JP2018115288A5 - - Google Patents

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水性シリコーン分散液、皮膜及び化粧料
本発明は、常温乾燥でエラストマー皮膜を形成する水性分散液、皮膜及び化粧料に関するものである。
乾燥時にエラストマー皮膜を形成する水性シリコーン分散液は、従来から種々の組成から成るものがあり、滑り性、撥水性、剥離性を付与する目的で繊維処理剤、ゴムのコーティング剤、建材のコーティング剤、紙やプラスチックフィルムのコーティング剤等又はそれらの添加剤として使用されている。
エラストマー皮膜を形成させる方法として、乾燥時に、同時にシリコーンの縮合反応を進行させる方法がある。その方法の組成物としては、例えば、米国特許第3,098,833号公報(特許文献1)には、ヒドロキシル化ジオルガノポリシロキサン、ケイ素に結合した水素原子を有するポリシロキサン及び硬化触媒からなるエマルジョン組成物、特公昭38−860号公報(特許文献2)には、分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたポリジオルガノシロキサン、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン、ポリアルキルシリケート及び脂肪酸のスズ塩からなるエマルジョン組成物、特開昭53−130752号公報(特許文献3)には、分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたポリジオルガノシロキサン、加水分解可能な基を少なくとも3個有するシラン及び硬化触媒からエマルジョン組成物、米国特許第3,294,725号公報(特許文献4)には、ヒドロキシル化ジオルガノポリシロキサン、トリアルコキシシラン及びコロイダルシリカからなるエマルジョン組成物、特開昭54−131661号公報(特許文献5)には、環状オルガノシロキサンとオルガノトリアルコキシシランとを乳化重合してなるオルガノポリシロキサンラテックス組成物等が挙げられる。しかしながら、これら組成での乾燥と同時にシリコーンの縮合反応によりエラストマー皮膜を形成させるには、100〜300℃の加熱により行うことが一般的であり、常温乾燥では反応速度が遅かったり、反応が進行しなかったりする。また、皮膚上で加熱することはできないため、化粧料の材料には適していない。
特開平7−196984号公報(特許文献6)にはアミノ基を含有するオルガノポリシロキサンのエマルジョンとエポキシ基を含有する加水分解性シランとを混合分散してなるシリコーンエマルジョン組成物、又はエポキシ基を含有するオルガノポリシロキサンのエマルジョンとアミノ基を含有する加水分解性シランとを混合分散してなるシリコーンエマルジョン組成物が提案されている。アミノ基とエポキシ基の反応速度は速いが、アミノ基やエポキシ基は、特にメークアップ化粧料、パック化粧料等の、皮膚に塗布され、皮膚上で化粧膜を長時間保持されるような化粧料においては、皮膚への安全性が懸念される。
乾燥時に、同時にアルケニルシリル基とヒドロシリル基との付加反応により、シリコーンエラストマーの皮膜を形成させる方法がある。その組成としては、例えば、特開昭50−94082号公報(特許文献7)には、分子鎖末端ビニル基封鎖ポリジオルガノシロキサン、ポリオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金触媒からなるエマルジョン、特開昭54−52160号公報(特許文献8)には、分子鎖末端又は側鎖上にビニル基を含有したポリジオルガノシロキサン、ケイ素に結合した水素原子を有するポリシロキサン、コロイド状シリカ及び白金触媒からなるエマルジョンが提案されている。しかしながら、これら組成においては、ヒドロシリル基を含有するシロキサンと白金触媒を共存させておくと、経時で反応が進行したり、水素ガスを発生したりするため、シリコーンのエマルジョンと白金触媒の混合は使用前に行う必要がある。化粧料を使用する一般消費者において、液を混合してから使用するということは、使い勝手が悪い。
特開昭56−36546号公報(特許文献9)には、分子鎖両末端がビニル基で封鎖されたポリジオルガノシロキサン及びポリオルガノハイドロジェンシロキサンからなるエマルジョンに白金触媒を加え、架橋したシリコーンエラストマーのエマルジョンとした方法、又はそのシリコーンエラストマーのエマルジョンにさらにコロイダルシリカを配合する方法が提案されている。しかしながら、この組成物は、ビニルシリル基とヒドロシリル基との付加反応は完結しているものの、乾燥によりエラストマー皮膜を形成する。しかしながら、その皮膜は伸びがなく、脆いという欠点がある。
米国特許第3,098,833号公報 特公昭38−860号公報 特開昭53−130752号公報 米国特許第3,294,725号公報 特開昭54−131661号公報 特開平7−196984号公報 特開昭50−94082号公報 特開昭54−52160号公報 特開昭56−36546号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、伸び及び強度のあるシリコーンエラストマーの皮膜を、常温乾燥で速やかに形成しる水性シリコーン分散液、皮膜及び化粧料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、シリコーンを特定のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンと、特定のヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンとの付加反応により得られるシリコーンエラストマーとし、このヒドロシリル基を含有するオルガノポリシロキサンを、分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジオルガノポリシロキサンを含むものとし、かつ分散液中の乳化剤をアニオン性界面活性剤とし、さらにその量を少なくすることにより、上記目的を達成できることを見出した。
従って、本発明は下記水性シリコーン分散液、皮膜及び化粧料を提供する。
[1].常温乾燥でエラストマー皮膜を形成する水性シリコーン分散液であって、
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサン(A−1)と、
1分子中に3個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)及び分子鎖両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状のジオルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−3)との付加反応生成物であるシリコーンエラストマー、
(B)アニオン性界面活性剤:(A)成分100質量部に対し0.1〜5質量部、
(C)ノニオン性界面活性剤:(A)成分100質量部に対し0〜2質量部、
(D)コロイダルシリカ:(A)成分100質量部に対し0〜35質量部、及び
(E)水:(A)成分と(D)成分との合計100質量部に対し15〜200質量部
を含む、上記(A)シリコーンエラストマーが分散された水性シリコーン分散液。
[2].水性シリコーン分散液の25℃乾燥物である厚さ1mmのエラストマーシートのアスカーCゴム硬さ(日本ゴム協会標準規格(SRIS)に規定された試験方法)が、5以上である[1]記載の水性シリコーン分散液。
[3].水性シリコーン分散液の25℃乾燥物である厚さ1mmのエラストマーシートのダンベル形状3号形試験片の切断時伸び(JIS K 6251に規定された試験方法)が、20%以上であり、切断時引張強さ(JIS K 6251に規定された試験方法)が、0.05MPa以上である[1]又は[2]記載の水性シリコーン分散液。
[4].(A)成分が、(A−2)成分と(A−3)成分の質量比(A−2):(A−3)が5:95〜90:10であり、(A−1)成分と、(A−2)及び(A−3)成分との付加反応生成物である[1]〜[3]のいずれかに記載の水性シリコーン分散液。
[5].(A−3)成分が、1分子中に2個のヒドロシリル基を分子鎖両末端に有する、直鎖状のジオルガノハイドロジェンポリシロキサンである[1]〜[4]のいずれかに記載の水性シリコーン分散液。
[6].[1]〜[]のいずれかに記載の水性シリコーン分散液を常温乾燥させたエラストマー皮膜。
[7].[1]〜[]のいずれかに記載の水性シリコーン分散液を含む化粧料。
[8].メークアップ化粧料、パック化粧料又はまつ毛用化粧料である[]記載の化粧料。
本発明によれば、伸び及び強度のあるシリコーンエラストマーの皮膜を、常温乾燥で速やかに形成しうる水性シリコーン分散液が得られ、この水性シリコーン分散液は、メークアップ化粧料、パック化粧料、まつ毛用化粧料等の化粧料等に特に有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分のシリコーンエラストマーは、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンとの付加反応生成物である。アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサン(A−1)であり、ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンは、1分子中に3個以上のヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン(A−2)及び分子鎖両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状のジオルガノポリシロキサン(A−3)である。
(A−1)
1分子中に2個以上のアルケニル基を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、例えば、下記平均組成式(1)
1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、式中のR1は独立に、アルケニル基を除く、置換又は非置換の炭素数1〜30の1価炭化水素基であり、R2は独立に炭素数2〜6のアルケニル基である。a、bは、0<a<3、0<b≦3、及び0.1≦a+b≦3を満たす正数であり、好ましくは0<a≦2.295、0.005≦b≦2.3、及び0.5≦a+b≦2.3を満たす正数である。)
で表されるものが挙げられる。
