JP2018112861A - 乱数生成装置、集積回路 - Google Patents
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Abstract
Description
一般的に、リングオシレータから出力される高速で動作するクロックを使用する乱数生成装置が知られており、以下のような構成となっている。
それにより、リングオシレータからの高速クロックのジッタ成分及び、FFの同期用に入力している低速クロックのジッタ成分の影響により、FFの出力から乱数が生成できる。
クロック生成手段を有する乱数生成装置であって、段数が異なる複数のリングオシレータと、該段数が異なる複数のリングオシレータが出力する周波数が高速のクロックの組み合わせを選択し、該選択された組み合わせで周波数が高速の複数のクロックを前記論理回路の信号入力端子に出力する制御手段と、を備えることを特徴とする。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1において、リングオシレータ部201は乱数生成に使用するための高速クロックを生成するために、奇数個のインバータがリング状に接続されている。本実施形態では、3個のインバータ203、204、205がシリアルに接続されている。リングオシレータ部201のAND回路202にRESET_L信号が「Low」(以降「L」とする)に固定されている場合、リングオシレータ部201の信号はAND回路202によって、「L」固定とされる。このため、叩きだし用FF206のデータ入力端子(DI)の信号は「H」のままの状態となる。また、叩きだし用FF206のデータ入力端子(DI)と接続されているAND回路202の入力端子にも「H」が入力される。
すると、叩きだし用FF206のデータ入力端子(DI)の信号に関しても「H」から「L」に切り替わる。
また、叩きだし用FF206のデータ入力端子(DI)と接続されているAND回路202の入力端子に関しても「H」から「L」に切り替わる。すると、インバータ203の出力信号は、「L」から「H」へ、インバータ204の出力信号は、「H」から「L」へ、インバータ205の出力信号は、「L」から「H」に切り替わる。すると、叩きだし用FF206のデータ入力端子(DI)の信号に関しても「L」から「H」に切り替わる。
また、叩きだし用のFF206のクロック入力端子(CLK)には、前記リングオシレータから出力されてくる高速クロックに対して周波数の低い低速クロック(CLK_IN)が入力される。
図において、RESET_L信号が「H」となった所で、リングオシレータ201からの高速クロック出力が開始されることとなる(図2の時点(1))。
高速クロックの周期と低速クロックの周期が、図2のような関係にあった場合、時点(2)で、叩きだし用FF206のクロック入力端子(CLK)に入力された低速クロックが立ち上がる。この立ち上がりエッジにより、高速クロックが叩きだされ、出力端子(DO)からの信号出力は「L」から「H」へと変化する。
同様に、時点(3)で、CLKに入力された低速クロックの立ち上がりエッジにより、高速クロックが叩きだされ、出力端子(DO)からの信号出力は「H」から「L」へと変化する。そして、時点(4)で再び出力端子(DO)からの信号出力は「L」から「H」へと変化する。
また、低速クロックに関しても、低速クロックの源振となるPLLの動作時のジッタがあり、PLLから出力されたクロックを低速クロックにするために分周を行った場合、PLLで発生したジッタは更に大きなジッタとなって伝搬する。
図3において、リングオシレータ201から生成される高速クロックに関しては、各インバータ203、204、205やAND回路202の回路生成時のプロセスばらつきや動作電圧、周囲温度等の影響により、ジッタが発生する。 そのため、図3の波DI形に、斜線で示したようなジッタを持つこととなり、斜線で示す部分のどの部分に立ち上がりエッジ、立ち下がりのエッジがくるかは特定できない。
一般的に、クロックに対してN分周を行うと、そのジッタはN倍もしくはルートN倍となると言われており、1000MHzのクロックをPLLから出力した時のジッタが0.25nsecであった場合、25分周した40MHzのクロックに関して、5倍からの25倍ジッタが発生する。
つまり、40MHzつまり、25nsecの周期のクロックに対して、1.25nsecから6.25nsecのジッタが含まれる。
また、高速クロックの場合と同様に、低速クロックに関してもジッタの範囲内のどこに立ち上がりエッジ、立ち下がりのエッジが来るかは特定できない。
そのため、従来技術のような回路構成で実際にASICなどのチップを製造した際の動作時に、想定していた 通りのランダム性が得られないということがおこる可能性もある。
