JP2018115327A - 改善されたにおいを帯びたフェノール系ポリスルフィド - Google Patents

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Abstract

【課題】においの不快さが大幅に改善された、アルキルフェノールポリスルフィドの提供。
【解決手段】アルコール、エステル、アルデヒドおよびケトンから選択される少なくとも1つの化合物をポリスルフィド組成物の合計重量に対して0.001wt%以上で1wt%以下の量をマスキング剤として添加。
【選択図】なし

Description

本発明は、フェノールスルフィドのオリゴマーおよびポリマーの分野に関し、より詳細には、フェノール系ポリスルフィドまたはポリ(フェノールスルフィド)の一般名で一まとめにして分類されており、特徴的なにおいがマスキングされた、アルキルフェノールポリスルフィドのオリゴマーおよびポリマーの分野に関する。
ポリ(フェノールスルフィド)は、数多くの産業分野で幅広く使用されており、特に、様々な種類の樹脂および他のポリマー材料のための添加剤として使用されており、例えば、主な使用を挙げるだけでもカップリング剤、ゴム加硫促進剤、耐火剤、保存料として使用されている、周知の化合物である。
上記ポリ(フェノールスルフィド)に関する幾つかの参考資料および使用を少しばかり挙げると、例えば、ポリ(フェノールスルフィド)は、例えば特許EP1675989または特許出願WO2008074962で記述されたようにポリ(フェノールスルフィド)がマスターバッチ中に取り込まれたEPDM型ゴム用の加硫剤としても使用されるし、例えば特許EP1633813で記述されたように強化用充填剤を含むエラストマー組成物用のカップリング剤としても使用されるし、例えば特許出願US2008/0287623で記述されたようにブチルゴム加硫促進剤としても使用されるし、または例えば特許EP0944460で記述されたように特に木材用の保護剤としても使用される。
上記ポリ(フェノールスルフィド)は大抵の場合、粘性の液体、粉末、顆粒の形態であり、またはポリマーマトリックス中、例えば熱可塑性樹脂のマスターバッチ中に配合されており(上記WO2008074962を参照されたい。)、こうしたポリ(フェノールスルフィド)の代表例の一部は、例えば、Arkema社から販売されているVultac(R)の一般名で公知のものである。
対費用効果がより良いものだと実証されており、工業的に最も使用されているポリ(フェノールスルフィド)の合成方法の中でもとりわけ、フェノールまたはアルキルフェノールを、
・例えば特許US5827806および特許US6303746で記述されたように、溶媒の存在下または不在下で一塩化硫黄(SCl)または二塩化硫黄(SCl)と反応させること、
・例えば特許EP1123930で記述されたように、溶媒および場合によりベースミネラルの存在下または不在下で硫黄と反応させること
からなる、方法を挙げることができる。
使用される方法によっては、採用された反応のせいで、望ましくない副生成物が生成することもあり、こうした副生成物の中でもとりわけ、塩素化されたフェノール系化合物、例えばクロロフェノールおよびクロロ(アルキル)フェノールを挙げることができるが、硫黄および硫黄化合物、例としてチオフェン誘導体、例えば3−メチルチオフェン、または例としてメルカプタン、例えばメルカプトアルキルフェノールも同様に挙げることができる。さらに、フェノールおよび/または残留したアルキルフェノール、塩酸ならびに他の不純物が、最終生成物中に依然として存在し得る。
上述の副生成物の形成が最小化される条件を用いて、非常に選択的な方法により作業する場合であっても、蒸留および再結晶等の当業者に知られた1種以上の精製技法を用いて最終生成物を精製した後には、非常に少量ながら上記不純物および望ましくない上記生成物が、最終生成物中に依然として存在し得る。
現時点においては、上記不純物および望ましくない上記副生成物が特に原因となって、現在使用されている特定のポリ(フェノールスルフィド)、特に、前記ポリ(フェノールスルフィド)から調製された、または前記ポリ(フェノールスルフィド)によって処理された、または前記ポリ(フェノールスルフィド)を含む、様々な製品中の特定のポリ(フェノールスルフィド)から不快なにおい、悪臭のするにおい、強いにおいまたは刺激性でさえあるにおいも放出されている。ポリ(フェノールスルフィド)の卓越した有効性および非常に良好な特性にもかかわらず、完成製品の使用者が前記完成製品に残留した前記ポリ(フェノールスルフィド)のにおいで嫌な思いをすることもあるため、産業界では時に、ポリ(フェノールスルフィド)の使用が不本意な事柄とされる。
上記の不快なにおいまたは悪臭さえするにおいの帰結として、産業界においては、悪臭のするにおいの発生がより少なくなる他の添加剤が好まれることもあり得るが、こうした添加剤は、ポリ(フェノールスルフィド)に比べて効果が小さい恐れがある。
従って、より快適に使用されるポリ(フェノールスルフィド)と、においが存在しないまたはポリ(フェノールスルフィド)に由来して備わったにおいがマスキングされた完成製品とを思い通りにもたらすように、においの強さが低減されたポリ(フェノールスルフィド)型化合物、または少なくとも、放出するにおいの刺激性が低減された、もしくは放出するにおいがより快適にさえなった、もしくは放出するにおいがほとんど存在しなくさえなった、もしくは放出するにおいがマスキングされた、ポリ(フェノールスルフィド)型化合物が、依然として必要とされている。
本出願人は、ポリ(フェノールスルフィド)の使用および前記ポリ(フェノールスルフィド)から製造された製品の使用を、このポリ(フェノールスルフィド)に固有のにおいによって不都合を感じることなく、さらには、このポリ(フェノールスルフィド)の特性に悪影響することもなく、即ち、ポリ(フェノールスルフィド)の特性を保存しながらも可能にするという目的で、ポリ(フェノールスルフィド)のにおいをマスキングでき、またはポリ(フェノールスルフィド)ににおい付けできることを発見した。
有機物、人工物または合成製品のにおいの除去またはマスキングは、先行技術で幅広く記述されている周知の分野である。こうしたにおいの除去またはマスキングに関しては、ジアルキルスルフィド、ジスルフィドおよびポリスルフィドまたは酸化されたこれらの相当物等の有機硫黄化合物のにおいをマスキングすることについて記述した特許出願US2011/0024678、ならびに、一般式R−S−R(式中、Rは、脂肪族基である。)の有機ポリスルフィドのにおいをより精密にマスキングすることについて記述した特許US5559271を特に挙げることができる。
ポリ(フェノールスルフィド)とは著しく異なり、上記の先行技術の化合物は、アルキル基に結合した硫黄原子を有しており、化学的構造と調製方法の両方が、前記ポリ(フェノールスルフィド)のにおいと全く異なる性状のにおいを当該化合物が放出するようになるほど大きく異なっている。
欧州特許第1675989号明細書 国際公開第2008/074962号 欧州特許第1633813号明細書 米国特許出願公開第2008/0287623号明細書 欧州特許第0944460号明細書 米国特許第5827806号明細書 米国特許第6303746号明細書 欧州特許出願公開第1123930号明細書 米国特許出願公開第2011/0024678号明細書 米国特許第5559271号明細書