1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘニコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラシル基、トリアコンチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の原子及び/又はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、カルボキシル基等の置換基で置換した炭化水素基等が挙げられる。中でも、工業的には全R1基中の50モル%以上がメチル基であることが好ましい。
2としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられるが、工業的にはビニル基であることが好ましい。
(A−1)成分の構造は、直鎖状、環状、分岐状いずれであってもよい。直鎖状の構造のものとしては、例えば、下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2018115288
(式中、R1,R2は上記と同じであり、cは正数、dは0又は正数、eは0又は1、ただしd及びeはd+2×e≧2を満たす数である。)
分岐鎖構造としては、例えば、R1SiO3/2の単位により分岐している下記一般式(3)で表されるものが挙げられる。
Figure 2018115288
(式中、R1,R2は上記と同じであり、fは正数、gは0又は正数、hは正数、iは正数、jは0又は正数、kは0又は1、lは0又は1、ただしg、j、k及びlはg+h×j+2×k+h×l≧2を満たす数である。)
SiO4/2の単位により分岐している構造としては、例えば、下記一般式(4)で表されるものが挙げられる。
Figure 2018115288
(式中、R1,R2は上記と同じであり、mは正数、nは0又は正数、oは正数、pは正数、qは0又は正数、rは0又は1、sは0又は1、ただしn、q、r及びsはn+2×o×q+2×r+2×o×s≧2を満たす数である。)
また、下記の単位式(5)で表され、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するものが挙げられる。
[R1 3SiO1/2t[R2(R12SiO1/2u[SiO4/2v (5)
(式中、R1,R2は上記と同じであり、tは0又は正数、uは正数、vは正数である。)
(A−2)
1分子中に3個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。例えば、下記平均組成式(6)
3 wxSiO(4-w-x)/2
(式中、R3は独立に、アルケニル基を除く、置換又は非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基である。w、xは0<w<3、0<x≦3、及び0.1≦w+x≦3を満たす正数であり、好ましくは0<w≦2.295、0.005≦x≦2.3、及び0.5≦w+x≦2.3を満たす正数である。)
で表されるものが挙げられる。R3としては、上記R1と同じものが例示される。
(A−2)成分の構造は、直鎖状、環状、分岐鎖状いずれであってもよい。直鎖状の構造のものとしては、例えば、下記一般式(7)で表されるものが挙げられる。
Figure 2018115288
(式中、R3は上記と同じであり、yは正数、zは正数、a1は0又は1、ただしz及びa1は、z+2×a1≧3を満たす数である。)
分岐構造としては、例えば、R3SiO3/2の単位により分岐している下記の一般式で表されるものが挙げられる。
Figure 2018115288
(式中、R3は上記と同じであり、b1は正数、c1は0又は正数、d1は正数、e1は正数、f1は0又は正数、g1は0又は1、h1は0又は1、ただしc1、f1、g1及びh1は、c1+d1×f1+2×g1+d1×h1≧3を満たす数である。)
SiO4/2の単位により分岐している構造としては、例えば、下記の一般式で表されるものが挙げられる。
Figure 2018115288
(式中、R3は上記と同じであり、i1は正数、j1は0又は正数、k1は正数、1は正数、m1は0又は正数、n1は0又は1、o1は0又は1、ただしj1、m1、n1及びo1は、j1+2×k1×m1+2×n1+2×k1×o1≧3を満たす数である。
また、下記の単位式(10)で表され、1分子中に3個以上のヒドロシリル基を有するものが挙げられる。
[R3 3SiO1/2p1[H(R32SiO1/2q1[SiO4/2r1 (10)
(式中、R3は上記と同じであり、p1は0又は正数、q1は正数、r1は正数である。)
(A−3)
分子両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状のジオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。例えば、下記一般式(11)で示される。
Figure 2018115288
(式中のR4は独立に、アルケニル基を除く、置換又は非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基である。s1は、5〜1,000の正数であり、好ましくは10〜500の正数である。)なお、R4としては、R1と同じものが例示される。
(A−1)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン及び(A−2)成分の1分子中に3個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは特に粘度は限定されず、また固体状のものも含んでいてもよい。(A−3)成分の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、25℃における動粘度が10,000mm2/s以下であることが好ましく、より好ましくは1,000mm2/s以下である。(A−1)成分、(A−2)成分及び(A−3)成分の混合溶解液は、25℃における動粘度10,000mm2/s以下であることが好ましく、より好ましくは1,000mm2/s以下である。動粘度が10,000mm2/sを超えると、後述する製造方法において、粒径を小さくすることが難しくなるおそれがある。なお、本発明において、動粘度はオストワルド粘度計による25℃の測定値である。
(A−1)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンと、(A−2)成分の1分子中に3個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び(A−3)成分の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの質量比は、(A−1)成分のアルケニル基1モルに対する(A−2)成分及び(A−3)成分の合計のヒドロシリル基のモル数が0.5〜2.0となる範囲が好ましく、より好ましくは0.8〜1.5の範囲である。
(A−2)成分の1分子中に3個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと(A−3)成分の分子鎖両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジオルガノハイドロジェンポリシロキサンの質量比については、(A−3)成分の比率が低くなりすぎると、得られる皮膜は伸びがなく脆いものとなるおそれがあり、(A−3)成分の比率が高くなりすぎると皮膜が形成されず、ゲル状や液状体となるおそれがある。比率の点からは、(A−2)成分と(A−3)成分の質量比(A−2):(A−3)は、一概にいえないが、5:95〜90:10の範囲が好ましく、10:90〜80:20の範囲がより好ましい。
[白金族金属系触媒]
(A)成分のシリコーンエラストマーは、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの付加反応生成物であるが、このアルケニル基とヒドロシリル基の付加反応には、周知されている白金族金属系触媒を用いることができる。例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・k2O、H2PtCl6・k2O、NaHPtCl6・k2O、KHPtCl6・k2O、Na2PtCl6・k2O、K2PtCl4・k2O、PtCl4・k2O、PtCl2、Na2HPtCl4・k2O(但し、式中、kは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照)、塩化白金酸とビニル基含有シロキサンとのコンプレックス、白金とビニル基含有シロキサンとのコンプレックス;白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)等が挙げられる。
白金族金属系触媒の配合量は、付加反応を進行するための有効量でよい。例えば、白金を含有する触媒においては、(A−1)成分、(A−2)成分及び(A−3)成分の合計質量に対する触媒中の白金の質量換算量が、0.1〜100ppm(質量)程度、好ましくは0.5〜50ppm程度、さらに好ましくは1〜30ppm程度となる量である。
(A)成分のシリコーンエラストマーは、シリコーンオイル、シリコーンレジン、オルガノシラン、無機系粉末、有機系粉末、酸化防止剤等を含有していてもよい。
(A)成分のシリコーンエラストマーは、特定のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン(A−1)と、特定のヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン(A−2)及び(A−3)との付加反応生成物であるシリコーンエラストマーであり、使用する(A−1)〜(A−3)成分、その比率によって、得られるシリコーンエラストマーの構造が複雑に決定する。
(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの付加反応生成物であり、水に分散した状態であるため、粒子状である。その体積平均粒径は10μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下である。下限は特に限定されないが、0.1μm以上にすることもできる。体積平均粒径が10μmより大きいと、形成される皮膜は伸びがなく、脆いものとなる。なお、本発明において、体積平均粒径はレーザー回折/散乱法粒径測定装置による測定である。
[(B)成分]