図4において、高速クロック112生成用のリングオシレータ101は、本実施形態においては3個のインバータを使用したリングオシレータとして構成されている例を示す。なお、図1において説明したように、リセット信号115で動作を停止することが可能な構成とする。
高速クロック113、114生成用のリングオシレータ102、103は、リングオシレータ101と同様な構成で、それぞれ5個、7個のインバータを使用しているものとなる。
本実施形態では、各高速クロックと高速クロック選択信号とのANDを取ることで、乱数生成に使用しないクロックに関しては、高速クロック選択信号を「L」とすることで、高速クロックを「L」固定とすることとしている。
図6は、図1に示した3入力XOR回路105の入出力信号の波形を示す特性図である。
図6において、波形Aは3入力XOR回路105の入力端子Aへの高速クロック112の波形を示す。波形Bは3入力XOR回路105の入力端子Bへの高速クロック113の波形を示す。波形Cは3入力XOR回路105の入力端子Cの高速クロック114の波形を示す。波形Qは3入力XOR回路105の出力端子Qから出力される信号の波形を示す。
3入力XOR回路105に、位相や周波数の異なる複数の高速クロックを通すことにより、図6に示すように、叩きだし用FF106のデータ入力端子におけるデータのトグル数が多くなる。これにより、乱数生成時のランダム性を高くすることができる。叩きだし用FF106の信号入力端子には、3入力XOR回路105からの出力信号である高速のクロックが入力される。また、基準クロック端子には、基準クロックが入力される。
高速クロック制御部107の内部には、詳細な図示による説明はここでは行わないが、リセット生成用レジスタ回路108、各高速クロック選択信号用のレジスタ回路109、110、111を持つ。
そして、本乱数生成装置100の制御を行っているCPUからのアクセスにより各出力信号の制御を行うこととする。
図5の真理値表に従った場合の、3入力XOR回路105の入力信号の波形と、その時の出力信号の波形が図6に示す特性図に対応する。
各高速クロックA、B、Cの入力に対して、XORを行うことで、最も高速にトグルを行っているクロックAよりも、更に細かい周期での信号のトグルが可能となる。
ただし、高速クロックの周波数によっては、図6の時点(1)〜(4)に示すように、高速クロックにトグルがあった時でも、3入力XOR回路105の出力信号ではトグルが行われない場合もある。
図7の真理値表に従った場合の、3入力XOR回路105の入力信号の波形と、その時の出力信号の波形が、図8に示す特性図となる。
各高速クロックA、Cの入力に対して、XORを行うことで、最も高速にトグルを行っているクロックAよりも、更に細かい周期での信号のトグルが可能となる。 但し、高速クロックの周波数によっては、図8の時点(1)に示すように、高速クロックにトグルがあった時でも、3入力XOR回路105の出力信号ではトグルが行われない場合もある。
図9の真理値表に従った場合の、3入力XOR回路105の入力信号の波形と、その時の出力信号の波形は図10に示す特性図に対応する。
各高速クロックA、Bの入力に対して、XORを行うことで、最も高速にトグルを行っているクロックAよりも、更に細かい周期での信号のトグルが可能となる。 但し、高速クロックの周波数によっては、図10の(1)〜(3)に示すように、高速クロックにトグルがあった時でも、3入力XOR回路105の出力信号ではトグルが行われない場合もある。
図11の真理値表に従った場合の、3入力XOR回路105の入力信号の波形と、その時の出力信号の波形が、図12に示す特性図に対応する。
各高速クロックB、Cの入力に対して、XORを行うことで、最も高速にトグルを行っているクロックAよりも、トグルの回数は少なくなる。
しかし、高速クロックB、Cとも高速クロックAよりも周波数が遅いクロックであるため、クロック生成時のジッタが大きくなっていることを考慮すると、この場合でも、低速クロックとの周波数やジッタとの組み合わせにより、ランダム性が変わってくることとなり、ランダム性が高くなることも考えられる。
ランダム性の確認に関しては様々な方法があるが、本実施形態においては以下のように確認することとする。
そのデータの「0」の個数が特定のサイクルの2分の1に最も近い値となった場合の設定が、最もランダム性が高い設定とする。
高速クロック112を「L」固定とし、113、114 の高速クロックをXORに使用する設定として、100000サイクル分のデータを取得した時に、500250回の「0」、499750回の「H」となったとする。
