JP2018117060A - 剥離基板及びレーザリフトオフ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被剥離層に汚染物質が付着するのを抑制して剥離し得るようにする。【解決手段】レーザ光の照射により予め定められた境界面で多層膜を剥離するレーザリフトオフ用の剥離基板1であって、透光性を有する面状の基板10と、上記基板10の一方の面上に積層され、水素を含有した非晶質シリコンからなり、上記基板10の他方の面から上記レーザ光が照射されることにより水素ガスを発生し、該水素ガスの圧力で剥離作用を発現する剥離層11と、を備え、上記剥離層11は、上記基板10側に位置する下層よりも上層の領域で上記水素の含有量が多くなっているものである。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光の照射により予め定められた境界面で多層膜を剥離するレーザリフトオフ(Laser Lift Off)用の剥離基板及びレーザリフトオフ方法に関し、特に汚染物質が付着するのを抑制して剥離し得るようにする剥離基板及びレーザリフトオフ方法に係るものである。
従来のレーザリフトオフに適用される剥離方法は、例えば、水素を含有した非晶質シリコンよりなる光吸収層と金属薄膜よりなる反射層との積層体である分離層及び被剥離層が積層された透光性の基板の裏面側からレーザ光を照射し、光吸収層にアブレーションを起こさせて、分離層に剥離を生ぜしめ、被剥離層を基板から離脱させるものとなっていた(例えば、特許文献1参照)。
ここで、上記剥離方法では、レーザ光の照射により、アブレーションに起因して水素が放出され、水素ガスとなって分離層に圧力が発生し、その圧力で分離層から被剥離層が剥離することが知られている。
特開平10−125929号公報
しかし、従来の剥離方法においては、非晶質シリコン内の水素の含有量を高めた場合、基板と光吸収層との境界面付近で大量に水素ガスが発生し、光吸収層内部で剥離が発生しやすくなり、光吸収層の一部も基板から剥離して汚染物質として被剥離層に付着し、被剥離層を汚染させることがあった。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、被剥離層に汚染物質が付着するのを抑制して剥離し得るようにする剥離基板、その剥離基板を用いたレーザリフトオフ方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による剥離基板は、レーザ光の照射により予め定められた境界面で多層膜を剥離するレーザリフトオフ用の剥離基板であって、透光性を有する面状の基板と、上記基板の一方の面上に積層され、水素を含有した非晶質シリコンからなり、上記基板の他方の面から上記レーザ光が照射されることにより水素ガスを発生し、該水素ガスの圧力で剥離作用を発現する剥離層と、を備え、上記剥離層は、上記基板側に位置する下層よりも上層の領域で上記水素の含有量が多くなっているものである。
また、本発明によるレーザリフトオフ方法は、レーザ光の照射により予め定められた境界面で多層膜を剥離するレーザリフトオフ方法であって、透光性を有する面状の基板、及び、上記基板の一方の面上に積層され、水素を含有した非晶質シリコンからなり、上記基板側に位置する下層よりも上層の領域で水素の含有量が多くなっている剥離層を含む剥離基板と、上記剥離層上に積層された樹脂フィルムを含む被剥離層と、を有する積層体に対して、上記基板の他方の面から上記レーザ光を照射する処理と、上記レーザ光の照射に起因して、上記剥離層内の上記下層よりも上記上層の領域で水素ガスを多く発生させる処理と、上記水素ガスの圧力を利用して、上記レーザ光が照射された剥離層と上記樹脂フィルムとの境界面で剥離を生じさせる処理と、を実行する。
本発明の剥離基板によれば、上記基板側に位置する下層よりも上層の領域で上記水素の含有量が多くなっているので、上層で水素ガスの圧力が下層よりも高くなり、その領域で剥離作用を発現する。