本発明において、(B)成分のアニオン性界面活性剤は、水性シリコーン分散液における(A)成分のシリコーンエラストマーの分散剤として機能する一方、後述する(A)成分の原料であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンの乳化における乳化剤である。アニオン性界面活性剤は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、N−アシルタウリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、ジアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等が挙げられる。エラストマー皮膜の伸びや引張強度の点から、アルキル硫酸エステル塩が好ましい。
(B)成分の配合量は、(A)成分のシリコーンエラストマー100質量部に対して、0.1〜5質量部であり、好ましくは0.5〜2質量部である。5質量部より多いと得られる皮膜は伸びのない脆いものとなり、0.1質量部より少ないと後記する(A)成分の原料の乳化で、粒径が大きくなったり、乳化できなくなる。
[(C)成分]
本発明において、(C)成分のノニオン性界面活性剤は、水性シリコーン分散液における(A)成分のシリコーンエラストマーの分散剤として機能する一方、後記する(A)成分の原料であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンの乳化における乳化剤や白金族金属系触媒の分散剤である。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を併用することができる。2種以上を併用する場合には、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等のポリエーテルを含有しないノニオン性界面活性剤も併用してもよい。
なお、本発明においてノニオン性界面活性剤は任意成分であり、造膜性を低下させるため、少ない方が好ましい。(C)成分の配合量は、(A)成分のシリコーンエラストマー100質量部に対して、0〜2質量部であり、好ましくは0〜1質量部、より好ましくは0〜0.5質量部である。
[(D)成分]
本発明において、(D)成分のコロイダルシリカは、得られるシリコーンエラストマー皮膜の伸びや引張強度を向上させる機能がある。コロイダルシリカはナノサイズのシリカであり、その粒径は、10〜300nmが好ましく、より好ましくは10〜50nmである。なお、粒径の測定は、透過型電子顕微鏡観察によるものである。
本発明において、コロイダルシリカは水に分散したタイプのいわゆるシリカゾルを使用する。その水分散液中のコロイダルシリカの濃度は特に限定されず、例えば、10〜60質量%である。そのpHは特に限定されないが、皮膚に適用されることから、4〜10の範囲が好ましい。
なお、本発明において(D)成分は任意成分であり、(D)成分の配合量は、(A)成分のシリコーンエラストマー100質量部に対して、0〜35質量部であり、好ましくは0〜25質量部である。35質量部より多くすると、得られる皮膜は伸びのない脆いものとなる。
[(E)成分]
本発明において、(E)成分の水は、(A)成分のシリコーンエラストマー及び(D)成分のコロイダルシリカの分散媒である。(E)成分の配合量は、(A)成分と(D)成分との合計100質量部に対し15〜200質量部であり、25〜150質量部が好ましい。200質量部より多いと、乾燥速度が遅くなり皮膜形成に時間がかかり、15質量部より少ないと水性シリコーン分散液の粘度が高くなり、製造が困難になったり取扱いにくくなる。
[その他成分]
本発明の水性シリコーン分散液には、(A)成分の分散性を向上させる目的等で、水溶性高分子化合物を含んでいてもよい。水溶性高分子化合物は、特に限定されず、非イオン性水溶性高分子化合物、アニオン性水溶性高分子化合物、カチオン性水溶性高分子化合物、及び両イオン性水溶性高分子化合物が挙げられる。
非イオン性水溶性高分子化合物としては、例えば、ビニルアルコールと酢酸ビニルの共重合体、アクリルアミドの重合体、ビニルピロリドンの重合体、ビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ポリエチレングリコール、イソプロピルアクリルアミドの重合体、メチルビニルエーテルの重合体、デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、グアーガム、キタンサンガム等が挙げられる。
アニオン性水溶性高分子化合物としては、例えば、アクリル酸ナトリウムの重合体、アクリル酸ナトリウムとマレイン酸ナトリウムとの共重合体、アクリル酸ナトリウムとアクリルアミドの共重合体、スチレンスルホン酸ナトリウムの重合体、ポリイソプレンスルホン酸ナトリウムとスチレンとの共重合体、ナフタレンスルホン酸ナトリウムの重合体、カルボキシメチルデンプン、リン酸デンプン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、カラギーナン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
カチオン性水溶性高分子化合物としては、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合体、ビニルイミダゾリンの重合体、メチルビニルイミダゾリウムクロライドの重合体、アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、エピクロルヒドリン/ジメチルアミン重合体、エチレンイミンの重合体、エチレンイミンの重合体の4級化物、アリルアミン塩酸塩の重合体、ポリリジン、カチオンデンプン、カチオン化セルロース、キトサン、及びこれらに非イオン性基やアニオン性基を持つモノマーを共重合する等したこれらの誘導体等が挙げられる。
両イオン性水溶性高分子化合物としては、例えば、アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸とアクリルアミドの共重合体、メタアクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸とアクリルアミドの共重合体、アクリルアミドの重合体のホフマン分解物等が挙げられる。
本発明の水性シリコーン分散液には、防菌防腐剤や抗菌剤を含んでいてもよい。防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
[製造方法]
本発明の水性シリコーン分散液は、(A)成分の原料であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、(B)成分のアニオン性界面活性剤を用いて(E)成分の水に乳化した後、白金族金属系触媒を添加し、付加反応を行うことによって製造できる。乳化の際に、(C)成分のノニオン性界面活性剤を配合してもよい。
乳化は一般的な乳化分散機を用いて行えばよい。該乳化分散機としては、例えば、ホモディスパー等の高速回転遠心放射型撹拌機、ホモミキサー等の高速回転剪断型撹拌機、圧力式ホモジナイザー等の高圧噴射式乳化分散機、コロイドミル、超音波乳化機等が挙げられる。
(A)成分のシリコーンエラストマー中に、シリコーンオイル、シリコーンレジン、オルガノシラン、無機系粉末、有機系粉末や酸化防止剤を含有させる場合には、予め(A)成分の原料とこれらを混合しておけばよい。
白金族金属系触媒は、前記したとおり乳化工程後に添加してもよいが、予め(A)成分の原料に溶解させておいてもよい。白金族金属系触媒を乳化工程後に添加する場合には、溶媒に溶解して添加してもよい。また、水に対する分散性が悪い場合には、白金族金属系触媒を(C)成分のノニオン性界面活性剤に溶解した状態で添加することがよい。白金族金属系触媒を予め(A)成分の原料に溶解させておく場合には、乳化工程が終了するまでの間に付加反応が起こらないように、例えば5℃以下の低温に冷却しておくのがよい。付加反応は、常温、例えば20〜25℃で行うことができる。反応が完結しない場合には、100℃未満の加熱下で行ってもよい。反応の為の撹拌時間は特に制限さないが、通常、1〜24時間である。
(D)成分のコロイダルシリカを配合する場合は、前記したように、水を分散媒としたコロイダルシリカ分散液を使用する。乳化工程の後又は付加反応工程の後に添加することが好ましい。
[水性シリコーン分散液]
本発明の水性シリコーン分散液には、(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサン(A−1)と、1分子中に3個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)及び分子両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状のジオルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−3)との付加反応生成物であるシリコーンエラストマーが分散されている。また、分散液のpHは特に限定されないが、皮膚に適用されることから、4〜10の範囲が好ましい。なお、本発明において、「水性」とは水で容易に希釈できるものであることを意味する。
[エラストマー皮膜]
本発明の水性シリコーン分散液は、常温乾燥によりエラストマー皮膜を形成する。エラストマー皮膜は、べたつきがあってもよいが、ゲル状ではない。乾燥温度は1〜250℃から適宜選定され、25℃等の室温でも皮膜を形成できる。乾燥時間は数秒〜1週間が好ましい。
エラストマー皮膜のゴム硬さ、切断時伸び、切断時引張強さは以下の通りである。ゴム硬さが低すぎたり、伸びが低すぎたり、引張強さが低すぎたりすると、例えば、水性シリコーン分散液をパック化粧料に用いた場合、皮膚から膜状に剥離することが困難になると考えられ、また、まつ毛用化粧料に用いた場合、塗擦により容易に脱落してしまうと考えられる。
[エラストマーシートの作製方法]
ポリプロピレン製トレイに、乾燥後の厚みが約1mmとなる量の水性シリコーン分散液を流し込み、25℃にて48時間乾燥し、エラストマーシートを作製する。
[ゴム硬さ]
前記方法にて作製したエラストマーシートについて、JIS K 6251に規定される方法にて、タイプAのデュロメータ試験機のゴム硬さを測定する。タイプAのデュロメータ試験機のゴム硬さが10未満の場合には、日本ゴム協会標準規格(SRIS)に規定される方法にて、アスカーC試験機のゴム硬さを測定する。エラストマーシートのアスカーC試験機のゴム硬さは5以上が好ましく、30以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、タイプAのデュロメータ試験機のゴム硬さ60以下にすることもできる。
[切断時伸び、切断時引張強さ]