従って、現時点において先行技術は、ポリ(フェノールスルフィド)およびポリ(フェノールスルフィド)を含有したまたはポリ(フェノールスルフィド)から製造された誘導体生成物の1種以上のにおいを除去し、または少なくともマスキングするための満足な解決法を提供していない。
驚くべきことに、本出願人は、非常に少量の少なくとも1つのにおいマスキング剤をポリ(フェノールスルフィド)に添加することにより、ポリ(フェノールスルフィド)のにおいを完全にまたは少なくとも部分的にマスキングできることを発見した。少なくとも1つのポリ(フェノールスルフィド)に少なくとも1つのにおいマスキング剤を添加すると、においが消失した、においがマスキングされた、または少なくとも、においの不快さが大幅に低減された、前記少なくとも1つのポリ(フェノールスルフィド)を含む組成物、またはこのような前記少なくとも1つのポリ(フェノールスルフィド)から調製された製品を得ることが可能になる。従って、上記のようにしてにおいをマスキングすることにより、使用者にとってより容易で制約も少なくなった取り扱いが可能になり、さらには、においの不快さが低減されて最終使用者にとっての疎ましさも減じた完成製品を調製することも可能になる。
従って、第1の態様によれば、本発明は、
a)少なくとも50wt%、好ましくは少なくとも70wt%、より好ましくは少なくとも80wt%、特に好ましくは少なくとも90wt%の少なくとも1つのポリ(フェノールスルフィド)、ならびに
b)b1)アルコール、b2)エステル、b3)アルデヒド、b4)ケトンおよびb5)エーテルから選択される少なくとも1つの化合物を含み、組成物の合計重量に対して2wt%のときに数ppm、有利には10ppmになった、好ましくは、1wt%のときに10ppmになった、少なくとも1つのにおいマスキング剤
を含む、組成物に関する。
本発明において、ポリ(フェノールスルフィド)は、下記式(1)
Figure 2018115327
(式中、
・Rは、水素原子を表し、または、1個から20個までの炭素原子を含む完全飽和もしくは部分飽和もしくは不飽和で線形、分岐状および/もしくは環状の炭化水素含有基を表し、
・同一であってもまたは異なっていてもよいnおよびn’は互いに対して独立に、1以上の整数、好ましくは1以上で8以下の整数、より好ましくは1以上で6以下の整数、より好ましくは1以上で4以下の整数を表し、
・pは、0以上で100以下の整数、好ましくは0以上で50以下の整数、より好ましくは0以上で40以下の整数を表し、
・Aは、水素原子を表し、Tは、式(2)
Figure 2018115327
の基を表し、または、pが0より厳密に大きい場合のみ、AとTとが一緒になって、環状ポリ(フェノールスルフィド)を形成するように単結合を形成していてもよく、
・mは、0、1または2を表す。)
に相当するオリゴマーまたはポリマーを意味する。
Rが、1個から20個までの炭素原子、好ましくは1個から12個までの炭素原子を含む線形または分岐状アルキル基を表す、式(1)の化合物が好ましい。好ましい一実施形態によれば、基Rは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、アミル基、イソアミル基、tert−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基およびノニル基から選択される。基Rは、1個以上の環状基、例えば芳香族基によって置換されていてもよく、典型的にはRは、特許出願US2007/0093613で記述されたように、フェニルプロパ−2−イル基を表し得る。
さらに、同一であってもまたは異なっていてもよいnおよびn’が互いに対して独立に、1、2、3および4から選択され、好ましくはnおよびn’が互いに対して独立に、2、3および4から選択され、特に好ましくはnおよびn’のそれぞれが整数2を表す、式(1)の化合物が好ましい。
さらに、mが1または2を表す場合にnおよびn’のそれぞれが数値1を表す、式(1)の化合物が好ましい。好ましい本発明の一実施形態において、式(1)の化合物は、mが0を表す式(1)の化合物である。
別の実施形態によれば、pが1以上で40以下の整数、好ましくは2以上で30以下の整数、より好ましくは3以上で25以下の整数を表す、式(1)の化合物が好ましい。
本発明による組成物が、1つより多い式(1)のポリ(フェノールスルフィド)を含んでいてもよい点、特には、同一であってもまたは異なっていてもよいnおよびn’が互いに対して独立に、2、3および4から選択される、幾つかのポリ(フェノールスルフィド)を含んでいてもよい点については、理解しておかなければならない。こうしたポリ(フェノールスルフィド)の混合物において、nの平均値およびn’の平均値は、それぞれ2に近いのが好ましい。
さらに、幾つかのポリ(フェノールスルフィド)が本発明による組成物中に含まれている場合、各ポリ(フェノールスルフィド)の値pは、互いに同一であってもまたは異なっていてもよく、こうしたポリ(フェノールスルフィド)の混合物においてpの平均値は、典型的には、上限と下限も含めて約5から約10までであり得る。
さらに別の実施形態によれば、本発明による組成物は、1つ以上の添加剤または充填剤と一緒に配合してもよく、こうした添加剤または充填剤の中でもとりわけ、脂肪酸、例えばステアリン酸、シリカ、例えばシリカゲル、尿素および尿素誘導体を挙げることができる。
本発明による組成物中に使用されるポリ(フェノールスルフィド)は、当業者によく知られており、非常に特段には、Arkema社からVultac(R)の一般名で販売されているポリ(フェノールスルフィド)であってもよく、Vultac(R)の中でもとりわけ、Vultac(R)2、Vultac(R)3、Vultac(R)5、Vultac(R)TB7、Vultac(R)700、Vultac(R)710、Vultac(R)TB710および他のVultac(R)製品を挙げることができる。
M&B GreenUS Co.Ltd.から販売されているGUS−34およびGUS−37、Jinan Evergrowing Rubber Additive Co.Ltd.から販売されているRPS2、RPS5A、RPS5B、RPS700、RPS710、TAOKA Chemical Co.社から販売されているTackirol APおよびTackirol V200、Albemarle社のEthanox(R)製品、特にEthanox(R)323およびEthanox(R)323A、ならびにFlying Dragon社のDragonox323およびGuangzhou Research InstituteのGY323等、他の類似ポリ(フェノールスルフィド)を挙げることもできる。
従って、本発明による組成物の成分a)、特にVultac(R)製品は、市販品として容易に購入することもできるし、または、科学技術文献および特許文献で記述された当業者に公知な任意の方法によって調製することもできる。
本発明が、上記式(1)のポリ(フェノールスルフィド)の誘導体を含む組成物にも関する点、特には、フェノールのヒドロキシル官能基が修飾されており(例えば、アルコキシ化されており)および/またはフェノール基の基Rが修飾されている(例えば、置換されている、官能化されている等)式(1)の化合物を含む、組成物にも本発明が関する点については、理解しておかなければならない。
このたび、本発明の組成物のポリ(フェノールスルフィド)(成分a))のにおいは、本発明の組成物の少なくとも1つのにおいマスキング剤(成分b))を添加することによって、効果的にマスキングできることが発見された。