また、本発明のレーザリフトオフ方法によれば、上記剥離基板を使用しているので、上記剥離層と上記樹脂フィルムとの境界面で剥離しやすくなる。したがって、被剥離層を汚染するのを抑制することができる。
本発明による剥離基板の一例を示す模式図である。 積層体の一例を示す模式図である。 レーザリフトオフ装置の一例を示す概略構成図である。 剥離層内の厚さ方向の特性を説明するグラフである。 剥離層内での水素ガスの主な発生位置を説明する模式図である。 剥離層と被剥離層との境界面で剥離することを示す模式図である。 剥離層内の厚さ方向の他の特性を説明するグラフである。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明による剥離基板の一例を示す模式図である。図1に示す剥離基板1は、レーザ光の照射により予め定められた境界面で多層膜を剥離するレーザリフトオフ用の剥離基板であって、これ自体が製品として取引され得るものである。
剥離基板1は、透光性を有する面状の基板10と、その基板10に積層された剥離層11とを有する。基板10は、例えば、可視光を透過させる透明なガラス基板である。ガラスの材質は、例えば、石英又はサファイアであってもよい。
剥離層11は、水素を含有するアモルファスシリコン膜である。但し、剥離層11は、基板10側に位置する下層よりも上層で水素の含有量が多くなっている。ここで、アモルファスシリコン膜に水素を含有させる手段としては、例えば、プラズマ化学気相堆積(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:PECVD)法により、原料となるモノシラン(SiH)ガスに対して、水素(H)ガスとArガス等の不活性ガスとの濃度比を予め設定した値にすることで、その濃度比に応じた水素を含有するアモルファスシリコン膜を作製できることが知られている。この場合、PECVD法における他の制御パラメータ(例えば、基板温度、投入電力等)の条件を適宜設定してよい。
本実施形態では、このPECVD法をさらに応用して、PECVDの実行中に、水素ガスとArガス等の不活性ガスとの濃度比を変化させることで、水素の含有量が予め定めた勾配に従って変化する剥離層11を作製することができる。つまり、水素ガスとArガス等の不活性ガスとの濃度比を制御することで、水素(H:水素原子)の含有量(at%)を剥離層11内部で変化させることができる。なお、「剥離層」という用語は、「犠牲層」又は、「光吸収層」と称されることがある。
図2は、積層体の一例を示す模式図である。図2に示す積層体2は、剥離基板1上にさらにポリイミド等の樹脂フィルム12が積層されている。なお、樹脂フィルム12は、剥離基板1上に塗布されるようにして積層してもよい。樹脂フィルム12は、有機EL(Electroluminescence)等の表示パネルに用いられるものである。この樹脂フィルム12上には、有機EL用のデバイス13が積層される。このデバイス13には、有機ELディスプレーの画素を構成するRGB各色の有機ELの発光層が含まれる。有機ELの発光層は真空蒸着により積層される。つまり、積層体2は、剥離層11や樹脂フィルム12等の多層膜を含む階層構造で形成されている。なお、積層体2における樹脂フィルム12や有機EL用のデバイス13は、例えば、剥離基板1を購入した業者によって作製されるものである。そして、最終的に、樹脂フィルム12と剥離層11との境界面で剥離させることで、積層体2から剥離基板1が取り除かれたものが製品化される。本実施形態では、樹脂フィルム12及びこれより上層に積層されたものを、被剥離層14とする。但し、以下の図3、5及び6の説明において、本発明の特徴を把握しやすくするため、被剥離層14については、樹脂フィルム12のみ図示することとする。以下、被剥離層14の最下層である樹脂フィルム12を汚染させずに、その樹脂フィルム12と剥離層11との境界面で如何にして剥離させるかについて、説明を続ける。