エラストマーシートのダンベル形状3号形試験片の切断時伸び(JIS K 6251に規定された試験方法)は、20%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、1,000%以下にすることもできる。エラストマーシートの切断時引張強さ(JIS K 6251に規定された試験方法)は、0.05MPa以上が好ましく、0.10MPa以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、5.0MPa以下にすることもできる。
[用途]
本発明の水性シリコーン分散液は、伸び及び強度のあるシリコーンエラストマーの皮膜を、常温乾燥で速やかに形成でき、特にアミノ基やエポキシ基を含有せず皮膚への安全性が懸念されないことから、メークアップ化粧料、パック化粧料、まつ毛用化粧料等に配合することができる。また、メークアップ化粧料の耐移り性剤、皮膜形成性のパック化粧料の皮膜形成剤、まつ毛用化粧料の滑り性やボリューム付与剤等として有用である。水性シリコーン分散液の化粧料中の配合量は特に限定されないが、10〜95質量%の範囲で適宜配合される。化粧料に用いる場合は、皮膜が形成される対象としては、皮膚、毛髪、爪、睫毛等が挙げられる。また、紙の撥水剤、防水剤、剥離剤、繊維製品の撥水剤、風合い改良剤、コンクリート、モルタル、木材の撥水剤、防水剤、酸化チタン粒子等の無機粒子を含有したコーティング剤のバインダー等の用途が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記実施例中、動粘度はオストワルド粘度計により25℃において測定した値であり、濃度及び含有率を表す「%」は「質量%」を示す。
なお、「エラストマーシートの作製方法、ゴム硬さ、切断時伸び、切断時引張強さの測定方法」は以下の通りである。
[エラストマーシートの作製方法]
ポリプロピレン製トレイに、乾燥後の厚みが約1mmとなる量の水性シリコーン分散液を流し込み、25℃にて48時間乾燥し、エラストマーシートを作製した。
[ゴム硬さの測定方法]
トレイよりエラストマーシートを剥がし、JIS K 6251に規定される方法にて、タイプAのデュロメータ試験機のゴム硬さを測定した。タイプAのデュロメータ試験機のゴム硬さが10未満の場合には、日本ゴム協会標準規格(SRIS)に規定される方法にて、アスカーC試験機のゴム硬さを測定した。
[切断時伸び、切断時引張強さの測定方法]
JIS K 6251に規定される方法にて、ダンベル形状3号形試験片の切断時伸び及び切断時引張強さを試験した。
[実施例1]
下記式(A−1’)で示される、動粘度が130mm2/s、ビニル基量が0.035mol/100gの分子両末端にビニル基を含有するジメチルポリシロキサン271g、下記式(A−2’)で示される、動粘度が430mm2/s、ヒドロシリル基量が0.040mol/100gのヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン137g、及び下記式(A−3’)で示される、動粘度が35mm2/s、ヒドロシリル基量が0.066mol/100gの分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサン92gを、容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌溶解させた。ここで、下記式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンのビニル基1個に対し、下記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと下記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基の合計は1.22個である。また、式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと式(A−3’)の分子鎖両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの質量比((A−2’):(A−3’))は60:40である。
Figure 2018115288
次いで、ラウリル硫酸ナトリウム5g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、1.0質量部となる量)と水130gを加え、ホモミキサーを用いて8,000rpmで撹拌したところ、水中油滴型となり、増粘が認められ、さらに、15分間撹拌を継続した。2,000rpmで撹拌しながら、水353gを加え希釈した。100MPaの圧力の条件でホモジナイザーに通し、均一な白色エマルジョンを得た。
得られたエマルジョン790gを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量2リットルのガラスフラスコに移し、20〜25℃に温調した後、撹拌下に白金−ビニル基含有シロキサンコンプレックスのイソドデカン溶液(白金含有量0.5%)0.6gとポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)1.1g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、0.28質量部となる量)の混合溶解物を添加し、同温度で12時間撹拌し、式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンと、式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン及び式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの付加反応を行った。次いで、抗菌剤であるフェノキシエタノール8gを添加し、同温度で10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分の合計100質量部に対し、96.6質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液中に含まれるシリコーンエラストマーの体積平均粒径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−960」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、900nmであった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのあるシートが得られた。アスカーCゴム硬さは8、切断時伸びは65%、切断時引張強さは0.08MPaであった。
得られた水性シリコーン分散液を手の甲にスポイトを用いて約0.02g垂らし、指で直径約2cmの大きさに広げた。3分間風乾した後、指で強く擦ったところ、固形物がよれて脱落し、柔らかい皮膜が形成していたと判断された。
[実施例2]
実施例1と同様にして得られた水性シリコーン分散液に、濃度40%のコロイダルシリカ水分散液(商品名:COSMO S−40、日揮触媒化成(株)製)53g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、コロイダルシリカ5.3質量部となる量)を添加し、10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分とコロイダルシリカとの合計100質量部に対し、96.9質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、シートはタックのあるものであった。アスカーCゴム硬さは26、切断時伸びは130%、切断時引張強さは0.15MPaであった。
得られた水性シリコーン分散液を手の甲にスポイトを用いて約0.02g垂らし、指で直径約2cmの大きさに広げた。3分間風乾した後、指で強く擦ったところ、固形物がよれて脱落し、柔らかい皮膜が形成していたと判断された。
[実施例3]
実施例1と同様にして得られた水性シリコーン分散液に、濃度40%のコロイダルシリカ水分散液(商品名:COSOM S−40、日揮触媒化成(株)製)111g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、コロイダルシリカ11.1質量部となる量)を添加し、10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分とコロイダルシリカとの合計100質量部に対し、100.8質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのあるシートが得られた。タイプAデュロメータゴム硬さは16、切断時伸びは230%、切断時引張強さは0.36MPaであった。
得られた水性シリコーン分散液を手の甲にスポイトを用いて約0.02g垂らし、指で直径約2cmの大きさに広げた。3分間風乾した後、指で強く擦ったところ、固形物がよれて脱落し、柔らかい皮膜が形成していたと判断された。
[実施例4]
実施例1と同様にして得られた水性シリコーン分散液に、濃度40%のコロイダルシリカ水分散液(商品名:COSMO S−40、日揮触媒化成(株)製)177g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、コロイダルシリカ17.7質量部となる量)を添加し、10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分とコロイダルシリカとの合計100質量部に対し、103.6質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのないシートが得られた。タイプAデュロメータゴム硬さは32、切断時伸びは270%、切断時引張強さは0.81MPaであった。
得られた水性シリコーン分散液を手の甲にスポイトを用いて約0.02g垂らし、指で直径約2cmの大きさに広げた。3分間風乾した後、指で強く擦ったところ、固形物がよれて脱落し、柔らかい皮膜が形成していたと判断された。
[実施例5]
上記式(A−1’)で示される、動粘度が130mm2/s、ビニル基量が0.035mol/100gの分子鎖両末端にビニル基を含有するジメチルポリシロキサン235g、下記単位式
[(CH33SiO1/2t[CH2=CH(CH32SiO1/2u[SiO4/2v
(式中、t:u:v=36:6:58)