マスキング剤(成分b))の量は、望ましい効果、マスキングしようとするにおいの強烈さおよび上記で規定した(1つ以上の)成分a)中に存在し得る様々な不純物の各残存含量等に応じて、上記の範囲内にあるにせよ大きく変動し得る。
数ppm未満のマスキング剤の量は、望ましい効果を得るためには少なすぎる可能性がある。2%を超えるマスキング剤の量は、経済的な観点から法外なほど高額になる恐れがあり、またはポリ(フェノールスルフィド)の意図した用途によっては有害な効果を及ぼす恐れがあり、こうした有害な効果については本明細書で後述する。
網羅するわけではないが好ましくは、(1つ以上の)においマスキング剤b)の含量は、本組成物の合計重量に対して0.001wt%以上で1wt%以下であり、好ましくは0.001wt%以上で0.5wt%以下であり、例えば約0.1wt%である。
本発明は、少なくとも1つのポリ(フェノールスルフィド)の不快なにおいを、このポリ(フェノールスルフィド)の性状を化学的に改変することなくマスキングするという利点を提供する。従って、本発明は、a)主要部分となる量の少なくとも1つの式(1)のポリ(フェノールスルフィド)、または少なくとも1つの式(1)のポリ(フェノールスルフィド)誘導体を含み、これらのポリ(フェノールスルフィド)またはポリ(フェノールスルフィド)誘導体に、1つ以上の成分a)の不快なにおいをマスキングする微量の組成物b)が添加された、組成物を提案する。
においをマスキングされた本発明による組成物は、少なくとも1つの成分a)を少なくとも1つのにおいマスキング用組成物b)と簡単に組み合わせることにより、当該方法自体は公知な任意の方法によって調製してもよい。例えば、少なくとも1つの組成物b)は、撹拌してもよい、加熱してもよい、またはこれらの両方を実施してもよい、少なくとも1つの成分a)に添加してもよいし、または逆にして、少なくとも1つの成分a)を少なくとも1つの組成物b)に添加してもよい。
より一般には、公知になっている任意の混合方法および/または加熱方法が使用されてもよい。成分a)が固体形態である場合、本発明による組成物は例えば、大気圧において、0℃から250℃以上300℃以下までの温度、好ましくは室温から250℃以上300℃以下までの温度で成分a)から調製してもよい。成分a)の融点を超える温度で混合を実施することは、非常に特段好ましい。さらに、調製は、上記の範囲内の温度において、加圧下で実施してもよいし、または負圧下で実施してもよい。
変更形態としての好ましい一実施形態によれば、成分b)は、成分b)が依然として溶融状態である場合、成分a)の合成中、非常に特段には成分a)の合成終了時に添加してもよいし、または成分a)が周囲温度および周囲圧力において固体形態である場合、固体形態の成分a)の回収前に反応溶媒に添加してもよい。
においをマスキングされた本発明による組成物を調製するために必要となる時間の長さは、1つ以上の成分a)および1つ以上の組成物b)の性状および量に応じて変動するが、選択された温度および圧力の関数としても変動する。概して、上記の時間の長さは、1つ以上の成分a)のにおいをマスキングするのに必要な効果を生み出すという目的で、均一な混合物を得るために必要となる時間に相当しており、一般には、数秒から数分までの間になり、または1時間以上にさえなる。上記の調製方法は、バッチ方式で実施してもよいし(「バッチ」処理)、または連続的に実施してもよい。
上記のように、においマスキング剤b)は、
b1)アルコール、
b2)エステル、
b3)アルデヒド、
b4)ケトンおよび
b5)エーテル
から選択される化合物のうちの1つ以上を含む。
従って、においマスキング剤は、1個から40個までの炭素原子、好ましくは6個から35個までの炭素原子、より好ましくは8個から30個までの炭素原子を含む一価アルコールから選択されるのが有利であり、任意の種類のアルコールであってよい、少なくとも1つのアルコールb1)を含み、前記炭素原子は、二重結合の形態になった1個以上の不飽和を含んでもよい、5個の環員または6個の環員を有する飽和または完全不飽和または部分不飽和の環状構造も含んでもよい、線形鎖または分岐鎖を形成する。
アルコールb1)の説明用、ただし非限定的な例として好ましくは、ヒドロキシル官能基がsp炭素原子に付いているのが好ましい一価アルコールを挙げることができ、こうした一価アルコールの中でもとりわけ、少なくとも1個のアリール基をさらに含んでもよい一価アルコールを挙げることができる。「アリール基」とは、アルキル、アルケニル、アルコキシ、カルボニルおよびアルコキシカルボニルから選択されるのが好ましい1個以上の基によって置換されてもよいフェニルおよびナフチルから選択されるのが好ましい、芳香族炭化水素含有基を意味する。好ましくは、アリール基は、フェニル基である。
従って、成分b1)は、好ましくは、アリール基を含むアルコールであり、より好ましくは、アリール基を含む第一級アルコールであり、非常に特段好ましくは、限定されるわけではないが例えばベンジルアルコール、フェニルエタノール、プロピルエタノールおよびブチルエタノール等、ならびにあらゆる比率におけるこれらのうち2つ以上の混合物から選択される、ヒドロキシアルキルベンゼンである。
上記式(1)のポリ(フェノールスルフィド)の合成に出発物質として使用されるフェノールが、においマスキング剤b)のアルコールb1)の一部を形成しない点については、理解しておかなければならない。
しかしながら、1個以上のアルコキシ基によって置換されたフェノールが、アルコールb1)として使用されてもよい。こうしたアルコキシフェノールの中でもとりわけ、網羅するわけではないが例えば、2−メトキシフェノールを挙げることができ、特には、アルキル基またはアルケニル基によって4位を置換された2−メトキシフェノールを挙げることができ、アルキルおよびアルケニルには、複数のメチル基、複数のエチル基、複数のプロピル基、複数のブチル基、複数のペンチル基、複数のヘキシル基、複数のプロペニル基、複数のブテニル基、複数のペンテニル基および複数のヘキセニル基を含めており、これらの基の複数形は、非網羅的な上記の列記にこれらの基の異性体も包含されることを指し示している。
本発明の組成物中に存在するにおいマスキング剤b)のエステルb2)は一般に、当業者に知られたすべての種類のエステルであってよいが、上記で列記されたアルコールb1)のエステルが非常に特段好ましく、即ち、芳香環を含むのが好ましい一価の第一級アルコールのエステル、より好ましくはヒドロキシアルキルフェノールから形成されたエステルが非常に特段好ましい。
b2)に関して言及したエステルの説明用、ただし非限定的な例として、C−C20酸の飽和エステルまたは不飽和エステル、例として、アルキル(線形または分岐状アルキル、例えばエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、2−メチルブチル、イソアミル、ヘキシル)、アルケニル(3個から12個までの炭素原子を含む線形または分岐状アルケニル)、アリール(例えば、ベンジル、フェニルエチル)、テルペン誘導体(例えば、メンチル、カルビル)のアセテート、プロピオネート、ブチレート、メチルブチレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、ヘプタノエート、ベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、シクロプロピルカルボキシレート、シクロブチルカルボキシレート、シクロペンチルカルボキシレート、シクロヘキシルカルボキシレート、シトレート、カプロエート、オレエート、リノレエートおよびリノレネート等、ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