図3は、レーザリフトオフ装置の一例を示す概略構成図である。レーザリフトオフ装置100は、樹脂フィルム12を剥離基板1から剥離するもので、搬送手段3と、レーザ照射光学系4と、を備える。また、レーザリフトオフ装置100は、後述するレーザ光源5で発生するレーザ光の照射及び搬送手段3の動作を統括的に制御する制御手段(図示省略)も備える。
搬送手段3は、図2に示す積層体2を保持して一方向(矢印A方向)に、例えば一定速度で搬送するものであり、公知の搬送手段を適用することができる。本実施形態では、搬送手段3は、樹脂フィルム12が下側となるようにして搬送する場合について説明する。
搬送手段3の搬送面の上方には、レーザ照射光学系4が設けられている。このレーザ照射光学系4は、搬送手段3によって搬送中の積層体2のうちで剥離基板1の基板10の裏面側からレーザ光を照射するものである。
詳細には、レーザ照射光学系4は、レーザ光源5と、カップリング光学系6と、遮光マスク7と、対物レンズ8とを有し、レーザ光の進行方向の順に配置されている。
レーザ光源5は、レーザ光を予め定められた間隔で射出するものであって、例えば、波長が355nm(第三高調波)のYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザを用いてレーザ光を射出する。なお、レーザ光源5は、これに限られず、波長が100〜1200nmのうちから選択された所望の波長のレーザ光をパルス発光するものであればよく、例えば、波長が308nmのエキシマレーザ等、他の波長のパルスレーザを採用してもよい。
カップリング光学系6は、レーザ光源5から射出されたレーザ光のビーム径を拡張すると共に、ビーム径内の輝度分布を均一にした後、遮光マスク7に平行光を照射するようにしたものである。このカップリング光学系6は、ビームエキスパンダ、フォトインテグレータ及びコンデンサレンズを有する(図示省略)。なお、コンデンサレンズは、用途に応じて、直交2軸方向に集光する球面レンズであっても、1軸方向に集光するシリンドリカルレンズであってもよい。
レーザ光の強度は、アブレーションにより剥離層11に含まれる水素を水素ガスとして放出可能な値に設定される。この設定は、適宜、実験により適切な値に決定される。なお、レーザ光によるアブレーションの場合、水素ガス以外にも他の化学種が生成するが、水素ガスが剥離作用に主に関与するため、本実施形態では、水素ガスについて焦点を当てて説明をし、他の化学種については説明を省略する。
対物レンズ8は、遮光マスク7の開口窓を通過したレーザ光を剥離層11に集光させるものであり、例えば、1軸方向に集光するシリンドリカルレンズである。シリンドリカルレンズは、その円柱軸が搬送手段3の搬送方向と垂直に交差するように配置される。なお、対物レンズ8は、用途に応じて、直交2軸方向に集光する球面レンズであってもよい。
次に、このように構成されたレーザリフトオフ装置100の動作、及びレーザリフトオフ装置100によるレーザリフトオフ方法について説明する。
図3に示すレーザリフトオフ装置100の電源がオンされ、レーザ照射可能なレディ状態に移行した後、レーザリフトオフの動作開始の指示入力を受け付けると、レーザリフトオフ装置100では、搬送手段3が、図3に示す積層体2を矢印A方向(上流側から下流側)に搬送させる処理を開始する。これは、積層体2と、レーザ光を照射するレーザ照射光学系4とを相対的に移動させながら、予め定めた線幅を有する線状のレーザビームを基板10の裏面に順次照射できるようにするためである。
そして、レーザリフトオフ装置100は、積層体2をレーザ照射位置に位置合わせするため、図示省略の撮像手段を有しており、その撮像手段が、レーザ照射光学系4に対して搬送方向の上流側の位置で、積層体2の移動を検出する。撮像手段は、積層体2のうち基板10を裏面側から透過して剥離層11を撮影し、その撮影画像に基づいて、積層体2が最初にレーザ照射される領域となる端部(図3に示す積層体2の右側端部)を検出する。以下、図3における積層体2の右側端部を第1の端部といい、積層体2の左側端部を第2の端部という。