で示される固体状でビニル基量が0.086mol/100gのビニル基を含有するポリシロキサンレジン25g、上記式(A−2’)で示される、動粘度が430mm2/s、ヒドロシリル基量が0.040mol/100gのヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン119g、及び上記式(A−3’)で示される、動粘度が35mm2/s、ヒドロシリル基量が0.066mol/100gの分子鎖両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサン121gを、容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌溶解させた。ここで、上記式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンのビニル基1個に対し、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基の合計は1.22個である。また、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記式(A−3’)の分子鎖両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの質量比((A−2’):(A−3’))は50:50である。
次いで、ラウリル硫酸ナトリウム5g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、1.0質量部となる量)と水130gを加え、ホモミキサーを用いて8,000rpmで撹拌したところ、水中油滴型となり、増粘が認められ、さらに、15分間撹拌を継続した。2,000rpmで撹拌しながら、水353gを加え希釈した。100MPaの圧力の条件でホモジナイザーに通し、均一な白色エマルジョンを得た。
得られたエマルジョン790gを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量2リットルのガラスフラスコに移し、20〜25℃に温調した後、撹拌下に白金−ビニル基含有シロキサンコンプレックスのイソドデカン溶液(白金含有量0.5%)0.6gとポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)1.1g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、0.28質量部となる量)の混合溶解物を添加し、同温度で12時間撹拌し、上記式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンと、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン及び上記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの付加反応を行った。次いで、抗菌剤であるフェノキシエタノール8gを添加し、同温度で10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分100質量部に対し、96.6質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液中に含まれるシリコーンエラストマーの体積平均粒径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−960」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、780nmであった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのあるシートが得られた。アスカーCゴム硬さは12、切断時伸びは130%、切断時引張強さは0.14MPaであった。
得られた水性シリコーン分散液を手の甲にスポイトを用いて約0.02g垂らし、指で直径約2cmの大きさに広げた。3分間風乾した後、指で強く擦ったところ、固形物がよれて脱落し、柔らかい皮膜が形成していたと判断された。
[実施例6]
実施例5と同様にして得られた水性シリコーン分散液に、濃度40%のコロイダルシリカ水分散液(商品名:COSMO S−40、日揮触媒化成(株)製)177g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、コロイダルシリカ17.7質量部となる量)を添加し、10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分とコロイダルシリカとの合計100質量部に対し、103.6質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのあるシートが得られた。タイプAデュロメータゴム硬さは22、切断時伸びは540%、切断時引張強さは0.80MPaであった。
得られた水性シリコーン分散液を手の甲にスポイトを用いて約0.02g垂らし、指で直径約2cmの大きさに広げた。3分間風乾した後、指で強く擦ったところ、固形物がよれて脱落し、柔らかい皮膜が形成していたと判断された。
[実施例7]
上記式(A−1’)で示される、動粘度が130mm2/s、ビニル基量が0.035mol/100gの分子両末端にビニル基を含有するジメチルポリシロキサン266g、上記式(A−2’)で示される、動粘度が430mm2/s、ヒドロシリル基量が0.040mol/100gのヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン162g、及び上記式(A−3’)で示される、動粘度が35mm2/s、ヒドロシリル基量が0.066mol/100gの分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサン72gを容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌溶解させた。ここで、上記式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンのビニル基1個に対し、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基の合計は1.21個である。また、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの質量比((A−2’):(A−3’))は69:31である。
次いで、ラウリル硫酸ナトリウム5g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、1.0質量部となる量)と水130gを加え、ホモミキサーを用いて8,000rpmで撹拌したところ、水中油滴型となり、増粘が認められ、さらに、15分間撹拌を継続した。2,000rpmで撹拌しながら、水353gを加え希釈した。100MPaの圧力の条件でホモジナイザーに通し、均一な白色エマルジョンを得た。
得られたエマルジョン790gを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量2リットルのガラスフラスコに移し、20〜25℃に温調した後、撹拌下に白金−ビニル基含有シロキサンコンプレックスのイソドデカン溶液(白金含有量0.5%)0.6gとポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)1.1g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、0.28質量部となる量)の混合溶解物を添加し、同温度で12時間撹拌し、上記式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンと、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン及び上記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの付加反応を行った。次いで、抗菌剤であるフェノキシエタノール8gを添加し、同温度で10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。
得られた水性シリコーン分散液中に含まれるシリコーンエラストマーの体積平均粒径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−960」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、850nmであった。
得られた水性シリコーン分散液に、濃度40%のコロイダルシリカ水分散液(商品名:COSMO S−40、日揮触媒化成(株)製)53g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、コロイダルシリカ5.3質量部となる量)を添加し、10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分とコロイダルシリカとの合計100質量部に対し、96.9質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのないシートが得られた。タイプAデュロメータ硬さは13、切断時伸びは25%、切断時引張強さは0.11MPaであった。
得られた水性シリコーン分散液を手の甲にスポイトを用いて約0.02g垂らし、指で直径約2cmの大きさに広げた。3分間風乾した後、指で強く擦ったところ、固形物がよれて脱落し、柔らかい皮膜が形成していたと判断された。
[実施例8]
上記式(A−1’)で示される、動粘度が130mm2/s、ビニル基量が0.035mol/100gの分子鎖両末端にビニル基を含有するジメチルポリシロキサン275g、上記式(A−2’)で示される、動粘度が430mm2/s、ヒドロシリル基量が0.040mol/100gのヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン112g、及び上記式(A−3’)で示される、動粘度が35mm2/s、ヒドロシリル基量が0.066mol/100gの分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサン113gを、容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌溶解させた。ここで、上記(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンのビニル基1個に対し、上記(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記(A−3’)の分子鎖両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基の合計は1.24個である。また、上記(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記(A−3’)の分子鎖両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの質量比((A−2’):(A−3’))は50:50である。