エステルb2)の中でもとりわけ、アルカノリドとも呼ばれる環状エステルまたはラクトンをさらに挙げることができる。二重結合を含まないアルカノリドおよび環内に単一の二重結合を含むアルカノリドが好ましい。
エステルb2)の中でもとりわけ、非限定的な例として次のものがさらに特段好ましく、即ち、酢酸ベンジル、フェニルエチルアセテート、メチル2−ヒドロキシベンゾエート、ベンジル2−ヒドロキシベンゾエート、ブチロラクトンおよび6個から12個までの炭素原子を含むアルカノリド、例えばデカノリド、ウンデカノリド、ドデカノリド、シクロペンタデカノリド、オキサシクロヘキサデセノン、ならびにピラノンおよびベンゾピラノン、ならびにこれらの化合物のうちの2つ以上の混合物がさらに特段好ましい。
においマスキング剤b)は、少なくとも1つのアルデヒドb3)および/または少なくとも1つのケトンb4)をさらに含んでいてもよく、好ましくは、式R−CO−R(式中、Rは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールから選択される1個以上の基によって置換されてもよい、1個から20個までの炭素原子を含む線形、分岐状または環状で飽和または部分不飽和または完全不飽和の炭化水素鎖を表し、Rは、(アルデヒドの場合には)水素原子を表し、または(ケトンの場合には)、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアリールから選択される1個以上の基によって置換されてもよい、6個から12個までの炭素原子の線形、分岐状もしくは環状で飽和もしくは部分不飽和もしくは完全不飽和の炭化水素鎖を表し、アリールは、上記で規定されたアリールである。)に相当する少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンをさらに含んでいてもよい。
アルデヒドb3)の説明用、ただし非限定的な例として好ましくは、プロパナール、ブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、ベンズアルデヒド、ゲラニアール、ネラール、シトロネラール、ならびに置換されたこれらの同族体、例えばヒドロキシデカナール、フェニルプロパナール、フェニルブタナール、フェニルペンタナール、フェニルヘキサナール、ヒドロキシベンズアルデヒドおよびアルコキシベンズアルデヒド等、ならびに置換されたこれらの同族体、ならびにあらゆる比率におけるこれらのアルデヒドのうちの2つ以上の混合物を挙げることができる。
ケトンb4)の説明用、ただし非限定的な例として好ましくは、プロパノン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、ヘプタノン、オクタノン、ノナノン、デカノン、ウンデカノン、ドデカノンおよび好ましくは置換されたこれらの同族体、ならびに環状ケトン、とりわけ、メントン、イソメントン、イオノン、メチルイオノン、フェニルエタノン、ベンゾピラノン、1,8−シネオール、アスカリドール、フラボノン、カロンおよびガルバスコン(galbascone)等、ならびに置換されたこれらの同族体、ならびにあらゆる比率におけるこれらのケトンのうちの2つ以上の混合物を挙げることができる。
「置換同族体」とは、網羅するわけではないが例えばアルキル、ヒドロキシ、アリール、アラルキル基から選択され得る1個以上の基によって置換された、上記アルデヒドおよび上記ケトンを意味する。網羅するわけではないが、この置換同族体の例には、3−(4−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール、3−(2−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール、7−ヒドロキシデカナール、7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタナール、2−メトキシベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒドおよび4−(4−ヒドロキシフェニル)ブタン−2−オン等、ならびにこれらの混合物を含める。
においマスキング剤b)は、少なくとも1つのエーテルb5)をさらに含んでいてもよく、好ましくは、式R’−O−R’(式中、同一であってもまたは異なっていてもよいR’およびR’は互いに対して独立に、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアリールから選択される1個以上の基によって置換されてもよい、1個から20個までの炭素原子を含む線形、分岐状または環状で飽和または部分不飽和または完全不飽和の炭化水素鎖を表し、アリールは、上記で規定されたアリールである。)に相当する少なくとも1つのエーテルをさらに含んでいてもよい。
対称型であってもまたは非対称型であってもよく、環状であってもまたは非環状であってもよいエーテルb5)の説明用、ただし非限定的な例として好ましくは、置換されてもよいジアルキルエーテル(例えば、ビス−ヒドロキシプロピルエーテル)、ピラン、フラン、ベンゾピラン、ベンゾフラン、ナフトピランおよびナフトフラン等、ならびに置換されたこれらの同族体、ならびにあらゆる比率におけるこれらのエーテルのうちの2つ以上の混合物を挙げることができる。
さらに、本発明において使用可能なにおいマスキング剤b)は、脂肪酸、グリコールおよびテルペン化合物等、香料に関する分野で通例用いられる当業者によく知られた微量の他の作用物質(フレグランス)を含んでいてもよい。
ポリ(フェノールスルフィド)のにおいのマスキング用に意図された上記組成物b)は適宜または必要に応じて、上記の香料に関する分野で一般的に使用される1つ以上の添加剤をさらに含んでいてもよい。こうした添加剤は例えば、限定されるわけではないが溶媒、顔料、染料、保存料および殺生物剤等から選択してもよい。
溶媒の中でもとりわけ、非常に特段好ましい例が、アルコール、エーテル、エステルおよびグリコールである。特に有利には、溶媒は、ジエチルフタレート、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびこれらの混合物から選択され、さらにより有利には、ジエチルフタレート、ジプロピレングリコールおよびこれらの混合物から選択される。
好ましい一態様によれば、本発明の組成物中に使用されるにおいマスキング剤は、
−少なくとも1つの成分b1)、
−少なくとも1つの成分b1)および少なくとも1つの成分b2)、
−少なくとも1つの成分b1)および少なくとも1つの成分b3)、
−少なくとも1つの成分b1)および少なくとも1つの成分b4)、