積層体2の第1の端部が検出されると、それをトリガーとして、制御手段は、積層体2の移動距離の演算を開始する。そして、積層体2が予め定められた距離だけ移動して、第1の端部が遮光マスク7に設けられた開口窓の結像位置に合致すると、制御手段は、レーザ光源5に対して照射を開始させる制御信号等を送信することにより、レーザ光源5からパルス発光されたレーザ光が射出される。図3では、第1の端部が上記の結像位置に合致した状態を示している。
レーザ光は、カップリング光学系6によりビーム径が拡大され、強度分布が均一化される。その後、レーザ光は、平行光とされて遮光マスク7に照射する。
遮光マスク7に照射したレーザ光は、遮光マスク7の開口窓によりビームの断面形状が搬送方向と垂直に交差する方向に長軸を有する線状に整形される。そして、遮光マスク7を射出したレーザ光は、対物レンズ8により剥離層11の予め定められた照射領域に集光されるように透明な基板10を裏面側から透過する。これにより、レーザ光が照射された剥離層11内では、アブレーションにより、水素ガスが放出され、剥離作用を発現する。以下、搬送手段3が積層体2を移動させるに伴って、レーザ光が剥離層11に順次照射される。そして、積層体2の第2の端部へのレーザ光の照射が終了すると、制御手段は、レーザ光の照射を停止させる。以上説明したレーザリフトオフ方法によって、積層体2から剥離基板1が取り除かれることになる。以下、剥離作用のメカニズムについて詳述する。
図4は、剥離層内の厚さ方向の特性を説明するグラフである。横軸は、厚さ方向の距離(nm)を表している。剥離層11の膜厚は、一例として100nmとしている。また、縦軸は、吸収レーザの強度、温度勾配、水素の含有量、発生する水素ガス量等の複数のパラメータを1つの図に表している。そのため、縦軸は、任意単位(arbitrary unit)としている。また、水素の含有量と、発生する水素ガス量との対応関係は、略同じ傾向を示しているが、分かりやすくするため、少しずらして描いている。
図4では、図中、左側から基板10、剥離層11、樹脂フィルム12の順番に描いており、基板10と剥離層11との境界面付近で照射されたレーザ光が主に吸収され、これにより、剥離層11内でアブレーションの現象が発生する。この場合、レーザ加熱による熱の拡散によって、剥離層11内全体が加熱される。剥離層11内の温度勾配は、厚さ方向に対してやや下がる程度で、水素ガスが発生可能に加熱される。但し、水素ガスの発生量は、剥離層11内の水素の含有量及び温度に比例して多くなる。つまり、剥離層11側であって、剥離層11と樹脂フィルム12との境界面付近に水素の含有量が多いため、その境界面付近に水素ガスの発生量が多くなる。これらの水素ガスが樹脂フィルム12へ透過しようとする際、圧力として作用することで樹脂フィルム12を押し上げることで、剥離層11と樹脂フィルム12との境界面で容易に剥離されやすくなる。
より、詳細に説明すると、仮に剥離層11全体にわたって、水素の含有量を多くすると、レーザ照射の際、剥離層11の下層でも、その含有量に応じた水素ガスの発生が起き、その発生位置から水素ガスが樹脂フィルム12側に透過しようとするので、発生した水素ガスの圧力が剥離層11の膜強度よりも高いと、剥離層11内部で破壊が起きてしまう。或いは、剥離層11の下層で発生した水素ガス圧力が、基板10と剥離層11との界面密着力よりも高いと、基板10と剥離層11との境界面で剥離が起きてしまう。つまり、剥離層11内部を全体にわたって、水素の含有量(at%)を高めた場合、水素の含有量を高めるほど、樹脂フィルム12側(図2に示す被剥離層14)を汚染するおそれが高まることを意味する。
これに対し、水素ガスの発生位置が剥離層11と基板10との境界面付近に多くなるようにすると、剥離層11内部で破壊が起きてしまうという問題や、基板10と剥離層11との境界面で剥離が起きてしまう問題を抑制できることが実験的に判明した。
図5は、剥離層内での水素ガスの主な発生位置を説明する模式図である。図6は、剥離層と被剥離層との境界面で剥離することを示す模式図である。