高速クロック113を「L」固定とし、112、114の高速クロックをXORに使用する設定として、100000サイクル分のデータを取得した時に、500150回の「0」、499850回の「H」となったとする。
高速クロック114を「L」固定とし、112、113 の高速クロックをXORに使用する設定として、100000サイクル分のデータを取得した時に、500230回の「0」、499770回の「H」となったとする。この場合、高速クロック113を「L」固定とし、112、114 の高速クロックをXORに使用する設定が、最もランダム性の高い設定として採用される。
第1実施形態においては、叩き出し用のFF106のデータ入力端子(DI)に入力される信号を、遅延時間の異なる複数のリングオシレータから出力される高速クロックの、XORに使用する組み合わせを変化させることで、ランダム性の高い乱数を生成する乱数生成装置の例を説明した。
本実施形態では、叩き出し用のFF106のクロック入力端子(CLK)に入力する低速クロックを変化させることで、ランダム性の高い乱数を生成する乱数生成装置の例をあげる。
図13は、本実施形態を示す乱数生成装置の構成を示すブロック図である。本実施形態は、第1実施形態に加えて、非同期の基準クロックを動的に選択するクロック選択部を備えることを特徴とする。
なお、本実施形態における高速クロック生成部100は、第1実施形態と同じ構成をとるため、図1と同じ番号を付けることにより、詳細な説明は省くこととする。ここでは、第2実施形態における特徴となる低速クロック生成部1300に関して、詳細な説明を行う。
入力された各低速クロックは低速クロック選択部1301内のインバータにより反転クロックが生成される。CLK_Aからは、インバータ1302によって、反転クロックCLK_A_INVが生成される。
また、CLK_Bからは、インバータ1303によって、反転クロックCLK_B_INVが生成される。
CLK_SEL[0]が「L」及びCLK_SEL[1]が「L」の時にはCLK_Aを出力、CLK_SEL[0]が「H」及びCLK_SEL[1]が「L」の時にはCLK_A_INVを出力する。
また、CLK_SEL[0]が「L」及びCLK_SEL[1]が「H」の時にはCLK_Bを出力、CLK_SEL[0]が「H」及びCLK_SEL[1]が「H」の時にはCLK_B_INVを出力することとする。
以上のように、低速クロック制御部1306により選択されて出力された低速クロックが、叩き出し用FF106の入カクロック端子(CLK)へと入力する。
図15に示す例は、叩き出し用FF106への入カデータ端子(DI)へ入力されたXORからの出力信号と、低速クロック生成部1300に入力された2種類の低速クロックCLK_A及び、CLK_B、またそれぞれのクロックの反転クロックであるCLK_A_INVとCLK_B_INVの各クロックが出力クロックとして選択された場合の、叩き出し用FF106からの出力信号を表している。
また、CLK_A_INVを叩き出し用FF106のクロックとして選択した時の叩き出し用FF106の出力端子の信号の遷移を表した波形は、DO(CLK_A_INV)となる。
また、各低速クロックのジッタの大きさも各クロックによって異なるため、どの低速クロックを選択するかによって、高速クロックのトグルの変化やジッタの違いとの組み合わせが変わり、ランダム性が高くなることも考えられる。
第2実施形態によれば、叩き出し用のFF106のクロック入力端子(CLK)に入力する低速クロックを変化させることで、ランダム性の高い乱数を生成する乱数生成装置の例をあげた。
図13に示すように、高速クロックの選択と、低速クロックの選択を合わせて行うことにより、より多くの組み合わせを試行することが可能となる。
第1実施形態においては、叩き出し用のFF106のデータ入力端子に入力される信号を、インバータの個数の異なるリングオシレータから出力される高速クロックをXORし、トグル数を多くすることで、ランダム性の高い乱数を生成する乱数生成装置の例をあげた。
図16において、高速クロック生成用のリングオシレータ1601は、高速動作可能なつまり、ドライブ能力の高い3個のインバータ1603、1604、1605を使用したリングオシレータとしている。また、高速クロック生成用のリングオシレータ1601は、AND回路1602によって、リセット信号が「L」である時、クロック生成の動作を停止することが可能な構成としている。
本実施形態では、各高速クロックと高速クロック選択信号とのAND取ることで、乱数生成に使用しないクロックに関しては、「L」固定とする。
XOR部1626は、高速クロック制御部1625からの各高速クロックの入力を行う。