−少なくとも1つの成分b1)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b2)および少なくとも1つの成分b3)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b2)および少なくとも1つの成分b4)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b2)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b3)および少なくとも1つの成分b4)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b3)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b4)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b3)および少なくとも1つの成分b4)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b3)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b3)、少なくとも1つの成分b4)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b2)、
−少なくとも1つの成分b2)および少なくとも1つの成分b3)、
−少なくとも1つの成分b2)および少なくとも1つの成分b4)、
−少なくとも1つの成分b2)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b3)および少なくとも1つの成分b4)、
−少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b3)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b4)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b3)、少なくとも1つの成分b4)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b3)、
−少なくとも1つの成分b3)および少なくとも1つの成分b4)、
−少なくとも1つの成分b3)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b3)、少なくとも1つの成分b4)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b4)、
−少なくとも1つの成分b4)および少なくとも1つの成分b5)、ならびに
−少なくとも1つの成分b5)
を含むにおいマスキング剤から選択される。
さらにより好ましい一態様によれば、本発明の組成物中に使用されるにおいマスキング剤は、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b2)および少なくとも1つの成分b3)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b2)および少なくとも1つの成分b4)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b2)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b3)および少なくとも1つの成分b4)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b3)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b1)、少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b3)、少なくとも1つの成分b4)および少なくとも1つの成分b5)、
−少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b3)および少なくとも1つの成分b4)、
−少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b3)、少なくとも1つの成分b4)および少なくとも1つの成分b5)、ならびに
−少なくとも1つの成分b2)、少なくとも1つの成分b4)および少なくとも1つの成分b5)
を含むにおいマスキング剤から選択される。
上記のように、本発明による組成物は、においマスキング剤b)の少なくとも1つの組成物を含む。一実施形態によれば、前記においマスキング剤は、少なくとも1つの成分b1)および/または少なくとも1つの成分b2)および/または少なくとも1つの成分b3)を含み、成分b1)、成分b2)および成分b3)が存在する場合、これらの成分はそれぞれ、においマスキング剤b)の合計重量に対して1wt%以上の量、好ましくは10wt%以上の量で存在する。
好ましい別の実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも1つの成分b2)および/または少なくとも1つの成分b4)および/または少なくとも1つの成分b5)を含む、においマスキング剤b)の少なくとも1つの組成物を含み、成分b2)、成分b4)および成分b5)が存在する場合、これらの成分はそれぞれ、においマスキング剤b)の合計重量に対して1wt%以上の量、好ましくは10wt%以上の量で存在する。
においマスキング剤b)が少なくとも1つのケトンb4)を含む場合、においマスキング剤の合計重量に対して0.1wt%以上で40wt%以下の量、好ましくは0.1wt%以上で10wt%以下の量の(1つ以上の)ケトンb4)を含む、においマスキング剤b)も同様に好ましい。
においマスキング剤b)は、においマスキング剤の合計重量に対して最大20wt%の、好ましくは0.1wt%から10wt%までの、より好ましくは0.1wt%から1wt%までの、香料の分野で通例採用される少なくとも1つのフレグランスをさらに含んでもよい。
好ましい一実施形態によれば、においマスキング剤b)は、
・少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのアルコールb1)、
・少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのエステルb2)、
・少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのアルデヒドb3)、ならびに
・少なくとも1つのケトンb4)および/または少なくとも1つのエーテルb5)および/または1つ以上の他のフレグランスおよび/または上記した添加剤を含む、100%に至るまでの残り部分
を含む。
本発明によるポリ(フェノールスルフィド)用として一般的に好適である、においマスキング剤b)は、重量を基準にして、
・ベンジルアルコール、フェニルエタノール、プロピルエタノールおよびブチルエタノール、ならびにあらゆる比率におけるこれらの混合物から選択される、少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのアルコールb1)、
・酢酸ベンジル、フェニルエチルアセテート、メチル2−ヒドロキシベンゾエート、ベンジル2−ヒドロキシベンゾエート、ブチロラクトンおよび6個から12個までの炭素原子を含むヘキサノリド、ならびにあらゆる比率におけるこれらの混合物から選択される、少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのエステルb2)、
