3. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第1溝は、前記チップ搭載部の外周部に沿って形成されている、半導体装置。
  4. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第1溝の深さは、前記チップ搭載部の厚さの1/2以下である、半導体装置。
  5. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第1溝の断面形状は、V字形状である、半導体装置。
  6. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記チップ搭載部の前記下面には、さらに、前記第1溝と離間して第2溝が形成されている、半導体装置。
  7. 請求項6に記載の半導体装置において、
    前記第2溝は、前記第1溝よりも前記チップ搭載部の内側に形成されている、半導体装置。
  8. 請求項6に記載の半導体装置において、
    前記第1溝の深さ、および、前記第2溝の深さは、ともに、前記チップ搭載部の厚さの1/2以下である、半導体装置。
  9. 請求項7に記載の半導体装置において、
    前記第1溝の深さは、前記第2溝の深さよりも深い、半導体装置。
  10. 請求項6に記載の半導体装置において、
    前記第2溝の内壁にも、前記めっき膜が形成されている、半導体装置。
  11. 請求項6に記載の半導体装置において、
    前記第2溝内には、前記封止体を構成する樹脂が形成されていない、半導体装置。
  12. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記チップ搭載部の下面の外端部には、前記第1溝と離間する段差部が形成されている、半導体装置。
  13. 請求項12に記載の半導体装置において、
    前記第1溝は、前記段差部よりも内側に形成されている、半導体装置。
  14. 請求項12に記載の半導体装置において、
    前記第1溝の深さは、前記段差部の段差よりも浅い、半導体装置。
  15. 請求項12に記載の半導体装置において、
    前記チップ搭載部の前記下面には、前記第1溝よりも内側に第2溝が形成され、
    断面視において、前記段差部の段差位置と前記第1溝の中心位置との距離は、前記第1溝の中心位置と前記第2溝の中心位置との距離よりも小さい、半導体装置。
  16. 請求項12に記載の半導体装置において、
    前記段差部の内部には、前記封止体を構成する樹脂が形成されている、半導体装置。
  17. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記チップ搭載部は、
    第1方向に延在する第1辺と、
    前記第1辺と交差する第2辺と、
    前記第1辺と前記第2辺との交差点である角部と、
    を有し、
    前記第1溝は、
    前記第1辺と並行する第1部分と、
    前記第2辺と並行する第2部分と、
    前記第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分と、
    を有し、
    前記第1溝の前記第3部分と前記角部との間の距離は、前記第1溝の前記第1部分と前記第1辺との間の距離よりも長く、かつ、前記第1溝の前記第2部分と前記第2辺との間の距離よりも長い、半導体装置。
  18. 請求項17に記載の半導体装置において、
    前記第3部分と前記第1部分とのなす角は、鈍角であり、
    前記第3部分と前記第2部分とのなす角は、鈍角である、半導体装置。
JP2018089423A 2018-05-07 2018-05-07 半導体装置 Pending JP2018117166A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018089423A JP2018117166A (ja) 2018-05-07 2018-05-07 半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018089423A JP2018117166A (ja) 2018-05-07 2018-05-07 半導体装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017524336A Division JP6337207B2 (ja) 2015-06-24 2015-06-24 半導体装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018117166A true JP2018117166A (ja) 2018-07-26

Family

ID=62984405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018089423A Pending JP2018117166A (ja) 2018-05-07 2018-05-07 半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018117166A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115132673A (zh) * 2022-06-21 2022-09-30 维沃移动通信有限公司 封装结构及其加工方法、电子设备

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013258348A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Renesas Electronics Corp 半導体装置の製造方法
JP2014007363A (ja) * 2012-06-27 2014-01-16 Renesas Electronics Corp 半導体装置の製造方法および半導体装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013258348A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Renesas Electronics Corp 半導体装置の製造方法
JP2014007363A (ja) * 2012-06-27 2014-01-16 Renesas Electronics Corp 半導体装置の製造方法および半導体装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115132673A (zh) * 2022-06-21 2022-09-30 维沃移动通信有限公司 封装结构及其加工方法、电子设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9905497B2 (en) Resin sealing type semiconductor device and method of manufacturing the same, and lead frame
JP5802695B2 (ja) 半導体装置、半導体装置の製造方法
JP4860939B2 (ja) 半導体装置
JP5876669B2 (ja) 半導体装置
JP6370071B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
US8502360B2 (en) Resin sealing type semiconductor device and method of manufacturing the same, and resin sealing type electronic device
KR20050065340A (ko) 반도체장치 및 그 제조방법
JP7546034B2 (ja) 半導体装置
JP2015072947A (ja) 半導体装置及びその製造方法
US20130320527A1 (en) Semiconductor device and semiconductor device manufacturing method
JP6337207B2 (ja) 半導体装置の製造方法
CN108231704B (zh) 半导体模块
JP2018117166A (ja) 半導体装置
JP4767277B2 (ja) リードフレームおよび樹脂封止型半導体装置
JP2004363365A (ja) 半導体装置及びその製造方法
TWI387080B (zh) 四方扁平無引腳之半導體封裝結構及封裝方法
JP2005191158A (ja) 半導体装置及びその製造方法
CN216980551U (zh) 一种封装基材、封装结构
JP2008227317A (ja) 半導体装置、そのための配線基板、封止金型、および製造方法
JP2006229263A (ja) 半導体装置
JP6923299B2 (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
JP6428013B2 (ja) リードフレーム部材およびその製造方法、ならびに半導体装置およびその製造方法
CN115995438A (zh) 一种封装基材、封装结构以及制作方法
JP2013062549A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2012209604A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180507

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190611

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20191203