図5では、水素ガスの主な発生位置の一部を楕円で囲むようにして表している。楕円内における上向きの矢印は、水素ガスの移動方向を示す。剥離層11内で発生した水素ガスが、樹脂フィルム12へ移動する距離の大小を示す透過率は、剥離層11の上層では移動距離が短くて済むため、その分、小さい。これは、透過率を向上させることで、図6に示す通り、剥離層11と樹脂フィルム12との境界面で剥離を生じやすくなることを意味している。さらに、剥離層内11において、例えば、下層付近における水素ガスの圧力の上昇を抑制でき、剥離層11内部での剥離や樹脂フィルム12への汚染を抑制することができる。
図7は、剥離層内の厚さ方向の他の特性を説明するグラフである。図7は、図4と同様、図中、左側から基板10、剥離層11、樹脂フィルム12の順番に描いている。但し、図4と比較して、剥離層11は、基板10側に位置する下層よりも、樹脂フィルム12側に位置する上層の領域で水素の含有量が段差を有して急激に多くなっていることを特徴としている。上記段差は、一例として、水素の含有量の比を、段差の低い領域と段差の高い領域とを比較して、1:8にすることができる。このようにすることで、剥離層11と樹脂フィルム12との境界面で剥離しやすくなる。
以上より、本発明の剥離基板1によれば、上述した従来技術と異なり、剥離層11が基板との境界面となる下層よりも上層の領域で水素の含有量が多くなっているので、上層で水素ガスの圧力が下層よりも高くなり、その領域で剥離作用を発現する。また、本発明のレーザリフトオフ方法によれば、上述した剥離基板1を使用しているので、剥離層11と樹脂フィルム12との境界面で剥離しやすくなる。したがって、被剥離層14を汚染するのを抑制することができる。
1…剥離基板
2…積層体
3…搬送手段
4…レーザ照射光学系
5…レーザ光源
6…カップリング光学系
7…遮光マスク
8…対物レンズ
10…基板
11…剥離層
12…樹脂フィルム
13…デバイス
14…被剥離層
100…レーザリフトオフ装置

Claims (5)

  1. レーザ光の照射により予め定められた境界面で多層膜を剥離するレーザリフトオフ用の剥離基板であって、
    透光性を有する面状の基板と、
    前記基板の一方の面上に積層され、水素を含有した非晶質シリコンからなり、前記基板の他方の面から前記レーザ光が照射されることにより水素ガスを発生し、該水素ガスの圧力で剥離作用を発現する剥離層と、を備え、
    前記剥離層は、前記基板側に位置する下層よりも上層の領域で前記水素の含有量が多くなっていることを特徴とする剥離基板。
  2. 前記剥離層は、前記水素の含有量が予め定めた勾配に従って変化していることを特徴とする請求項1記載の剥離基板。
  3. 前記剥離層は、前記基板側に位置する下層よりも前記上層の領域で前記水素の含有量が段差を有して急激に多くなっていることを特徴とする請求項1記載の剥離基板。
  4. レーザ光の照射により予め定められた境界面で多層膜を剥離するレーザリフトオフ方法であって、
    透光性を有する面状の基板、及び、前記基板の一方の面上に積層され、水素を含有した非晶質シリコンからなり、前記基板側に位置する下層よりも上層の領域で水素の含有量が多くなっている剥離層を含む剥離基板と、前記剥離層上に積層された樹脂フィルムを含む被剥離層と、を有する積層体に対して、前記基板の他方の面から前記レーザ光を照射する処理と、
    前記レーザ光の照射に起因して、前記剥離層内の前記下層よりも前記上層の領域で水素ガスを多く発生させる処理と、
    前記水素ガスの圧力を利用して、前記レーザ光が照射された剥離層と前記樹脂フィルムとの境界面で剥離を生じさせる処理と、
    を実行することを特徴とするレーザリフトオフ方法。
  5. 前記基板の他方の面から前記レーザ光を照射する処理は、前記積層体と、前記レーザ光を照射するレーザ照射光学系とを相対的に移動させながら、線状のレーザビームを前記他方の面に順次照射することを特徴とする請求項4記載のレーザリフトオフ方法。
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