・3−(4−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール、3−(2−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール、7−ヒドロキシデカナール、7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタナール、2−メトキシベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒドおよびあらゆる比率におけるこれらの混合物から選択される、少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのアルデヒドb3)、ならびに
・少なくとも1つのケトンb4)および/または少なくとも1つのエーテルb5)および/または1つ以上の他のフレグランスおよび/または上記した添加剤を含む、100%に至るまでの残り部分
を含む。
以下C1と呼ぶことにする上記組成物は、上記式(1)のポリ(フェノールスルフィド)(成分a)、特にArkema社からVultac(R)の一般名で販売されているポリ(フェノールスルフィド)のにおいのマスキング用にも、においの改善用にも非常に特段適している。
好ましいさらに別の実施形態によれば、においマスキング剤b)は、
・少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのエステルb2)、
・少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのケトンb4)、
・少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのエーテルb5)、ならびに
・少なくとも1つのアルコールb1)および/または少なくとも1つのアルデヒドb3)および/または1つ以上の他のフレグランスおよび/または上記した添加剤を含む、100%に至るまでの残り部分
を含む。
上記した好ましいさらに別の実施形態に対応しており、本発明によるポリ(フェノールスルフィド)用として一般的に好適でもある、においマスキング剤b)は、重量を基準にして、
・上記で規定されたアルカノリド型の環状エステルから選択される、少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのエステルb2)、
・メントン、イソメントン、イオノン、メチルイオノン、フェニルエタノン、ベンゾピラノン、1,8−シネオール、アスカリドール、フラボノン、カロンおよびガルバスコン等、ならびに置換されたこれらの同族体、ならびにあらゆる比率におけるこれらのケトンのうちの2つ以上の混合物から選択される、少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのケトンb4)、
・置換されてもよいジアルキルエーテル(例えば、ビス−ヒドロキシプロピルエーテル)、ピラン、フラン、ベンゾピラン、ベンゾフラン、ナフトピランおよびナフトフラン等、ならびに置換されたこれらの同族体、ならびにあらゆる比率におけるこれらのエーテルのうちの2つ以上の混合物から選択される、少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのエーテルb5)、ならびに
・少なくとも1つのアルコールb1)および/または少なくとも1つのアルデヒドb3)および/または1つ以上の他のフレグランスおよび/または上記した添加剤を含む、100%に至るまでの残り部分
を含む。
以下C2と呼ぶことにする上記組成物もまた、上記式(1)のポリ(フェノールスルフィド)(成分a)、特にArkema社からVultac(R)の一般名で販売されているポリ(フェノールスルフィド)のにおいのマスキング用にも、においの改善用に非常に特段適している。
式(1)のポリ(フェノールスルフィド)のにおいをマスキングするための作用物質の上記組成物、特に上記組成物C1および上記組成物C2は、例として与えているものであり、添付の特許請求の範囲に基づいて規定された本発明により提供する組成物にあり得る多様性に対しては、何の限定も加えない。
非常に特段好ましい本発明による組成物は、
a)少なくとも50wt%、好ましくは少なくとも70wt%、より好ましくは少なくとも80wt%、特に好ましくは少なくとも90wt%になった、少なくとも1つの上記で規定された式(1)のポリ(フェノールスルフィド)および
b)本発明による組成物の合計体積に対して2wt%のときに数ppm、有利には10ppmになった、好ましくは、1wt%のときに10ppmになった、上記で規定された少なくとも1つの組成物C1または組成物C2
を含む。
別の態様によれば、本発明は、少なくとも1つのポリ(フェノールスルフィド)のにおい、または少なくとも1つのポリ(フェノールスルフィド)、特に上記で規定された式(1)のポリ(フェノールスルフィド)、特にArkema社から販売されているVultac(R)という種類のポリ(フェノールスルフィド)を含む組成物のにおいを抑制またはマスキングするための、先ほど規定した少なくとも1つのにおいマスキング剤b)の使用に関する。
主要部分としての少なくとも1つのポリ(フェノールスルフィド)a)および少なくとも1つのにおいマスキング剤b)を含む、本発明による組成物は、数多くの分野、特に、ポリ(フェノールスルフィド)の使用に関して知られたすべての分野において、特に有利な使用が見出されている。
従って、においをマスキングされた本発明による組成物は、幾つかの主要な使用を挙げるだけでも非限定的な例として例えば、プラスチック用またはオイル用の抗酸化剤および/または熱安定剤として、プラスチック用または合成繊維用もしくは植物繊維用の難燃剤として、木材用保護剤として、植物樹脂の不均化用および漂白用の作用物質として、ならびにトナー用電荷調整剤等として使用してもよい。
においをマスキングされた本発明による組成物を使用して得られた様々な製品も同様に、抑制されたにおいを帯びており、またはいかなる不快なにおいもしくは刺激性のにおいも有さない。実際、驚くべきことに、本発明による組成物中に存在するにおいマスキング剤は安定なままであり、このマスキング剤により、25℃から300℃までの温度で製品を調製する場合であっても、においをマスキングされていないポリ(フェノールスルフィド)の組成物によって製品を調製していた場合に感じる最終使用者にとって不快なにおいのない製品の入手が可能になる。
さらに別の態様によれば、本発明は、少なくとも1つの本発明による組成物によって調製され製造された、製品に関する。こうした製品の例には非限定的な例として、エラストマー主体型製品、例としてタイヤまたはタイヤの一部、例えばタイヤのトレッド、内面ライニング(inner lining)等、熱可塑性樹脂を主体とする製品、例としてポリマーと本発明によるポリ(フェノールスルフィド)の少なくとも1つの組成物とを含むマスターバッチ、例えばMLPC社からMixland(R)の商標で販売されているマスターバッチ、例えば、ポリ(フェノールスルフィド)と尿素との混合物が分散されており、少なくとも1つの本発明によるにおいマスキング剤b)が添加されていてもよい、マスターバッチがある。
少なくとも1つの本発明による組成物によって製造および調製された製品の中でもとりわけ、ロジンを主体とする製品、綿または羊毛等の植物繊維を主体とするもの、ポリスチレンフォームを主体とする製品、印刷用トナーの成分およびポリ(フェノールスルフィド)によって処理された木材を主体とする製品等をさらに挙げることができる。
ここで、下記に与えた実施例によって本発明を説明するが、これらの実施例は、本発明の様々な実施形態を限定するいかなる意図もないものとして提供している。