XOR部1626内には、図示されているように、2段のXORを使用し、4系統の入力に対するXOR処理を行い、その結果の信号を叩き出し用FF1633へと出力を行うこととする。XOR回路1626に複数の高速クロックを通すことにより、叩きだし用FF1633のデータ入力端子におけるデータのトグル数が多くなる。これにより、乱数生成時のランダム性を高くすることが可能となる。
高速クロック制御部・B1627の内部には、詳細な図示による説明はここでは行わないが、リセット生成用レジスタ回路1628、各高速クロック選択信号用のレジスタ回路1629、1630、1631、1632を持つ。
レジスタ回路1629 は、高速動作可能なインバータ3個によるリングオシレータ1601のクロック制御を行う。レジスタ回路1630 は、低速動作を行うインバータ3個によるリングオシレータ1606のクロック制御を行う。
レジスタ回路1631は、高速動作可能なインバータ5個によるリングオシレータ1611のクロック制御を行う。レジスタ回路1632は、高速動作可能なインバータ5個によるリングオシレータ1618のクロック制御を行う。高速クロック制御部・B1627内の各レジスタは、本乱数生成装置の制御を行っているCPUからのアクセスにより各出力信号の制御を行うこととする。
本例は、リングオシレータの出力信号のインバータセルのドライブ能力の違いとクロックの周波数および、ジッタを示している。
図16において、高速動作可能なインバータつまり、ドライブ能力の高いインバータを使用した場合、インバータ1603から入力された信号が、インバータ1603、1604、1605の各インバータを通過する時間が短いため、リングオシレータ1601から出力されるクロックの周波数は高くなる。
これにより、叩き出し用のFF1633に入力されるデータ信号のトグル数が大きくなるため、低速クロックのジッタの範囲内でのトグル数も多くなり、ランダム性が増す。
これにより、叩き出し用のFFに入力されるデータ信号のジッタが大きくなるため、低速クロックのジッタとの組み合わせにより、ランダム性が増すこととなる。
つまり、使用する場所の温度や使用する時の電圧等により、変化する。
〔第4実施形態〕
また、第1実施形態の乱数生成装置において、同段数ではあるが動作能力が低速と高速のリングオシレータを選択可能な構成として、さらに低速と高速のリングオシレータがそれぞれ段数の異なるリングオシレータとするように構成としてもよい。
これにより、ランダム性の高い状態へ回路調整を自在に行うことが期待できる。
202 AND回路
203、204、205 インバータ
206 叩きだし用FF
Claims (7)
- クロック生成装置を有する乱数生成装置であって、
段数が異なる複数のリングオシレータと、
前記段数が異なる複数のリングオシレータが出力する周波数が高速のクロックの組み合わせを選択し、該選択された組み合わせで周波数が高速の複数のクロックを論理回路のデータ入力端子に出力する制御手段と、を備えることを特徴とする乱数生成装置。 - 前記論理回路は、前記クロック生成手段から出力される周波数が高速の複数のクロックに論理演算を行い0または1の乱数を外部に出力することを特徴とする請求項1に記載の乱数生成装置。
- 段数の異なるリングオシレータは、同じ段数で動作能力が異なる高速および低速のリングオシレータをそれぞれ備えることを特徴とする請求項1に記載の乱数生成装置。
- 高速のクロックを生成するクロック生成手段と、低速の基準クロックを選択するクロック選択手段とを有する乱数生成装置であって、
前記クロック生成手段は、
段数が異なる複数のリングオシレータと、
前記段数が異なる複数のリングオシレータが出力する周波数が高速のクロックを組み合わせ可能に選択し、該選択された組み合わせで周波数が高速の複数のクロックを論理回路のデータ入力端子に出力する第1の制御手段と、を備え、
前記クロック選択手段は、
同期しないいずれかの基準クロックを選択して、該選択された基準クロックを前記論理回路の基準クロック端子に出力する第2の制御手段を備えることを特徴とする乱数生成装置。 - 前記クロック選択手段は、
さらに、前記同期しない基準クロックを反転する反転手段を備え、
前記第2の制御手段は、同期しない反転した基準クロックまたは同期しない基準クロックを動的に選択することを特徴とする請求項4に記載の乱数生成装置。 - 前記論理回路は、排他的論理和ゲートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の乱数生成装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれかの乱数生成装置を集積したことを特徴とする集積回路。
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