次いで、ラウリル硫酸ナトリウム5g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、1.0質量部となる量)と水130gを加え、ホモミキサーを用いて8,000rpmで撹拌したところ、水中油滴型となり、増粘が認められ、さらに、15分間撹拌を継続した。2,000rpmで撹拌しながら、水353gを加え希釈した。100MPaの圧力の条件でホモジナイザーに通し、均一な白色エマルジョンを得た。
得られたエマルジョン790gを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量2リットルのガラスフラスコに移し、20〜25℃に温調した後、撹拌下に白金−ビニル基含有シロキサンコンプレックスのイソドデカン溶液(白金含有量0.5%)0.6gとポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)1.1g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、0.28質量部となる量)の混合溶解物を添加し、同温度で12時間撹拌し、上記式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンと、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン及び上記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの付加反応を行った。次いで、抗菌剤であるフェノキシエタノール8gを添加し、同温度で10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。
得られた水性シリコーン分散液中に含まれるシリコーンエラストマーの体積平均粒径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−960」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、830nmであった。
得られた水性シリコーン分散液に、濃度40%のコロイダルシリカ水分散液(商品名:COSMO S−40、日揮触媒化成(株)製)177g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、コロイダルシリカ17.7質量部となる量)を添加し、10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分とコロイダルシリカとの合計100質量部に対し、103.6質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのないシートが得られた。タイプAデュロメータ硬さは32、切断時伸びは270%、切断時引張強さは0.81MPaであった。
得られた水性シリコーン分散液を手の甲にスポイトを用いて約0.02g垂らし、指で直径約2cmの大きさに広げた。3分間風乾した後、指で強く擦ったところ、固形物がよれて脱落し、柔らかい皮膜が形成していたと判断された。
[実施例9]
上記式(A−1’)で示される、動粘度が130mm2/s、ビニル基量が0.035mol/100gの分子両末端にビニル基を含有するジメチルポリシロキサン325g、上記式(A−2’)で示される、動粘度が430mm2/s、ヒドロシリル基量が0.040mol/100gのヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン172g、及び上記式(A−3’)で示される、動粘度が35mm2/s、ヒドロシリル基量が0.066mol/100gの分子鎖両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサン103gを、容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌溶解させた。ここで、上記(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンのビニル基1個に対し、上記(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基の合計は1.20個である。また、上記(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記(A−3’)の分子鎖両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基の質量比((A−2’):(A−3’))は63:37である。
次いで、ラウリル硫酸ナトリウム6g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、1.0質量部となる量)、抗菌剤であるフェノキシエタノール10g、及び水160gを加え、ホモミキサーを用いて8,000rpmで撹拌したところ、水中油滴型となり、増粘が認められ、さらに、15分間撹拌を継続した。2,000rpmで撹拌しながら、水222gを加え希釈した。100MPaの圧力の条件でホモジナイザーに通し、均一な白色エマルジョンを得た。
得られたエマルジョン798gを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量2リットルのガラスフラスコに移し、20〜25℃に温調した後、撹拌下に白金−ビニル基含有シロキサンコンプレックスのイソドデカン溶液(白金含有量0.5%)0.6gとポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)0.6g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、0.13質量部となる量)の混合溶解物を添加し、同温度で12時間撹拌し、上記(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンと、上記(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン及び上記(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの付加反応を行い、水性シリコーン分散液を得た。
得られた水性シリコーン分散液中に含まれるシリコーンエラストマーの体積平均粒径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−960」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、630nmであった。
得られた水性シリコーン分散液に、濃度40%のコロイダルシリカ水分散液(商品名:COSMO S−40、日揮触媒化成(株)製)212g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、コロイダルシリカ17.7質量部となる量)を添加し、10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分とコロイダルシリカとの合計100質量部に対し、76.6質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのないシートが得られた。タイプAデュロメータ硬さは42、切断時伸びは200%、切断時引張強さは1.1MPaであった。
得られた水性シリコーン分散液を手の甲にスポイトを用いて約0.02g垂らし、指で直径約2cmの大きさに広げた。3分間風乾した後、指で強く擦ったところ、固形物がよれて脱落し、柔らかい皮膜が形成していたと判断された。
[実施例10]
上記式(A−1’)で示される、動粘度が130mm2/s、ビニル基量が0.035mol/100gの分子両末端にビニル基を含有するジメチルポリシロキサン275g、上記式(A−2’)で示される、動粘度が430mm2/s、ヒドロシリル基量が0.040mol/100gのヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン112g、及び上記式(A−3’)で示される、動粘度が35mm2/s、ヒドロシリル基量が0.066mol/100gの分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサン113gを、容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌溶解させた。ここで、上記(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンのビニル基1個に対し、上記(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基の合計は1.24個である。また、上記(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記(A−3’)の分子鎖両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの質量比((A−2’):(A−3’))は50:50である。
次いで、ラウリル硫酸ナトリウム10g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、2.0質量部となる量)と水130gを加え、ホモミキサーを用いて8,000rpmで撹拌したところ、水中油滴型となり、増粘が認められ、さらに、15分間撹拌を継続した。2,000rpmで撹拌しながら、水348gを加え希釈した。100MPaの圧力の条件でホモジナイザーに通し、均一な白色エマルジョンを得た。
得られたエマルジョン790gを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量2リットルのガラスフラスコに移し、20〜25℃に温調した後、撹拌下に白金−ビニル基含有シロキサンコンプレックスのイソドデカン溶液(白金含有量0.5%)0.6gとポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)1.1g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、0.28質量部となる量)の混合溶解物を添加し、同温度で12時間撹拌し、上記式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンと、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン及び上記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの付加反応を行った。次いで、抗菌剤であるフェノキシエタノール8gを添加し、同温度で10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。