[実施例1]
においをマスキングされたポリ(フェノールスルフィド)主体型組成物
においをマスキングされた本発明による組成物の特性を示すために、嗅覚試験手順について詳しく説明しておいた。この嗅覚試験手順により、相異なる組成物について快不快による分類が実現される。
操作条件
上記嗅覚試験を実施するために、30リットル容でポリエチレン(PE)製の円筒形容器を使用するが、これらの各円筒形容器には、約10cm×10cmの上げ板が切り抜かれたカバーを備え付けており、円筒形容器内に収容された蒸気を操作者(パネリスト)がかぐことができるようにしている。
約25グラムの試験組成物が入った結晶化用の皿を、各円筒形容器に入れる。円筒形容器は、室温で24時間閉鎖状態を保つ。次いで、目隠しした状態で評価を実施する。
10名のパネリストが交替で、作業1回当たり幾つかの生成物(作業1回当たり最大で3つの生成物)を試験する。これらのパネリストは、最初に、(においマスキング剤を無含有の)基準物質ポリ(フェノールスルフィド)を保持している円筒形容器をかぎ、次いで、試験組成物の円筒形容器をかぐ。基準物質ポリ(フェノールスルフィド)は、Arkema社から販売されているVultac(R)3である。このVultac(R)3という試料は、Vと呼ぶことにする。
各々の好みに応じて、パネリストは、点数5を恣意的に付けた基準物質に対比させて、試験組成物のそれぞれに点数を割り当てる。パネリストが与える点数は、1(最も快適な生成物)から10(最も不快な生成物)までの範囲である。
試験試料の調製
既知量のVultac(R)3(約25グラム)を、165℃の温度の乾燥室の中にあるアルミニウム皿に入れる。Vultac(R)3が溶融しており、完全に撹拌可能な状態になっていたら、ピペットを使用して所与の量のにおいマスキング剤を導入する。このVultac(R)3をガラス棒で1min撹拌する。
10分後、Vultac(R)3を再び1min撹拌する。Vultac(R)3の全体を再び乾燥室内に15min入れておく。次いで、Vultac(R)3を放置して室温に冷却し、におい付けされたVultac(R)3を回収する。
次いで、上記プロトコルに従って試料を試験する。調製した試料については、下記表1に詳述されている。
Figure 2018115327
嗅覚試験の結果については、下記表2に提示している。
Figure 2018115327
ソフトウェアFIZZバージョン2.01(Biosystems、Couternon、France)を使用して、上記結果についての統計分析を実施すれば、本試験で1.05に固定したLSD(最小有意差)を調査することにより、標準偏差を計算して各試料を2つの群に分類できる。平均値どうしを比較するための上記統計的検定により、2つの試料の平均値が有意に異なっているかを統計的観点から判定できるようになる。上記実施例において、統計に関して採用するパラメータ化(statistical parameterization used)は、95%に固定している。
平均値どうしが有意に異なっていない場合、2つの試料は、同じ一群に分類される。平均値どうしが有意に異なっている場合、2つの試料は、2つの別個の群(本発明を説明する本実施例においては、AおよびB)を構成する。
同じ操作を実施してすべての試料を比較していくと、これにより最終的には、1つまたは2つ以上の群が生じ、それぞれの群は、平均点数が有意に異なっていない試料からなる。
上記表2に提示された結果では有意な統計的差異の存在が示されており、におい付けされた本発明による組成物を含む試料には、基準物質(におい付けされていないポリ(フェノールスルフィド))よりも格段に快適なにおいが感じられることを指し示している。しかしながら、テルペン(リモネンまたはβ−ピネンで、本発明によるものではない。)のみを用いてにおい付けされたポリ(フェノールスルフィド)は、十分にマスキングされたにおいを帯びていない。

Claims (16)

  1. a)少なくとも50wt%、好ましくは少なくとも70wt%、より好ましくは少なくとも80wt%、特に好ましくは少なくとも90wt%の少なくとも1つのポリ(フェノールスルフィド)、ならびに
    b)b1)アルコール、b2)エステル、b3)アルデヒド、b4)ケトンおよびb5)エーテルから選択される少なくとも1つの化合物を含み、組成物の合計重量に対して2%のときに数ppm、有利には10ppmになった、好ましくは、1wt%のときに10ppmになった、少なくとも1つのにおいマスキング剤
    を含む、組成物。
  2. 前記少なくとも1つのポリ(フェノールスルフィド)が、下記式(1)
    Figure 2018115327
    (式中、
    ・Rは、水素原子を表し、または、1個から20個までの炭素原子を含む完全飽和もしくは部分飽和もしくは不飽和で線形、分岐状および/もしくは環状の炭化水素含有基を表し、
    ・同一であってもまたは異なっていてもよいnおよびn’は互いに対して独立に、1以上の整数、好ましくは1以上で8以下の整数、より好ましくは1以上で6以下の整数、より好ましくは1以上で4以下の整数を表し、
    ・pは、0以上で100以下の整数、好ましくは0以上で50以下の整数、より好ましくは0以上で40以下の整数を表し、
    Aは、水素原子を表し、Tは、式(2)
    Figure 2018115327
    の基を表し、または、pが0より厳密に大きい場合のみ、AとTとが一緒になって、環状ポリ(フェノールスルフィド)を形成するように単結合を形成していてもよく、
    ・mは、0、1または2を表す。)
    に相当する、請求項1に記載の組成物。
  3. 1つ以上の添加剤または充填剤、好ましくは脂肪酸、シリカ、尿素および尿素誘導体から選択された添加剤または充填剤と一緒に配合された、請求項1または2に記載の組成物。
  4. においマスキング剤b)が、1個から40個までの炭素原子、好ましくは6個から35個までの炭素原子、より好ましくは8個から30個までの炭素原子を含む一価アルコールから選択される、少なくとも1つのアルコールb1)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物であって、前記炭素原子が、二重結合の形態になった1個以上の不飽和を含んでもよい、5個の環員または6個の環員を有する飽和または完全不飽和または部分不飽和の環状構造も含んでもよい、線形鎖または分岐鎖を形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. アルコールb1)が、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、プロピルエタノール、ブチルエタノールおよびアルキル基またはアルケニル基によって4位を置換された2−メトキシフェノール等、ならびにあらゆる比率におけるこれらのうち2つ以上の混合物から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 少なくとも1つのエステルb2)が、線形または分岐状アルキル、3個から12個までの炭素原子を含む線形または分岐状アルケニル、アリール、テルペン誘導体のアセテート、プロピオネート、ブチレート、メチルブチレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、ヘプタノエート、ベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、シクロプロピルカルボキシレート、シクロブチルカルボキシレート、シクロペンチルカルボキシレート、シクロヘキシルカルボキシレート、シトレート、カプロエート、オレエート、リノレエート、リノレネートおよびラクトン等、ならびにこれらの混合物から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. アルデヒドb3)が、プロパナール、ブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、ベンズアルデヒド、ゲラニアール、ネラール、シトロネラール、ヒドロキシデカナール、フェニルプロパナール、フェニルブタナール、フェニルペンタナール、フェニルヘキサナール、ヒドロキシベンズアルデヒドおよびアルコキシベンズアルデヒド等、ならびに置換されたこれらの同族体、ならびにあらゆる比率におけるこれらのアルデヒドのうちの2つ以上の混合物から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. ケトンb4)が、プロパノン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノン、ヘプタノン、オクタノン、ノナノン、デカノン、ウンデカノン、ドデカノン、メントン、イソメントン、イオノン、メチルイオノン、フェニルエタノン、ベンゾピラノン、1,8−シネオール、アスカリドール、フラボノン、カロンおよびガルバスコン等、ならびに置換されたこれらの同族体、ならびにあらゆる比率におけるこれらのケトンのうちの2つ以上の混合物から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. エーテルb5)が、置換されてもよいジアルキルエーテル、ピラン、フラン、ベンゾピラン、ベンゾフラン、ナフトピランおよびナフトフラン等、ならびに置換されたこれらの同族体、ならびにあらゆる比率におけるこれらのエーテルのうちの2つ以上の混合物から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 脂肪酸、グリコール、テルペン化合物から選択される微量の他の作用物質(フレグランス)、ならびに、溶媒、顔料、染料、保存料および殺生物剤から選択される1つ以上の添加剤をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. においマスキング剤が、
    ・ベンジルアルコール、フェニルエタノール、プロピルエタノールおよびブチルエタノール、ならびにあらゆる比率におけるこれらの混合物から選択される、少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのアルコールb1)、
    ・酢酸ベンジル、フェニルエチルアセテート、メチル2−ヒドロキシベンゾエート、ベンジル2−ヒドロキシベンゾエート、ブチロラクトンおよび6個から12個までの炭素原子を含むヘキサノリド、ならびにあらゆる比率におけるこれらの混合物から選択される、少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのエステルb2)、
    ・3−(4−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール、3−(2−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール、7−ヒドロキシデカナール、7−ヒドロキシ−3,7−ジメチルオクタナール、2−メトキシベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒドおよびあらゆる比率におけるこれらの混合物から選択される、少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのアルデヒドb3)、ならびに
    ・少なくとも1つのケトンb4)、ならびに/または少なくとも1つのエーテルb5)、ならびに/または1つ以上の他のフレグランス、ならびに/または溶媒、顔料、染料、保存料および殺生物剤から選択される添加剤を含む、100%に至るまでの残り部分
    を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. においマスキング剤が、
    ・上記で規定されたアルカノリド型の環状エステルから選択される、少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのエステルb2)、
    ・メントン、イソメントン、イオノン、メチルイオノン、フェニルエタノン、ベンゾピラノン、1,8−シネオール、アスカリドール、フラボノン、カロンおよびガルバスコン等、ならびに置換されたこれらの同族体、ならびにあらゆる比率におけるこれらのケトンのうちの2つ以上の混合物から選択される、少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのケトンb4)、
    ・置換されてもよいジアルキルエーテル(例えば、ビス−ヒドロキシプロピルエーテル)、ピラン、フラン、ベンゾピラン、ベンゾフラン、ナフトピランおよびナフトフラン等、ならびに置換されたこれらの同族体、ならびにあらゆる比率におけるこれらのエーテルのうちの2つ以上の混合物から選択される、少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも10wt%の少なくとも1つのエーテルb5)、ならびに
    ・少なくとも1つのアルコールb1)、ならびに/または少なくとも1つのアルデヒドb3)、ならびに/または1つ以上の他のフレグランス、ならびに/または溶媒、顔料、染料、保存料および殺生物剤から選択される添加剤を含む、100%に至るまでの残り部分
    を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 少なくとも1つのポリ(フェノールスルフィド)のにおい、または少なくとも1つのポリ(フェノールスルフィド)、特に請求項2に記載された式(1)のポリ(フェノールスルフィド)を含む組成物のにおいを抑制またはマスキングするための、請求項4から12のいずれか一項に記載の少なくとも1つのにおいマスキング剤b)の使用。
  14. プラスチック用またはオイル用の抗酸化剤および/または熱安定剤としての、プラスチック用または合成繊維用もしくは植物繊維用の難燃剤としての、木材用保護剤としての、植物樹脂の不均化用および漂白用の作用物質としての、ならびにトナー用電荷調整剤等としての、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  15. 請求項1から12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物によって調製され製造された、製品。
  16. エラストマー、タイヤまたはタイヤの一部、熱可塑性樹脂を主体とする製品、マスターバッチ、ロジンを主体とする製品、植物繊維を主体とする製品、ポリスチレンフォームを主体とする製品、印刷用トナーの成分およびポリ(フェノールスルフィド)によって処理された木材を主体とする製品等から選択される、請求項15に記載の製品。
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