得られた水性シリコーン分散液中に含まれるシリコーンエラストマーの体積平均粒径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−960」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、670nmであった。
得られた水性シリコーン分散液に、濃度40%のコロイダルシリカ水分散液(商品名:COSMO S−40、日揮触媒化成(株)製)177g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、コロイダルシリカ17.7質量部となる量)を添加し、10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分とコロイダルシリカとの合計100質量部に対し、103.8質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのないシートが得られた。タイプAデュロメータ硬さは32、切断時伸びは120%、切断時引張強さは0.67MPaであった。
得られた水性シリコーン分散液を手の甲にスポイトを用いて約0.02g垂らし、指で直径約2cmの大きさに広げた。3分間風乾した後、指で強く擦ったところ、固形物がよれて脱落し、柔らかい皮膜が形成していたと判断された。
[比較例1]
上記式(A−1’)で示される、動粘度が130mm2/s、ビニル基量が0.035mol/100gの分子両末端にビニル基を含有するジメチルポリシロキサン244g、及び上記式(A−2’)で示される、動粘度が430mm2/s、ヒドロシリル基量が0.040mol/100gのヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン256gを容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌溶解させた。ここで、上記(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンのビニル基1個に対し、上記(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基は1.20個である。この例は、ヒドロシリル基を含有するメチルポリシロキサンにおいて、分子鎖両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルポリシロキサンを含有していない組成である。
次いで、ラウリル硫酸ナトリウム5g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、1.0質量部となる量)と水130gを加え、ホモミキサーを用いて8,000rpmで撹拌したところ、水中油滴型となり、増粘が認められ、さらに、15分間撹拌を継続した。2,000rpmで撹拌しながら、水353gを加え希釈した。100MPaの圧力の条件でホモジナイザーに通し、均一な白色エマルジョンを得た。
得られたエマルジョン790gを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量2リットルのガラスフラスコに移し、20〜25℃に温調した後、撹拌下に白金−ビニル基含有シロキサンコンプレックスのイソドデカン溶液(白金含有量0.5%)0.6gとポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)1.1g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、0.28質量部となる量)の混合溶解物を添加し、同温度で12時間撹拌し、式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンと、式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンとの付加反応を行った。次いで、抗菌剤であるフェノキシエタノール10gを添加し、同温度で10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分100質量部に対し、96.6質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液中に含まれるシリコーンエラストマーの体積平均粒径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−960」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、850nmであった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのない乾燥物が得られたものの、脆すぎてシートとしてトレイより剥がせなかった。
[比較例2]
上記式(A−1’)で示される、動粘度が130mm2/s、ビニル基量が0.035mol/100gの分子両末端にビニル基を含有するジメチルポリシロキサン271g、上記式(A−2’)で示される、動粘度が430mm2/s、ヒドロシリル基量が0.040mol/100gのヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン137g、及び上記式(A−3’)で示される、動粘度が35mm2/s、ヒドロシリル基量が0.066mol/100gの分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサン92gを、容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌溶解させた。ここで、上記式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンのビニル基1個に対し、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基の合計は1.22個である。また、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの質量比((A−2’):(A−3’))は60:40である。
次いで、ラウリル硫酸ナトリウム45g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、9.0質量部となる量)と水60gを加え、ホモディスパーを用いて4,000rpmで撹拌したところ、水中油滴型となり、グリース状になり、さらに、10分間撹拌を継続した。ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌しながら、水383gを加え、均一な白色エマルジョンを得た。
得られたエマルジョン790gを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量2リットルのガラスフラスコに移し、20〜25℃に温調した後、撹拌下に白金−ビニル基含有シロキサンコンプレックスのイソドデカン溶液(白金含有量0.5%)0.6gとポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)1.1g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、0.28質量部となる量)の混合溶解物を添加し、同温度で12時間撹拌し、上記式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンと、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン及び上記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの付加反応を行った。次いで、抗菌剤であるフェノキシエタノール10gを添加し、同温度で10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分100質量部に対し、88.6質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液中に含まれるシリコーンエラストマーの体積平均粒径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−960」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、470nmであった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのない乾燥物が得られたものの、脆すぎてシートとしてトレイより剥がせなかった。
[比較例3]
比較例1と同様にして得られた水性シリコーン分散液に、濃度40%のコロイダルシリカ水分散液(商品名:COSMO S−40、日揮触媒化成(株)製)53g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、コロイダルシリカ5.3質量部となる量)を添加し、10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分とコロイダルシリカとの合計100質量部に対し、91.7質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのない乾燥物が得られたものの、脆すぎてシートとしてトレイより剥がせなかった。
[比較例4]
実施例1で使用したラウリル硫酸ナトリウム5gの代わりにポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)5gを用いた他は実施例1と同じ方法で、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分100質量部に対し、96.6質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液中に含まれるシリコーンエラストマーの体積平均粒径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−960」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、720nmであった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのない乾燥物が得られたものの、脆すぎてシートとしてトレイより剥がせなかった。
[比較例5]
上記式(A−1’)で示される、動粘度が130mm2/s、ビニル基量が0.035mol/100gの分子両末端にビニル基を含有するジメチルポリシロキサン271g、上記式(A−2’)で示される、動粘度が430mm2/s、ヒドロシリル基量が0.040mol/100gのヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン137g、及び上記式(A−3’)で示される、動粘度が35mm2/s、ヒドロシリル基量が0.066mol/100gの分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサン92gを、容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌溶解させた。ここで、上記式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンのビニル基1個に対し、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基の合計は1.22個である。また、式(2)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンと上記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの質量比((A−2’):(A−3’))は60:40である。
次いで、ラウリル硫酸ナトリウム5g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、.0質量部となる量)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)25g及びと水40gを加え、ホモディスパーを用いて4,000rpmで撹拌したところ、水中油滴型となり、グリース状になり、さらに、10分間撹拌を継続した。ホモミキサーを用いて2,000rpmで撹拌しながら、水418gを加え、均一な白色エマルジョンを得た。
得られたエマルジョン790gを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量2リットルのガラスフラスコに移し、20〜25℃に温調した後、撹拌下に白金−ビニル基含有シロキサンコンプレックスのイソドデカン溶液(白金含有量0.5%)0.6gとポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9モル)1.1g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、0.28質量部となる量)の混合溶解物を添加し、同温度で12時間撹拌し、上記式(A−1’)のビニル基を含有するジメチルポリシロキサンと、上記式(A−2’)のヒドロシリル基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン及び上記式(A−3’)の分子両末端にヒドロシリル基を含有する直鎖状のジメチルハイドロジェンポリシロキサンの付加反応を行った。次いで、抗菌剤であるフェノキシエタノール10gを添加し、同温度で10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分100質量部に対し、91.6質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液中に含まれるシリコーンエラストマーの体積平均粒径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−960」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、660nmであった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのない乾燥物が得られたものの、脆すぎてシートとしてトレイより剥がせなかった。
[比較例6]
比較例1と同様にして得られた水性シリコーン分散液に、濃度40%のコロイダルシリカ水分散液(商品名:COSMO S−40、日揮触媒化成(株)製)360g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、コロイダルシリカ36.0質量部となる量)を添加し、10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記(A)成分とコロイダルシリカとの合計100質量部に対し、109.8質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのない乾燥物が得られたものの、脆すぎてシートとしてトレイより剥がせなかった。
[比較例7]
オクタメチルシクロテトラシロキサン500g、乳化剤兼重合触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸30g、及び水170gを1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて8,000rpmで撹拌したところ、水中油滴型となり、増粘が認められ、さらに、15分間撹拌を継続した。2,000rpmで撹拌しながら、水300gを加え希釈した。30MPaの圧力の条件でホモジナイザーに通し、均一な白色エマルジョンを得た。
得られたエマルジョン800gを錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量2リットルのガラスフラスコに移し、70℃で6時間反応させ、さらに15℃で12時間熟成した後に、10質量%炭酸ナトリウム水溶液44gを添加し、pH=6.2に中和した。得られたエマルジョンのポリシロキサン分は、分子両末端に水酸基を含有するジメチルポリシロキサンである。このエマルジョンにイソプロピルアルコールを加えてエマルジョンを破壊させ、分離した、ポリシロキサンの複素粘性率を測定したところ、2.3×10 6 mPa・sであった。
得られた分子両末端に水酸基を含有するジメチルポリシロキサンのエマルジョン787gに、撹拌下にフェニルトリエトキシシラン8gを添加し、1時間撹拌した後、さらに縮合触媒であるジオクチルスズジバーサテートのエマルジョン(ジオクチルスズジバーサテート濃度42%)4.8g、及び抗菌剤であるフェノキシエタノール8gを添加し、10分間撹拌し、水性シリコーン分散液を得た。水性シリコーン分散液中における水の量は、上記ポリシロキサン分とフェニルトリエトキシシランとの合計100質量部に対し、103.2質量部であった。
得られた水性シリコーン分散液中に含まれるシリコーンエラストマーの体積平均粒径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置「LA−960」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、220nmであった。
得られた水性シリコーン分散液を上記の方法で乾燥したところ、タックのないシートが得られた。タイプAデュロメータゴム硬さは12、切断時伸びは860%、切断時引張強さは0.60MPaであった。
得られた水性シリコーン分散液を手の甲にスポイトを用いて約0.02g垂らし、指で直径約2cmの大きさに広げた。3分間風乾した後、指で強く擦ったところ、固形物の脱落はなく、短時間の乾燥では硬化皮膜は形成しないものであった。

Claims (8)

  1. 常温乾燥でエラストマー皮膜を形成する水性シリコーン分散液であって、
    (A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサン(A−1)と、
    1分子中に3個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)及び分子鎖両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状のジオルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−3)との付加反応生成物であるシリコーンエラストマー、
    (B)アニオン性界面活性剤:(A)成分100質量部に対し0.1〜5質量部、
    (C)ノニオン性界面活性剤:(A)成分100質量部に対し0〜2質量部、
    (D)コロイダルシリカ:(A)成分100質量部に対し0〜35質量部、及び
    (E)水:(A)成分と(D)成分との合計100質量部に対し15〜200質量部
    を含む、上記(A)シリコーンエラストマーが分散された水性シリコーン分散液。
  2. 水性シリコーン分散液の25℃乾燥物である厚さ1mmのエラストマーシートのアスカーCゴム硬さ(日本ゴム協会標準規格(SRIS)に規定された試験方法)が、5以上である請求項1記載の水性シリコーン分散液。
  3. 水性シリコーン分散液の25℃乾燥物である厚さ1mmのエラストマーシートのダンベル形状3号形試験片の切断時伸び(JIS K 6251に規定された試験方法)が、20%以上であり、切断時引張強さ(JIS K 6251に規定された試験方法)が、0.05MPa以上である請求項1又は2記載の水性シリコーン分散液。
  4. (A)成分が、(A−2)成分と(A−3)成分の質量比(A−2):(A−3)が5:95〜90:10であり、(A−1)成分と、(A−2)及び(A−3)成分との付加反応生成物である請求項1〜3のいずれか1項記載の水性シリコーン分散液。
  5. (A−3)成分が、1分子中に2個のヒドロシリル基を分子鎖両末端に有する、直鎖状のジオルガノハイドロジェンポリシロキサンである請求項1〜4のいずれか1項記載の水性シリコーン分散液。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載の水性シリコーン分散液を常温乾燥させたエラストマー皮膜。
  7. 請求項1〜のいずれか1項記載の水性シリコーン分散液を含む化粧料。
  8. メークアップ化粧料、パック化粧料又はまつ毛用化粧料である請求項記載の化粧料。
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